2018年2月25日 (日)

What The World Needs Now!/Tony Hatch & His Orchestra (1971年)

英国のソングライター、トニー・ハッチが1971年にリリースしたバカラック・カヴァー集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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A1. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
A2. TRAINS AND BOATS AND PLANES
A3. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
A4. WALK ON BY
A5. A HOUSE IS NOT A HOME
A6. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
B1. I SAY A LITTLE PRAYER
B2. THE LOOK OF LOVE
B3. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
B4. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
B5. ALFIE
B6. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE

収録時間約37分


Tony_hatch_photo_3 トニー・ハッチ(1939-)は1960年代から英国ポップスをリードしてきたソングライターであり、数多くのアーチストを世に送り出してきた名プロデューサー。

1961年にパイ・レコードと契約。サーチャーズやデヴィッド・ボウイなどに作品を提供し、数々のヒット曲を生み出しました。ペトゥラ・クラークの 「 Downtown (恋のダウンタウン) 」 は英国人女性初の全米NO.1に輝き、 「 Call Me (コール・ミー) 」 は世界中の歌手にカヴァーされています。その活躍ぶりは “ イギリスのバカラック ” と称されるほど。

1960年代半ばからはオーケストラを率いてイージーリスニング・アルバムを数多くリリース。本アルバムはそんなイージー・リスニング・アルバムのひとつで、1971年にリリースされたバカラック作品集です。ジャケ写は女性の写真。もろイージーリスニングだぁ。

R1047189514981339584924jpeg_3同じ年に日本盤もリリースされました。邦題は 『 トニー・ハッチ<プラス>バート・バカラック 』。トニー・ハッチにバカラックを足すとは、どーゆーこと? もしかしてトニー・ハッチとバカラック、世紀の共演なのかっ!?

─  イギリス最高のサウンド・クリエーターが見事な4チャンネル・アレンジで贈るバカラック・ソング ─ (日本盤の帯コピー)

帯を読まないと誤解しますよねー。素直に 『 トニー・ハッチ<プレイズ>バート・バカラック 』 としとけばよいものを…。

プロデュース&アレンジはトニー・ハッチ自身。クレジットに記載はありませんが、オーケストラは小規模ビッグバンド+ストリングス+ハープってな感じでコーラスは一切なし。トニー・ハッチ自身は指揮してるのかな?

Img_0268eeeImg_0269fff 取り上げた12曲はバカラックの定番曲ばかり。1971年ですからB3. 「 雨にぬれても 」 やB4. 「 遥かなる影 」 も入ってます。アレンジの仕立ては “ 軽快で明るいイージーリスニング ”。どちらかというとストリングスより管楽器が目立ちますが、各楽器にまんべんなくメロディを担当させてます。特にバス・トランペットは珍しいと思います。普通ポップスには使わんでしょう。一般的なトランペットより1オクターブ低く音色はトロンボーンにそっくり。知らなかったので勉強になりました。(参考:トランペット6種類のデモ動画 ~ 最初がバス・トランペット)

─  バート・バカラックは、コードとリズム構造の複雑さとメロディのシンプルさを融合させるわざの持ち主です。ハル・デイヴィッドは、おきまりのありきたりな表現をスタイリッシュなオリジナリティーに変える技巧をモノにしました。私は何年もの間、彼らの複合的な才能に敬意を表してきました。このアルバムで彼らのグレイテスト・ヒッツ12曲を演奏することは私にとって途轍もなく大きな喜びです。 ─ (トニー・ハッチ、 裏ジャケのライナーより)

バカラックとハル・デイヴィッドの2人を同じようにリスペクトしているのは作詞と作曲の両方をこなすトニー・ハッチならでは。取ってつけたようなアレンジの曲はなく、彼の言葉が儀礼的なものではないことがわかります。ハープで始まるイントロやAメロ初め2小節の弾むハーモニーが特徴的なA1. 「 サン・ホセへの道 」 、いろんな楽器を贅沢に使ったアレンジでバス・トランペットがいいアクセントになっているB1. 「 小さな願い 」 、速いテンポ(♩≒140)のジャズワルツでブラスとストリングスがゴージャスに奏でるB6. 「 世界は愛を求めている 」 あたりがレコメンド。

他にも、フリューゲルホルン2本とフルートがうまくハモるA2. 「 汽車と船と飛行機と 」 、フリューゲルホルンとトロンボーンによるメロディの掛け合いがたまらないB5. 「 アルフィー 」 あたりも捨てがたいです。トニー・ハッチは日本ではともかく英国では超有名ですからCD化されていてもよさそうなもんなんですが…。

R357085415013377633140png なお、B2. 「 恋のおもかげ 」 だけは1968年のアルバム 『 Latin Velvet And Other Warm Sensations 』 からのキャリーオーバー。
流麗なストリングスにフリューゲルホルン、サックス、ピアノがシンプルにメロディを乗せたサウンドは、確かに本アルバムの他の曲とはちょっと雰囲気が異なります。私のレコメンドではありませんねー。

このように、本アルバム以外にもトニー・ハッチは自身名義でバカラック作品をレコーディングしています。
以下まとめてみました。対象はあくまで彼自身名義のアルバムで、例えば “ ジャッキー・トレント(当時の奥様) with トニー・ハッチ ” のようなアルバムは含みません。
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R211496314665272806804jpegオマケとして、MP3でしか所有していないバカラック・カヴァーをご紹介。
上表のとおり、トニー・ハッチは1970年にリリースした Tony Hatch & The Satin Brass 名義のアルバム 『 Sounds Of The 70's 』 で 「 恋よさようなら 」(2:17) と 「 ディス・ガイ 」(3:20) を取り上げています。「 恋よさようなら 」 はマリアッチ調で、複数のトランペットによるメロディはどーみてもティファナブラスのパクリ(笑)。他にもホルンやトロンボーンがバリバリメロディを吹いてます。
「 ディス・ガイ 」 は本アルバムにも収録されていますが、イントロこそ似てるものの全くの別物。ボサノヴァ調で、後半は 「 恋よ~ 」 と同様に金管がバリバリ吹きます。本アルバム収録曲の方が私は好きですねー。


【データ】
『 What The World Needs Now! 』 (邦題:トニー・ハッチ<プラス>バート・バカラック)
Tony Hatch & His Orchestra With The Songs Of Burt Bacharach & Hal David

LP:1971年リリース
レーベル:Pye Records (UK)
番号:NSPL 41014

Produced by Tony Hatch
Arranged by Tony Hatch
Special Mentions
  Bass Trumpet - Ray Premru (A1,A6,B1)
  Flugel Horn - Tony Fisher (A2,B6), Greg Bowen (A2,A3)
  Trombone - Johnny Edwards (A2)
  Alto Sax - Ronnie Chamberlain (A5)
  Tenor Sax - Rex Morris (B5)

Recording Supervised by Ray Prickett at Pye Records Studios, London
Ⓟ1971 (except B2.- Ⓟ1968)

※ 日本の Amazon での取り扱いはなし

2018年2月18日 (日)

BACHARACH BRAVO!/Chris Hinze (1971年)

オランダの男性ジャズ・フルート奏者、クリス・ヒンゼが1971年にリリースしたバカラック・カヴァー集です。

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A1. THE APRIL FOOLS
A2. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
A3. THE LOOK OF LOVE
A4. TRAINS AND BOATS AND PLANES
B1. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
B2. LET ME GO TO HIM
B3. PAPER MACHE
B4. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU

収録時間約36分


クリス・ヒンゼは1938年オランダ生まれのジャズ・フルート奏者。ハーグ王立音楽院で学び、1969年にバークリー音楽院に留学。1970年には自らのカルテットでモントルー・ジャズ祭に参加してソリスト賞を受賞しました。ジャズからバロック、1974年には尺八の山本邦山など邦楽器奏者とのセッション3部作を録音したり、後年はニューエイジに傾倒するなど幅広いジャンルで活躍した方のようです。

1969年に初リーダー作を録音。カルテットで2枚、クリス・ヒンゼ・コンビネーション名義で1枚のアルバムをリリース(ジャケ裏の3枚のLPジャケットがそれです)したあと、1971年にリリースした4枚目が本作です。

基本はフルート、ピアノ、ギター、ベース、ドラムスのクインテットで、更に一部の曲でフルート4人が参加。あまり馴染みのない編成なので新鮮ではあります。ちょっと残念なのはメンバーの写真がないこと。ジャケットにワケわからん写真使うくらいなら小さくてもいいから載せて欲しかったです…。

Imgp5321ccc_2Imgp5322ccc_2 収録された8曲は全てバカラック&デイヴィッド作品。

そのうちB2.. 「 レット・ミー・ゴー・トゥー・ヒム(恋に生きて) 」 とB3. 「 ペイパー・マシェ 」 はディオンヌがオリジナル。1970年のアルバム 『 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 』 収録曲で、どちらもシングルA面曲になったのですが、あまりカヴァーされていない曲です。超レアな 「 レット・ミー・ゴー・トゥー・ヒム 」 は私にとって初めて聴くカヴァー・バージョンとなりました。

全体にゆったりめで落ち着いたアレンジが多いです。各曲のテンポをその曲のオリジナル・バージョンと比較してみました。レーダーチャートをご覧ください。オリジナルより遅い曲が殆どです。特にA4. 「 汽車と船と飛行機と 」(♩≒72) とB3. 「 ペイパー・マシェ 」(♩≒70) はオリジナルよりグッと遅くて、受ける印象がかなり変わるのが面白い!
尚、B4. 「 遥かなる影 」 のオリジナルはリチャード・チェンバレンですが、ここではカーペンターズと比較しました。
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A面最初のA1. 「 エイプリス・フール 」 やB面最初のB1. 「 ディス・ガイ 」 は、他のどのカヴァーとも違うシンプル且つ幻想的なイントロから始まり、コイツは只者ではないな…と思わせます。全編を通して、クリスはフラッター・タングング(巻き舌)や尺八のような奏法など、派手ではないけれど様々な技を駆使してメロディを奏でています。このアルバムはイージー・リスニングなんかじゃなくてやっぱりジャズなんですね。

落ち着いたアレンジが多いと書きましたが、A2. 「 世界は愛を求めている 」 やA3. 「 恋のおもかげ 」 はクリスやピアノのアドリヴがけっこう多くてハードな仕上がり。特に 「 恋のおもかげ 」 はアヴァンギャルドなアドリヴで、 『 ルパン三世 』 TV第1シリーズの世界観と近しい印象を持ちました(あくまで個人的な感想ですが)。本アルバム中、私のイチオシです。

アドリヴもなく単調なB4. 「 遥かなる影 」 のようにちょっと残念な曲もありますが、どうしてこれまでCD化されてなかったんだろう?と訝しく思ってしまう、掘り出し物のアルバムでございました。地味ですけどねcoldsweats01

R105858615133448519141pngSankyoalto ちなみに、ワケわからんジャケ写は1973年の再発時にクリスの写真に差し替えられ、アルバム名もわかりやすく 『 Hinze Plays Bacharach 』 に変更されました。(画像左です)

再発時のジャケ写でクリスが吹いてるフルート、よく見ると管が平行に2本あります。クリスは曲によって普通のフルートとアルトフルートを吹き分けていますが、どうもU字管のアルトフルートみたいですね。アルトフルートは普通のフルートの1.5倍くらいの長さがあり手が届きにくくなることから、ストレートと一回曲げたU字管の2種類の形状(画像右参照)があるんですって。今回初めて知りましたflair

そのアルトフルートがそうなのかはわかりませんが、クレジットによればクリスのフルートはムラマツ製。日本製フルートが欧米で高い評価を得た最初の製品がムラマツフルートだった…と何かの本で読んだことがありますが、1970年頃すでにそうだっんだっ!?と認識しました。


【データ】
『 BACHARACH BRAVO! 』
Chris Hinze

LP:1971年リリース
レーベル:CBS (Netherlands)
番号:S 64312

Produced by Ruud Jacobs
Arranged by Chris Hinze
Personnel
  Chris Hinze - flute & alto flute
  Henk Alkema - piano & organ
  Wim Overgaauw - guitar
  Roger Cook - bass
  Frank Bennett - drums
  David Porcelijn - flute (A2,B2,B4)
  Rien de Reede - alto flute (〃)
  Govert Jurriaanse - flute (〃)
  Margriet De Wijs - flute (〃)

Chris Hinze plays a silver Muramatsu flute

※ 日本の Amazon での取り扱いはなし

2018年2月11日 (日)

Promises, Promises/Aimi Macdonald and Ronnie Carroll (1969年)

UKアーティストによるミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 のスタジオ・キャスト・アルバムです。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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A1. OVERTURE  ~ Orchestra ~
A2. HALF AS BIG AS LIFE  ~ Ronnie Carroll
A3. UPSTAIRS  ~ Ronnie Carroll
A4. YOU'LL THINK OF SOMEONE  ~ Aimi Macdonald and Ronnie Carroll
A5. SHE LIKES BASKETBALL  ~ Ronnie Carroll
A6. KNOWING WHEN TO LEAVE  ~ Aimi Macdonald
B1. TURKEY LURKEY TIME  ~ Daphne Bonnet, Lissa Gray and Christine Parker
B2. A FACT CAN BE A BEAUTIFUL THING  ~ Ronnie Carroll and Patricia Whitmore
B3. WHOEVER YOU ARE, I LOVE YOU  ~ Aimi Macdonald
B4. WHERE CAN YOU TAKE A GIRL?  ~ Frank Holmes, Fergus O'Kelly, Eddie Lester and Charles Young
B5. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ Aimi Macdonald and Ronnie Carroll
B6. PROMISES, PROMISES  ~ Ronnie Carroll

収録時間約35分


─  ブロードウェイでの大ヒットを受け、『 プロミセス・プロミセス 』 ロンドン公演が10月2日プリンス・オブ・ウェールズ・シアターで始まった。「 THE STORY OF MY LIFE(ストーリー・オブ・マイ・ライフ) 」 「 WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE(世界は愛を求めている) 」 「 ANYONE WHO HAD A HEART(恋するハート) 」 などこの10年の間に数多くのヒット曲を生んだバート・バカラックとハル・デイヴィッドによる最初のミュージカルである。一番の人気曲 「 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN(恋よさようなら) 」 は公演開始一週間以内にUKチャート1位となり、ショーの成功を改めて裏付けることとなった。そのほか注目すべき曲は、「 WHOEVER YOU ARE, I LOVE YOU(あなたはあなた) 」 「 WANTING THINGS(ウォンティング・シングス) 」 そして、とても楽しいタイトル曲である。 ─ (ジャケ裏のライナーノーツより)

1969年、『 プロミセス・プロミセス 』 のロンドン公演が始まって一週間経った頃の描写からライナーノーツは始まっています。前回記事で紹介したロンドン・オリジナル・キャスト・アルバムと同じく1969年にリリースされた本アルバム、ロンドン公演のキャストは一人も参加していません。

アルバムの名義はアイミ・マクドナルドとロニー・キャロル。ジャケットの2人です。略歴がライナーに書いてありましたので引用して紹介します。(邦題やUKチャートなど参考情報を追記しました)

─  フランスとアメリカでバレエのキャリアをスタートさせた後、アイミはイングランド戻ってミュージカル 『 On the Town(オン・ザ・タウン) 』 『 Boys from Syracuse 』 に出演。そのあと彼女はTVコメディ・シリーズ 『 At Last The 1948 Show 』 で大ブレーク、“ the lovely Aimi Macdonald ” のキャッチフレーズが付いた。シリーズ終了後すぐに彼女はガーシュインの 『 Lady, be good(レディー、ビー・グッド) 』 でLionel Blairと共演した。 ─

─  ロニー・キャロルは約12年間歌手として活動しており、「 Say wonderful things 」(1963年、UK6位)、「 Roses are red 」(1962年、UK3位)、「 Dear heart 」 などのヒット曲がある。リラックスした歌唱スタイルを持ち、長年にわたり多くのラジオやTV番組に出演してきた。このところ録音が減っていたが以前と同様に彼が歌うのを聴けて非常に喜ばしい。 ─

作品や曲がわからないので読んでもピンときませんがcoldsweats01

Pp_uk_studio_cast_5この2人以外に、一部の曲では他のアーティストも参加しています。左の表はミュージカルの役と本アルバム参加アーティストの関係をまとめたものですが、その曲を歌う役に合わせて歌手をあてがってるワケですね。

Wikiで調べて知ったのですが、公演キャストとは別にレコーディングしたアルバムをスタジオ・キャスト・アルバムって言うんですね。?マークの方は出身&生年等調べてもわからなかったのですが、UKの色々なスタジオ・キャスト・アルバムに名前が出てくる…そんな方々ばかりでございます。

Imgp5319cccImgp5320ccc 収録されているのは、オリジナル・キャスト・アルバム(以降、OC盤)の17曲からシェルドレイク役やドレイファス医師役が歌う曲などをカットした12曲。オケのアレンジはOC盤に似ているけど全くの別物。レコードを耳コピしてOC盤を再現しようとしたけど力及ばず…だったのかなぁと推察。唯一みられる独自の工夫は、A1. 「 序曲 」 の途中に 「 恋よさようなら 」 を挿入したこと。時間にして20秒間、アイディアは良いのですが惜しむらくはここのアレンジが安直で…。時間に余裕がなかったのかしらん。

チャック役ロニーの歌唱は安定していて、とびぬけたところはないけれど安心して聴くことが出来ます。一方、フラン役のアイミはちょっとツラい。ネコ声なのはいいのですが、若い(当時27歳)わりに声の張りは無く音程は不安定。特にバラードのB3. 「 あなたはあなた 」 はそれが顕著。他のアーティストが頑張ってるだけに余計アイミの不安定さが目立ちます。

全体的なクオリティは明らかにOC盤より低く、本アルバムはオススメ致しかねます。これだったらOC盤を買えばいいワケで…。企画意図がよくわかりません。イージーリスニングのように原曲とは一味違ったアレンジで特徴を出すのならまだ存在意義があるんでしょうけどね。

そういう意味では、超一流アーティストが歌うスタジオ・キャスト・アルバムを作ったら面白いと思うんですけどね。OC盤を上回る圧倒的なクオリティで! 英国だったら、ちょうど今 『 トゥギャザー・ジャパン・ツアー 2018 』 (2018年2月10~12日、@東急シアターオーブ)で来日しているマイケル・ボールとアルフィー・ボーでアルバム制作したらスゴイことになるだろうなぁ。チャック役はどちらもキャラ合わないけど、ふたりともバカラック作品をカヴァーしているのでオファーしたらOKしてくれそうだし…などと夢想するあるでおでした。
マイケル・ボール 『 BACK TO BACHARACH 』
アルフィー・ボー 『 TRUST 』


【データ】
『 Promises, Promises 』
Aimi Macdonald and Ronnie Carroll

LP:1969年リリース
レーベル:fontana (UK)
番号:SFL 13192

プロデュース、アレンジ等は不明。
Orchestra directed by Keith Roberts
その他クレジットは前述の表を参照ください。
Ⓟ1969

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2018年2月 5日 (月)

PROMISES, PROMISES/Original London Cast Recording (1969年)

ミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 のオリジナル・ロンドン・キャスト・アルバムです。

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A1. OVERTURE  ~ Orchestra ~
A2. HALF AS BIG AS LIFE  ~ Anthony Roberts
A3. UPSTAIRS  ~ Anthony Roberts
A4. YOU'LL THINK OF SOMEONE  ~ Betty Buckley, Anthony Roberts
A5. OUR LITTLE SECRET  ~ Anthony Roberts, James Congdon
A6. SHE LIKES BASKETBALL  ~ Anthony Roberts
A7. KNOWING WHEN TO LEAVE  ~ Betty Buckley
A8. WANTING THINGS  ~ James Congdon
A9. TURKEY LURKEY TIME  ~ Donna McKechnie, Miranda Willis, Susi Pink
B1. A FACT CAN BE A BEAUTIFUL THING  ~ Anthony Roberts, Kelly Britt
B2. GRAPES OF ROTH  ~ Orchestra ~
B3. WHOEVER YOU ARE, I LOVE YOU  ~ Betty Buckley
B4. WHERE CAN YOU TAKE A GIRL?  ~ Ronn Carroll, Jay Denyer, Ivor Dean, Don Fellows
B5. CHRISTMAS DAY  ~ Toni Eden, Eula Parker, Jackie Lee, Barbara Moore
B6. A YOUNG PRETTY GIRL LIKE YOU  ~ Anthony Roberts, Jack Kruschen
B7. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ Betty Buckley, Anthony Roberts
B8. PROMISES, PROMISES  ~ Anthony Roberts

所要時間約44分


ミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 のオリジナル・ロンドン・キャスト・アルバムです。

本家ブロードウェイ版 『 プロミセス・プロミセス 』 の好評を受け、ロンドンのウエスト・エンドで1969年10月にオープン。560回上演してこちらも好評だったそうです。ジャケットにクレジットされていた主なスタッフ及び主要キャストは以下表のとおり。ブロードウェイ版も併記しました。
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照明と演出を除いてブロードウェイ版(以降、BW版)のスタッフが名を連ねています。Original production directed by とわざわざBW版の演出家までクレジットされていますし、アルバムのジャケットもそっくり。BW版と同じクオリティを目指したものと推察します。

チャック役のトニー・ロバーツについては 『 バカラック自伝 』 にエピソードが載っています。BW版のリハーサル中のこと。脚本のニール・サイモンがチャック役のジェリー・オーバックを嫌ってトニー・ロバーツの起用をプロデューサーに進言。香港からトニー・ロバーツをニューヨークに呼び戻したのですが、急にニール・サイモンがジェリー・オーバックを代えないと言い出して結局この話はおじゃんに。ウエスト・エンド版(以降、WE版)のチャック役は彼以外あり得なかったのかも…。トニー・ロバーツはその後、ブロードウェイで2代目チャックとなったそうです。良かったね、トニー。

フラン役のベティ・バックリーは1947年生まれで1969年当時22歳。出身地のテキサス州で一度は会社勤めをしたものの同年ニューヨークにやってきてブロードウェイ・デビューしたばかりでした。BW版のフラン役ジル・オハラがその後鳴かず飛ばずだったのに対して、ベティ・バックリーは映画/TV/ミュージカルなど幅広く活躍。ミュージカル 『 キャッツ 』 のブロードウェイ初演でグリザベラ役を演じて1983年トニー賞助演女優賞を受賞しています。尚、Wikiによればブロードウェイ何度目かの米国内ツアーの時にもフラン役を演じたそうです。

BW版が上演中ですから当然別の役者がキャスティングされているのですが、唯一の例外はミス・デラ=ホヤ役のドナ・マッケニー。のちにミュージカル 『 コーラスライン 』 で1976年のトニー賞主演女優賞を獲得しています。ブロードウェイは代役に交代したのかな。

表の主要キャストのうち英国の役者はカークビー役とアイケルバーガー役の2人のみ。ただ、役名は載ってないけれどB5. 「 クリスマス・デイ 」 を歌う女性4人組のうちアイルランド生まれの歌手Jackie Lee(ジャッキー・リー)と英国生まれでスキャットの女王として知られるBarbara Moore(バーバラ・ムーア)はWE版ならでは…なんだそう(某サイトの受け売りです^^;)。

Imgp5329cccImgp5332ccc 曲目はBW版と同じなのですが、構成面では細かいところでいくつか違いがあります。A3. 「 二階の僕の部屋 」 はBW版が2コーラス歌うのに対して1コーラスのみ、A9. 「 ターキー・ラーキー・タイム 」 では中盤にある間奏部に1小節挿入してドラムスのアドリブを強調、B3. 「 あなたはあなた 」 は終止形で終わるBW版に対しフェードアウトで終わる、B5. 「 クリスマス・デイ 」 の冒頭にフルートのソロを4小節追加する代わりにBW版にあるアウトロを省略、B8. 「 プロミセス・プロミセス 」 でBW版はフェードアウトですが終止形で終わっている、といったところです。

アレンジは基本同じなのですが、オケのメンバーや指揮者は現地調達でしょうから表現上の違いがみられます。例えばA1. 「 序曲 」 の前半、「 去りし時を知って(もうさようならの時) 」 のサビをトランペットが吹くところ。2小節だけ音型を比較してみたのがコレ。
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1969年のアルバム 『 MAKE IT EASY ON YOURSELF 』 でバカラックがセルフ・カヴァーした 「 去りし時を知って 」 のサビの音型はBW版と瓜二つ。─  わたしの書いたパートを、わたしが希望する通りのかたちでプレイさせることに強くこだわっていた ─ とBW版リハーサルの模様をバカラックが自伝で触れていますが、ナルホド納得です。片やWE版にバカラックが関与することはなかったのでしょう。自伝にもそんな記述ありませんし。
それと、B6. 「 可愛い女の子(若くてかわいい女の子) 」 だけキーが2度高いです。ドレイファス医師役の声域に合わせて移調したのでしょう。

トニー・ロバーツはジェリー・オーバックより4歳若いのですが、このアルバムを聴く限り逆なんじゃ?と思えます。声質は似ていますが声量が少し負けてるのかなと。A3. 「 二階の僕の部屋 」 やA4. 「 誰かいるさ 」 のようなアップテンポの曲では所々リズムに乗れない部分もあったりして。私はジェリー・オーバックに軍配を上げます。

ベティ・バックリーとジル・オハラは同い年。お互いブライトな声質で声量もあり甲乙つけがたいです。幾分ネコ声気味のベティ・バックリーの方が茶目っ気ある印象を受けますが、フラン役をどう演じるかに関わる話でありどちらがいいとは言えません。軍配は引き分けです。個人的な好みを言うとベティ・バックリーかな。

このミュージカルで最もお客さんに受ける場面でチャック役とB1. 「 事実は美しいはずなのに 」 を歌うマージ役。これはWE版のケリー・ブリットがもう抜群です。酔ってチャックをおちょくる女性を表情豊かに演じていて、チャック役のトニー・ロバーツをうまくリードしています。フラン役との絡みがイマイチなトニー・ロバーツもこの曲では生き生きとして息の合った絡みをみせます。

BW版とWE版を比較して雰囲気がちょっと違うと思ったのはコーラス形式で歌うB5. 「 クリスマス・デイ 」 。テンポが速めでゴージャスなBW版に対し、WE版はゆったりしたテンポで情感豊か。雰囲気が好きなのはWE版の方です。

このWE版の中古LPを私はDiscogsのマーケットプレイスでゲットしたのですが、2010年に米国 Kritzerland レーベルから1,000枚限定でCD化されていることをごく最近知りました。日本のAmazonでは扱ってませんが、UKとドイツの Amazon では扱ってるようです。とはいっても新品は売り切れてて中古だけ、しかもお値段かなりするようですが。内容的にはBW版と大きな違いはありませんから、興味ある方は中古LPをリーズナブルな価格で購入するのがよろしいかと。


【データ】
『 PROMISES, PROMISES 』
Original London Cast Recording

LP:1969年リリース
レーベル:United Artists (UK)
番号:UAS 29075

クレジットは前述の表を参照ください。

※ 日本の Amazon での取り扱いは無し

2018年2月 3日 (土)

the Lost BBC sessions 1967/Jeff Beck Group (2018年)

ジェフ・ベック・グループ、結成直後の1967年の3回のBBC出演ライヴを収めたアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録! …なのですが

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全18トラック中、バカラック作品は1トラック

12. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)  (2:48)


Img044ccc ジェフ・ベック・グループ、結成直後の1967年の3回のBBC出演ライヴを収めたアルバムです。どんなアルバムなのか、CD帯の紹介文がコンパクトに纏まってましたので引用させていただきます。

─  孤高のギタリスト/ジェフ・ベックがロッド・スチュワートをヴォーカル、ロン・ウッドをベースに迎え結成した “ ジェフ・ベック・グループ ” の貴重な初期ライヴ解禁! ジェフが歌う 「 Hi Ho Silver Lining 」 などでは鋭角的なギター・ソロで公式発表テイクと較べ圧倒的にロックなパフォーマンスを聞かせます。BBCマスター消失により音質にバラつきもありますが 「 ロック・マイ・プリムソウル 」 、「 迷信嫌い 」 など全テイクが元祖ハードロックと呼ばれる迫力ある演奏です。B・バカラック曲の独創的カヴァーは必聴。ボーナスとしてマーキー・クラブでの 「 ジェフス・ブギー 」 などライヴ4曲を追加収録。 ─ (CD帯より)

キッカケは何かのニュース記事。ちょうど本アルバム発売日にその記事を目にしてバカラック・カヴァーが入ってることを知ったのです。そこでAmazonを見たら次の様な記述が目に留まりました…。

─  そして最大のサプライズはバート・バカラック・ソングのカバー 「 You'll Never Get to Heaven 」 。ジェフの爆音コードが鳴らされると、主旋律は何とロン・ウッドのベース・ソロが受け継ぎロッドを中心にメンバーによるアカペラ・コーラスへと進行し、ほとんどソフト・ロックな雰囲気で仰天必至です。 ─ (Amazon 商品の紹介 “ 内容説明 ” より)

サプライズに仰天必至だと? ロックはワタクシど素人で、ジェフ・ベックは名前を知ってるだけ。でも、これは聴かねば! 試聴/ダウンロードはできないのか…。 ほんじゃ買うしかねーじゃん!!

─  ご存知の様にBBC放送には既にマスターが残されていないため、ここでも音質的にやや問題のある音源(track.5,11,12,13,14)も含まれていますがそれでも近年発見されたマスターからの収録に努めました。 ─ (同上)

そりゃー読みましたょ、一応。 音質的にやや問題のある音源? よござんしょ、“ やや ” ぐらいならOKだぜ! ポチッ!!

CDは翌日届きました。他のトラックには目もくれずT-12. 「 ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・ヘヴン 」 を再生! ………なんだ? このヒドイ音質は…。まるで短波放送で遠い海外放送局を聴いてるかのような感覚。ノイズレベルが高くて音が遠くなったり近くなったり。そういえば小学生~中学生のころBCL流行ったよなぁ、懐かしいconfident いや、そんなこたぁどーだっていい! ライナーによれば、BBCはマスターテープを破棄。一部はローカル局の放送用にLPレコードにプレスして残したそうですが(T-3,7,9.など)、その他は一般視聴者によるラジオ放送の録音だそう。ナルホドそれで疑問が解けました。それにしてもヒド過ぎます。こんなもの売り物にすんじゃねーっつーのっannoy

Img045fffCD帯をひっくり返すとこんなことが書いてありました。

─ (略) 20世紀の音楽遺産を未来へ伝承すべく企画されたシリーズです。マスターに起因するノイズ、音トビ、録音ムラ等のお聴き苦しい点が含まれている場合が御座いますが、50年以上前の当時の録音機材、録音環境、録音状況、また録音テープの経年劣化によるものであり、制作・製造上の瑕疵やディスク不良では御座いません。何卒ご理解の上、アーティスト達の今尚色褪せぬ素晴らしい演奏をお楽しみくださいますようお願い申し上げます。 ─ (CD帯のウラ側より)

つまり我々(制作サイド)に責任はありませんと。アーティストのマニア/ファン向けの企画なのですね。あんたら好きで買ったんでしょ?と。

仕方がない。気を取り直して 「 ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・ヘヴン 」 ですが、曲の後半にある20秒弱ほどのアカペラ・コーラスを除く全編でベースがメロディを弾いています。珍しいですし独創的と言えると思います。が、このベースによるメロディライン、お世辞にも素晴らしい演奏とは言えません。音質が悪すぎてそれすら判断できないとゆーか。クリアな音質で聴きたかったなー。トホホcrying

尚、番組DJによる曲紹介MCがトラックの冒頭と最後に入ってます。曲とかぶってないのでカットできると思うんですけどね。ま、どーでもいいですcoldsweats01

他の曲については特に感想もないしノーコメントです。悪しからず。


【データ】
『 the Lost BBC sessions 1967 』 (邦題:ザ・ロスト・BBCセッションズ 1967)
Jeff Beck Group

CD:2018年1月31日リリース
レーベル:Eternal Grooves (JP)
番号:EGRO-0004

Jeff Beck (Guitar) Vocal on T-1,9.
Rod Stewart (Vocal)
Ron Wood (Bass)
Rod Coombes (Drums) on T-1~5.
Aynsley Dunbar (Drums) on T-7~9.
Mickey Waller (Drums) on T-10~14.

T-1~6.: Saturday Club, rec. date: March 7, 1967
T-7~9.: Saturday Club, rec. date: July 4, 1967
T-10~14.: Top Gear, rec. date: Nov. 1, 1967
T-15~18.: <BONUS TRACK> Marquee Club, London Sept. 26, 1967

2018年1月28日 (日)

THE BEAT MY HEART SKIPPED/The Blue Devils (2011年)

米国のドラムコー、ブルーデビルスの2011年のプログラムを収めたアルバム。この年はオール・バカラック・プログラムでした。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. HOUSE IS NOT A HOME (1:01)
2. SUMMER OF '77 (2:40)
3. I SAY A LITTLE PRAYER (3:20)
4. WOMEN (1:46)
5. WIVES AND LOVERS (1:27)
6. HOUSE IS NOT A HOME (Reprise) (1:30)
7. SALVATION IS CREATED (0:54)
8. Bb TUNING MAJOR (0:55)
9. Bb TUNING MINOR (0:58)
10. MALFRED - PERCUSSION (1:27)
11. PARADISE 2011 - PERCUSSION (1:43)


収録時間約18分 (T-1~6. Total 11:44)


米国のドラムコー、ブルーデビルスの2011年のプログラムを収めたアルバムです。

ドラムコー (Drum corps) とは、打楽器、金管楽器、カラーガードによって編成されたマーチングアンサンブルのこと。正式にはドラム&ビューグル・コー (Drum and bugle corps) といいます。ただし、吹奏楽編成のマーチングバンドとは起源や発展の歴史が全く異なるそうで、別のカテゴリーです。

ブルーデビルス (The Blue Devils、以降BD) は、米国カリフォルニア州コンコードを拠点とするドラムコー。Drum Corps International (ドラムコー連盟のひとつ、以降DCI) 大会のワールドクラスで過去最多となる18回※の優勝を誇ります。 (※2017年大会まで)

DCI大会は毎年8月中旬に行われます。ワールドクラスの場合は6月1日時点で21才以下という年齢制限があり、最大150名で最大12分間のプログラムを披露してスコアを競います。100点満点のスコア配分は、General Effect 40点、Visual 30点、Music 30点。ビジュアルと音楽が半々ということから、ドラムコーは総合舞台芸術なんだとわかります。

アルバム・タイトルの 『 THE BEAT MY HEART SKIPPED 』 はプログラム名。T-1~6.まで6トラックに分割して収録されています。ただし、大会のライヴ音源ではなくて大会の数日前にスタジオ録音したものです。動き回るはずの金管楽器やドラムの音(定位)が固定されたままですからねー、納得。

BD公式サイトによればプログラムのレパートリーは以下のとおり。そう、オール・バカラック・プログラムなんです。
・A House Is Not a Home
・Summer of '77
・Walk On By
・One Less Bell To Answer
・Woman
・I Say A Little Prayer
・Wives And Lovers
・God Give Me Strength

実は、私が最初にBDを知ったのはまったりさんのブログでして。 → こちら
ここまでの内容、まったりさんのブログとかなりダブっていますがご容赦くださいませm(__)m。記事を読むとまったりさんの興奮が伝わってきますね~。動画の一部は現在再生できなくなってますが…。

先ほどのBD公式サイトでは本アルバムと同じ6トラックを聴くことが出来ます。加えて、分割されてないフルバージョンも! (だったらCDにも収録しろよ~T_T) → こちら 

2011年BDのメンバー構成は以下のとおり。
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年齢17才~21才の男女たち150人の大迫力サウンドに圧倒されます。ただのメドレーじゃなくて、元曲のメロディラインやモチーフを取り出して組曲風に再構築した形のアレンジもスゴイなぁと思います。日本だと細かいミスを出さないようにきっちり演奏しよう…となりがちですが、細かいところをあまり気にしないダイナミックな演奏は聴いてて楽しいですねー。

T-2. 「 SUMMER OF '77(サマー・オブ・'77) 」 とT-4. 「 WOMAN(ウーマン) 」 はバカラック1979年のアルバム 『 WOMAN 』 の収録曲。2曲ともカヴァーされた初めてのケースだと思うのですが、そんな超レアな曲をチョイスしたトコロにも感心しちゃいます。なんてチャレンジングな!

