2017年4月26日 (水)

1619 BROADWAY/Kurt Elling (2012年)

米男性ジャズ・シンガー、カート・エリングが2012年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

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全11トラック中、バカラック作品は1トラック

6. A HOUSE IS NOT A HOME (7:02)


米男性ジャズ・シンガー、カート・エリングが2012年にリリースしたアルバムです。

カートは1967年シカゴ生まれ。1995年にブルーノートと契約して6枚のアルバムをリリース。本アルバムは、2006年から在籍したコンコードにおける4作目です。アルバムタイトルの 『 1619 BROADWAY 』 とはニューヨークのブリル・ビルディングの所在地のこと。アルバムの副題 “ THE BRILL BUILDING PROJECT ” にあるように、ブリル・ビルディングのソングライター達に捧げられたアルバムだそうです。

本アルバムのリリース時は45歳くらいのはず。…なのに、ジャケ写がなんともシブ過ぎて。もっと年長の方かと思っちゃいましたょ。

曲目リストをみると、ジェリー・リーバー&マイク・ストーラー、バリー・マン&シンシア・ワイル、ジェリー・ゴフィン&キャロル・キング、バート・バカラック&ハル・デイヴィッドといった、ブリル・ビルディングを代表するソングライターの作品が並んでいます。他に、デューク・エリントン、ポール・サイモン、サム・クックなどの曲も取り上げています。私が知らない曲の方が多いですけど^^;。

バカラック&デイヴィッド作品はT-6. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 。バックは、ピアノ、ベース、ドラムス、ギターのカルテット。元々は4拍子のバラード曲ですが、3拍子っぽくしたり4拍子に戻ったりとリズムは凝っていてゆったりしたなかにも緊張感が漂います。カートもかなりメロディを崩して歌っています。原曲のエッセンスはかなり薄れて、なんか聴いてて落ち着かないです^^;。本人はカッコイイと思って演ってるのかしらん。カートの歌声はバリトンで深く渋味があって、私的には好みなのですが。

T-1. 「 オン・ブロードウェイ 」 はR&B風コンテンポラリー・ジャズという感じなのに対し、ブルースのT-5. 「 I'M SATISFIED 」 なんかはストレートなバップ・スタイル。一方、キャロル・キングのT-8. 「 SO FAR AWAY 」 はバラードよろしく丁寧に歌ってますし、T-10. 「 AMERICAN TUNE 」 はピアノだけをバックにシンプルに歌っております。

選曲にしてもパフォーマンスにしても、振れ幅の大きなアルバムでした。


【データ】
『 1619 BROADWAY THE BRILL BUILDING PROJECT
Kurt Elling

CD:2012年9月25日リリース
レーベル:CONCORD JAZZ
番号:CJA-33959-02

Produced by Chris Dunn, Kurt Elling and Laurence Hobgood
Co-Produced by Darryl Pitt
Recorded May 3-5, 2012 by Chris Allen at Sear Sound, New York, NY
Musicians:
  Kurt Elling - voice
  John Mclean - guitar
  Laurence Hobgood - piano
  Clark Sommers - bass
  Kendrick Scott - drums, congas
T-6. 「 A HOUSE IS NOT A HOME 」
  Arranged by Laurence Hobgood

2017年4月23日 (日)

Golden Hits (VolumeⅡ)/Roger Williams (1970年)

米国の男性ピアニスト、ロジャー・ウィリアムスが1970年にリリースしたベスト・アルバムです。バカラック・カヴァーを2曲収録!

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Original LP front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏

全11トラック中、バカラック作品は2トラック

3. ALFIE (3:53)
8. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU (3:28)

※所有CDはLPと収録順が異なっており、上記曲順はLPのものです。また、所有CDは1トラックカットされて全10トラックとなってます。


米国の男性ピアニスト、ロジャー・ウィリアムスが1970年にリリースしたベスト・アルバムです。

ロジャーは1924年生まれ(2011年没)。3歳からピアノを始め、大学やジュリアード音楽院でピアノを学びました。1955年、テレビのタレント発掘番組に出演したのがきっかけでKAPPレコードの創設者 David Kapp の目に留まり、「 枯葉 」 でシングル・デビュー。これがいきなり全米1位の大ヒット。以後、ポピュラー/イージーリスニングのピアニストとして活躍。ビルボード誌によれば、“歴史上最も売れてるピアノ・レコーディング・アーティスト”なんだそう。また、ロジャーは“大統領のためのピアニスト”として知られ、トルーマン以来9代の米国大統領のためにピアノを演奏した方なんだとか。(全てWikiより)

既に50枚以上のアルバムをリリースしていたロジャーにとって、本アルバムは 『 Greatest Hits 』 (1961年)、『 Golden Hits 』 (1967年)に続いて3枚目となるベスト・アルバム。それにしても、このLPジャケットはどうにかならなかったのでしょうか。イージーリスニングとしてこれはイカンでしょ。CDをリイシューするに際してジャケットを差し替えたのは正解ですね(リイシューCDのジャケットも安っぽくてそっけないですが^^;)。

さて、バカラック・カヴァーは2曲。T-3. 「 アルフィー 」 は、1968年のアルバム 『 The Impossible Dream 』 から。主役はピアノで、控えめにベース、アコギ、ストリングス、パーカション、ハープがサポート。ロジャーのピアノはリリカルで優しいタッチですが、たまにグリッサンドを派手にやらかす部分もあり、メリハリが効いたものです。

もう1曲は、1969年のアルバム 『 Happy Heart 』 からT-8. 「 ディス・ガイ 」 。金管の重厚なハーモニーが印象的なイントロに続いて、最初はリリカルなピアノ・ソロ。ちょうど1分経ったあたりからベース、ドラムス、アコギが加わってスウィングに。…と思ったら、サビは一転金管の重厚なアンサンブル。2コーラス目はまたスウィングになって、エンディングはピアノと金管アンサンブルが合体。なかなかユニークなカヴァーでございます。

他の収録曲も、何か一癖あるアレンジ&演奏です。音質は良いとは言えないし、現代でも通用する…といった類の演奏ではなく時代を感じるのは事実ですが。個人的には、メロディの合間に入れる和音の伴奏がユニークな 「 ビートでジャンプ 」 が印象に残りました。


【データ】
『 Golden Hits (VolumeⅡ) 』
Roger Williams

LP:1970年リリース (所有CDは、1994/11/3リイシューの米国盤)
レーベル:KAPP Records (所有CDは、MCA Records)
番号:KS 3638 (所有Cは、MCD-22100)

T-3. 「 ALFIE 」
  Producer - Hy Grill
  Arangd by Roger Williams
  Orchestrated by Ralph Carmichael
T-8. 「 THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU 」
  Producer - Hy Grill
  Arangd by Roger Williams
  Orchestrated by, Conductor Frank Hunter

2017年4月19日 (水)

ARTHUR/O.S.T. (2011年)

米映画 『 アーサー 』 2011年リメイク版のサントラです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

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全10トラック中、バカラック作品は1トラック

10. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)  ( 3:47 ) ~ Fitz and The Tantrums ~


Img363ss 米映画 『 アーサー 』 2011年リメイク版のサントラです。オリジナルは1981年でしたから、30年経ったんだ。

日本では劇場未公開。Amazonビデオのレンタルにあったので観ようかなと思ったのですが、まぁたぶん(いや、絶対)途中で寝るだろうと…結局レンタルしませんでした。というワケで、映画についてはノーコメントですm(__)m

サントラ収録曲は10曲。うち6曲は映画のための書き下ろしだそうで、総じてポップ/ロックなバンド・ミュージックです。アーティストはよく知らない方々ばかり。インディーズなのかしらん。面倒くさいので調べてません^^;。

んで、ラストがT-10. 「 ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO) 」 。オリジナルの映画から使われたのはこの曲だけです。以下、アルバムのプロデューサーであるJason Winterのコメントを引用します。拙い訳でスミマセン。

─  過去の経験から、クラシックをリメイクするのは簡単じゃないことを私は知っています。 だからこそ、歓喜に満ちた 「 ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO) 」 を演奏してくれたフィッツ・アンド・ザ・タントラムズにとても感謝しています。 オリジナルに敬意を表しつつも独自にモダンなひねりを加えているところが、私は好きです。 ─ (アルバムのライナーより)

Aboutpress1 フィッツ・アンド・ザ・タントラムズは、スタジオ・エンジニア&ミュージシャンだったマイケル・フィッツパトリック(リード・ヴォーカル)を中心に2008年にLAで結成されたポップ・バンド。フィッツに女性ヴォーカル+サックス&フルート+キーボード+ベース+ドラムス&パーカッションを加えた6人組。2010年にインディーズのDangerbird Recordsと契約して同年1枚目のアルバムをリリース。2013年にElektraへ移籍、メジャー・デビューしました。

テンポは♩≒92で、クリストファー・クロスのオリジナルよりかなり速め。ブロウするサックス、和音を刻むピアノ、動き回るベース、8ビートのドラムス、パワフルなヴォーカル。そしてサビでは4ビートのタテノリ。ここまでノリの良い 「 ARTHUR'S THEME 」 のカヴァーは他にはありません。好きかと言われると返答に困りますが、彼らの意欲は買います。少なくとも、サントラ収録他曲との相性はいいと思います。

サントラ用にレコーディングしたときはまだインディーズ時代。相当思い切った起用だったと思うのですが、アルバム・プロデューサーのコメントからすると見事期待に応えたんでしょうね。良かった良かった(^^)


【データ】
『 ARTHUR 』
O.S.T.

CD:2011年4月5日リリース
レーベル:WaterTower Music / SONY CLASSICAL
番号:88697903432

Soundtrack Album Producer: Jason Winer
Music Supervisors: Dave Jordan and Jojo Villanueva
T-10. 「 ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO) 」
  Produced by Michael Fitzpatrick and James King
  Performed by Fitz and The Tantrums

2017年4月16日 (日)

BORN FREE/LOVE, ANDY/Andy Williams (1967年)

アンディ・ウィリアムスが1967年にリリースしたアルバム2枚。それぞれバカラック・カヴァーを1曲ずつ収録!

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『 BORN FREE 』 original LP front cover/back cover

全12トラック中、バカラック作品は1トラック

8. ALFIE (2:51)

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『 LOVE, ANDY 』 original LP front cover/back cover

全11トラック中、バカラック作品は1トラック

3. THE LOOK OF LOVE (2:52)

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所有CD(2 on 1)のジャケットの表/ケースの裏


アンディ・ウィリアムスが1967年にリリースしたアルバム2枚をまとめてご紹介します。

アンディ・ウィリアムスは、1927年12月米中西部アイオワ州生まれ。バカラックは1928年5月生まれですから、約半年ほどアンディの方がお兄さんってことになりますね。2012年9月に84年の生涯を終えられました。そう言えば、ハル・ディヴィッドが亡くなったのも同じ2012年9月でしたね…。

アンディは米男性ポピュラー・シンガーを代表するひとり。「 ムーン・リバー 」 のカヴァーはあまりにも有名ですが、正直個人的には全く興味を抱かず今日まで過ごしてきました。The Chordettes(サ・コーデッツ)の1958年のヒット曲 「 LOLIPOP 」 のMVにアンディが出演して口に指を突っ込んで“ポンッ”と鳴らしてる間抜けな顔は印象に残ってるんですが(笑)。

さて、アルバム 『 BORN FREE 』 は1967年4月リリース。アルバムのタイトルにもなっている 「 BORN FREE 」 は映画 『 野生のエルザ 』 の主題歌。他にも 「 サニー 」 、「 夜のストレンジャー 」 などを歌っています。これらは皆1966年にヒットした曲。バカラック・カヴァーのT-8. 「 アルフィー 」 も1966年の映画の主題歌ですもんね。歌い出しの伴奏はアコギだけ。ストリングスが加わったあと、ベース、ドラムス、ヴィブラフォン、ホルン、コーラスが入ってきます。アルト・サックスだけちょっと下品な音色で残念ですが、情感豊かなオーケストレーションは素敵です。アンディもそのバックに合わせた感じでソフトな歌いっぷりなのですが、気持ちがこもっていて優しいおじさんが若い女の子を諭してるかのような雰囲気が出ています。

もう1枚のアルバム 『 LOVE, ANDY 』 は、『 BORN FREE 』 の次作で同年10月にリリース。同年ヒットした 「 君の瞳に恋してる 」 や前年ヒットしたビーチ・ボーイズの 「 神のみぞ知る 」 なんかを歌っています。バカラック・カヴァーはT-3. 「 恋のおもかげ 」 。1967年の英国映画 『 007 カジノ・ロワイヤル 』 の曲ですから、これも旬なカヴァーです。イントロでソプラノ・サックス、ストリングス、ホルンが奏でる旋律にまず引き込まれます。ストリングスや金管によるオブリガートも、原曲のコピーじゃなくて独特の美学があり素敵です。アンディの歌はそれほど印象深くないんですが。

バカラック作品以外の収録曲も、アレンジに工夫が見られます。アンディ・ウィリアムスのようなシンガーは既にヒットしたを歌うのが仕事。“コピーに近いイージーリスニング的演奏+歌”の安易な作品が多いんだろうと思っていましたが、見事予想は外れました。ご紹介したアルバムは2枚ともニック・デカロがプロデュースし、アレンジも一部を除いて手掛けています。ニック・デカロといえば、著名なプロデューサー/アレンジャーの一人ですもんね。歌手を生かすも殺すもプロデュース・ワーク次第なのかも。


R920066014765758483848jpegここからはオマケです。MP3でしか所有していないバカラック・カヴァーをご紹介。
1970年の春にリリースされたその名も 『 RAINDROPS KEEP FALLIN' ON MY HEAD 』 というアルバムで 「 雨にぬれても 」 (3:11)をカヴァーしています。これが実にまったりしてまして。♩≒94の遅めのテンポで、この曲定番のシャッフルではなくソフトロック的8ビートのなおしゃれなリズム。アコギ中心のバンド、ヴィブラフォン、ストリングス、女性コーラスなどを配した厚めの演奏をバックに、アンディもあえて弾むような歌い方はせずにソフトで流れるような歌唱を聴かせます。オリジナルがヒットしてまだ数か月の段階ですが、他とは違った個性的なカヴァーだと思います。プロデューサーはDick Glasser、アレンジャーはAl Capps。どこの誰だか知りませんが、いい仕事してます。
実は、先月~3月15日のBS-TBS 『 SONG TO SOUL 』 を観るまでアンディのバージョンを聴いたことがありませんでした。そこでCDを入手しようとしたのですが、Amazonでは中古でも4,000円近い値付けが…。万年金欠病のあるでおとしてはおいそれと手が出せるものではなく…。この曲はMP3で我慢することにして、CD入手は超リーズナブルでしかも2 on 1の 『 BORN FREE/LOVE, ANDY 』 に流れてしまったワケでございます。お恥ずかしぃ^^;


【データ】
① 『 BORN FREE 』/② 『 LOVE, ANDY 』
Andy Williams

LP:① 1967年4月10日/② 1967年10月16日 リリース (所有CDは、1999年3月23日リリース)
レーベル:COLUMBIA (所有CDは、Collectables Records / Sony Music)
番号:① CS 9480/② CS 9566 (所有CDは、COL-CD-6049)

Produced by Nick DeCaro
Arranged by Nick DeCaro, Eddie Karam (①T-4,11), J. Hill (①T-3,5)

2017年4月12日 (水)

Sweet Illumination/Clémentine (2008年)

フランスの女性歌手、クレモンティーヌが2008年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを2曲収録!

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全16トラック中、バカラック作品は2トラック

1. MAGIC MOMENTS (3:25)
10. Toute La Pluie Tombe Sur Moi [RAINDROPS KEEP FALLIN' ON MY HEAD] (4:19)


Img359fg フランスの女性歌手、クレモンティーヌが2008年にリリースしたアルバムです。

クレモンティーヌは1963年パリ生まれ。1988年にフランスCBSからデビューし、著名ジャズ・ミュージシャンと共演アルバムを数枚発表。その後は日本のレーベルに所属してポップスのフィールドで活動を続けているようです。アニソンの企画物もけっこうリリースしてるみたいですが。

2008年にはデビュー20周年記念3部作をリリース。本アルバムはそのラストにあたるクリスマス・ソング+代表曲を加えたシーズンズ・グリーティング&ベスト・アルバムなんだそう(CDの帯からの引用です)。アルバムのジャケットがもうモロそういう仕立てですね。

バカラック・カヴァーは2曲。T-1. 「 マジック・モーメンツ 」 はクリスマス・ソングの扱いでしょうか。新録みたいですし。本アルバムの中で、クレモンティーヌはなぜかこの曲だけ英語で歌っています。ズン・チャ・ズン・チャのリズムでチンドン屋のような演奏をバックに、クレモンティーヌはちょっと鼻にかかった声で棒読みしてるように軽ーく歌っています(囁いてると言っても過言ではありません)。なんかチープなカヴァーです。

T-10. 「 雨にぬれても 」 はフランス語歌詞で歌っています。イントロは雷と雨音のSEで始まり、続くギターのカッティングはこの曲にしては新鮮。リズムは軽い16ビート。クレモンティーヌの囁くような歌も軽い軽い。このクレモンティーヌのカヴァーは先月3月15日にBS-TBSで放送された番組 『 SONG TO SOUL 』 で初めて知ったヴァージョンでして、さっそくCDをゲットした次第。でも、調べてみたらこの曲は2002年リリースのアルバム 『 30℃ 』 に収録されてました。番組では2008年と紹介されてたんですけどねー(>_<)。

ほかの収録曲もそうですが、クレモンティーヌの歌声は軽すぎて音程も微妙だし…。はぁ~、脱力…。バカラック・カヴァーが入ってるから入手しましたが、そうでなかったら絶対自分では購入しない類のアルバムです^^;。


【データ】
『 Sweet Illumination 』 (邦題:スイート・イルミネーション)
Clémentine

CD:2008年11月26日リリース
レーベル:Sony Music Japan International
番号:SICP-2077

Executive Producers: Kazuhisa Saito, Orange Blue Productions
General Producer: Nobuya Higuchi
T-1. 「 MAGIC MOMENTS 」
  Realized and arranged by Eiko Sakurai
  Instruments recorded by Eiko Sakurai
  Voice recorded by Robson Galdino at Studio Robsound, Paris
  Guitar: Nobuyasu Horikoshi
  Trumpet: Luis Valle
  Trombone: Eijiro Nakagawa, Masayuki Okamoto (Bassoon)
  Chorus: Clémentine, Robson Galdino
T-10. 「 Toute La Pluie Tombe Sur Moi [RAINDROPS KEEP FALLIN' ON MY HEAD] 」
  Realized and arranged by David Kakon
  Guitar: Daniel Joseph
  Keyboards: David Kakon

2017年4月 9日 (日)

SEIKO JAZZ/松田聖子 (2017年)

松田聖子がスタンダードを歌ったアルバムです。バカラック・カヴァーを3曲収録!

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全10トラック中、バカラック作品は3トラック

4. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  (5:48)
6. ALFIE  (5:11)
9. THE LOOK OF LOVE  (5:33)


Img357ff_2 まさか拙ブログで松田聖子のアルバムを紹介する日が来ようとは!

今年(2017年)3月にリリースされたばかり。巷では話題になっていたようですが、私は今月になって初めて知りました。入手したてのホヤホヤです。

スタンダードばかり10曲。ピアノトリオ、ギター、トランペット、サックス、パーカッション、トロンボーン(4本も!)、それにストリングスを加えた贅沢な布陣。デビッド・マシューズによるアレンジは、ジャズとポップスの中間的なものでしょうか…ちょっとステレオタイプで退屈な面もありますがまぁこんなもんでしょう。過去にポピュラーやジャズの歌い手さん方がたっくさんレコーディングしてきたフォーマットです。

バカラック1曲目は、T-4. 「 遥かなる影 」 。テンポはゆっくりめ。ソプラノ・サックスが主旋律、ストリングスが対旋律を演奏するイントロや間奏はなかなか新鮮。それに比べて松田聖子の歌唱はあまり印象に残りません。上手いとは思うのですが、平板なんですね。あと、サビ部分でのブレス位置が普通とズレてる点も気になりました。ゆっくりすぎるテンポのせいで息が続かないのかもしれませんが…。

2曲目のT-6. 「 アルフィー 」 、彼女は頑張って歌っていると思います。この曲は歌うのとっても難しいと多くの歌い手さんがおっしゃってますからねー。しかし、彼女のパフォーマンスは歌詞をただなぞって歌ってるようで、私の心に響いてきません。実に勿体ないです。

T-9. 「 恋のおもかげ 」 もやはり平板的な印象は変わりません。表情に陰影があまりないと言えばいいのか。低音域で声があまり出ていないのがこの曲では特に目立ちますしね。イントロのストリングスなんて一聴してこの曲とはわからずけっこう新鮮なんですが。

バカラック作品以外の各曲も、同じような印象を持ちました。彼女自身が本当に歌いたい曲なんだろうか…と勘ぐっちゃいます。アイドル時代のような張りはありませんが、高音域のブライトなところとか聖子ちゃんらしい特徴は出ています。その歌にふくらみが出て表現力が増せば、魅力あるスタンダード・シンガーになれるかもしれません。

それにしても、10曲のうちバカラック作品が3曲もあるとは! それは素直に嬉しかったです。自身の選曲だとしたら、彼女はバカラックが好きってことか? 今後のアルバム展開を注視していきたいと思います。

ここからは個人的などーでもいい話です…。
彼女がデビューした1980年当時、私は高2。アイドルを含めた歌謡曲はTVの歌番組などでよく耳にしてはいましたが、興味の対象からは外れてたんですね。アイドルのシングルで私が購入したことがあるのは、中学生時代の太田裕美と岩崎宏美(どちらも筒美京平さんの楽曲!)だけでしたから。ところが、大学生(1982年~1986年)になると、ドナルド・フェイゲン、ジョージ・ベンソン、アル・ジャロウ、カシオペア、大瀧詠一、山下達郎、杉真理、ユーミンなどとならんで松田聖子のアルバムもBGMでよく流したりしました(もちろんLP買うお金なんてありませんから、もっぱらレンタルレコード店で借りてきてカセット・テープにダビングしてですが)。『 風立ちぬ 』 ~ 『 Tinker Bell 』 あたりのアルバムは、アイドルとしてではなく普通のポップスとして楽曲もプロデュースもクォリティ高かったですからね。特に 『 Canary 』 はよく聴きました。収録されてる 「 蒼いフォトグラフ 」 という曲がもう大好きで。TBSドラマ 『 青が散る 』 の主題歌で、そのドラマ&原作小説とともに青春時代の思い出の1曲です。


【データ】
『 SEIKO JAZZ 』
松田聖子

CD:2017年3月29日リリース
レーベル:EMI / ユニバーサル・ミュージック
番号:UPCH-20446 (通常盤)

Produced by Shigeyuki Kawashima (川島重行)
All songs arranged by David Matthews
All Tracks Vocals by Seiko Matsuda
New York Recording Unit
Musicians
  Michael Rodriguez - trumpet, flugel horn
  Bob Malach - tenor sax, soprano sax, flute
  Ross Traut - guitar
  Mike Ricchiuti - piano
  Mike Hall - bass
  Terry Silverlight - drums
  Jim Saporito - percussion
<trombones>
  Birch Johnson - trombone
  John Fedchock - trombone
  Larry Farrell - trombone
  Dave Taylor - bass trombone
"Manhattan Strings"
Vocal Recorded & Mixed by Takeshi Hara (Sony Music Studio Tokyo)

2017年4月 2日 (日)

ALFIE/O.S.T. (2004年)

英国映画 『 アルフィー 』 2004年リメイク版のサントラです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

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全15トラック中、バカラック作品は1トラック

14. ALFIE (4:23) ~ Joss Stone ~


英国映画 『 アルフィー 』 2004年リメイク版のサントラです。

1965年版の映画は観たことありますが(勿論ビデオで)、リメイク版のコレは全く…。なので、映画のことは触れません。あしからず。

ローリング・ストーンズのミック・ジャガーが元ユーリズミックスのデイヴ・スチュワートと一緒にレコーディング。それに、前年の2003年にデビューした英国の女性R&Bシンガー、ジョス・ストーンも参加。映画公開(2004年10月22日)の数日前にリリースされました。日本語ライナーによれば、本アルバムはミック・ジャガーのソロ作品として高く評価されるものだそう。Amazonのレビューにも同傾向のコメントが見られます。

拙ブログではミック&デイヴの作品はスルーして、本アルバム唯一のバカラック作品であり1965年版の主題歌をカヴァーしたT-14. 「 アルフィー 」 だけにスポットを当てます。歌っているのはジョス・ストーン。彼女は1987年生まれで当時17歳。デビュー・アルバムは全英4位(全米39位)、同年9月にリリースしたセカンド・アルバムは全英1位(全米11位)を獲得! と英国や米国などでヒットしていました。

─  タイトル・ソングは、僕ではなく別のアーティストに歌ってもらおうと思った。中々適任者がいなくて。すでにいろんな人がこの楽曲を録音していて、何たって知ってるだけで76ヴァージョンもある。デイヴがキャバレー・スタイルを見事にカットしたスタイルにアレンジしてジョス・ストーンに歌ってもらった。2テイクでOKになったんだ! ─ (2004年9月の記者会見でのミックのコメント。日本盤CDのライナーより)

ジョス・ストーンは当時旬のアーティストだっただけでなく、ミックが彼女の実力を高く評価していたから声を掛けたんでしょう。それともストーン繋がりか?(ストーンズ→ストーン…そんなこたぁないか^^;) いずれにしても、彼女の堂々たるパフォーマンスは圧巻です。ピアノとハモンドオルガンだけをバックにした繊細且つブルージーな歌唱はとても弱冠17歳とは思えません。単に歌が上手いだけじゃない、ソウルを感じます。大人の女性がアルフィー(映画の主人公)のような若いイケメンに諭す…この曲はそういう歌詞なんですが、聴いていて違和感ないですもん。素晴らしい!

ジョス・ストーンは、『 BURT BACHARACH A LIFE IN SONG 』 (邦題:バート・バカラック ライブ・イン・ロンドン 2015) でも抜群のパフォーマンスを披露しています。彼女は自身のアルバムではバカラック作品を取り上げてないようですが、是非他の曲もカヴァーして欲しいものです。


【データ】
『 ALFIE 』
O.S.T.

CD:2004年10月18日リリース (所有CDは、2004年12月8日リリースの日本盤)
レーベル:Virgin Records (所有CDは、東芝EMI)
番号:024386324122 (所有CDは、VICP-68709)

Soundtrack Album Producers: Dave Stewart and Mick Jogger
Executive Album Producers: Charles Shyer and Tony Wadsworth
T-14. 「 ALFIE 」
  Produced by Dave Stewart and Mick Jogger
  Piano: James Pearson
  Hammond B3 Organ: Raymond Anger
  Recrdd and Mixed by Peter Cobbin at Abey Road Studios, London

2017年3月22日 (水)

Playing Bacharach/Aisha Ruggieri quartet (2010年)

伊太利亜の女性ジャズ・ピアニスト、アイシャ・ルジェリによるバカラック集です。

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全10トラック中、バカラック作品は8トラック

1. A HOUSE IS NOT A HOME
2. MAGIC MOMENTS
3. THANATOS
4. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
5. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR
6. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
7. AFRODITA'S DINNER
8. THIS EMPTY PLACE
9. WALK ON BY
10. CASINO ROYALE

収録時間約53分


伊太利亜の女性ジャズ・ピアニスト、アイシャ・ルジェリによるバカラック集です。(ラスト・ネームはラッギーリと読む事例もあるようですが、本記事ではルジェリとしておきます)

Img355cc_2Img355dd_2Aisharuggieri_jazzitsett2010_2 アイシャ・ルジェリはイタリア北部ヴェネト州パドヴァ(Padova, ヴェネツィアの西あたり)の出身。最初はクラシックを弾いていたそうですが、17歳の時に2枚のレコード(ジョン・コルトレーンとビル・エヴァンス)を聴いて衝撃を受けジャズをやることに決めたんだとか。

2005年に最初のアルバムをリリース。本アルバムは3枚目のアルバムにあたります。写真のうち2枚は紙ジャケを開いたところにあったもの。残りの1枚はネットから拾ったもので、本アルバムのチラシのようです。

ピアノ、ドラムス、ベースに、ジャンルカ・カローロのトランペット/フリューゲルホーンをフィーチャーしたカルテット編成。ストレートでコンテンポラリーなジャズです。この手のジャズが苦手な人にはちょっと敷居が高いかもしれません。ですが、本気で曲に向き合ってる感じが伝わってきて好感が持てます。ネットでアイシャのことを調べていたら、本アルバムに対する彼女の思いが窺える記述がありました。私のテキトーな訳でどうぞ。

─  大きな尊敬の念をもってこの作曲家(訳者注:バカラックのこと)を読み込まなきゃいけないと思ったし、過去の2枚のアルバムとは違うものにしたかったの。ブリリントな音色のジャンルカ・カローロ、加えて二人の優れたミュージシャンのサポートもあって、私は自分の好きな曲を自由にアレンジすることができたわ。ただひとつ気を配ったのは、リスナーが最初から我々の世界に入ってこれるよう、メロディを尊重したことかしら。 ─ (2012年の彼女のインタビュー記事より抜粋)

全10曲のうち8曲がバカラック作品ですが、そのうちT-8. 「 ディス・エンプティ・プレイス 」 とT-10. 「 カジノ・ロワイヤル 」 はジャズでは殆どといっていいほど取り上げられてこなかった曲です。アイシャ、けっこうチャレンジャーですね~。

演奏は全体的に硬派。各曲でのアドリヴ、特にトランペット/フリューゲル・ホーンのプレイは時に激しく時に甘くソフトに…メリハリが利いてます。リズムも凝ってる曲が多いです。アルバム冒頭のT-1. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 、4/4拍子のこの曲を7/8拍子(或いは倍テンポで4/4拍子+3/4拍子か?)で演奏したのには、いきなりで面食らいました。軽いボサノヴァに仕上げたT-5. 「 愛のハーモニー 」 ぐらいですかね、肩の力を抜いて聴けるのは。

特徴的だなぁと感じるのが、イントロでピアノが独自のフレーズを提示してそれを間奏部やアウトロでも差し込んでくる点。T-1.「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 、T-5. 「 愛のハーモニー 」 、 T-8. 「 ディス・エンプティ・プレイス 」 、T-10. 「 カジノ・ロワイヤル 」 あたりで見られるのですが、強い印象をリスナーに与えます。アイシャは意識してアレンジしたのだと思います。先に紹介した彼女のコメント ─ リスナーが最初から我々の世界に入ってこれるよう、メロディを尊重したことかしら ─ の一端でしょうか。

因みに、T-3.とT-7. はアイシャの自作曲。この2曲は、なんでもバカラックにインスパイアされて作曲したものだとか。出来はともかく、その心意気や良し!

