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2013年11月17日 (日)

浮き名/椎名林檎 (2013年)

デビュー15周年の2013年にリリースした、椎名林檎のコラボ・ベスト・アルバム! バカラックからの提供曲1曲を収録!!!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全16トラック中、バカラック作品は1トラック。

4. IT WAS YOU (3:54) ~ 椎名林檎と斎藤ネコカルテット ~


このアルバムは、椎名林檎がこれまでに客演した曲と新たに録音した2曲 ( T-4, 7 ) で構成された、コラボレーション・ベスト・アルバムです。デビュー15周年を迎えた今年、11月13日にリリースされたばかり。購入したのは初回限定仕様盤(ケース付きハードカバー・ブック仕様)で、ブックレットには妖艶な彼女の写真3枚と収録曲についてのロング・インタビューが掲載されていました!
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宇多田ヒカルと同じ1998年にデビューした個性の強いアーティスト…ということ以外、彼女はよく知らない存在だったのですが、2008年のバカラック来日コンサートをきっかけに身近に感じるようになりました。今回コラボしておられる斎藤ネコさんのブログに、2008/2/17の東京国際フォーラム公演に椎名兄妹(椎名純平&林檎)も聴きにきていて終演後一緒にお茶したとか、3日後の相模大野公演に行ったら椎名兄妹もリピーターで来ていたとか、そんなことが書かれていたのです。椎名林檎もバカラックのファンなんだ~ と。

そしてその年の夏、 RISING SUN ROCK FESTIVAL 2008 IN EZO で、椎名林檎がバカラック・カヴァーの 「 アルフィー 」 と、バカラックから提供されたという新曲の 「 YOU 」 を歌ったという情報を耳にします。CS放送でフェスが放送されたときに 「 アルフィー 」 は聴くことができたのですが、 「 YOU 」 は流れず…。いつかアルバムで聴きたいっ!とひそかに思っておりましたので、今回やっと念願が叶った訳です(^^)。

ブックレットのインタビューの内容をそのまま載せることはアレなので、要点をかいつまんで記すと、
・ 「 IT WAS YOU 」 の当時2008年のタイトルは 「 YOU 」
・ 2008年のバカラック来日コンサートは家族で聴きに行った
・ 東京国際フォーラムでの名演に感動して相模大野も追っかけた
・ その相模大野公演でバカラックと会うことができ、そのときのご縁で曲を頂けることに
・ いくつかの候補曲の中から彼女が選んだ。その時点で Tonio K の歌詞も付いていた
・ ちょうどEZOの出演が決まったばかりの時。EZOで演奏させていただいて光栄至極
・ 今回ようやくレコーディング出来た
・ 5年前の楽譜を開いてみて、”攻めた”アレンジだとあらためて感じた
・ 非常にバカラックらしい曲だが、出来るだけ間引いてわざわざ裸にした
・ EZOと全く同じ編成で録音したが、よく生で演ったなと感心するほどかなり難易度高い
・ 居合いだった。砂の城みたいなアレンジだから。例の如く、一発録り

また、他の曲についての発言の中で、こんなことも話しています。
・ 歌モノは子供のころからあまり聴いてこなかった。今でもBGMに歌モノは流さない
・ JAZZ VOCALとカンツォーネ/シャンソン以外の、所謂歌モノの免疫はバカラックくらいしかなかった
・ 器楽的な旋律を無理矢理生身の声に歌わせてしまうような部分も、彼の音楽で免疫がついている所為ではないか

彼女、筋金入りのバカラックマニアですわ!(゜o゜)

さて、そのT-4. 「 IT WAS YOU 」 、弦楽4重奏+彼女のピアノとヴォーカルというシンプルな編成による演奏。メロディの音程が急に高くなったり低くなったりするところ、それと醸し出される気品のようなものに、私はバカラックらしさを感じます。スローで静かな曲ですが、一発録りということも関係しているのか、彼女の思いも伝わってくる気がします。全然違うアレンジやアーティストでも聴いてみたい曲です。

尚、この曲のPVがYoutubeにアップされてます。そちらも是非!


【データ】
『浮き名』
椎名林檎篇

CD:2013年11月13日リリース
レーベル:EMIレコーズ・ジャパン
番号:TYCT-69005 (初回限定仕様盤)

T-4. 「 IT WAS YOU 」
作詞作曲 : Burt Bacharach, Tonio K
斎藤ネコカルテット
 1st. violin : 斎藤ネコ
 2nd. violin : グレート栄田
 viola : 山田雄司
 cello : 藤森亮一
vocal, piano : 椎名林檎

リンク先消滅したためリンク貼り直し(2024/2/18)
Amazonリンク


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バカラックの曲がちょっと入ったアルバム」カテゴリの記事

コメント

あるでお様
いつもお世話になっております。ちたりたです。
先月の朝日新聞記事を今頃知りました。

=============

椎名林檎「少女期の私を音楽へ投獄」 バート・バカラックを悼み寄稿

【朝日新聞・有料記事】2023年3月4日 11時00分 https://www.asahi.com/articles/ASR33643KR2XUCVL01R.html https://plaza.rakuten.co.jp/mt1188/diary/202303070001/

 20世紀のポピュラー音楽界を代表する米国の作曲家、バート・バカラックさんが2月に94歳で死去した。彼の音楽に大きな影響を受けてきたという音楽家の椎名林檎さんが寄稿した。