T-3. は 「 小さな願い 」 というタイトルになっていますが、3分20秒間 の尺のうち最初の約40秒間は 「 WALK ON BY(ウォーク・オン・バイ) 」 が、続く約1分間は 「 ONE LESS BELL TO ANSWER(悲しみは鐘の音とともに) 」 のモチーフやメロディが組み込まれています。一方、公式サイトに挙げられていたレパートリーの中で何度聴いてもどこに使われているのか判らないのが 「 GOD GIVE ME STRENGTH 」 。どなたか教えてくださいませm(__)m

T-7~11.は練習用の曲でバカラック作品ではありません。

2011年8月13日に行われたDCI大会決勝、BDはスコア 97.8 で惜しくも2位でした…。そのパフォーマンスがYouTubeにアップされています。ビジュアルと音楽どちらも大事なドラムコーは動画じゃないと楽しさ半減ですので是非ご覧くださいませ。 → こちら

なお、購入したCDはオンデマンドCDでメディアもCD-R。ライナーノーツやクレジットも一切無くショボいですcoldsweats01。どうしても音源欲しい方はMP3で、そうでない方はBD公式サイトやYouTubeをお聴きになればよろしいかと。


【データ】
『 THE BEAT MY HEART SKIPPED 』
The Blue Devils

MP3/CD:2011年8月13日リリース
レーベル:Blue Devils Mediabox
番号:なし ※ On Demand CD (メディアはCD-R)

Recording date: August 9, 2011

2018年1月21日 (日)

The Love Songs Of Burt Bacharach/V.A. (1999年)

英国のポリグラム系再発レーベルから1999年にリリースされた英国編集のバカラック物コンピ集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. WALK ON BY  ~ Gabrielle ~  F
2. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ Aretha Franklin ~  F
3. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  ~ Dionne Warwick ~  F
4. MAKE IT EASY ON YOURSELF  ~ The Walker Brothers ~  M
5. THE LOOK OF LOVE  ~ Gladys Knight & The Pips ~  F
6. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ Deacon Blue ~  FM
7. WISHIN' AND HOPIN'  ~ Dusty Springfield ~  F
8. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME  ~ Sandie Shaw ~  F
9. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)  ~ The Stylistics ~  M
10. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ Jackie DeShannon ~  F
11. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU  ~ Burt Bacharach ~
12. TRAINS AND BOATS AND PLANES  ~ Billy J. Kramer and The Dakotas ~  M
13. LET THE MUSIC PLAY  ~ The Drifters ~  M
14. 24 HOURS FROM TULSA  ~ Gene Pitney ~  M
15. ONE LESS BELL TO ANSWER  ~ The 5th Dimension ~  F
16. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ B. J. Thomas ~  M
17. WHAT'S NEW PUSSYCAT?  ~ Tom Jones ~  M
18. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)  ~ Christopher Cross ~  M
19. ANYONE WHO HAD A HEART  ~ Luther Vandross ~  M
20. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ Burt Bacharach ~
21. MAGIC MOMENTS  ~ Perry Como ~  M
22. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF  ~ Elvis Costello ~  M

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約72分


英国のポリグラム系再発レーベル、PolyGram TVから1999年にリリースされた英国編集のバカラック物コンピ集です。

ポリグラム系のレーベルですが、他のメジャー・レーベル系からも幅広くチョイスしています。
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全22曲中、UKチャート入り14曲/USチャート入り14曲という具合にヒットしたバージョンが多くを占めています。コンセプトが似ている英国編集コノイシュア盤(全24曲中UK14/US12)といい勝負。コノイシュア盤と重複してる8曲はバカラック物コンピ集の定番ですね(リスト枠外左に > マーク付けたヤツ)。

まず気になったのはUKだけでヒットした3曲。T-1. 「 ウォーク・オン・バイ 」 を歌ってるガブリエルは1970年ロンドン生まれの女性ポップシンガー。1997年にUK7位になってるのですが、怪しげな雰囲気で始まるイントロと今風のリズムを除いてディオンヌ版とそれほど変わらずちょっと期待外れかな。グラディス・ナイト&ザ・ピップスのT-5. 「 恋のおもかげ 」 は1968年のアルバム収録曲。米国ではシングルになってないのですが何故か英国で1973年にシングル化されてUK21位! 渋いソウル・ナンバーに仕上がっていてグラディスの歌唱も大人の魅力プンプン。コレはレコメンドっす。あと、T-6. 「 恋よさようなら 」 はスコットランドはグラスゴー出身のポップ/ロック・バンド、デーコン・ブルーのカヴァー。女性ゲスト・ヴォーカルも参加してスロー・バラードにアレンジ。悪くはないけど1990年にこれがUK2位になるんだから英国ってのはやっぱりバカラックが好きなんだなぁと。

ヒットしてないけどレコメンドのカヴァーを2曲。

ルーサー・ヴァンドロスのT-19. 「 恋するハート 」 は大好きなカヴァーなんです。聴くといつも心がムズムズします。1986年のアルバム 『 GIVE ME THE REASON 』 の収録曲で、シングルにはなってないけれどルーサーの代表曲のひとつです。

そして本コンピ集最大の目玉、エルヴィス・コステロ&ジ・アトラクションズのT-22. 「 恋のとまどい 」 。1977年秋に行われたスティッフ・レコード所属アーティストのツアー “ Live Stiffs Tour ” の演奏を収めたアルバム 『 Live Stiffs Live 』 に入ってるヤツです。録音環境があまり良くなかったのか痩せた音に聴こえるのがちょいと残念ですが、シンプルなバックの演奏に乗っかったコステロの歌唱にはバカラック愛を感じます。この時コステロ23歳。やっぱり昔からバカラック好きだったのね。

バカラック爺とコステロは数日前(*)、カリフォルニアの山火事で被災した競走馬調教施設の犠牲者・被害者のために一緒にチャリティ・ライヴをしたばかり。ステージでピアノを弾くバカラック爺の画像をSNSで拝見しましたが、お元気そうでなによりでした。ライヴのセットリスト見たら 「 恋のとまどい 」 も載ってましたし(追記:その演奏もYouTubeに上がってます!)。
今年5月には卒寿祝いbirthdayを盛大にやらなくちゃ!

(*) 2018年1月17日


【データ】
『 The Love Songs Of Burt Bacharach 』
V.A.

CD:1999年3月8日リリース
レーベル:PolyGram TV (UK)
番号:564 265-2

This album Ⓟ1999 PolyGram TV, a division of the Universal Music Group.
Ⓒ1999 PolyGram TV, a division of the Universal Music Group.

※ Amazon.jpでは本CD見当たらず (Amazon.UKには有ったのですが…)

2018年1月14日 (日)

more from the BURT BACHARACH songbook/V.A. (1998年)

1998年にリリースされた米国編集のバカラック作品コンピ集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ B. J. Thomas ~  M
2. BABY IT'S YOU  ~ The Shirelles (Album version) ~  F
3. WHAT'S NEW PUSSYCAT?  ~ Bobby Darin ~  M
4. SEND ME NO FLOWERS  ~ Doris Day ~  F
5. ANY DAY NOW  ~ Chuck Jackson ~  M
6. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU  ~ Brenda Lee ~  F
7. PROMISES, PROMISES  ~ Jerry Orbach ~  M
8. KNOWING WHEN TO LEAVE  ~ Michele Lee ~  F
9. BLUE ON BLUE  ~ Bobby Vinton ~  M
10. WISHIN' AND HOPIN'  ~ Nancy Sinatra ~  F
11. 24 HOURS FROM TULSA  ~ Gene Pitney ~  M
12. HOT SPELL  ~ Margaret Whiting ~  F
13. MAKE IT EASY ON YOURSELF  ~ The Walker Brothers ~  M
14. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ The Anita Kerr Singers ~  FM
15. WALK ON BY  ~ Isaac Hayes ~  M
16. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME  ~ Burt Bacharach ~

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約45分


1998年に米Varèse Sarabande Records(ヴァレーズ・サラバンド・レコーズ) の Varèse Vintage(ヴァレーズ・ヴィンテージ) レーベルからリリースされた米国編集のバカラック&デイヴィッド作品コンピ集 『 the burt bacharach songbook 』 の続編です。

─  このソングブック第2集は、バカラック作品の “ エヴァーグリーンさ ” をより確かなものにしてくれます。第1集と同様に、あまり知られていないカヴァー・バージョンや希少なものとお馴染みの人気曲をミックスして皆さんにお届けします。 ─ (ライナーより、編者のひとりであるJim Pierson氏)

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第1集もそうでしたが、全16曲はレーベルの縛りなくコンパイルされたもの。念のため確認しましたが第1集との重複はありませんでした。

オリジナル・バージョンは7曲。多くは定番物ですが、ドリス・デイのT-4. 「 センド・ミー・ノー・フラワーズ 」 とマーガレット・ホワイティングのT-12. 「 ホット・スペル 」 は比較的希少かも。

残り9曲のカヴァー・バージョンの中にも希少なものがあります。
まずミッチェル・リーのT-8. 「 去りし時を知って 」 。1968年のミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 の曲をすぐにカヴァーしたもので、テンポやリズムはオリジナルとほぼ同じ。ですが、センスの良い味付けが素敵なんです。ノーテンキなイントロは変拍子になっていて思わずニヤッとなります。オブリガートや間奏に多用しているシンコペーションの音型は、原曲のAメロに一小節だけあるシンコペーションのオブリガートを展開させたものと思われますが、あの時代のポップス感が漂う魅力的なもの。エンディング前のコーラスワークなどはフィフス・ディメンションを彷彿とさせます。プロデュース&アレンジを担当したのは、フランク・シナトラ 「 真夜中のストレンジャー 」 のアレンジでグラミーを受賞したこともあるアーニー・フリーマンというピアニスト/アレジャー。いい仕事してます。オリジナルのジル・オハラと較べると声が低くキーも2度低いですがミッチェル・リーも落ち着いた歌唱で破綻なく歌っています。個人的にはとってもレコメンドです。

カヴァー・バージョンでは他に、コーラス・ワークが魅力的なアニタ・カー・シンガーズのT-14. 「 小さな願い 」 、独自の世界観を見せるアイザック・ヘイズのT-15. 「 ウォーク・オン・バイ 」 あたりもあまりバカラック物コンピ集では見かけないので希少ですし且つレコメンドです。


ここからはオマケです。MP3データしか所有していないバカラック・カヴァーをご紹介。
A_taste_of_the_fantastic_michele_leR445011313652084457685jpeg さきほどご紹介したミッチェル・リーは1942年生まれの米国女優。1960年代から舞台やミュージカル、映画やTVドラマで活躍したお方で、代表作はTV昼ドラの 『 Knots Landing 』 だそう。前述の 「 去りし時を知って 」 はシングル・オンリーでしたが、リリースした2枚のアルバムの中で3曲バカラック作品をカヴァーしています。
「 世界は愛を求めてる 」(3:01) は1966年リリースのファースト・アルバム 『 A Taste Of The Fantastic Michele Lee 』 (左)に収録。ゆったりしたゴージャスなオーケストラ・サウンドをバックに歌い上げる様は、まるでミュージカルの一場面のよう。これもレコメンドですねー。
1968年リリースのセカンド・アルバム 『 L. David Sloane And Other Hits Of Today 』 (右)では 「 恋のおもかげ 」(2:29) と 「 サン・ホセへの道 」(3:03) をカヴァー。どちらも安直なコピーではなく独自のアレンジを施しているのですが、私的にはレコメンドではありません。


【データ】
『 more from the BURT BACHARACH songbook 』
V.A.

CD:1998年11月17日リリース
レーベル:Varèse Vintage / Varèse Sarabande Records(US)
番号:VSD-5987

Collection Produced by Cary E. Mansfield and Jim Pierso
Sound Produced by Bill Inglot
Notes by Jim Pierson

This compilation ⓅⒸ1998 Varèse Sarabande Records, Inc.
Manufactured by Varèse Sarabande Records, Inc.
Distributed by Universal Music and Video Distribution

2018年1月 7日 (日)

the look of love the Burt Bacharach collection/V.A. (1998年)

ライノが1998年にリリースしたCD3枚組のバカラック物コンピBOXセットです。全75曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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front of BOX (with case) /back of BOX (without case)

disc1
1. THE STORY OF MY LIFE  ~ Marty Robbins ~  M
2. MAGIC MOMENTS  ~ Perry Como ~  M
3. THE BLOB  ~ The Five Blobs ~  M
4. PLEASE STAY  ~ The Drifters ~  M
5. I WAKE UP CRYING  ~ Chuck Jackson ~  M
6. TOWER OF STRENGTH  ~ Gene McDaniels ~  M
7. BABY IT'S YOU  ~ The Shirelles ~  F
8. MEXICAN DIVORCE  ~ The Drifters ~ M
9. (THE MAN WHO SHOT) LIBERTY VALANCE  ~ Gene Pitney ~  M
10. ANY DAY NOW  ~ Chuck Jackson ~  M
11. MAKE IT EASY ON YOURSELF  ~ Jerry Butler ~ M
12. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF  ~ Tommy Hunt ~  M
13. IT'S LOVE THAT REALLY COUNTS (IN THE LONG RUN)  ~ The Shirelles ~  F
14. ONLY LOVE CAN BREAK A HEART  ~ Gene Pitney ~  M
15. (THERE GOES) THE FORGOTTEN MAN  ~ Jimmy Radcliffe ~  M
16. DON'T MAKE ME OVER  ~ Dionne Warwick ~  F
17. LET THE MUSIC PLAY  ~ The Drifters ~  M
18. BLUE ON BLUE  ~ Bobby Vinton ~  M
19. TRUE LOVE NEVER RUNS SMOOTH  ~ Gene Pitney ~  M
20. BLUE GUITAR  ~ Richard Chamberlain ~  M
21. REACH OUT FOR ME  ~ Lou Johnson ~  M
22. 24 HOURS FROM TULSA  ~ Gene Pitney ~  M
23. ANYONE WHO HAD A HEART  ~ Dionne Warwick ~  F
24. A HOUSE IS NOT A HOME  ~ Brook Benton ~  M
25. WIVES AND LOVERS  ~ Jack Jones ~  M
26. WISHIN' AND HOPIN'  ~ Dusty Springfield ~  F

disc2
1. WALK ON BY  ~ Dionne Warwick ~  F
2. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME  ~ Lou Johnson ~  M
3. ME, JAPANESE BOY I LOVE YOU  ~ Bobby Goldsboro ~  M
4. TO WAIT FOR LOVE  ~ Tony Orlando ~  M
5. KENTUCKY BLUEBIRD (SEND A MESSAGE TO MARTHA)  ~ Lou Johnson ~  M
6. IN THE LAND OF MAKE BELIEVE  ~ Dionne Warwick ~  F
7. THE LAST ONE TO BE LOVED  ~ Lou Johnson ~  M
8. FOOL KILLER  ~ Gene Pitney ~  M
9. DON'T GO BREAKING MY HEART  ~ Burt Bacharach ~  F
10. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ Jackie DeShannon ~  F
11. TRAINS AND BOATS AND PLANES  ~ Burt Bacharach ~  F
12. WHAT'S NEW PUSSYCAT?  ~ Tom Jones ~  M
13. MY LITTLE RED BOOK  ~ Manfred Mann ~  M
14. HERE I AM  ~ Dionne Warwick ~  F
15. A LIFETIME OF LONELINESS  ~ Jackie DeShannon ~  F
16. MADE IN PARIS  ~ Trini Lopez ~  M
17. PROMISE HER ANYTHING  ~ Tom Jones ~  M
18. ARE YOU THERE (WITH ANOTHER GIRL)  ~ Dionne Warwick ~  F
19. COME AND GET ME  ~ Jackie DeShannon ~  F
20. ALFIE  ~ Cilla Black ~ F
21. IN BETWEEN THE HEARTACHES  ~ Dionne Warwick ~  F
22. NIKKI  ~ Burt Bacharach ~
23. SO LONG JOHNNY  ~ Jackie DeShannon ~  F
24. THE WINDOWS OF THE WORLD  ~ Dionne Warwick ~  F
25. TAKE A BROKEN HEART  ~ Rick Nelson ~  M
26. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ Dionne Warwick ~  F
27. CASINO ROYALE  ~ Herb Alpert & The Tijuana Brass ~

disc3
1. THE LOOK OF LOVE  ~ Dusty Springfield ~  F
2. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  ~ Dionne Warwick ~  F
3. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU  ~ Herb Alpert & The Tijuana Brass ~  M
4. KNOWING WHEN TO LEAVE  ~ Jill O'Hara ~  F
5. PROMISES, PROMISES  ~ Dionne Warwick ~  F
6. PACIFIC COAST HIGHWAY  ~ Burt Bacharach ~
7. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ B.J. Thomas  ~  M
8. ODDS AND ENDS  ~ Dionne Warwick ~  F
9. EVERYBODY'S OUT OF TOWN  ~ B.J. Thomas ~  M
10. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ Dionne Warwick ~  F
11. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ Carpenters ~  F
12. PAPER MACHE  ~ Dionne Warwick ~  F
13. ONE LESS BELL TO ANSWER  ~ The 5th Dimension ~  F
14. CHECK OUT TIME  ~ Dionne Warwick ~  F
15. HASBROOK HEIGHTS  ~ Burt Bacharach ~  M
16. THE BALANCE OF NATURE  ~ Dionne Warwick ~  F
17. LIVING TOGETHER, GROWING TOGETHER  ~ The 5th Dimension ~  FM
18. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)  ~ The Stylistics ~  M
19. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)  ~ Christopher Cross ~  M
20. ON MY OWN  ~ Patti LaBelle & Michael McDonald ~  FM
21. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR  ~ Dionne & Friends ~  FM
22. GOD GIVE ME STRENGTH  ~ Burt Bacharach & Elvis Costello ~  M

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間  disc1 約71分/disc2 約75分/disc3 約79分


ライノが1998年にリリースしたCD3枚組のバカラック物コンピBOXセットです。全75曲収録!

Imgp5292aaa_2Img_0218photo_3Imgp5290aaa_4 BOXは筒状のプラケース付き。そのプラケースが日焼けしてすっかりセピア色になってしまいました。画像スキャンするのに本当はケースを外したかったんですが、BOX表側はプラケースと一体でパッケージの体をなしているためケース付きでスキャンせざるを得ませんでした。ケース外したらバカラック爺が立ってるだけのマヌケな絵になっちゃいますからネ(画像左)coldsweats01

BOXを開けたらこんな感じ(画像中央)。約90ページもあるブックレットがBOXに引っ付いています。ちょうどBOXが本の表表紙と裏表紙になってるワケですね。ブックレットの内容は、3人(バカラック、ハル・デイヴィッド、ディオンヌ)の経歴や全75曲の解説など充実しています。目次のみ載せておきます(画像右)。ただし、如何せん英語。部分的に斜め読みすることはあっても、全部読もうなんて気は起きませんcrying。誰か和訳してくださ~い。とりあえず解りそうなところ…ブックレット最終頁のクレジットを眺めていたら、Special Thanks の項にOSAMU SAKAGUCHI(坂口修)、REIKO YUYAMA(湯山玲子)両氏のお名前を発見! 流石のおふたりです。

ちなみに、同じようなタイトルで通常CDサイズだけど似たデザインのCD2枚組(そのうちご紹介します)がリリースされています。内容全く異なりますのでお気を付けください。

収録曲をいつものようにリスト化してみました。曲数が多いのでディスクごと3表に分けています。
Disc1_3

Disc2

3

米国編集で、基本コンセプトは レーベルの縛りなく “ オリジナル・アーティスト ” “ ヒットしたバージョン ” にこだわったセレクション。特にオリジナル・アーティストの(表の◆印:62曲)比率は83%に達しています。拙ブログで昨年以降これまで紹介してきたバカラック物コンピ集の同比率は平均23%。最も高い盤でも50%台 ( CHARLY 『 the magic of Burt Bacharach 』 = 55%、AZレコード 『 Burt Bacharach MASTERPIECE Vol.2 』 = 54% ) でしたから、群を抜いています。

しかしこのBOXセット、バカラック蒐集家の皆さんにとっては不評だったみたいで、リリース当時 “ 期待外れ ” という趣旨のコメントをネット(蒐集家先輩諸氏の個人サイト)でチラチラ見かけました。オリジナル・アーティストが多くてヒットしたバージョンが多い…ということはすなわち既に持っている確率が高い訳で。ディオンヌ・ワーウィックなんて17曲も入ってますからね。要するに、“ 殆ど持っているバージョンじゃねぇか、大金出して買う価値は無ぇや ” と…。

バカラック初級者の私はとにかく欲しくって。1998年の暮れに米国の Music Boulevard というネット通販サイトで購入しました($41.8 + 送料$9.0)。私にとって生まれて初めてのネット通販体験でございました。(尚、Music Boulevard は1999年3月に CDNow によって買収され、そのCDNow は2002年に Amazon によって買収されてます)

レコメンドは特にありません。レアな曲を少しだけ。このBOXセット、他のバカラック物コンピ集では殆ど見かけないルー・ジョンソンが4曲も入ってます。Disc1-21. 「 リーチ・アウト 」 とDisc2-2. 「 愛の思い出(恋のウェイト・リフティング) 」 はどちらもオリジナル。Disc2-5. 「 ケンタッキー・ブルーバード(マーサへのメッセージ) 」 とDisc2-7. 「 ザ・ラスト・ワン・トゥ・ビー・ラヴド 」 はオリジナルではありませんし、特にレアだと思います。


ここからはオマケ。ルー・ジョンソン について若干補足します。ルー・ジョンソンはバカラック作品をあと4曲レコーディングしています(私はMP3データで所有)。BOXセットの4曲と合わせて全8曲をリストにしてみました。
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ルー・ジョンソンは1941年生まれの米男性ソウルシンガー。1962年にBig Top レーベルと契約してソロ・デビューするのですが、バカラック&デイヴィッド・チームがデビュー・シングルのB面曲① 「 イフ・アイ・ネヴァー・ゲット・トゥ・ラヴ・ユー 」 を提供しました。3枚目シングル ② 「 リーチ・アウト 」/③ 「 マジック・ポーション 」 以降1964年までプロデュース&アレンジも担当。②~⑥の5曲はディオンヌも歌っている曲ですが、ルー・ジョンソン版とディオンヌ版のアレンジはほぼ一緒。ルー・ジョンソンはまるで男性版ディオンヌといった感じがします。聴いてて新鮮味はあまりないかな~。

とはいえ、変拍子が至る処にありコード進行も変わっていてメロディも上がったり下がったりする⑥ 「 ザ・ラスト・ワン・トゥ・ビー・ラヴド 」 をオリジナルのディオンヌに負けず劣らずきっちり歌いこなしているのには賞賛を送りたいです。パチパチ。バカラックもルー・ジョンソンを高く評価していたようです。

─  (前略) ビッグ・ヒルというインディのレコード会社が、ハルとわたしの書いた 「 愛の思い出(恋のウェイト・リフティング) 」 という曲を、ルー・ジョンソンの歌でリリースした。わたしはルーの才能に大きな感銘を受け、最高のレコードを作れたと自負していたが、アメリカのチャートではそこそこのヒットに留まった。だがその後サンディ・ショウが、この曲で全英ナンバー1に輝いている。
1964年にはもう1曲、ルー・ジョンソンと、彼のバージョンではヒットしなかった 「 ケンタッキー・ブルーバード 」 という曲をレコーディングしている。(後略) ─
 (バカラック自伝より引用)

R402249313526546195599jpegR22511681302709956jpeg 一方、バカラックがプロデュースしていない⑦ 「 ウォーク・オン・バイ 」 や ⑧ 「 プリーズ・ステイ 」 はソウルフルなアレンジ&演奏で、ルー・ジョンソンもメロディをかなりフェイクして歌っています。この2曲はレコメンドなんですけどね。

Big Top及びBig Hill時代はシングルしかリリースしていないのですが、コンピ盤 『 Incomparable Soul Vocalist 』 (画像左) で①~⑦の7曲全て聴くことが出来ます。
⑧は1969年リリースのファースト・アルバム 『 Sweet Southern Soul 』 (画像右)に収録されています。


【データ】
『 the look of love the Burt Bacharach collection 』
V.A.

CD:1998年11月3日リリース
レーベル:Rhino Entertainment (US)
番号:R2 75339

Compilation Produced by Patrick Milligan
Associate Producer: Alec Cumming
Sound Produced by Bill Inglot
Liner Notes: Burt Bacharach (FOREWORD:序文), Patrick Milligan, Bill DeMain, Paul Grein, Alec Cumming

This CompilationⓅ&Ⓒ 1998 Rhino Entertainment Company

2018年1月 2日 (火)

NIGHT SHIFT/O.S.T. (1982年) - 2回目

バカラックが音楽を担当した米映画 『 ラブ IN ニューヨーク 』 のサントラ盤です。やっとLPを入手しましたので再度記事にします。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全10トラック中、バカラック作品は6トラック

A1. NIGHT SHIFT  ~ Quarterflash ~  F
A2. STREET TALK  ~ Burt Bacharach ~
A3. GIRLS KNOW HOW  ~ Al Jarreau ~  M
A4. THE LOVE TOO GOOD TO LAST  ~ Pointer Sisters ~  F
A5. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR  ~ Rod Stewart ~  M
B1. SOMEDAY, SOMEWAY  ~ Marshall Crenshaw ~
B2. PENTHOUSE AND PAVEMENT  ~ Heaven 17 ~
B3. TALK TALK  ~ Talk Talk ~
B4. EVERLASTING LOVE  ~ Rufus & Chaka Khan ~

B5. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR  ~ Burt Bacharach ~
     (Night Shift Love Theme) (instrumental)

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Famale-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約39分


今年(2018年)のブログ “ 書初め ” はこのアルバム! バカラックが音楽を担当した米映画 『 ラブ IN ニューヨーク 』 のサントラ盤です。

過去に一度(2016年6月)本アルバムを取り上げた時点では本アルバムを所有しておらず記事にするだけのネタがありませんでした。中古アナログ盤を入手したらあらためて取り上げると書いて一年半、念願の中古アナログ盤(LP)を Discogs のマーケットプレイスでゲット。ドイツのお店に注文したのでUS盤ではなくドイツ盤でしたけれど、ちゃんと手元に届いてホッとしました。…ということで、再度記事にする次第です。

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1981年の映画 『 ミスター・アーサー 』 から1年後、バート・バカラック&キャロル・ベイヤー・セイガーのチーム(1982年3月に二人は結婚しました)はまたもや映画の音楽を担当します。

─  ロン・ハワード監督が贈るラブ・コメディ。 ニューヨークの死体置き場の夜勤として働くチャック(ヘンリー・ウィンクラー)と助手のビル(マイケル・キートン)は、ベリンダ(シェリー・ロング)たちコールガールにヒモがいないため商売がうまくいかないのを知って、彼らの事務所と車を提供することでヒモになることを考えた。取り引きは成立、商売は順調に進んだが、チャックがベリンダにほれてしまったり、暗黒街の連中にばれたりで大騒ぎに! ─
 (映画DVDパッケージのあらすじより)

あらすじのとおり、今度の映画 『 NIGHT SHIFT 』 もコメディ。1982年7月にアメリカで封切られ、日本では1年以上経った1983年11月に 『 ラブ IN ニューヨーク 』 というタイトルで公開されました。気弱なチャックの言動には感情移入したり応援したりで(私も気弱な性格なんですぅ)…、映画の中身について語りたいことは色々ありますがここまでにしておきます。

映画のエンドクレジットに表示されてる曲は13曲。それらの曲が使われた場面とサントラ盤のトラックを表にまとめました。
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①~③はそれぞれオープニングクレジット/劇中/エンドクレジットのBGM(いわゆる挿入歌)として使われています。いずれもこの映画のために用意された曲です。レコード・ジャケットでも ORIGINAL SONGS PERFORMED BY ~ とアピールしています。

一方、④~⑬はそれぞれの場面(お店や会場など)で流れていた音楽。既成曲を使ったものと思われます。

サントラ盤収録曲は全10曲。作者やプロデュースも含め表にしてみました。バカラック作品以外は割愛してます、悪しからず。
Night_shift_song_list_3

Imgp5316ccc A1. 「 ナイト・シフト 」 はロック調の曲。歌ってるのは米ロック・グループのクォーターフラッシュ。1980年の結成で、紅一点のRindy Ross(リード・ヴォーカル、サックス)とMarv Ross(ギター)の夫婦を中心とした6人組。Marvはソングライティングでも参加しています。作詞はよくわかりませんが、作曲は明らかにバカラック以外の血が入ってますよね。プロデュースしたJohn Baylanについては全くわからず。途中一部編集されていますがサントラのバージョンがオープニングクレジットのBGMに使われています。本アルバムからの唯一のシングルとしてリリースされ、全米60位の小ヒットになりました。
また、この曲のメロディがチャックが出勤や帰宅するシーンのBGM(いわゆるスコア)で3度流れます。全て異なるアレンジのインストで、ロック調ではなくフュージョンタッチ。風采の上がらないチャックをどこかイジってるようにも聴こえます。これらインスト版はサントラ未収録です。

A2. 「 ストリート・トーク 」 はクールなフュージョン・タッチのインスト曲。バカラック&キャロルの作品ですが、歌詞はありません。もしかしたら歌詞も一緒に考えたのかもしれませんが…。プロデュースはバカラックとBruce Swedien。このお方、エンドクレジットに Music Score Engineer という肩書で出ているのですが、グラミーを5回受賞したエンジニアだそうです。映画ではサントラのバージョンは使われていません。しかし、映画冒頭でヒモが暗黒街の連中に追われるシークエンスでスローなテンポ&タイトなリズムのバージョンが流れます(いわゆるスコア)。サントラのバージョンはアルバム用にあとで録音したのでしょう。

A3. 「 ガールズ・ノウ・ハウ 」 は軽快なAOR。歌ってるのは皆さんご存知アル・ジャロウ。昨年(2017年)亡くなったのは記憶に新しところです。バカラック夫妻とデヴィッド・フォスターによる共作なんですが、バカラック風味は殆ど感じらずメロディ・ラインにせよコード進行(特にサビ最後の1小節のコード展開)にせよデヴィッド・フォスターの色が濃い曲だと思います。加えてプロデュースはデヴィッド・フォスターとジェイ・グレイドンのコンビ。アル・ジャロウはジェイ・グレイドンのプロデュースで1981年に 『 BBREAKIN' AWAY 』 、1983年に 『 JARREAU 』 という傑作アルバムをリリースしています。この2枚は私も大好きなのですが、「 ガールズ・ノウ・ハウ 」 はよりポップな 『 JARREAU 』 との近似性を感じます。映画ではチャック&ビル社の商売が順調に進んでいるシークエンスのBGMとして、1コーラス目Aメロ2回目の頭から使われています。

A4. 「 幸せすぎて 」 は書下ろしではなく、ポインター・シスターズの1980年のアルバム 『 SPECIAL THINGS 』に収録されている曲そのものです。曲についてはそのアルバムの記事を参照ください。映画の中ではナイトクラブの店内で流れていました。既成曲ですがバカラック作品だったためLPのA面に持ってきたのでは?と思われます。

A5. 「 愛のハーモニー 」
はロッド・スチュアートが歌うバラード。のちにディオンヌ&フレンズが歌って全米1位となったのは皆さんご承知の通り(ただし2番の歌詞が幾分異なるようです)。Aメロの出だし、小節の頭からではなくアウフタクト(弱起)で始めたいとバカラックが主張してキャロルが歌詞をつけ足した話はバカラック自伝にも書いてあって有名ですね。
個人的には、Aメロのコード進行にバカラックらしさを感じます。以下はキーをCとした場合のAメロのコードです。

(in C) C - Em7 - Am7│Dm7│Bm7(♭5) - E7sus4 - E7│Am7│F - Dm7onG

1小節目のEm7やAm7(Ⅰの代理コード)、2小節目のDm7(Ⅳの代理コード)がメロディと絡み合ってなんともいえないロマンチックなムードになり、3小節目頭のBm7(♭5)から4小節目にかけて響きが変わって(短調になってる?)心がざわつき、5小節目のFで正気に戻る。そんな印象を受けます。4小節目が変拍子(2拍子)になってるのもいかにもバカラックって感じですよね。

プロデュースはロッド・スチュアートなんですが、バカラック夫妻は曲の仕上がりに不満だったそうです。何に不満だったのかはよくわかりませんが、全体にくぐもった音質とロッドの気持ちが入ってないような歌い方は私が聴いてもイマイチですねー。映画ではエンドクレジットのBGMとして使われました。

Imgp5318ccc インスト版の B5. 「 愛のハーモニー 」 はバカラック名義。愛のテーマという副題が付いているように、映画の中でチャックとベリンダが2人きり(チャック1人だったりビルも含めた3人の場面もありますが)のシーンで計7度流れます。いわゆるスコアで、場面に応じて様々な楽器(ギターだったりシンセだったりオーボエだったりピアノだったり)がメロディを奏でます。ただし、A2. と同様サントラのバージョンはアルバム用にあとで録音したもののようでアレンジが異なります。プロデュースもA2. と同様にバカラックとBruce Swedienです。


ここからはオマケ。
拙ブログにお越しの方ならすでにご存じかとは思いますが、本アルバム全10曲を聴けるサイトがあります。 リンクは → こちら


【データ】
『 NIGHT SHIFT 』 (邦題:ラブ IN ニューヨーク)
O.S.T.

LP:1982年7月リリース (所有LPは、1982年リリースのドイツ盤)
レーベル:Warner Bros. Records (所有LPも同じ)
番号:23702-1 (所有LPは、WB K 57 024)

Executive Producers: Carole Bayer Sager and Stephen Paley
Music and Lyrics by Burt Bacharach and Carole Bayer Sager*
* With additional music & lyrics by Marv Ross and David Foster
各曲の作者及びプロデューサーは前述の表を参照方。

↓AmazonではLPの取り扱いはありません。代わりに、映画DVDのリンクを貼っておきます。

2017年12月31日 (日)

Milo Pavlović Berlin Big Band/Milo Pavlović & Berlin Big Band (1984年)

ドイツのビッグバンドによる1984年のアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全11トラック中、バカラック作品は1トラック

B3. THE BELL THAT COULDN'T JINGLE (2:07)


トランペッターのミロ・パブロビッチとベルリン・ビッグバンドによる1984年のアルバムです。

収録されてるバカラック・カヴァーはクリスマス・ソングの 「 ザ・ベル・ザット・クドゥント・ジングル 」 。本来であれば12月24日にアップした前回記事(この曲のオリジナル・バージョン&所有する全カヴァーをご紹介)よりも前に取り上げたかったのですが…。LPがオランダのお店から送られてきたのはクリスマスの後でした(>_<) まぁ、クリスマスが過ぎるとスパッと正月準備モードに切り替わる日本と違って欧米では年明けくらいまでクリスマスの余韻が残ってるみたいですからね。あまり気にせず紹介しちゃいますぅ。

ミロ・パブロビッチは、1930年ユーゴスラビア(現:セルビア)ベオグラード生まれのトランペット奏者。まずラジオ・ベオグラードのオーケストラで頭角を現します。1957年から西独ケルンWDR(*1)のクルト・エーデルハーゲン・オールスター・バンド、1968年からはベルリンのSFB(*2)ビッグ・バンドで活躍。1982年に自身のバンド “ ベルリン・ビッグバンド ” を立ち上げて、以降バンド・リーダー及びソリストとして活動したお方だそうです。 (裏ジャケのライナーを参考にしました)

(*1) WDR = Westdeutscher Rundfunk Köln = West German Broadcasting Cologn : 西ドイツ放送協会
(*2) SFB = Sender Freies Berlin = Radio Free Berlin : 自由ベルリン放送協会

Imgp5298www LPジャケットの中には二つ折りになったピンナップが入ってました(画像参照、サイズはH300mm x W600mm)。裏ジャケの写真から察するに、真ん中左に仁王立ちしてるのがミロ・パブロビッチさんでしょうね。
それにしても、コレを部屋に飾る人いる? 飾るんだったら演奏してる場面の方がいいなぁ~。

アルバムA面5曲はスタンダード曲中心、B面6曲はクリスマス向けという選曲。ホリデーシーズンにリリースされたのでしょう。バカラック・カヴァーの 「 ザ・ベル・ザット・クドゥント・ジングル 」 はB面の3曲目に収録されています。イントロはAメロ~A'メロ間のつなぎ部分のコード進行を流用したもの(*3)で、他のカヴァーではみられないアレンジです。本編のメロディは一部を除いてトランペットが演奏しているのですが、ワウワウミュートを用いたと思われる音色はなかなかユニーク(好き嫌いはあるでしょうけど)。リズム&テンポともに軽快で金管やサックスの音にもキレがあり、この曲本来の良さを損なわないアレンジ&演奏だと思います。

(*3) 曲のキーがCメジャー(ハ長調)の場合で、C - Am - CM7 - Am

それにしても、1969年のアニタ・カー・シンガーズ以降カヴァーがなかったこの曲をミロ・パブロビッチはよく発掘したなと。同じトランペット奏者であるハーブ・アルパートの 『 Christmas Album 』 を聴いてどうしても演奏したかったのか? 2年後の1986年にオランダのリタ・ライスがこの曲をカヴァーしたのは本作がきっかけだったのか? …などなど、とても興味深いです。

Imgp5315ccc アルバム全体の印象は、派手さはないけどアレンジも含めてマナーの良いビッグ・バンドだなぁ…というもの。BGMとして安心して聴けます。レコメンドはB4. 「 ETUDE OPUS NR. 10/3 ("E"-Dur) 」 。あのショパンのエチュード第3番作品10-3 「 別れの曲 」 を♩≒92の16ビートにアレンジ。シブくてカッコイイです(メロディを吹くトランペットがイマイチでそれがチト残念…)。

ちなみに、Berlin Big Band でネット検索すると同名バンドのサイトが出てきます。ちゃんと活動してるようなのですが、本作と同じバンドなのかは判断付かず…。どなたかご存知の方いらっしゃいましたらコメントお願いいたしますぅ。

それでは、良いお年を~paper


【データ】
『 Milo Pavlović Berlin Big Band 』
Milo Pavlović & Berlin Big Band

LP:1984年リリース
レーベル:Hoechst (West Germany)
番号:B-1581

詳細クレジットは不明
Arranged by Alyn Ainsworth (A1,B1,B3,B5.), Werner Windler (A2.), Robert Pronk (A3,A5,B4.), Francy Boland (A4.), Jerry van Rooyen (B2,B6.)