本アルバム、Amazon/iTunesで視聴できます。気になる方はぜひご試聴を!


【データ】
『 Playing Bacharach 』
Aisha Ruggieri quartet featuring Gianluca Carollo

CD:2010年9月13日リリース
レーベル:GECO RECORDS (ITALY)
番号:100/005

All tracks composed by Burt Bacharach except T-3,7. composed by Aisha Ruggieri
All arrangements are written by Aisha Ruggieri
Musicians
  Aisha Ruggieri - piano, arrangements
  Gianluca Carollo - trumpet, flugelhorn
  Edu Hebling - doublebass
  Mauro Beggio - drums
Recorded in Calliano (AT) live recording at Studiottanta, mixered and mastered by Massimo Visentin December, 2009

2017年3月19日 (日)

WE ALL LOVE BURT BACHARACH/Massimo Colombo (2016年)

伊太利亜の男性ジャズ・ピアニスト、マッシモ・コロンボによるバカラック・カヴァー集です。(CD無し/デジタル配信のみ)

Photo

1. THE LOOK OF LOVE
2. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
3. ALFIE
4. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
5. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)
6. GOD GIVE ME STRENGTH
7. GO ASK SHAKESPEARE
8. I SAY A LITTLE PRAYER
9. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
10. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
11. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
12. WALK ON BY
13. A HOUSE IS NOT A HOME

収録時間約57分


伊太利亜の男性ジャズ・ピアニスト、マッシモ・コロンボによるバカラック・カヴァー集です。

670_0_4557283_58097 彼は1961年ミラノ生まれ。ピアニストであると同時に作曲家/編曲家でもあり、作曲した作品は700曲もあるそうです。

本アルバムは、彼の24作目のリーダー・アルバムに当たります。写真は本アルバムのレコーディング時のもので、右から3人目がマッシモ・コロンボです。

演奏は、ピアノ、ベース、ドラムス、トランペットのカルテットが基本。半数以上の曲に女性ヴォーカルがフューチャーされ、曲によってはサックスやバス・クラリネットも加わります。バス・クラリネットなんてジャズでは珍しいですよね~。因みにさきほどの写真には、左端にドラムスのピーター・アースキン(元ウェザー・リポート)、その右にヴォーカルのキャスリーン・グレイス、右端にベースのダレク・オレスが写っています。キャスリーン・グレイスは、USC(南カリフォルニア大学)で教鞭を取り、L.A.を拠点に活動する女性ジャズ・シンガーだそうです。

全13曲すべてバカラック作品。カヴァー定番曲が並ぶなか、異色なのはT-7. 「 ゴー・アスク・シェイクスピア 」 。バカラック2005年のアルバム 『 AT THIS TIME 』 に収録されているこの曲、カヴァーされるのは本アルバムのバージョンが初めてじゃないでしょうか。

ジャズではありますが、ハードで難解なアドリヴは少なめであまり肩に力を入れることなく聴けます。一番ハードなのはT-11. 「 世界は愛を求めている 」 かな? T-4. 「 雨にぬれても 」 中間部の間奏が5拍子だったり、T-8. 「 小さな願い 」 のイントロのピアノのフレーズがやけに神妙だったり、T-9. 「 遥かなる影 」 がラテンのモントゥーノっぽいリズムだったり、T-13. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 の冒頭1分弱が無伴奏で歌われたり…といったところが印象に残りました。

でも、聴いていてあまり心に響かないんです。ミュージシャンはテクニックもあるし演奏は上手いのですが、何て言うんですかねー仕事で演ってる感が強くって。言い換えると、バカラックへのリスペクトをあまり感じないと言うか。あくまでも私個人の感覚なので、決してけなしているわけではありませんよ^^;。

YouTubeに本アルバムのPVが上がっています。ご参考まで。 → こちら


【データ】
『 WE ALL LOVE BURT BACHARACH 』
Massimo Colombo

MP3:2016年11月4日リリース
レーベル:PLAY & Oracle Records Ltd
番号:無し

Produced by Giampaolo Pasquile and Michele Garruti
Arrangements - Massimo Colombo
Musicians
  Massimo Colombo - piano
  Darek 'Oles' Oleszkiewicz - double bass
  Peter Erskine - drums and percussion
  Michael Stever - trumpet and flugelhorn
  Kathleen Grace - vocals (T-1,2,4,6,8,10,12,13.)
  Bob Mintzer - tenor sax (T-3.) / bass clarinet (T-5,11.)
  Aaron Serfaty - percussion (T-2.)
Recorded at Tritone Recording Studios, Los Angeles (California)

2017年3月15日 (水)

WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE/Andra Day (2017年)

米女性シンガー、アンドラ・デイによる 「 世界は愛を求めている 」 のカヴァーです。(現時点では配信のみ)

Andra_day

1. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE (4:21)


米女性シンガー、アンドラ・デイによる 「 世界は愛を求めている 」 のカヴァーです。(現時点では配信のみです)

Andradaycrmyriamsantos2016billboard アンドラ・デイは、1984年12月米ワシントン州生まれのカリフォルニア州サンディエゴ育ち。地元のお店のイベントで歌っていたところを偶然スティーヴィー・ワンダーの妻の目に留まり、スティーヴィーも気に入ります。それがきっかけとなり2015年に30歳でメジャー・デビュー。デビュー・アルバム 『 Cheers to the Fall 』 はR&Bチャートで3位まで上昇。グラミー賞でもR&B部門でノミネートされるなど、いきなり注目を集める存在になったんだとか。

今回ご紹介する 「 世界は愛を求めている 」 のカヴァーは、ホテル・グループ HYATT(ハイアット) のグローバル・キャンペーン “ For A World of Understanding. ” のCMのためにレコーディングされたもの。CMの映像は、今年(2017年)初めにタイ、モロッコ、スペインで撮影されたそうなのですが、耳を傾けたり他に目を向けたり相手を気遣うといた小さな思いやりが人を繋ぐ第一歩なんだ…ということを表現しているように感じます。思いやりは、言い換えると愛。この曲の歌詞に通じるものがありますネ。 → その映像はこちら

アンドラ・デイは、低くパワフルでしゃがれてて…特徴的な声の持ち主。じっくり聴かせるタイプのシンガーでしょうか。最初の30秒程度はピアノだけ、それから少しずつ楽器が加わっていく落ち着いたアレンジ。最初は抑えていたアンドラの歌唱も徐々に熱を帯びてきます。アウトロの演奏がスタッカートになる部分、アンドラはメロディをかなりフェイクさせますが曲想に合っていて嫌味はありません。ちゃんと歌詞を理解して歌ってるんだなぁと感じました。

この曲は彼女の公式アカウントでYouTubeにアップされています。ぜひ聴いてみてください。 → こちら


【データ】
『 WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE 』
Andra Day

MP3:2017年2月26日リリース
レーベル:Warner Bros. Records Inc.
番号:無し

クレジット詳細不明
配信:Amazonなし/iTunesあり

2017年3月12日 (日)

RAINDROPS/Lisbet Guldbaek (2012年)

デンマーク出身のシンガー、Lisbet Guldbaek のバカラック・カヴァー集です。(CD無し/デジタル配信のみ)

Raindrops

1. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
2. WALK ON BY
3. ONE LESS BELL TO ANSWER
4. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
5. ALFIE
6. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
7. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
8. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
9. WIVES AND LOVERS
10. I JUST HAVE TO BREATHE

収録時間約32分


デンマーク出身の女性シンガー、Lisbet Guldbaek のバカラック・カヴァー集です。彼女の名前の読み方がわからず原語のままです。ご勘弁を~m(__)m

彼女は1970年デンマークのオールボー生まれ。11歳の時にミュージカル 『 アニー 』 で主役を務めたそう(デンマーク上演の際だと思います)。その後1990年代の早い時期にパリに移り、ミュージカルに出演したりアニメーション映画の劇中歌を吹き替えで歌ってきたそうです。

最近ではソロ・シンガーとしての活動に重きを置いているようで、自主制作ではありますが自身初のアルバムとなったのが本作でございます。2009年にレコーディングして2012年にデジタル配信のみでリリースされました。

332183_9_2Lisbet_guldbaek_3 バックはアコースティック・ギターとダブルベースだけのシンプルなもの。彼女の声はブライトでハスキー。ミュージカルを歌ってきた方にしては大げさな表現は見られず、チャーミングな印象です。間奏ではギターやベースのアドリヴも入りますし、曲の後半では彼女もメロディをフェイクして歌ったりしています。ポップスではなくてジャズ寄りですかね。

収録曲はバカラック&デイヴィッド作品ばかり10曲。軽快なボサノヴァにアレンジしたT-1. 「 恋よさようなら 」、ブルース調のT-2. 「 ウォーク・オン・バイ 」、イントロが雨粒っぽいT-4. 「 雨にぬれても 」、スウィングにアレンジしたT-7. 「 愛の思い出 」、大胆にもAメロを3拍子にアレンジしたT-8. 「 遥かなる影 」 などが印象に残ります。

そんなアルバムの中で異彩を放っているのがT-10. 「 アイ・ジャスト・ハフ・トゥ・ブリーズ 」 。この曲だけ超レア曲ですし、バックがギターのみのシンプルなパフォーマンスってのもこの曲だけ。思いのこもった彼女の歌い方も素晴らしいです。彼女にとって何かしら思い入れのある曲なんでしょうか。

YouTubeに本アルバムと同じメンバーによるライヴ動画が上がっていて、その中で本アルバム収録曲を5曲ほどダイジェスト的に聴くことができます。「 雨にぬれても 」 「 世界は愛を求めている 」 「 ワイヴズ・アンド・ラヴァーズ 」 「 恋よさようなら 」 、観客の反応と他の曲を挟んでラストが 「 アルフィー 」 。その動画はこちら   猫顔のキュートな方ですね~。


Lisbet_guldbaek_beautifulここからはオマケです。
Lisbet Guldbaek は 『 RAINDROPS 』 のあと、2015年に 『 The beautiful 』 というアルバムをリリース。そのなかで、「 GOD GIVE ME STRENGTH 」 (4:47) をカヴァーしています。
バンド+ストリングスをバックに丁寧に歌っているのですが、声量があまりないせいかサビの歌い上げる部分で盛り上がりが不足気味なのがちょっと残念なところです。オリジナリティのあるイントロ、ドラムスとともにリズムを刻むアコギ、ストリングスのピチカート、ちょっと変わったベースの動き等々、あちこちに工夫がみえるアレンジは好印象なんですけどねー。


【データ】
『 RAINDROPS 』
Lisbet Guldbaek, Bonfils & Bongarçon

MP3:2012年リリース
レーベル:無し
番号:無し

Musicians
  Vocal - Lisbet Guldbaek
  Guitar - Bruno Bongarçon
  Bass - Tony Bonfils (except T-10.)
Recorded in 2009

2017年3月 5日 (日)

3月15日の BS-TBS 『 SONG TO SOUL ~永遠の一曲~ 』 は、B.Jトーマスの 「 雨にぬれても 」!

アルバム紹介は今回お休みして、TV放送のご案内です。

毎週水曜夜、BS-TBSで 『 SONG TO SOUL ~永遠の一曲~ 』 という番組が放送されています。

─  この番組は、多くの人々の心に響き続けるソング(名曲)のルーツを辿りながら音楽を生み出したソウル(魂)と音楽に魅せられたソウル(魂)をつないでいく、新しいジャンルの音楽番組です。 ─

この番組、結構好きでよく観るんですよねー。ただ、これまで(現時点で116回)バカラック作品は取り上げられていません。カーペンターズの 「 青春の輝き 」 の回で、カーペンターズのキャリアを振り返る中に 「 遥かなる影 」 が出てきたり…というのはありましたけどね。

そしてとうとう、3月15日の放送でB.J.トーマスの 「 雨にぬれても 」 が取り上げられるんですっ!happy01

B.J.トーマスへのロング・インタビューがあるようですし、バカラック自伝の共著者であるロバート・グリーンフィールドも出演するとか。バカラックに関してどういう発言が飛び出すのか、興味津々です。

チャンネル・放送日時
 BS6ch  BS-TBS
 2017年 3月15日(水) 23:00~23:54
 『 SONG TO SOUL ~永遠の一曲~ 』
 「 雨にぬれても 」 B.J.トーマス


詳細は番組サイトをご覧ください。

2017年3月 1日 (水)

ANYONE WHO HAD A HEART/Jan Monroe (1996年)

英女性シンガー、ジャン・モンローが1996年にリリースしたバカラック・カヴァーのシングルです。

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1. ANYONE WHO HAD A HEART (radio edit) (2:54)
2. ANYONE WHO HAD A HEART (instrumental) (2:54)


英女性シンガー、ジャン・モンロー こと ジャネット・モンロー(Janette Monroe)が1996年にリリースしたバカラック・カヴァーのシングルです。

ジャネット・モンローは、英国マンチェスター郊外の生まれ。1990年にプロの歌手/ソングライターとしてキャリアをスタートし、ライヴやレコーディングでバック・シンガーを務めたりTVCMのジングルを歌ってきました。また、ソプラノ歌手としてロンドン・フィルやBBCフィルハーモニックなどとも共演してきたそうです。彼女の公式サイトには、A Classical/Crossover soprano と紹介されています。クロスオーバー・ソプラノって言葉の響き、カッコイイですね。

そんな彼女がキャリアのハイライトの一つとして挙げているのが、この 「 恋するハート 」 。The British Heart Foundation (英国心臓財団) の公式シングルとしてレコーディングされたもので、PVには彼女も出演しました。ジャケット表の右上に “ a donation will be made to THE HEART OF BRITAIN charity for each record sold ” と書かれているように、本シングルの売上はチャリティとして寄付に充てられたそうです。タイトルに “ HEART ” が入ってるからこの曲が選ばれたのかしらん。

それにしても、CDの名義をわざわざ Janette ⇒ Jan に変えたのはなぜなのか? そのワケは公式サイトにも書いてなくてわからずじまい。ちょっと心残り。

PVをお聴きいただいたらわかると思いますが、アレンジはイントロを除いてシラ・ブラック版そのもの。チャリティ・ソングということもあって、凝ったアレンジよりもリスナーに耳馴染みのあるアレンジの方が良かったのでしょう。製作費に限りがあったためか、ストリングスや金管はシンセだしドラムスもプログラミングですけどネ。ジャン・モンローは、シラ・ブラックほどのブライト感はないものの高音域でも十分声量があって実に堂々とした歌いっぷりです。他にCDリリースがないのが信じられないくらい。なお、T-2. は単なるカラオケ。できればミックス違いとか聴きたかったなぁ。


【データ】
『 ANYONE WHO HAD A HEART 』
Jan Monroe

CDシングル:1996年リリース
レーベル:Love This Records (UK)
番号:LUVTHISCD11

Produced by Mike Stock and Matt Aitken
Musicians - Mike Stock and Matt Aitken
Backing vocals - Mae Mckenna, Miriam Stockley
Recorded in London, England 1996

2017年2月26日 (日)

Du är den ende/Lill Lindfors (1967年)

スウェーデンの女性シンガー、リル・リンドフォッシュのファースト・アルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

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全14トラック中、バカラック作品は1トラック

12. Alltid nåt som får mej att minnas  - (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME -  (2:51)


Img348hhスウェーデンの女性シンガー、リル・リンドフォッシュのファースト・アルバムです。

1940年5月12日、フィンランドのヘルシンキ生まれ。なんと、バカラック爺と誕生日birthdayが一緒sign01 爺は1928年生まれなのでちょうど一回り違うワケですネ。

スウェーデンのストックホルム近郊で育ち、1960年頃から歌手として活動。1965年にミュージカル 『 ウェストサイド物語 』 のスウェーデン語版でアニタ役に抜擢されて広く知られるように。1966年のシングル 「 Du är den ende 」 (禁じられた遊びのテーマ) がヒットして、翌1967年にその曲名をタイトルにした本アルバムをリリース。 ─  豊かな表現力と愛らしいルックスで60年代から70年代の北欧のトップアイドルに君臨  ─  したそうです。(日本盤CDの帯より引用)

収録されてる14曲、全てスウェーデン語で歌っています。前述したT-1. 「 禁じられた遊びのテーマ 」 (本アルバムの邦題:あなただけ) や T-3. 「 いそしぎのテーマ 」 (同様邦題:あなたの影)、 T-8. 「 マシュ・ケ・ナダ 」 (同様邦題:私のサンバ) など欧米ポップスやボサノヴァのカヴァーが目立ちます。「 マシュ・ケ・ナダ 」 での歌唱は、本家セルジオ・メンデス&ブラジル'66のヴォーカルであるラニ・ホールの声質にけっこう似てるかも。スウェーデンでは当時まだボサノヴァは少数派だったようで、本アルバムはスウェーデンの音楽制作におけるマイルストーンになったんだとか。

クレジットによれば2種類のオケが演奏してることになってますが、バンド、ストリングス、金管、木管、男女コーラスなどが曲によっていろいろな組み合わせで演奏しています。

んで、バカラック・カヴァーはT-12. 「 愛の思い出 」 。テンポは、オリジナルであるルー・ジョンソン版の♩≒154、英国でヒットしたサンディ・ショウ版の♩≒172に対し、その中間の♩≒160。バックの演奏は基本その二つのバージョンの完コピで新鮮味はありませんが、リズムはボサノヴァ色チョット強めでしょうか。リルの歌唱は、パワフルなルー・ジョンソンや元気いっぱいのサンディ・ショウと比べるとかなりおとなしく、まったり感すら漂います。アウトロのメロディ(サンディ・ショウは歌ってないけどルー・ジョンソンは歌ってるあのメロディ)なんか、まったりを通り越してウッフン的なセクシーさをアピール。なかなかユニークだったりします(笑)。


【データ】
『 Du är den ende 』 (邦題:たった一人のあなた)
Lill Lindfors

LP:1967年リリース (所有CDは、2000年12月20日リイシューの日本盤)
レーベル:Polydor (所有CDは、ユニバーサル・ミュージック / ビクターエンタテインメント)
番号:LPHM 46 258 (所有CDは、UICY-3075)

Producer - Curt Peterson
Marcus Österdahls Orkester (T-1~5,7~9,11.)
Sven-Olof Walldoffs Orkester (T-6,10,12~14.)

2017年2月22日 (水)

MORE TODAY THAN YESTERDAY/Spiral Starecase (1969年)

米ポップ・ロック・バンド、スパイラル・ステアケースが1969年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

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Original LP front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏

全11トラック中、バカラック作品は1トラック

4. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU (3:27)


米ポップ・ロック・バンド、スパイラル・ステアケースが1969年にリリースしたアルバムです。

1964年に結成した男性5人組。当初のバンド名は Fydallions でしたが、1968年コロムビア・レコード契約時に改名。1969年1月にリリ-スした3枚目のシングル 「 MORE TODAY THAN YESTERDAY 」 が全米12位のヒットとなり、新たに9曲を3日間でレコーディングして本アルバムをリリース。しかしバンドは1970年に解散。バンド唯一のアルバムとなってしまいました。

LP両面を埋めるには楽曲が足りなかったのでしょう。当時ライヴでよく演奏していたという他アーティストの既存ヒット曲を6曲カヴァー。そのうちの1曲がハーブ・アルパートが歌ったバカラック作品のT-4. 「 ディス・ガイ 」 でした。ストリングスに金管やサックスも加わったバックの演奏は今でいうソフト・ロック。でも、ベースの動きがソウルっぽくて面白い。リード・ヴォーカルのパット・アップトンの歌声はハイトーンで甘く、この曲の雰囲気には合ってるかも。

私が所有しているCDは、本アルバム収録曲に加えてシングルのみの曲(5曲)や未発表曲(7曲)、パット・アップトンのソロ(2曲)を含めたコロンビアでのコンプリート集(全25曲)。実は、未発表曲の中にバカラック作品が2曲入ってるんですねー。2枚目のアルバム用に1970年1月にレコーディングしたものの一部だそうです。尚、各トラックはレコーディング順に収められていて、「 ディス・ガイ 」 も13トラック目に入ってました。

<所有CD>
13. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
21. WALK ON BY (3:05)
23. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD (3:04)

T-21. 「 ウォーク・オン・バイ 」 は、♩≒102のテンポで金管を前面に出した馬力のあるソウル・バージョン。8分音符で刻まれるウォーキング・ベースがもぅたまらなくって。パット・アップトンもそれなりにパワフルに歌っています。オリジナリティのある好カヴァーだと思います。一方、T-23. 「 雨にぬれても 」 に関しては、弾むようなシャッフルのリズムとパット・アップトンの軽い声質の相性がイマイチかなぁと。なんとなくですけどねー。


【データ】
『 MORE TODAY THAN YESTERDAY 』
『 MORE TODAY THAN YESTERDAY : THE COMPLETE COLUMBIA RECORDINGS 』 (所有CD)
Spiral Starecase

LP:1969年5月19日リリース (所有CDは、2003年にリイシューされたUS盤。ボーナス・トラック付き)
レーベル:Columbia (所有CDは、Taragon Records / Sony Music Entertainment)
番号:CS 9852 (所有CDは、TARCD-1100)

Produced by Sonny Knight
Arranged by Al Capps
Recorded November 18, 1968 (T-1. 「 MORE TODAY THAN YESTERDAY 」, T-2. 「 BROKEN-HEARTED MAN 」 )
Recorded April 14,15,18, 1969 (T-3~11.)

2017年2月19日 (日)

Full Circle - Back to Bacharach/Debbie Fleming (2016年)

トロント在住の女性シンガー、デビー・フレミングによるバカラック・カヴァー集。掘り出し物です!

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1. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
2. ALFIE
3. THE LOOK OF LOVE
4. A HOUSE IS NOT A HOME
5. I SAY A LITTLE PRAYER
6. ANYONE WHO HAD A HEART
7. PROMISES, PROMISES
8. WALK ON BY
9. ONE LESS BELL TO ANSWER
10. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
11. THE WINDOWS OF THE WORLD / SHINE* / WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE

* Written by Debbie Fleming

収録時間約53分


カナダはトロント在住の女性シンガー、デビー・フレミングによるバカラック・カヴァー集です。

─  デビー・フレミングは若い時にバート・バカラック&ハル・デイヴィッドの音楽を学びました。'60年代、ディオンヌ・ワーウィックは彼女のアイドルで、トロントのミュージック・シーンにおいてまだ駆け出しの女性歌手だったデビーは本CDに収めたような曲をたくさん歌ったのです。バカラック&デイヴィッドは20世紀で最も旋律的で美しい音楽を書いたソングライター・チームのひとつ。デビーは、私たちの歴史に彼らが大きな貢献をしたことを称賛する時が来たと感じました。詳しくは、公式サイトの “ Deb's blog ” をご覧ください。 ─

Photo これは、アルバムのライナーに書かれていたメッセージを意訳したもの。彼女の公式サイトの “ Deb's blog ” には、Full Circle – Back to Bacharach – The Process というタイトルの記事があって、本アルバムの制作経緯がとても詳しく綴られています。拙ブログも最大限参考にさせていただきました。ちなみに、こちらの彼女の画像は公式サイトから拝借したものです。

彼女は首都オタワ生まれのトロント育ち。セッション・シンガー或いはライヴのバックアップ・ヴォーカルとしてキャリアを積む一方、ジャズ・ヴォーカル・グループや合唱団の一員としても活動してきました。ソロやジャズ・ヴォーカル・グループでアルバムも複数リリース。地元愛は相当なものらしく、本アルバムもトロント最高のミュージシャンと一緒に作り上げたそうです。

収録曲は全てバカラック&デイヴィッド作の有名曲ばかり。ただし、メドレー(T-11.)の2曲めだけはデビー・フレミングの自作曲。彼女はソングライターでもあるんですねー。2015年秋にまずR&Bテイストで6曲(T-2,4,6,8,10,11.)をレコーディング。クリスマス・シーズンを挟み、2016年1月にメンバーを少し入れ替えジャズで5曲(T-1,3,5,7,9.)をレコーディング。CDは奇数トラックがジャズ、偶数トラックがR&Bという風に交互に並んでいます(最終トラックのT-11.は除く)。この並び順が絶妙で、曲調の違いを一層際立たせる効果を生んでいます。

まずジャズの5曲。バックの演奏はピアノトリオ+ギターのカルテットで、曲によってゲストが加わります。T-1. 「 遥かなる影 」 は、終盤でコーラスが加わりますが、実にジャズしてます。ゲストのコーラスはハンプトン・アヴェニュー4 という男女4人のジャズ・ヴォーカル・グループで、リーダーはデビーだそうです。T-3. 「 恋のおもかげ 」 はセルジオ・メンデス'66のバージョンをベースとしたアレンジ。この曲でも、コーラスのハンプトン・アヴェニュー4を多用した独特のアレンジが光ります。T-5. 「 小さな願い 」 も見事にジャズしてますし、変拍子もちゃんとやってくれてます。トランペットとサックスのホーン・アレンジもなかなか渋いです。T-7. 「 プロミセス・プロミセス 」 は涼しげなラテン・ジャズ風のアレンジ。中間部でのフリューゲルホルンのアドリヴが短いけれど印象的でクールです。T-9. 「 悲しみは鐘の音とともに 」 もまさしくジャズでデビーの歌唱もジャズっぽい。繊細なドラムスや中間部でのピアノのアドリヴも素敵です。

R&Bテイストの6曲はどうでしょう? T-2. 「 アルフィー 」 はわりとオーソドックス。1コーラス目はしっとりと、中間部でのサックスのアドリブを挟み2コーラス目からはエモーショナルに歌い上げます。T-4. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 はルーサー・ヴァンドロス版を下敷きにしたアレンジで、本家ほどではありませんがそれでも7分に迫ろうかという長尺曲。デビーは、ルーサーを変に真似ることなくしっかりと自分のものにして歌っています。T-6. 「 恋するハート 」 はR&B色の濃い、熱い演奏が素晴らしい。T-8. 「 ウォーク・オン・バイ 」 は意表を突いて6/8拍子のR&Bにアレンジ。ブルース・フィーリング溢れる演奏とパワフルなデビーの歌唱がうまくブレンドされています。T-10. 「 ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・ヘヴン 」 はこれまた意表を突いてミディアム・テンポのポップなボサノヴァにアレンジ。金管の演奏もノリがよくデビーも楽しそうに歌っています。個人的にはトロンボーンのアドリヴが聴けるのが嬉しい!

大トリのT-11. は 「 世界の窓と窓 」(約2分) ~ 彼女の自作曲 「 SHINE 」(約45秒) ~ 「 世界は愛を求めている 」(約2分弱) ~ 「 世界の窓と窓 」(約30秒)という4曲メドレー。「 世界の窓と窓 」 はエレピのイントロから始まるゆったりしたR&Bバラードにアレンジ。アレンジも素敵だし、感情を込めて歌うデビーは本アルバム中の白眉かも。「 SHINE 」 はゴスペル調ですがメドレーでここに入っても全く違和感がありません。続く 「 世界は愛を求めている 」 はオーソドックスなアレンジですが、金管やサックスの和音がいい感じ。リプライズとなる 「 世界の窓と窓 」 のバックはエレピではなくピアノ。ここでも感情を込めて歌うデビー。余韻が残るエンディングです。素晴らしいっ!

「 世界の窓と窓 」 ~「 世界は愛を求めている 」 のメドレーといえばルーサー・ヴァンドロス版が本家で、あちらもエンディングはリプライズで 「 世界の窓と窓 」 ですよね。そのルーサー版をリスペクトしつつも、彼女は自分なりのアプローチで素晴らしいメドレーを創り上げました。お見事!

─  私は、これらの曲に何か新しいひねりを加えたいと思っていたの。 ─  公式サイトのブログ記事より引用した言葉ですが、そんな彼女のこだわりが十分感じられるアルバムでした。

ただ、ちょっと惜しいのはデビーの声が高音域で弱いところ。低中音域にくらべて線が細くて音程も安定性に欠ける面があるんですね。年齢的に厳しいからだと思うのですが、それでもメロディをフェイクしてごまかす…なんてことは一切しないその姿勢に拍手を送ります。パチパチ

アルバムのタイトル 『 Full Circle 』 は、彼女のルーツである'60年代にもこれらの曲を歌っていてまた戻ってきた…ということを意味してるそう。ジャケット左側のモノクロ写真は1968年のもので、ジャケットでも同じことを表現したかったんですねー。

そして、アルバムのサブ・タイトルは Back to Bacharach 。拙ブログでは、これまで Back to Bacharach というタイトルの付いたアルバムを3枚紹介しています。
  BACK TO BACK BACHARACH/CASINO ROYALE (1999年)
  BACK TO BACHARACH/Michael Ball (2007年)
  BACK TO BACHARACH/Steve Tyrell (2008年)

それぞれ特徴あるバカラック・カヴァー・アルバムですが、デビー・フレミングのアルバムはそれらに勝るとも劣らない思いのこもったアルバムでした。CD番号もない自主制作盤ですが、これぞまさしく掘り出し物sign01 MP3でも配信されています。興味ありましたら試聴だけでも是非!