しいな・りんご 1978年生まれ。98年、「幸福論」でデビュー。「歌舞伎町の女王」「ギブス」など独特のサウンドや詞世界で人気に。バンド「東京事変」のボーカリストとしても活動。5月までソロツアーで全国を回る。

 彼が遺(のこ)した作品たちを、胸の裡(うち)でそっと口遊(くちずさ)んでみようか。爽やかに軽やかに弾んでいく音の粒が聴く者を洗練された都市の真ん中へ運んだかと思えば、その連続するハーモニーはふと郷愁でくるんでくれる。なんとアンビバレントなことよ。これこそ彼そのものなのだろう。
 筆者は、来日公演を複数回聴きに伺っている。都度決まって或(あ)る曲の同じ場面にて涙を零(こぼ)した。「Wives And Lovers」だ。目眩(めくるめ)くアンサンブルを描いた張本人であるバカラック氏の声がtime to get ready/for loveと囁(ささや)くときである。飽(あ)くまで洒脱(しゃだつ)でさっぱりとした音なのに、彼の肉声がピアノと共に漏れるこの刹那(せつな)ばかりは、彼の立ち向かってきた壁の大きさを思わされるのかやっと、ご本人の果てしない重みや凄(すご)みを覚える気がした。

「正しさだけでは毒にも薬にもならない」 

 バート・バカラック氏が生涯をかけて我々へもたらした香り。この芳醇な甘味の奥にある酸味を突き止めたくなってしまう。彼に与えられた時間は、こうしてまるごと言葉になった。まだ幼かったバカラック氏が音楽に見初められる瞬間は果たして、どのようなものだったのか。
 甚だ畏れ多くも、私は10年程まえ、「IT WAS YOU」という曲をいただき、演奏している。バカラック氏ならではの美しい和声や旋律であれば、ホイップクリームのような大編成の弦でデコレーションするよりもよし、ミントの葉のようなシロフォンとピッコロを浮かべるもよし。しかし当時は敢えて素材そのものをお届けしたいと考え、弦カルテットに絞った。そして硬くインベンションを。
 実際に冷たく仕上げてみて思い知らされた。バカラック氏がいかに食べ易く工夫しておられるか詳しく想像するに至った。仕事として取り組んでいたはずの私はただ「芸術とはなんぞや」と、根源的な問いを抱え直すだけだった。それは「人生とはなんぞや」と同義だった。正しさだけでは毒にも薬にもならない。甘味も酸味も、ときには苦みまで調和させて初めて人様へお届けできるメッセージになる。今更恥ずかしながらもっと彼の作品を紐解き、残された時間深みまで潜り込んで足掻いてみたい。優れた作品は必ず、厳しく険しい人々の体験を内包し、市井と響き合うものだ。バカラック氏による真の洗練が、改めて温かく導いてくれるのである。むろん、少女期の無自覚な私を音楽へと投獄した最も重要な一人がバカラック氏である。

ちたりた様
こんばんは、あるでおです。
コメントありがとうございます。

椎名林檎さんの追悼寄稿、朝日新聞デジタルに申し込んで読みました(1ヶ月以内に解約して無料で済みましたが。セコいけど^^;)。”投獄” という表現でバカラック愛を語る椎名林檎さん、やっぱり筋金入りのバカラックマニアですね。

10年前、拙記事で "全然違うアレンジやアーティストでも聴いてみたい" と書きましたが、その後『 Original Demos 』(2017) http://ardeo1964.cocolog-nifty.com/blog/2017/05/original-demo-1.html でこの曲のデモ版を聴き、シンプルな椎名林檎版の凄みを改めて感じました。他のバカラック曲のカヴァーも是非聴いてみたいものです。

あるでお様

おはようございます。ちたりたです。
椎名林檎さんの寄稿文は「アレ」なので消去なさって下さいね。

こうなれば朝日つながりで、椎名さんがTV朝日の題名のない音楽会に追悼番組として「持ち込み企画」してくれないかと期待します。昔の放送では黛敏郎さんが「3B」と言ってましたから、アイラ・ガーシュインの「5B」楽譜より前だったんですね。

あの3/5の新聞紙が(300円位?)メルカリで売買されてるのには驚きましたが、NYTの訃報記事をどうしても読みたかった自分を思い出しました。いや、あの時はどこを「中略」されたか知りたかっただけでしたけど。

稲垣吾郎さんのLife Walker、全然知りませんでしたが、ライブの動画(2曲目)で聴けました。うん、エンジェルヴォイス。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm32298129

ちたりた様、こんばんは。
いつもコメントありがとうございます。

それはいいアイディアですねっ! 是非、椎名林檎さんには『 題名のない音楽会 』でバカラックさん特集をプロデュースしていただきましょう。楽しみです。

稲垣吾郎さんの「 LIFE WALKER 」、ライヴ動画ありがとうございました。てっきりアルバム・オンリーの曲だと思ってたので、まさかコンサートで歌ってたとは…。しかもあんな振り付け(ダンス?)まで付けて…。

ちなみに、稲垣吾郎さんはこの曲のことあまり覚えてないそうです。2023/3/13の『 THE TRAD 』(稲垣吾郎がMCのラジオ番組)でそうおっしゃってました。

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