* Amazonでは取り扱い無し (私はDiscogsで購入しました)

2017年12月24日 (日)

THE BELL THAT COULDN'T JINGLE/Paul Evans (1962年)

米男性シンガーソングライターのポール・エヴァンスが1962年にリリースしたシングル。バカラックのクリスマス・ソングで、これがオリジナルです。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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所有シングルはラジオ局用プロモ仕様

A. GILDING THE LILY
B. THE BELL THAT COULDN'T JUNGLE (2:28)


米男性シンガーソングライターのポール・エヴァンスが1962年の12月にリリースしたシングルです。

所有シングルはラジオ局用プロモ仕様で、レコード番号は本来のK-499ではなくてK-499X。これってA/B両面とも 「 THE BELL THAT COULDN'T JUNGLE 」 となってまして。バカラック研究本 『 SONG BY SONG 』 を読んでこの曲はA面だとばかり思っていたのですが、ポール・エヴァンスの公式サイトによるとこの曲はB面でA面は 「 GILDING THE LILY 」 という曲みたい(勿論バカラック作品ではありません)…。本記事ではポール・エヴァンスの説を採用してB面だったということにしています。

ポール・エヴァンスは1938年生まれ。歌手として1950年代後半から1960年代にかけて何曲かヒットを放ちました。一方ソングライターとしてはエルヴィス・プレスリーやパット・ブーンらに曲を提供。最大のヒットは1962年のボビー・ヴィントン 「 Roses Are Red (My Love) 」 で全米1位となりました。

今回取り上げる 「 ザ・ベル・ザット・クドゥント・ジングル 」 はバカラックの数少ないクリスマス・ソングのひとつ。このポール・エヴァンスのバージョンがオリジナルです。作詞はラリー・キュジックで、のちに 『 ゴッド・ファーザー 』 の愛のテーマや 『 ロミオとジュリエット 』 の愛のテーマなどの作詞を担当したお方。バカラックと共作したのはこの曲だけのようです。

クリスマスのベルが泣いている ジングルが鳴らないよ~って
サンタはすぐにその理由がわかった 鈴が入ってないからさ

「 わたしがクリスマスの贈り物をあげよう イヴには鳴るようになる 」 とサンタは言った
そうしたら霜の妖精が涙を凍らせ 鈴に変わったんだ
壊れたベルは直り ジングルはいつまでも鳴り続けた


歌詞の大意はこんな感じ。壊れたベルがサンタのおかげでジングルを鳴らせるようになった…というなんとも心温まるお話なんですねー。詞先 or 曲先、どちらなのかわかりませんが、変拍子や凝った転調もなく曲は割とシンプル。とはいっても、メロディが高低飛んだりしてバカラックらしさは感じられます。途中で 「 ジングル・ベル 」 の歌詞とメロディを引用してるのが面白いし楽しいですね。

アレンジ&指揮はバカラック自身が担当。2拍目と3拍目のコードを鳴らすチェンバロ、キラキラしたグロッケンの音色、“ パンパパン、パパン ” と歌う女性バックコーラスなど特徴的なアレンジも楽しい雰囲気を作っています。ポール・エヴァンスの歌声は特徴なく印象に残りませんが…。

数日前のフジテレビ 『 おじゃMAP!! 』 でこの曲がBGMで流れました(ただし、バート・バカラックのバージョン)。いきなりでビックリしたのですが、同時に嬉しくもありました。今年秋には野宮真貴さんもカヴァーしましたし、このシーズンに少しずつこの曲が認知されていくとよいなと思う今日この頃です。


ここからはオマケです。MP3データしか持ってない 「 ザ・ベル・ザット・クドゥント・ジングル 」 のカヴァーをご紹介。

次の表はこの曲のカヴァーをリリース順に並べたものです(リリース月は不明のものが多いため同年の曲は前後するかもしれません)。前述したとおり、オリジナルは①ポール・エヴァンスです。
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そして、これらのカヴァーの元曲は何か?という観点でグルーピングしたところ、大きく4種類にグルーピングできました(グループA~D)。なお、グルーピングにそぐわないバージョンもありました(グループZ)。
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各グループの中で、レコメンドのバージョンのみ簡単にご紹介。グループAは割愛しますが、 ③ボビー・ヘルムス版については以前バカラック物コンピ盤で取り上げました

Mc_4グループBの3曲は全てレコメンド。ですが、⑤ハーブ・アルパート&ティファナ・ブラス⑫グレータ・マタッサ&クリッパー・アンダーソンは既に収録アルバムを紹介済みなので、⑱ステファノ・シグノリーニ & The MC のみ言及します。
ステファノ・シグノリーニ(読み方は自信ありません^^;)はイタリアの男性シンガーソングライターだそう。つい最近リリースしたクリスマス・アルバム 『 Christmas 』 でこの曲を取り上げています。とにかくイントロのアカペラが最高です。3曲のうちでもアカペラの透明感とハーモニーの美しさは一番でしょう。彼の歌唱も含めて曲全体は軽やかなフィーリングなのですが、唯一残念なのが本編に入ってからのギターのがさつな音色。ホントに惜しいです。

R4345641298576415jpegWtsグループCでは、まず⑥バート・バカラックのセルフ・カヴァーを紹介しないわけにはいかんでしょう。A&Mレーベルのアーティストによるクリスマス・アルバム 『 Something Festive! 』 (画像左)に収録されたのですが、バカラック名義でシングルもリリースしたようです。イントロ用にあらたにメロディを付けるなど単に①ポール・エヴァンス版をなぞるだけじゃないぞという気概を感じます。なお、メイン・ヴォーカルは女性コーラスです。
レコメンドがもうひとつ。⑯ウィー・スリー・シングスで、女性1人、男性2人の3人組アカペラ・グループです。ちなみに男性の1人、Trist Curliss は2014年よりマンハッタン・トランスファーに加入してるお方。口によるパーカッションも駆使して全編3人のアカペラのみでこの曲を歌っています。素晴らしいです。米映画 『 ピッチ・パーフェクト 』 を思い出しちゃいました。4曲入りEP 『 We Three Sings! 』 に収録されています。

R272672214918336597868png_2グループDは3曲。全てレコメンドですが、⑩ヨンジン⑰野宮真貴さんのアルバムは紹介済み。ということで、その2曲の元になった⑦アニタ・カー・シンガーズのバージョンをご紹介します。
1969年リリースのクリスマス・アルバム 『 Spend This Holiday With Me 』 に収録。途中で聴こえる子供の歌声、「 ジングル・ベル 」 を引用する手前で叫ぶ “ Listen ! ”、アウトロでの茶目っ気のある “ ジングル ” の輪唱、いずれもアニタ・カーらしいアレンジだと思います。



最後にグループZ。レコメンドは⑨リタ・ライスで、既にアルバムを紹介済みでございます。また、唯一のインスト物である⑧ミロ・パブロビッチ & ベルリン・ビッグバンドもレコメンドです。(*)

(*) 2017/12/31 追記


【データ】
「 THE BELL THAT COULDN'T JINGLE 」
Paul Evans

7"Single:1962年12月リリース
レーベル:Kapp (US)
番号:K-499  (所有シングルはK-499X: ラジオ局用プロモ仕様)

Produced by Allen Stanton
Orchestra arranged and conducted by Burt Bacharach
Written by Burt Bacharach and Larry Kusik

*入手可能な収録アルバムはありません。
  また、7"シングルもAmazonでは取り扱っていません。(私はDiscogsで購入しました)

2017年12月17日 (日)

SPREAD YOUR WINGS AND FLY/Laura Nyro (2004年)

1971年5月30日、ニューヨークのフィルモア・イーストで行われたローラ・ニーロのライヴを収録したもの。バカラック・カヴァーを1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全12トラック中、バカラック作品は1トラック

5. Medley: WALK ON BY / DANCING IN THE STREET (4:58)


Img037ggg1971年5月30日、ニューヨークのフィルモア・イーストで行われたローラ・ニーロのライヴ録音アルバムです。彼女の死後7年経った2004年にリリースされました。

先日(12月10日)の “ 山下達郎のサンデー・ソングブック ” でローラ・ニーロが歌う 「 ウォーク・オン・バイ 」 が流れました。以前ご紹介したアルバム 『 ANGEL IN THE DARK 』 (2001年リリース)の 「 ウォーク・オン・バイ 」 ではなく、1994年2月の来日公演を収めたライヴ盤  『 An Evening With Laura Nyro 』 (2003年リリース) からの1曲。私の知らないバージョンです。これはっ!と思いAmazonでポチッとしかけたのですが、5ケタのお値段に目がテンwobbly。いやいや、お小遣いの少ないオジサンにはちょっとキツイな~。

ポチッ を断念して他のストアを探している時、今回ご紹介するアルバムにもライヴ・バージョンの 「 ウォーク・オン・バイ 」 が入ってることを知りました。プライスも手が届くゾ。…てなワケで本作をゲットした次第。

1947年生まれのローラはこのライヴの時点ではまだ23歳。でもでも、ピアノ弾き語りで歌うローラのストレートで骨太なパフォーマンスはキャリアを十分積んだベテラン・シンガーのよう。アルバム終盤ではローラの歌声もちょっとかすれ気味だったりしますが、ただただ歌の力に引き込まれます。

収録曲は12トラック全17曲。ライヴということもあってかメドレーが多いです。17曲の内訳は、7曲がソウル・ナンバーのカヴァーで残り10曲がローラのオリジナル。カヴァーのうちの1曲がバカラック・ナンバーのT-5. 「 ウォーク・オン・バイ 」 で、マーサ・リーヴス&ザ・ヴァンデラスの 「 ダンシング・イン・ザ・ダーク 」 とのメドレーとなっています。

「 ウォーク・オン・バイ 」 は、ゆたりとしたR&Bフィーリング溢れるカヴァー。

Photo_6 『 An Evening With Laura Nyro 』 と 『 ANGEL IN THE DARK 』 は、ライヴ/スタジオの違いはあっても1994年のほぼ同じ時期の録音ということもあって似ています。それらと較べると、同じピアノ弾き語りでテンポも同等なのに本作は微妙に雰囲気が違うんですよねー。私なりに出した答えがピアノ左手で弾く “ ベース・ライン ” の違い。表にまとめましたが、本作は1拍目/2拍目の裏/4拍目に音の頭が来るパターンで一貫しているのに対し、1994年はフィーリングが異なる複数のパターンが登場します。だからかなと。

ヴォーカルの表現力はメロディをフェイクしたりする1994年の方が明らかに上。でも、私にとってシンプルに心に響くのは本作の 「 ウォーク・オン・バイ 」 。このあたりは個人的な好みの範疇になるんでしょうけどねー。


【データ】
『 SPREAD YOUR WINGS AND FLY : LIVE AT THE FILLMORE May 30, 1971 』 (邦題:飛翔~ライヴ・アット・フィルモア・イースト)
Laura Nyro

CD:2004年3月9日リリース (所有CDは、2004年7月22日リリースの日本盤。ライナーは渡辺亨氏)
レーベル:Columbia / Legacy (所有CDは、Sony Music Direct (Japan))
番号:CK 92493 (所有CDは、MHCP 244)

Produced for compact disc by Al Quaglieri
Recorded debut / Recorded 5/30/71

2017年12月10日 (日)

Have yourself a merry little Christmas/Rita Reys (1986年)

オランダのジャズ・シンガー、リタ・ライスが1986年にリリースしたクリスマス・アルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全12トラック中、バカラック作品は1トラック

6. THE BELL THAT COULDN'T JINGLE (2:13)


オランダのジャズ・シンガー、リタ・ライスが1986年にリリースしたクリスマス・アルバムです。

リタ・ライスは1924年生まれ(2013年没、享年88)。リリース当時62歳ということになりますが、“ Europe's First lady of Jazz ” として知られるリタにとって本作は初めての(そして唯一の)クリスマス・アルバムなんだとか。

バックの演奏は、リタの御主人でもあるピム・ヤコブスのピアノ・トリオとメトロポール・オーケストラ。オーケストラの指揮とアレンジはロジャー・ヴァン・オッテーロー。リタは1971年にバカラック・カヴァー集 『 Rita Reys sings Burt Bacharach 』 をリリースしているのですが、その時も彼はオケのアレンジと編曲をしていました。

─  The subtle swing of the trio, combined with the genuine warmth of strings, adds a fresher and brighter quality to these familiar songs. トリオの巧みなスイングとストリングスの本物の暖かさとの組み合わせは、これらおなじみの曲をより生き生きと明るく描き出します。 ─ (ライナーより、超意訳 by あるでお^^;)

私も同感です。T-1. 「 HAVE YOURSELF A MERRY LITTLE CHRISTMAS (あなたに楽しいクリスマスを) 」 、T-2. 「 WINTER WONDERLAND 」 、T-9. 「 THE CHRISTMAS SONG 」 、T-12. 「 WHITE CHRISTMAS 」 の定番曲もいいですし、アニタ・カー作のT-3. 「 IT'S CHRISTMAS TIME 」 やクリスマス・キャロルのT-7. 「 THE STAR CAROL 」 あたりの暖かみあるサウンドを聴いてると体の芯まで温まってきます。

─  One of the most original songs in the world of jingle bells and silver bells is undoubtedly Burt Bacharach's "The bell that couldn't jingle." ジングル・ベルや銀の鈴の歌の世界で最も独創的な曲のひとつがバート・バカラックの 「 ザ・ベル・ザット・クドント・ジングル 」 であることは間違いありません。 ─ (同)

よく発掘したな~と思ったのが、バカラックが作曲した数少ないクリスマス・ソングのT-6. 「 ザ・ベル・ザット・クドゥント・ジングル 」 。1970年代以降は全くカヴァーされてませんでしたからねー。ライナーを書いた方の評価が高いのにもビックリ。

んで、リタ版はとっても素敵なカヴァーとなりました。ストリングスと木管楽器がクラシカルな掛け合いを演じるイントロにまず心が弾みます。このイントロのフレーズは過去のどのバージョンにも見られないものです。本編に入ってからはピアノトリオが主体となるのですが、ウキウキ感がある演奏でピアノのちょっとしたアドリブなんかもいいですね~。リタの歌唱は若干高音域が苦しげですが、秀逸なアレンジに大満足。ただ、惜しむらくは曲の尺が短いこと。もっと長く演奏してくれたら良かったのにー。

Amazonは在庫切れ。そこでDiscogsサイトのアカウントを取得してオランダの中古屋さんから取り寄せたのですが、購入して正解でしたhappy01。まぁ、今月からAmazon/iTunesでダウンロード出来るようになったんですけどね…crying


【データ】
『 Have yourself a merry little Christmas 』
Rita Reys

CD:1986年リリース  ライナーノーツ: Imme Schade van Westrum
レーベル:Polydor (West Germany)
番号:831 254-2

Musical Advice: John J. Vis/Imme Schade van Westrum
Orchestra arranged and conducted by Rogier van Otterloo
  Pim Jacobs - Keyboards
  Ruud Jacobs - Bass
  Peter Ypma - Drums
  Ack van Rooyen - Trumpet
  Ruud Brink - Tenorsax
  Ary Jongman - Flute
  Martin de Ruiter - Hobo
  Roel Koster - Horn
Recorded at Wisseloord Studios, Hilversum, Holland

Ⓟ 1986 Polydor B.V.
Ⓒ 1986 Polydor B.V.
Marketed by Polydor B.V.
Printed in West Germany

↓ 左:CD、 右:MP3

2017年12月 6日 (水)

バート・バカラック・オン・ジャパニーズ・レア・グルーヴ/V.A. (1998年)

1970年頃にレコーディングされた日本人アーティストによるインストのバカラック物コンピ集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ 石川晶トリオ ~
2. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ 伊集加代子(スキャット) ~
3. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  ~ 福原彰(トランペット) ~
4. REACH OUT FOR ME  ~ ロック・アカデミー弦楽四重奏団 ~
5. WHAT'S NEW PUSSYCAT?  ~ ロック・アカデミー弦楽四重奏団 ~
6. THIS G'S IN LOVE WITH YOU  ~ 佐藤允彦(ピアノ) ~
7. WALK ON BY  ~ 川原正美(パーカッション) ~
8. PROMISES, PROMISES  ~ ロック・アカデミー弦楽四重奏団 ~
9. ARE YOU THERE (WITH ANOTHER GIRL)  ~ ロック・アカデミー弦楽四重奏団 ~
10. THE LOOK OF LOVE  ~ 宮沢昭、衛藤幸雄(フルート) ~
11. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ 飯吉馨(チェンバロ) ~
12. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ 宮沢昭、衛藤幸雄(フルート) ~
13. ALFIE  ~ ジョー・ヤング(サックス) ~
14. BOND STREET  ~ ロック・アカデミー弦楽四重奏団 ~
15. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ ロック・アカデミー弦楽四重奏団 ~
16. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ 松本浩(ヴァイブ) ~
17. THE APRIL FOOLS  ~ 伊集加代子(スキャット) ~

収録時間約50分


Img017ggg 1970年頃にレコーディングされた日本人アーティストによるインストのバカラック物を集めたコンピ集です。

─  録音は 「 小さな願い(石川 晶トリオ) 」 を除き全て1970年に行われたもので、世はまさに万博ムード真っ盛り、進歩と調和を願う人々で溢れ返っていた時代の産物である。これは同時に米ビルボード誌に“イージー・リスニング・チャート”が設けられて約10年(設立は1961年)という第二次イージー・リスニング・ブームの到来を告げる年にあたり、ひいてはポピュラー音楽界における転換の時期でもあった。(中略) さて、こうしたイージー・リスニング・ブームの中で特異な存在として注目を集めていたのが、いま挙げたフランシス・レイと本作の主役バート・バカラックの二人である。各々、絶大なファンを持つ作曲家だが、その個性は実に対照的なものであった。(中略) レイの作品(演奏)は実に新鮮で魅力的なものだった。シンプルで親しみ易いメロディとそのムード、目を閉じればそこに映画のワンシーンが浮かんでくる、といった映像との相乗効果が功を奏して、特に女性ファンが逸早く飛びついたのだ。しかし、レイの人気は数年後には一気に下降線を辿り始め、遂には第一線からの離脱を余儀なくされている。その“雰囲気”にのみ支えられていた彼の人気は聴衆を惹き付けるのも早かったが、同時に飽きられるのも早かったのである。一方、バカラックの人気はどうだったのか。1970年6月22日のニューズウィーク誌では“THE MUSIC MAN 1970”と銘打った彼の特集が組まれ、翌年4月には来日コンサートも開催、大盛況のうちに幕を降ろしている。メロディの美しさやアンバランスな構成に加えて、ブラジル音楽のテンポやR&Bの要素、さらにロックやゴスペルに至るあらゆるジャンルを取り込んだ彼の音楽は、ある人々にとってはビートルズの出現よりも衝撃的なものだったようだ。(後略) ─ (ライナーより)

1970年当時、私は小学1年生。盛り上がったというイージー・リスニング・ブーム(バカラック人気も含めて)を実感してない世代です。このライナーは以前ご紹介した辛口の文章と較べるといささかバカラックを持ち上げ過ぎのような気もしますが、私同様当時を知らない方には参考になると思い長々と引用した次第です。

ライナーには収録元アルバムの情報他が詳しく載っていました。それらをまとめたのが以下の表です。左側に収録元アルバムをリリース順で並べ、右側に対応する曲を記しています。(ジョー・ヤングのT-13 . 「 アルフィー 」 だけは収録元アルバム不明)
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『 バック・トゥ・バカラック 』 というバカラック作品集からセレクトされた6曲はどれもレコメンドです。弦楽クァルテット+αの編成で、αの部分は曲によってピアノトリオや木管楽器などがサポートで加わっているのですが、クラシックと多様なポップスをうまく融合させたアレンジがとっても独創的なんです。クァルテットのみの演奏で中間部に現代音楽っぽい変奏がみられるT-9. 「 アー・ユー・ゼア 」 、疾走感とキレのある演奏が魅力のT-14. 「 ボンド・ストリート 」 は現代でも全く古臭くないです。そして極めつけはT-15. 「 世界は愛を求めてる (愛を求めて) 」 。重厚でクラシカルな前半はまぁ想定の範囲内なのですが、後半の4拍子+3拍子のアヴァンギャルドなリズムは想像を超えています。素晴らしい!

フィリップス・ゴールデン・インストルメンタル・シリーズからの各曲はステレオタイプなイージー・リスニング。ただし、『 フルート・デラックス 』 からの2曲は他とは少し違う肌触りで、特にT-10. 「 恋のおもかげ 」 は美しくハモる2本のフルートとともに数々の独創的なオブリガートが強く印象に残ります。編曲はあの筒美京平さん。やっつけ仕事をしないところは流石です。

T-1. 「 小さな願い 」 のアーティスト名は石川晶トリオとなっていますが、演奏自体はストリングスが加わったイージー・リスニング物です。因みに石川晶さんはジャズ・ドラマーで、1972年にビッグ・バンド編成のバカラック作品集をリリースしています。(こちらを参考下さい)

スキャットの女王、伊集加代子さんも2曲入ってるのですが、彼女のスキャットの素晴らしさが私にはあまり感じられません。アレンジの問題だと思うのですが…。

やはりイージー・リスニングの肝はアレンジですね。改めてそれを感じたアルバムでした。

尚、本アルバムのライナーの最終頁に “ 日本人演奏者による 「 バート・バカラック作品集 」 主要アルバム・リスト ” なるものがありまして。大変貴重な資料だと思いますので、情報の共有化ということで拝借して載せることとします。
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【データ】
『 バート・バカラック・オン・ジャパニーズ・レア・グルーヴ 』 (Burt Bacharach on Japanese Rere Groove)
V.A.

CD:1998年10月21日リリース (ライナーは濱田高志氏 from 土龍団)
レーベル:テイチク・レコード (JP)
番号:TECN-18435

All tracks recorded in 1970 except track 1 in 1969
This Compilation Ⓟ & Ⓒ 1998 Licensed from Shinko Music Publishing Co., Ltd.
Manufactured & Distributed by TEICHIKU RECORDS CO.,LTD. Japan    

2017年12月 3日 (日)

12月9日の NHK 『 名曲アルバム 』 は 「 雨にぬれても 」!

2017年もあっという間に師走になってしまいました。気ぜわしい時季にちょいと一服しませんか?  とゆーことで、今回はNHKのTV番組 『 名曲アルバム 』 のご案内です。

─  『 名曲アルバム 』 は、誰もが耳にしたことのある世界の名曲を、作品ゆかりの地の美しい映像と共にお送りする番組です。 ─
 (番組サイトより)

この番組はクラシック音楽の番組だと思っていました。実際、番組サイトを開いて “ 名曲アルバム100選 ” をクリックするとクラシックの曲がズラリと並んでいます。でも、クラシック・オンリーってワケじゃなかったんですねー。んで、この度めでたく 「 雨にぬれても 」 が取り上げられることになりました。パチパチ。

Photo_2 歌うのはシンガーソングライターのおおはた雄一さん(写真左)で、バックはウクレレ&ベース+オケといった構成。坂本美雨さん(写真右)もコーラスで参加してるんですが、このお二人はそれぞれのソロ活動とは別に “ おお雨 ” という名前でデュオとしても活動してるんですって。息ピッタリの演奏を期待しましょう!

映像ロケ地は米ワイオミング州。 ─  アカデミー賞主題歌賞を受賞した映画「明日に向かって撃て!」の主題歌。アメリカ西部の山岳地域で映画のモデルとなった実在の盗賊団「ワイルドバンチ」の足跡を訪ねる。 ─ (同)

音楽と映像がどうコラボするのか、楽しみです。

編曲: 丸山  和範
<演奏>
  ヴォーカル - おおはた 雄一
  コーラス - 坂本 美雨
  Eベース - 長尾 雅道
  ウクレレ - 松宮 幹彦
  指揮 - 渡邊 一正
  管弦楽 - 東京フィルハーモニー交響楽団

放送日時・チャンネル
  12月  9日(土) 14:55~15:00    NHK 総合
  12月10日(日)   4:20~  4:25    NHK 総合
  12月13日(水) 10:50~10:55    NHK Eテレ
  12月17日(日)   4:20~  4:25    NHK 総合
  12月18日(月)   5:55~  6:00    NHK BSプレミアム

詳細は番組サイトをご覧ください。


ここからはオマケです。MP3データしか所有していないバカラック・カヴァーをご紹介。

41kn8upeeplおおはた雄一さんはこれまでにもバカラックをカヴァーしとられまして。
まずは2008年のアルバム 『 SMALL TOWN TALK 』 収録の 「 雨にぬれても 」 (2:54) 。ウクレレ&ギターのみをバックにほんわかなタッチで歌っています。ちょっと脱力感のある歌い方は独特です。
また、2009年リリースのバカラック・カヴァー集 『 雪と花の子守唄 ~バカラック・ララバイ集~ 』 に 「 ME, JAPANESE BOY I LOVE YOU (ミー・ジャパニーズ・ボーイ) 」 で参加。ラテンなアレンジで意表を突かれました。これはアルバムを所有しておりまして以前拙ブログでもご紹介しております。


81lqharpysl_sl1500__2 坂本美雨さんのお母様は矢野顕子さん。
その矢野顕子さんが2017年11月(というかほんの数日前)にピアノ弾き語りのアルバム 『 Soft Landing 』 をリリースしたのですが、そのなかで 「 WIVES AND LOVERS (素晴らしき恋人たち) 」 (4:51) をカヴァー。これがトンデモなく素晴らしいカヴァーでございました。美しく、激しく、繊細で、エレガントな…う~ん、言葉では表現しきれません。ライヴでこの曲を聴いてみたいです。

2017年11月26日 (日)

LIPPY LIP BACHARACH/V.A. (1998年)

ポリグラム・グループ音源のなかから選曲した日本編集のバカラック物コンピ集です!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. TRAINS AND BOATS AND PLANES ~ Astrud Gilberto ~  F
2. DONNE-MOI MA CHANCE (TOO LATE TO WORRY)  ~ Sophia Loren ~  F
3. QUESTO AMORE E' PER SEMPRE (ANY OLD TIME OF THE DAY)  ~ Dalida ~  F
4. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME  ~ Lou Christie ~  M
5. MAKE IT EASY ON YOURSELF  ~ Connie Francis ~  F
6. ALFIE  ~ Jerry Butler ~  M
7. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU  ~ Marva Whitney ~  F
8. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ Roy Ayers ~
9. MESSAGE TO MICHAEL  ~ James Brown ~
10. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ James Brown ~  M
11. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU  ~ Willie Bobo ~  M
12. ANY DAY NOW  ~ James Brown ~  M
13. DON'T MAKE ME OVER  ~ Lyn Collins ~  F
14. REACH OUT FOR ME  ~ Lyn Collins ~  F
15. THIS EMPTY PLACE  ~ The Fortunes ~  M
16. WIVES AND LOVERS  ~ Wes Montgomery ~
17. IN THE LAND OF MAKE BELIEVE  ~ Dusty Springfield ~  F
18. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ Jimmy Smith ~
19. KEEP ME IN MIND  ~ Patti Page ~  F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約58分


ポリグラム・グループ音源のなかから選曲した日本編集のバカラック物コンピ集です!

日本のバカラック第一人者たる坂口修氏が、マーキュリー、フィリップス、ポリドール、MGMやヴァーヴなどのヴォーカル物を中心にコンパイルしたそうです。(因みに、ポリグラム・グループは1999年にユニヴァーサル・ミュージック・グループに吸収され現在は存在しません)

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─  特に、フランス語やイタリア語で歌われる、一味違った Bacharach カヴァーと、"James Brown"とその仲間によるファンキーなテイク等をお楽しみ頂きたい。 ─ (坂口氏のコメント、ライナーより)

私のレコメンドは、坂口氏のコメントとほぼ同じでございます。

まずはT-2. 「 トゥー・レイト・トゥ・ウォーリー 」 のフランス語版。歌っているのはあのソフィア・ローレン。歌うんだcoldsweats02。陽気でノリが良い金管バリバリのアレンジで、彼女の歌も元気で勢いがあります。この曲のオリジナルはバブス・ティーノ。バカラック研究本の 『 SONG BY SONG 』 にはこの曲のカヴァーとして4バージョンがリストアップされているのですが、全てフランス語バージョン! んで、最初にカヴァーしたのがソフィア・ローレンなんです。

そしてT-3. 「 エニイ・オールド・タイム・オブ・デイ 」 をイタリア語で歌っているのはダリダ。誰だっ?て感じですが、(この際下手なダジャレは置いといて)簡単なプロフィールは上記表の注釈※2をご覧ください。この曲のオリジナルはディオンヌなのですが、ライナーによるとシェイラのフランス語バージョン(先日拙ブログで紹介したヤツ)を基にしてカヴァーしたんだそう。
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これら3作品をリリース順に並べたのがこの表。シェイラ版がディオンヌ版とほぼ同じテンポ&同じキーなのに対して、ダリダ版は速めのテンポでキーもかなり高くなってます。イタリア語特有の巻き舌の発音も加わり、ダリダ版は幾分おてんばな印象を受けます。本来ドリーミーなこの曲に一番マッチしているのはフランス語で歌っているシェイラ版かなぁ。(注:あくまでも、レスリー・アガムズ(こちらで紹介)やスー・レイニー等のとってもドリーミーなバージョンを含めずこの3作品のみで比較した場合の話です)
因みに、ダリダはイタリア語でカヴァーする前の1964年にフランス語でカヴァーしています(注釈※2参照方)。こうなると、そのフランス語バージョンもちょっと聴いてみたいですねー。

アルバムの中盤は “ JBまつり ” 状態です。脇を固めるのはJBファミリーの二人の歌姫。マーヴァ・ホイットニーがT-7. 「 ディス・ガール 」 をファンキーに歌い、リン・コリンズがT-13. 「 ドント・メイク・ミー・オーヴァー 」 をソウルフルに、T-14. 「 リーチ・アウト 」 をメロウに歌っています。御大ジェームス・ブラウンは3曲披露! まずT-9. 「 マイケルへのメッセージ 」 ですが、JBは歌わずオルガンを弾くまくります。腕前は素人に毛が生えた程度でちょっと笑っちゃうんですが、ソウルフルなグルーヴ感は流石です。続くT-10. 「 世界は愛を求めてる 」 は疾走感のあるディスコ調のカヴァー。1976年リリースなのでもうディスコの時代なんですね。T-12. 「 エニィ・デイ・ナウ 」 は原曲のR&Bフィーリングを生かしたソウル・バージョン。サビの部分でのカッチョいいブラスとJBのシャウトがたまりません。

他に、クールでまったりした歌声が心にしみるアストラッド・ジルベルトのT-1. 「 汽車と船と飛行機と 」 、ラウンジ風なオルガン・プレイが個人的に好きなジミー・スミスのT-18. 「 遥かなる影 」 あたりも個人的にはレコメンドです。

JBファミリーのバカラック・カヴァーは他のバカラック物コンピ集では見かけません。そういう意味で貴重なコンピ集ではないでしょうか?


【データ】
『 LIPPY LIP BACHARACH 』
V.A.