【データ】
『 Full Circle - Back to Bacharach 』
Debbie Fleming

CD:2016年4月16日リリース
レーベル:℗2016 Debbie Fleming
番号:-

Executive producer: Debbie Fleming
Arranger: Debbie Fleming (T-2,3,4,7,8,10,11)、Mark Kieswetter (T-1,5,6,9)
Arranger of strings and horns: Mark Kieswetter (T-2.)
Recording engineer, mixing and mastering: Bernie Cisternas
Musicians:
  Debbie Fleming - Vocals
  Mark Kieswetter - Piano and keyboards
  Ross MacIntyre - Bass ~ upright and electric
  Charlie Cooley - Drums (T-2,4,6,8,10,11.)
  Ben Riley - Drums (T-1,3,5,7,9.)
  Peter Mueller - Guitar (T-2,4,6,8,10,11.)
  Ted Quinlan -  Guitar (T-1,3,5,7,9.)
  John MacMurchy - Saxes (T-2,4,5,7,8,10,11.)
  Chase Sanborn - Trumpet and Flugel (T-5,7,10,11.)
  Russ Little - Trombone (T-10.)
  Arturo Avalos - Percussion (T-3,7.)
  The Hampton Avenue 4 <Debbie, Suba Sankaran, Dylan Bell, Tom Lillington> - Vocals (T-1,3.)
  Choria - Background vocals (T-6,8,10,11.)

2017年2月15日 (水)

Po/O.S.T. (2017年)

バカラックが音楽を担当した2016年公開の米映画 『 Po 』 のサントラです。(CD無し/デジタル配信のみ)

Po

全27トラック中、バカラック作品は19トラック

1. DANCING WITH YOUR SHADOW  ~ Sheryl Crow ~  F
2. AMELIA SAYS GOODBYE
3. THE PIRATE
4. NURSES OFFICE
5. DRAWING  ~ Joseph Bauer ~
6. THE LAND OF COLOR  ~ Joseph Bauer ~

7. SCHOOLTIME
8. FAMILY TIME
9. GOODBYE DAD
10. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
11. AMELIA
12. DETACHED  ~ Joseph Bauer ~
13. LOST  ~ Joseph Bauer ~
14. THROUGH THE DOOR  ~ Joseph Bauer ~

15. FISH TANK
16. THE PIER
17. ANOTHER WORLD  ~ Joseph Bauer ~
18. MAGIC GARDEN
19. DAD PACKING
20. AIRPORT KISS
21. FINAL  ~ Joseph Bauer ~
22. RAINBOW ON THE WALL
23. SHERWOOD FOREST
24. IT'S OKAY  ~ Joseph Bauer ~
25. SUPERMARKET LOVE
26. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ Bethany Joy Lenz ~  F
27. DANCING WITH YOUR SHADOW

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Famale-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約49分


2016年に米国で公開された映画 『 Po 』 のサントラです。2017年1月にデジタル配信のみでリリースされました。

『 Po 』 は、妻を癌で亡くし自閉症の10歳の息子を育てることになった父親の物語。バカラックが音楽を手掛けることになったきっかけは、2014年にこの映画の監督である John Asher と飛行機で一緒になったこと。その時、「 遥かなる影 」 を映画に使ってもよいか訊かれてバカラックは快諾します。その後映画を観たバカラックは、感動して自分から進んでスコアを書くと言ったそうです。それも無償で。バカラックの娘ニッキはアスペルガー症候群を患ってましたからね…、共感して心が突き動かされたんでしょう。

Sdiff 映画自体は、ニューポートビーチ国際映画祭で2016年4月23日に、サンディエゴ国際映画祭で同年10月1日にそれぞれ上映されたあと、同年11月25日から一般公開されました。サンディエゴ国際映画祭では、10ある賞のうちのひとつ、“ Breakthrough Feature ” 賞を受賞したそうです。(画像)

本サントラ・アルバムに収録されているのは27トラック。そのうち19トラックがバカラック作品です。バカラック作品以外の8トラックは Joseph Bauer (ジョセフ・バウアー)という映画音楽作家によるもので、アルバム・アートワークにもその由記載されています。

T-1. 「 DANCING WITH YOUR SHADOW  」 は映画の主題歌(リンク先は公式MV)。映画のために書き下ろしたもので、作詞はビリー・マン、歌はシェリル・クロウ。♩≒80くらいのゆったりとしたバラード曲で、バックはピアノとストリングスだけのシンプルなもの。高低差のあるメロディやサビに至るふわっとした転調はバカラックらしさが感じられます。一方で、バカラック作品の特徴である変拍子や不規則な小節数は封印。結果、地味だけど気品があり聴けば聴くほど味わいが深まる、そんな曲になっています。シェリル・クロウの淡々とした、それでいて温かみのある歌声も素晴らしい。そういえば、彼女は 『 ONE AMAZING NIGHT 』 でもしっとり歌ってましたね。

なお、作詞を担当したビリー・マンは、1968年フィラデルフィア生まれのシンガーソングライター/プロデューサー。Wikiによれば、ビリー・マンは自閉症児の父親でもあり、2011年バラク・オバマ大統領が自閉症再認防止法に署名した際には妻子と共にその場に立ち会ったそうです。

ヴォーカル入りの曲がもう1トラック。T-26. 「 遥かなる影 」 を歌っているベサニー・ジョイ・レンツは1981年フロリダ州生まれの女優/シンガーソングライター。バックはピアノを主体として、アンビエントなシンセが加わったもの。彼女の声は少しかすれていて、歌い上げる風ではなく等身大の歌い方。この映画の雰囲気には合ってるのかも。

T-27. 「 DANCING WITH YOUR SHADOW 」 はT-1. の歌なし版。その他は所謂劇伴で、1分弱~2分程度の短いものが殆ど。「 DANCING WITH YOUR SHADOW 」 のメロディをモチーフとしたものが半分くらいでしょうか。T-10. 「 遥かなる影 」 はピアノ・ソロですが、これも1分少々と短いです。ちなみに、ジョセフ・バウアー作の各トラックはアンビエントそのもので2分~4分程度のものが多いです。

「 DANCING WITH YOUR SHADOW 」 を聴く限り、バカラック爺のソング・ライティング力はまだ衰えていないと感じます。凄い爺やです。


【データ】
『 Po 』
O.S.T.

MP3:2017年1月13日リリース
レーベル:The Movie Po, under exclusive license to Varese Sarabande Records
番号:?

↓ MP3

2017年2月12日 (日)

THE LOOK OF LOVE/Patrick Saussois & Rhoda Scott (2010年)

ギターとハモンドオルガンが主役のバカラック・カヴァー集です。2010年の作品です。

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1. THE LOOK OF LOVE
2. ALFIE
3. WALK ON BY
4. WIVES AND LOVERS
5. DON'T MAKE ME OVER
6. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
7. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YO
8. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
9. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU
10. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
11. A HOUSE IS NOT A HOME
12. DON'T GO BREAKING MY HEART

収録時間約57分


ギターとハモンドオルガンが主役のバカラック・カヴァー集です。

ギターのパトリック・ソーソワは1954年フランス生まれ。ジプシーの伝統音楽とスウィング・ジャズを融合させた “ ジプシー・ジャズ ” のギタリストだそうです。1988年には自身のレーベルDJAZを立ち上げ、以後2012年に亡くなるまでコンスタントにアルバムをリリース。本アルバムが遺作となりました。

ハモンドオルガンのローダ・スコットは1938年ニュージャージー州生まれ。7歳のときに父親の教会でオルガンに触れたのが原点。1967年にフランス移住後はフランスを拠点に活動、ジャズのアルバムを多数リリースしています。

Img_2689ddd本アルバムは、この二人にドラムスが加わったトリオによる演奏。三面鏡スタイルのジャケットを開いた左側の方がドラムスの Lucien Dobat です。

ジャケットを開いた真ん中に写ってるのがハモンドオルガンと 「 THE LOOK OF LOVE 」 のコード進行を書いた紙。楽譜ならぬコード譜とでも言うのかしらん。こんなのがあるんですね~、知らんかった。右側は Jean-Michel Proust という方が書いたライナーノーツなんですが、フランス語なのでスルー。誰か日本語に訳して教えてくださいm(__)m。

二人がチョイスしたのはバカラック&デイヴィッド作品ばかり12曲。原曲のリズム・テンポを基本に、1コーラス目はそのままメロディを、2コーラス目からはメロディを崩したりアドリブを入れた演奏となってます。ただ、そのアドリブはゴリゴリではなく全体的にユルい感じ。ですので構えずに聴くことができます。個人的な好みで言えばちょっと物足りないですかね。その中で、T-10. 「 世界は愛を求めている 」 だけはユニーク。原曲が3拍子のこの曲を4拍子にした上で、ハイスピードのスウィングで演奏。もうハモンドオルガンがノリノリで、聴いてて楽しいです。

それにしても、ハモンドオルガンの音色は独特の揺らぎがあっていいですね~。特にメロディをブロック奏法(和音)で弾くところなんか、ハモンドオルガンらしさが堪能できます。エレクトーンなど一般の電子オルガンと同様、右手(上鍵盤)でメロディ、左手(下鍵盤)で伴奏、左足(ペダル鍵盤)でベースを弾く楽器なのですが、ペダル鍵盤のふわっと柔らかい音色がウッドベースやエレキベースなどと違ってこれまた独特なんですよねー。奏者は大変でしょうけど。ギターがリードをやってる時はハモンドオルガンの右手はお休みで左手も適当に弾いてりゃいいのですが、左足だけは休まずベースの役割をこなさなくちゃいけないですから。前述した 「 世界は愛を求めている 」 なんて、♩≒240のテンポで4分音符のベースを延々弾いてましたからね。1分間に240回 ⇒ 1秒間に4回もですよ。左足が痙攣しないんでしょうか。


R476626113748390822822jpeg ここからはオマケです。MP3でしか所有していないカヴァーをご紹介。
ハモンドオルガンのローダ・スコットは、1970年リリースのアルバム 『 A L'Orgue Hammond Vol.2 』 で 「 WANTING THINGS 」 (3:01) をカヴァーしています。このアルバムは、ヘアー、マイ・フェア・レディ、ファニー・ガールなどといった人気ミュージカルから1曲ずつ計9曲が選曲されていました。「 WANTING THINGS 」 はバカラックが音楽を担当した 『 プロミセス・プロミセス 』 からの曲。彼女のハモンドオルガンとドラムスによる演奏で、最初は♩≒130程度だったのが徐々に速くなり♩≒200くらいまでテンポアップ。途中でパッと♩≒160までクールダウンしてから最後は逆にスローダウンしてエンディングになるという、躍動感ある演奏です。
尚、このアルバムは2007年にCDリイシューされているのですが、アルバム・タイトルが 『 Hello Dolly 』 に変更されています。紛らわしいなぁ。


【データ】
『 THE LOOK OF LOVE (A Tribute to Burt Bacharach)
Patrick Saussois & Rhoda Scott

CD:2010年2月19日リリース
レーベル:DJAZ DISTRIB (FR)
番号:DJ577-2

Patrick Saussois - guitar
Rhoda Scott - organ
Lucien Dobat - drums
録音日: 2009年3月1,2日

2017年2月 8日 (水)

森のバート・バカラック/Super Natural (2012年)

アコースティック・ギターによるバカラック・カヴァー集。イージーリスニング物です。

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1. INTRO
2. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
3. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
4. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
5. DON'T MAKE ME OVER
6. THE LOOK OF LOVE
7. ALFIE
8. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)
9. SKIT
10. WALK ON BY
11. BABY IT'S YOU
12. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
13. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
14. I SAY A LITTLE PRAYER
15. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
16. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR
17. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
18. OUTRO

収録時間約61分


Img343zz_2アコースティック・ギターによるバカラック・カヴァー集です。

Super Natural は、本アルバムをプロデュースした日本人3人のユニット名。アマゾンではSuper Natural というアーティスト名で扱われていたので、拙ブログもそれに倣った次第。Super Natural プロデュースで、ビートルズ、カーペンターズ、デヴィッド・フォスター、ジブリ等のカヴァー集も出してるようです。

各々1分程度のインタールード的なT-1,9,18. を除き、バカラック・カヴァーは有名どころばかりを15曲。CDのパッケージに貼られていたシール(写真)にあるように、癒しの時間を提供するというコンセプトであれば無難な選曲でしょう。

全編、アコースティック・ギターのみ。ギターを弾いているのは、Super Natural の一員である Manabu Hasegawa さん。テンポも一定、強弱もそれほどつけず、ハッとするようなアレンジ上の演出も少ない、淡々としたサウンド。オルゴールを聴いてるような感覚のイージーリスニング物。はっきり言って退屈。印象に残ったのは、ちょっとアドリヴが聴けるT-10. 「 ウォーク・オン・バイ 」 と、音数が少なくテンポも揺れるT-17. 「 世界は愛を求めている 」 くらいですかね…。

コンセプトからして仕方ないとは思いますが、バカラックへのリスペクト的なものも感じられません。私の琴線に触れるアルバムではありませんでした。

でもまぁ、謳い文句どおりリラックスはできますょ。聴いてて居眠りしちゃいましたから^^;。


【データ】
『 森のバート・バカラック 』 (英語タイトル:Burt Bacharach in the Forest)
Super Natural

CD:2012年12月5日リリース
レーベル:Insense Music Works
番号:IMWCD-1008

Produced by Super Natural *
Mixed and Mastered by Kiyohito Matsumura
Executive Producers:  Ichiro "DJ ICHIRO" Sakiyama, Hisaharu "Q" Takahashi
Guirar - Manabu Hasegawa
* Super Natural are Manabu Hasegawa, Ichiro "DJ ICHIRO" Sakiyama and Kiyohito Matsumura

2017年2月 5日 (日)

HUMAN NATURE/Herb Alpert (2016年)

ハーブ・アルパートが2016年にリリースしたインスト・アルバムです。バカラック・カヴァー2曲とバカラックの新曲1曲を収録!

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全9トラック中、バカラック作品は3トラック

3. ALFIE (3:12)
5. LOOK UP AGAIN (4:06)
7. DON'T GO BREAKING MY HEART (2:46)


Img340ccハーブ・アルパートが2016年にリリースしたインスト・アルバムです。

1935年生まれですからリリース時は81歳。三面鏡仕立ての紙ジャケを開くと、内側にはトランペットを持って佇むアルパートのお姿が(写真)。ダンディで、シブい! エビ反りしてるジャケット裏面を見たら、80過ぎてるお方だなんてとても思えません。

ほぼ同時期にリリースされたハーブ・アルパート&ラニ・ホール名義のアルバム 『 I FEEL YOU 』 は、奥様であるラニ・ホールのヴォーカルが主役でした。それに対し、本作はアルバートのトランペットが主役のアルバムでございます。

全体的に、リズムが賑やかなアレンジの曲が多いです。アルバム・タイトルにもなっているマイケル・ジャクソンのカヴァー曲なんか、アルパートのトランペットよりも騒がしいリズムのほうが印象強いくらいです。

さて、バカラック作品は3曲。うち2曲はカヴァーです。T-3. 「 アルフィー 」 は♩≒80のサルサっぽいリズムに乗り、アルパートがふわっとした音色でメロディを吹いています。オシャレです。エンディングに入る前、サビの部分だけラニ・ホールがヴォーカル参加。私はラニ・ホールの声が大好きなので、これは嬉しいですね。T-7. 「 ドント・ゴー・ブレイキング・マイ・ハート 」 は♩≒130のモントゥーノっぽい賑やかなリズム。アルパートのトランペットは、軽やかでいながら大人の落ち着きもあって素敵です。この曲も少しだけラニ・ホール(と ビル・カントス?)の歌声が聴けます。

バカラック作品の残り1曲、T-5. 「 LOOK UP AGAIN 」 はナント新曲! 6/8拍子のゆったりしたバラード曲で、クレジットによれば作詞はエルヴィス・コステロ。ピアノ・トリオとシンセ・ストリングスをバックにアルパートが吹くメロディには哀愁が漂っています。地味な曲ですが、メロディ・ライン、コード進行それぞれにバカラックらしさが感じられました。

検索してみましたら、2013年頃にバカラックとエルヴィス・コステロが10曲共作したという情報を発見! その曲目リストのなかに、この 「 LOOK UP AGAIN 」 がありました! …ということは、アルパートのために書き下ろしたワケじゃないってことですね。以下、その10曲のリストです。ご参考まで。他の曲も気になりますね~。

ASCAP lists 10 newly registered songs written by Elvis Costello and Burt Bacharach:
  DON'T LOOK NOW (Work ID: 886324240)
  EVERYONE'S PLAYING HOUSE (Work ID: 886324275)
  HE'S GIVEN ME THINGS (Work ID: 886324374)
  I LOOKED AWAY (Work ID: 886324406)
  I'VE ALWAYS HAD MEN (Work ID: 886324414)
  LOOK UP AGAIN (Work ID: 886324539)
  PHOTOGRAPHS CAN LIE (Work ID: 886324695)
  SHAMELESS (Work ID: 886324806)
  TAKEN FROM LIFE (Work ID: 886324880)
  YOU CAN HAVE HER (Work ID: 886325003)


【データ】
『 HUMAN NATURE 』
Herb Alpert

CD:2016年9月30日リリース
レーベル:HERB ALPERT PRESENTS (US)
番号:HRB 153

Executive produced by Herb Alpert with Michael Shapiro
Drums & Percussion - Michael Shapiro
Keyboards, Computer Grooves, Strings & Vocals - Bill Cantos
Keyboards, Computer Grooves & Strings - Eduardo Del Barrio
Vocals on T-3,7. - Lani Hall
All trumpets & Additional Keyboards - Hreb Alpert
T-3,5,7.
  Produced by Herb Alpert & Bill Cantos
  Arranged by Bill Cantos
  Music by Burt Bacharach
T-3,7.
  Lyrics by Hal David
T-5.
  Lyrics by Elvis Costello
 

2017年2月 1日 (水)

世界は愛を求めている/伊東ゆかり (2015年)

伊東ゆかりが1972年と1975年にリリースしたライヴ・アルバムからの編集盤です。バカラック・カヴァーを2曲収録!

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全21トラック中、バカラック作品は2トラック

3. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  (4:18)
4. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  (1:14)


Img271cd伊東ゆかりが1972年と1975年にリリースしたライヴ・アルバムから洋楽ポップス曲を集めた、2015年リリースの編集盤です。

1971年に “ 伊東ゆかりとグリーン・ジンジャー ” 名義でリリースした洋楽カヴァー・アルバム 『 ラヴ 』 、キング・レコード在籍時に録音した洋楽曲を集めた編集盤 『 ルック・オブ・ラヴ 』 に続き、拙ブログで伊東ゆかりのアルバムをご紹介するのは今回で3回目となります。

1970年6月にキング・レコードから日本コロムビア傘下のデノン・レーベルに移籍した彼女は、歌謡曲系のシングルを吹き込む一方、ライヴでは数多くの洋楽曲を取り上げていました。本アルバムはそれらのライヴでの洋楽曲を以下2枚のアルバムからコンパイルしたものです。

T-1~18. 『 オン・ステージ ゆかり愛を求めて 』 JDX-7052~3、1975年
T-19~21. 『 伊東ゆかり オン・ステージ/陽はまた昇る 』 CD-5037、1972年

伴奏はビッグバンドとコーラス。スタジオ録音とはちょっと雰囲気が違います。それに、ライヴということを意識してか日本語詞で歌ってる曲が多いです。全21曲のうち3分の2にあたる14曲が日本語詞なんですね~。それらも手伝ってか、ムード歌謡チックに(あるいは60年代の和製ポップスっぽく)聴こえる曲が多いです。う~ん、ライヴって難しいですね。

バカラック・カヴァーは1975年のライヴ・アルバムからの2曲。T-3. 「 遥かなる影 」 はカーペンターズをベースとしたアレンジ。静かな部分はまだいいのですが、サックスが和音を吹いたりや金管がブイブイ吹くあたりはちょっと違和感が…。一方、カレンの歌声に引っ張られずに英語詞を自分の歌唱スタイルで歌うゆかりさんのパフォーマンスは流石です。

もう1曲のバカラック・カヴァーはT-4. 「 世界は愛を求めている 」 。T-14. 「 ある愛の詩 」 まで11曲続くメドレーのトップバッター。イントロは金管バリバリだけど歌が始まる前でピアノ伴奏のみとなる、このアレンジはなかなか見事。ゆかりさんは中間部からゆったり歌い始め(嬉しいことにこの曲も英語詞)、伴奏が派手になりテンポアップするサビ部も堂々と歌っていて素晴らしい。メドレーということで1分ちょっとしか聴けないのがなんとも残念!

…にしても思わせぶりなアルバム・タイトルですね。まさかメドレーのなかの1曲だとは思わなんだ。ちょっとプンプンannoycoldsweats01


【データ】
『 世界は愛を求めている 』
伊東ゆかり

CD:2015年9月20日リリース
レーベル:DENON/日本コロムビア
番号:SWAX-1035

T-1~18. 編曲:宮川泰、演奏:中西義宣とビッグ・サウンズ、コーラス:ザ・スウィンガーズ
      Recorded Live at 渋谷公会堂、1975年
T-19~21. 編曲:服部克久、前田憲男、演奏:森 寿男トブルーコーツ、コーラス:ブレッスン・フォー
      Recorded Live at 群馬県民会館、1972年

2017年1月29日 (日)

LOOK OF LOVE/b.kruman (2004年)

米国の男性プロデューサー/シンガーソングライターの b.kruman が2004年にリリースしたバカラック集です。

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1. THE LOOK OF LOVE
2. I SAY A LITTLE PRAYER
3. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
4. DON'T MAKE ME OVER
5. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
6. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
7. ONE LESS BELL TO ANSWER
8. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
9. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
10. PROMISES, PROMISES
11. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
12. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
13. PAPER MACHE
14. WALK ON BY
15. TRAINS AND BOATS AND PLANES

収録時間約64分


米国の男性プロデューサー/シンガーソングライターの b.kruman という人が2004年にリリースしたバカラック集です。

b.kruman は、ペンシルベニア州ピッツバーグを拠点に活動する独立系のプロデューサー/シンガーソングライター。…と、ネットで調べて分かったのはこの程度。

Img334cc CD紙ジャケの表面は真っ赤な下地にソングライターとプロデューサー/アレンジャーの表記のみで、ジャケット裏面は曲名と B.Kruman とやらのHPアドレスがあるのみ。CDはスリーブ無しで裸のまま紙ジャケに入ってました。ライナーノーツもありません。最も情報量が多いのがCDのレーベル面(画像~クリックすると大きくなります)ですからねー。なんとまぁお金のかかってないパッケージだこと。

アマゾンから届いたコイツを見て 「 あちゃ?、とんでもない自主製作盤を掴まされたかぁぁぁ・・・ 」 と思っちゃいました、私。

でもですね、CDを聴いてビックリしました。この人スゴイです。バカラック以上の変拍子。元々変拍子だらけのT-10. 「 プロミセス・プロミセス 」 でさえ更にいじっちゃってます。メロディも時間軸方向にフェイクしまくってます。

収録された15曲はすべてバカラック&デイヴィッドの名曲なのですが、イントロだけ聴いたらなんの曲だか全くわかりません。全体的にはロックなんですけど、ところどころバロック風味になったりケルト風味になったりします。こういうのを何ロックって言うんでしょう。

演奏から歌まで、すべて B.Kruman という男性がパフォーマンスしていると思われます。とはいえ、彼の歌唱は歌っているというよりはしゃべってる感じ。バカラック原曲の持つ洒落たロマンチックな味わいも残っていません。バカラックファン初心者には厳しいかもしれませんね~。

でも、音質も悪くないし、こわいもの見たさで中堅以上のバカラックファンであれば是非!!


【データ】
『 LOOK OF LOVE 』
b.kruman

CD:2004年12月7日リリース
レーベル:extant music (US)
番号:BK4792 (ジャケット表裏及びCDレーベル面には記載なし)

Produced & arranged by b.kruman
クレジットなく不明ですが、たぶん b.kruman による一人多重録音であろうと思われます。

2017年1月25日 (水)

PLAY BACHARACH/The Feather Tunes (1971年)

電子オルガンによるバカラック・カヴァー集です。1971年の作品です。(CD無し/デジタル配信のみ)

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1. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
2. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
3. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
4. I SAY A LITTLE PRAYER
5. PACIFIC COAST HIGHWAY
6. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
7. THE LOOK OF LOVE
8. PROMISES, PROMISES
9. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
10. ALFIE
11. SOUTH AMERICAN GETAWAY
12. THE APRIL FOOLS
13. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
14. THE WINDOWS OF THE WORLD

収録時間約43分


ある音源をアーティスト名を変えてリリースする…。イージーリスニングの世界ではよくある話です。今回ご紹介するアルバムも正にそのケースで、The Feather Tunes は実態のない架空のグループ名。アルバム・アートワークで体育座りしてる女性も単なるイメージ。

じゃあ、いったい何なのか? このアルバムの中身は、電子オルガン奏者の斎藤英美が1971年にリリースしたLP 『 プレイ・バカラック 』 そのもの。収録曲数・曲順も全く同じです。そのLPジャケットがこちら↓
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LPのA面7曲 : T-1~7.
LPのB面7曲 : T-8~14.

…ということで、ここからは 斎藤英美の 『 プレイ・バカラック 』 として記事を書きすすめます。

斎藤英美(さいとう ひでみ、生年不明、2008年没)は、日本を代表する電子オルガン奏者のひとり。女性じゃなくて男性です。このLPの少し前にリリースされた 『 インクレディブル・サウンド 』 というLPのジャケットにはそのお姿が(↓画像左)。真面目そうな紳士といった感じですね。ところが、1980年前後になると髪を伸ばしてイメージが変わります(↓画像右)。私の記憶にある彼の姿はこの長髪のほうです。何が彼を変えたのか!? (ま、どーでもいいことですがcoldsweats01
1 2_3

斎藤英美が本アルバムで弾いている電子オルガンは、ヤマハのエレクトーン(エレクトーンはヤマハ製電子オルガンの商品名)。日本で初めての電子オルガンは日本ビクターが1958年に発売したEO-4420で、ヤマハ初のエレクトーンD-1は翌1959年に誕生しました。1960年代から1970年代にかけて普及したエレクトーンは、レコードの世界でも活躍します。斎藤英美をはじめ、道志郎、沖浩一、桐野義文ほか多くのエレクトーン奏者のレコードがリリースされ、喫茶店のBGMなど巷に流れました。その後、エレクトーンが日本の電子オルガンの代名詞になったのは皆さんご存知のとおり。かくいう私も小学生の頃にエレクトーンを習ってまして、斎藤英美編曲のエレクトーン曲集も1冊購入したことがあります。私には難しすぎてサッパリ弾けませんでしたが(>_<)。

収録曲は全14曲。今でもよくカヴァーされる有名曲以外に、バカラック1969年のアルバム 『 MAKE IT EASY ON YOURSELF 』 収録のインスト曲T-5. 「 パシフィック・コースト・ハイウェイ 」 や、映画 『 明日に向って撃て! 』 のスキャット曲T-11. 「 自由への道 」 のようなマニアックな曲もチョイスされてます。そんな地味な曲が入ってても大丈夫なくらい、当時日本でバカラックがよく聴かれてたってことですね。

LPのA面に相当するT-1~7. はエレクトーンにギターとドラムスが加わった編成による演奏。各曲ともイントロは工夫していて面白いのですが、メロディが始まるとまぁ想定内というかちょっとチープなイージーリスニングってな感じ。そんななか、T-5. 「 パシフィック・コースト・ハイウェイ 」 は、原曲を再現しつつもアドリブで独自性を付与しようという明確な意図を感じました。ただ、残念ながらこの曲だけ音飛びがひどくてcrying。(本アルバムのMP3データはマスターテープからではなくLPから起こしてデジジタル化した海賊盤のようです)

一方、LPのB面に相当するT-8~14. はエレクトーンだけの演奏。エレクトーン経験者の私としては、こちらのほうを興味深く聴きました。シンセのような音源やサンプリング音源を持ちリズムも打ち込みできる現代のエレクトーンと較べると、当時のエレクトーンは音色や効果のバリエーションが少なくリズムも付いていませんでした。特にポップス曲を演奏する場合には、下鍵盤(左手で弾く)や足鍵盤(左足で弾く)で伴奏しつつリズムを刻まなければなりません。編曲も演奏も大変だったと思います。テンポが速く和音でリズムを刻み続けるT-8. 「 プロミセス・プロミセス 」 の演奏はその最たるもの。サスティンやマンドリンなどの効果を駆使してドリーミーな世界を表現したT-12. 「 エイプリル・フール 」 も印象的です。エレクトーンによる忠実な原曲の再現に挑戦したT-11. 「 自由への道 」 は、本アルバム最大の力作! 熱の入った演奏で、その意気込みは十分伝わってきました。

ギターとドラムスと一緒に演奏した前半7曲ではそうでもないのですが、エレクトーンだけの後半7曲は全体的にミスタッチ(鍵盤の押し間違い)が目立ちます。他の楽器にマスキングされないぶん、どうしてもアラが見えるんですねー。事情を知らない一般リスナーの中には不満に思う人がいてもおかしくありません。LPの帯に書かれた “ 楽譜付き!” が示すように、本アルバムは一般向けというよりはエレクトーン愛好家向けに制作されたのかも。

※エレクトーンにオートリズム(リズムボックスのこと)が備わるようになったのは1972年から。ただし、1970年発売のステージモデルEX-42(当時280万円!)にはオートリズム機能がありました。


【データ】
─ MP3 ─
『 PLAY BACHARACH GREATEST HITS
The Feather Tunes

─ オリジナル盤(LP) ─
『 プレイ・バカラック 』
斎藤英美

LP:1971年5月20日リリース (所有MP3は、℗2009年)
レーベル:キング・レコード (所有MP3は、Tam-Tam Media)
番号:SKK-679 (所有MP3は、不明)

クレジットなく詳細は不明

★ Amazonでの取り扱いは無し。iTunesで購入。

2017年1月22日 (日)

Music of Burt Bacharach/Warren Wills (2010年)

オーストラリア出身の作曲家/ピアニスト、ウォーレン・ウィルスのバカラック・カヴァー集です。(CD無し/デジタル配信のみ)

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1. THE LOOK OF LOVE
2. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
3. ON MY OWN
4. MAKE IT EASY ON YOURSELF
5. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR
6. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
7. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)
8. I SAY A LITTLE PRAYER
9. ALFIE
10. WALK ON BY
11. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
12. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
13. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
14. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
15. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME

収録時間約56分


オーストラリア出身の作曲家/ピアニスト、ウォーレン・ウィルスがピアノやエレピで奏でるバカラック・カヴァー集です。

Facebookに載ってるプロフィールによれば、2008年12月時点で47歳。計算すると1961年生まれですね。オーストラリアのメルボルンに生まれ、4歳からピアノ、10歳から作曲、12歳からはジャズへとその才能を広げていきました。20歳からはヨーロッパに渡り現在はロンドンとスペインを拠点に活動しているそうです。これまでに8つのオリジナルオペラ、10のミュージカル、13の子供のミュージカル、8つのアルバム、5つのオーケストラ作品などを手掛けたんだとか。(あくまでも2008年時点の情報です)

彼の風貌をネットからいくつか拾いました。ほー、なかなか渋いっすね。
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Amazonで検索しても彼名義のCDは2作しか見当たりません。しかし、デジタル配信ではビートルズ集、セリーンヌ・ディオン集、ラヴソング集、クラシック集など多くのアルバムがリリースされています。いかにも廉価盤然としていてチープなイージーリスニングと見られても仕方ないようなアルバム・アートワークばかりですが^^;。

本作も見た目はそんなアルバム。ところが、聴いてみるとなかなかどうして独特の魅力があるバカラック集だったんですょ、これが!