CD:1998年7月15日リリース (ライナーは坂口修氏)
レーベル:POLYDOR K.K.
番号:POCP-1667

THIS COMPILATION Ⓟ1996 POLYDOR K.K.
DISTRIBUTED BY PolyGram K.K.
↓左は所有CD、 右は2007年のリイシュー盤(ユニバーサルからリリース)

2017年11月22日 (水)

AND TO ALL A GOOD NIGHT/Greta Matassa & Clipper Anderson (2010年)

米女性ジャズ・シンガーのグレータ・マタッサと米男性ベーシストのクリッパー・アンダーソンによるクリスマス・ソング集です。バカラック・カヴァーを2曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全12トラック中、バカラック作品は2トラック

2. THE BELL THAT COULDN'T JINGLE (2:58)
12. CHRISTMAS DAY (3:26)


米女性ジャズ・シンガーのグレータ・マタッサと米男性ベーシストのクリッパー・アンダーソン、二人のデュオ名義で2010年にリリースされたクリスマス・ソング集です。

Img026ccc二人ともシアトルを拠点とするジャズ・レーベル … オリジン・レコードに在籍。これまで何度も一緒にレコーディングしてるみたいで、ジャケットの裏表紙には二人の仲睦まじい写真が…。思わず夫婦かと思っちゃいました。

写真下のグレータ・マタッサはシアトルをベースに海外でも活躍するジャズ・シンガー。 “ 米北西部のヴォーカリスト・オブ・ジ・イヤー ” に7度も選ばれたそう。生年不詳ですが、経歴から察するに1965年前後の生まれのようで現在50代前半と思われます。

一方、クリッパー・アンダーソンはモンタナ州生まれで米北西部の実力派ベーシスト。1973年にモンタナ州立大に入学したそうなので1955年頃生まれの60代前半といったところでしょうか? 本アルバムのプロデュースも担当し、渋いボーカルも4曲で聴くことが出来ます。

本アルバムについてクリッパーはライナーでこう語っています。私の超意訳でどうぞ。

─  皆さんにまず知っていただきたいのは、私が音楽録音の記録係みたいなものだということです。私は子供時代から特にクリスマス音楽が大好きでした。私の家族、特に私の母親にとってクリスマスのしきたりは重要でした。生まれてから2007年まで私達はクリスマスをモンタナの両親の家で一緒に過ごしたのですが、いつの頃からか私はクリスマスの日に音楽を選びプレゼントを扱う役になりました。 私が長年に渡りクリスマスの集まりの思い出を込めて収集した音楽は、私のクリスマスの精神を具現化しています。 結果、私は家族から “ ミスター・クリスマス ” と呼ばれています。 今回のセレクションは私達にとってスタンダードなものばかり。有名な曲は余りありませんが、皆さんに喜んでいただけるものと確信しています。 ─

確かに、有名な(というか俗っぽい)クリスマス・ソングは皆無。でも、聴いてみると本当に素敵な曲ばかり。オールドファッションなジャズやスウィング、ジャズ・ボッサ、ポップ、しっとりしたバラード調など、曲によって味付けを変えているのですが、全体的には暖かく軽やかなトーンで統一されています。クリッパーのプロデュース力は半端なくスゴいと思います。

バカラック・カヴァーは2曲あって、まずはT-2. 「 ザ・ベル・ザット・クドゥント・ジングル 」 。野宮真貴さんがカヴァーしたばかりの、今ホットな曲です。 ─  この曲、私はティファナ・ブラスのクリスマス・アルバムを聴いて育ちました。いつかこの曲をレコーディングしたかったんです。ヴォーカル参加に加え、ショーティ・ロジャースの編曲法を取り入れてコーラス・アレンジしてくれたジェニファーに感謝です。 ─ (ライナーより、クリッパーのコメント)

この曲が絶品なんですsign01 イントロ冒頭にある約30秒間のアカペラに見られるように、アレンジのベースはハーブ・アルパート&ティファナ・ブラスのバージョン。このアカペラを始め、バック・コーラスはティファナ・ブラス版よりも透明感があります。グレータとクリッパーの息の合ったツイン・ヴォーカルも肩の力が抜けてていい感じ。ティファナ・ブラス版でのギターやトランペットに代わって、刻み系の音はチェレスタ/ヴィブラフォン/グロッケン/トイ・アコーディオンなどが奏でているのですが、これがまた見事にホリディ感を醸し出してます。子供のころからず~っとアイディアを温めてきたんでしょう。いやもう脱帽です。私はティファナ・ブラス版よりもこちらに軍配を上げますpaper

ちなみに、同好の士であるまったりさんが “ この曲を男女3人で歌ってる動画 ” をブログで紹介しておられます。振付がユーモラスな楽しい動画なのですが、彼らが歌ってるわけじゃなくて流れている音楽は本アルバムの曲なんですねー(ただし冒頭のアカペラはカットされてます)。最近ようやく気が付きましたcoldsweats01

さて、もう1曲はT-12. 「 クリスマス・デイ 」 。 ─  本アルバムのラストを飾るのはバカラックのミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 からの曲。ハル・デイヴィッドの歌詞が持つメッセージは、クリスマスが私たち家族にとって何なのかを表してるんです。 ─ (先程と同様、クリッパーのコメント)

デモ版リヴァイヴァル版を除くと、ジョニー・マティスがカヴァーして以来のカヴァーじゃないでしょうか 。それくらいの超レア曲です。ヴォーカルはグレータ。バックはピアノ・トリオ+ヴィブラフォン/グロッケンで、ジャズ・バラード風のアレンジ。ダブル・ベースがところどころ弓を弾くのですが、これがいい雰囲気を醸し出していてまったりした気分になります。アルバムを締めくくるのにピッタリの選曲とアレンジではないかと。

世の中にやたらと陽気なクリスマス・ソングがあふれるなか、本アルバムはそれらとは一線を画す ” 寒い日にほんわかリラックスできる上質な大人のクリスマス・ソング集 ” です。ジャズがお好きな方、ポップスがお好きな方、どちらにも強くオススメ致します。尚、2015年にジャケットと曲順を変えた日本盤がリリースされています。日本盤は緑色や赤が目立ついかにもクリスマスといった暖色系のアートワーク。曲自体は全く同じなので、どちらにするかはお好みでどうぞ。

※ 2018/2/4 訂正


【データ】
『 AND TO ALL A GOOD NIGHT 』
Greta Matassa & Clipper Anderson

CD:2010年11月16日リリース
レーベル:Origin Records
番号:ORIGIN 82578

Produced by Clipper Anderson
Recorded & mixed by David Lange at David Lange Studio, Edgewood, WA in January, 2009
T-2. 「 THE BELL THAT COULDN'T JINGLE 」
  Greta Matassa - vocals
  Darin Clendenin - piano
  Clipper Anderson - vocals, bass, celeste
  Mark Ivester - drums, jingle bells
  Susan Pascal - vibes, glock
  David Lange - toy accordian
  Jennifer Ivester - vocals, choral arr.
T-12. 「 CHRISTMAS DAY 」
  Greta Matassa - vocals
  Darin Clendenin - piano
  Clipper Anderson - bass
  Mark Ivester - drums
  Susan Pascal - vibes, glock

↓左はオリジナル盤(試聴できます)。右が日本盤です。

2017年11月19日 (日)

A BRAND NEW ME/Aretha Franklin with The Royal Philharmonic Orchestra (2017年)

アレサ・フランクリンが今年(2017年)リリースしたアルバムです。バカラック作品を1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全14トラック中、バカラック作品は1トラック

3. I SAY A LITTLE PRAYER (4:18)


Img023ggg クイーン・オブ・ソウルことアレサ・フランクリンがコロンビアからアトランティックに移籍したのが1967年。今年(2017年)、その50周年を記念してリリースされたアルバムです。ちなみに、私がアレサのアルバムを購入するのは 『 WHAT YOU SEE IS WHAT YOU SWEAT 』 (1991年リリース) に続いてこれが2枚目でございます。

ここで聴けるアレサの歌声は、アトランティック時代にレコーディングしていた当時のトラック。そこにロンドンのアビーロード・スタジオで新たにレコーディングされたロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラの音源を加えたものです。

チョイスされたのは有名曲ばかり14曲。ソウルの世界に疎い私でも数曲は知ってます。どれも曲自体が素晴らしいですね~。

アレサはアトランティック時代にバカラック作品を5曲レコーディング( 『 アトランティック・バカラック・コレクション 』 参照方) していますが、本アルバムで取り上げられたバカラック作品は皆さんご存知の T-3. 「 小さな願い 」 。重くてもの悲しいストリングスにはちょっと違和感を覚えますが、30秒もするとあの聴きなれたイントロが聴こえてきてホッとします。当時のトラックにオケを重ねただけかと思ったですが、そうではなくてドラムス・ベース・ピアノ・ギター・バックコーラスも新しくレコーディングされたもの ~ つまり歌声以外全て新録音なんですね。以下クレジットを参照ください。なお、赤字は女性、青字は男性を示しています。
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「 小さな願い 」 はディオンヌがオリジナルで1966年にヒット(全米4位)させますが、翌年アレサがカヴァーしたバージョン(全米10位)の方が一般的に評価が高いのは周知のとおり。でも私はディオンヌ版の方が好きでして。これまでも何度か拙ブログで書いたように、アレサ版は表現が大げさでとても “ 小さな ” 願いに聴こえず、お願いの “ 押し売り ” のように感じてしまうんです。ところが、本アルバムのバージョンはそこまでではありません。オケのゴージャスさが全体をマイルドにしているのかなぁ。

アレサは1942年生まれなので今年(2017年)でちょうど75歳。今年2月には、年内に引退するというニュースも耳にしました。 ─ ソウルの女王、アレサ・フランクリンが、引退を計画していることを明かした。年内、レコーディングするアルバムを最後とし、その後は孫とゆっくり過ごしたいそうだ。 ─ (ニュース記事より)

まさか本作がそのアルバムじゃないですよね~。だってアレサは歌ってないじゃんか~。ディオンヌ(1940年生まれ)より2歳も若いんだし、まだまだ頑張って歌ってほしいです。


R199845114493117469784jpeg ここからはオマケです。MP3データしか所有していないバカラック作品をご紹介。

アレサは、コロンビア時代の1964年にリリースしたアルバム 『 Runnin' Out Of Fools 』 で 「 ウォーク・オン・バイ 」 (2:51) をカヴァーしています。バックの演奏は殆どディオンヌ版と同じアレンジ。薄いトランペットなんかもうモロにバカラック。ディオンヌの曲の中では元々R&B色の強い曲ですしアレサはディオンヌよりはソウルフルに歌ってるのですが、思いっきりシャウトするわけでもなく消化不良な印象。ホントはもっとソウルフルに歌いたかったんでしょうけれど、コロンビアというレーベルのカラーがそこまで許してくれなかったか…。


【データ】
『 A BRAND NEW ME 』
Aretha Franklin with The Royal Philharmonic Orchestra

CD: 2017年11月9日リリース
レーベル: Rhino Atlantic
番号: R2-557606

Produced by Nick Patrick and Don Reedman
Orchestra performed by The Royal Philharmonic Orchestra
Conducted by StevevSidwell and Robin Smith

2017年11月12日 (日)

Écoute Ce Disque/Sheila (1964年)

フランスの女性シンガー、シェイラのセカンド・アルバムです。バカラック・カヴァーを2曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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Original LP front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏

全12トラック中、バカラック作品は2トラック

3. CHAQUE INSTANT DE CHAQUE JOUR (ANY OLD TIME OF THE DAY)  (2:37)
10. OUI, IL FAUT CROIRE (I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF)  (3:04)


Img020ggg_2フランスの女性シンガー、シェイラのセカンド・アルバムです。1964年にフランスとカナダでリリースされました。

─  シェイラは1945年パリ郊外クレテイユ生まれ。16歳の時、2人のプロデューサー(ジャック・プレ と クロード・カレール)に見出されイェ・イェ時代を代表する女性歌手のひとりに成長した。 ─ (日本語ライナーノーツより抜粋)

ライナーでは更にイェ・イェの説明が続きます。 ─  母国では伝統的な歌謡曲を 「 シャンソン 」 、英米の影響を受けたものを 「 ヴァリエテ・フランセーズ 」 と呼び 「 イェ・イェ 」 はザ・ビートルズがその地位を確立する前後の欧米のポップ・ソングの影響を受けた、アイドル・シンガーによるティーン向けの軽快なロックンロールやおセンチなバラードだ。英米のヒット曲のカヴァーも多い。ボスキャラはご存知セルジュ・ゲンスブールで、本人歌唱のほかフランス・ギャルやフランソワーズ・アルディに多くの作品を提供した。 ─

ふむふむflairそーゆーことなんだ。私は1964年生まれで、「 イェ・イェ 」 と言われてもピンとこない世代。連想して頭に浮かぶのはレナウンのCMtvだけです。なのでライナーの説明は勉強になりました。

8曲ある英米ヒットのカヴァーも含めて全12曲フランス語で歌っています。バカラック・カヴァーはT-3. 「 エニイ・オールド・タイム・オブ・デイ 」 とT-10. 「 恋のとまどい 」 。

「 エニイ・オールド・タイム・オブ・デイ 」 はディオンヌがオリジナルで1964年2月リリースのセカンド・アルバム 『 ANYONE WHO HAD A HEART 』 に収録。同年4月リリースのシングル 「 ウォーク・オン・バイ 」 のカップリング曲にもなりました。シェイラ版はこの曲の最初のカヴァーになるみたいですね。バックの演奏はディオンヌ版とほぼ同じアレンジ&テンポで特に芸はありません。しかも2コーラスめを省略して尺短いし^^;。でも、曲の最終盤に2回登場する “ ジュテーム(大好き) ” の4連発はオリジナルには見られないもので、歌詞については一工夫加えてるようです。元々ドリーミーな曲調ですが、この “ ジュテーム ” も含めてフランス語との相性は良く、好カヴァーと思います。

「 恋のとまどい 」 のオリジナルはトミー・ハント(1962年)ですが、シェイラ版の元ネタはダスティ・スプリングフィールド版(1964年)と思われます。パワフルでスケールの大きいダスティの歌唱と較べるとシェイラの歌いっぷりは一回りスケール小さい感は否めません。まぁ、アイドル・シンガーですから比較するのは酷ですねー^^;。ただ、さきほどの曲と違ってフランス語との相性はイマイチかな?

アルバム全体的には明るく元気な曲が多いです。アルバムの目玉は、アルバムの邦題にもなってるようにレノン=マッカートニー作のT-6. 「 ハロー・リトル・ガール 」 らしいです。個人的なレコメンドは断然 「 エニイ・オールド・タイム・オブ・デイ 」 ですけれど。

因みに、本アルバムは1964年にリリースされた3枚の4曲入りEPから構成されたものだそう。Discogsで調べてそのEP3枚を見つけました。左から表裏ペアで、『 SHEILA 5e disque 』 、『 SHEILA 6e disque 』 、『 SHEILA 7e disque 』 。タイトルの意味は 『 シェイラ 〇枚目のレコード 』 。なんてストレートな表現coldsweats01。ライナーによれば、当時はEPが主流だったためLPはさほど流通していないんだとか。
あと、これはどーでもいいコトですが、真ん中6e disqueのジャケ写はかわいくて好きですlovely
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【データ】
『 Écoute Ce Disque 』 (邦題:ハロー・リトル・ガール)
Sheila

LP:1964年リリース (所有CDは、2016年12月14日リイシューの日本盤。歌詞&訳詞付き、ライナーは皆川勝氏)
レーベル:Philips (所有CDは、WEA / ワーナーミュージック・ジャパン)
番号:B 77.896 L (所有CDは、WPCR-17566)

Producer: Claude Carrère, Jacques Plait
Arranged by Sam Clayton

2017年11月 5日 (日)

the burt bacharach songbook/V.A. (1998年)

1998年にリリースされた米国編集のバカラック&デイヴィッド作品コンピ集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ Jackie DeShannon ~  F
2. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ Andy Williams ~  M
3. A HOUSE IS NOT A HOME  ~ Della Reese ~  F
4. THE LOOK OF LOVE  ~ Roger Williams ~
5. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ Anne Murray ~  F
6. WIVES AND LOVERS  ~ Jack Jones ~  M
7. ONE LESS BELL TO ANSWER  ~ The 5th Dimension ~  F
8. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF  ~ Dusty Springfield ~  F
9. MAKE IT EASY ON YOURSELF  ~ Jerry Butler ~  M
10. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME  ~ Sandie Shaw ~  F
11. ONLY LOVE CAN BREAK A HEART  ~ Gene Pitney ~  M
12. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)  ~ The Stylistics ~  M
13. ANYONE WHO HAD A HEART  ~ Maureen McGovern ~  F
14. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  ~ Ramsey Lewis ~
15. ALFIE  ~ Dee Dee Warwick ~  F
16. DON'T MAKE ME OVER  ~ Petula Clark ~  F
17. MESSAGE TO MICHAEL  ~ Lena Horne & Gabor Szabo ~  F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約54分


1998年に米Varèse Sarabande Records(ヴァレーズ・サラバンド・レコーズ) の Varèse Vintage(ヴァレーズ・ヴィンテージ) レーベルからリリースされた米国編集のバカラック&デイヴィッド作品コンピ集です。

編者のひとりであるJim Pierson氏が本コンピ集をライナーでこう紹介しています。私の超意訳でどうそ。 ─ このコレクションは、バカラックが作詞家ハル・デイヴィッドと組んでいた1960~1970年代全盛期に焦点を当てています。二人のパートナー・シップは数多くのヒット曲を生み出し、その多くはディオンウ・ワーウィックによってレコーディングされました。それらのバージョンはディオンヌの多数のリリースや他のバカラック・アンソロジーで既に皆の知られるところとなっているので、我々はヒットはしてないけれど価値あるカヴァーを集めました。いくつかのヒット曲も含んでいますが。 ─

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レーベルの縛りなく集められた全18曲はバカラック&デイヴィッドの代表曲ばかり。ただし、ディオンヌのバージョンやバカラックのセルフ・カヴァー物は一切ありません。そこは徹底していますね~。T-1. とアルバム中程の7曲(T-6~12.)はオリジナルかカヴァーかを問わず有名なバージョンですが、それ以外は結構レアなバージョンを集めています。

本コンピ集で個人的に最もレコメンドなのは、モーリン・マクガバンのT-13. 「 恋するハート 」 。このバージョンが入っていた他のコンピ集でも同様にレコメンドでした。理由については そのコンピ集の記事 を、モーリン・マクガバンについては彼女のアルバム 『 Baby I'm Yours 』 の記事 を参照ください。

本コンピ集以外では見かけないくらいの超レア物に加えて内容的にもレコメンドなのが、流麗なストリングス/ちょっとファンキーなピアノ/パワフルな歌唱が印象に残るデラ・リースのT-3. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 、カントリー風味なアン・マレーのT-5. 「 恋よさようなら 」 、意外と歌声がチャーミングなペトゥラ・クラークのT-16. 「 ドント・メイク・ミー・オーバー 」 の3曲です。

ディオンヌ・ワーウィックの妹であるディー・ディー・ワーウィックが歌うT-15. 「 アルフィー 」 もオケのアレンジが新鮮でレコメンド。一方、彼女の歌は上手いけれど特徴がなくてレコメンドではありません(^^;。

なお、実際のディスクはT-3. とT-5. が入れ替わって収録されています。編集時のミスと思われますが、拙記事ではCDジャケットの曲順通りに紹介しました。あしからず。


【データ】
『 the burt bacharach songbook 』
V.A.

CD:1998年2月24日リリース
レーベル:Varèse Vintage / Varèse Sarabande Records(US)
番号:VSD-5873

Collection Produced by Cary E. Mansfield and Jim Pierson
Sound Produced by Bill Inglot
Note by Jim Pierson

This compilation ⓅⒸ1998 Varèse Sarabande Records, Inc.
Manufactured by Varèse Sarabande Records, Inc.
Distributed by Universal Music and Video Distribution

2017年11月 1日 (水)

BACHARACH & DAVID They Write The Songs/V.A. (1997年)

1997年にリリースされた英国編集のバカラック&デイヴィッド作品のコンピ集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  ~ Dionne Warwick ~  F
2. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ B. J. Thomas ~  M
3. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU  ~ Sacha Distel ~  M
4. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ Jackie DeShannon ~  F
5. MESSAGE TO MICHAEL  ~ Deacon Blue ~  M
6. 24 HOURS FROM TULSA  ~ Gene Pitney ~  M
7. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ Bobbie Gentry ~  F
8. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME  ~ Sandie Shaw ~  F
9. A HOUSE IS NOT A HOME  ~ Luther Vandross ~  M
10. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ Isaac Hayes ~  M
10. ALFIE  ~ Matt Monroe ~  M
11. TRAINS AND BOATS AND PLANES  ~ Billy J. Kramer and The Dakotas ~  M
12. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ Booker T & The MG's ~
13. ONLY LOVE CAN BREAK A HEART  ~ Timi Yuro ~  F
14. ANYONE WHO HAD A HEART  ~ Cilla Black ~  F
15. TO WAIT FOR LOVE  ~ Sacha Distel ~  M
16. THE LOOK OF LOVE  ~ Shirley Bassey ~  F
17. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF  ~ Dionne Warwick ~  F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約59分


1997年にリリースされた英国編集のバカラック&デイヴィッド作品のコンピ集です。

恋人同士っぽい演出のジャケットからはチープなイージーリスニングを想像してしまいますが、中身は至ってまとも。レーベル系列を越えたコンピレーションでして、英国編集のものでは1988年リリースのConnoisseur盤と同様のコンセプト。実際、本コンピ集全18曲のうち半数の9曲はConnoisseur盤と重複してます。

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レコメンドはそのConnoisseur盤と重複しない残りの9曲に集中!

まずは、なんといってもルーサー・ヴァンドロスのT-9. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 。デビュー・アルバムの 『 Never Too Much 』 に収録された7分を超えるこのカヴァーは、シングルになってないにも拘らず彼の代表曲のひとつとされています。全くもって素晴らしい! そしてアイザック・ヘイズのT-10. 「 遥かなる影 」 。彼独特の世界観は他の追随を許しません。惜しむらくは約9分のロング・バージョン(アルバム 『 Black Moses 』 収録)じゃなくて4分ほどのショート・バージョンであること。ルーサーと長尺曲対決して欲しかったなぁ…。

また、ストリングスのアレンジと貫禄のヴォーカルが素晴らしいマット・モンローのT-11. 「 アルフィー 」 、妖しげでカッコいいアレンジとパワフルなシャーリー・バッシーの歌唱が魅力のT-17. 「 恋のおもかげ 」 もレコメンドですねー。

アイザック・ヘイズの 「 遥かなる影 」 とシャーリー・バッシーの 「 恋のおもかげ 」 は過去記事でちょろっと言及しています。よろしかったらそれぞれリンクをクリック下さいませ。

一方、レアなカヴァーも2曲。デーコン・ブルーのT-5. 「 マイケルへのメッセージ 」 は1990年にリリースしたバカラック&デイヴィッド作品4曲入りEPからの1曲。なかなかお目にかかれない代物です。それとブッカー・T&ジ・MG'sのT-13. 「 小さな願い 」 。1992年リリースのStax未発表曲集に収められていたもので、こちらも本コンピ集以外では見たことありません。貴重な音源かと…。

尚、1990年に同名タイトルのコンピ集がUKでリリースされてるようですが、ジャケット・収録曲とも全く異なる別物です。お間違えなきよう。


【データ】
『 BACHARACH & DAVID They Write The Songs 』
V.A.

CD:1997年リリース
レーベル:NECTAR(UK)
番号:NTRCD073

This compilation Ⓟ1997 NECTAR Ⓒ1997 NECTAR
NECTAR is a devision of QUALITY SPECIAL PRODUCTS
Made in the UK.

2017年10月29日 (日)

Close To You ~ Burt Bacharach Song Book/Nicki Parrott (2017年)

歌う女性ベーシスト、ニッキ・パロットによるバカラック・カヴァー集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. WALK ON BY
2. ALFIE
3. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
4. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
5. WISHIN' AND HOPIN'
6. A HOUSE IS NOT A HOME
7. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
8. WIVES AND LOVERS
9. THE APRIL FOOLS
10. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
11. MAKE IT EASY ON YOURSELF
12. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
13. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU
14. I SAY A LITTLE PRAYER
15. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE

収録時間約53分


歌う女性ベーシスト、ニッキ・パロットによるバカラック・カヴァー集。今月(2017年10月)リリースしたてのホヤホヤspaです。
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ニッキさんはこれまでもちょくちょくバカラック作品を歌っておいでで、拙ブログでも2015年に一度取り上げています。簡単なプロフィールなどもその記事に載せていますのでよかったら参照ください。 → こちら

そしていよいよバカラック集をレコーディング! ボーカル&ベースのニッキさんに、ドラムス、ピアノ、テナー・サックス、ギターのクインテット編成。収録された15曲は全てバート・バカラック&ハル・デイヴィッド作品でカヴァー定番曲ばかり。15曲もあれば少しはレアな曲もあるかな?と期待しましたが、意表を突く選曲は無くてチト残念。

全体的にはわりと真っ当なジャズかな~という印象。でも、畏まって聴く感じではなくて、ニッキさんの若干ハスキーでまろやかな歌声に合わせてバックの演奏は全体的に暖色系で角が丸く、リラックスして聴けるアルバムです。

クィンテット編成は5曲だけで、曲によってピアノのみ、ピアノトリオ、ギタートリオ、ギター抜きカルテット、サックス抜きカルテットという風に変化をつけています。ニッキさんはそれほど声量がないこともあって、クィンテット編成などの賑やかな演奏には押されてしまってる感があります。ピアノのみやトリオ編成くらいの方が歌と演奏のバランスが取れててニッキさんの持ち味が発揮できるのかなぁと思います。

私のイチオシgoodは、T-9. 「 エイプリル・フール(幸せはパリで) 」 。バックはピアノのみ。リリカル且つシンプルなピアノが素晴らしく、イントロとアウトロも素敵です。丁寧に感情を込めて歌っているニッキさんも素敵。この曲だけを何度も繰り返し聴きたくなります(事実繰り返し聴いてます)。同じくピアノのみをバックに歌うT-7. 「 ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・ヘヴン(遠い天国) 」 やT-13. 「 ディス・ガール(貴方に恋して) 」 なども味があってレコメンド。“ 歌う女性ベーシスト ” の肩書はこの際忘れましょうcoldsweats01

ピアノトリオのT-6. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 、クィンテット編成で渋いバラードにアレンジされたT-1. 「 ウォーク・オン・バイ 」 あたりもレコメンドにしときます。ここまでピックアップした5曲は全てバラード曲。ニッキさんはバラードがしっくりくるなーと感じました。

R969257714848559505806jpeg ここからはオマケです。MP3データしか所有していないバカラック作品をご紹介。

これはニッキ・パロットが昨年(2016年)リリースした 『 Yesterday Once More ~ The Carpenters Song Book 』 というアルバム。タイトルが何だか似てますがそれはこの際置いといてsmile、そのアルバムの中で 「 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 」(3:50) と 「 (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU 」(4:43) を取り上げて歌っています。どちらも賑やかで楽しいボサノヴァ風アレンジ。こういうアレンジだとリズムに乗って軽やかに歌ってほしいところですが、なんか乗り切れてないような感じを受けます。やっぱりニッキさんはバラード曲の方がお似合いなんじゃないかなぁ~。


【データ】
『 Close To You ~ Burt Bacharach Song Book 』 (邦題:遥かなる影~バート・バカラック・ソング・ブック)
Nicki Parrott

CD:20.17年10月18日リリース
レーベル:ヴィーナス・レコード(日本)
番号:VHCD-1222

Produced by Tetsuo Hara
  Nicki Parrott - vocals & bass
  John Di Martino - piano
  Paul Meyers - guitar
  Harry Allen - tenor sax
  Alvin Atkinson - drums
Recorded at Trading 8's Studio in NY on July 4, 5 & 6, 2017
  T-1,3,5,10,12,15. ~ b,p,d,g,ts
  T-2,14. ~ b,p,d,ts
  T-4. ~ b,p,d,g
  T-6,8. ~ b,p,d
  T-11. ~ b,d,g
  T-7,9,13. ~ p

2017年10月22日 (日)

野宮真貴、ホリデイ渋谷系を歌う。/野宮真貴 (2017年)

冬の名曲スタンダードをカヴァーした野宮真貴 “ 渋谷系を歌う ” シリーズ第5弾! バカラック・カヴァーを1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全12トラック中、バカラック作品は1トラック

3. THE BELL THAT COULDN'T JINGLE (2:53)  ~ Duet with 渡辺満里奈 feat. Smooth Ace ~


Img010gggピチカート・ファイヴのヴォーカリスト、元祖渋谷系のディーヴァの野宮真貴が2017年(今年)にリリースしたアルバムです。

2014年11月リリースの 実況録音盤!『 野宮真貴、渋谷系を歌う。~Miss Maki Nomiya Sings Shibuya-kei Standards~ 』 を皮切りに、2015年11月 『 世界は愛を求めてる。~野宮真貴、渋谷系を歌う。~ 』、2016年8月 『 男と女 ~野宮真貴、フレンチ渋谷系を歌う。 』、2017年5月 『 野宮真貴、ヴァカンス渋谷系を歌う。 』 とリリースしてきたシリーズの第5弾!

前作 『 …バカンス系 』 が夏向けだったのに対し、本作は冬の名曲スタンダードをカヴァー。とは言っても、全12トラックのうち半数(T-7~12.)はボーナストラック。ミニ・アルバムと呼んだ方がしっくりします。

T-2. 「 Winter's Tale ~冬物語~ 」 は高野寛、T-4. 「 おもて寒いよね Baby, It's Cold Outside 」 は横山剣、T-6. 「 冬がはじまるよ 」 は鈴木雅之とのコラボ。

そしてバカラックの数少ないのクリスマス・ソング、T-3. 「 ザ・ベル・ザット・クドゥント・ジングル 」 は渡辺満里奈とのデュエットでカヴァー。日本のアーティストがこの曲をレコーディングしたのはこれが初めてでしょう。しかも、小西康陽氏による日本語詞で歌っています。

小西氏の訳詞に接して初めて、この曲の世界観を理解することができました。著作権の関係でそのまま載せるとマズいので、私なりに英語詞を超意訳したのがこちら↓。

クリスマスのベルが泣いている ジングルが鳴らないよ~って
サンタはすぐにその理由がわかった 鈴が入ってないからさ

「 わたしがクリスマスの贈り物をあげよう イヴには鳴るようになる 」 とサンタは言った
そうしたら霜の妖精が涙を凍らせ 鈴に変わったんだ
壊れたベルは直り ジングルはいつまでも鳴り続けた


壊れたベルがサンタのおかげでジングルを鳴らせるようになった…というなんとも心温まるお話(歌詞)だったんですねー。

ところどころ満里奈さんがユニゾン/ハモリ/あるいは輪唱で絡んでくるのですが、真貴さんがヴォーカルを多重録音してるんじゃ?と思うほど真貴さんと満里奈さんの声質はよく似ています。男女2人によるバック・コーラスも含めて、ウキウキする大人のポップス…といった感じのアレンジもいいですねー。アニタ・カー・シンガーズのバージョン(1969年)をパクったとも言えますが、まぁそれはご愛敬ということでcoldsweats01。そーゆー意味では同じアレンジで英語詞版も聴いてみたいです。ボーナストラックでいいから収録して欲しかったです~。


【データ】
『 野宮真貴、ホリデイ渋谷系を歌う。 』
野宮真貴

CD:2017年10月18日リリース
レーベル:ユニバーサル・ミュージック
番号:UICZ-4406

Produced by 坂口修
Arrangement & All Programming by Ryosuke Imai
Vocal, Chorus: 野宮真貴
Guest Vocal: 高野寛(T-2.), 渡辺満里奈(T-3.), 横山剣(M-4.), 鈴木雅之(T-6.)

"Les Romantiques"
  Organ, Keyboards, Percussion, Chorus: スパム春日井
  Piano, Organ, A.Guitar: 真藤敬利
  Bass: 石田純
  Drums: 平里修一
  Guitar: 末松一人

"Smooth Ace"
  Chorus: 重住ひろこ・岡村玄

Trumpet:佐々木史郎
Saxophone: 庵原良司

Acoustic Guitar: 古後敦史, 島周平

2017年10月15日 (日)

CALIFORNIA HERE I COME/Bill Evans (1982年)

ビル・エヴァンスの1967年ヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ録音盤です。バカラック作品を1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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Original LP front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏

全15トラック中、バカラック作品は1トラック

11. ALFIE (5:12)


Img006sssジャズ・ピアニスト、ビル・エヴァンスの1967年 NY ヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ録音盤です。

ビル・エヴァンスは1929年ニュージャージー州生まれ。白人モダン・ピアノの最高峰と呼ばれました。彼は1980年に51歳で永眠したのですが、その直後から日米で追悼作のムーブメントが起こります。本アルバムはそれらの追悼作のひとつで、没後2年の1982年に米国でリリースされたものです。

エディ・ゴメス(ベース)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラムス)とのピアノ・トリオ編成。全15曲で75分。LP2枚組でリリースされました。

先月、ビル・エヴァンスのアルバム 『 ANOTHER TIME 』 を取り上げた際にエヴァンスの 「 アルフィー 」 は三種類ある…と書きました。でも、自分が知らないだけでもしかしたら他にも録音が残ってるんじゃないか?と思いDiscogs 等で調べたところ、見つかる見つかるsign01 これまで紹介済みのバージョンを含めて九種類もsign03 こんなに有るとは思っていませんでしたcoldsweats01

聴いたことがない 「 アルフィー 」 六種類のうち、どれかCD買おうと思って本アルバムを選択。他は曲単体をMP3で入手した次第。

全九種類の 「 アルフィー 」 を表にまとめてみました。録音日順に、共演者、演奏時間、オリジナル・アルバム、ライヴorスタジオ録音、録音場所を記しています。ついでにアルバム・ジャケットも載せておきます。このうち、本アルバムは②でございます。

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1966年11月の ①~ 1974年1月の ⑨ まで計九種類、共通点は以下の通り。
・編成=ピアノ・トリオ
・録音=ライヴ録音
・演奏上の構成が同じ
・リードを取るのはエヴァンスのピアノだけ

演奏上の構成はすべて、前半(1コーラス目)バラード ⇒ 中盤(2コーラス目の最初~サビ手前まで)アドリヴ ⇒ 後半(2コーラス目のサビ~エンディング)またバラード というもの。

ただ、③~⑨に共通している “ 2コーラス目導入部の駆け上がるようなフレーズ ” と “ エンディング ” は、①・②と明確に異なります。

クルマに譬えると、③ でマイナーチェンジしたような感じ。また、①はまだ手探り状態なのかぼやっとした演奏なのですが、②では細かい表現に神経が行き届いていて輪郭がクッキリした印象です。①は量産前の試作車で、②で量産開始した…といったところでしょうか。

③~⑨は少なくともエヴァンスのピアノに関してはほぼ一緒。テンポの速い/遅い、アドリヴの違い、ベースやドラムスの演奏の違いなど、クルマに譬えるとグレードやオプションによる差ですかねー。 エヴァンスにとって 「 アルフィー 」 の完成形なんだと思います。そのなかでは、ドラムス・ベース共にピアノに寄り添ってる感がより感じられる③がオススメです。

最後に、過去に紹介したアルバムの記事をリンクしておきます。
『 ANOTHER TIME 』
『 MONTREUX Ⅱ 』
『 the magic of Burt Bacharach 』 … バカラック物コンピ集


【データ】
『 CALIFORNIA HERE I COME 』  (邦題:ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード・セッション'67)
Bill Evans

LP:1982年リリース (所有CDは、2016年6月29日リリースの日本盤)
レーベル:Verve (所有CDは、ユニバーサル・ミュージック)
番号:VE2-2545 (所有CDは、UCCU-5572)

Produced by Helen Keane
The Bill Evans Trio:
  Bill Evans, piano
  Eddie Gomez, bass
  "Philly" Joe Jones, drums
Recorded at The Village Vanguard
August 17,18, 1967.