基本は、ピアノあるいはエレピのソロ。シンセ(シンセ・ストリングス又はシンセ・クワイヤ)が加わった曲も4曲あります。1曲だけ、エレピ+アコギ+打ち込みリズムという曲もありますが、アルバムのなかでは浮いちゃってます。デジタル配信なのでクレジットを確認できないのですが、ウォーレン・ウィルスによる一人多重録音じゃないかと思われます(T-10.を除いて)。

Piano (solo) : T-2,6,7,9,11,12,14,15.
Electoric piano (solo) : T-5,13.
Piano, Synth strings : T-3.
Piano, Synth choir : T-4.
Electoric piano, Synth strings : T-1.
Electoric piano, Synth choir : T-8.
Electoric piano, Acoustic guiatr, Programming : T-10.

収録されている15曲は所謂バカラック・カヴァーの定番曲ばかり。このあたりはイージーリスニング的かもしれません。でも、そのサウンドは、ジャズ、クラシック、環境系イージーリスニング(?)がうまくブレンドされたもの。決してチープなイージーリスニングではありませんでした。

ピアノソロの曲はどの曲も素敵です。キース・ジャレットの 『 The Köln Concert 』 を彷彿とさせる…なぁんて言ったら言い過ぎかもしれませんが、ところどころマジでそう思いました。T-2. 「 雨にぬれても 」 は、イントロや最初の部分はシンプルなのですが、原曲とは異なるコードに変えたり、意表を突く転調をしたり、メロディが次々変奏していったり、その美しく且つメリハリの効いたアレンジは素晴らしい。T-6. 「 ディス・ガイ 」 やT-9. 「 遥かなる影 」 、T-15. 「 愛の想い出 」 なんかもいいですねぇ~。

シンセが加わった4曲は、どの曲も最初の1分程度はシンセのみの演奏で荘厳な雰囲気を醸し出しています。特に、ピアノ+シンセ・ストリングスのT-3. 「 オン・マイ・オウン 」 は原曲とは違う繊細な雰囲気に仕上がっていて気に入りました。

いろんなシチュエーションでのBGMに好適だと思います。試聴してみることをお勧めします。


【データ】
『 Maestro Series - Music of Burt Bacharach 』
Warren Wills

MP3:2010年11月2日リリース
レーベル:Prestige Elite Records
番号:?

クレジットなく詳細不明

★ Amazonでの取り扱いは無し。iTunesで購入。

2017年1月18日 (水)

THE BACHARACH & DAVID SONGBOOK/Sheila Southern (1969年)

英国の女性シンガー、シェイラ・サザーンが1969年にリリースしたバカラック・カヴァー集です。

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Original LP front cover

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所有LPのジャケット表/ジャケット裏

A-1. HERE I AM
A-2. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
A-3. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
A-4. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
A-5. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF
A-6. WIVES AND LOVERS
B-1. WALK ON BY
B-2. A HOUSE IS NOT A HOME
B-3. ALFIE
B-4. THE LOOK OF LOVE
B-5. TRAINS AND BOATS AND PLANES
B-6. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU

収録時間約35分


英国の女性シンガー、シェイラ・サザーンが1969年にリリースしたバカラック・カヴァー集です。

シェイラ・サザーンは、イングランド最北(スコットランドとの境界)のノーサンバーランド州生まれ。1958年~1975年にかけて英国のTV(音楽番組やコメディ番組)への出演歴があり、1962~1963年には自身名義のシングルを2枚リリース。…ネットで検索してもこの程度の情報しか得られませんでした。所有LPのジャケット裏には、 ─  彼女の録音は地元イングランドでよく売れ、BBCやITAネットワークのエンタメ・ショーのレギュラーでもある ─ とか書かれているのですが^^;。

本アルバムは、1969年に英国 Marble Arch からリリース。Marble Arch は英パイ・レコードの子会社で、廉価盤専門のレーベルだったみたいです。CD化はされておらず、私が所有しているLPは1970年に Ambassador からリリースされた米国盤。先々月(2016年11月)、ハイファイ・レコード・ストアさんで購入したばかりです。

─  最高にスリリングなバカラック・カヴァーが。 / おしとやかそうなジャケからは想像もつかない最高にスリリングなバカラック・カヴァーを隠し持つUKフィメール・ヴォーカルの逸品です! 超高速でブラシが走る 「 DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE 」 か、マイク・サムズ・シンガーズをフィーチャリングしたワルツな 「 WIVES AND LOVERS 」 か…。しっとりとした表現力、英国録音ならではのクリアなアレンジ、ともに◎。 ─

ストアのサイトに載っていたこのLPの紹介文を読んで、ついポチッとしてしまいました。アナログ・レコード・プレイヤーなんて持ってないのにshock。…12月に入ってAmazonで安いプレイヤーを購入。やっと聴くことができましたcoldsweats01

収録曲は、A-1. 「 ヒア・アイ・アム 」 を除いてバカラック&デイヴィッドの定番曲ばかり。まぁ順当な12曲といえます。

シェイラの歌唱自体は正直 “ 可もなく不可もなく ” といった感じなのですが、アレンジがなかなか良くって。全編を通して、オリジナルやヒットした曲のヴァージョンとは一線を画す独自のアレンジが施されているんです。共通するのは、①ふんわりと包み込むドリーミーなストリングス、②随所にみられるオリジナリティあるオブリガート(対旋律)。

なかでも印象に残った曲は…

A-1. 「 ヒア・アイ・アム 」 : ストリングスとハープをバックに、超スロー・テンポで “ Here I am, here I'll stay ” と歌う冒頭の30秒間。この部分を聴いて、私は本アルバムのドリーミーな世界に一気に引き込まれました。

A-3. 「 サン・ホセへの道 」 : サイトの紹介文で言及されている超高速のブラシ・ワークに加えて、8分音符が駆け足で昇降するウッド・ベース、大活躍するホルンとトロンボーンと鐘の音がとってもユニークで新鮮です。

B-6. 「 ディス・ガール 」 : 曲の前半はナント8分の6拍子にアレンジ。これがまたドリーミーで魅力的なんです。中盤からはスウィングのリズムで盛り上がり、最後はまた8分の6拍子になってエンディング。実に新鮮です。

ただ、所有LPはコンディションがイマイチで、ウチのプレイヤーも安物だし音質的には 「 う~ん 」 な感じ。CDリイシューして欲しいところですが、廉価盤レーベルだし無理かもしれませんねー。でもでも、世の中には奇特な人がいらっしゃいまして、本アルバムのうち数曲はYouTubeにアップされています。オススメの3曲は見当たりませんでしたが、興味がありましたら是非 Sheila Southern で検索を!


【データ】
『 SHEILA SOUTHERN SINGS THE BACHARACH & DAVID SONGBOOK 』
Sheila Southern

注)所有LP(US盤)のタイトル
『 THE BURT BACHARACH SONGBOOK SUNG BY SHEILA SOUTHERN This Girl's in Love with You

LP:1969年リリース (所有LPは、1970年リリースのUS盤)
レーベル:Marble Arch Records (UK) (所有LPは、Ambassador (US) )
番号:MALS 1150 (所有LPは、S 98099)

Producers: Derek Boulton & Monty Presky
Arrangements: Derek Cox
Orchestra Conducted by Paul Fenoulhet with The Mike Sammes Singers
Recorded in England at Pye Studios

★ Amazonでの取り扱いは無し。

2017年1月15日 (日)

THE VOICE IN ME/Joana Zimmer (2006年)

ドイツの女性ポップ・シンガー、ジョアナ・ジマーのセカンド・アルバムです。バカラックの書き下ろし曲を1曲収録!

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全14トラック中、バカラック作品は1トラック

12. HEARTS DON'T LIE (3:42)


ドイツの女性ポップ・シンガー、ジョアナ・ジマーのセカンド・アルバムです。

ジョアナ・ジマーについては、デビュー・アルバム 『 MY INNERMOST 』 の記事で簡単に紹介していますのでそちらをご覧ください。

デビュー・アルバム(前作)からおよそ1年半後にリリースした本アルバムは、前作と同様に曲名・歌詞ともに全て英語。ドイツのアルバム・チャートは最高22位でした。

バカラックは前作に引き続き書下ろし曲を1曲提供しています。T-12. 「 HEARTS DON'T LIE 」 という曲で、バカラック、Andreas Carlsson (アンドレアス・カールソン)、Kristian Lundin (クリスティアン・ルンディン)の3人による共作。アンドレアス・カールソンは前作でも共作してました。クリスティアン・ルンディンは、アンドレアス・カールソンと同じくスウェーデン出身で、そのカールソンと一緒に数々の曲を作ってきた相棒的存在みたいです。

「 HEARTS DON'T LIE 」 は♩≒106のミディアム・バラード曲。前作でのバカラック作品が佳曲だったので期待したのですが、メロディ・ライン、コード進行、リズム他、すべての面でバカラックらしさが感じられない曲でした。いや、アダルト向けポップスとしてよく出来た曲だとは思いますよ。ただ、バカラックのファンとしてはちょっと期待外れかなと。バカラックは名前を貸しただけで実際のソングライティングには関わらなかったんじゃないか…と勘繰っちゃうほどです。真相やいかに!?

R597708814502820321652jpegさて、ここからはオマケです。MP3しか所有していないバカラック・カヴァーをご紹介。

ジョアナ・ジマーは、2008年5月30日にリリースしたサード・アルバム 『 SHOWTIME 』 (画像) でバカラックの代表曲のひとつである 「 THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU 」 (3:17) をカヴァー。♩≒110というテンポはいいのですが、リズムがなぜか安っぽいチンドン屋風のシャッフル。賑やかな雰囲気に、細かいビブラートがかかったジョアナの歌唱はちょっとアンマッチな印象。彼女のせっかくの歌唱力が勿体ないなぁ。というより、選曲ミスかも? 私がプロデューサーだったら、「 恋の面影 」 「 恋するハート 」 「 世界の窓と窓 」 なんかをカヴァーさせたいところです。まぁ、私にはそんな権限はこれっぽっちも無いのですが(当たり前や!)。う~ん、返す返すも残念です。


【データ】
『 THE VOICE IN ME 』
Joana Zimmer

CD:2006年12月29日リリース
レーベル:Polydor / Universal Music (GERMANY)
番号:1706946

Produced & arranged by Nick Nice & Pontus Söderqvist (T-1~8, 10~12.)
Produced by Thorsten Brötzmann (T-9,13,14.)
T-12. 「 HEARTS DON'T LIE 」
  Written by Burt Bacharach, Andreas Carlsson, Kristian Lundin
  Keyboards & programming - Nick Nice & Pontus Söderqvist
  Guitars - Pontus Söderqvist
  Backing vocals - Joana Zimmer, Louise Fält, Anna Sahlin, Johan Wetterberg
  Grand piano - Pontus Söderqvist
  Strings arranged and conducted by Pontus Söderqvist
  Strings performed by Stockhorm Session Strings

2017年1月11日 (水)

MY INNERMOST/Joana Zimmer (2005年)

ドイツの女性ポップ・シンガー、ジョアナ・ジマーのデビュー・アルバムです。バカラックの書き下ろし曲を1曲収録!

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全14トラック中、バカラック作品は1トラック
※ Original CDは全13トラック。所有CDのLimited Editionは1曲(T-5.)追加されてます

11. WHEN YOU LOVE SOMEBODY (4:35)


ドイツの女性ポップ・シンガー、ジョアナ・ジマーのデビュー・アルバムです。

ジョアナは1982年生まれ。生まれつきの盲目で、子供の頃から聖歌隊のコンサートでソロを歌い、有名なジャズクラブに15歳で出演。高校卒業後からプロのシンガーとして活動を始め、ユニヴァーサル(独)と契約。2005年のデビュー・シングル 「 I BELIEVE (GIVE A LITTLE BIT...) 」 が独チャートで2位となり、同年5月に本アルバムをリリースしました。

アルバムの収録曲はスロー・バラードからミディアム・テンポのポップス曲が殆どで、曲名も歌詞も全て英語。ドリー・パートンとケニー・ロジャースがデュエットして1983年にヒットしたT-9. 「 アイランド・イン・ザ・ストリーム 」 のカヴァーもありますが、あとは私の知らない曲ばかり。ジョアナ・ジマーの歌声は、歌い方も含めてセリーヌ・ディオンによく似ているといえばお判りいただけるでしょうか。特に高音域でそう感じます。そんなこんなで、全体的にはドイツの方が歌ってるようには思えないのですが、本作はドイツのアルバム・チャートで最高5位になりました、パチパチ。

そのアルバムにバカラックが1曲書き下ろしました。それがT-11. 「 WHEN YOU LOVE SOMEBODY 」 です。共作者は Andreas Carlsson (アンドレアス・カールソン)というお方。Wikiによれば、スウェーデン出身で、2000年頃からソングライターとしてブリトニー・スピアーズ、バックストリート・ボーイズ、セリーヌ・ディオン、ボン・ジョヴィなどに楽曲を提供してるようです。

曲は、♩≒66の8ビート・バラード。イントロは無く、サビから始まります。メロディ・ラインとコード進行はバカラック色が濃く、音域も広いです。変拍子ではないものの変拍子っぽいリズムで、バカラック初心者にとっては歌いづらいと思います。ただし、メロディの構成はバカラックの曲によくみられる変則的な小節数ではなくきっちり4小節単位ですし、2コーラス目のサビの前のブリッジで盛り上げたり、これはアレンジャーの仕事ですがラストのサビ2回目で転調して盛り上げるなど、ポップス曲らしさもあります。最近のバカラック作品のなかでは、バカラック風味(珍味)とベタなポップス風味が程よくブレンドされた佳曲だと思います。そんな曲を、ジョアナは張りのある声で見事に歌っています。

バカラックがジョアナに書き下ろした理由(あるいは経緯)がサッパリ判らないってのがちょいと癪に障るのですが、まぁ結果オーライってことで…(何が? ^^;)。


【データ】
『 MY INNERMOST 』
Joana Zimmer

CD:2005年5月30日リリース (所有CDは、2005年12月30日リリースのLimited Edition)
レーベル:Polydor / Universal Music (GERMANY) (所有CDも同じ)
番号:9870643 (所有CDは、9876205)

Producer - Pontus Söderqvist, Nick Nice (T-1,2,3,5,7~11,13.)
Producer - Dietmar Kawohl, Hans Singer, Mats Björklund (T-12,14.)
Producer - Peter Ries (T-4,6.)
Arranged By – Nick Nice, Pontus Söderqvist (T-1,2,3,5,7~11,13.)
T-11. 「 WHEN YOU LOVE SOMEBODY 」
  Written by Burt Bacharach & Andreas Carlsson
  Guitar – Pontus Söderqvist
  Keyboards – Nick Nice, Pontus Söderqvist
  Programmed By - Nick Nice, Pontus Söderqvist
  Backing Vocals – Anna Sahlin

2017年1月 8日 (日)

FEELS SO GOOD/Dionne Warwick (2014年)

ディオンヌ・ワーウィックが2014年にリリースしたリメイク中心のデュエット集です。バカラック作品を8曲収録!

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全14トラック中、バカラック作品は8トラック

1. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU ~ featuring Mya ~
2. A HOUSE IS NOT A HOME ~ featuring Ne-Yo ~
3. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD ~ featuring Ziggy Marley ~
4. MESSAGE TO MICHAEL ~ featuring Cyndi Lauper ~
5. EVERY ONCE IN A WHILE  ~ featuring Eric Paslay ~
6. DEJA VU (5:07)  ~ featuring Jamie Foxx ~
7. FEELS SO GOOD  ~ featuring Ceelo Green ~
8. I KNOW I'LL NEVER LOVE THIS WAY AGAIN  ~ featuring Gladys Knight ~

9. THIS GUY/THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU ~ featuring Phil Driscoll ~
10. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART) ~ featuring Ruben Studdard ~
11. LET THERE BE LOVE  ~ featuring Cheyenne Elliott ~
12. HOPE IS JUST AHEAD  ~ featuring Billy Ray Cyrus ~

13. THE WINDOWS OF THE WORLD ~ featuring David Elliott ~
14. A HOUSE IS NOT A HOME (EXTENDED VERSION) ~ featuring Ne-Yo ~

収録時間約56分


ディオンヌ・ワーウィックが2014年にリリースしたリメイクを中心としたデュエット集です。

1998年から2012年までの間に、ディオンヌはリメイク集(リメイクを中心としたアルバム)を4枚リリースしています。え~っ、またリメイク集sign02…と思いましたが、本アルバムはデュエット曲ばかりというのが一番の売りらしいので、拙ブログではデュエット集とさせていただきます。

お相手をチェックすると、メイヤ、ニーヨ、シンディ・ローパー、ジェイミー・フォックス、グラディス・ナイトなどのビッグネームがクレジットされています。ジェイミー・フォックスは俳優だけじゃなくアルバムを数枚リリースしてるミュージシャンでもあったんですね。知りませんでした。

上述のビッグネーム以外はよく知らないので検索しました。Ziggy Marley(ジギー・マーリー)は1968年生まれのレゲエ・アーティスト。あのボブ・マーリーの息子のひとりです。Eric Paslay(エリック・パスレイ)は1983年生まれの米男性カントリー歌手。Ceelo Green(シーロー・グリーン)は1974年生まれの米男性ヒップポップ/R&Bシンガー。Phil Driscoll(フィル・ドリスコル)は1947年生まれの米男性トランペット奏者/ゴスペル・シンガー。Ruben Studdard(ルーベン・スタッダード)は1978年生まれの米男性R&Bシンガー。『 アメリカン・アイドル 』 シーズン2の優勝者です。Billy Ray Cyrus(ビリー・レイ・サイラス)は1961年生まれの米男性カントリー・シンガー。米女性シンガー、マイリー・サイラスの実父です。せっかくなので左から紹介順に写真を載せておきます。オトコばかり6人も並んで絵柄的に微妙ですが(笑)
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ディオンヌの長男デヴィッド・エリオットや孫娘のシャイアン・エリオットともデュエットしています。アルバムのメイン・プロデューサーも次男のデイモン・エリオットですし、ファミリーが登場するのはお約束のようです(^^;

全14曲中バカラック作品は8曲あり、すべてリメイク。ただし、メイヤとデュエットしたT-1. 「 遥かなる影 」 およびシンディ・ローパーとデュエットしたT-4. 「 マイケルへのメッセージ 」 の2曲は、2006年リリースの 『 MY FRIENDS & ME 』 の収録曲と同一ヴァージョン。従って、あらたに録音したバカラック作品のリメイクは6曲ということになります。

ニーヨとデュエットしたT-2. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 は、ルーサー・ヴァンドロス版をベースとしたアレンジ。ニーヨはルーサーをトリビュートしつつも真似はせず自分なりの解釈で歌っていて流石です。ちなみに、4:23のT-2.よりも2分以上長くてネチっこいT-14.の方がこの曲らしいです。ジギー・マーリーとデュエットしたレゲエ調のT-2. 「 雨にぬれても 」 は、ちょっと安直かなー。T-9. 「 ディス・ガイ / ディス・ガール 」 はフィル・ドリスコルとのデュエット。フィル・ドリスコルの歌声が、彼のへなちょこなトランペットの音色からは想像できないくらいハスキーでシブいのが意外でした。ルーベン・スタッダードとデュエットしたT-10. 「 ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・ヘヴン 」 は軽めのR&B風アレンジ。T-13. 「 世界の窓と窓 」 は長男とのデュエット。クールなボサノヴァ・アレンジでなかなか雰囲気良いです。

「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 と 「 ディス・ガール 」 は、4枚目のリメイク集 『 NOW 』 を紹介した際に “ ライヴでは歌ってるのにリメイクしてない曲 ” だとして槍玉(?)にあげた数曲のうちの2曲。前言撤回しないといけませんねーcoldsweats01

フィル・ラーモンがプロデュースした2年前の 『 NOW 』 と較べて、本アルバムでのディオンヌのパフォーマンスはちょっとユルい感じ。身内がプロデュースしてるから緊張感に欠けるのかしらん。でもまぁ固いこと言わずに、リラックスして歌えたってことにしましょう(笑)


【データ】
『 FEELS SO GOOD 』
Dionne Warwick

CD:2014年リリース
レーベル:Bright Music Records (US)
番号:1790020389

Produced by Damon Elliott (T-1,3-6,8-10,13.), Jesse "Corporal" Wilson (T-2,14.), Jack Splash (T-7.), Narada Michael Walden (T-11.), Brandon Friesen (T-12.)
Executive Producer: Damon Elliott/Anthony Melikhov
Co-Executive Producer: Duquan Brown

2017年1月 4日 (水)

WE NEED TO GO BACK/Dionne Warwick (2013年)

ディオンヌ・ワーウィックのワーナー時代の未発表曲を集めたアルバムです。バカラック作品を3曲収録!

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全19トラック中、バカラック作品は3トラック

8. AND THEN YOU KNOW WHAT HE DID (4:07)
9. PLASTIC CITY (3:44)
10. AND THEN HE WALKED RIGHT THROUGH THE DOOR (3:18)


ディオンヌ・ワーウィックがワーナーに在籍していたのは1972年~1978年。そのワーナー時代の未発表曲を集めたアルバムです。2013年にリリースされました。

ワーナーでの1枚目のアルバム 『 DIONNE 』 (1972年1月リリース) を最後に、アリスタ6作目の 『 FINDER OF LOST LOVES 』 (1985年1月リリース) でバカラックとのコンビが復活するまでディオンヌはバカラックの新曲をレコーディングしていない。…というのが世の中の常識でしたが、本アルバムによりその常識は覆ることとなりました。

CDのライナーにその辺りの経緯が書いてありました。該当する部分を引用して紹介します。私の意訳はかなり怪しい(特に後半)ですが、大目に見てくださいませ。

─  1974年のディオンヌとバート・バカラックのリユニオンに関しては、曖昧さが残っている。ディオンヌ自身、ワーナー時代の録音については確信が持てていない。彼女は言う。「 30年以上前のレコーディングを思い出せだなんて、至難の業よ 」。 当時ふたりは訴訟中だった。にもかかわらず短時間のリユニオンが実現した。結果、フィル・ラーモンが録音エンジニアを務めるハリウッドのA&Mスタジオで、6月7-8日の2日間だけという制約のなか3曲がレコーディングされた。その頃バカラックはボビー・ラッセル(「 LITTLE GREEN APPLES 」 の作者)とのコラボで8曲を共作していた。そのうち、ボビー・ヴィントンの 「 CHARLIE 」 と、バカラックもセルフ・カヴァーしているトム・ジョーンズの 「 US 」 の2曲は既に録音&リリースされていた。今回のコンピレーションでは、さらに2曲のバカラック - ラッセル作品 「 AND THEN YOU KNOW WHAT HE DID 」 「 PLASTIC CITY 」 が日の目を見るわけである。3つめのバカラック - ワーウィックのリユニオン曲 「 AND THEN HE WALKED RIGHT THROUGH THE DOOR 」 は、脚本家で作詞家であるニール・サイモンとのコラボ曲。バカラックとデイヴィッドがスコアを書いたミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 の未公開フィルム・ヴァージョンのために書かれたものだった。これら3曲はバカラックらしく複雑で創意に富む曲である。しかし聴いているとほろ苦い気分になる。永く続いていたバカラック - デイヴィッド - ワーウィックの協力関係がもう終わっていたという喪失感に包まれるのである。 Paul Howes - June, 2013  ─

バカラックの自伝のなかに、1974年にディオンヌと3曲レコーディングした…なんて話は出てきません。ディオンヌのコメントも、思い出せないというよりは、何か話したくない事があるのかな? という風に感じられます…。

ともあれ、貴重な音源が発掘されたことに変わりはありません。

T-8. 「 AND THEN YOU KNOW WHAT HE DID 」 : ドラムレスでアコギだけをバックに歌う導入部だけはゆったりしたテンポ。すぐ♩≒138の軽快な8ビートになりますが、そのあともリズムや表情が何度も変わるドラマチックな曲。バカラック得意の変拍子こそありませんが、メロディラインや曲の構造も本当に複雑。それを難なく歌うディオンヌはやっぱりすごいです。

T-9. 「 PLASTIC CITY 」 : ♩≒128の8ビートの曲。バカラックにしては珍しくコードがあまり動きません。独特な動きをするメロディはバカラックらしいですが、同じモチーフを繰り返す点はそれほどバカラックらしくありません。微妙に変拍子もあるし、変な曲には違いないのですが(笑)。

T-10. 「 AND THEN HE WALKED RIGHT THROUGH THE DOOR 」 : ♩≒124の8ビート曲。ミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 のような元気で明るい感じではなく、優しいけれど物悲しい雰囲気。どちらかというと映画 『 失われた地平線 』 あたりの曲調・曲想に近いです。CDライナーに書かれていた 『 プロミセス・プロミセス 』 の未公開フィルム・ヴァージョンって、いったい何でしょうね。 映画化とかの話が 『 失われた地平線 』 の頃にあったのかもしれません。とっても気になります。


【データ】
『 WE NEED TO GO BACK: THE UNISSUED WARNER BROS. MASTERS
Dionne Warwick

CD:2013年7月30日リリース
レーベル:Warner Bros.  Real Gone Music/Rhino (US)
番号:RGM-0170/OPCD-8778

Original recordings produced by Holland-Dozier-Holland (T-1,2.), Ashford & Simpson (T-3,4.), Randy Edelman (T-5~7.), Burt Bacharach (T-8~10.), Jerry Ragovoy (T-11.), Thom Bell (T-12,13.), Joe Porter (T-14~18.), Steve Barri & Michael Omartian (T-19.)
Compilation Producer: Jim Pierson
Executive Producer: Gordon Anderson
All masters ℗2013 Warner Bros. Records Inc.

Written by Burt Bacharach & Bobby Russell (T-8,9.)
Written by Burt Bacharach & Neil Simon (T-10.)

2017年1月 1日 (日)

PROMISES, PROMISES/The New Broadway Cast Recording (2010年)

ブロードウェイ・ミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 2010年再演版のキャスト・レコーディング・アルバムです!

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1. OVERTURE  ~ Orchestra ~
2. HALF AS BIG AS LIFE  ~ Sean Hayes
3. GRAPES OF ROTH  ~ Orchestra ~
4. UPSTAIRS  ~ Sean Hayes
5. YOU'LL THINK OF SOMEONE  ~ Kristin Chenoweth, Sean Hayes
6. IT'S OUR LITTLE SECRET  ~ Sean Hayes, Tony Goldwyn
7. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ Kristin Chenoweth
8. SHE LIKES BASKETBALL  ~ Sean Hayes
9. KNOWING WHEN TO LEAVE  ~ Kristin Chenoweth
10. WHERE CAN YOU TAKE A GIRL?  ~ Brooks Ashmanskas, Peter Benson, Seán Martin Hingston, Ken Land
11. WANTING THINGS  ~ Tony Goldwyn
12. TURKEY LURKEY TIME  ~ Megan Sikora, Mayumi Miguel, Cameron Adams, Ensemble
13. A HOUSE IS NOT A HOME  ~ Kristin Chenoweth
14. A FACT CAN BE A BEAUTIFUL THING  ~ Sean Hayes, Katie Finneran
15. WHOEVER YOU ARE, I LOVE YOU  ~ Kristin Chenoweth
16. CHRISTMAS DAY  ~ Orchestra Voices ~
17. A HOUSE IS NOT A HOME (Reprise)  ~ Sean Hayes
18. A YOUNG PRETTY GIRL LIKE YOU  ~ Sean Hayes, Dick Latessa
19. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ Kristin Chenoweth, Sean Hayes
20. PROMISES, PROMISES  ~ Sean Hayes
21. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN (Reprise)  ~ Kristin Chenoweth, Sean Hayes

収録時間約56分


1968年初演のミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 は、40年以上経った2010年にブロードウェイで再演されました。その再演版のキャスト・レコーディング・アルバムです。

主要キャスト(本作で歌声が聴ける面々)は以下の通り。

Chuck Baxter  チャック・バクスター  -  Sean Hayes
Fran Kubelik  フラン・キューブリック  -  Kristin Chenoweth
J.D. Sheldrake  シェルドレイク  -  Tony Goldwyn
上司4人組
  Mr. Dobitch  ドービッチ  -  Brooks Ashmanskas
  Mike Kirkeby  カークビー  -  Peter Benson
  Mr. Eichelberger  アイケルバーガー  -  Seán Martin Hingston
  Jesse Vanderhof  バンダーホフ  -  Ken Land
OL3人組
  Miss Polansky  ミス・ポランスキー  -  Megan Sikora
  Miss Wong  ミス・ウォング  -  Mayumi Miguel
  Miss Della Hoya  ミス・デラ=ホヤ  -  Cameron Adams
Marge MacDougall  マージ  -  Katie Finneran
Dr. Dreyfuss  ドレイファス医師  -  Dick Latessa

Img328_4 2012年12月、この2010年再演版と同じ構成で日本版 『 プロミセス・プロミセス 』 が上演され、私も観に行きました。その日本版のパンフレットに、初演版に加えて2010年再演版についても詳しい説明が載っていました。とても参考になりますので当該部分を引用します。

─  2010年4月、NYのブロードウェイ劇場で、初のリバイバル版が開幕した。フランは 『 ウィキッド 』 のグリンダ役で絶賛を浴びたブロードウェイの歌姫、クリスティン・チェノウェス。TVドラマ 『 ふたりは友達!? ウィル&グレイス 』 で知られる人気俳優ショーン・ヘイズが、チャック役でブロードウェイデビューを果たした。正直、ヘイズがバカラックの曲をどこまで表現できるのか、と思っていたが、蓋を開けてみれば、せりふと歌の上手さ、全身で悲哀とユーモアの両方を感じさせるチャックに圧倒されるばかり。同年のトニー賞主演男優賞にノミネートされる出来ばえだった。対するチェノウェスも独特のハイトーンボイスでフランを体現して魅せた。演出・振付は現在ブロードウェイで上演中の 『 ハゥ・トゥー・サクシード 』 のロブ・アシュフォード。ダンサー出身なだけに、冒頭から保険会社の男女がオフィスで斬新なダンスを繰り広げるなど、カラフルな舞台にぐいぐいと引き込まれた。ちなみに、リバイバル版ではフランのソロが2曲追加されている。1幕目の 「 小さな願い 」 と 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 で、いずれもバカラック&デイヴィッドによる既成のヒット曲。人気スター、チェノウェスのソロを増やしたい製作者側の意向とも読み取れるが、フランの心情をより際立たせたのは間違いない。 ─

なるほど、初演版から2曲追加された理由はそうゆうことだったのか! なお、この公演は同年のトニー賞4部門ノミネートのうち、助演女優賞(Katie Finneran  ケイティ・フィナラン)を獲得し、2011年1月にクローズしました。

追加された2曲を含めて、各曲がどんな場面で使われたのかをご紹介します↓。(日本版上演に先立ち2012年5月9日に行われたコンサート 『 PROMISES,PROMISES in Concert 』 のパンフレットより)

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ACT Ⅰ
T-1. 「 序曲 」
高らかなトランペットの音から始まる華やかで軽やかなオープニング。バカラックならではの予測のつかないメロディー展開と拍子の変化、きらめくサウンドに冒頭からノックアウトされる。

T-2. 「 僕は半人前 (半人前の僕) 」
保険会社の社員で独身男のチャックが、なかなか出世できずにいる自分への苛立ちと希望を歌うナンバー。「 たくさん夢があったのに 」 と、あれやこれやと考えをめぐらす様子がテンポ良く綴られる。

T-3. 「 グレイプス・オブ・ロス 」
チャックの行きつけのバーの名前。クールなホーンセクションに女性コーラス、軽快なドラムスの音が重なっていくノリのいいナンバー。

T-4. 「 二階の僕の部屋 」
会社での勤務評価を上げてもらうことを交換条件に、上司たちの不倫用に自分のアパートの部屋を貸しているチャックのソロ。ちょっとスリリングな自らの日常をユーモラスに歌いながら紹介していく。

T-5. 「 誰かいるさ 」
チャックは会社のカフェで働くフランに想いを寄せていた。人生のパートナーに出会えない不安を吐露するフランに 「 誰かいるさ 」 とチャック。洒落たデュエットから 「 誰か=僕がいる 」 という彼の恋心が伝わってくる。

T-6. 「 二人の小さな秘密 」
チャックに部屋を借りていた上司の1人シェルドレイクが、独占的に部屋を使用させてくれれば、彼の出世を約束すると申し出る。秘密を共有し、利害が一致したそれぞれの喜びが感じられる陽気なデュエット。

T-7. 「 小さな願い 」
フランが職場のガールフレンド達に、秘密の男から花束をもらったことを告げるソロ。若い女性の恋に憧れる想い、ささやかな願いが、情感豊かなバカラックサウンドによって綴られていく。

T-8. 「 バスケットボールがお好き 」
シェルドレイクからバスケットの試合のチケットをもらい、これをきっかけにフランをデートに誘い胸を躍らせるチャック。彼のはやる気持ちがシンプルな歌詞と3拍子で見事に表現されている。

T-9. 「 去りし時を知って (もうさようならの時) 」
実はフランはシェルドレイクの不倫相手だった。別れたいフランを引き止めるシェルドレイク。同じフレーズの繰り返しによって、今の関係を終わりにしたいという、彼女の強い意志が表現されたパワフルなソロ。

T-10. 「 どこに女がいる? (どこに彼女を連れていく?) 」
シェルドレイクからの申し出を受けたチャックは、部屋を二度と貸さないと他の上司たちに宣言。それを聞いた上司たちがうろたえて歌うコミカルな曲。彼らの慌てぶりが軽快なリズムを通して伝わってくるよう。

T-11. 「 ウォンティング・シングス (欠けているもの) 」
シェルドレイクのバラード。フランから別れを切り出されたのをきっかけに、「 なぜ不倫に溺れてしまうのか 」 と自分に問いかける。ロマンチックでしっとりとした曲調が、複雑な彼の心の中を浮かび上がらせていく。

T-12. 「 ターキー・ラーキー・タイム 」
場面は変わり、保険会社のクリスマスパーティーのシーンへ。仕事の憂さを晴らすように、歌って踊って大いに楽しむ社員達。間奏部分ではラテンテイストも感じられる。賑やかでとことん陽気なナンバー。

T-13. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム (一人ぼっちの部屋)」
シェルドレイクの女性秘書に彼の最も新しい不倫相手になったことを告げられたフランが、切なさを胸に歌うソロ。同時に、彼女がシェルドレイクの不倫相手だとチャックが知ったところで1幕は終わる。

ACT Ⅱ
T-14. 「 事実は美しいはずなのに 」
クリスマスイブ。フランとの一件で気落ちしたチャックはバーへ。そこでマージに出会う。淋しい者同士、意気投合する2人。酔っていい気持になっていく様子がバカラック特有の転調で見事に表現されている。

T-15. 「 あなたはあなた (あなたはもういない/永遠の誓い) 」
同じ頃、チャックの部屋にいたフランは、シェルドレイクからクリスマスは家族と過ごすと告げられる。傷ついた彼女は…。極限状態に陥ったフランの気持ちがドラマチックなメロディーに込められていく。

T-16. 「 クリスマス・デイ 」
マージを連れて部屋に戻ったチャックは、睡眠薬を多量に飲んだフランを発見。彼は隣部屋のドレイファス医師を呼び、おかげでフランは一命を取り留めた。クリスマスの日、美しいメロディーが彼らを優しく包み込む。

T-17. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム (一人ぼっちの部屋)」 (リプライズ)

T-18. 「 可愛い女の子 (若くてかわいい女の子) 」
フランの自殺未遂から数週間が経ち、チャックとドレイファス医師が、回復してきた彼女のために歌う。明るく陽気なナンバー。「 笑って欲しい、元気になって欲しい 」 と願う男2人の優しさが伝わってくる。

T-19. 「 恋よさようなら (もう恋なんてしない) 」
命を救ってささえてくれたチャックに、フランが今の気持ちを語り出す。ギターの調べから始まるシンプルなサウンドが嘘のない彼女の気持ちを伝え、やがてチャックが寄り添っていく。2人の心が近づく瞬間をとらえた曲。

T-20. 「 プロミセス・プロミセス 」
フランを大晦日を過ごすため、部屋を貸して欲しいというシェルドレイクを断り、職場を去るチャック。フランはチャックこそが自分のパートナーだと気づくのだった。2人を祝福するかのようにホーンが鳴り始め、一気にバカラックの魅惑のサウンドが炸裂する、最高のラスト。

T-21. 「 恋よさようなら (もう恋なんてしない) 」 (リプライズ)

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本アルバムは、初演版にあったフレーズの粘っこさ/リズムのねちっこさ/金管のテンションの高さがあまり見られず、全体的にスッキリしています。初演版の時はバカラックが指揮していましたが、本アルバムの場合バカラックは全く関与していませんからねー。指揮の違いは大きいなぁ…と思います。

T-1. 「 序曲 」 のなかに 「 小さな願い 」 が組み込まれたり、T-9. 「 去りし時を知って 」 でサビの繰り返しが多かったり、T-19. 「 恋よさようなら 」 のキーが2度低かったりと、楽曲のアレンジ面でも初演版と細かな違いはありますが全体を通して聴いている分には気になりません。

クリスティン・チェノウェスは米ドラマ 『 グリー 』 のエイプリル役で初めて知り、そのネコのような声が印象に残っていたのですが、フラン役とのマッチングという意味ではイマイチのような気がします。一方、チャック役のショーン・ヘイズは特徴的な細かーいビブラートが意外にチャックの性格に合ってる感じがして、違和感なく聴けました。あくまで個人的な感想ですけれど。

このミュージカルはクリスマスシーズンxmasの物語。本当は12月25日までに本アルバムを取り上げたかったのですが、バタバタしてるうちに年が明けてしまいましたcoldsweats01。 ─ ともあれ、2017年もよろしくお願いいたします。


【データ】
『 PROMISES, PROMISES 』
The New Broadway Cast Recording

CD:2010年6月21日リリース
レーベル:MASTERWORKS BROADWAY (US)
番号:88697 73495 2

Produced for records by David Caddick & David Lai
Recorded and mixed by Todd Whitelock
Recorded at MSR Studios, NYC, May 10, 2010
Conductor: Phil Reno
Associate conductor: Mat Eisenstein
Reeds (4), Trumpets (4), Trombone (1), Drums (1), Bass (1), Guitar (1), Percussion (1), Concertmaster (1), Violin (1), Viola (1), Cello (1), Keyboard (2), Synthesizer programmer (1)

Originally produced for the broadway stage by David Merrick
Book by Neil Simon, Music by Burt Bacharach, Lyricks by Hal David

2016年12月28日 (水)

NOW/Dionne Warwick (2012年)

ディオンヌ・ワーウィックがデビュー50周年を記念してリリースしたリメイク集です。バカラック作品を10曲収録!

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全12トラック中、バカラック作品は10トラック

1. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
2. ARE YOU THERE (WITH ANOTHER GIRL)
3. DON'T MAKE ME OVER
4. LOVE'S (STILL) THE ANSWER
5. 99 MILES FROM LA
6. BE AWARE
7. REACH OUT FOR ME
8. IS THERE ANYBODY OUT THERE?
9. I JUST HAVE TO BREATHE
10. IT WAS ALMOST LIKE A SONG
11. MAKE IT EASY ON YOURSELF
12. I SAY A LITTLE PRAYER ~ Duet with David Elliott ~

収録時間約46分


Img321ww_2 ディオンヌ・ワーウィックのデビュー50周年を記念したリメイク集です。ライナーには、50周年記念のロゴ・マーク(画像)もありましたですょ。わざわざデザインしたんですねー。

ディオンヌのリメイク集は、1998年の 『 DIONNE SINGS DIONNE 』 (DSD) 、2000年の 『 DIONNE SINGS DIONNE Ⅱ 』 (DSDⅡ) 、2006年の 『 MY FRIENDS & ME 』 (F&ME) に続いて、本作 『 NOW 』 が4枚目。拙ブログではこれら4作を リメイク集4部作 と呼ぶことにします。

Amazonの “ 内容紹介 ” によれば、本作の収録曲は、親しいミュージシャン、親友、家族、そしてファンなどの意見をもとにセレクトされたものだそう。全12曲のうち、リメイクは8曲で新たなカヴァーが4曲。リメイクの8曲は全てバカラック&デイヴィッド作品で占められています。また、新たなカヴァー4曲のうち2曲はバカラックが作曲。12曲中10曲がバカラック作品ということになりますネ。

リメイク集4部作の収録曲のうち、バカラック作品だけをリスト化したのがこちら↓。“ リメイクした曲 ” と “ 初めてカヴァーした曲 ” の二つのカテゴリーに分けました。

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リメイクしたのは圧倒的にセプター時代の曲が多いことがわかります。なかでも 「 I SAY A LITTLE PRAYER (小さな願い) 」 は4部作全てで取り上げています。他の曲は多くても2回なのに…。「 小さな願い 」 はディオンヌにとって思い入れのある特別な曲なのでしょう。

ワーナー時代は、バカラック作品が少ない上にヒットもない為ディオンヌがリメイクすることは無いと思っていました。事実、3作目までは蚊帳の外だったのですが、本作 『 NOW 』 では2曲取り上げています。T-6. 「 BE AWARE (ビー・アウェアー) 」 とT-9. 「 I JUST HAVE TO BREATHE (アイ・ジャスト・ハフ・トゥ・ブリーズ) 」 で、2曲ともオリジナルは1972年のアルバム 『 DIONNE 』 に収録。どちらも地味ですがメロディが繊細で美しい曲。まさかリメイクされるとは! うれしい誤算でした。

ちょっと腑に落ちないのが、アリスタ時代の全米1位 「 THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR (愛のハーモニー) 」 をリメイクしていないこと。ライヴ(例えば2004年の 『 AN EVENING WITH DIONNE WARWICK 』 )では歌っているんですけどね。

同様に、セプター時代の 「 ALFIE (アルフィー) 」 、「 THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU (ディス・ガール) 」 、「 A HOUSE IS NOT A HOME (ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム) 」 といったバカラックの有名曲も、ライヴでは歌ってるのにリメイクはゼロ。美しい旋律の 「 THE APRIL FOOLS (エイプリル・フールズ/幸せはパリで) 」 や躍動感のある 「 PROMISES, PROMISES (プロミセス・プロミセス) 」 あたりもリメイクして欲しかったです。

一方、リメイク4部作のなかには初めてカヴァーしたバカラック作品も3曲あって、そのうち2曲を本作 『 NOW 』 で取り上げています。T-4. 「 LOVE'S (STILL) THE ANSWER (ラヴ・イズ・スティル・ジ・アンサー) 」 は、イタリアの女性歌手オルネラ・ヴァノーニが2002年にリリースしたバカラック集 『 SOGNI PROIBITI 』 で歌ったのがオリジナル。ロナルド・アイズレーやトレインチャもカヴァーしています。T-8. 「 IS THERE ANYBODY OUT THERE? 」 は、飯島真理が1995年に歌ったのがオリジナル。自身で訳した日本語版も彼女は歌っていて、邦題は 「 愛をさがして 」 でした。私が知る限り、本作のディオンヌ版しかカヴァーはないんじゃないかなぁ…。超レア曲でございます。

こうしてみると、本作 『 NOW 』 はかなり意欲的な選曲をしています。プロデューサーは大御所フィル・ラーモン。ディオンヌとは旧知の仲で、セプター時代のレコーディングにはエンジニアとして参加していたそうです。元のディオンヌ版(或いはオリジナル版)をベースとしたアレンジで、コンセプトとしては 『 DSDⅡ 』 に近いもの。ですが、出来は遥かに本作のほうが上。バックはシンプルだけど密度の濃い演奏で、ちゃんと生のストリングスも入れてます。ディオンヌの歌声はところどころ音程が落ち気味になるものの、気合を入れて歌っている様子は伝わります。

が、幾分物足りない感じがするのも事実。リメイクは何かしらスパイスをきかせないとね。…という私の声が聴こえたのか(笑)、ラストのT-12. 「 小さな願い 」 はちょっと凝ったアレンジ。ヒップポップとゆーのは 『 DSD 』 と同じなのですが、よりクールなリズムに乗ってディオンヌもエモーショナルにカッコ良く歌っています。息子のデヴィッド・エリオットとのデュエットは息もぴったり。アルバムにとって、プチ・スパイスになってると思います(^^♪

ディオンヌは1940年生まれ。ですから、本作リリースした2012年時点では72歳。それを考えると、よく頑張りました! 60周年アルバムもあるかも!?


【データ】
『 NOW ~ A Celebratory 50th Anniversary Album ~  』
Dionne Warwick

CD:2012年10月22日リリース
レーベル:Blue Horizon / H&I Music (US)
番号:BHV-16789-2

Produced by Phil Ramone
Executve Producers: Hermione Ross and Jon Baker
Arranged and conducted by Rob Mounsey
Written by Burt Bacharach & Hal David (T-1,2,3,6,7,9,11,12.)
Written by Burt Bacharach & Tonio K (T-4.)
Written by Burt Bacharach, John Bettis, James Ingram & Puff Johnson (T-8.)
Written by Hal David & Albert Hammond (T-5.)
Written by Hal David & Archie Jordan (T-10.)

Musicians
  Rob Mounsey - Piano
  Henry Hey - Keyboards
  David Finck - Bass
  Ben Butler - Guitar
  Mark McLean - Drums
  Trumpets & Flugelhorns: Kadleck and Jeff Kievit (T-1.)
  Flugelhorn solo: Jeff Kievit (T-6.), Tony Kadleck (T-8.)
  Violins: Concert Master: Elena Barere, Hae-Young Ham, Ann Lehmann and Sarah Crocker (T-5,6,8,9,11.)
  Celli: Jeanne LeBlanc and Ellen Westermann (T-5,6,8,9,11.)
  Background Vocals: Vaneese Thomas, Fonzi Thornton, Catherine Russell and Jill Dell'Abate (T-1,3,7,8,11.)

2016年12月11日 (日)

THIS GIRL'S IN LOVE/Rumer (2016年)

たおやかな音楽がここに在る ─ 英国女性シンガーソングライター、ルーマーによるバカラック&デイヴィッドのカヴァー集です。

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1. THE LOOK OF LOVE
2. THE BALANCE OF NATURE
3. ONE LESS BELL TO ANSWER
4. ARE YOU THERE (WITH ANOTHER GIRL)
5. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
6. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
7. IN THE LAND OF MAKE BELIEVE
8. A HOUSE IS NOT A HOME
9. WALK ON BY
10. THE LAST ONE TO BE LOVED
11. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU
12. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE

収録時間約46分


Img318vv─  ルーマーは、私たちの曲に新しい生命(いのち)を吹き込んでくれた…。ゴールデン・ヴォイスの持ち主なんだ。 ─  CDケースに貼られたシールに載っていたバカラック爺のコメント(画像参照。なんちゃって意訳です、悪しからず^^;)

楽しみにしていたアルバムが、予定より約1か月遅れて11月25日に世界同時リリースされました。英国女性シンガーソングライター、ルーマーによるバカラック&デイヴィッド作品のカヴァー集です。ネット上ではすでに至る処で絶賛されている本作、期待を超えたアルバムでございました。

ルーマーは、1979年生まれで2010年にメジャー・デビューした遅咲きのシンガーソングライター。彼女のプロフィールやこれまでのバカラック・カヴァーについては、過去の拙記事を参照くださいませ。(萩原建太氏がライナーを執筆されたという日本盤をお持ちの方はその必要ないと思いますが…)
『 SEASONS OF MY SOUL 』 (2010年)
『 B Sides & Rarities 』 (2015年)

Img319ww プロデューサーで編曲もこなしているロブ・シラクバリは、別名 Rob Shrock (ロブ・シュロック) 。そうです、バカラック・バンドでキーボード/シンセを弾いてきたあの方なんです。Wikiで調べたら、ロブは1963年11月生まれ。わたくし “ あるでお ” と同世代だったんですねー。

ルーマーとロブは2015年に結婚したばかりの新婚さん。CDケースの内側にルーマーと見つめ合ってる写真が載ってます。ふたりの年齢差は16歳もあるのですが、とってもいい雰囲気。なぁんか、キャロル・ベイヤー・セイガーのアルバム 『 SOMETIMES LATE AT NIGHT 』 の裏ジャケを彷彿とさせますねー。セイガーが19歳年上のバカラックと写ってるアレです。結婚したのはそのアルバムをリリースした後でしたけれど。

ロブのアレンジ&プロデュースは、アルバム全体を落ち着いたトーンでまとめています。ルーマーのようにそれほど抑揚のある歌い方をしないシンガーの場合、同じトーンの曲ばかりだとマンネリに陥るリスクも孕んでいると思うのですが、そんなことは全く感じられません。バンドを基本としてストリングスやホーンが絡むバックは、曲に合わせてきめ細かく楽器や編成を使い分けて微妙なニュアンスの違いを生み出しています。加えて、バカラックのアレンジをリスペクトとしながらも、オリジナリティのあるオブリガートやイントロ/間奏でのフレーズたち…。聴く人を飽きさせません。

ルーマーの柔らかい、それでいて芯がある真っすぐ揺るぎない声。それをしっかり支えるだけでなく、更なる高みに引き上げているプロデュース・ワーク。素晴らしいポップスのアルバムだと思います。

収録された12曲は、前述したとおり全てバート・バカラックとハル・デイヴィッドのペンによるもの。よくカヴァーされる曲に混ざって、なかには超レア曲もチョイスされています。

T-2. 「 ザ・バランス・オブ・ネイチャー 」 はディオンヌがオリジナルで、1972年のアルバム 『 DIONNE 』 に収録。カヴァーはバカラック自身永山マキさんのものくらいしかないはず。それともう1曲、T-10. 「 ザ・ラスト・ワン・トゥ・ビー・ラヴド 」 。こちらもディオンヌがオリジナルで、1964年のアルバム 『 MAKE WAY FOR DIONNE WARWICK 』 に収録。バカラック自身、ビリー・デイヴィス、ルー・ジョンソンあたりが1964年~1965年にカヴァーしてるだけのこんな埋もれた曲を、よくぞ引っ張り出してくれました。この 「 ザ・ラスト~ 」 のカヴァーは個人的にむっちゃ嬉しいです。

T-11. 「 ディス・ガール 」 のイントロでバカラック爺のピアノとヴォーカルが聴けるのも嬉しいです。今年8月に腕を骨折したあとの経過がどうなのか、気になるところですが…。

なお、日本盤には 「 ANYONE WHO HAD A HEART (恋するハート) 」 がボーナス・トラックとして追加されています。UK盤のCDを購入した私は、この曲だけダウンロードしました。

ずずさんより数日前に頂いた ─ この寒い冬にほっこりできる ─ というコメントをはじめ、ツィッターなどでも ─ 季節柄染みる/冬の夜にほっこりする/寒い季節にぴったり ─ などの書き込みが目立ちます。全く同感です。さらに言えば、季節によらず聴く人の心に寄り添ってくれるアルバムではないかと。春に聴けば爽やかな気分になり、夏に聴いたら清涼感を感じ、秋に聴いても寂寥感を和らげてくれる…。“ たおやかな音楽 ” とはこんな音楽なんだろうと。

おススメです(^^♪


【データ】
『 THIS GIRL'S IN LOVE  a Bacharach & David Songbook 』 (邦題:ディス・ガール ~バカラック&デヴィッド・ソングブック
Rumer

CD:2016年11月25日リリース
レーベル:East Weat Records (UK)
番号:0825646482313

Produced, Arranged & Conducted by Rob Shirakbari
Word & Music by Burt F Bacharach & Hal David
  Rumer - Vocals, Backing Vocals
  Rob Shirakbari - Piano, Bass, Percussion, Textures, Nylon Guitar, Vibs, Rhodes, Arp Solina, Coral Sitar, Backing Vocals
  Jay Bellerose - Drums, Percussion
  Larry Ciancia - Drums, Percussion
  Grecco Buratto - Nylon Guitar, 6-String Acoustic
  Julie Wolf - Accordion
  Ash Soan - Drums
  Dean Parks - Nylon Guitar, Acoustic Guitar, High-String Guitar, 12-String Guitar
  Kevin Afflack - Ukelele, Electric Guitar
  Tollak Olstesd - Harmonica
  Stephanie Bennett - Harp
  Tom Boyd - Oboe
  Susan Harriott - Backing Vocals
  Troy Dexter - Guitar
  Diego Rodriguez - Bass
  Matt Backer - Electric Guitar
  Josh Lopez - Electric Guitar
  Shawn Pelton - Drums
  Arturo Solar - Flugelhorn, Trumpet
  Renato Brasa - Percussion
  Greg Leisz - Electric Guitar, Pedal Steel
  Ian Thomas - Drums
  Scrote - Ukelele
  String Quartet / String Octet / 22-Piece String Section
  6-Piece Horns / 7-Piece Horns

  Burt Bacharach - Intro Piano & Volcal (T-11.)

2016年11月27日 (日)

MY FRIENDS & ME/Dionne Warwick (2006年)

ディオンヌ・ワーウィックが女性ばかりとコラボしたリメイク集です。バカラック作品を多数収録!

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全13トラック中、バカラック作品は9トラック

1. WALK ON BY  ~ with Gloria Estefan ~
2. MESSAGE TO MICHAEL  ~ with Cyndi Lauper ~
3. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ with Mya ~
4. I'LL NEVER LOVE THIS WAY AGAIN  ~ with Gladys Knight ~
5. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ with Kelis ~
6. Déjà Vu
7. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ with Reba McEntire ~
8. ANYONE WHO HAD A HEART  ~with Wynonna Judd ~
9. THEN CAME YOU  ~ with Lisa Tucker ~
10. WISHIN' AND HOPIN'  ~ with Olivia Newton-John ~
11. LOVE WILL FIND A WAY  ~ with Cheyenne Elliott ~
12. THE WINDOWS OF THE WORLD  ~ with Angie Stone, Chanté Moore, Deborah Cox, Da Brat ~
13. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  ~ with Celia Cruz ~

収録時間約49分


1998年の 『 DIONNE SINGS DIONNE 』 (略称:DSD)、2000年の 『 DIONNE SINGS DIONNE Ⅱ 』 (略称:DSDⅡ)に続いて2006年にリリースされた、リメイク盤の第3弾! ‟ またリメイクかよ ” と思う人もいたでしょうね。私もそうでした。そのあたりはディオンヌもKY(危険予知)したようで、編み出したソリューションは “ 女性アーティストとのコラボによるリメイク集 ” 。

CDのライナーに寄せたディオンヌのコメントを少し引用します(私による超意訳です、あしからず…)。 ─  これらの曲はどれも私の人生の中でとても特別な存在なの。今回新しい生命(いのち)を吹き込むことができたのは、私にとって最高の喜びだったわ。彼女たちの惜しみない協力が無かったらこのプロジェクトはとても実現できなかったでしょう。“ 感謝します ” という言葉を何度言っても足りないぐらいね…。 ─

ディオンヌの全米№1ヒットは、スピナーズと共演した 「 THEN CAME YOU 」 (1974年)と、ディオンヌ&フレンズ名義の 「 THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR (愛のハーモニー) 」 (1985年)の2曲。いずれもソロではなく他アーティストとのコラボ曲です。また、アリスタ・レーベル時代のシングル曲のおよそ3分の1はデュエット・ナンバーでした。このことからもわかるように、ディオンヌにとってデュエットをはじめとしたコラボ曲はけっこう得意分野。この企画は確かにナルホドと思わせてくれます。まぁ、私はひねくれ者なので、他人の力を借りざるを得ないほどディオンヌのパフォーマンスは低下したのか…と思っちゃいましたが^^;。

閑話休題、ディオンヌの呼びかけに協力してくれた女性アーティストは15名。グロリア・エステファン、シンディ・ローパー、マイヤ、グラディス・ナイト、オリビア・ニュートン=ジョンの5人は説明不要ですね。グラディスは 「 愛のハーモニー 」 で一緒に歌った仲。義理堅いですね。

Kelis(ケリス)は1979年生まれの米国人シンガーソングライター。Reba McEntire(リーバ・マッキンタイア)は1955年生まれの米国人カントリー歌手。Wynonna Judd(ワイノナ・ジャッド)は1964年生まれの米国人カントリー歌手。彼女は1998年のトリビュート・コンサート 『 ONE AMAZING NIGHT 』 にも参加していました。Lisa Tucker(リサ・タッカー)は1989年生まれの米国人シンガー。彼女はアメリカン・アイドルのシーズン5(2006年)で10位になりました。現在は女優として活動中。Cheyenne Elliott(シャイアン・エリオット)はディオンヌの孫娘で、当時はナント12歳。左から紹介順に画像を載せておきます。シャイアン・エリオットの画像は最近のものです。
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Angie Stone(アンジー・ストーン)は1961年生まれの米国人シンガーソングライター。Chanté Moore(シャンテ・ムーア)は1967年生まれの米国人R&Bシンガー。Deborah Cox(デボラ・コックス)は1974年生まれのカナダ人R&Bシンガーソングライター。Da Brat(ダ・ブラット)は1974年生まれの米国人ラッパー。他の人達がディオンヌと1曲ずつデュエットしているのに対して、この4人は同じ曲でディオンヌとコラボしています。この4人も左から紹介順に画像を載せておきます~。
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大トリは “ サルサの女王 ” と呼ばれたキューバ系米国人のCelia Cruz(セリア・クルース)。しかし彼女は2003年に77歳でお亡くなりになってまして、本アルバムに収録されてる音源は 『 DSD 』 でのデュエット曲をリミックスしてディオンヌの歌を載せ替えたバージョンと思われます。女王の在りし日の御姿を載せておきますね。モノクロ画像はお若い頃のものです。
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プロデューサーはディオンヌの次男、デーモン・エリオット。1973年生まれの彼はこの時33歳。『 DSD 』 や 『 DSDⅡ 』 でプロデュースしたのは一部だけでしたが、今回は全曲をプロデュース。クレジットには書いてありませんが、アレンジも彼なんでしょう。

取り上げられた13曲は全てディオンヌがかつて歌った曲。そのうちバカラック作品は9曲。元曲の構成を尊重しつつも、全体的にはヒップポップ風味に仕上がっています(曲によって味付けの濃い/薄いは有り)。ディオンヌは衰えたなりに頑張って歌っていますし、コラボした女性アーティストもそれぞれ “ らしい ” パフォーマンスを見せてくれてはいます。

でも、グロリア・エステファンとのT-1. 「 ウォーク・オン・バイ 」 や、シンディ・ローパーとのT-2. 「 マイケルへのメッセージ 」 などは、協力してくれた女性アーティストの良さを生かし切れていない印象を受けました。どうしてヒップポップ風味にする必要があるのか。特にシンディ・ローパーは居心地悪そうに聴こえますねー。シンディだったら、「 アルフィー 」 や 「 恋するハート 」 などのバラード曲を聴きたかった…とも思いますし、曲とのマッチングを含めてピップポップにこだわったプロデューサーの力量不足かなぁ…。

聴き応えがあったのはT-12. 「 世界の窓と窓 」 。前述した4人とコラボした曲で、ノリが良くラップもいい感じでハマってます。バカラック作品以外では、グラディス・ナイトとコラボしたT-4. 「 涙の別れ道 」 が良かったです。プロデュースどうこうより、グラディスの貫禄でしょう。


【データ】
『 MY FRIENDS & ME 』
Dionne Warwick

CD:2006年11月7日リリース
レーベル:CONCORD MUSIC GROUP (US)
番号:CCD-2310-2

Produced by Damon Elliott
Co-producer: Teddy "BEAR" Harmon
Executive producers: Dionne Warwick, Damon Elliott and John Burk
Grecco Burratto: Guitar
Trddy Harmon: Bass, Keyboards, Programming
Damon Elliott: Keyboards, Drums, Programming

2016年11月20日 (日)

AT THIS TIME/Burt Bacharach (2005年)

バート・バカラックが世を憂いて2005年にリリースしたアルバムです。作詞にも初挑戦!