2017年10月 8日 (日)

Lullaby Girl/Lisa Loeb (2017年)

米女性シンガーソングライターのリサ・ローブが一昨日リリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録! (CD無し/デジタル配信のみ)

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全13トラック中、バカラック作品は1トラック

11. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE (2:56)


米女性シンガーソングライターのリサ・ローブが一昨日(2017年10月6日)リリースしたアルバムです。Amazon Music のデジタル配信のみで、Prime会員なら無料! 私は会員なのでラッキーでした(^^)。

リサ・ローブは1枚だけアルバム持ってます。1995年リリースの 『 TAILS 』 で、全米1位になった 「 STAY 」 が入ってるヤツです。彼女のことは全く知らなかったのですが、当時雑誌のレコード評を読んで買ったんじゃないかなぁ。あまりピンと来なかったので数回聴いただけですけど^^;。

さて本作。もともと子供向けの子守歌アルバムとして企画されたものの、レコーディングの過程で子供だけではなく大人向けのアルバムになると確信。子供にも大人にも聴いてもらえる、気持ちを和らげるララバイ/リラックス・ソング集として製作されたんだとか。

収録曲は 「 BE MY BABY 」、「 DREAM A LITTLE DREAM 」、「 TOMORROW 」 などカヴァーがメイン。オリジナルも2曲あるそうなんですがクレジットが無くてどれがそうなんだかわかりません。全体的にアコースティックで優しいサウンド。バックの演奏は、ピアノトリオ、アコギが中心の編成、ヴィブラフォンやグロッケンなどが入った子守歌仕様の編成など、曲によって変化を持たせています。

バカラック・カヴァーはT-11. 「 世界は愛を求めてる 」 。アコギ、ヴィブラフォン、グロッケン、ダブル・ベース、エレピ、鈴、時折女性のバック・コーラスも加わり、アルバムの中では賑やかめの演奏。♩≒110のテンポはオリジナルのジャッキー・デシャノン版(♩≒106)より心持ち速めでしょうか。リサ・ローブの歌唱はニュートラルでバックの演奏になじんでいます。聴いてるとほっこりしますね。個人的な好みでいえば、もう少し歌にメリハリつけたいところですが。

ここから、ちょいと時事ネタです。

前回シーラ・Eの記事で 「 世界は愛を求めてる 」 のカヴァーが最近多いと感じてる…と書きましたが、その直後の10月2日(現地時間10月1日の夜)に米ラスベガスで銃乱射事件が発生! 昨年(2016年)の米オーランド銃乱射事件の時の Broadway for Orlando ほどではないものの、事件後に Damon Elliott (デーモン・エリオット:ディオンヌ・ワーウィックの次男)A Las Vegas high school choir (ラスベガス高校合唱団) がこの曲を歌っています。また、Twitterでは 「 世界は愛を求めてる 」 の歌詞や動画を #PrayForLasVegas などのハッシュタグを添えてツイートする事例がたくさん見受けられました。

そして今回リサ・ローブが! でも、当然のことながらレコーディングはもっと前ですし、アルバムの趣旨からして政治的な意図は無いでしょうね~。


【データ】
『 Lullaby Girl 』
Lisa Loeb

MP3:2017年10月6日リリース
レーベル:Furious Rose Productions
番号:不明

クレジット不明 ^^;

2017年10月 1日 (日)

Iconic: Message 4 America/Sheila E. (2017年)

シーラ・Eが2017年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全15トラック中、バカラック作品は1トラック

15. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE (4:46)


シーラ・Eが2017年9月にリリースしたカヴァー・アルバムです。

─  私の新しいアルバムIconicは、このような時代だからこそ製作されました。自分の国、そして皆さんのために貢献する責任があると私は信じているのです。私が知ってる最高の方法で。そう、音楽で。 ─


シーラ・E公式サイトでのアルバム紹介コメントを引用して紹介します。(翻訳ソフトで訳した文面を手直ししたもの)

─  このアルバムは、私たちが立ち上がり、私たちの自己利益以上の何かを立てるよう求めるものです。このアルバムでは、私が住んでいるこの混乱する時代に語りかけるために過去の素晴らしい音楽をカヴァーしました。アルバムの各曲は、最大の抗議と革命の歌の一部であり、今の時代にフィットするよう手を加えています。 ─

もともと2016年にダンス・アルバムを製作する予定だったそうですが、プリンスの死とトランプ大統領の誕生により方針転換。シーラ・Eの祖父はメキシコからの移民だそうで、トランプ大統領に怒ってる…とあるインタビューで語っています。政治的なメッセージを含んだ曲をカヴァーし、アメリカを団結させたいとの思いで本アルバムを制作したんだとか。最初は目障りに感じたジャケット写真のボーダー柄も星条旗の赤白ボーダーをオーバーレイしたものなんですねー、納得。

プリンスを始め、ビートルズ、ジェームス・ブラウン、スライ&ザ・ファミリー・ストーンなどのカヴァーを収録。そして、リンゴ・スターやフレッド・ストーン(スライ・ストーンの弟)、キャンディ・ダルファーなど錚々たるミュージシャンがゲスト参加しています。

全体的にはファンクだったりソウル/R&Bあたりのテイストに仕立てられています。冒頭いきなりT-1. 「 Funky National Anthem (ファンキーなアメリカ国歌) 」 からスタート。T-7. 「 James Brown Medley 」 もファンキーです。そうかと思えば、ビートルズのカヴァーT-8. 「 Blackbird 」 はピアノを中心としたアコースティックなサウンド。どこのジャズ・シンガーが歌ってるんだ?って思うほどの渋い歌いっぷりに目が点。ちなみに、「 Blackbird 」 が黒人女性の人権擁護や解放について歌ってるってこと、今回初めて知りました。

さて本題。バカラック・カヴァーはT-15. 「 世界は愛を求めてる 」 。ファンキーにやるんじゃ?という予想は外れてブルースっぽいジャズ・ワルツ仕立て。オルガン(たぶんハモンドでしょう)、ブラス、ギター、エレピのいずれの音色もブルージー。シーラ・Eの歌唱は歌い上げるわけではなく淡々としたもの。でも、バックの演奏にマッチしていてとってもいい感じ。派手さはありませんが好カヴァーだと思います。

アルバム全体を通して、ファンキーな曲もそうでない曲も通奏低音のようにシーラ・Eの思いや熱意が感じられます。ただ楽譜の音符をなぞるだけの音楽じゃない、彼女の強い意志が込められたアルバムでしたgood

それにしても、拙ブログでシーラ・Eを取り上げることになるなんて。1984年の 「 グラマラス・ライフ 」 のヒットはよく覚えています。当時私は二十歳で、人生の中で最も洋楽(ミーハーなヤツ)を聴いていた頃。パーカッションを叩きながら歌う彼女のMVを何度観たことか…。わからないもんですね~。

61vbggohsjl_sl1200_ここからはオマケです。MP3しか所有してないバカラック・カヴァーをご紹介。
昨年、米国で Broadway for Orlando が歌ったあたりから 「 WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE (世界は愛を求めてる) 」 をカヴァーする例が目立つなぁ…と感じています。今年2月リリースの Andra Day もそうですし、この The Isley Brothers & Santana 版 (5:29) もそう。
サンタナとアイズレー・ブラザーズ、二つのグループがコラボしたアルバム 『 Power of Peace 』 (2017年8月リリース) の中の1曲。原曲は3拍子ですが4拍子のR&B(若干ゴスペルも入ってる?)にアレンジ。ロナルド・アイズレーの熱く粘っこいヴォーカルとカルロス・サンタナの泣きギターが絡まりあうパフォーマンスは一聴の価値ありです。

412bdv7nylその少し前に Dwight Trible (ドゥワイト・トリブル)もカヴァー (5:47) 。Dwight Trible with Matthew Halsall 名義のアルバム 『 Inspirations 』 (2017年6月リリース)に収録されてます。
ドゥワイト・トリブルはLAの男性ジャズ・シンガー。スピリチュアル・ジャズ方面の方らしいのですが、スピリチュアル・ジャズが何なのかよくわかりません^^;。タイトでハードなジャズ・ワルツのリズムでかなりメロディをフェイクして歌っています。Matthew Halsall (マシュー・ハルソール)のトランペットは野太い音色で音数少なめのアドリヴを披露。このカヴァーは個人的にあまり好みではありませんが、その熱意は伝わってきました。

やはりトランプ大統領に反抗するメッセージなのか…。しばらく注目していきたいと思います。


【データ】
『 Iconic: Message 4 America 』
Sheila E.

CD:2017年9月1日リリース
レーベル:StilettoFlats Music, inc.
番号:無し

Produced by Sheila E.
Executive Producers, Sheila E., Gilbert Davison
Arrangements: Sheila E. & The Sheila E. Band
The Band
  Sheila E. - lead & bg vocals, drums, percussion
  Wesley McVicker - drums, drum pad, percussion
  Raymond Mckinley - bass
  Mychael Gabriel - guitar, protools
  Bertron Curtis - keys, organ
  Lynn Mabry - lead & bg vocals, tambourine
  Eddie M - saxophone, lead & bg vocals
  Joel Behrman - trumpet, horn & string arrangements
  Jeanne Geiger - trombone
  Jaymes Silver - keyboard program, keys
Spesial Guests: Ringo Starr, George Clinton, Boosty Collins, Freddie Stone, Israel Houghton, Pete Escovedo, Angela Davis, Dolores Huerta, Candy Dulfer, etc.

Recordrd at Pacifique Studios, North Hollywood, CA
Blue 52 Lounge Studios, Tarzana, CA

2017年9月27日 (水)

BLUE BACHARACH/V.A. (1997年)

ブルーノートを中心にコンパイルされた英国EMI編集のバカラック物コンピ集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU  ~ Stanley Turrentine ~
2. WIVES AND LOVERS  ~ Nancy Wilson ~  F
3. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ Reuben Wilson ~
4. THE LOOK OF LOVE  ~ The Three Sounds ~
5. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ Stanley Turrentine ~
6. THEY DON'T GIVE MEDALS (TO YESTERDAY'S HEROES)  ~ Lou Rawls ~  M
7. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ Grant Green ~
8. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  ~ Richard 'Groove' Holmes ~
9. WALK ON BY  ~ Stanley Turrentine ~
10. PROMISES, PROMISES  ~ The Jazz Crusaders ~
11. KNOWING WHEN TO LEAVE  ~ Ernie Watts Quintet ~
12. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME  ~ Stanley Turrentine ~
13. WIVES AND LOVERS  ~ Grant Green ~
14. ALFIE  ~ Nancy Wilson ~  F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約64分


ブルーノートを中心にコンパイルされた英国EMI編集のバカラック物コンピ集です。

Blue_bacharach

R948917914814636526388jpeg_2ちなみに、似たようなアルバム 『 BLUE NOTE PLAYS BURT BACHARACH 』 が2004年にリリースされています。米国で編集されたもので全12曲入り。
私は所有していませんが、調べたところ本アルバム 『 BLUE BACHARACH 』 から5曲(T-1,3,6,12,13.)削って、3曲加えた内容のようです。その3曲とは、アール・クルーの素晴らしいギター・ソロ 「 エイプリル・フール 」 (こちらで紹介)、スタンリー・ジョーダンのこちらも渋いギター・ソロ 「 悲しみは鐘の音とともに 」 (こちらで紹介)、ルー・ロウルズの 「 エニィ・デイ・ナウ 」 。ギター・ソロの2曲は掛け値なしにレコメンドでっせ!

脱線しました^^;。本題に戻ります。

全14曲のうち、ヴォーカル物は3曲。ナンシー・ウィルソンの2曲はレコメンドにしときましょう。T-2. 「 素晴らしき恋人たち 」 は良い感じでスウィングしてます。T-14. 「 アルフィー 」 は私の好みからすると若干オーバーアクション気味なところはあるのですが、彼女なりのスタイルで感情込めて歌っています。ルー・ロウルズのT-6. 「 悲しきイエスタデイ・ヒーロー 」 はレアな曲。本来3拍子の曲を4拍子の軽いスウィングにアレンジして、ノリの良いビッグ・バンドをバックに気持ちよく歌っています。

残り歌なしの11曲は、“ ソウル・ジャズ ” や “ ファンキー・ジャズ ”、はたまた “ イージーリスニング・ジャズ ” といったスタイルの演奏が殆どです。それらのなかで印象に残るのは、まずジャズ・クルセイダーズのT-10. 「 プロミセス・プロミセス 」。トロンボーンとテナー・サックスを中心としたクインテットによる演奏ですが、各楽器の疾走感のある熱いアドリヴにシビレます。この曲の特徴である変拍子もきちんとやっています(アドリヴの場面はさすがに4拍子ですが)。

グラント・グリーンのT-7. 「 恋よさようなら 」 はライトなボサノヴァのリズムが涼しげで本アルバムの清涼剤的存在。グラント・グリーンはギター奏者でアドリヴも含めてまったりしたプレイに徹してます。途中で少し聴こえるオルガンのアドリヴもまったりしていてバランスが取れています。これも一応レコメンドかなぁ。

4曲コンパイルされているスタンリー・タレンタインはソウル・ジャズ系のテナー・サックス奏者。T-5. 「 世界は愛をもとめてる 」 は以前紹介したことあります(こちら)が、4曲のなかではこれが一番ジャズっぽいですね。T-1. 「 ディス・ガイ 」 やT-12. 「 愛の思い出(恋のウェイト・リフティング) 」 あたりはストリングスが入る一方アドリヴはほんのちょっとだけと、もはやイージーリスニングですょ…。

なぁんか締まりのない記事になっちゃいました。このまま終えるのもなんなので、オマケとして各曲の収録元アルバムのジャケットを載せておきます。
Blue_bacharach

あと、どーでもいいことをひとつ。本コンピ集には a cooler shaker というサブタイトルがついています。そういえば、裏ジャケットにシェイカーのイラストが描いてあります。でもそれだけじゃないんです。なんとライナーノーツには2ページにわたりカクテルのレシピ(6種類)がbar。コレ読んでカクテル作るヤツがいるとでも思ってんのかね~。英国人はわからん…coldsweats01


【データ】
『 BLUE BACHARACH  a cooler shaker 』
V.A.

CD:1997年9月1日リリース
レーベル:BLUE NOTE / EMI Records (UK)
番号:7243 8 57749 2 8

Compilation and sleevenotes: Tony Harlow, Dean Rudland

The copyright in those sound recordings is owned by Capitol Records Inc.
Ⓟ 1997 The copyright in this compilation is owned by EMI Records Ltd.
Ⓒ 1997 EMI Records Ltd.

2017年9月24日 (日)

メロウ・バカラック/V.A. (1997年)

WEA(現ワーナー・ミュージック・グループ)の音源から選曲された日本編集のバカラック物コンピ集。2部作のうちの<メロウ編>です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. THE APRIL FOOLS  ~ Aretha Franklin ~  F
2. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ The Sweet Inspirations ~  F
3. THE LOOK OF LOVE  ~ Vanilla Fudge ~  F
4. ONE LESS BELL TO ANSWER  ~ Dionne Warwick ~  F
5. BABY IT'S YOU  ~ Stacy Lattisaw & Johnny Gill ~  FM
6. MEXICAN DIVORCE  ~ Nicolette Larson ~  F
7. PLEASE STAY  ~ The Drifters ~  M
8. THEY DON'T GIVE MEDALS (TO YESTERDAY'S HEROES)  ~ Ben E. King ~  M
9. MY LITTLE RED BOOK  ~ Love ~  M
10. PLEASE STAY  ~ Elvis Costello ~  M
11. ANY DAY NOW  ~ Percy Sledge ~  M
12. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU  ~ Aretha Franklin ~  F
13. THE LOOK OF LOVE  ~ Morgana King ~  F
14. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ Liberace ~
15. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF  ~ Linda Ronstadt ~  F
16. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)  ~ Christopher Cross ~  M
17. HASBROOK HEIGHTS  ~ Dionne Warwick ~  F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約57分


WEA(現ワーナー・ミュージック・グループ)の音源から選曲された日本編集のバカラック物コンピ集。1997年5月25日にWEA Japanより同時リリースされた2部作のうちの<メロウ編>です。

ワーナー・ブラザース、そのサブレーベルのリプリーズ、エレクトラ、アトランティック、そのサブレーベルのアトコ及びコティリオンの音源から17トラックをコンパイル。

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前回ご紹介した<スウィート編>と較べて、①1960年代~1990年代までと年代が幅広い、②シングル及びチャートインした曲が多い…といった傾向があります。<メロウ編>の方が若干一般受け狙いでしょうか。

冒頭、いきなりアレサ姐さんのT-1. 「 エイプリル・フール 」。原曲のロマンティックなイメージを突き破ったアップ・テンポでグルーヴィなアレンジとメロディを崩してダイナミックに歌うアレサはインパクト大。ゆったりしたT-12. 「 ディス・ガール 」 とは対照的です。よろしかったら 『 アトランティック・バカラック・コレクション 』 もご覧ください。

オリジナル・バージョンは、全米1位になったクリストファー・クロスのT-16. 「 ニューヨーク・シティ・セレナーデ 」 とドリフターズのT-7. 「 プリーズ・ステイ 」 の2曲のみ。どちらもその曲の代表的バージョンですし他のコンピ集でも沢山取り上げられてます。

ディオンヌの2曲は<スウィート編>での2曲と同じくセプターからワーナーに移籍して初めて出したアルバム 『 DIONNE 』 の収録曲。本コンピ集リリース時点(1997年)では世界初CD化でしたが、その後 『 DIONNE 』 もCDリイシューされました。ボブ・ジェームスのアレンジによるクールな雰囲気は独特のものです。

個人的なレコメンドは3曲。

T-8. 「 悲しきイエスタデイ・ヒーロー 」 はTVミュージカル 『 オン・ザ・フリップ・サイド 』 の挿入歌。あまりカヴァーされないレアな曲ですが、本コンピ集のベン・E・キング版はR&Bの味付けがされたアレンジに太く張りのある歌声がマッチした好カヴァー。エルヴィス・コステロのT-9. 「 プリーズ・ステイ 」 は、オリジナルのドリフターズ版(♩≒112)よりかなりテンポを落とした(♩≒72~74)ブルース調のアレンジに抑揚を抑えたコステロの歌唱が見事。愛する女性に “ 行かないで、ここにいて ” “ どうしたら行かないでくれるのか ” と訊く…そんな歌詞に寄り添ってるようにと感じました。ヴァニラ・ファッジのT-3. 「 恋のおもかげ 」 もオルガンの使い方が独特(ライナーノーツの表現を借りるとサイケデリックなアレンジ)で、妖しげでハスキーな女性ヴォーカルも曲のイメージに合ってます。

それにしても、<スウィート編>と<メロウ編>のネーミングはどこから来たのか…。明確な線引きは感じられないし、メロウだろ?と言われてもピンときませんcoldsweats01。両方に登場するアーティストも多いですし、いっそ2枚組にした方がライナーの重複もなくなって合理的だと思うんですけどねー。ま、どうでもいいや(笑)。


【データ】
『 メロウ・バカラック 』 (英題:Mellow Bacharach Heaven)
V.A.

CD:1997年5月25日リリース、ライナーは佐野光彦氏(超詳しい解説です)、英語詞付き
レーベル:WEA Japan/Warner Music Japan (JP)
番号:WPCR-1202

Conceived and Compiled by Yoshi Nagato 長門芳郎 (Believe In Magic Inc.)
Thanks to Michael Rajna (Warner special products), Tom Ardolino (NRBQ) and Bill DeMain (Swan Dive)

Manufactured by WEA Japan, A Warner Music Group Company.
Distributed by Warner Music Japan Inc.
Ⓟ1997 WEA International Inc.

2017年9月20日 (水)

スウィート・バカラック/V.A. (1997年)

WEA(現ワーナー・ミュージック・グループ)の音源から選曲された日本編集のバカラック物コンピ集。2部作のうちの<スウィート編>です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. MEXICAN DIVORCE  ~ The Drifters ~  M
2. AND THIS IS MINE  ~ Connie Stevens ~  F
3. TRAINS AND BOATS AND PLANES  ~ The Everly Brothers ~  M
4. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF  ~ Jill Jackson ~  F
5. MADE IN PARIS  ~ Trini Lopez ~  M
6. WHAT'S NEW PUSSYCAT?  ~ Bobby Darin ~  M
7. THE LOOK OF LOVE  ~ Carmen Mcrae ~  F
8. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ Ella Fitzgerald ~  F
9. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ Buddy Greco ~  M
10. I JUST HAVE TO BREATHE  ~ Dionne Warwick ~  F
11. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ Aretha Franklin ~  F
12. ALFIE  ~ The Sweet Inspirations ~  F
13. WALK ON BY  ~ Morgana King ~  F
14. PROMISE HER ANYTHING  ~ Marty Paich ~
15. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ Tiny Tim ~  M
16. ME, JAPANESE BOY I LOVE YOU  ~ Harpers Bizarre ~  M
17. MEXICAN DIVORCE  ~ Ry Cooder ~  M
18. ANYONE WHO HAD A HEART  ~ Linda Ronstadt ~  F
19. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ Dionne Warwick ~  F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約57分


WEA(現ワーナー・ミュージック・グループ)の音源から選曲された日本編集のバカラック物コンピ集。1997年5月25日にWEA Japanより同時リリースされた2部作のうちの<スウィート編>です。

WEA(Warner Bros.、Elektra、Atlanticの頭文字)の名の通り、ワーナー・ブラザース、そのサブレーベルのリプリーズ、エレクトラ、アトランティックの1960年代後半の音源を中心に19トラックがコンパイルされています。

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アレサ・フランクリンのT-11. 「 小さな願い 」 をはじめ、4トラックは前年(1996年)リリースのコンピ集 『 アトランティック・バカラック・コレクション 』 と重複。微妙な曲数だな~^^;。

オリジナル・バージョンの曲は4トラック。ドリフターズのT-1. 「 メキシコでさようなら(恋するメキシカン) 」 はバック・コーラスに参加してたディオンヌ・ワーウィックとバカラックが初めて出会った曲として有名。そのディオンヌのT-10. 「 アイ・ジャスト・ハフ・トゥ・ブリーズ 」 はセプターからワーナーに移籍して初めて出したアルバム 『 DIONNE 』 の収録曲。個人的には好きな曲です。

オリジナル・バージョンの残り2曲は、少なくとも私は他にカヴァーを聴いたことがない超レア曲。コニー・スティーブンスのT-2. 「 アンド・ディス・イズ・マイン 」 は 『 Burt Bacharach MASTERPIECE Vol.2 』 で触れてますのでそちらを参照いただくとして、トリニ・ロペスのT-5. 「 メイド・イン・パリ 」 に注目。元気で陽気なズンチャチャ・リズムのこの曲、AメロはそうでもないもののBメロからサビにかけてのメロディ展開&コード進行だったり小節数が不規則な点などバカラック節が満載! 誰もカヴァーしないのが不思議です。パンチがある歌いっぷりのトム・ジョーンズあたりこの曲にピッタリだと思うのですが…。比較的コンピ集に取り上げられる曲ですが本コンピ集のレコメンドとしておきます。

あとの15トラックはカヴァー・バージョン。カントリー系大物アーティストの2曲、ライクーダーのT-17. 「 メキシコでさようなら(恋するメキシカン) 」 とリンダ・ロンシュタットのT-18. 「 恋するハート 」 での揺るがない存在感はさすがと思います。ソフトロック伝説のグループ、ハーパース・ビザールのT-16. 「 ミー・ジャパニーズ・ボーイ 」 も重要な1曲。以上3曲は他のバカラック物コンピ集で殆ど取り上げられてないようですので、これらもレコメンドですね。

レコメンドという訳ではないけれど印象に残ったカヴァーが2曲。
Img_0 ジル・ジャクソンのT-4. 「 恋のとまどい 」 はダスティ・スプリングフィールド版のカヴァー(キーも一緒)。ダスティの武骨な歌唱に対して当時22歳のジルはちょっと甘えたような歌い方で、映画 『 ベスト・フレンズ・ウェディング 』 のキャメロン・ディアスを連想しちゃいました。キャメロンみたいに音痴じゃないですけど(笑)。
ネットで日本盤シングルの画像をみつけましたので載せておきます。ジルは黒髪なんですね。金髪のキャメロンとはイメージ違うなー、残念^^;。それにしても、「 どうしたらいいのかしら 」 とはなかなかいい邦題だなと。男性シンガーの場合は使えないでしょうがcoldsweats01

もう1曲はタイニー・ティムのT-15. 「 世界は愛を求めてる 」。全編ヴィブラートで歌うその歌声はいささか気色悪いです。曲後半のクライマックスでは高音をヴィブラートでファルセット。どうやらそれが彼の特徴だったようでインパクト大ではあります。決してオススメはしませんが^^;。


【データ】
『 スウィート・バカラック 』 (英題:Sweet Bacharach Heaven)
V.A.

CD:1997年5月25日リリース、ライナーは長門芳郎氏(超詳しい解説です)、英語詞付き
レーベル:WEA Japan/Warner Music Japan (JP)
番号:WPCR-1201

Conceived and Compiled by Yoshi Nagato 長門芳郎 (Believe In Magic Inc.)
Thanks to Michael Rajna (Warner special products), Tom Ardolino (NRBQ) and Bill DeMain (Swan Dive)

Manufactured by WEA Japan, A Warner Music Group Company.
Distributed by Warner Music Japan Inc.
Ⓟ1997 WEA International Inc.

2017年9月17日 (日)

ウィップ! ヒップ・バカラック ~バート・バカラック・カヴァー・コレクション<ヒップ編>/V.A. (1997年)

MCAレコードのカタログから選曲された日本編集のバカラック物コンピ集。2部作のうちの<ヒップ編>です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. WIVES AND LOVERS  ~ Christopher Scott ~
2. THE LOOK OF LOVE  ~ Ahmad Jamal ~
3. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ Ray Bryant ~
4. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF  ~ The Dells ~  M
5. BABY IT'S YOU  ~ Smith ~  F
6. DON'T GO BREAKING MY HEART  ~ Bossa Rio ~  FM
7. MESSAGE TO MICHAEL  ~ Ramsey Lewis ~
8. NIKKI  ~ Vincent Bell ~
9. THE LOOK OF LOVE  ~ Bill Plummer ~
10. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ Woody Herman ~
11. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  ~ Ramsey Lewis ~
12. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU  ~ The Unifics ~  M
13. TRAINS AND BOATS AND PLANES  ~ The Dells ~  M
14. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ Shirley Scott ~
15. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ Gabor Szabo ~
16. ALFIE  ~ The Soulful Strings ~
17. TRIBUTE TO BURT BACHARACH AND HAL DAVID  ~ The New Direction ~  FM
  (1) I SAY A LITTLE PRAYER
  (2) WALK ON BY
  (3) (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
  (4) YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
  (5) WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
  (6) THE WINDOWS OF THE WORLD
  (7) TRAINS AND BOATS AND PLANES
  (8) DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
  (9) ALFIE


※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約65分


MCAレコードのカタログから選曲された日本編集のバカラック物コンピ集。1997年5月21日にMCAビクターより同時リリースされた2部作のうちの<ヒップ編>です。

─ 同時発売の 『 バカラック・カヴァー・コレクション<ポップ編> 』 (長門芳郎氏監修)で歴史的、資料的に重要な作品が紹介されているので、こちらはワクに捕われず好き勝手に選曲させてもらえることが出来、CREPAXのジャケットも本人の御好意によりすんなりOKが出て幸いでした。 ─ (ライナーノーツより ~ 監修&選曲:坂口修氏のコメント)

ABC、ABC/ダンヒル、ブルー・サム、カデット、デッカ、インパルス、キャップ、ネプチューンの1960年代後半の音源を中心に17トラックがコンパイルされているのですが、①オリジナル物が一切ない、②殆どがアルバムのみの曲、③インスト物しかもソウル/ファンキーなジャズ系が多い… ってなセレクション。確かに好き勝手に選んだ感がありありです。

CREPAXとはイタリア人漫画家グイド・クレパックス氏(Guido Crepax: 1933年-2003年)のこと。ネットで彼の作品をチラ見しましたが、独特のタッチで大人のエロさがムンムン。“ WHIP ” とは、辞書によれば (…を)むち打つ・(子供などを)折檻(せっかん)する という意味。 flair だからジャケットがむち打つボンデージのお姉サマなんだっ! CD購入して20年、初めて知りましたcoldsweats01

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他のコンピ集で見かけないアーティストが多いわりにライナーノーツに個々のアーティストの説明がありません。ですから、今回はライナーノーツ風に書くことにしました。ついでに収録元アルバムのジャケット(シングルがあればそれも)を載せちゃいましょう。

T-1. 「 素晴らしき恋人たち 」/クリストファー・スコット
謎の人物、クリストファー・スコットによるカヴァーで、1969年リリースのバカラック・カヴァー集 『 Switched-On Bacharach 』 に収録。モーグ・シンセサイザーのピコピコ音に脱力します。
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T-2. 「 恋のおもかげ 」/アーマッド・ジャマル
アーマッド・ジャマル(1930年-)は米国の男性ジャズ・ピアニスト。ピアノ・トリオ編成ですが、ジャズ・ファンクのリズムでテンポも速く(♩≒152)とってもハードな演奏です。1曲目で脱力させておいて2曲目で鞭打つ本コンピ集の作戦だったりしてhappy02。1968年リリースの 『 Tranquility 』 に入ってます。
ここからはオマケ。このアルバムではもう1曲バカラックの 「 小さな願い 」 (2:27) を取り上げていて、私はMP3でその音源を所有しています。「 恋のおもかげ 」 と違いこちらは薄口のスウィング。でもサビの部分はちょっとハード且つ少しファンキーでカッコイイ。個人的には好きなバージョンです。
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T-3. 「 小さな願い 」/レイ・ブライアント
レイ・ブライアント(1931年-2011年)も米国の男性ジャズ・ピアニスト。ピアノ・トリオ編成で、スタイルとしてはソウル・ジャズ系。ノリの良い演奏です。それでいてこの曲の特徴である変拍子はキチッと押さえていて流石です。1968年リリースの 『 Up Above The Rock 』 に収録。
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T-4. 「 恋のとまどい 」/ザ・デルズ
ザ・デルズはシカゴの男性ソウル・グループ。1972年リリースのディオンヌ・ワーウィック・ヒット集 『 The Dells sing Dionne Warwicke's greatest hits 』 に収録。7分近い長い曲ですが、とってもファンキーな仕上がりです。プロデューサー兼アレンジャーの Charles Stepney(チャールズ・ステップニー)がホントいい仕事してます。
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T-5. 「 ベイビー・イッツ・ユー 」/スミス
スミスは米国の5人組ロック・バンド。リード・ヴォーカルのみ女性です。結成は1969年で、2年後の1971年には早くも解散。でも、このカヴァーはシングル・リリースされて全米5位を記録します。実は 『 バカラック・カヴァー・コレクション<ポップ編> 』 にも入ってました。重複させるくらいなら他の曲を入れて欲しいっす。1969年リリースの 『 A Group Called Smith 』 に収録。
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T-6. 「 ドント・ゴー・ブレイキング・マイ・ハート(私を悲しませないで) 」/ボサ・リオ
ボサ・リオは、セルジオ・メンデスがプロデュースしたブラジル'66の弟分的バンド。曲の印象としてはロジャニコ版をもう少し明るく、もう少しアップテンポに、もう少しボサノヴァのフレーバーをまぶした感じでしょうか。セルメンと同じA&Mに所属していましたが、1970年にブルー・サムに移籍。同年リリースした 『 Alegria! 』 に収録。
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T-7. 「 マイケルへのメッセージ 」/ラムゼイ・ルイス
ラムゼイ・ルイス(1935年-)は米国の男性ジャズ・ピアニスト。この曲はピアノ・トリオにホーンやフルートが加わった編成で、ソウル・ジャズ系のサウンド。1966年リリースの 『 Wade In The Water 』 に収録されています。ちなみにドラムスはのちにEW&Fを結成するモーリス・ホワイト。この頃~1970年までモールリス・ホワイトはラムゼイ・ルイス・トリオのドラマーをやっていたんですねー。そんな縁もあってか1970年代以降のラムゼイ・ルイスはフュージョン、ソウル/R&B、イージー・リスニングなどジャズに留まらない幅広いジャンルで活躍しています。
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T-8. 「 ニッキ 」/ヴィンセント・ベル
ヴィンセント・ベル(1935年-、別名Vinnie Bell)は米国のセッション・ギタリスト。Wikiによれば、ポップ音楽における電子的エフェクトの先駆者だそう。「 ニッキ 」 はバカラック自身がオリジナル・アーティストで1966年にシングルをリリース。のちにバカラックは1971年のアルバム 『 BURT BACHARACH 』 でリメイクしていますが、ヴィンセント・ベルはその前年(1970年)にカヴァー。このヴィンセント・ベル版はABCテレビの映画番組のテーマソングに選ばれたそうで、シングルもリリースされました(チャートは圏外)。構成やアレンジは基本的にバカラック版のコピー。いろんな楽器がメロディをつないでいくのですが、キーボードやギターがメロディを弾く際に音が震えるような効果を付加しています。1970年リリースのアルバム 『 Airport Love Theme 』 に収録。
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T-9. 「 恋のおもかげ 」/ビル・パーマー
ビル・パーマー(1938年-)は米国のベーシスト&シタール奏者。いきなりシタールびんびんで始まるイントロにまず面喰います。ハープシコードやタブラを始めとした多彩な打楽器などが彩る演奏はサイケデリックな趣き。1968年リリースの 『 Bill Plummer And The Cosmic Brotherhood 』 に収録。ジャケット裏面では彼がシタールを弾いてます。
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T-10. 「 小さな願い 」/ウッディー・ハーマン
ウッディー・ハーマン(1913年-1983年)は米国のジャズ・クラリネット&サックス奏者。と同時にビッグ・バンドのバンド・リーダーでもありました。ラテンのリズムでイントロからノリの良い金管がバリバリ吹きまくります。中間部のサックスのアドリヴはウッディー・ハーマンでしょうか。踊りたくなる 「 小さな願い 」 です。1969年リリースの 『 Light My Fire 』 に収録。なお、このアルバムは1969年にグラミー賞の Best Jazz Performance - Large Group (Instrumental) にノミネートされました。(受賞は逃す)
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T-11. 「 サン・ホセへの道 」/ラムゼイ・ルイス
ラムゼイ・ルイスが再び登場。ピアノ・トリオにストリングスや女性コーラスまで加わった陽気な演奏。2コーラス目で聴けるピアノのアドリヴはファンキー色の濃いものです。1968年リリースの 『 Maiden Voyage 』 に収録。尚、このアルバムもドラムスはモーリス・ホワイトが叩いています。
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T-12. 「 ディス・ガイ 」/ザ・ユニフィックス
ザ・ユニフィックスは米国ワシントンD.C.で結成された男性4人組ソウル・グループ。ビッグ・バンドにストリングスやホルンまで加わった演奏はとてもゴージャス。コーラス・ワークはちょっと不安定なところがありますが、若々しい感じ。彼ら唯一のアルバム、1968年リリースの 『 Sittin' In At The Court Of Love 』 に収録。
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T-13. 「 汽車と船と飛行機と 」/ザ・デルズ
ザ・デルズも再び登場。T-4. 「 恋のとまどい 」 ほどファンキーではありませんが、程よくソウルっぽいアレンジ。T-4. と同じく1972年リリースの 『 The Dells sing Dionne Warwicke's greatest hits 』 に収録。

T-14. 「 世界は愛を求めてる 」/シャーリー・スコット
シャーリー・スコット(1934年-2002年)は米国の女性ジャズ・オルガニスト。オルガン(たぶんハモンドでしょう)、ベース、ドラムスによるトリオ。ベースはあのロン・カーターです。彼女のオルガン、特にアドリヴはソウルっぽさムンムンでいい感じ。1966年リリースの 『 On A Clear Day 』 に収録。
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T-15. 「 遥かなる影 」/ガボール・ザボ
ガボール・ザボ(1936年-1982年)はハンガリーの男性ジャズ・ギタリスト。ブダペスト生まれで、20歳のときにハンガリー動乱が起きて米国に渡ったそう。彼のギター、ベース、ドラムスにコンガ、ヴィブラフォン、キーボード、ストリングスが加わった編成で、全編ギターがリードを取っています。イージーリスニング然とした仕立てで、ソウルやファンキー色の強い本コンピ集ではあまり目立ちません^^;。1970年リリースの 『 Magical Connection 』 に収録。シングルもリリースされたみたいです。
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T-16. 「 アルフィー 」/ザ・ソウルフル・ストリングス
ザ・ソウルフル・ストリングスはシカゴ・ソウルのアレンジャー、Richard Evans(リチャード・エヴァンス)によるプロジェクト。カデット・レコードのミュージシャンを集めて1966年~1970年の間に計7枚のアルバムをリリースしています。ストリングス&ヴィブラフォン、サックス、ギター等による演奏は、基本イージーリスニング。本コンピ集の中ではちょっと退屈で眠くなりますが、クレジットに Organ, Vibraphone - Charles Stepney と書いてあって目が覚めました(笑)。1967年リリースの 『 Groovin' With The Soulful Strings 』 に収録。
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T-17. 「 トリビュート・トゥ・バート・バカラック・アンド・ハル・デイヴィッド 」/ザ・ニュー・ダイレクション
ザ・ニュー・ダイレクションについては詳しいこと全く判りません。1970年リリースの 『 The New Direction 』 に収録されているのですが、ジャケットを見る限り4人組(一人は女性)のグループなんでしょうねー。約8分間、9曲のメドレー。楽器はピアノ、ベース、ドラムスだけ。基本は女性が歌い、所々で男性が加わりデュエットします。本コンピ集の坂口修さんはこの曲をオマケと書いてらっしゃいますが、なかなかどうして聴き応えがあります。 (3). 「 愛の思い出(恋のウェイト・リフティング) 」 での輪唱?や、女性の熱唱とクラシカルなピアノが融合したこのメドレーで一番の大作 (9). 「 アルフィー 」 は特に好き勝手やってる感がスゴいです。
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拙い解説にお付き合いいただきありがとうございましたm(__)m。


【データ】
『 ウィップ! ヒップ・バカラック ~バート・バカラック・カヴァー・コレクション<ヒップ編> 』
V.A.

CD:1997年5月21日リリース、ライナーは坂口修氏
レーベル:MCAビクター (JP)
番号:MVCE-22004

Ⓒ1997 & Ⓟ1997,1971,1970,1969,1968,1967,1966 MCA Records, Inc.
This Compilation Ⓒ1997 MCA Victor, Inc.