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1. PLEASE EXPLAIN
2. WHERE DID GO?
3. IN OUR TIME ~ Featuring Chris Botti ~
4. WHO ARE THESE PEOPLE? ~ Featuring Elvis Costello ~
5. IS LOVE ENOUGH?
6. CAN'T GIVE IT UP
7. GO ASK SHAKESPEARE ~ Featuring Rufus Wainwright ~
8. DREAMS ~ Featuring Chris Botti ~
9. DANGER
10. FADE AWAY
11. ALWAYS TAKING AIM

収録時間約54分


Img312cc─  僕はこの作品をとても誇りに思っていますし、人生のこの時期において ~ 肩越しにのぞき込んだ誰かに 「 この歌はヒットしそうにないなあ 」 とか 「 こんな曲じゃラジオで流してもらえないよ 」 なんて言われたりすることなく ~ 自分自身をこんなにも素直に正直に表現する機会を得たことに心から感謝しています。
 僕を支え、励まし、ある種の賭けに出てみることを ~ 言い換えるなら、僕自身の音楽をいくばくかの危険にさらすことを ~ 促してくれたロブ・ストリンガーにも感謝しています。
 状況が好転することがあり得ると願いながら、僕の子どもたちに、そして皆さんの子どもたちにこれを捧げます。 バート・バカラック  ─
 (ライナーに寄せたコメント。対訳:野村伸昭氏)

1979年リリースの 『 WOMAN 』 以来、26年ぶりとなるオリジナル・アルバム。何故バカラック爺がこの作品を世に出したのか…。ライナーに寄せたコメントが全てを物語っています。ロブ・ストリンガーは、英国ソニーBMGの社長さん。彼からのオファーは、─  新しいアルバムを作りませんか? 今のバート・バカラックを表すものを作って欲しい。売れるアルバムではなく、いいアルバムを作って欲しい。─  だったそう。

収録曲は新曲ばかり。ただし、T-7. 「 ゴー・アスク・シェイクスピア 」 は、クリス・ボッティ2003年のアルバム 『 A THOUSAND KISSES DEEP 』 に収録されている 「 THE LAST THREE MINUTES 」 に歌詞をつけたもので、タイトルも変えています。

聴いてまずビックリするのが、ドラム・ループの大量使用。 ─  ドクター・ドレが6,7種類のドラム・ループをくれたので、それを使って曲を書き、エルヴィス・コステロとルーファス・ウェインライトも、一部の曲でヴォーカルを取ってくれた。 ─ (バカラック自伝より)

更にビックリなのが歌詞。今回が初めてバカラック爺が作詞(トニオKと一緒に)しています。ですから、このアルバムは歌詞に注目です。自身がヴォーカルを取ったT-1. とT-2. の2曲は尚更。主要な曲について歌詞のエッセンスを拾ってみました。

T-1. 「 プリーズ・エクスプレイン 」 : 愛はどこに行ってしまったんだろう 僕らがかつて見た夢はどこに? 説き明かしてくれ

T-2. 「 ホエア・ディド・イット・ゴー? 」 : 僕には12歳の息子と9歳の娘とカレッジに通ってる息子がいる 彼らの将来が心配だ 僕の知っていたあの世界はどこに行ってしまったんだろう?

T-4. 「 フー・アー・ジーズ・ピープル? 」 : 僕に向って嘘をつき続けるあの連中は何者なんだろう 何もかも破壊してなにがしかの利益のために未来を売り払うあの連中は何者なんだろう 自分が間違っていても認めないなんて一体どんな指導者なんだろう 連中を止めなきゃいけない

T-7. 「 ゴー・アスク・シェイクスピア 」 : 愛こそが答えなんだ だから僕は希望を持ち続けて耐えている もっといい日が来るのを待ち続けている 人生は奇跡 ─ でなきゃ愚かな物語 僕には分からないから シェイクスピアに聞いてくれ

2005年は、共和党ジョージ・ブッシュ(Jr.のほう)大統領の2期目が始まった年。爺の怒りは相当なものだったんですねー。

先ごろ行われた米国大統領選。共和党のドナルド・トランプ氏が民主党のヒラリー・クリントン氏を破って勝利しましたが、爺の怒りが再び爆発しないことを祈っています。 …いや待てよ? 爆発したほうが良かったりして。そしたらまたアルバムをリリースしてくれるかも!?happy02


【データ】
『 AT THIS TIME 』 (邦題:アット・ディス・タイム)
Burt Bacharach

CD:2005年10月24日リリース (所有CDは、2006年2月22日リリースの日本盤。ライナーは朝妻一郎氏)
レーベル:SONY BMG (UK) (所有CDは、BMG JAPAN)
番号:82876734112 (所有CDは、BVCM-31186)

All tracks produced, arranged and conducted by Burt Bacharach
Executive producer: Rob Stringer and Andrew Hale
Music and Lyrics by Burt Bacharach (T-10.)
Music by Burt Bacharach (T-3~7,9,11)
Music by Burt Bacharach and Denaun Porter (T-1.)
Music by Burt Bacharach and Printz Board (T-2.)
Music by Burt Bacharach and Chris Botti (T-8.)
Lyrics by Burt Bacharach and Tonio K. (T-1,2,4~8,11.)
※ミュージシャンのクレジットはゴチャゴチャしてるので割愛します^^;

2016年11月13日 (日)

サード・バカラ君??

サード・バカラ君はやっぱりバート・バカラックだった!…の巻


今日、映画 『 ぼくのおじさん 』 を観てきました。映画館で映画を観るのは数年ぶりです。

Img316cc_2 原作は北杜夫の児童文学。最初に読んだのは小学6年生の時。学級文庫にあったこの本を読んだら面白くって。単行本を自分でも買いました。

大人になり、本屋で見つけた文庫本を思わず衝動買い。今秋、映画になると知って本棚を探したのですが、2冊とも見当たらず…。引っ越しを何度かするうちに処分してしまったようです。

っつーことで、文庫本を再度購入。なので、この本を買うのは3度目ですネcoldsweats01

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本題に戻ります。映画のエンド・クレジットをぼんやり眺めていたら、ちょっと気になる名前が目に飛び込んできました。

サード・バカラ君

ん? なぁんかバート・バカラックに似てるよなぁ…と、そう感じたんですねー。映画の主題歌と思われる曲の作曲・編曲者としてクレジットされていたみたいなのですが、上の方に流れてしまって確認しようがありません。気になって仕方ないので、家に戻ってから検索! 曲名と作者が判明しました。

「 おじさんサンデー 」
作詞:春山デビッドとニャム子
作曲・編曲:サード・バカラ君


映画の音楽を担当したのは、きだしゅんすけ さん。ツィッターを検索したら、きださんがツィートしてました。

─ 作曲・編曲:サード・バカラ君 というのは僕です。春山デヴィッドさんとサード・バカラ君(ハル・デビッド/バート・バカラック、、、)、、、わーー本当にごめんなさいーーー! ─

きださんの別名だったんだっ! ユーモアがあって面白いですよね~。きださんは、きっとハル・デイヴィッド&バート・バカラックの大ファンなんでしょう。

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今日は、山下達郎さんのサンソンでもバカラックの曲がかかりましたし (ボビー・ゴールズボロの 「 ミー・ジャパニーズ・ボーイ 」 )、なかなか良い一日でした。happy01

AN EVENING WITH DIONNE WARWICK/Dionne Warwick (2004年)

ディオンヌ・ワーウィックが2004年にリリースしたライヴ録音アルバムです。バカラック作品を多数収録!

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全17トラック中、バカラック作品は14トラック

1. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
2. DON'T MAKE ME OVER
3. WALK ON BY
4. ANYONE WHO HAD A HEART
5. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
6. A HOUSE IS NOT A HOME
7. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
8. MESSAGE TO M.
9. THIS G'S IN LOVE WITH YOU
10. I SAY A LITTLE PRAYER ~ featuring David Elliott ~
11. ALFIE
12. HEARTBREAKER
13. CORCOVADO / WATERS OF MARCH / AQUARELA DO BRAZIL

14. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
15. I'LL NEVER LOVE THIS WAY AGAIN
16. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
17. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR ~ featuring David Elliott ~

収録時間約64分


ディオンヌ・ワーウィックが2003年のシラキュース・ジャズ・フェスティヴァルに出演した際のライヴ録音アルバムです。

2003_poster2003_artistsこのジャズ・フェスはニューヨークで1983年から開催されているもの。今年(2016年)第34回を迎えたそうです。

2003年は6月20~22日に開催。当該フェスの公式サイトにポスターと出演者リストがありましたので、ちょいとコピペさせていただきました。この年は、ナンシー・ウィルソン、チャカ・カーン、ディオンヌという3人が目玉だったようですね。リストの中には、ランディ・ブレッカーやジョン・ピザレリの名前もあります。

全17トラックは全て拍手で繋がる形で編集されています。ま、実際にメドレー形式で繋げて歌った曲もありますが。

そのうち14トラック(=14曲)がバカラック作品。自分のファン以外の聴衆が大勢いるジャズ・フェスということもあってか、耳馴染みのある昔のアレンジで歌っています。例外は3曲。ヒップポップ系アレンジのT-10. 「 小さな願い 」 とサルサ仕立てのT-14. 「 サン・ホセへの道 」 は、1998年リリースの 『 DIONNE SINGS DIONNE 』 バージョン。6/8のR&B調アレンジのT-1. 「 遥かなる影 」 は、2000年リリースの 『 DIONNE SINGS DIONNE Ⅱ 』 からのもの。3曲とも聴衆の反応は上々です。

高音域はかなり苦しく、音程も不安定。メロディのフェイクもちょっと辛い。でも、“ ディオンヌ頑張れ!” と心の中で声援を送りたくなる。前述した2枚のスタジオ録音盤の紹介記事では “ プロとしてこれは如何なものか… ” なんて言ってたのにね、自分(笑)。ライヴの雰囲気はやっぱりスタジオ録音とは違いますね~。

次男のデーモン・エリオットが2曲(T-10,17.)でデュエットしていますが、なかなかのパフォーマンスです。ディオンヌはどんな表情して歌ってるんだろう? などと思っちゃうワケで、やはりライヴは映像で観たいなぁと思った次第。

そしたら、ライナーに ‟ DVD版もある ” との記述が! アマゾンで検索するも見当たらず…。英国の Amazon で探したらありました。本アルバムと同じジャケ写のトールケース入り。曲目リストはCDと全く同じなのですが、収録時間は倍近い125分! 歌以外にMCなども収録してるのでしょう。ただしこのDVD、リージョン・フリーなのですが放送規格がPAL方式なのでNTSC方式の日本では視聴不可。だから日本のアマゾンでは取り扱ってないのかぁ~。


【データ】
『 AN EVENING WITH DIONNE WARWICK live in concert featuring the Bacharach & David songbook
Dionne Warwick

CD:2004年2月9日リリース
レーベル:Metro / Union Square Music (UK)
番号:METRCD124

ライナーにクレジット等の記載はありませんでした。
ライヴの場所について以下記述があるのみです。
… from her live show at 2003's Syracuse jazz festival captured here in full.

2016年11月 9日 (水)

POP Deluxe/Mari Wilson (2016年)

英女性ポップ・シンガー、マリ・ウィルソンが2016年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを5曲も収録!

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全13トラック中、バカラック作品は5トラック

2. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME (3:52)
4. THE LOOK OF LOVE (4:46)
7. 24 HOURS FROM TULSA (7:06)
10. ANYONE WHO HAD A HEART (3:38)
12. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF (4:53)


英女性ポップ・シンガー、マリ・ウィルソンが2016年にリリースした通算6作目のアルバムです。

750e92_bfcb01fc73ab41369d29cab0d9_2750e92_04b4a9aae664490393c6cb3d5d7e マリ・ウィルソンは、1954年ロンドン生まれ。1982年の 「 JUST WHAT I ALWAYS WANTED (邦題:マリのピンクのラブソング) 」 が全英8位になるなど、1980年代前半にニューウェイヴ系ポップソングを歌って人気があったそうです。当時は大きなハチの巣状の髪が特徴でした。(写真左)

表が右目で裏が左目という本アルバムのジャケット、素敵だと思うのですが残念ながら彼女の髪型はわかりません。ですので、最近のお姿を載せておきます。今はショートにしてるんですね~。(写真右)

彼女は、前作アルバム 『 COVER STORIES 』 を2012年春にリリースしているのですが、これは文字通りカヴァー・アルバムでした。その後、2014年1月に “ Am I The Same Girl - Mari Sings Dusty ” というダスティ・スプリングフィールドをトリビュートしたコンサートを行い、同年6月にはBBCコンサート・オーケストラをバックにダスティとシラ・ブラックの曲を取り上げました。そして、翌2015年は “ Ready Steady Girls - the songs of Dusty, Cilla, Petula and more ” と銘打ち、ダスティ/シラ/ペトゥラ・クラーク他の曲を歌う英国ツアーを敢行!

そういった流れのなかで2016年5月にリリースされたのが本アルバムでございます。今回彼女は1960年代に英国でヒット※した曲ばかり12曲をカヴァー。ヒットさせたアーティストで括ると、ダスティ・スプリングフィールドが5曲(T-4,7,8,11,12.)、ペトゥラ・クラークが2曲(T-3,5.)、シラ・ブラックが2曲(T-6,10.)、サンディ・ショウが1曲(T-2.)、ジャッキー・リーが1曲(T-9.)、ザ・スプリングフィールズが1曲(T-13.)といった具合。なお、アルバム冒頭のT-1. はT-13. のイントロなので曲数にカウントしていません。  ※ダスティのT-8. 「 IN PRIVATE 」 だけは1989年のヒット曲。

プロデューサー/キーボード奏者のアラステア・ギャヴィンとマリ・ウィルソンによる共同プロデュースで、アラステア・ギャヴィンはアレンジも担当しています。聴いてみますと、プロデュース・ワーク&アレンジは素晴らしいの一言。ニューウェイヴ風ポップスを軸に、アンビエント風、ロック調、普通のポップス風など曲によって仕立てを変えているのですが、アルバムとしての統一感があります。ポップで、暖かく、深みが感じられるんですね。派手さはないものの丁寧で色彩感のあるマリ・ウィルソンの歌唱が、その印象を更に確かなものにしています。

んで、バカラック作品のカヴァーは5曲。

T-2. 「 愛の想い出 (恋のウェイト・リフティング) 」 はサンディ・ショウ版を土台にニューウェイヴ風の味付けを施したポップなカヴァー。ノリが良く、(実質的な)アルバムの冒頭に相応しいです。T-4. 「 恋の面影 」 はゆったりアンビエントな雰囲気のカヴァー。感情を込めつつも過剰演出になっていない彼女の歌声に魅了されます。

T-10. 「 恋するハート 」 はブルース・ロック調の仕立て。終わるかな?と見せかけ、更に曲が続いたあとにスパッと終わる構成が新鮮です。T-12. 「 恋のとまどい 」 は、ヒップホップとアンビエントとブルースが混ざった感じと言ったらいいんでしょうか、曲の持ち味をこういう形で引き出したセンスが素晴らしいです。曲の後半になるにつれて少しずつ感情を高めてメロディをフェイクしていく彼女の歌唱にも引き込まれます。

そして、バカラック作品以外の曲も含め本アルバムでも白眉の出来なのが、T-7. 「 タルサからの24時間 」 。バカラック作品の中では “ あか抜けない土着ソング(©あるでお) ” のイメージが強いこの曲が、全く違った印象の曲に変身しています。アンビエントな環境音楽風で、リズムの刻みは一切ありません。シルクのような柔らかい彼女の歌声は聴く人の心をやさしく包み込み、心地よい時間が流れます。7分強もある長い曲ですが、その長さを全く感じさせません。曲自体が持つ “ 物語性 ” をよく理解して歌ってるんだと思います。この曲だけでも本アルバムを購入した甲斐がありました。

AmazonやiTunesでは本アルバムの試聴&ダウンロードが可能です。試聴だけでも是非!


R3786321166543607jpegここからはオマケです。MP3データ等しか持ってないカヴァーをご紹介。
1982年に 「 JUST WHAT I ALWAYS WANTED (邦題:マリのピンクのラブソング) 」 が全英8位になったことは前述しましたが、通常の7''シングル盤を出した後に12''シングル盤も出したんですね。その12''シングルのB面がバカラック・カヴァーの 「 ARE YOU THERE (WITH ANOTHER GIRL) (邦題:アー・ユー・ゼア) 」 (4:41) だったんです。この曲は1983年リリースのデビュー・アルバム 『 SHOWPEOPLE 』 (写真)にも収められています。
以前ご紹介したように、このマリ・ウィルソン版は 原田知世版 「 アー・ユー・ゼア 」 の元ネタ。マリ・ウィルソンの歌唱は平板であまり印象に残らないですが、ニューウェイヴ的打ち込みのリズムに微かにドリーミーな味わいが漂うポップなカヴァーです。

Girl_talkマリ・ウィルソンは、 英ジャズ・シンガーの Claire Martin (クレア・マーティン)、英キャバレー?・シンガーの Barb Jungr (バーブ・ジュンガー)と組んで2006年に 『 Girl Talk 』 (写真)というアルバムをリリースしています。どう見ても Girl じゃないと思うんですが…(笑)。昔のガール・ポップをカヴァーしているようなんですが、バカラックも2曲カヴァーしています。
「 WIVES AND LOVERS 」 (4:05) はピアノのみをバックに歌うジャズ・ヴォーカル仕立て。一部のコーラスを除いて一人で歌っています。3人のうち誰が歌ってるのかは不明ですが、ジャズだからクレア・マーティンかな?
「 WISHIN' AND HOPIN' 」 (1:28) はアカペラで3人ハモって楽しそうに歌っています。約1分半と短く、あっという間に終わっちゃうのがちと残念*_*;

Claire_martinついでにもう一枚アルバムをご紹介。
『 Girl Talk 』 でユニットを組んだ一人、 クレア・マーティンは1967年ウィンブルドン生まれの英ジャズ・シンガー。2004年にリリースした 『 SECRET LOVE 』 (写真) でクレア自身も 「 GOD GIVE ME STRENGTH 」 (6:22) をカヴァーしています。
バックはドラムス、Eベース、Eギター、キーボードのカルテットと思われますが、この演奏が渋くてクール。クレアは若干低めで太い歌声の持ち主のようですが、抑えるべきところは抑え、サビあたりではエネルギッシュに歌っています。メリハリの効いた表現力はサスガです~。


【データ】
『 POP Deluxe 』
Mari Wilson

CD:2016年5月13日リリース
レーベル:WG RECORDS (UK)
番号:WG 001

Produced by Mari Wilson and Alastair Gavin
Executive producer: Corinna McShane
Arrangements by Alastair Gavin
Programming, engineering by Alastair Gavin
  Piano, Keyboards: Alastair Gavin
  Guitars: Paul Dunne
  Bass: Don Richardson
  Drums: Martin 'Frosty' Beedle
  Percussion: Jody Linscott
  Timpani, tambourine (T-12.): Julian Fairbank
  Saxophone: Mornington Lockett
  Clarinet: Nick Dawson
  Backing Vocals: Mari Wilson, Lily May, Alastair Gavin

2016年11月 6日 (日)

A THOUSAND KISSES DEEP/Chris Botti (2003年)

米ジャズ・トランペット奏者のクリス・ボッティが2003年にリリースしたアルバムです。バカラック作品を2曲収録!

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全11トラック中、バカラック作品は2トラック

3. THE LOOK OF LOVE (5:17)
8. THE LAST THREE MINUTES (3:32)


米ジャズ・トランペット奏者のクリス・ボッティが2003年にリリースしたアルバムです。

クリス・ボッティは1962年生まれ。1995年にアルバム・デビューし、本アルバムが6作目。内容的にはポップスとジャズのクロスオーバーといった感じでしょうか。えっ、それじゃフュージョンじゃないかって? う~ん、でもフュージョンではなんとなくしっくりこないような…。まっ、どうでもいいか。

バカラック作品は2曲で、カヴァーと書き下ろし新曲が1曲ずつ。カヴァーはT-3. 「 恋の面影 」 で、コンテンポラリーな味付け。打ち込みの8ビートに乗って拍子の頭で弾くベースが実にクール。1コーラス目はクリス・ボッティが旋律をまったりと吹きます。2コーラス目は女性シンガーが歌い、3コーラス目は前半がクリス・ボッティのアドリブでサビが女性シンガーという構成。歌っている女性はカナダ人のシャンタール・クレヴィアジックです。

そして、書き下ろし新曲がT-8. 「 ザ・ラスト・スリー・ミニッツ 」 。クレジットによれば、バカラックと Andre Young の共作とあります。Andre Young とはプロデューサー/ラッパーのドクター・ドレーのこと。なるほど、♩≒88のテンポで流れるヒップポップ系の8ビートのドラム・ループはそーゆーことなのね。クリス・ボッティがミュートをつけて吹くトランペットのメロディはあまり動きのないもの。んで、このメロディ、どこかで聴いたことあると思ったら、2年後の2005年にバカラックがリリースしたアルバム 『 AT THIS TIME 』 収録の 「 GO ASK SHAKESPEARE(ゴー・アスク・シェイクスピア) 」 と全く同じ! 「 GO … 」 は歌詞付きなので、曲名も変えたんでしょうねー。

クリス・ボッティのトランペットは繊細で、物憂げな曲にはピッタリと思います。でも、アルバム自体は私の好みではないです。バカラック作品の2曲もなんだか中途半端で…。クリス・ボッティさんごめんちゃいm(_ _)m


【データ】
『 A THOUSAND KISSES DEEP 』
Chris Botti

CD:2003年9月30日リリース
レーベル:COLUMBIA
番号:CK 90535

Produced by Steve Lindsey
T-3. 「 THE LOOK OF LOVE 」
  Printz Board - Drum Programming
  Mike Elizando - Bass
  Keefus Ciancia & Jim Cox - Keyboards
  Steve Lindsey - Piano & Keyboards
  Dean Parks - Acoustic Guitar
  Smokey Hormel - Electric Guitar
  Chantal Kreviazuk - Vocal
  Strings Arranged and Conducted by Mort Lindsey
T-8. 「 THE LAST THREE MINUTES 」
  Written by Burt Bacharach, Andre Young
  Keefus Ciancia - Moog Voyager & Keyboards
  Jim Cox - Fender Rhodes & Keyboards
  Doyle Btamhall - Guitar
  Lenny Castro - Bongos
※ クレジットに記載はありませんが、全曲 Chris Botti が Trumpet を吹いています。

2016年11月 2日 (水)

AUSTIN POWERS IN GOLDMEMBER/O.S.T. (2002年)

オースティン・パワーズ3部作の3作目、米映画 『 オースティン・パワーズ ゴールドメンバー 』 のサントラです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

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全12トラック中、バカラック作品は1トラック

12. ALFIE (what's it all about, Austin?) (2:45)  ~ Susanna Hoffs ~


Img305cc_2 オースティン・パワーズ3部作の3作目、米映画 『 オースティン・パワーズ ゴールドメンバー 』 のサントラです。

『 オースティン・パワーズ 』『 オースティン・パワーズ:デラックス 』 の続編で、日本公開時のコピーは “ おバカもいいかげんにしなサイケデリック!! ” でした。過去2作と比べるとセンスいまいちだな、このコピー^^;。

バカラック作品は、T-12. 「 アルフィー (ホワッツ・イット・オール・アバウト、オースティン?) 」 。「 アルフィー 」 のカヴァーなのですが、歌詞の ‟ アルフィー ” を全て “ オースティン ” に替えてスザンナ・ホフスが歌っています。

─  最後は 「 アルフィー 」 の替え歌  僕の妻が歌っている  完ぺきな組み合わせだね  ミング・ティーのスザンナと  パパ役のマイケル・ケイン  シリーズの生みの親のバカラック  すべてこのシリーズの素だ  ─

この 「 アルフィー 」 は本映画のエンド・タイトルの一番最後に流れます。DVDのコメンタリーでジェイ・ローチ監督が語ったコメントを引用しました。

オースティンのパパ役を演じたマイケル・ケインは、1966年の英映画 『 アルフィー 』 で主演してた俳優さん。DVD特典映像の未公開シーンに、出演者がリレーしながら 「 アルフィー 」 歌うシーンがありました。このシーンのラスト辺り、街に佇むマイケル・ケインの背後で映画 『 アルフィー 』 の映像が流れ、若き日のマイケル・ケインが映し出されるんです。コメンタリーでジェイ・ローチ監督自身が ─  自分には珍しく芸術的なシーンが撮れた  ─ と振り返ったこのシーン。もしカットされなかったらサントラにはこのバージョンが入っていたかもしれません。とっても残念です…。

あと、映画本編の終了間際に 「 WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE (世界は愛を求めている) 」 が流れます。そして、エンド・タイトルではバカラック本人がピアノ弾き語りでこの曲を歌っています。曲の長さは約1分と短いですが、このシーンの重要性はマイク・マイヤーズとジェイ・ローチ監督のコメントを聞けば十分理解できます。

Bb_in_ap3 ─  <マ> 最後に取っておきの映像  この偉大な人物に対する感謝と尊敬の気持ちを表した  バカラック氏がいなければ  このシリーズは生まれなかった  カーラジオで 「 恋の面影 」 を聴き僕はふと思った  スウィンガーはどこへ行った?  そして僕の父が愛した数々の映画  1作目にも使われたこの曲は 『 007 』 の主題歌にもなった  バートは偉大な作曲家であり好人物で  出てもらえて本当にうれしい  <ジェ> この曲を歌うバートの歌声のすばらしさ  今回の録音では最高のヴォーカルを聴かせてくれた  ─  (DVDのコメンタリーより)

話しぶりから、ヨイショでもなんでもなく心からの言葉だということが伝わってきます。目頭がちょっと熱くなりましたょ。私も加齢が進み涙もろくなったのかもしれません…。

今回じっくり聴いて気が付いたのですが、“ What the world needs now is love, sweet love ~ ” の箇所で sweet の歌い出しがなぜか半拍早いんです。1作目でのバカラック自身の歌唱も含めて、同様の例は記憶にありません。バカラックの優しい歌声とともに、そんな些細なことも印象に残った 「 世界は愛を求めている 」 でした。サントラに収録されなかったのが本当に残念でなりません。


【データ】
『 AUSTIN POWERS IN GOLDMEMBER 』 (邦題:オースティン・パワーズ ゴールドメンバー)
Music from & inspired by the motion picture

CD:2002年7月リリース (所有CDは、2002年8月7日リリースの日本盤。ライナーは馬場敏裕氏)
レーベル:Marverick Recording(US) (所有CDは、ワーナーミュージック・ジャパン)
番号:9 48349-2 (所有CDは、WPCR-11234)

soundtrack produced by Danny Bramson and John Houlihan
soundtrack executive producers: Mike Myers, Guy Oseary and Jay Roach
music supervisor: John Houlihan
T-12. 「 ALFIE (what's it all about, Austin?) 」
  Produced by Brad Wood and Susanna Hoffs
  Additional Production by Greg Hilfman
  Lyric changed from "Alfie" to "Austin" by permission

2016年10月30日 (日)

DIONNE SINGS DIONNE Ⅱ/Dionne Warwick (2000年)

ディオンヌ・ワーウィックのリメイク・アルバム第2弾です。バカラック&デイヴィッド作品を9曲収録!

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全11トラック中、バカラック作品は9トラック

1. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
2. ANYONE WHO HAD A HEART
3. WHAT A FOOL BELIEVES
4. IN BETWEEN THE HEARTACHES
5. THE LOOK OF LOVE
6. I SAY A LITTLE PRAYER
7. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
8. DON'T MAKE ME OVER
9. THEN CAME YOU
10. MESSAGE TO MICHAEL
11. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)

収録時間約43分


Img303cc_2 1998年リリースの 『 DIONNE SINGS DIONNE 』 に続く、ディオンヌ・ワーウィックのリメイク・アルバム第2弾です。

ライナーによると、米国ではインターネットを通じてのリリースのみ。日本では公式にショップリリースされる許可が出たとかで、CDの帯にも “ 日本独占発売 ” の文字が…。実際、Discogs で調べても本作は日本盤しか見当たりません。世界で日本だけOKだったのはナゼなんでしょうねー。

『 DIONNE SONGS DIONNE 』 (以後DSDと略します) と違い、9曲あるバカラック&デイヴィッド作品は全てリメイクです。『 DSD 』 では思い切ったヒップポップ系のアレンジが特徴でしたが、本作は元のディオンヌ版をベースにコンテンポラリーな味付けの曲が多いです。

そんな本作で一番の力作は、ジョージ・デュークがプロデュースしたT-4. 「 イン・ビトウィーン・ザ・ハートエイクス 」 。フュージョン・タッチの渋いアレンジにエモーショナルなディオンヌの歌が見事にハマっています。ヒップポップ色が強いT-8. 「 ドント・メイク・ミー・オーヴァー 」 は 『 DSD 』 のテイストに近いでしょうか。異色なのはT-7. 「 遥かなる影 」 で、6/8のR&B調アレンジが意外とイケます。

『 DSD 』 と本作の両方で取り上げられた唯一の曲がT-6. 「 小さな願い 」 。この曲の特徴である変拍子をキチンとやってくれてるのはいいのですが、シンセで代用したトランペットの音色がチープで残念。本作全般で言えることなのですが、ストリングスやオケをシンセで代用しているんですね。お金をかけれないという事情があるんでしょうが、どうしても元曲と比べてしまう訳で…。

ディオンヌの声の劣化も気になります。ディオンヌはところどころメロディをフェイクして歌っているのですが、その方が効果的だから…ではなく、高い音域で声が苦しいのがバレないように…というのがミエミエなんです。ちなみに、代表的な4曲のキーはすべて元曲より二度半↓。
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キーを元曲より下げて歌っていてコレですから…。ライヴでならともかく、プロとしてこれは如何なものかと…(エラそうにスミマセンcoldsweats01)。

バカラック作品以外についても簡単に触れておきましょう。T-3. 「 ホワット・ア・フール・ビリーブス 」 はドゥービー・ブラザーズのカヴァー。涼しげなボッサ・アレンジが新鮮です。T-9. 「 ゼン・ケイム・ユー 」 はスピナーズとのデュエットで1974年に全米1位になった曲のリメイク。元曲のテイストを再現しています。


【データ】
『 DIONNE SINGS DIONNE Ⅱ 』 (日本語ライナーノーツ:村岡裕司氏)
Dionne Warwick

CD:2000年4月21日リリース
レーベル:ビクター エンタテインメント
番号:VICP-61016

Produced by Michael Lloyd (T-1,5,6,11.)
Produced by Steve Tyrell. Arranged by Guy Moon and Steve Tyrell (T-2.)
Produced by Zane Giles and Kevin Dorsey (T-3.)
Produced by George Duke (T-4.)
Produced by Damon Elliott (T-7.)
Produced by Tim Miner (T-8,9,10.)