Supervised and compiled by SAKAGUCHI, osamu 坂口修 (ASH&D)
Thanks: HOUGADOH, HIRI TANAKA, HITOSHI OKAMOTO and Mr. BURT BACHARACH
Manufactured and Distributed by MCA Victor, Inc., Japan

2017年9月10日 (日)

バート・バカラック・ソングブック ~バート・バカラック・カヴァー・コレクション<ポップ編>/V.A. (1997年)

MCAレコードのカタログから選曲された日本編集のバカラック物コンピ集。2部作のうちの<ポップ編>です。

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1. WIVES AND LOVERS  ~ Jack Jones ~  M
2. SATURDAY SUNSHINE  ~ Burt Bacharach ~  FM
3. WISHIN' AND HOPIN'  ~ Brenda Lee ~  F
4. FORGIVE ME  ~ Babs Tino ~  F
5. I CRY MORE  ~ Alan Dale ~  M
6. WITH OPEN ARMS  ~ Jane Morgan ~  F
7. THE LOOK OF LOVE  ~ Billy Vaughn ~
8. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ Ruby & The Romantics ~  F
9. THIS G'S IN LOVE WITH YOU  ~ Brenda Lee ~  F
10. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ Tommy Roe ~  M
11. KEEP AWAY FROM OTHER GIRLS  ~ Babs Tino ~  F
12. WHO'S BEEN SLEEPING IN MY BED  ~ Linda Scott ~  F
13. LOVING IS A WAY OF LIVING  ~ Steve Lawrence ~  M
14. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  ~ Xavier Cugat & His Orchestra ~
15. BABY IT'S YOU  ~ Smith ~  F
16. TO WAIT FOR LOVE  ~ Ray Peterson ~  M
17. I CRY ALONE  ~ Ruby & The Romantics ~  F
18. CALL OFF THE WEDDING  ~ Babs Tino ~  F
19. WALK ON BY  ~ Burt Bacharach ~
20. THE BELL THAT COULDN'T JINGLE  ~ Bobby Helms ~  M
21. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ Roger Williams ~
22. ALFIE  ~ Jack Jones ~  M

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約58分


MCAレコードのカタログから選曲された日本編集のバカラック物コンピ集。1997年5月21日にMCAビクターより同時リリースされた2部作のうちの<ポップ編>です。

1997年当時にMCAレコードが擁していたABC、ABC/ダンヒル、ABCパラマウント、コングレス、コーラル、デッカ、ドット、キャップ、ユニの音源から22曲を収録。キャップは、バカラックが初めてシングルT-2. 「 サタデイ・サンシャイン 」 を出し、更には初めてアルバムをリリースしたレーベル。実はそのファースト・アルバムや TVミュージカルのオリジナル・キャスト・アルバム 『 ON THE FLIP SIDE 』 も同じ日にCDリイシューされました。

Photo

こうして曲目リスト(クリックすると大きくなります)を眺めてみて意外に思ったのが、オリジナル・アーティストとなる曲が7曲もあったこと(前述のT-2. 「 サタデイ・サンシャイン 」 を除いて)。年代でいうと1956年~1963年。職業作曲家としていろんな仕事をしていた頃ですね。ジャック・ジョーンズのT-1. 「 素晴らしき恋人たち 」 以外はあまり知られていないレアな曲達です。

バブス・ティーノのT-4. 「 フォーギヴ・ミー 」 のカヴァーは一例しか知りませんし、アラン・デイルのT-5. 「 アイ・クライ・モア 」 も同様です。ジェーン・モーガンのT-6. 「 ウィズ・オープン・アームズ 」 、リンダ・スコットのT-12. 「 ベッドで泣いて 」 、スティーヴ・ローレンスのT-13. 「 ラヴィング・イズ・ア・ウェイ・オブ・リヴィング 」 、バブス・ティーノのT-18. 「 コール・オフ・ザ・ウェディング 」 の4曲はカヴァーを聴いたことがありません(私は…です)。ちなみに、「 ウィズ・オープン・アームズ 」 はバカラック&デイヴィッドにとって初の女性シンガー全米Top 40ヒットなんですって。

T-12. 「 ベッドで泣いて 」 は一聴すると単なる可愛らしい小品といった感じですが、さりげない転調と8小節単位に収まらないメロディの構成が特徴的で個人的に好きな曲。誰かカヴァーしてくれませんかねぇ。

T-13. 「 ラヴィング・イズ・ア・ウェイ・オブ・リヴィング 」 とT-18. 「 コール・オフ・ザ・ウェディング 」 については 『 Burt Bacharach MASTERPIECE Vol.2 』 の記事で少しコメントしてます。よろしかったら参照ください。

カヴァー曲の中でレコメンドが2曲。ロック・バンド、スミス('80年代の英国バンドではありません、念のため)によるR&Bテイストのロック・バージョンT-15. 「 ベイビー・イッツ・ユー 」 はオリジナリティがあるし何よりカッコイイです。

レコメンドのもう1曲は、数少ないバカラックのクリスマス・ソングのひとつT-20. 「 ザ・ベル・ザット・クドゥント・ジングル 」 。オリジナル・シンガーはPaul Evans です。ハーブ・アルパートとティファナ・ブラスのカヴァーヨンジンのカヴァーはどちらも素敵ですが、この曲のカヴァーは他にあまりCD化されてないようで…。歌ってるボビー・ヘルムスはカントリー系シンガー。メロディを少し変えて歌ったり気に入らないところもあるのですが、まぁ細かいことには目をつぶってとにかくこうしてCD化してくれて感謝です。

アルバム全体としては軽快でポップな感じ。肩肘張らず聴けるコンピ集です。

※紹介記事リンク&記事修正 ~ 2017/12/24



【データ】
『 バート・バカラック・ソングブック ~バート・バカラック・カヴァー・コレクション<ポップ編> 』
V.A.

CD:1997年5月21日リリース、ライナーは長門芳郎氏、英語詞付き
レーベル:MCAビクター (JP)
番号:MVCE-22003

Ⓒ1997 & Ⓟ1997,1970,1969,1968,1966,1965,1964,1963,1962,1959,1957,1956 MCA Records, Inc.
This Compilation Ⓒ1997 MCA Victor, Inc.

Conceived and compiled by Yoshi Nagato 長門芳郎 (BELIEVE IN MAGIC INC.)
LINER NOTES:Tom Ardolino (NRBQ) and Yoshi Nagato

Thanks to Jun Iwasaki 岩崎淳 (FUJIPACIFIC MUSIC INC.), Osamu Sakaguchi 坂口修 (ASH&D), Tom Ardolino (NRBQ), Terry Adams (NRBQ) and Bill DeMain (SWAN DIVE)

Manufactured and Distributed by MCA Victor, Inc., Japan

2017年9月 6日 (水)

ANOTHER TIME/Bill Evans (2017年)

2017年にリリースされた、ビル・エヴァンス'68年モントルー・トリオの未発表ライヴ音源です。バカラック作品 「 アルフィー 」 を収録!

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全9トラック中、バカラック作品は1トラック

4. ALFIE  (5:29)


Img410obi_3Img413ff_4 2017年にリリースされた、ビル・エヴァンス'68年モントルー・トリオの未発表ライヴ音源です。

トリオのメンバーは、ビル・エヴァンス(ピアノ)、エディ・ゴメス(ベース)、ジャック・ディジョネット(ドラムス)。

このトリオの記録は、1968年6月15日に行われたモントルー・ジャズ・フェスティバルのライヴ録音盤 『 BILL EVANS At The Montreux Jazz Festival (モントルー・ジャズ・フェスティバルのビル・エヴァンス) 』 のみとされてきました。なので、このメンバーのことを前述のとおり “ モントルー・トリオ ” と呼ぶんだとか。ちなみに、演奏している写真はその時のものです。

ところが最近、モントルー・トリオの未発表音源が立て続けに発掘されまして。モントルーのライヴ録音からわずか5日後(1968年6月20日)にドイツのスタジオで録音された音源が2016年にリリース。その2日後(1968年6月22日)にオランダで収録されたライヴ音源が今年(2017年)リリースされた本アルバムでございます。

先日紹介したコンピ集 『 the magic of Burt Bacharach 』 にビル・エヴァンスの 「 アルフィー 」 (1972年録音) が入ってました。ビル・エヴァンスの 「 アルフィー 」 といえば 『 MONTREUX Ⅱ 』 (1970年録音) が有名ですが、どうも違うバージョンっぽいなぁとあちこち調べてる最中に本アルバムの存在を知りまして。おやっ、「 アルフィー 」 入ってるじゃん! ちょうどCD発売されるってんでAmazonで購入した次第です。

『 the magic of Burt Bacharach 』 と 『 MONTREUX Ⅱ 』 のトリオ・メンバーとはドラムスが違うので、どんな演奏なのかワクワクしながらT-4. 「 アルフィー 」 を再生。あれれ、構成が全く一緒だ! 前半バラード、中盤アドリブでちょっと派手に、後半またバラード、それにエンディングまで!

でも、じっくり聴くと本アルバムの 「 アルフィー 」 は 『 MONTREUX Ⅱ 』 よりも中盤の派手さが控えめです。というか、ジャック・ディジョネットのドラムスがエヴァンスのピアノに寄り添ってる感じ。エディ・ゴメスのベースにも似た印象を受けました。三種類あるエヴァンスの 「 アルフィー 」 の中では本アルバムが一番好きですね。

全体的にとても50年近く前とは思えないくらいクリアな録音で、選曲や演奏についてもネットでの評判は良いようです。「 アルフィー 」 目的でエヴァンスのアルバムを選ぶなら、本アルバムをお勧めします。

※ エヴァンスの 「 アルフィー 」 は、本作のバージョンを含めて九種類の演奏がレコード音源として残っています。詳しくは こちら をどうぞ。(2017/10/15 追記)



【データ】
『 ANOTHER TIME THE HILVERSUM CONCERT 』 (邦題:アナザー・タイム ザ・ヒルフェルスム・コンサート
Bill Evans with Eddie Gomez and Jack DeJohnette

LP/CD:2017年5月5日/8月25日リリース (所有CDは、2017年8月25日リリースの輸入盤日本語ブックレット付き仕様)
レーベル:Resonance Records(US) (所有CDは、King International Inc.)
番号:HCD-2031 (所有CDは、KKJ 1023)

Original recordings produced by Joop de Roo for NRU
  Bill Evans - piano
  Eddie Gomez - bass
  Jack DeJohnette - drums
Recorded at Netherlands Radio Union (NRU) VARA Studio 8 in Hilversum, Netherlands on June 22, 1968

Produced for release by Zev Feldman
Executive Producer: George Klabin

Japanese Booklet
Original Japanese Liner Notes: Kiyoshi Koyama 児山紀芳
Translation: Tamae Terai 寺井珠重 (Jazz Club OverSeas)
翻訳の寺井さん、クレジットにはローマ字しか載ってなかったのでネットで調べました。“ 珠重 ” さんの珠は真珠のこと=転じて美しいものの譬え。なので、美しいものが重なる意味になりますでしょうか。素敵なお名前ですねー。日本向けなら人名くらいはちゃんと日本語表記して欲しいです。

↓Amazon は普通の輸入盤をリンクしておきます。試聴できるので。

2017年9月 3日 (日)

アルフィー / バート・バカラック・ソングブック/V.A. (1997年)

1997年にテイチクからリリースされた日本編集のバカラック物コンピ集です。

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1. ALFIE  ~ Dionne Warwick ~  F
2. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ B. J. Thomas ~  M
3. BABY IT'S YOU  ~ The Shirelles ~  F
4. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)  ~ Twice As Much ~  M
5. WIVES AND LOVERS  ~ Dionne Warwick ~  F
6. ANY DAY NOW  ~ The Drifters ~  M
7. THIS G'S IN LOVE WITH YOU  ~ B. J. Thomas ~  M
8. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ Helen Shapiro ~  F
9. THE LOOK OF LOVE  ~ Dionne Warwick ~  F
10. MAKE IT EASY ON YOURSELF  ~ The Three Degrees ~  F
11. THE BREAKING POINT  ~ Chuck Jackson ~  M
12. EVERYBODY'S OUT OF TOWN  ~ B. J. Thomas ~  M
13. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ Dionne Warwick ~  F
14. KEEP AWAY FROM OTHER GIRLS  ~ Helen Shapiro ~  F
15. PLEASE STAY  ~ The Drifters ~  M
16. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ Dionne Warwick ~  F
17. WALK ON BY  ~ Janet Lee Davis ~  F
18. LONG AGO TOMORROW  ~ B. J. Thomas ~  M
19. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF  ~ Helen Shapiro ~  F
20. THE APRIL FOOLS  ~ Dionne Warwick ~  F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約62分


1997年にテイチクからリリースされた日本編集のバカラック物コンピ集です。テイチクの洋楽部門レーベル OVERSEAS RECORDS のマークがCDケース裏の左下に見えます。セプターは日本ではテイチクが扱っていたんですね。そのセプターを中心としたコンピレーションとなっています。

前々回ご紹介したコンピ集 『 ~Alfie~ バート・バカラック・ラヴ・ソングブック 』 の6日後にリリース。タイトルが似てるし、キレイなお姉サマのジャケ写もモロかぶってます。しかもライナー執筆者まで同じ! 前々回、タイトルに “ Alfie ” を入れたのはTVドラマ 『 協奏曲 』 の影響だろうと書きましたが、本アルバムのライナーに以下のような記述が…。

─  今、大手のCDショップへ行くとバート・バカラックのコーナーが軒並み作られている。各社競って再発をしているからだ。その原因のひとつはドラマ 『 協奏曲 』 でバカラック・ナンバーがふんだんに使われ、テーマ・ソングになったヴァネッサ・ウィリアムスの 「 Alfie 」 が日本で大ヒットしたことにある。 ─


やっぱりヴァネッサの 「 Alfie 」 に便乗して売ろうという魂胆だったんだcoldsweats01

Photo

セプターでバカラックといえばディオンヌ・ワーウィックにB.J. トーマス。全20曲のうち半数がこの二人の曲です。

ディオンンヌは6曲入ってますが、T-20. 「 エイプリル・フール 」 以外の5曲はカヴァー。う~ん、ちょっと芯を外してる感じ。「 ウォーク・オン・バイ 」、「 小さな願い 」、「 サン・ホセへの道 」、「 恋よ、さようなら 」 などディオンヌがオリジナルの王道ヒット曲を入れなかったのは何故なんでしょう? ま、取り上げたディオンヌの曲はいずれも定番曲だし流石のクォリティでその点不満はないのですが。

B.J. トーマスは4曲。T-1. 「 雨にぬれても 」 はモチロン入ってますし、T-12. 「 アウト・オブ・タウン 」 、T-18. 「 ロング・アゴー・トゥモロー 」 の2曲が入ってるのが嬉しいですね。この2曲はいずれもバカラックの書下ろし曲。海外のバカラック物コンピ集には時々入ってますが、日本編集盤に入ってるのは珍しいと思います。この2曲は私的レコメンドですっ!

一方、レアなものもありまして。

ヘレン・シャピロは英国の女性シンガー。ライナーによれば3曲とも1991年録音版らしいのですが、バカラック書下ろしのT-14. 「 浮気はダメよ(キープ・アウェイ・フロム・アザー・ガールズ) 」 は明らかに1962年版。ライナーの誤記ですねー。T-8. 「 小さな願い 」 とT-19. 「 恋のとまどい(心乱れて) 」 は確かに'80年代後半っぽいアレンジ。レアなカヴァーだとは思いますが、ちょっと安易でチープな印象。Discogsで調べたら1990年リリースのベスト盤に収録されていましたのでリストには1990年リリースと記入しました。

ちなみに、スリー・ディグリーズのT-10. 「 涙でさようなら 」 も同時期の1989年版で他のコンピ盤には入ってないレアなカヴァーです。ヘレン・シャピロよりはアレンジに工夫がみられますし、気持ちの入った歌唱もなかなか聴き応えあります。

ドリフターズの2曲はライナーによると'70年代の録音。こちらもレアだとは思うのですが、T-6. 「 エニィ・デイ・ナウ 」 とT-15. 「 プリーズ・ステイ 」 どちらも陳腐なアレンジにチープな演奏にガッカリ (陳腐とチープって発音も意味も近いものがありますね)。リード・ヴォーカルは誰なのかわかりませんが歌もヒドいです。アトランティック時代の 「 プリーズ・ステイ 」 とは月とスッポン。こんなの入れるくらいならディオンヌをもっと入れて欲しかった。

もうひとつ私的なレコメンドは、トワイス・アズ・マッチのT-4. 「 ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・ヘヴン 」 。'60年代後半の数年間だけ活動した男性2人組らしいですが、なかなかユニークなカヴァーです。チェンバロのバロック風味、アコーディオンのケルト風味、それに英国ポップスの雰囲気がうまくバランスしています。


【データ】
『 アルフィー / バート・バカラック・ソングブック 』
(英題:ALFIE:BURT BACHARACH SONGBOOK)
V.A.

CD:1997年1月22日リリース  ライナーノーツは佐藤邦彦氏、歌詞付き
レーベル:OVERSEAS RECORDS (JP) / テイチク・レコード (JP)
番号:TECW-20418

Ⓟ1997
Manufactured & Distributed by TEICHIKU RECORDS CO.,LTD. Japan

2017年8月27日 (日)

introducing.../The Four King Cousins (1969年)

従妹同士のガールズ・グループ、フォー・キング・カズンズが1969年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを2曲収録!

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所有のリイシューCD (紙ジャケット仕様:オリジナルLP盤を再現)

全11トラック中、バカラック作品は2トラック

1. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU (3:17)
3. WALK ON BY (3:01)


Img407obi_2従妹同士のガールズ・グループ、フォー・キング・カズンズが1969年にリリースしたアルバムです。

戦前から米国のジャズ / ミュージック・シーンで活躍していたキング・ファミリー。1965年1月からABCテレビで 『 キング・ファミリー・ショー 』 が始まり、ファミリー内グループのキング・シスターズを中心にその夫や子供たち(=キング・カズンズ)が出演して歌や踊りを繰り広げました。この中から生まれたのがフォー・キング・カズンズで、『 キング・ファミリー・ショー 』 に出演するキング・カズンズの中から選抜された女性4人組でございます。(以上、とっても詳しいライナーより超抜粋してご紹介)

なんやかやあって人気がでてきて彼女たちは初めてのアルバムをリリース。それが本アルバムです。それにしても上から目線で見下されてるような気になりませんか?このジャケット。それもそのはず、結成当時メンバーのうち3人は結婚していたのですが結婚相手はみな有名企業の経営者といったセレブ達だったんですねー。

ワタクシ、前回記事で紹介したバカラック物コンピ集 『 ~Alfie~ バート・バカラック・ラヴ・ソングブック 』 に入ってたフォー・キング・カズンズの 「 ウォーク・オン・バイ 」 を気に入っちゃいまして。収録元のアルバムを調べたところ、もう1曲バカラック・カヴァーがあることが判明。早速アマゾンでポチッとして入手したばかりでございます。

そのT-3. 「 ウォーク・オン・バイ 」 はポップでいてクール。ヤッパリいいですねー。

一方、T-1. 「 ディス・ガール 」 は期待が大きすぎたか今一つでしょうか。AメロとBメロを “ パッパー、パッパー ” と歌うイントロはいいなと思ったのですが…。ちゃんと歌い始めた1コーラス、何故かBメロをポルタメント(=ある音から別の音に移る際に、滑らかに徐々に音程を変えながら移る演奏技法)で歌うんですが、ここだけ浮いちゃってて意図不明。また、アウトロなしで唐突に曲が終わるというユニークなアレンジも、残念ながら不自然なだけで…。彼女達のコーラスもちょっと雑な感じで、全体的に勿体ないなーという印象です。

アルバム収録曲は全部で11曲。古い曲もありますが、聴く人の興味をそそるのはモンキーズやビートルズ、ビーチ・ボーイズ、ロジャー・ニコルズなどの曲。アレンジがイマイチの曲もありますが、ビーチ・ボーイズのT-8. 「 GOD ONLY KNOWS(神のみぞ知る) 」 やロジャ・ニコ書下ろしのT-11. 「 I FELL(アイ・フェル) 」 あたりはアレンジとコーラスどちらも Good Job だと思います。


【データ】
『 introducing... 』
The Four King Cousins

LP:1969年1月1日リリース (所有CDは、2006年3月23日リイシューの日本盤。ライナーは土橋一夫氏、歌詞付き、訳詞付き)
レーベル:Capitol (所有CDは、東芝EMI)
番号:ST-2990 (所有CDは、TOCJ-66316)

Produced, Arranged and Conducted by Lex De Azevedo
Left to right on cover photo, the Four King Cousins are Tina, Cathy, Carolyn and Candy.

2017年8月23日 (水)

~Alfie~ バート・バカラック・ラヴ・ソングブック/V.A. (1997年)

1997年に東芝EMIからリリースされた日本編集のバカラック物コンピ集です。

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1. ALFIE  ~ Cher ~  F
2. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ Jackie DeShannon ~  F
3. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ Bobbie Gentry ~  F
4. WALK ON BY  ~ Four King Cousins ~  F
5. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU  ~ The Lettermen ~  M
6. BABY IT'S YOU  ~ Cilla Black ~  F
7. THIS EMPTY PLACE  ~ Cilla Black ~  F
8. ANY DAY NOW  ~ Peter and Gordon ~  M
9. MESSAGE TO MARTHA  ~ Jay and The Americans ~  M
10. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME  ~ Jay and The Americans ~  M
11. A LIFETIME OF LONELINESS  ~ Jackie DeShannon ~  F
12. MAKE IT EASY ON YOURSELF  ~ Cilla Black ~  F
13. ANYONE WHO HAD A HEART  ~ Cilla Black ~  F
14. TO WAIT FOR LOVE  ~ Jay and The Americans ~  M
15. 24 HOURS FROM TULSA  ~ Jay and The Americans ~  M
16. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)  ~ Cilla Black ~  F
17. TRAINS AND BOATS AND PLANES  ~ Billy J. Kramer and The Dakotas ~  M
18. WINDOWS AND DOORS  ~ Jackie DeShannon ~  F
19. COME AND GET ME  ~ Jackie DeShannon ~  F
20. ALFIE  ~ Cilla Black ~  F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約59分


1997年1月に東芝EMIからリリースされた日本編集のバカラック物コンピ集です。

今からちょうど20年前の1997年、日本編集のバカラック物コンピ集が怒涛のようにリリースされました。その先陣を切ったアルバムでもあります。タイトルにわざわざ “ Alfie ” を入れたのは、1996年10~12月期のTVドラマ 『 協奏曲 』 でヴァネッサ・ウィリアムスが 「 アルフィー 」 を歌ったからでしょう。綺麗なお姉サマのジャケットもイージーリスニング然としていてなんだかなぁ~って感じです…。

Emi

EMIグループは多くのレーベルを抱えていましたが、本コンピ集は米国のキャピトルとその傘下のユナイテッド・アーティスツ及びインペリアル、英国のパーロフォンに所属する(していた)アーティストの作品集となっています。EMIにはブルーノートなどジャズのカタログも豊富にありましたがそれらは封印。20曲全てポップス系の歌物です。選者のこだわりなんでしょうね。尚、EMIは2012年ユニバーサルに買収されちゃいました(ユニバーサルはその後パーロフォンをワーナーへ売却)。

オリジナルは5曲だけで残り15曲はカヴァー。そして、シラ・ブラック(6曲)、ジャッキー・デシャノン(4曲)、ジェイとアメリカンズ(4曲)、この3アーティストだけで14曲。アーティスト的にはかなり偏っています。

まずレコメンドするのは、シラ・ブラックとジャッキー・デシャノン。収録されている各曲についてはそれぞれ過去のアルバム紹介記事で触れています。おヒマでしたらリンク先をご覧ください。
シラ・ブラック → 『 COMPLETELY CILLA:1963-1973 』
ジャッキー・デシャノン → 『 Are You Ready For This? 』

そのシラ・ブラックのT-20. 「 アルフィー 」 とシェールのT-1. 「 アルフィー 」 の対決も聴きどころのひとつでしょう。

─  同名の映画の主題歌である 「 アルフィー 」 は、シェールとシラ・ブラックの競作としてリリース、シェールは'66年8月20日に全米32位、一週遅れでシラ・ブラックが95位にランクされ、アメリカではシェールに軍配が上がった。しかし、スマッシュ・ヒット止まり。逆にイギリスではシェールはノン・チャート、シラ・ブラックは9位とシラのヴァージョンは大ヒットとなり、対照的な成績となっている。 ─ (本コンピ集のライナーから引用) 

映画 『 アルフィー 』 は'66年3月に英国で公開。シラが歌う主題歌はエンディングで流れます。ところが、米公開(同年8月)にあたって映画会社のユナイテッド・アーティスツはインペリアル所属のシェールにレコーディングを依頼し、主題歌をシェール版に差し替えてしまいます。前年の'65年にソニー&シェールで 「 I Got You Babe 」 が全米1位、'66年にはソロでも 「 Bang Bang (My Baby Shot Me Down) 」 が全米2位となったシェールの人気に目を付けたんでしょうね。ですから、ふたりのチャートを比較してもあまり意味はありません。

それより中身です。シラ版は、彼女の求めに応じてわざわざバカラックが渡英しオケも指揮してレコーディング。ストリングス、ハープ、ピアノ、ホルンによるゆったりした演奏にメリハリの利いたシラの歌声が響きます。エンディングの消え入るようなストリングはもう芸術ですね。

対するシェール版は、2本のフルートが奏でるイントロとアコースティック・ギターのバッキングが素敵な1コーラス目のAメロまではなかなかいい雰囲気。でも、そのあとドンチャンしたリズムに替わって賑やかに…。エンディングはまた落ち着いた雰囲気になるのですが、賑やかな中間部は映画のイメージにそぐわないように感じます。

この対決、私はやっぱりシラ版に軍配を上げちゃいますねー。

レコメンドがもうひとつ。アメリカの4人組女性ヴォーカル・グループ、フォー・キング・カズンズのT-4. 「 ウォーク・オン・バイ 」 です。彼女たちのコーラス・ワークも素敵ですが、ポイントはアレンジ。イントロ及び間奏での “ パッパ~、パッパッパッパッ ” のフレーズ、サビでの緊張感あるコード進行、ポップでいてクールな雰囲気に思わず頬っぺたが落ちちゃいました。


【データ】
『 ~Alfie~ バート・バカラック・ラヴ・ソングブック 』
(英題: Alfie and assorted love songs  BURT BACHARACH COLLECTION )
V.A.

CD:1997年1月16日リリース ライナーノーツは佐野邦彦氏、歌詞付き、訳詞付き
レーベル:東芝EMI (JP)
番号:TOCP-50081

Ⓟ&Ⓒ1996
Mfd. by Toshiba-EMI Ltd.

2017年8月20日 (日)

the magic of Burt Bacharach/V.A. (1996年)

英チャーリー・レコードから1996年にリリースされた英国編集のバカラック物コンピ集です。

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1. 24 HOURS FROM TULSA  ~ Gene Pitney ~  M
2. BABY IT'S YOU  ~ The Shirelles ~  F
3. ANY DAY NOW  ~ Chuck Jackson ~  M
4. MAKE IT EASY ON YOURSELF  ~ Jerry Butler ~  M
5. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ B. J. Thomas ~  M
6. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF  ~ Tommy Hunt ~  M
7. I CRY ALONE  ~ Maxine Brown ~  F
8. I WAKE UP CRYING  ~ Gene Chandler ~  M
9. YOU'RE TELLING OUR SECRETS  ~ Dee Clark ~  M
10. (THE MAN WHO SHOT) LIBERTY VALANCE  ~ Gene Pitney ~  M
11. IT'S LOVE THAT REALLY COUNTS (IN THE LONG RUN)  ~ The Shirelles ~  F
12. WISHIN' AND HOPIN'  ~ The Merseybeats ~  M
13. THE BREAKING POINT  ~ Chuck Jackson ~  M
14. PLEASE STAY  ~ The Drifters ~  M
15. ONLY LOVE CAN BREAK A HEART  ~ Timi Yuro ~  F
16. THE ANSWER TO EVERYTHING  ~ Del Shannon ~  M
17. MESSAGE TO MARTHA  ~ Jerry Butler ~  M
18. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF  ~ Big Maybelle ~  M
19. TRAINS AND BOATS AND PLANES  ~ Billy J. Kramer and The Dakotas ~  FM
20. THE LOOK OF LOVE  ~ Buddy Greco ~  M
21. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU  ~ B. J. Thomas ~  M
22. ALFIE  ~ Bill Evans ~

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約62分


英国の再発専門レーベルであるチャーリー・レコードから1996年にリリースされた英国編集のバカラック物コンピ集です。

Charly

'60年代前半に焦点をあて、Scepter レーベル、Scepter 傘下の Wand レーベル、シカゴの Vee-Jay レーベルの音源を主体にコンパイルしたアルバムとなっています。

Scepter はディオンヌ・ワーウィックが所属していたレーベルですが、ディオンヌの曲は本コンピ集には1曲も入っていません。それでも、全22曲のうち半数を超える12曲はそれぞれのオリジナル版を収録。選者の Joop Visser としては、ディオンヌ以外にもたくさんのアーティストがバカラック作品を取り上げていることを示したかったんだと思います。

ディオンヌ以前のヒット曲として、ドリフターズの T-14. 「 プリーズ・ステイ 」 (本アルバムには再録音版を収録)、シレルズのT-2. 「 ベイビー・イッツ・ユー 」、チャック・ジャクソンのT-3. 「 エニィ・デイ・ナウ 」、ジェリー・バトラーのT-4. 「 涙でさようなら 」、ジーン・ピットニーのT-1. 「 タルサからの24時間 」 とT-10. 「 リバティ・バランスを射った男 」 あたりを収録。

また、英国でカヴァーがヒットした例としてマージービーツのT-12. 「 ウィッシン・アンド・ホーピン 」、ビリー・J・クレイマー&ザ・ダコタスのT-19. 「 汽車と船と飛行機 」 をコンパイル。ただし、収録されているのはいずれも再録音版です。

私的なレコメンドは、12曲のオリジナル版のなかでも超レアな1曲。黒人ソウルシンガーのディー・クラークが1961年にシングルオンリー(B面)でリリースしたT-9. 「 ユア・テリング・アワ・シークレッツ 」 です。この曲は他にカヴァーを聴いたことがありません。ゆったりめのR&Bっぽい曲でバカラック臭はあまりないかな? それでも、私の知る限りこの曲を収録したコンピ集は他に1枚しかありません。貴重な音源だと思います。

ジェリー・バトラーのT-17. 「 マーサへのメッセージ 」 は、マレーネ・ディートリッヒが1962年にリリースしたドイツ語歌詞版の 「 KLEINE TREUE NACHTIGALL 」 を除けばこの曲のオリジナル。女性が歌う 「 マイケルへのメッセージ 」 を含めると多くのカヴァーがある曲ですが、意外とこのジェリー・バトラー版が入ってるコンピ集は無いんですょ。

カヴァーでは、バックの演奏はオーソドックスですが粘っこい歌唱がブルージーなビッグ・メイベルのT-18. 「 恋のとまどい 」、ライヴ録音で冒頭MCが入ってるバディ・グレコのT-20. 「 恋のおもかげ 」 なども印象に残ります。

選者の意図からすると全然違う路線に思えるのが、ビル・エヴァンスのT-22. 「 アルフィー 」 。ビル・エヴァンスの 「 アルフィー 」 といえば1970年リリース 『 MONTREUX Ⅱ 』 収録のものが有名です。一聴したところそのバージョンだと思ったのですが、本コンピ集のクレジットにはⓅ1972とあります。『 MONTREUX Ⅱ 』 と聴き比べたところ、アレンジの構成やアドリヴ等瓜二つではあるものの心持ち速めのテンポで全く別の演奏と判明。Discogsでチェックしたところ、1989年に France's Concert から出たアルバム 『 Live In Paris, 1972 Vol. 3 』 に収録されているバージョンではないかと。録音日は1972年12月17日、メンバーは 『 MONTREUX Ⅱ 』 と同じ Bill Evans (p)/Eddie Gomez (b)/Marty Morell (d) のトリオ。演奏が似ているのはそれでかぁ。その 『 Live In Paris, 1972 Vol. 3 』 はタイトルを 『 Blue In Green 』 に変更して1995年にチャーリー・レコードからリイシューされておりました。せっかく音源あるし、このコンピ集に入れちゃえ! ってことか、ナルホドねーflair 

超有名曲T-5. 「 雨にぬれても 」 とカヴァー曲T-21. 「 ディス・ガイ 」 の2曲が収録されているB.J.トーマスですが、残念ながら本アルバムでは脇役的扱い。ジャケットの真ん中に載ってる主要アーティストの中にも彼の名前はありませんからね。ま、選者の意図を考えると仕方ないか…。

※ エヴァンスの 「 アルフィー 」 は、本作のバージョンを含めて九種類の演奏がレコード音源として残っています。詳しくは こちら をどうぞ。(2017/10/15 追記)


【データ】
『 the magic of Burt Bacharach 』
V.A.

CD:1996年リリース
レーベル:Charly Records (UK)
番号:CPCD 8227

Compiled by Joop Visser

This compilation
Ⓟ1996 Charly Records (UK) Limited.
Ⓒ1996 Charly Records (UK) Limited.
Country of origin UK - Made in the EU

2017年8月16日 (水)

A&M Journey of Burt Bacharach/V.A. (1996年)

A&Mレーベルのカタログの中から選曲された日本編集のバカラック物コンピ集です。

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1. CASINO ROYALE  ~ Herb Alpert & The Tijuana Brass ~
2. PROMISES, PROMISES  ~ Burt Bacharach ~
3. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME  ~ Julius Wechter & The Baja Marimba Band ~
4. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ Pisano & Ruff ~
5. ON A BICYCLE BUILT FOR JOY  ~ B. J. Thomas ~  M
6. LIVING TOGETHER, GROWING TOGETHER  ~ Burt Bacharach ~  FM
7. WHERE THERE'S A HEARTACHE  ~ The Sandpipers ~  M
8. KNOWING WHEN TO LEAVE  ~ Julius Wechter & The Baja Marimba Band ~
9. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ Wes Montgomery ~
10. THE WINDOWS OF THE WORLD  ~ Pete Jolly ~
11. SOMETHING BIG  ~ Burt Bacharach ~  M
12. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ Jimmie Rodgers ~  M
13. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  ~ Julius Wechter & The Baja Marimba Band ~
14. THE WORLD IS A CIRCLE  ~ The Sandpipers with The Mitchell Singing Boys ~  M
15. ANYONE WHO HAD A HEART  ~ Tim Curry ~  M
16. THE SUNDANCE KID  ~ Burt Bacharach ~
17. REACH OUT FOR ME  ~ Walter Wanderley ~
18. THE LOOK OF LOVE  ~ Pete Jolly ~
19. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ Carpenters ~  F
20. THE APRIL FOOLS  ~ Burt Bacharach ~

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約67分


A&Mレーベルのカタログの中から選曲された日本編集のバカラック物コンピ集です。位置付けとしては、同様の趣旨で前年(1995年)にリリースされた 『 A&M SONGS OF BURT BACHARACH 』 の続編といえます。

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全20曲中、ヴォーカル入りは8曲で、シングル(B面含む)曲は3曲。有名どころのバージョンが多くコンパイルされていた 『 A&M SONGS OF BURT BACHARACH 』 はそれぞれ15曲と8曲でしたからね。本アルバムはよりレアでマニアックな選曲です。

バカラック自演物の5曲(T-2,6,11,16,20.)を除いて、3曲と最も多く収められているのがジュリアス・ウェクター・アンド・ザ・バハ・マリンバ・バンド。マリンバ/ヴィブラフォン奏者のジュリアス・ウェクターは、ティファナ・ブラスの演奏に参加する一方で自身も1962年にバハ・マリンバ・バンドという名のインスト・グループを結成。T-3. 「 愛の思い出 」 はあまりパッとしませんが、T-8. 「 去りし時を知って 」 やT-13. 「 サン・ホセへの道 」 はホーンを含めて全体の音色やアレンジがA&Mらしいです。

ライナーノーツで“ラウンジ系ピアニスト”と紹介されているピート・ジョリーの2曲は、T-10. 「 世界の窓と窓 」 とT-18. 「 恋のおもかげ 」 のいずれも若干ソフトタッチのジャズ。…なんですが、どことなくA&Mの香りがするのが不思議です。

A&Mというよりバカラック・テイストたっぷりなのがサンドパイパーズの2曲。T-7. 「 ホエア・ゼアズ・ア・ハートエイク 」 は 『 明日に向って撃て! 』 のサントラ収録曲 「 COME TOUCH THE SUN(太陽をつかもう)」 の歌詞付きバージョンなのですが、これがサントラに入ってたって全く違和感ありません。少年コーラスが加わったサンドパイパーズ・ウィズ・ミッチェル・シンギング・ボーイズ名義のT-14. 「 世界はまるい 」 は 『 失われた地平線 』 の中の曲のカヴァー。構成・アレンジはサントラ版のほぼコピーですが、低音部をEベースに加えてチューバも吹いていて、屋外で大人と子供が歌い踊る感がより出てるように感じます。

ティム・カリーが歌うT-15. 「 恋するハート 」 はやたら仰々しくてA&Mっぽさを全く感じません。1978年の作品のようで、その頃はA&Mも多様なジャンルを扱うようになってたってことでしょうかね。

【データ】
『 A&M Journey of Burt Bacharach 』
V.A.