2016年10月26日 (水)

ISN'T SHE GREAT/O.S.T. (2000年)

映画 『 イズント・シー・グレート 』 のサントラです。バカラックが全編音楽を担当!

(画像はクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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1. ON MY WAY ~ Dionne Warwick ~  F
2. LOVE THEME (THE FALLING IN LOVE)
3. LUNCH AT LINDY'S
4. GUY'S THEME (WORDLESS)
5. MASS LOVE
6. SEXUAL ME, SEXUAL YOU
7. YES, THEY SAID YES!
8. THE BIG PITCH
9. ARE YOU MY FRIEND?
10. HELLO CONNECTICUT
11. FOR MIMSY
12. HEARTACHE REVISITED
13. THE BOOK TOUR (ON MY WAY - Reprised) ~ Dionne Warwick ~  F
14. ABOUT EXPECTATIONS
15. THE LATE LUNCH
16. VICTORY AT A PRICE
17. OPEN YOUR HEART ~ Vanessa Williams ~  F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Famale-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約39分


2000年の映画 『 イズント・シー・グレート 』 のサントラです。

映画は、米国の女性作家 Jacqueline Susann (ジャクリーン・スーザン)の物語。米英独日の共同製作で2000年1月28日に米国公開されました。日本では劇場未公開でしたが、ヴィデオ(VHS)は発売され私もレンタルして観ました。その後、DVDも発売されているようです。

─  いつの時代でもバート・バカラックの音楽は新鮮なものとして(懐メロとしてではなくという意味)受け入れられ続けるだろう、と以前から思っていた筆者にとって、これはわが意を得たり! のサントラ盤だ。ベット・ミドラー主演の映画は未見だが、それが鑑賞上の妨げになることはない。このサントラ盤の楽しみ方は無限にあるのだから。ヴァネッサ・ウィリアムスが初めてバカラックの新曲を、しかもハル・デイヴィッドの作詞! で歌うというのが最大の “ 売り ” だろうが、その外にも隠し味があちこちに……。大満足のアルバムである。 ■宮本 啓  ─ (2000年7月リリースの日本盤について、雑誌 “ FM fan ” のアルバム・レビューより)

音楽が映画の中でどう使われてたか?サッパリ記憶にないのですが、宮本啓さんのアルバム・レビューにあるとおりサントラ鑑賞の支障にはなりません。覚えてない言い訳ととられても仕方ないですが、これホントです(全く説得力無し^^;)。

アルバムのプロデュース、作曲、指揮をバカラックが担当。ヴォーカルが入った曲は、ディオンヌ・ワーウィックが歌うT-1. 「 ON MY WAY 」 及びそのリプライズT-13. 「 THE BOOK TOUR 」 と、ヴァネッサ・ウィリアムスが歌うT-17. 「 OPEN YOUR HEART 」 の3曲。他の14曲はインスト曲です。

ヴォーカル入りの曲はいずれもハル・デイヴィッドが作詞を担当。バカラック&デイヴィッドの二人による共作は、1993年ディオンヌ・ワーウィックの 「 SUNNY WEATHER LOVER 」 ( 『 FRIENDS CAN BE LOVERS 』 収録) 以来7年ぶりです 。

T-1. 「 ON MY WAY 」 は♩≒85の16ビート・バラード曲。音符が高低飛び跳ねるAメロ、ところどころに挿入される変拍子(2拍の小節)、Aメロ(G)~Bメロ(Gm)~サビ(Gm→G)の転調、曲途中での半音キーが上がる転調(G→G♯)、テンション・コードの多用等々、バカラック節が随所にみられる曲です。加えて、流麗なストリングスのオブリガートや間奏でのトランペットなど、バカラックっぽいアレンジも嬉しいところ。高音が苦しくなってきているディオンヌですが、高音域は鼻に抜けるような歌い方でクリアして破綻なく歌い切っています。ただ、全体的な雰囲気はひと昔前(1980年代)のテイスト。この辺りはプロデュース/アレンジの領域でしょうが、人により評価が分かれるところかも…。

T-17. 「 OPEN YOUR HEART 」 は♩≒75のバラード曲。高低差のある独特なメロディ・ライン、変拍子(2拍の小節)の存在、一般的な8小節単位ではなく9小節/7小節/10小節といった楽曲構成など、この曲にもバカラックらしさは見られます。が、しっとりとしていながら艶やかなヴァネッサ・ウィリアムスのヴォーカルと、センスの良いシンセ・ベース、ゴージャスなオーケストレーションにより、コンテンポラリーなテイストに仕上がっています。バカラックと共にプロデュースにクレジットされているキース・トーマスやストリングス・アレンジを担当したロン・ハフ達のおかげでしょう。

インスト曲はスコアとして使われたものと思われます。収録曲で最も多いインスト曲は 「 OPEN YOUR HEART 」 の別アレンジ版。T-2. 「 LOVE THEME (THE FALLING IN LOVE) 」 、T-7. 「 YES, THEY SAID YES! 」 、T-9. 「 ARE YOU MY FRIEND? 」 、T-14. 「 ABOUT EXPECTATIONS 」 などがそうです。

'60年代のバカラック作品を思わせる曲もあります。T-6. 「 SEXUAL ME, SEXUAL YOU 」 冒頭のメロディやギロが刻むリズムは、明らかに 「 恋の面影 」 をパロッたもの。T-11. 「 FOR MIMSY 」 はその別アレンジ版です。ジャズ・ワルツのT-8. 「 THE BIG PITCH 」 は、「 ワイヴズ・アンド・ラヴァーズ 」 に似たフィーリングの曲。T-13. 「 THE BOOK TOUR 」 の前半1分くらいの賑やかなパートに出てくる ‟ タタタタタタ│タンタン ” という3拍子+2拍子のフレーズなんかは、 「 プロミセス・プロミセス 」 のイントロとモロ同じ音型ですし! ワザとやってますね、バカラックは(^^)。宮本啓さんの言う ─ 隠し味があちこちに ─ はこのあたりのことを指しているのでしょう。

他にも、口笛による明るいメロディのT-3. 「 LUNCH AT LINDY'S 」 とT-15. 「 THE LATE LUNCH 」 、フルート/アルトフルート/オーボエが吹く切ないメロディが特徴のT-4. 「 GUY'S THEME (WORDLESS) 」 とT-12. 「 HEARTACHE REVISITED 」 、フュージョン・タッチのT-5. 「 MASS LOVE 」 とT-10. 「 HELLO CONNECTICUT 」 など、それぞれキャラが立った曲ばかりで、バカラックの力の入れようが窺えます。テイストはひと昔前って感じですけどね…^^;

ちなみに、本作 『 イズント・シー・グレート 』 でジャクリーン・スーザンを演じた大御所女優ベット・ミドラーはシンガーでもありまして、バカラック作品もカヴァーしておいでです。詳しくは こちら をご覧くださいませ。

ちなみにその2、ジャクリーン・スーザンの小説 『 Valley of the Dolls 』 が映画化された際、主題歌 「 (THEME FROM) VALLEY OF THE DOLLS (哀愁の花びらのテーマ) 」 を歌ったのはディオンヌ・ワーウィックでした※。でも、その曲を含めて映画の音楽を担当したのはアンドレ・プレヴィン。それだったら、本作 『 イズント・シー・グレート 』 の音楽もプレヴィンにオファーを出すのが順当なところですよね。どうしてバカラックにオファーが来たんだろう…。ご存知の方、教えてくださいませm(__)m

※ ここら辺の事情はディオンヌのアルバム 『 DIONNE WARWICK in Valley of the Dolls 』 の記事を参照ください。


【データ】
『 ISN'T SHE GREAT 』 (邦題:イズント・シー・グレート)
O.S.T.

CD:2000年1月25日リリース
レーベル:DECCA Records / Universal Classics
番号:289 466 981-2

Album Produced by Burt Bacharach
Executive Soundtrack Producer: Gary Jones, Mike Lobell and Andrew Bergman
Associate Album Producer: Todd Kasow
Music Composed and Conducted by Burt Bacharach
Lyrics by Hal David
Credits for Score and 「 ON MY WAY 」
  Orchestrations: Burt Bacharach and Rick Giovinazzo
  Orchestra Contractor: Sandy De Crescent
  Harmonica: Tommy Morgan
  Whistler: Rick Riccio
  Sax: Tom Scott, Dan Higgins
  Fender Bass: Neil Stubenhaus
  Drums: Vinnie Colaiuta
  Guitars: Dean Parks, George Doering
  Alto Flute: Gary Foster
  Flute: Jimmy Walker
  Keyboard: Burt Bacharach, Greg Phillinganes, Randy Kerber
  Flugel Horn and Solo Trumpet: Gary Grant
Credits for 「 OPEN YOUR HEART 」
  Produced and Arranged by Keith Thomas and Burt Bacharach
  Keyboard and Additional Bass Programming: Keith Thomas
  Drum Programming: Mark Hammond
  Bass: Michael Rhodes
  Electric Guitars: Jerry McPherson
  Strings: The Nashville String Machine
  Strings Arranged and Conducted by Ronn Huff
  Strings Contracted by Carl Gorodetsky

↓左はオリジナル盤で、右は日本盤

2016年10月23日 (日)

AUSTIN POWERS THE SPY WHO SHAGGED ME/O.S.T. (1999年)

オースティン・パワーズ3部作の2作目、米映画 『 オースティン・パワーズ:デラックス 』 のサントラです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

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全12トラック中、バカラック作品は1トラック

11. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN (3:20) ~ Burt Bacharach & Elvis Costello ~


オースティン・パワーズ3部作の2作目、米映画 『 オースティン・パワーズ:デラックス 』 のサントラです。

『 オースティン・パワーズ 』 の続編で、映画日本公開時のコピーは “ 20世紀最後のおバカ映画だイエーイ!! ” でした。そんな映画ですので、映画のあらすじは割愛します。オープニングの場面、ホテルにあるカジノの名称が “ Casino Royale ” だったことだけ報告しておきます(笑)。

映画の中で使われる音楽は、1作目ほど'60年代は感じません。このサントラ盤もそうです。その代わり、マドンナをはじめザ・フー(過去のライヴ音源)やR.E.M.やレニー・クラヴィッツなど、参加アーティストの大物感は少なく見積もってもふた回りは大きいです。それに、田中知之(F.P.M.: ファンタスティック・プラスチック・マシーン)の参加も話題になりました(本サントラには未収録)。

Ap2c さて、バカラック・カヴァーはT-11. 「 恋よさようなら 」 。

劇中、1969年のロンドンの街角でオースティンと相手役のフェリシティが踊り出すシーンで流れるのですが、街角でこの曲を演奏してるのがバカラック本人とエルヴィス・コステロ! 1作目と同様、オースティンは二人を紹介! ピアノを弾くバカラックも、ギターを携えて歌うコステロも楽しそう。

本シリーズの音楽監修ジョン・フーリアンが、このシーンについてこう述懐しています。 ─  あの、オースティンとフェリシティが踊っていて、バートとエルヴィス(・コステロ)が1969年のカーナビー・ストリートで演奏しているシーンは僕が今まで手がけた中で一番の傑作。楽曲もぴったりで、演奏者もぴったりで……撮影現場にいたスタッフ全員が “ この日が永遠に続けばいいのに ” と思えたんだよ。僕はこの仕事を誇りに思っているよ。 ─ (引用元: エスクァイア日本版1999年10月号臨時増刊 それゆけ!オースティン・パワーズ やっぱりボクらはおバカ好き!)

なぁんかいいですよね。うるうる。

61rxsetc5l_sl1000_51f4vkjwql映画とサントラの一体感という点で、本サントラは1作目のサントラに遠く及びません。聴きたい曲が入ってないクセに映画未使用曲が入ってたり(T-8~10.)、スコアが未収録だったり…。私には不満な点が多いんです。でも、調べてみたらこんなアルバムが出ていました。
『 AUSTIN POWERS THE SPY WHO SHAGGED ME more music from the motion picture 』 (左)は、言わばサントラvol.2。こちらにはF.P.M.の曲も収録されているようです。もう1枚は 『 AUSTIN POWERS International Man of Mystery & The Spy Who Shagged Me original motion picture scores 』 (右)。こちらは1作目&2作目のスコア集。
2枚ともバカラック作品未収録なので購入してませんが、スコア集は聴いてみたいなぁ。


【データ】
『 AUSTIN POWERS THE SPY WHO SHAGGED ME music from the motion picture 』 (邦題:オースティン・パワーズ:デラックス)
O.S.T.

CD:1999年6月1日リリース
レーベル:Maverick (US)
番号:9 47348-2

soundtrack produced by Danny Bramson & Guy Oseary
soundtrack execytiveproducer: Mike Myers
music supervisor: John Houlihan
T-11. 「 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 」
  produced by Burt Bacharach and Elvis Costello

2016年10月19日 (水)

DIONNE SINGS DIONNE/Dionne Warwick (1998年)

ディオンヌ・ワーウィックが1998年にリリースした、リメイク物主体のアルバムです。バカラック・カヴァーを8曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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Original CD front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏 (曲順は Original CD と異なる)

全14トラック中、バカラック作品は8トラック
(以下、曲順は Original CD のもの)

1. WALK ON BY
2. I SAY A LITTLE PRAYER
3. REACH OUT FOR ME  ~ with El Debarge, Debarge & The Emotions ~
4. HIGH UPON THIS LOVE
5. LOVE BEGINS WITH YOU

6. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME  ~ with Jonathan Butler ~
7. IF I WANT TO
8. I PROMISE YOU
9. HUMBLY I PRAY

10. ALL KINDS OF PEOPLE
11. BE MY NEIGHBOUR  ~ Duet with Tyrese ~
12. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ with The Hip-Hop Nation United ~
13. AQUARELA DO BRAZIL
14. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  ~ with Celia Cruz & Pete Escovedo Orchestra ~

収録時間約61分


ディオンヌ・ワーウィックが1998年にリリースした、リメイク物主体のアルバムです。(リメイク: 過去の自身の曲のカヴァー)

1994年リリースの前作 『 AQUARELA DO BRASIL 』 を最後に、ディオンヌは15年間在籍したAristaを離れます。それ以後、ディオンヌは大手レーベルとは契約しておらず、本アルバムはインディ・レーベルからリリースされました。

本アルバムは、若い世代のプロデューサーと多彩なゲストの参加が特徴です。ディオンヌの次男であるデーモン・エリオットや Zane Giles が多くの曲をプロデュース。加えて、R&Bグループのデバージやエモーションズ、男性シンガーのジョナサン・バトラーやタイリース、ベテラン女性サルサ・シンガーのセリア・クルースなど、実に多彩なアーティストが参加。ヒップ・ホップ系の曲が目立ち、これまでにないディオンヌを聴くことができます。

全14曲のうちバカラック作品は8曲。7曲がリメイクで、1曲はカヴァーです。

先ずはリメイクものからご紹介。T-1. 「 ウォーク・オン・バイ 」 はスティーヴ・タイレルによるプロデュースで、オリジナルをちょっと今風に味付けした程度のアレンジも彼によるもの。彼はその昔、セプターレコードのA&Rマンとしてディオンヌのヒット曲作りに関わった御仁ですからね。特別出演みたいな感覚でしょうか。スティーヴ・タイレルについては、彼のアルバム 『 BACK TO BACHARACH 』 の記事を参考ください。

T-2. 「 小さな願い 」 、T-6. 「 愛の想い出(愛のウェイト・リフティング) 」 、T-12. 「 世界は愛を求めている 」 はヒップポップ系のアレンジ。ディオンヌにとってこのジャンルはあまり経験ないと思うのですが、頑張って歌っています。「 小さな願い 」 の変拍子は全て4拍子になってて、ちょっと残念。「 愛の想い出(愛のウェイト・リフティング) 」 はクールな仕上がりで、ジョナサン・バトラーも掛け合いでちょいと参加。「 世界は愛を求めている 」 では共演したヒップポップ・ネイション・ユナイテッドによるラップを全面的フィーチャー。おぉっ、ここまでやるかって感じ。

T-3. 「 リーチ・アウト 」 はR&B/ソウル系のアレンジ。エル・デバージ、デバージ、エモーションズも参加して、ダンサブルな仕上がり。この曲がこんな風に変わるなんて、なかなか新鮮です。そして、T-14. 「 サン・ホセへの道 」 はサルサ仕立て。賑やかでとにかく楽しい。セリア・クルースの貫禄もスゴイ。この曲、ホントはディオンヌもこんな感じで歌いたかったんじゃ…とすら思える出来です。

ディオンヌはレアな曲も1曲リメイクしています。T-10. 「 オール・カインズ・オブ・ピープル 」 はバカラックがオリジナルで、1971年のアルバム 『 BURT BACHARACH 』 に入ってる曲。ディオンヌもセプター時代にアシュフォード&シンプソンの 「 REACH OUT AND TOUCH SOMEBODY'S HAND 」 とメドレーで録音。ワーナー移籍後の1973年にセプターからリリースされたアルバム 『 FROM WITHIN 』 に収録されていました。まさかこの曲をリメイクするとは!

唯一のカヴァー曲は超レア曲と言ってもいいT-7. 「 IF I WANT TO 」 。この曲は米国クリスチャン音楽の女性シンガー、サンディ・パティがオリジナル。1994年のアルバム 『 FIND IT ON THE WINGS 』 に入ってる地味な曲で、これをカヴァーしたのは私の知る限りディオンヌだけだと思います。「 オール・カインズ・オブ・ピープル 」とこの曲は奇を衒ったところのないアレンジで、ディオンヌはオリジナルをトリビュートしてるんだなぁと感じられます。どうしても歌いたかったんでしょうね。

バカラック作品以外の6曲は、前作アルバム 『 AQUARELA DO BRASIL 』 のタイトル曲をカヴァーしたのを除いてどうやら新曲みたいです。ヒップポップ系の曲があるのかと思いきや、至って普通のポップスばかり。変なアルバムです^^;

※ 2016/12/28 訂正 T-10. 「 オール・カインズ・オブ・ピープル 」 はカヴァーではなくリメイクでしたので、該当箇所を訂正しました。


【データ】
『 DIONNE SINGS DIONNE 』
Dionne Warwick

CD:1998年リリース (所有CDは1998年リリースの欧州向け盤)
レーベル:Empire Music Group (所有CDは、River North Records)
番号:R 377645 (所有CDは、51416 1431 2)

Produced by Damon Elliott (T-6,11,12,13.)
Produced by Zane Giles (T-3,4.)
Produced by George Duke (T-7,8.)
Produced by Steve Tyrell (T-1.)
Produced by Damon Elliott and Teddy Harmon (T-2.)
Produced by Zane Giles and Kevin Dorsey (T-5.)
Produced by Tim Miner (T-9.)
Produced by Rob Shrock (T-10.)
Produced by Damon Elliott and Zane Giles (T-14.)
Executive Producer: Steven Devick & Dionne Warwick
T-1,2,3,6,10,12,14.
  Written by Burt Bacharach & Hal David
T-7.
  Written by Burt Bacharach & will Jennings

左:オリジナル、右:日本盤(所有CDと同一曲順、ボーナストラック2曲あり)

2016年10月16日 (日)

Songs of Bacharach and Manzanero/Gabriel Espinosa (2016年)

メキシコの男性ジャズ・ベーシスト、ガブリエル・エスピノサが2016年にリリースしたバカラック&マンサネーロ集です!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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全10トラック中、バカラック作品は5トラック

1. ADORO
2. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
3. COMO YO TE AME
4. THE LOOK OF LOVE
5. ESTA TARDE VI LLOVER
6. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
7. SOMOS NOVIOS
8. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
9. CUANDO ESTOY CONTIGO
10. ALFIE

収録時間約51分


メキシコの男性ジャズ・ベーシスト、ガブリエル・エスピノサが2016年にリリースしたバカラック&マンサネーロ集です! 今月リリースされたばかりの新譜でございます。

ガブリエル・エスピノサは、1952年メキシコ南部ユカタン州の州都メリダ生まれ。6歳でギターを始め、米アイオワ州のセントラル大学やボストンのバークリー音楽院でジャズを学び、現在は米国東海岸のジャズ・フィールドで活躍するベーシストなんだそうです。(彼の公式サイト他より)

わたくし、AmazonでCDジャケットを見た時に “ クラシックの指揮者で、中身はオーケストラ演奏物だろう ” と勝手に思い込んでしまったんですねー。届いたCDケースを裏返したら “ あれっ? ジャズなの? ” …人は見た目で判断しちゃいけませんねぇcoldsweats01

‟ マンサネーロ ” とは、 Armando Manzanero (アルマンド・マンサネーロ) というメキシコの作曲家のこと。マンサネーロは1935年生まれでしかもメリダ出身ということなので、エスピノサにとって同郷の先輩になるワケですね。

─  60年代半ばからバカラックとマンサネーロの音楽を聴いてきたんだ。ちょうどメキシコのユカタン州メリダで兄弟や友人とバンドを始めた頃さ。バンドではボサノヴァの他にビートルズなんかも演奏してたなぁ。
ジャズに目覚めたのもその頃でね。バカラックとマンサネーロの曲を聴いて曲作りのアプローチに魅了されものさ。60年代後半、偉大な二人は有名なだけじゃなく音楽シーンでリスペクトされる存在だったんだ。二人とも洗練されハーモニーを持ちメロディは美しく記憶に残る。バカラックの曲にはハル・デイヴィッドの素晴らしい歌詞もあったしね。90年代半ばにはマンサネーロと仕事をする機会を得て、二枚のアルバムのプロデュースを手伝ったよ。
二人の曲だけを取り上げたヴォーカル入りアルバムを作りたいとずっと思ってきたんだ。多くの作品のなかから各々5曲ずつ選ぶ作業は簡単じゃなかったけどね。ジャズ・シンガーのティアニー・サットンにバカラックの5曲を歌ってもらえたのは嬉しかった。ティアニーはバカラックの曲に素敵な彩りを施してくれた。彼女の美しいメロディーに対するアプローチは素晴らしいょ。
今回のプロジェクトは、二つの文化の統合とコラボレーションでもあるんだ。音楽でアメリカはきっとひとつになれる。曲に対する様々なアプローチに触れることで、二つの文化の類似性も共有できると思うんだ。我々がレコーディングを楽しんだように、皆さんもこのCDを楽しんで欲しいな。  ─
  (CDライナーに書かれていたエスピノサのコメント。私の超意訳で^^;)

本アルバムをエスピノサが作りたかった理由がよくわかります。殊に、二つの文化…のくだりは 「 米国とメキシコの国境に壁を造る 」 とほざく どこぞの大統領候補に聞かせてやりたい!

Ts8_11c_3 アルバム全10曲中、バカラック・カヴァーはちょうど半分の5曲。1963年生まれの女性ジャズ・シンガー、ティアニー・サットン(左)がその5曲全てでヴォーカルを担当しています。

T-2. 「 遥かなる影 」 は、最初はまったりするものの、1分過ぎから♩≒80(実際は倍テンポになります)のモントゥーノのリズムが展開される軽快なナンバー。バックはピアノ、ドラムス、Eベースにフルートが入ったカルテット編成。ティアニーは軽めに歌っていて、これがアレンジにマッチしています。間奏のフルートもいい感じ。終止形でスパッと曲が終わるのも潔く好きです。本アルバムのバカラック・カヴァーのなかで一番のお気に入りです。

T-4. 「 恋のおもかげ 」 は♩≒130のボサノヴァ・アレンジ。バックはフェンダー・ローズ、ドラムス、Eベースにトランペットが加わったカルテット編成。まぁこの曲ではわりとよくあるパターンかも。とりたててどうということないカヴァーです。

T-6. 「 世界は愛を求めている 」 はピアノ・トリオ編成をバックにティアニーがしっとり歌うカヴァー。ティアニーの歌唱は上手いんですが、なんとなく歌ってる感じ。この歌のメッセージが伝わってこないんですね。なぜだろう?

T-8. 「 雨にぬれても 」 とT-10. 「 アルフィー 」 は、ゆったりとしたテンポのシンプルな4ビートアレンジ。バックはピアノ・トリオ+ハーモニカ。ティアニーの歌よりもハーモニカのほうが印象に残るカヴァーです、2曲とも。なお、T-8. ではエスピノサがベース演奏しています。

マンサネーロ・カヴァーの5曲は、全てエスピノサ自身がヴォーカルを担当。お世辞にもうまいとは言えないのですが、なんて言うんでしょう、聴いていてとても気持ちが伝わってくるんですね。歌っている喜びというかなんというか。バカラック・カヴァーも、1曲でいいからエスピノサのヴォーカルで聴きたかったです。


【データ】
『 Songs of Bacharach and Manzanero 』
Gabriel Espinosa

CD:2016年10月7日リリース
レーベル:ZOHO Music (US)
番号:ZM201613

Produced and arranged by Gabriel Espinosa
  Gabriel Espinosa - Vocals (T-1,3,5,7,9.)
  Tierney Sutton - vocals (T-2,4,6,8,10.)
  Misha Tsiganov - piano, fender rhodes
  Mauricio Zottarelli - drums, percussion
  Jim Seeley - trumpet, flugelhorn (T-4,7.)
  Hendrik Meurkens - harmonica (T-3,5,8,10.)
  Gustavo Amarante - electric bass (T-2,3,4,7.)
  Joe Martin - acoustic bass (T-5,6,10.)
  Gabriel Espinosa - electric bass (T-1,8,9.)
  Rubens De La Corte - acoustic guitar (T-7,9.)
  Itai Kriss - flute (T-2.)
  Jonathan Gomez - bongos (T-5,9.)
Recorded and mixed at Acoustic Recording, Brooklyn, NY, December 2015, January and March 2016 by Michael Brorby

2016年10月12日 (水)

ALL ABOUT LOVE/Johnny Mathis (1996年)

米国の男性ポピュラー・シンガー、ジョニー・マティスが1996年にリリースしたアルバムです。バカラックの書下ろし曲とカヴァーを1曲ずつ収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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全10トラック中、バカラック作品は2トラック

5. LIKE NO ONE IN THE WORLD (4:31)
7. LET ME BE THE ONE (5:00)

米国の男性ポピュラー・シンガー、ジョニー・マティスが1996年にリリースしたアルバムです。

ジョニー・マティスは1935年テキサス州生まれ。バカラックより7歳下ってことになりますね。1956年にデビュー・アルバムをリリース。以後、ポピュラー、ジャズ、ブラジル音楽、スペイン音楽、ソウル/R&B、ソフトロックなど、ジャンルを超えて活躍している米国を代表する男性シンガーの一人です。(Wiki他より)

これだけの長いキャリアがありますんで、バカラック作品も歌っています。1957年 「 WARM AND TENDER 」 、1959年 「 HEAVENLY 」 「 FAITHFULLY 」 、1971年 「 TEN TIMES FOREVER MORE 」 はいずれもバカラックの書き下ろし曲。また、今回調べてみて初めて知ったのですが、1966年~1972年にかけて自身のアルバムでバカラックの曲をちょいちょい取り上げ計14曲もカヴァー! 1970年にはそれらバカラック作品の一部をコンパイルしたアルバム 『 Johnny Mathis Sings The Music Of Bacharach & Kaempfert 』 (LP2枚組、1枚はバカラック、1枚はベルト・ケンプフェルトのカヴァー) もリリースしています。

ジョニー・マティスが61歳の時にリリースした本作、全てミディアム~スローの落ち着いた曲ばかりで構成されたMOR路線のアルバムです。歌はやっぱり上手いですね~。バラード曲も悪くないですが、ミディアム・テンポの曲 ~ T-2. 「 I WILL WALK AWAY 」 や AORっぽいT-3. 「 EVERY BEAT OF MY HEART 」 ~ が印象に残りました。

バカラック作品は2曲。1曲がオリジナルで、残る1曲はカヴァーです。

T-5. 「 LIKE NO ONE IN THE WORLD 」  : ジョニー・マティスがオリジナルです。共作者はジョン・ベティス。♩≒65のスロー・バラードなのですが、Aメロの2小節目がいきなり変拍子、それも5拍子(或いは3拍子+2拍子)ですよ@_@。そのあとも、Bメロのサビ前で2拍子の小節が入りサビでは3拍子が2小節入るという具合に、バカラックの変拍子病が炸裂! 不自然で無理やりって感じなんですよね~。フィル・ラーモンは頑張ってプロデュースしてるんですけど、メロディ自体の魅力が乏しいこともあり、まぁ失敗作でしょう。あくまでも私の主観ですが…。

T-7. 「 LET ME BE THE ONE 」 : カヴァーです。オリジナルは、マリリン・スコット(1996年)。♩≒67ですからこちらもスロー・バラードです。このテンポはオリジナルと全く同じですが、ジョニー・マティス版のほうが若干コンテンポラリーな味付け。この曲も変拍子(2拍子の小節)があるのですが、流れの中であまり違和感はありません。サビのエモーシャルなメロディが気持ちよく、なかなかいい感じです。


R478525613913295832728jpegここからはオマケです。
まずは、T-7. 「 LET ME BE THE ONE 」 のオリジナルをご紹介。1949年LA生まれの米女性シンガー、Marilyn Scott (マリリン・スコット)が1996年4月にリリースしたアルバム 『 Take Me With You 』 に収録されています。バカラックとデニース・リッチ、タジャ・シヴィルの3人による共作曲でございます。
バックの演奏はジョニー・マティス版よりもソウル&ジャジーな味付けで、彼女の歌いっぷりも特に後半はエモーショナルなもの。なかなかグッときます。プロデュースはジョージ・デューク。う~ん、ナルホドです。私はこの曲だけMP3で所有してるのですが、アルバム全体も聴いてみたいですねー。

さきほどジョニー・マティスが歌ったバカラック作品を調べたと書きましたが、私はジョニー・マティスのアルバムを本アルバムしか所有していません。今後これらの情報を拙ブログで紹介することは無いと思われますので、備忘録を兼ねて記すこととしました。調査対象期間はジョニー・マティスがデビューしてから本アルバムの前までです。ただし、ベスト盤や編集盤の類は対象外です。

<ジョニー・マティスが歌ったバカラック作品リスト(1956年~1995年)>
Johnny_mathis_song_list

既録音音源を再収録したものは赤字にしました。
尚、コンピCDで所有している曲に ※ 印を、MP3で所有している曲に * 印を付けています。※ 印の曲はいずれコンピCDを紹介する時に言及するとして、ここでは * 印の曲をご紹介します。

R360574613371905168662jpeg1968年11月リリースのアルバム 『 Those Were The Days 』 に収録されていたバカラック・カヴァーが 「 THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU (ディス・ガイ) 」 (4:29)。
アレンジは本家ハーブ・アルパート版から大きく外れていませんが、♩≒70というテンポは本家の♩≒84よりずいぶんと遅いものとなっています。加えてジョニー・マティスの超まったりした歌いっぷり…。ヴォーカルの定位が中間部とエンディングで左右移動して平衡感覚がちょっとおかしくなるのも影響していると思うのですが、聴いててついウトウトしてしまいました。眠れない夜は、このジョニー・マティス版をBGMとして流すことをおススメします(笑)。


【データ】
『 ALL ABOUT LOVE 』
Johnny Mathis

CD:1996年5月3日リリース
レーベル:Columbia
番号:483931 2

Produced by Phil Ramone
Arrangements by Mark Portmann
T-5. 「 LIKE NO ONE IN THE WORLD 」
  Written by Burt Bacharach, John Bettis
  Keyboards by Mark Portmann
  Guitar by Dean Parks
  Background vocals by Warren Wiebe, Alexandra Brown, Carmen Twillie, Monalisa Young
T-7. 「 LET ME BE THE ONE 」
  Written by Burt Bacharach, Denise Rich, Taja Sevelle
  Keyboards by Mark Portmann
  Guitar by Michael Thompson
  Background vocals by Warren Wiebe, Alexandra Brown, Carmen Twillie, Monalisa Young

2016年10月 9日 (日)

FIND IT ON THE WINGS/Sandi Patty (1994年)

米国クリスチャン音楽の女性シンガー、サンディ・パティが1994年にリリースしたアルバムです。バカラックの書き下ろし曲を1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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全11トラック中、バカラック作品は1トラック

7. IF I WANT TO (4:10)


米国クリスチャン音楽の女性シンガー、サンディ・パティが1994年にリリースしたアルバムです。

サンディ・パティは1956年オクラホマ州オクラホマ・シティ生まれ。バック・コーラスを経て1979年にプロとして活動開始。以後、ダヴ賞 (GMA Dove Awards - クリスチャン音楽界におけるグラミー賞の類い。GMAは Gospel Music Association の略) の Female Vocalist of the Year に1982年~1992年まで11年連続で選ばれています。

ちなみに、2011年のダヴ賞にノミネートされた女性シンガー達がサンディをトリビュートして歌った動画がこちら。サンディは冒頭でレジェンドと紹介され、最後は観客席からステージに上がって貫禄ある歌いっぷりを披露しています。

本アルバムはバラード曲やポップな曲ばかり。男女大人数のコーラスが聴こえる部分ではゴスペルっぽい印象を受けますが、それ以外は普通のポップスと変わりません。歌のテーマがキリスト教や信仰 ⇒ クリスチャン音楽なのかしらん。

サンディは声域が広く、その歌声はセリーヌ・ディオンのようです。本アルバムのT-3. 「 MAKE IT 'TIL TOMORROW 」 で聴けるピーボ・ブライソン(セリーヌ・ディオンとデュエットした 「 美女と野獣 」 は超有名) とのデュエットも堂に入ってます(^^)。

バカラックの書き下ろし曲はT-7. 「 IF I WANT TO 」 で、ウィル・ジェニングスとの共作。ウィル・ジェニングスは1944年生まれの男性作詞家で、代表作は 『 愛と青春の旅だち 』 の主題歌や 『 タイタニック 』 の主題歌 「 マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン 」 など。バカラックとジェニングスの共作はこれが初めてで、今のところこの曲だけみたいです。

ゆったりしたバラード曲で、テンポは♩≒67あたりを微妙に揺れ動きます。変拍子(2拍の小節)が入るところや巧妙な転調にはバカラックらしさを感じます。一方、メロディ・ラインはバカラック節は抑えめ。ゴージャスなサンディの歌声のおかげもあって後半はそれなりに盛り上がります。プロデュースはフィル・ラーモンで(本アルバムではこの曲だけ)、アレンジはロブ・マウンジー。バカラックがプロデュースしたらこんなに盛り上がらないような気がします^^;。

Img296eeCDパッケージの表面には左のようなシールが貼ってありました。この 「 IF I WANT TO 」 もヒットしたってことでしょうか?

本アルバムは、1995年のダヴ賞で Inspirational Album に選ばれました。また、1996年のグラミー賞でも Best Pop/Contemporary Gospel Album 部門にノミネートされました。今回の記事は本アルバムを聴きながら書いたのですが、心が落ち着き優しい気持ちになったような気が…。歌詞は全くわからず信仰心もサッパリなのですが…。不思議なものですね。


【データ】
『 FIND IT ON THE WINGS 』
Sandi Patty

CD:1994年10月リリース
レーベル:Word / Epic
番号:EK 66558

Produced by Greg Nelson (except T-7.)
Executive Producer: Matt Baugher (except T-7.)
Produced by Phil Ramone (T-7.)
Executive Producer: Sandi Patty (T-7.)
T-7. 「 IF I WANT TO 」
  Words & Music by Burt Bacharach & Will Jennings
  Arranged by Rob Mounsey
  Keyboard Programming: Rob Mounsey
  Tenor Sax: Andy Snitzer

2016年10月 2日 (日)

ET KYS HERFRA/Søs Fenger (1994年)

デンマークの女性シンガー、シュス・フェンガーが1994年にリリースしたアルバムです。バカラックの新曲を2曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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全11トラック中、バカラック作品は2トラック

7. I ET KORT SEKUND (4:06)
11. OG DU FLYVER DIN VEJ (5:09)


デンマークの女性シンガー、シュス・フェンガーが1994年にリリースしたアルバムです。

ジャケットやライナーはどうやらデンマーク語。読めるワケありません。まず、彼女の名前。ずーと “ 彼女 ” と表記するのもなんだし…。ネットで検索してようやくわかった次第。今回の記事、ちゃんと書けるんやろか^^;。

1961年12月、コペンハーゲン郊外のコンゲンス・リュンビュー生まれ。スティーヴィー・ワンダー等のソウル・ミュージックの影響を受けて育った彼女は、1980年にバンドの一員として音楽活動を開始。1985年頃から注目を浴びるようになり、ソロシンガーとして1989年にファースト・アルバムをリリース。本作は彼女のサード・アルバムでございます。(彼女の公式サイト他より)

基本的にはポップのアルバムですが、ソフトロック、ダンス、ソウル/R&B、ボサノヴァなど様々なジャンルのエッセンスが散りばめられています。シュス・フェンガーはソングライターでもあって、歌詞を5曲、作曲も1曲で手掛けています。彼女の歌声はハリがあってちょっぴりハスキー。愁いも含んでいて表現の幅が広く、好印象です。

バカラックの新曲は2曲。2曲ともシュス・フェンガー自身がデンマーク語の歌詞をつけて歌っています。なので、曲名もデンマーク語。

T-7. 「 I ET KORT SEKUND 」 の原曲は 「 STROKE OF LUCK 」 で、バカラックとデニース・リッチ、タジャ・シヴィルの3人による共作曲。デニース・リッチは1960年代半ばから活動している米国生まれのオーストリア人女性ソングライター。バカラックとのコンビは初めてですね。タジャ・シヴィルは1962年生まれの女性シンガー/ソングライター。♩≒82のゆったりしたソフトロック調のおしゃれな曲。メロディ・ラインにそれらしさが垣間見える程度で、バカラック色はかなり薄いです。だからですかね、聴いていて心地よいです(笑)。シュス・フェンガーの歌唱もこの曲ではふわっとしていて素敵です。

T-11. 「 OG DU FLYVER DIN VEJ 」 の原曲は 「 FOLLOW YOUR HEART 」 で、バカラックとデニース・リッチの共作曲。♩≒98のミディアム・テンポの曲ですが、こちらは一聴してバカラック作品とわかります。変拍子(2小節が入る)や変則的な小節数のフレーズが多く、とっつきにくいメロディ・ラインに独特なコード進行などなど。バカラック作品を聴いたなぁ~という気にさせるのは断然こちらです。あくまで'90年代仕様のバカラックですけどね。

デンマーク語なんて普段お目にかかれません。興味ありましたら是非! → シュス・フェンガーの公式サイト


【データ】
『 ET KYS HERFRA 』
Søs Fenger

CD:1994年4月リリース
レーベル:Genlyd / BMG Denmark
番号:GENCD 193 / 74321206602

Produced & arranged by ULF & Henrik Janson
Co-produced by Søs Fenger
Studios: Atlantis Studio & Polar Studio, Stockholm
T-7. 「 I ET KORT SEKUND 」
  Original "Stroke of Luck" by Burt Bacharach, Denise Rich, Taja Sevelle
  Danish text(デンマーク語歌詞): Søs Fenger
  Trumpet: Randy Brecker
  Drums: Per Lindvall
  Bass: Sven Lindvall
  Rhodes, synth and piano: Pål Svenre
  Guitar: Henrik Janson
  Percussion: Malando Gassama
  Trumpets and flugelhorn: Magnus Johansson & Jocke Agnes
  Tenor sax: Joakim Milder & Johan Alenius
  Trombone: Nils Landgren & Olle Holmqvist
  French horn: Anna Axelsson
  Strings from Radiosymfonikerna and S.N.Y.K.O.
  String and fan arrangement & Programming: Janson & Janson
T-11. 「 OG DU FLYVER DIN VEJ 」
  Original "Follow Your Heart" by Burt Bacharach, Denise Rich
  Danish text:(デンマーク語歌詞): Søs Fenger
  Drums: Per Lindvall
  Bass: Sven Lindvall
  Guitar: Henrik Janson
  Rhodes and piano: Pål Svenre
  Flugelhorn: Magnus Johansson & Jocke Agnes
  Tenor sax: Joakim Milder & Johan Alenius
  Trombone: Nils Landgren & Olle Holmqvist
  French horn: Anna Axelsson & Dick Gustavsson
  Strings from Radiosymfonikerna and S.N.Y.K.O.
  String and fan arrangement: Janson & Janson

2016年9月25日 (日)

AUSTIN POWERS /O.S.T. (1997年)

オースティン・パワーズ・シリーズの1作目、米映画 『 オースティン・パワーズ 』 のサントラです。バカラック・カヴァーを2曲収録!

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全17トラック中、バカラック作品は2トラック

13. THE LOOK OF LOVE (3:45)  ~ Susanna Hoffs ~
14. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE (3:58)  ~ Burt Bacharach and The Posies ~


1997年の米映画 『 オースティン・パワーズ 』 のサントラです。

オースティン・パワーズ3部作の記念(?)すべき1作目。映画日本公開時の宣伝コピーは、“ バカも休み休みyeah! スウィンギング・ロンドンから 蘇った伝説のスパイ ついに日本上陸! ” でした。

このおバカ映画、主演のマイク・マイヤーズがバカラック作品の 「 THE LOOK OF LOVE (恋のおもかげ) 」 に触発されて誕生した…とゆーのは有名な話。

父親が亡くなった直後のある日、車のラジオから 「 恋のおもかげ 」 が流れてきて、マイヤーズは子供のころ父親に連れられてよく映画を見に行ったことを思い出します。父親はピーター・セラーズの大ファンで、セラーズ出演の 『 ピンク・パンサー 』 や 『 007 カジノ・ロワイヤル 』 などのコメディ映画をよく観たそう。『 007 カジノ・ロワイヤル 』 で、セラーズとウルスラ・アンドレスがウッフンとなるシーンで流れる曲が 「 恋のおもかげ 」 だったんですね。ちなみに、そのシーンに登場する回転ベッドの場面は、 『 オースティン・パワーズ 』 でもちゃっかりパロディにされてます(パワーズ専用ジャンボ機内)。

閑話休題。マイヤーズはそれらの映画で観たモノの数々が自分の笑いのルーツであることに気付き、この映画の脚本を書き上げたというワケです。それもたったの三週間で! 気合入ってますねー。

映画のあらすじ等は割愛します。スコアはジョージ・S・クリントン。ボンド映画の音楽をちょいちょいパロッたりしながらも本家に全く引けを取らない秀逸なスコアと思います。特に、お相手役のヴァネッサ(エリザベス・ハーレイ)とオースティンが絡むシーンで流れるロマンチックな曲は素敵です。T-10. 「 AUSTIN'S THEME 」 のように独立した楽曲として収録するか、5分弱しかないT-17. 「 SCORE MEDLEY 」 でこの曲をもう少し長めに入れるかして欲しかったなぁ。

各シーンで流れる曲の選曲センスも上々。'60年代の曲をそのまま使ったクインシー・ジョーンズのT-8. 「 ソウル・ボサノヴァ 」 やセルジオ・メンデスとブラジル'66のT-5. 「 マシュ・ケ・ナダ 」 。'60年代の曲であるトニー・ハッチのカヴァーT-12. 「 コール・ミー 」 。最近の曲でも、カーディガンズのT-4. 「 カーニヴァル 」 やディヴァイナルズのT-11. 「 アイ・タッチ・マイセルフ 」 など'60年代風ポップスが映画の雰囲気にマッチしてます。リード・ヴォーカルのマイヤーズも含め'60年代風の衣装での演奏シーンがエンド・クレジットで流れるT-2. 「 BBC 」 も楽しそう。

本サントラが嬉しいのは、収録曲が映画のなかで使用されたものばかりなこと。そういう意味では、フェムボットの性能確認時に流れるナンシー・シナトラの 「 にくい貴方 」 がサントラに入ってないのはちょいと不満。この曲の当時のミュージック・ビデオ、大好きなんです(^^♪

Look_of_love さて本題。バカラック・カヴァーのひとつ、T-13. 「 恋のおもかげ 」 はスザンヌ・ホフスによるカヴァー。スザンヌ・ホフスは元バングルスのメンバー(ヴォーカル、ギター)で、映画を監督したジョイ・ローチの奥方(1993年に結婚)。前述した 『 007 カジノ・ロワイヤル 』 のダスティ・スプリングフィールド版へのトリビュート感が半端ない! テンポ(♩≒98)とアレンジはダスティ版と瓜二つで、違いはキーが2度低いくらい(ダスティ版のC♯mに対してこちらはBm)。スザンナ・ホフスのけだるい感じもダスティ・スプリングフィールドの歌い方をよく再現していると思います。
映画の中では、オースティンとDr. イーブルの女秘書がウッフンとなるシーンで流れます。マイヤーズは 『 007 カジノ・ロワイヤル 』 と 「 恋のおもかげ 」 へのオマージュとして、どうしてもこんなシーンを撮りたかったんでしょう。

2 バカラック・カヴァーのもうひとつが、T-14. 「 世界は愛を求めている 」 。なんとバカラックがピアノ弾き語りで歌っているセルフ・カヴァー! 米ロック・バンドのザ・ポウジーズ版と編集して合体したものがサントラに収録されています。そのうち、バカラック版は冒頭の38秒間と終わりの18秒間のみ。ちょっとさびしい。
オープン・バスをチャーターして、オースティンとヴァネッサだけの豪華なラスヴェガス・デート。2人のために 「 世界は愛を求めている 」 がBGMで流れ出すと、突然オースティンがスクリーンの中から嬉しそうに紹介します。“ 観客の皆さん、Mr. バート・バカラックの登場です! ” 。カメラが切り替わるとそこにはピアノを弾きながら歌うバカラック爺が! 2人がシャンパンで乾杯し、ダンスを踊る間もバカラックは弾き語りを続ける…(ダンスの場面から音はザ・ポウジーズ版に切り替わりますけれど^^;)。バカラック自伝によれば、あらかじめ録ってあったピアノのオケに合わせて爺はこの曲を生で歌ったそう。

映画では他のシーン…オースティンが'67年~'97年の30年間のブランクを埋めようとするシーンと、“ 自由は健在さ! ” とオースティンがDr. イーブルに'60年代の精神は今も変わらない事を訴えるシーンでも、「 世界は愛を求めている 」 (ピアノ・インスト版)が流れます。おバカ映画の体をとりつつも、裏テーマとしてマイヤーズが映画で伝えたかったメッセージがこの曲に込められているのではないでしょうか。世界で一番大切なのは今も昔も愛なんだ…と。私にはそう思えてなりません。昨年(2015年)リリースしたアルバムで野宮真貴さんがアルバム・タイトル曲として取り上げ、今年(2016年)発生した米銃乱射事件の被害者や遺族のためにハリウッド・スター達が歌う…。この曲に何か大きな力を感じる今日この頃です。

「 世界は愛を求めている 」 をバカラックがピアノ弾き語りで歌ったものは、バカラックのスタジオ録音盤やライヴ盤には見当たりません(ショウ等では歌っていますが)。その意味でも貴重な音源です。映画の中ではともかく、サントラではバカラック版のフル・バージョンを聴きたかったなぁ。

なお、この映画にはバカラックのLPも登場するのですが、それについては 『 HIT MAKER!  』 の記事を参照ください。


【データ】
『 AUSTIN POWERS 』 ※ (邦題:オースティン・パワーズ)
O.S.T.

※ 映画の正式タイトルは 『 AUSTIN POWERS: INTERNATIONAL MAN OF MYSTERY 』

CD:1997年4月リリース (所有CDは、1997年リリースのEU盤)
レーベル:Hollywood Records (所有CDも同じ)
番号:HR-62112-2 (所有CDは、162 112-2)

Executive Soundtrack Album Producers: Mitchell Leib, Mike Myers, Demi Moore, Suzanne Todd, Jennifer Todd and Jey Roach
Soundtrack Album Consultant: Karen Glauber
Music Supervisor: John Houlihan
Soundtrack Executive for New Line Cinema: Jonathan McHugh

2016年9月21日 (水)

ONE DAY/Klymaxx (1994年)

米国の女性バンド、クライマックスが1994年にリリースしたアルバムです。バカラックの書き下ろし曲を2曲収録!

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全15トラック中、バカラック作品は2トラック

7. THIS DOESN'T FEEL LIKE LOVE ANYMORE (4:51)
15. ONCE BEFORE YOU GO (6:01)


米国の女性バンド、クライマックスが1994年にリリースしたアルバムです。

…と書いたものの、こんなバンド見たことも聞いたこともないので、Wikiやバンド公式サイトを見てお勉強。クライマックスは、1981年にデビューした女性ポップ/R&Bバンド。デビュー当時は6人組でした。「 The Men All Pause 」 ('84/11 R&B5位)、「 Meeting In the Ladies Room 」 ('85/3 R&B4位)、「 I Miss You 」 ('85/7 全米5位、'86年の年間3位)、「 Good Love 」 ('90/4 R&B4位) などのヒット曲があるようです。

1987年以降、リーダーだったバーナデット・クーパーやジョイス・アービーなど一部メンバーのソロ活動が忙しくなり、1989年からは3人でバンド活動を継続。1994年になって、ジョイス・アービーの復帰とテリ・リン・キャリントンの新加入により5人で本アルバムをレコーディングしました。

Img292eメンバーは、写真の左から、Joyce Irby (ジョイス・アービー)、Robbin Grider (ロビン・グライダー)、Lorena Hardimon (ロレーナ・ハーディモン)/別名 Lorena Shelby (ロレーナ・シェルビー)、Terri Lyne Carrington (テリ・リン・キャリントン)、Cheryl Cooley (シェリル・クーリー)。

収録曲はR&B/ヒップポップが主体。私はR&B/ヒップポップ系は苦手なもんですから、曲の出来はわかりません^^;。一方、4曲あるバラード曲のなかでは、ベイビーフェイス作のT-3. 「 ALL I THINK ABOUT IS YOU 」 が頭一つ抜きん出てます。流れるようなメロディはサスガです。

バカラックが提供した2曲はどちらもバラード。
T-7. 「 THIS DOESN'T FEEL LIKE LOVE ANYMORE 」 はバカラック&セイガーとジョイス・アービーの3人による共作曲で、この3人がプロデュースも務めています。♩=84~88というミディアム~スローなテンポ。どこかで盛り上がることもなく淡々とした地味な曲です。でも、ちょっと取っつきにくいけれどどこか心に引っかかるメロディ、意表を突くコード進行、Aメロは8小節だけどBメロは5小節でサビは7小節といった具合に変則的な小節数、それに複雑な構成…、バカラックらしさは十分感じられます。

T-15. 「 ONCE BEFORE YOU GO 」 もバカラック&セイガーとジョイス・アービーの3人による共作曲。ただし、こちらはジョイス・アービーひとりによるプロデュース。ピアノだけの1分を超えるイントロにまず惹かれます。弱起でメロディが始まるところは 「 愛のハーモニー 」 を思わせますが、そこはご愛敬。ピアノを中心にアコギ・エレピ・シンセストリングスが控えめに鳴るなか、マイケル・ジャクソンの声を思わせる女性ヴォーカルがしっとりした歌唱を聴かせます。バカラックのプロデュースだったらこんなブルージーな感じにはならないでしょうね。もう少しゴージャスなアレンジで誰かカヴァーしないかなぁ。

疑問がひとつ…。バカラックとセイガーのコンビは1991年に解消しています。これら2曲は、それまでに作り貯めたストックの中から選んだのかしらん? そうだとしたら、T-7. のプロデュースにセイガーのクレジットがあるのは何故?? 本当にバカラックとセイガーが一緒に仕事したのか?? 気になる~(>_<)

ともあれ、2曲とも掘り出し物でした。ジャケ写もショボいし、正直アマゾンでポチッとするのためらったんです^^;。iTunesでは見当たらないし思い切ってポチッとしたのですが、CDを購入して本当に良かったと思っています(^^)。 ※ T-7. はYouTubeで視聴可能

Klymaxx_1_3Klymaxx_3_2ここからは余談です。
公式サイトによるとクライマックスは現在でも活動してる模様。メンバーは6人で、オリジナル・メンバーはシェリル・クーリーだけ(左の写真:左から3人目)。

右の写真は、2015年10月のライヴ演奏シーン。サイトのフォトギャラリーからパクりました。迫力ありますなー。

公式サイトを見ててオヤッと思ったのが、ディスコグラフィーに本アルバムが載っていなかったこと。本アルバムは、クライマックスが在籍していたMCAからではなく、ジョイス・アービーが当時ソロ活動をしていたレーベル 863 EP Wrekudz からリリースされました。ソングライティングやプロデュースもジョイス・アービー主導ですし、シェリル・クーリーはクライマックスのアルバムだとは認めてないのかもしれません…。


【データ】
『 ONE DAY 』
Klymaxx

CD:1994年5月リリース
レーベル:863 EP Wrekudz/Diva One Entertainment
番号:DV 9402-2

Produced by Joyce Irby (All Tracks), Chris Berry (T-2,9.), William Burke (T-2,5,6,9.), Israel Embry (T-4.), David Lindsay (T-6.), Burt Bacharach (T-7.), Carole Bayer Sager (T-7.), Dallas Austin (T-8.10.), Kenneth Wright (T-9,13.), Debra Killings (T-9.)
Executive Producer: Indiana Joan
Members of Klymaxx:
  Joyce Irby - Bass, Lead Vocals
  Robbin Grider - Keyboards, Vocals
  Lorena Hardimon/別名 Lorena Shelby - Lead Vocals
  Terri Lyne Carrington - Drums, Vocals
  Cheryl Cooley - Guitar, Vocals
T-7. 「 THIS DOESN'T FEEL LIKE LOVE ANYMORE 」
  Written by Burt Bacharach, Carole Bayer Sager and Joyce Irby
T-15. 「 ONCE BEFORE YOU GO 」
  Written by Burt Bacharach, Carole Bayer Sager and Joyce Irby

2016年9月18日 (日)

I'm Ready/Tevin Campbell (1993年)

米国の男性R&Bシンガー、テヴィン・キャンベルのセカンド・アルバムです。バカラックの書き下ろし曲を1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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全14トラック中、バカラック作品は1トラック

2. DON'T SAY GOODBYE GIRL (4:30)


米国の男性R&Bシンガー、テヴィン・キャンベルが1993年にリリースしたセカンド・アルバムです。

テヴィンは、1976年11月テキサス生まれ。クインシー・ジョーンズの秘蔵っ子としてクインシーのレーベル(クエスト)から1991年にアルバム・デビュー。そして2年後に本アルバムをリリース。リリース時(1993年10月)はまだ16歳。若いですね~。

ベイビーフェイスがプロデュースしたT-1. 「 CAN WE TALK 」 は、全米9位(R&Bでは1位)の大ヒット。この曲はテヴィンの代表曲になってるみたいです。いずれもベイビーフェイスのプロデュースによるT-5. 「 I'M READY 」 とT-10. 「 ALWAYS IN MY HEART 」 も、それぞれ全米9位(R&B 2位)、全米20位(R&B 6位)とヒット。アルバム自体も全米アルバムチャートで18位(R&B 3位)を記録し、テヴィン最大のヒット作となりました。

んで、バカラックの書き下ろし曲はT-2. 「 DON'T SAY GOODBYE GIRL (さよならは言わないで) 」 。ナラダ・マイケル・ウォルデン、バカラック、サリー・ジョー・ダコタ の3人による共作。この曲もシングル・リリースされましたが、全米71位(R&B 28位)とチャート的にはイマイチだったようです。

♩≒82のミディアム・スローなR&B曲ですが、幾分ライトな印象。プロデュースがナラダ・マイケル・ウォルデンだからでしょうか。バカラックの香りは希薄で、それらしいナと感じるのはAメロの5~7小節目のコード進行とサビが7小節ということぐらい。共作者のサリー・ジョー・ダコタはナラダ・マイケル・ウォルデンとよくコラボレーションしている方のようで、バカラックはちょっとお手伝いした程度なのではないでしょうか? 冒頭で “ バカラックの書き下ろし曲 ” と紹介しましたが、ちょっと語弊があるかもしれません。“ バカラックがちょっと手伝った曲 ” に訂正します(苦笑)

1991年にキャロル・ベイヤー・セイガーとのコンビを解消したバカラックは、1993年以降、パートナーをいろいろ変えながら、多くはありませんが様々なアーティストに楽曲を提供していきます。1993年は、テヴィンの他に、ディオンヌ・ワーウィック(過去記事) 、アース・ウィンド&ファイアー(過去記事)、ジェームス・イングラムに曲を提供しています。

R753210314434280311478jpegここからはオマケです。MP3でしか所有していないそのジェームス・イングラムの楽曲をご紹介。

米男性R&B/ソウルシンガーのジェームス・イングラムは、クインシー・ジョーンズに見い出されてクエストから1983年にソロ・デビュー。1993年3月25日リリースの4枚目のアルバム 『 ALWAYS YOU 』 に、バカラックは2曲提供しています。「 THIS IS THE NIGHT 」 (5:06) と 「 SING FOR THE CHILDREN 」 (5:08) で、いずれもバカラック、ジェームス・イングラム、ジョン・ベティスの3人による共作曲。2曲ともプロデュースはジェームス自身&トム・ベル。
「 THIS IS THE NIGHT 」 はミディアム~スローテンポの曲。R&B色は薄くAORに近いかな。上下を繰り返す変なAメロ、ところどころに見られる変拍子(2拍子の小節を挿入)、短調から長調への転調など、いかにもバカラック。でも、取っつきにくくヒット性はなさそう。
「 SING FOR THE CHILDREN 」 はミディアム・テンポのポップな曲で、こちらは取っつきやすいです(笑)。特徴的な刻みのリズムと薄めのトランペットが特徴的なイントロ、メロディが美しいAメロ&サビ、転調を繰り返して少しずつ高くなっていくコード進行など、印象に残る佳曲だと思います。


【データ】
『 I'm Ready 』 (邦題:アイム・レディ)
Tevin Campbell

CD:1993年10月26日リリース (所有CDは、1993年リリースの欧州盤)
レーベル:Quest / Warner Bros. (所有CDも同じ)
番号:9 45388-2 (所有CDは、9362-45388-2)

Produced by Babyface and Darly Simmons (T-1,5,10.)
Produced by Narada Michael Walden (T-2,6,13,14.)
Produced by Paisley Park (T-3,7,9,12.)
T-3,8,11. は、クレジット記載なし(INTERLUDE だからでしょうか)
Executive Producers: Quincy Jones and Benny Medina
  T-2. 「 DON'T SAY GOODBYE GIRL 」
  Written by Narada Michael Walden, Burt Bacharach and Sally Jo Dakota
  Arranged by Narada Michael Walden
  Rhythm & Vocal Arrangements: Narada Michael Walden
  Keyboards, Programming & Synth Arrangements: Louis "Kingpin" Biancaniello

«AQUARELA DO BRASIL/Dionne Warwick (1994年)

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