CD:1996年8月25日リリース、ライナーは金光 修氏(フジテレビ プロデューサー)と坂口 修氏
レーベル:A&M Records, Inc / POLYDOR K.K. (JP)
番号:POCM-1535

This compilation
Ⓟ1996 A&M Records, Inc.
Ⓟ1996 Polydor K.K., Japan.

2017年8月 6日 (日)

MAGIC MOMENTS the classic songs of Burt Bacharach/V.A. (1996年)

BMGのカタログのなかから選曲した英国編集のバカラック物コンピ集です!

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1. MAGIC MOMENTS  ~ Perry Como ~  M
2. THE LOOK OF LOVE  ~ Nina Simone ~  F
3. ALFIE  ~ Dionne Warwick ~  F
4. ANYONE WHO HAD A HEART  ~ Maureen McGovern ~  F
5. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME  ~ Jose Feliciano ~  M
6. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ Perry Como ~  M
7. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ Skeeter Davis ~  F
8. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  ~ Ed Ames ~  M
9. WHAT'S NEW PUSSYCAT?  ~ Floyd Cramer ~
10. ANY DAY NOW  ~ Ronnie Milsap ~  M
11. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ Chet Atkins ~
12. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ Perry Como ~  M
13. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ Ed Ames ~  M
14. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU  ~ Nat Stuckey ~  M
15. BLUE ON BLUE  ~ Paul Anka ~  M
16. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF  ~ Floyd Cramer ~
17. MAKE IT EASY ON YOURSELF  ~ Ed Ames ~  M
18. PROMISES, PROMISES  ~ Al Hirt ~
19. WIVES AND LOVERS  ~ Ed Ames ~  M
20. A HOUSE IS NOT A HOME  ~ Perry Como ~  M
21. SUNNY WEATHER LOVER  ~ Dionne Warwick ~  F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約65分


BMGのカタログのなかから選曲した英国編集のバカラック物コンピ集です!

2008年にBMGは無くなっちゃいましたが(→ソニー)、本アルバム・リリース当時(1996年)、BMG傘下のレコード会社には RCAやArista などありました。それらのなかから1960年代 RCA Victor の音源を中心としたセレクションでございます。

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オリジナル・バージョンは、アルバムのタイトルにもなっているペリー・コモのT-1. 「 マジック・モーメンツ 」 とディオンヌ・ワーウィックのT-21. 「 サニー・ウェザー・ラバー 」 の2曲だけ。この2曲、アルバム全21曲のうち最古曲と最新曲でもあります。アルバムの最初と最後に配したのは意図してのことなんでしょう。

そのペリー・コモは1912年生まれ(2001年没)で戦前から活躍する男性ポピュラー・シンガーの大御所。「 マジック・モーメンツ 」 の他に、1970年のアルバム 『 It's Impossible 』 でカヴァーした3曲も本アルバムに収められています。オケのアレンジも含めて大人の余裕とでもいった歌唱を聴かせてくれます。

本アルバム全体としては、ちょっと俗っぽい印象を受けます。スキータ・デイヴィスやチェット・アトキンス(ギター)など、カントリー系のアーティストが多いからかもしれません。人気カントリー・シンガーのロニー・ミルサップなんかもそうですね。1982年にカヴァーしたT-10. 「 エニィ・デイ・ナウ 」 は、カントリー・チャート1位のみならず全米でも14位になってます。イージー・リスニングのフロイド・クラマー(ピアノ)やアル・ハート(ジャズ系トランペット)のカヴァーも、明るく俗っぽい感じです。

ニーナ・シモンのT-2. 「 恋のおもかげ 」 くらいですかね、大人の渋さを感じるのは。

そんな本アルバムでの私のレコメンド一つ目は、モーリン・マクガバンのT-4. 「 恋するハート 」 。スケールの大きいアレンジは他では聴いたことがない独創的なもので、彼女の思いがこもった歌唱も素晴らしいです。本アルバムでこの曲を聴いて彼女のアルバムを買っちゃいましたから。 → こちら

もう一つのレコメンドが、1950年代に四兄弟の Ames Brothers のメンバーとして活躍し1963年頃からソロで活動していたエド・エームス。本アルバムには4曲収められています。俗っぽいアレンジには少し工夫がみられるものの心持ち鼻にかかった甘い歌声は大根歌手の趣き。正直、そんなに印象に残るカヴァーではありません。じゃ、何故レコメンドなのか? それはひとえに4曲のネタ元である 『 Sings The Songs Of Bacharach And David 』 というアルバムのせい。1971年(1970年という説も)リリースで全11曲収録。でも、CD化されてないんです。しかもそのアルバムでは、バカラック書下ろしの 「 HOW DOES A MAN MECOME A PUPPET 」 という曲まで歌ってるらしい。その曲、私は聴いたことないので是非聴きたいのです。拙ブログで “ レコメンド ” にするからCD化してくれないかな…と。ねっ、ソニーさん。


【データ】
『 MAGIC MOMENTS the classic songs of Burt Bacharach 』
V.A.

CD:1996年8月21日リリース
レーベル:BMG Records (UK)
番号:74321 366682

Compiled by Gary Wallington & Bill Williams
ちなみに、日本盤もリンクしておきます。日本盤はボーナス・トラック3曲入りです。

2017年8月 2日 (水)

Easy Listening BACHARACH/V.A. (1996年)

ソニー・レコードのカタログの中から選曲した英国編集のバカラック物コンピ集です。

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1. PROMISES, PROMISES  ~ Percy Faith ~  F
2. SEND ME NO FLOWERS  ~ Doris Day ~  F
3. ALFIE  ~ Tony Bennett ~  M
4. WIVES AND LOVERS  ~ Andy Williams ~  M
5. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ Patti Page ~  F
6. WALK ON BY  ~ Mel Torme ~  M
7. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ Johnny Mathis ~  M
8. TRAINS AND BOATS AND PLANES  ~ Anita Harris ~  F
9. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  ~ Robert Goulet ~  M
10. A HOUSE IS NOT A HOME  ~ Georgie Fame ~  M
11. THIS G'S IN LOVE WITH YOU  ~ Salena Jones ~  F
12. MAKE IT EASY ON YOURSELF  ~ Tony Bennett ~  M
13. BLUE ON BLUE  ~ Bobby Vinton ~  M
14. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ Peter Nero ~
15. MY LITTLE RED BOOK  ~ Mel Torme ~  M
16. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ Anita Harris ~  F
17. THE LOOK OF LOVE  ~ Johnny Mathis ~  M
18. THE STORY OF MY LIFE  ~ Marty Robbins ~  M
19. IF I COULD GO BACK  ~ Andy Williams ~  M
20. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ Tony Bennett ~  M

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約60分


ソニー・レコード(昔のColumbia)のカタログの中から選曲した英国編集のバカラック物コンピ集です。

ソニー・レコードといえば、1994年リリースの日本編集コンピ集 『 レディメイド、バカラックを讃える 』 も同じコンセプトでした。『 レディメイド~ 』 の全体的な印象は “ 上品でお洒落で白っぽい ” 感じ…とその記事で書きましたが、本アルバムも全体的な印象は全く同じです。やっぱりレーベルのカラーなんだなと。二つのアルバムで重複してるのはボビー・ヴィントンのT-13. 「 ブルー・オン・ブルー 」 とメル・トーメのT-15. 「 マイ・リトル・レッド・ブック 」 の2曲だけなんですけどね。

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初っ端にパーシー・フェイスのT-1. 「 プロミセス・プロミセス 」 を持ってきたそのセンスにまず脱帽です。正確には Percy Faith His Orchestra And Chorus 名義で、オケ+女性コーラスという編成。華麗でキレがあるオケと柔らかい女性コーラスの組み合わせは  “ 上品でお洒落で白っぽい ” テイストそのもの! 気分が高揚します。

オリジナル・アーティストによる曲は3曲しかありませんが、その中でドリス・デイのT-2. 「 センド・ミー・ノー・フラワーズ 」 は超レア曲。米ユニバーサルの同名映画の主題歌だったそうで、1964年にシングルのみリリースされています。とても可愛らしいチャーミングな曲なのですが、1922年生まれのドリス・デイは当時42歳。もっと若い人が歌ってるようにしか聴こえません。流石です。

本アルバムのレコメンドは大御所男性シンガー3人。1928年生まれのバカラックとこの3人はほぼ同世代なんですねー。

〇 トニー・ベネット (1926年生)
〇 アンディ・ウィリアムス (1927年生、2012年没)
〇 メル・トーメ (1925年生、1999年没)

トニー・ベネットは3曲収録。そのいずれもが、アレンジ・演奏・歌唱の三拍子揃った素晴らしいカヴァーです。T-3. 「 アルフィー 」 は、ストリング主体のゆったりした演奏をバックに相手を諭すような丁寧な歌唱が心に響きます。T-12. 「 涙でさようなら 」 も、ゴージャスなオケに負けない堂々とした歌いっぷり。エンディングで 「 アルフィー 」 の一節を歌うのも粋ですネ。一転、T-20. 「 世界は愛を求めてる 」 では派手なビッグバンドによるスウィング調の演奏に乗っかってパワフルに歌ってます。因みに、このアレンジはのちに石川晶とカウント・バッファロー・ビッグ・バンドがパクるのですが、それも納得のカッコよさです。 → こちら

アンディ・ウィリアムスは2曲収録。T-4. 「 素晴らしき恋人たち 」 はオリジナルのジャック・ジョーンズのコピーで特に印象に残りません。目玉は映画 『 失われた地平線 』 の挿入歌のカヴァーであるT-19. 「 イフ・アイ・クッド・ゴー・バック 」 。サントラよりも分厚くメリハリあるアレンジのオケとバック・コーラスも素敵ですが、何よりアンディ・ウィリアムスの説得力ある歌唱が素晴らしいです! この曲は1972年7月にレコーディング、アルバム 『 Alone Again (Naturally) 』 に収められて1972年9月にリリースされました。一方、映画のほうは1973年1月に先行してサントラをリリース後、1973年2月に劇場公開。なんと、アンディ版の方が早く世に出ています。どうやら、映画の吹き替えシンガーとしてアンディ・ウィリアムスがレコーディングしたものの不採用になったみたいですね。映画はコロンビアの製作でしたから…。こんなこともあるんですねー。

メル・トーメは2曲収録。T-6. 「 ウォーク・オン・バイ 」 はオリジナルのディオンヌ版を下敷きにしたものですが、ねっとりしたメル・トーメの歌唱は評価の分かれるところかと。T-15. 「 マイ・リトル・レッド・ブック 」 は演奏も歌唱もちゃんとしていて、マンフレッド・マンやラヴよりも安心して聴けます(笑)。

この3人と較べると、1935年生まれのジョニー・マティスは少し軽い感じ。T-7. 「 遥かなる影 」 はカーペンターズ版がベースで可もなく不可もなく…。ただ、前回記事で紹介したカヴァー・アルバム 『 Johnny Mathis sings the music of Bacharach & Kaempfert 』 には未収録なので貴重な音源ではあります。T-17. 「 恋のおもかげ 」 はそのカヴァー・アルバムに収録。コメントはそちらを参照ください。

私のレコメンドをもうひとつ。英女性シンガーのアニタ・ハリスです。収録されてる2曲いずれも独創的なアレンジと微妙なヴィブラートで歌うアニタの歌唱が見事に融合して、独特の魅力を醸し出しています。T-16. 「 小さな願い 」 は彼女の素晴らしいバカラック・カヴァー集 『 This Girl's In Love With You 』 に入ってるのですが、T-8. 「 汽車と船と飛行機と 」 はそのカヴァー集にも未収録。こちらも貴重な音源かと。まさしく英国ならではのセレクションですねー。

シンプルなデザインと黒を基調とした渋い色使いのジャケットが表現しているとおり、チャラチャラしたところのない大人のバカラック物コンピ集でした。


【データ】
『 Easy Listening BACHARACH 』
V.A.

CD:1996年8月9日リリース
レーベル:COLUMBIA / Sony Music Entertainment (UK)
番号:485125 2

Compilation and notes by Gerald Mahlowe, 1996
Ⓟ1996 Sony Music Entertainment (UK) Ltd.

2017年7月30日 (日)

Johnny Mathis sings the music of Bacharach & Kaempfert/Johnny Mathis (1970年)

ジョニー・マティスが1970年にリリースした、バカラックとケンプフェルトの作品集です。

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ジャケット裏側の中央右、"25"と書いてあるのはシールです。剥がそうとしましたがビリビリになりそうで断念しました^^;

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LPダブルジャケット見開き状態

LP2枚組: 1枚目(SIDE1/SIDE2)はBert Kaempfert集で、2枚目(SIDE3/SIDE4)がBurt Bacharach集。

SIDE3
1. WALK ON BY
2. THE LOOK OF LOVE
3. I SAY A LITTLE PRAYER
4. HEAVENLY
5. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
SIDE4
1. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
2. ALFIE
3. ODDS AND ENDS
4. FAITHFULLY
5. DON'T GO BREAKING MY HEART

収録時間約32分 (2枚目のみ)


米国の男性ポピュラー・シンガー、ジョニー・マティスが1970年にリリースした、バカラックとケンプフェルトの作品集です。以下、2枚目のバカラック集のみ言及してまいります。

ジャケット見開きにジョニー・マティスが本アルバムに寄せたコメントが載ってまして、その一端をわたくしめの超意訳でご紹介。

─ 作曲家シリーズのアルバムを作ろうというアイディアを思い立った時、私はどこから始めたらよいかという難題に直面した。 … バート・バカラックとベルト・ケンプフェルトを取り上げたらどうだろう? 悪い考えじゃないぞっ!
 ニューヨークのイーストサイドにあるアパートで、あれは確か晴れた日の午後だったかな、バート・バカラックと故シドニー・ショウが 「 HEAVENLY 」 を作ってくれたんだ。(そういえば、バートは大型のボクサー犬を飼ってたな) 「 HEAVENLY 」 は、アルバムのコンセプトを発展させてくれた素晴らしい曲だった。その後、「 FAITHFULLY 」 、「 WARM AND TENDER 」 、 「 WALK ON BY 」 、「 ALFIE 」 、「 THE LOOK OF LOVE 」 、「 RAINDROPS KEEP FALLIN' ON MY HEAD 」 、そして最近ではアルバム 「 CLOSE TO YOU 」 のタイトル曲なんかを歌ってきた。いずれもとても楽しい経験だったょ。 (以降略)  ─


ジョニー・マティスが歌ったバカラック作品リスト(対象期間 : 1956年~1995年)がこちら↓
Photo

ご覧の通り、本アルバムはそれまでに歌ってきたバカラック作品(OriginalやCover)のなかから10曲をコンパイルした編集盤なんですね。アルバムの存在は知っていたのでCD化されるのをず~っと待っていたのですが、我慢できず中古LPを購入した次第。Amazonのマーケットプレイスに出品されていたのを今月たまたま発見! 見るとお店は英国。LPだし途中で割れないかなぁ~と若干心配だったのですが10日ほどで無事届きました。良かった良かったhappy01

コンピ集CDに入ってたりMP3をダウンロードしたりして知ってる曲もありますが、半数の5曲は初めて聴く曲でした。せっかくなので、全10曲、元々の収録アルバムを年代順に辿りながら紹介して参ります。

『 Heavenly 』、1959年8月リリース (CS 8152)
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彼がライナーで書いてる通り、SIDE3-4. 「 HEAVENLY 」 を収録。
バカラックが書下ろしたスローでしっとりした4ビートの曲。年代が年代だけに、メロディ他作曲面でバカラック臭は殆ど感じられません。アレンジ&指揮はグレン・オサー。ストリングスを中心としたオケとピアノ・トリオによるバックの演奏はオールドファッション且つ流麗そのもの。ジョニー・マティスの評価は悪くなかったワケで、職業作曲家として依頼された仕事を頑張ってこなしてたんだろーな…としばし想像。

『 Faithfully 』、1959年12月リリース (CS 8219)
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前作 『 Heavenly 』 に続くアルバムで、SIDE4-4. 「 FAITHFULLY 」 を収録。
これも書下ろし曲。韻を踏んでいる曲名やスローでしっとりした曲調も含めて 「 HEAVENLY 」 とは兄弟曲って感じ。さりげなく転調するところはちょっぴりバカラック臭がしますが。

以上2曲はどちらもカヴァーを一度も聴いたことがない超レア曲です。

『 Love Is Blue 』、1968年3月リリース (CS 9637)
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SIDE3-1. 「 WALK ON BY 」 、SIDE3-2. 「 THE LOOK OF LOVE 」 、SIDE3-3. 「 I SAY A LITTLE PRAYER 」 、SIDE4-5. 「 DON'T GO BREAKING MY HEART 」 の4曲を収録。
「 WALK ON BY 」 は、短いイントロのあとジョニーがラララ~とメロディをハミングで歌うのに意表を突かれます。が、その部分も実はイントロで、転調して半音下がってからようやく1コーラス目が始まります。それ以外はディオンヌ版の焼き直しです。「 THE LOOK OF LOVE  」 は、途中までは平凡なカヴァーなのですが、エンディングでメロディをフェイクしてまったりとフェードアウトするところは印象的。「 I SAY A LITTLE PRAYER 」 もイントロの独特なフレーズや間奏やちょっとした対旋律など洒落たアレンジが好印象。反面、ジョニーの歌唱は印象薄いんですが。「 DON'T GO BREAKING MY HEART 」 はロジャニコ版とクリソツで可もなく不可もなくといったところ。

『 Those Were The Days 』、1968年11月リリース (CS 9705)
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SIDE3-5. 「 THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU 」 を収録。
以前ジョニー・マティスの1996年のアルバム 『 ALL ABOUT LOVE 』 を紹介した際取り上げましたので、ここでは割愛します。

『 Love Theme From "Romeo And Juliet" (A Time For Us) 』、1969年7月リリース (CS 9909)
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SIDE4-1. 「 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 」 を収録。
1コーラスめはアコギ主体の伴奏。一部女性ヴォーカルとのハモりもあってミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 でチャック役が歌ったバージョンと似ています。転調後の2コーラスめはストリングスやピアノにグロッケン、それに女性コーラスなんかも絡んできて賑やかに。アウトロではストリングスが小粋なフレーズを奏でます。こういう曲にジョニー・マティスのまったりした声質は合ってるかも。
この曲はアルバムに先立ちシングルでもリリースされました(1969年5月17日リリース、4-44837)。カップリングは同じく 『 プロミセス・プロミセス 』 から 「 WHOEVER YOU ARE, I LOVE YOU 」 。この 「 WHOEVER ~ 」 はシングル・オンリーで収録アルバムは見当たらないんですよねー。聴いてみたいなぁ。 ⇒ iTunes でダウンロードしたので、オマケとして追記。

『 Raindrops Keep Fallin' On My Head 』、1970年2月リリース (CS 1005)
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SIDE4-2. 「 ALFIE 」 、SIDE4-3. 「 ODDS AND ENDS 」 を収録。
「 ALFIE 」 はオケが奏でるゴージャスなバックと較べてジョニーの歌はちょっと軽い感じ。エンディングの手前、 “ アルフィー ” のところを長~く伸ばして歌うなど頑張ってるんですけどね。一方の 「 ODDS AND ENDS 」 は、ピアノが奏でる雨だれのような可愛らしいイントロをはじめとした軽快なオケストレーションにジョニーのまったりした歌唱が良くマッチしてます。
アルバムのタイトル曲 「 RAINDROPS KEEP FALLIN' ON THE HEAD 」 は、残念ながら本アルバムには未収録。これも聴きたかったなぁ…。

評価は曲によってバラツキ大ですが、安価でしたら中古LP購入オススメします。

2018/2/4追記 ⇒ ここからはオマケです。
R444919214899132588856jpeg_3R444919214899132613660jpeg_3 ジョニー・マティスは、1969年リリースのクリスマス・アルバム 『 Give Me Your Love For Christmas 』 (CS 9923) で 「 CHRISTMAS DAY 」(3:23) をカヴァーしています。「 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 」 と同じくミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 の曲です。優しい音色のオケ&ピアノトリオに女性コーラスを加えた演奏とジョニー・マティスの優しくも芯のある歌声との見事なコラボレーション。アレンジャーのアーニー・フリーマン、いい仕事していますね~。超レア曲なだけに、こういう素敵なカヴァーが聴けると嬉しいです。好カヴァーと思います。
2018年になってからこのカヴァーの存在を知り、さっそくMP3をダウンロード。“ ジョニー・マティスが歌ったバカラック作品リスト ” にも追記しておきましたscissors

2018/2/6 追記
 ⇒オマケ その2
R501115613966336482162jpeg_2R501115613966336539023jpeg前述しましたが、シングル・オンリーの 「 WHOEVER YOU ARE, I LOVE YOU 」(3:55) をiTunesでダウンロードして聴くことが出来ました。プロデュース&アレンジはシングルA面の 「 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 」 と同じく、Columbia のアレンジャーだった Robert Mersey というお方。原曲よりもゆったりとして繊細なオーケストレーションはとっても素敵。そんなバックの演奏とまったりした歌唱が持ち味のジョニー・マティスとの相性は抜群。女性が歌っている原曲よりも女性らしい仕上がりです(誉め言葉ですょ)。
2日前に更新したばかりの “ ジョニー・マティスが歌ったバカラック作品リスト ” に追記しました。


【データ】

『 Johnny Mathis sings the music of Bacharach & Kaempfert 』
Johnny Mathis

LP:1970年Autumn リリース
レーベル:Columbia
番号:CG 30350

Produced by Robert Mersey, except SIDE4-2 by Jack Gold
Arranged and conducted by Robert Mersey (SIDE3-1,2,3, SIDE4-1,5)
Arranged and conducted by Glenn Osser (SIDE3-4, SIDE4-4)
Arranged and conducted by D'Arniell Pershin (SIDE3-5)
Arranged and conducted by Ernie Freeman (SIDE4-2,3)

Written by Burt Bacharach & Hal David (except SIDE3-4, SIDE4-4)
Written by Burt Bacharach & Sidney Shaw (SIDE3-4, SIDE4-4)
↓ なんと本アルバムがCDリイシューされます! 発売予定日は2018年3月2日! 知ってたら中古LP買わなかったのにーshock

2017年7月24日 (月)

祝! 『 笑う洋楽展 』 登場!!

NHK BSプレミアム  『 笑う洋楽展 』  バカラック登場記念、特別企画!

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2017年7月23日(日) 0:15~0:45
NHK BSプレミアム 『 笑う洋楽展 』  Vol. 135
今回のテーマ : 「 立ち?座り? 」


過去この番組ではバカラックの曲がいくつか取り上げられてきました。でもまさか、バカラックご本人のパフォーマンス映像が登場するとは!? 全くもってサプライズでしたし、嬉しかったです~。

というワケで、今回は、『 笑う洋楽展 』 登場を記念して、見逃した方のために音声をテキスト化したいと思います~(^^♪ 尚、発言者は文字の色で区別しています。ちょっと見づらいかと思いますが悪しからずm(__)m

 ナレーション
 みうらじゅん氏
 安齋 肇氏

- * - * - * - * - * - * - * - * - * -

作品番号2
バート・バカラック 「 愛の想い出 」
カンサスシティが生んだアメリカを代表するヒット・メイカー。
ネイキッド・アイズによるカヴァーでも知られるこの曲、オリジナルがヒットしたのは1964年でした。

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東京オリンピックの年だったためか、当時は 「 愛のウェイト・リフティング 」 (※①) という邦題で発売されたんだって。いい加減だなぁ~、日本も。
オリジナルなんだっけ?
「 愛の思い出 」 (※②)
重いからねっ。
あっ、それだ! さすが安齋さん、オヤジギャグすぐわかるんだねー。日頃言うだけに凄ーい。それだわ、絶対そうだわ。今回観るのは、1970年イギリスの番組に出演した時の映像。バカラックは、あっバカラック本人出てきますよ、ピアノ椅子に座って指揮を始め、やがてピアノを弾きだす。では、VTRが終わるとき、バート・バカラックは立っている?それとも座っている? どういうことなんすか、これ。挨拶するってことかな。
あのー、ピアノを弾いて終わるか、指揮をして終わるかだよね。
あぁ、そういうことですね。
でもそれは、バカラックは多分立つでしょうね。指揮者としての責任ありますよ。
なるほど!
ビンビンに立っている!
(笑)わかりました!

〇 映像再生開始 (バカラックはピアノ椅子に座ったまま指揮を始める)

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まずはここからだよね。あれっ、意外に少ないね。

そりゃ、オーケストラといっても少ない。
少なかったね。
まぁいゃ、現代音楽の人だからね、この人。 (※③)
わぁ、そうだ。わっ。… そうか、立つほどではないね。
そうっすね。ナウだったもんこの頃、バート・バカラックは。映画音楽とか一杯知ってっけどさぁ。
コンサートもやってさぁ。
オシャレだもん、この人メッチャ。
すごい、女子が大量に行ってたよね。
男前だもん、この人。
ねー。… 基本さぁ、昔ってみんな男前じゃなかった?
男前だった。リーダーは男前なんだよ。
ねー。
って、誰がいま不細工なんすか。
いやいやいや、そういうことではなくてですょ。
そうそう、男前。
なんか男前多かったよ。おっ、立ってる立ってる!
ぐ~っと円形だぁ、これ。すごいぞこの円形。新薬師寺方式だよ、これ。
おーっ、新薬師寺。こうなんすか。
えぇ、あの、十二神将がぐるっとこう、薬師如来の周りを囲むんですょ。… あっ、こういう中腰っちゅーのもあるんだ、これ。
いや、これはまぁ完全立ってますね。
これは立ってますよねぇ。
立ってますよー。
基本この人ピアノ立ってますよ。
そうだよねぇ。
安齋くん、どっちって言いましたっけ?
立ってると。
オッケー。
なんかいけそうですね~。
いけそうですよ、ほら。全体を見てますし。
ねー。
じゃあ、もう椅子いらないんじゃないかって事じゃないっすか、この人。
ぐらいだよね。
おーっ、すごいねー。
おー、盛り上がってきましたねー。ただ、あんまり張り切っちゃうと疲れってのが…。
そうなんだよね。後ろ向くときにクッと首の筋やるときあるじゃないですか、痛~いとき。
あっ、座った!
座った! 弾くときは座ってらぁ。
だからほら、ピアノ・パートになると座るんだょ!
なるほど、なるほど。ということは、最後ピアノ・パートで終われば、座ってるんですよ。
そうですねぇ。
そうですよ。
違いますよ! 俺は立ってるのに賭けたんですょ。
あぁ、立ってるのにね。
賭けたってのも変ですけど。
ここはね、もう和音しか弾かないもん。
あー。そうだ、こういう時はいいんですよ。… すごくクネクネ動く人なんですね。
ねー。
ほら。
ホントだ。
ちょっと、なんか、コントみたいですよね。
昔、ポール・モーリアとかもよく動いてたじゃないですか。
動いてました動いてました。
ね!
よく思うんすけど、これみんな見てるんすかね、ちゃんと。
あー、指揮のことですか。いや、見てないとプロじゃないでしょ、やっぱ。
いや、そーですけど。なぁんか時々合ってないような気がするんですよねー。
でも、こういう時は指揮していないわけですからね。これは自分で考えろってゆーとこでしょ?
あっ、終わります終わります終わります。
あっ、あっ、あっ。立ってる、立ってる。
おー、よしよし。
立ってる。
引け引け引け~、はい、カットカットカット~。
あっでもねぇ、わかんないよ。
うっし。
オチがあるかもしんないよ、オチが。
あ~~~、アブナイアブナイ、アブナイアブナイ~~。

〇 映像終了 (バカラックは中腰のまま終了)

おっし! パチパチパチ
お~ほほほ。これはもう完璧だ。
ブラボー、ブラボー。
最後、これだったね。
危なかった! 危なかったねあれ~、途中。
出たねー。お尻突き出した。“死刑!”みたいな。こまわり君みたいなのが出た。
あ~、アブナイなぁ。
もう、そんな正解された安齋さんには、バート・バカラック最新写真を見てもらいましょう。2016年4月カリフォルニアで開かれたニューポート・フィルム・フェスティバルに参加した、87歳のバカラックさんです。カッコイイと思うよ、この人。 (※④)

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お~、でもなんか、感じ変わったね。
ね~、ずいぶん違うっすね~。
なんで下の床があんなに汚れてんの?
ホントだー。
えっらい汚れてんね。
えらいこぼしたね。
こぼしてんねぇ。
えっ、そいじゃあアレ、マフラーじゃなくて。
あれはもうバカラックさんのエプロンじゃないの?
あんだけこぼすんじゃダメだよねぇ。
こんときも、立ってるしね。ほらっ!
あっ、そーゆーことかぁ!
そーゆーことだ、これ。ありがとうございました、バート・バカラックさんで御座いました!

- * - * - * - * - * - * - * - * - * -

【補足】

The_pipers_clubimg600x3761492083026 ※① 「 愛のウェイト・リフティング 」は、 1964年、日本でサンディ・ショウ版のシングル・リリースされた時の邦題です。写真がそのジャケット(クリックすると大きくなります)。その後、ディオンヌ版の邦題 「 愛の思い出 」 の方が一般的になりました。 また、1983年にネイキッド・アイズがカヴァーした際の邦題は 「 僕はこんなに 」 でした。ちなみに、「 愛のウェイト・リフティング 」 とともに 「 恋のウェイト・リフティング 」 という邦題もよく見かけます。どこかで愛が恋にすり替わったんでしょうねー。私も 「 恋の~ 」 の方が正しいと思ってましたから^^;。

※② 番組では 「 愛のい出 」 と紹介されていましたが、拙ブログではバカラック自伝に記載の 「 愛のい出 」 を採用しております。

※③ バカラックがダリウス・ミヨーに師事したことがあるから現代音楽と言及したんでしょうか? いずれにせよ、現代音楽は認識違いですね。

※④ 2016年4月23日、ニューポート・フィルム・フェスティバル (ニューポートビーチ国際映画祭)で、バカラックが音楽を手掛けた映画 『 Po 』 がプレミア上映されました。バカラック爺もその関係で参加していたのでしょう。その後、『 A Boy Called Po 』 に改題されて2017年9月1日より米国内劇場及びデジタル・プラットフォームで公開されました()。映画のサントラについては こちら をご覧ください。それにしても、床が汚れてるように見えるのはそういう模様(シールか何か?)なのであって、バカラック爺が耄碌したかのような発言は許せませんネ。 “ 死刑! ” じゃっ(笑)

※ 2017/10/22 追記

2017年7月23日 (日)

アトランティック・バカラック・コレクション/V.A. (1996年)

アトランティック・レーベルの音源から選曲された日本編集のバカラック物コンピ集です。

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1. ALFIE  ~ The Sweet Inspirations ~  F
2. REACH OUT FOR ME  ~ The Sweet Inspirations ~  F
3. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME  ~ R.B. Greaves ~  M
4. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ Aretha Franklin ~  F
5. ANY DAY NOW  ~ Carla Thomas ~  F
6. THE LOOK OF LOVE  ~ Carmen Mcrae ~  F
7. ANY OLD TIME OF THE DAY  ~ Leslie Uggams ~  F
8. IN THE LAND OF MAKE BELIEVE  ~ The Drifters ~  M
9. MEXICAN DIVORCE  ~ The Drifters ~  M
10. PLEASE STAY  ~ The Persuaders ~  M
11. THE APRIL FOOLS  ~ Aretha Franklin ~  F
12. DON'T GO BREAKING MY HEART  ~ Aretha Franklin ~  F
13. DON'T SAY I DIDN'T TELL YOU SO  ~ Herbie Mann ~
14. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ Carla Thomas ~  F
15. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU  ~ Aretha Franklin ~  F
16. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)  ~ Aretha Franklin ~  F
17. ANY DAY NOW  ~ Percy Sledge ~  M

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約58分


アトランティック・レーベルの音源から選曲された日本編集のバカラック物コンピ集です。

ピチカート・ファイヴの小西康陽さん監修、バカラック・コレクターの坂口修さんによる選曲。このお二人に長門芳郎さんを加えたお三方による対談形式の解説付き。バカラック・ファンの心をくすぐります。

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Img397xx 全17曲のうち、オリジナル・バージョンはドリフターズのT-9. 「 メキシコでさようなら(恋するメキシカン) 」 のみ。あとは全てカヴァーです。

CDケースのバックインレイ内側には各曲の収録元アルバムのジャケット写真が載っています。せっかくなのでその画像を置いておきます(クリックすると大きくなります)。皆さん見事に黒いですねー、レーベルの特徴がよくわかります。お姿が写っていないハービー・マン<T-13.>だけはルーマニア&ロシアの家系とのことで違うようですが。なお、パーシー・スレッジのT-17. 「 エニィ・デイ・ナウ 」 はシングルのみリリースのためジャケット写真はありません…。

本コンピ集の目玉はアレサ・フランクリン。アレサがアトランティックに在籍していた1967年~1979年にカヴァーしたバカラック作品5曲すべてをコンパイルしたそうです。容姿もそうですが、聴いてみてまさに “ 泣く子も黙る ” とはアレサのことだなと実感しました^^;。迫力がスゴイですもん。本家ディオンヌ版よりアレサ版のほうが有名になってしまった1968年のT-4. 「 小さな願い 」 なんて大人しいほうです。1970年のT-15. 「 ディス・ガール 」 でのシャウトの迫力はなかなかのものがありますし、1972年のT-11. 「 エイプリル・フール 」 は軽快なテンポのディスコ調なのですが曲が進むにつれてシャウトがヒート・アップします。1974年のT-16. 「 ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・ヘヴン 」 はイントロの “ ラララ… ” のメロディをいきなりシャウトして、しかもエンディングでバックの演奏が消えてからも更に “ ラララ… ” とシャウトするのがもうスゴすぎ。疾走感溢れるディスコ・アレンジのT-12. 「 ドント・ゴー・ブレイキング・マイ・ハート 」 (これも1974年)に至っては、もはや元曲のメロディなんかどこかに飛んでしまって、吠えまくる! アレサ、スゲェ~。

他に印象的なのは、スウィート・インスピレーションズのT-1. 「 アルフィー 」 とT-2. 「 リーチ・アウト 」 。アレンジもオリジナリティあってソウル・フィーリング溢れる歌唱は素晴らしいです。ドリーミーなレズリー・アガムスのT-7. 「 エニィ・オールド・タイム・オブ・デイ 」 はこのレア曲のカヴァーとしてよく出来てます。アトランティックっぽさは殆どみられませんが(>_<)。

T-13. 「 DON'T SAY I DIDN'T TELL YOU SO (それは言わないで) 」 はディオンヌがオリジナルなのですが、この超レア曲をカヴァーしてるのはハービー・マンくらいだと思います。彼はジャズ・フルーティストだそうですが、ラテン・ジャズ仕立てでクールにカヴァーしています。それと、ザ・パースエイダーズのT-10. 「 プリーズ・ステイ 」 がなかなか工夫したアレンジでノリが良く、コーラスのハーモニーもバッチリ。

全体にソウル・フィーリング満載の本コンピ集、レーベルの特徴がよく出ていてオススメです。ただ、現在であれば2013年にリリースされた 『 バート・バカラック・ソングブック - アトランティック・エディション 』 の方がより充実していてよろしいのではないかと。本コンピ集と同じ坂口修さんが編者のようですし、CD2枚組/45曲入り! 私は所有していないので責任は持ちませんが^^;。


ここからは、本コンピ集から離れてアレサに関してちょいとオマケの情報を。

R13368811210775248jpeg さきほど、─ アレサがアトランティック在籍時にカヴァーしたバカラック作品5曲すべてをコンパイルした ─ てなことを書きました。しかしそれはスタジオ録音の話なんですね。『 Oh Me Oh My: Aretha Live In Philly, 1972 』 というライヴ・アルバムがライノから2007年にリリースされていまして、その中で 「 ディス・ガール 」 、 「 小さな願い 」 、「 エイプリル・フール 」 の3曲をカヴァーしています(小さな願いは他曲とのメドレー)。 基本、スタジオ録音版と同等のアレンジ。ライヴだからといってシャウトがより派手になってるというわけではありませんが(それほどスタジオ録音でのノリがスゴイということか)、ライヴの感覚を味わえて一聴の価値はあるかと。試聴/ダウンロードも出来ますし(^^)。実際私もこの3曲だけダウンロードしたクチです。

1980年にアレサはアトランティックからアリスタに移籍します。アリスタ時代以降現在に至るまでの間に彼女はバカラックの書下ろし曲を歌ったりカヴァーしたりするのですが、それらを以前記事にまとめておりますので興味がありましたらご覧ください。 → こちら


【データ】
『 アトランティック・バカラック・コレクション 』 (英題:ATLANTIC BACHARACH COLLECTION)
V.A.

CD:1996年3月25日リリース、ライナーは長門芳郎氏/小西康陽氏/坂口修氏の3者による対談形式、歌詞付き
レーベル:WEA International / east west Japan (JP)
番号:AMCY-879

supervised by KONISHI, yasuharu for Readymade Inc.
compiled by SAKAGUCHI, osamu
this compilation Ⓟ1996 WEA International Inc.
manufactured by east west Japan inc., Tokyo, Japan. a warner music group company.

↓ 本コンピ集以外に、『 バート・バカラック・ソングブック - アトランティック・エディション 』 もリンクしておきます。

2017年7月19日 (水)

A&M SONGS OF BURT BACHARACH/V.A. (1995年)

A&Mレーベルのカタログの中から選曲された日本編集のバカラック物コンピ集です。

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1. MAKE IT EASY ON YOURSELF  ~ Burt Bacharach ~  M
2. THE LOOK OF LOVE  ~ Sergio Mendes & Brasil '66 ~  F
3. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ Pete Jolly ~
4. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  ~ Bossa Rio ~  FM
5. WISHIN' AND HOPIN'  ~ Rita Coolidge ~  F
6. A HOUSE IS NOT A HOME  ~ Burt Bacharach ~  M
7. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ B. J. Thomas ~  M
8. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ Julius Wechter & The Baja Marimba Band ~
9. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU  ~ Herb Alpert & The Tijuana Brass ~  M
10. BABY IT'S YOU  ~ Carpenters ~  F
11. THE LOOK OF LOVE  ~ Liza Minnelli ~  F
12. DON'T GO BREAKING MY HEART  ~ Roger Nichols & The Small Circle Of Friends ~  F
13. BOND STREET  ~ Burt Bacharach ~
14. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ Sergio Mendes & Brasil '66 ~  F
15. WALK ON BY  ~ We Five ~  FM
16. PROMISES, PROMISES  ~ Herb Alpert & The Tijuana Brass ~
17. THE LOOK OF LOVE  ~ Claudine Longet ~  F
18. HASBROOK HEIGHTS  ~ Burt Bacharach ~  M
19. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ Carpenters ~  F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約60分


A&Mレーベルのカタログの中から選曲された日本編集のバカラック物コンピ集です。

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バカラックがA&Mとアーティスト契約を結んで最初のアルバム 『 REACH OUT 』 をリリースしたのが1967年のこと。以降、A&Mのオーナーであるハーブ・アルパートやジェリー・モスは所属アーティストにバカラックの楽曲をカヴァーするよう勧めたそうな。そういった背景もあるんでしょう、オリジナル・アーティストのバージョンは少なくて殆どがカヴァーです。アルバムオンリー曲が多いのも特徴かと。

バカラックがA&Mに残したアルバムはサントラ盤やライヴ盤を含めて8作あり、その中からチョイスされたバカラック自演物は計4曲。T-13. 「 ボンド・ストリート 」 を除いて、T-1. 「 涙でさようなら 」 、T-6. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 、T-18. 「 ハズブルック・ハイツ 」 の3曲はいずれもバカラックが “ 歌っている ” 曲なんですねー。特に、「 ハズブルック・ハイツ 」 はA&M時代のバカラックベスト盤 『 A&M New Gold Series BURT BACHARACH 』 にすら収められていない曲。選者は “ 歌うバカラック ” にこだわりがあるのかも。

全体的にはA&Mらしくポップス感満載のコンピ集です。B.J.トーマスのT-7. 「 雨にぬれても 」 、ハーブ・アルパートとティファナ・ブラスのT-9. 「 ディス・ガイ 」 、カーペンターズのT-19. [ 遥かなる影 ] は当然のセレクションですね。

セルメン&ブラジル'66のT-2. 「 恋のおもかげ 」 は元曲以上にボサノヴァしてますし、イントロのフレーズはなんともクール。全米4位になったのも頷けます。同じくセルメンの疾走感あふれるT-14. 「 世界は愛を求めてる 」 は、シンフォニックなエンディングと併せてこの曲の名カヴァーのひとつだと思います。当時日本で大ヒットしたというボサ・リオのT-4. 「 サン・ホセへの道 」 やバハ・マリンバ・バンドのT-8. 「 小さな願い 」 も楽しいカヴァーです。

ソフト・ロック界では超有名なロジャ・ニコ&スモール・サークル・オブ・フレンズのT-12. 「 ドント・ゴー・ブレイキング・マイ・ハート 」 は個人的には好みではありませんが、男女ヴォーカル・グループであるウィ・ファイヴの凝ったコーラス・ワークが聴けるT-15. 「 ウォーク・オン・バイ 」 はなんともカッコイイです。

ちょっと路線の違う女性ヴォーカル物もそれぞれ印象に残ります。リタ・クーリッジのレゲエ風T-5. 「 ウィッシン・アンド・ホーピン 」 、ミュージカルの舞台上で独演してるかのようなライザ・ミネリのT-11. 「 恋のおもかげ 」 、まったり感が半端ないクロディーヌ・ロンジェのT-17. 「 恋のおもかげ 」 。

ライナーには各曲の収録アルバムがジャケ写入りで掲載されています。こういう配慮はうれしいですね。あと、歌詞と日本語訳付きなのも。

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【データ】
『 A&M SONGS OF BURT BACHARACH 』
V.A.

CD:1995年6月25日リリース、ライナーは萩原健太氏、歌詞付き(日本語訳も)
レーベル:A&M Records, Inc / POLYDOR K.K. (JP)
番号:POCM-1528

This Compilation Ⓟ1995 A&M Records, Inc
Compiled by Yoshi Nagato (Believe in Magic), Shun Okano (Polydor K.K. Japan)

2017年7月16日 (日)

Burt Bacharach MASTERPIECE Vol.3/V.A. (1995年)

'60年代のバカラックをターゲットにした日本編集のマニアックなコンピ集です。3部作の第3弾!

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1. SO LONG JOHNNY  ~ Jackie DeShannon ~  F
2. ANY OLD TIME OF THE DAY  ~ Sue Raney ~  F
3. KEEP AWAY FROM OTHER GIRLS  ~ Babs Tino ~  F
4. LOVE IN A GOLDFISH BOWL  ~ Tommy Sands ~  M
5. (THE MAN WHO SHOT) LIBERTY VALANCE  ~ Gene Pitney ~ M
6. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME  ~ Lou Christie ~  M
7. LITTLE BETTY FALLING STAR  ~ George Hamilton ~  M
8. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ The 4 Seasons ~  M
9. TO WAIT FOR LOVE  ~ Jay and The Americans ~  M
10. WALK ON BY  ~ Helen Shapiro ~  F
11. I CRY ALONE  ~ Jackie Lee ~  F
12. THE LAST ONE TO BE LOVED  ~ Billie Davis ~  F
13. ANONYMOUS PHONE CALL  ~ Frank Ifield ~  M
14. PROMISE HER ANYTHING  ~ Tom Jones ~  M
15. THIS EMPTY PLACE  ~ The Searchers ~  M
16. MAGIC POTION  ~ Jonny Sandon & The Remo Four ~  M
17. MY LITTLE RED BOOK  ~ Love ~  M
18. ANOTHER TEAR FALLS  ~ Gene McDaniels ~  M
19. LIVE AGAIN  ~ Irma Thomas ~  F
20. LET THE MUSIC PLAY  ~ The Drifters ~  M
21. ARE YOU LONELY  ~ The Isley Brothers ~  M
22. MOON GUITAR  ~ The Rangoons ~

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約56分


'60年代のバカラックをターゲットにした日本編集のコンピ集です。

本アルバムは、今は無きオールディーズ専門レーベル、エーサイド・レコードさんが1993年~1995年にかけてリリースした 『 バート・バカラック・マスターピース 』 シリーズ3部作のラストとなる第3弾。この第3弾は1961年~1966年にリリースされたマニアックなバカラック作品をコンパイルしたものです。(ちなみに、第1弾のVol.1は未所有)

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第2弾と比べると、有名曲は少ないし(T-5,6,8,10.くらい?)、オリジナル・バージョンも少なく(9曲)、チャート・インした曲も少ない(3曲)です。が、バカラックらしい曲が多く収録されていて、何回も繰り返し聴きたくなるコンピ集です。

初めてこのCDを聴いたときのことは忘れません。まず、冒頭のT-1. 「 ソー・ロング・ジョニー 」 にぶっ飛びました。なんやこのヘンテコな曲は!? 以前ジャッキー・デシャノンのアルバムを紹介した際にそのヘンテコぶりについて駄文を書いてます。おヒマでしたらご覧ください。 → 『 Are You Ready For This? 』

メロディとコード進行がヘンテコなアーマ・トーマスの T-19. 「 リヴ・アゲイン 」 も強く印象に残る曲です。この曲、録音はされたものの結局リリースされなかったみたいなんですね。それがこうしてこのコンピ集で聴けるワケで、ありがたやありがたや。

他にも、ドリーミーなスー・レイニーのT-2. 「 エニィ・オールド・タイム・オブ・デイ 」 、ボサ調が新鮮なフォー・シーズンズのT-8. 「 世界は愛を求めてる 」 、難しいメロディをドラマティックに歌ってるビリー・デイヴィスのT-12. 「 ザ・ラスト・ワン・トゥ・ビー・ラヴド 」 、やはりヘンテコなメロディのT-13. 「 アノニマス・フォーン・コール 」 、トム・ジョーンズが爆裂するT-14. 「 プロミス・ハー・エニィシング 」 、オリジナルのマンフレッド・マンより下手くそ?なラヴのT-17. 「 マイ・リトル・レッド・ブック 」 あたり、バカラックらしさが存分に楽しめます。

それから、本アルバムは1曲ごとのライナーが充実しています。でも、焦点あてているのはアーティスト。もう少し曲のことを知りたいな…とは思いますが。それにしても、T-21. 「 アー・ユー・ロンリー 」 にはビックリですね。メロディは 「 MAKE IT EASY ON YOURSELF(涙でさようなら) 」 と同じなのに作者クレジット&タイトルが違うなんて!

えんぽんさんがコメントでご指摘くださったとおり、『 バート・バカラック・マスターピース 』 シリーズ3部作のなかではこの第3弾が最も充実してると思います。(第1弾のVol.1は未所有なので聴いてませんが^^;)


【データ】
『 Burt Bacharach MASTERPIECE Vol.3 』
V.A.

CD:1995年6月25日リリース、ライナーは杉原志啓氏 & 和田恵美子氏
レーベル:A-Side Record (JP)
番号:AZ-5027

Planning and Compiled by "Baby Talk" Ueno and Yoshi Kaneko
Ⓟ1995 Manufactured by A-Side Record Company (Works Plus Inc.), Tokyo, Japan

2017年7月12日 (水)

In Love Again - Bacharach's songs/Alessandro Pitoni (2017年)

イタリアの男性シンガー、アレサンドロ・ピットーニのバカラック・カヴァー集です! リリースしたてのホヤホヤ!

Alessandro_pitoni

1. THE LOOK OF LOVE
2. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)
3. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
4. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
5. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
6. ANY DAY NOW
7. ON MY OWN
8. MAGIC MOMENTS
9. A HOUSE IS NOT A HOME
10. WIVES AND LOVERS
11. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
12. PLEASE STAY
13. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
14. WALK ON BY
15. ALFIE

収録時間約50分


イタリアの男性シンガー、アレサンドロ・ピットーニのバカラック・カヴァー集です!

リリース日は先月6月30日。リリースしたてのホヤホヤです。今のところAmazonではイタリア本国も含めてMP3のみですが、ディスクユニオンさんのサイトには “ CD 8月下旬入荷予定 ” との情報が! 私は待ちきれなくてダウンロードしちゃいました^^;

ジャケットには、アレサンドロ・ピットーニの名前の上に小さく “ papik presents ” と書かれています。papik とは、ローマの作編曲家である Nerio Poggi が立ち上げた音楽プロジェクトのこと。平たく言うとバンドみたいなものか? ともあれ、本アルバムはその papik がプロデュース&バックアップしたもののようです。

アレサンドロ・ピットーニ本人は、1990年からグループやソロで活動してるロック/ポップ系のシンガーらしいっす。でも詳しいことはよくわかりません。彼の公式サイトを開いて(勿論イタリア語)バイオグラフィをGoogleで日本語に翻訳してみたんですけど、なんとも理解困難で…。

収録曲はバカラック作品ばかり15曲。カヴァー定番曲が多いですが、全米1位になったT-7. 「 オン・マイ・オウン 」 、古いT-8. 「 マジック・モーメンツ 」 、R&BのT-12. 「 プリーズ・ステイ 」 など有名だけどあまりカヴァーされない曲も取り上げています。

全体的な印象はコンテンポラリーでポップ。元曲にこだわらず、新鮮なアレンジを施したものが多いです。クラブ風のT-1. 「 恋のおもかげ 」 、ボサノヴァ風のT-2. 「 ニューヨーク・シティ・セレナーデ 」 、アイザック・ヘイズ版っぽい8ビートのT-3. 「 遥かなる影 」 、静かに始まるものの女性シンガーとソウルフルなデュエットを聴かせるT-7. 「 オン・マイ・オウン 」 、スチール・ギターをフィーチャーしたちょっぴりハワイアンなT-8. 「 マジック・モーメンツ 」 、ハモンドの和音が懐かしいブリティッシュ風味の T-9. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 、4拍子のジャズ・バラード仕立てにしたT-10. 「 素晴らしき恋人たち 」 、コンテンポラリー・ロック調のT-14. 「 ウォーク・オン・バイ 」 など、色々と工夫が見られます。

一方、奇を衒わずに心を込めて歌うT-13. 「 世界は愛を求めてる 」 、ピアノだけをバックに歌い上げるT-15. 「 アルフィー 」 も悪くないです。アレサンドロのしゃがれた声は渋味も感じられて、こういったシンプルな歌もそれなりに聴かせます。

気軽に聴けてしかもアレンジに工夫がみられるこのアルバム、けっこう掘り出し物かと。


【データ】
『 In Love Again - Bacharach's songs 』
papik presents Alessandro Pitoni

MP3:2017年6月30日リリース
レーベル:Irma La Douce / Irma Records (IT)
番号:IRM 1603

Guest female singer: Ely Bruna (T-7.)

2017年7月 9日 (日)

CLOSE TO YOU - Tribute to Burt Bacharach/Iva Stanič & Gregor Ftičar trio (2015年)

スロベニアの女性ジャズ・シンガー、イヴァ・スタニックによるバカラック・カヴァー集です。

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1. WALK ON BY
2. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
3. TRAINS AND BOATS AND PLANES
4. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
5. A HOUSE IS NOT A HOME
6. THE LOOK OF LOVE
7. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
8. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)  (Instrumental)

収録時間約33分


スロベニアの女性ジャズ・シンガー、イヴァ・スタニックによるバカラック・カヴァー集です。

スロベニアは旧ユーゴスラビア最北端の国。西はイタリア、北はオーストリアと国境を接している…と言えばなんとなく場所おわかりでしょうか。私自身はそういう説明だけじゃピンと来なくて地図みてようやく認識できたんですけどね^^;。

146ff32c6490956d92aa74e548c1a68b_5300x300_2Staniciva_3イヴァさんは、スロベニアの首都リュブリャナの生まれ。 残念ながら生年は不詳。 ネットで画像拾ってみました。お美しい方ですね。 2005年にデビュー。スロベニア国内のジャズ・シーンで歌ってきた方だそうです。

2011年、そんな彼女が Best of Burt Bacharach プロジェクトを発表。以来、バカラックの曲をライヴなどで歌っているみたい。YouTube で彼女の名前を検索すると、2013年にライヴ録音された 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 や 「 ウォーク・オン・バイ 」 が見つかったりします。そのプロジェクトの中から8曲セレクトして2015年にリリースされたのが本アルバムというワケです。

取り上げられた8曲は、ちょっとマイナーなT-3. 「 汽車と船と飛行機と 」 を除くと有名曲ばかり。バックを務めるのは2013年のライヴでも演奏していた Gregor Ftičar トリオで、 ピアノの Gregor Ftičar はアレンジも担当。曲によりゲスト・ミュージシャンも参加しています。

イヴァさんはちょっと低めでザクッとした肌触りの声の持ち主。パワフルさ/繊細さどちらも適度に備えてらっしゃいます。バックもそうですが、あまり凝ったことはせず個々の楽曲の持ち味をシンプルに引き出そう…という意図を感じます。印象に残ったのは、R&B感が心地よいT-1. 「 ウォーク・オン・バイ 」 、男性シンガーとデュエットして楽しい雰囲気のT-4. 「 ディス・ガイ 」 、リズムが少し凝ってるT-7. 「 雨にぬれても 」 あたり。ラストのT-8. 「 ニューヨーク・シティ・セレナーデ 」 はピアノトリオだけの演奏で、前半はイージーリスニング的で退屈なのですが後半のピアノとドラムスのアドリヴには心躍りました。

本アルバム、CDはスロベニアだけでリリースされたらしく、日本のAmazonはもとよりスロベニアの隣国イタリアのAmazonでさえMP3しか購入できません。あしからず。


【データ】
『 CLOSE TO YOU - Tribute to Burt Bacharach 』
Iva Stanič & Gregor Ftičar trio

CD:2015年リリース (所有MP3は、2017年3月13日リリース)
レーベル:ZKP RTV SLO (Slovenija)
番号:113949

Arranged by Gregor Ftičar
Iva Stanič - vocal
Gregor Ftičar trio:
  Gregor Ftičar - piano
  Aleš Avbelj - bass
  Ante Žurbi - drums
Guest soloists:
  Adam Klemm - tenor sax (T-1.)
  Tomai Gajšt- flugelhorn (T-2,6.)
  Blaž Vrbič - male vocal (T-4.)

↓ Amazonでは購入できるのはMP3のみ

2017年7月 2日 (日)

THE APRIL FOOLS/O.S.T. (1969年)

1969年の米映画 『 幸せはパリで 』 のサントラです。バカラックが主題歌を提供!

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Original LP front cover/back cover

全16トラック中、バカラック作品は3トラック

A1. THE APRIL FOOLS  ~ Percy Faith, His Orchestra and Chorus ~ (3:02)
A2. THE PARTY AT GUNTHER'S (Dialogue)
A3. PETER'S PAD
A4.
TELEPHONE CALL TO THE WIFE AT HOME (Dialogue)
A5. LA LA LA  ~ Mongo Santamaria ~
A6.
MORE PARTY AT GUNTHER'S  (Dialogue)
A7. THE SAFARI CLUB (Music and Dialogue)
A8.
DO YOU DANCE (Dialogue)
A9. WAKE UP  ~ The Chambers Brothers ~

B1. SUGAR KITE  ~ California ~
B2. FLAME  ~ Robert John ~
B3. GIVE YOUR WOMAN WHAT SHE WANTS  ~ Taj Mahal ~
B4. I REMEMBER THE RAIN

B5. THE APRIL FOOLS (3:55)
B6. MINUET (Dialogue)
B7. REPRISE:THE APRIL FOOLS  ~ Percy Faith, His Orchestra and Chorus ~ (2:40)

収録時間約32分


1969年の米映画 『 幸せはパリで 』 のサントラです。

Img389aa_4Img389bb_3 この映画、今月(2017年6月)ようやく日本版がDVD化されました。パチパチ。いや嬉し。以前VHS版を一度だけレンタルして観たことがあるのですが、今回改めてDVDを観て内容を全く憶えていないことに愕然としました。ここまで何も憶えていないとは…coldsweats01

音楽はマーヴィン・ハムリッシュが担当。主題歌はバカラック&デイヴィッドの 「 THE APRIL FOOLS (エイプリル・フール) 」 。他にも、モンゴ・サンタマリア、チャンバー・ブラザーズ、タジ・マハールなどのアーティストの曲を取り上げています。ダイアログも5トラック収められていて、Dialogue のクレジットがないトラックも一部にダイアログが重なってたりします。ビデオのなかった当時、映画の雰囲気を伝える手段のひとつだったんでしょう。

主題歌は3トラック(T-A1,B5,B7.)収録! しかし、映画で用いられたディオンヌ・ワーウィック版はサントラには未収録。サントラはColumbia/ディオンヌはScepterとレーベルが異なり、契約上の問題かなにかで収められなかったのかな? 残念ですね。

ディオンヌ版の代わりに収められているのがパーシー・フェイス版(T-A1,B7.)。逆に、パーシー・フェイス版は映画では全く登場しません。サントラ用にレコーディングされたんですね。バカラックのアレンジだとこうはならないであろう流麗なストリングスとたっぷりエコーの効いたコーラス。十分パーシー・フェイスらしさが感じられます。リプライズのT-B7. には、エレベータの中でカトリーヌ・ドヌーヴがジャック・レモンをパリに誘う重要なシーンのダイアログが冒頭45秒間入ってます。

一方、T-B5. は、マーヴィン・ハムリッシュの仕事と思われるインスト版。メロディを吹くフリューゲルホーンの薄い感じはいかにもバカラックがアレンジ&プロデュースしたかのよう。1944年生まれのハムリッシュは当時25歳。映画の仕事は1968年からで 『 幸せはパリで 』 が3作目。まだ駆け出しなワケで、とにかくバカラック風味にしなくっちゃとか思ったんでしょう。このバージョンは、カエルから王子様に戻すためカトリーヌ・ドヌーヴがジャック・レモンにキスする、この映画で最もロマンティックな場面で流れます。

映画は、昇進したばかりのビジネスマンと社長夫人がパーティーで意気投合しパリへ駆け落ちするロマンティック・コメディ。そのパーティの中で、会場のBGMを担ってる生ピアノが 「 小さな願い 」 を弾き始めたとたん、突然女性がを歌いだすシーンがあります。楽しいシーンですが、歌いっぷりのそれはディオンヌ版ではなくてアレサ版なのがちと残念。会場にはピアノしかないのにドラムスやベースが聴こえるのはご愛敬coldsweats01

主題歌の 「 エイプリル・フール 」 は映画の中で計10回流れます(あるでお調べ)。
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キスしてダンス踊るシーンは本当にロマンティックな場面。その他、2人が絡むロマンティックな場面で多くこの曲が流れています。転調が多くみられるこの曲は、表には出ない心の揺れみたいなものを表現しているようにも感じられます。そして真打ちディオンヌ版。2回あるディオンヌ版が流れるシーンはどちらも情景と歌詞の見事なマッチングにため息が出ます。特に、手を取り見つめ合う2人を乗せたTWA機が飛び立つラスト・シーンは、歌詞がジーンと心に染み入ってきます。そう言えば、5月1日のムービープラス 『 この映画が観たい 』 でも、高橋幸宏さんが ─ 飛行機が飛び立っていくシーンでかかるのが 「 エイプリル・フール 」 の歌詞。ディオンヌ・ワーウィックのバージョンでしたけどね。それは、グッときましたね。 ─ と仰ってました。パリで幸せになってねと願わずにはいられません。

あぁ、自分もこんな大人のおとぎ話のような恋をしたいなぁ…と柄にもなく思ってしまったあるでおでした~。

㊟ THE APRIL FOOLS の邦題は、映画が 『 幸せはパリで 』 、主題歌が 「 エイプリル・フール 」 というのが一般的です。拙ブログもその通例に倣いました。


【データ】
『 THE APRIL FOOLS 』
O.S.T.

LP:1969年リリース
レーベル:Columbia
番号:OS 3340

Produced by Jack Gold
Arranged by Percy Faith (T-A1,B7.)
Arranged by Joe Scott (T-A5,B1,B2) (Brass Arrangement for T-A9.)
Arranged by Johnny Parker (T-A7.)
Arranged by Taj Mahal (T-B3.)
Selection From the Sound Track JACK LEMMON and CATHERINE DENEUVE in "THE APRIL FOOLS"
Title Music by Burt Bacharach and Lyrics by Hal David
Music by Marvin Hamlish

※ サントラは2007年にCD化されていたのですが、私は気づかず購入しそびれました。所有のLPは最近中古レコード屋さんでゲットしたものです。

2017年6月28日 (水)

バカラック スタイル/V.A. (1995年)

東芝EMIのカタログの中から選曲した日本編集のバカラック物コンピ集です。'70年代前半の和物インストが主体!

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1. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ ソニア・ローザ ~  F
2. TRAINS AND BOATS AND PLANES ~ 航空自衛隊音楽隊 ~
3. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  ~ ロイヤル・グランド・オーケストラ ~
4. WHAT'S NEW PUSSYCAT?  ~ 航空自衛隊音楽隊 ~
5. BOND STREET  ~ 航空自衛隊音楽隊 ~
6. BOND STREET  ~ 田代ユリ(ハモンドX-77) ~
7. THE LOOK OF LOVE  ~ 大田恵子(初期型シンセサイザーGX-707) ~
8. ALFIE  ~ 石川晶とカウント・バッファロー・オーケストラ ~
9. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ 石川晶とカウント・バッファロー・オーケストラ ~
10. ALFIE  ~ ソニア・ローザ ~  F
11. THE LOOK OF LOVE  ~ ソニア・ローザ ~  F
12. THIS G'S IN LOVE WITH YOU  ~ 石川晶とカウント・バッファロー・オーケストラ ~
13. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ 猪俣猛とウエスト・ライナーズ ~
14. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ ポール・レモン・オーケストラ ~
15. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ 川崎燎(ギター) ~
16. THE APRIL FOOLS  ~ 北野タダオとアロー・ジャズ・オーケストラ ~

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約51分


東芝EMIのカタログの中から選曲した日本編集のバカラック物コンピ集です。

選曲・監修は、コモエスタ八重樫さん(5th GARDEN)、浜田伸之さんのお二方。企画意図はライナーによれば ─  最近再び人気のバート・バカラック、このアルバムはそのバカラックの作品を日本のミュージシャンが自分達の感性で仕上げた作品を1枚のアルバムに編集したものです。 (中略) つまりこのアルバムは 『 レディメイド、バカラックを讃える 』 のアイディアをちゃっかり拝借、日本のミュージシャンに置き換えたものです。小西さん有難う! ─  ということでございます。

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セレクトされたのは1970年代前半のものばかり。ブラジルはサンパウロ生まれの女性シンガー~ソニア・ローザの3曲(T-1,10,11.)を除いてインスト物主体となっています。インストといってもビッグ・バンド系(T-8,9,12,13,16.)、イージー・リスニング系(T-3,14,15.)、吹奏楽(T-2,4,5.)、オルガン系(T-6,7.)という具合にジャンルはバラバラですが。

一般的な視点であればビッグ・バンド系やイージー・リスニング系に焦点が当たるのでしょうが、私の個人的なレコメンドは吹奏楽とオルガン系でございます。

吹奏楽は航空自衛隊音楽隊による演奏で、私が初めてバカラックを意識した原点のアルバム 『 ダイナミック・マーチ・イン・バカラック 』 からチョイスされたもの。既にウェブ・ページの 個人的な思い出 や当該アルバムの紹介記事で色々と語っていますのでここでは割愛します。

Photo_9X77_5Photo_10 オルガン系に私が興味津々なのは子ども時分にエレクトーンをちょっとかじったことがあるから。

オルガン奏者/ピアニストとして著名な田代ユリさんのT-6. 「 ボンド・ストリート 」 はドラムス、ベース、ギターを携えてのハモンド演奏。いかにもハモンドの音に途中のファンキーなアドリヴはこの曲にマッチしていますねー。画像は70年代のものと思われる田代ユリさん、ハモンドX-77、収録アルバム 『 ダイナミック・ハモンド・オルガン 』 のジャケットです。

Gx1_3Photo_13 エレクトーン(ヤマハ製電子オルガンの商品名)奏者、太田恵子さんのT-7. 「 恋のおもかげ 」 はソロ演奏。リズム無しの緊張感あるアレンジと演奏は全く独創的なものです。機種名のGX-707は、1975年に発売となるGX-1の発売前の仮の名前。本アルバムのライナーで “ 初期型シンセサイザー ” と説明されているように、厳密には電子オルガンではなくて多段鍵盤のポリフォニック・シンセサイザー。1975年発売当時の価格はナント700万円。それまでのエレクトーンやハモンドと違う音色は宇宙船のような外観と同様宇宙をイメージさせるものでした。私は生でGX-1(GX-707)の音を聴いたことありませんでしたから、本アルバムで聴けて嬉しかったです。画像はGX-1と収録アルバム 『 エレクトーン・リサイタル 』 のジャケット。ジャケ写の女性が太田さんです。

なんかバカラックと関係ない内容になってしまいスミマセンm(__)m。本アルバムに触れようとすると個人的な趣味でどうしてもこうなってしまうんです。悪しからず…

尚、石川晶とカウント・バッファロー・オーケストラ(T-8,9,12.)は、収録アルバム 『 ダイナミック・ビッグ・バンド・プレイズ・バカラック 』 を既に紹介済み。興味ありましたらリンク先までどうぞ。


【データ】
『 バカラック スタイル  Easy-listening Tokyo vol.1
V.A.

CD:1995年3月22日リリース
レーベル:東芝EMI
番号:TOCT-8875

選曲・監修: コモエスタ八重樫(5th GARDEN)、浜田伸之

2017年6月25日 (日)

レディメイド、バカラックを讃える/V.A. (1994年)

ソニー・レコードのカタログの中から選曲した日本編集のバカラック物コンピ集です。

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ジャケットの表/ケース裏

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CDトレイの下(バックカバー)/ジャケットの裏表紙

◆ (14"初めのあいさつ?)

1. WHAT'S NEW PUSSYCAT? ~ Wendy Carlos ~
2. WHAT'S NEW PUSSYCAT? ~ The Roy Meriwether Trio ~
3. WIVES AND LOVERS ~ Percy Faith ~
◆ (37" 「 WIVES AND LOVERS 」 )
4. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN ~ Andre Kostelanetz ~  F
5. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE ~ Ray Conniff and The Singers ~
6. MY LITTLE RED BOOK ~ Mel Torme ~  M
◆ (27" 「 MY LITTLE RED BOOK 」 )
7. IT DOESN'T MATTER ANYMORE ~ The Cyrkle ~  M
8. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU ~ Spiral Starecase ~  M
9. ARE YOU THERE (WITH ANOTHER GIRL) ~ The Buckinghams ~  M
10. ARE YOU THERE (WITH ANOTHER GIRL) ~ Percy Faith ~
11. BLUE ON BLUE ~ Bobby Vinton ~  M
12. THE BLOB ~ The Five Blobs ~  M
13. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN ~ Charlie Byrd ~
◆ (74" 「 THE LOOK OF LOVE 」 )
14. THE LOOK OF LOVE ~ Deacon Blue ~  M
15. WALK ON BY ~ Mongo Santamaria ~
◆ (70" 「 ONE LESS BELL TO ANSWER 」、「 WANTING THINGS 」 )
16. ONE LESS BELL TO ANSWER ~ Vikki Carr ~  F
17. WANTING THINGS ~ Astrud Gilberto ~  F
◆ (68" 「 WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE 」 )
18. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE ~ The Hullabaloo Singers and Orchestra ~  FM
19. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE ~ The New Christy Minstrels ~  FM
20. WIVES AND LOVERS ~ Johnny Dupont ~
◆ (15" 終わりのあいさつ? )
21. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU ~ From O.S.T. "The Heartbreak Kid" ~

◆ BURT BACHARACH TALKS : バカラック語る
※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約58分


ソニー・レコードが所有するカタログの中から選曲した日本編集のバカラック物コンピ集です。

選者は、当時ピチカート・ファイヴの小西康陽さん、バカラック・コレクターの坂口修さん、当時sound impossibleと名乗っていた(その後Fantastic Plastic Machine、現在はFPMと変遷)DJの田中知之さんという、とてつもなく濃いお三方。ちなみに、ジャケットの裏表紙のサインは小西康陽さん直筆のもの。サインを頂戴した経緯は こちら をご覧ください。

このコンピ集のサプライズは、バカラックが本アルバムのために語ってくれたコメントを彼自身の肉声で収めていること。こんなコンピ集、後にも先にも本アルバムだけでしょう。

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オリジナル・アーティストによる曲はボビー・ヴィントンのT-11. 「 ブルー・オン・ブルー 」 とファイヴ・ブロッブス名義のT-12. 「 ザ・ブロブ 」 の2曲のみ。全21曲の残り19曲はバカラック有名曲を主体としたカヴァー物です。

全体的な印象は上品でお洒落で白っぽい感じ。コロンビアってそんなイメージのレーベルなのかしらん。それとも選者のセンスか? イージー・リスニング界有名楽団のひとつ~パーシー・フェイス(T-3,10.)をはじめ、アンドレ・コステラネッツ(T-4.)、レイ・コニフ・シンガーズ(T-5.)、フルバルー・シンガーズ(T-18.)などのイージー・リスニング系コーラスが目立っていますね。

ジャズ・ギタリストのチャーリー・バード(T-13.)、アフロ・ラテン・ジャズ・パーッカショニストのモンゴ・サンタマリア(T-15.)、オルガン奏者のジョニー・デュポン(T-20.)など、ジャズ系アーティストのカヴァーもクールです。

男性ヴォーカルをフィーチャーしたカヴァーも、メル・トーメ(T-6.)やスパイラル・ステアケース(T-8.)、バッキンガムス(T-9.)など上品?なポップスが多いです。

R13544761238324045jpeg そんな中で私のイチオシは、アストラッド・ジルベルトのT-17. 「 ウォンティング・シングス 」 。フルートやストリングスによるふわっとしたサウンドとアルトラッド・ジルベルトのまったりした歌声が心地よく、4拍子のボサノヴァに変化するアウトロも素敵です。この曲はCTIレーベルから1971年にリリースされたアルバム 『 Gilberto With Turrentine 』 収録曲なのですが、共演アーティストであるスタンリー・タレンタインはこの曲には参加していないんですね。実は私、タレンタインの雑で大雑把なテナー・サックスが苦手でして。その意味でも嬉しいなと(笑)。
ちなみに彼女はそのアルバムで 「 WHERE THERE'S A HEARTACHE 」 (3:07) もカヴァー。この曲は 『 明日に向って撃て! 』 サントラ中のインスト曲 「 COME TOUCH THE SUN (太陽をつかもう) 」 にハル・デイヴィッドが詞をつけて改題したもので、1970年にサンドパイパーズが歌ったのが最初。このジルベルト版も 「ウォンティング~ 」 同様にふわっとしたサウンド&まったりした歌唱で心が洗われるようです。この曲でもタレンタインはサックス吹いてないし(笑)。

なお、スパイラル・ステアケースのT-8. 「 ディス・ガイ 」 については収録アルバムを拙ブログで紹介済みです。興味ありましたらご覧ください。 → こちら

小西康陽さんによるマニアックな解説も充実しています。しかも、─ さらに深く興味を持った方のために、ぼくの好きなバカラック作品 「 他社の推薦盤 」 リストを別に載せてみた ─ という嬉しいオマメ付き。一家に1枚欲しいアルバムです(^^)。


【データ】
『 レディメイド、バカラックを讃える THE READYMADE HALL OF FAME
the readymade collection of the great Burt Bacharach compositions 』
V.A.

CD:1994年11月2日リリース
レーベル:Readymade / Sony Records
番号:SRCS 7470

Supervised by KONISHI, yasuharu for Readymade Inc.
selectors: 小西康陽、坂口修、田中知之(sound impossible)
Ⓟ1994 Compiled by Sony Music Entertainment (Japan) Inc.
Ⓒ1994 Sony Music Entertainment (Japan) Inc.
Manufactured by Sony Music Entertainment (Japan) Inc.

«Burt Bacharach MASTERPIECE Vol.2/V.A. (1994年)

★ リンク ★

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