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2014年1月19日 (日)

LOST TREASURES/Herb Alpert & the Tijuana Brass (2005年)

ハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラスの未発表/未CD化作品集! バカラック・カヴァーを5曲も収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全22トラック中、バカラック作品は5トラック

7. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU (2:22)
8. PROMISES, PROMISES (2:34)
11. I MIGHT FRIGHTEN HER AWAY (4:15)
15. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD (2:03)
20. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN (3:19)


前々回取り上げたハーブ・アルパート&ティファナ・ブラスのアルバムをもう一枚ご紹介します。彼らの未発表/未CD化作品を合計22曲収録して2005年にリリースされた、レア作品集です。

─ ティファナ・ブラス時代のリリースされていないトラックがたくさんあることを知って、僕はショックを受けた。レコーディングしたことすら忘れてしまっている曲もあった。未完成のトラックの中には、トランペットのパートをちゃんと録音しなおさなくちゃならないものもあったと白状しよう。 このCDには、"Promises,Promises","Raindrops Keep Falling On My Head"…など僕が70年代初めにレコーディングした曲もいくつか収められている。どれもみな、ヒットしなかったアルバムの中の曲なんだ。 ─ ハーブ・アルパート(ライナーより抜粋)

このアルバムは、近年発見されたマスター・テープ群からアルパートが選んだ完全な未発表曲(上記の前者)と、あまり売れなかったけどアルパート自身に愛着のある数曲(上記の後者:1974年のアルバム 『 You Smile - The Song Begins 』 用に録音されたもの)で構成されています。

嬉しいことにバカラック・カヴァーが5曲も含まれていて、なかでもハイライトとなるのがT-7. 「 遥かなる影 」 。カーペンターズ2曲目のシングルで1970年に全米1位になった曲です。アルパートはライナーでこう語っています。

─ ハル・デイヴィッドとバート・バカラックの素晴らしいナンバー 「 遥かなる影 」 を 「 ディス・ガイ 」 に続くナンバーにと考えていたんだけど、レコーディングしている時にエンジニアのラリー・レヴィンが僕には合わないんじゃないかと言ったんだ。僕は自分のボーカルに自信をなくして、リチャードとカレンにこの曲を譲った。その後の話はみんなの知っての通り。 ─

でも、ライナーで解説を書いている松永良平氏によると、─ 中年のいい男が歌うにはちょっと女々しいんじゃないかとリリースをためらったというエピソードがまことしやかに交わされていた('70年にLAのA&Mスタジオに出向いた朝妻一郎氏談) ─ ということらしいですし、『カレン・カーペンター 栄光と悲劇の物語』(レイ・コールマン著、安藤由紀子・小林理子訳)にも、─ アルパートはこの曲を聴いたが、ぜひ自分もやってみたいとは思わなかった。歌詞に我慢ならない部分があった。とくに「だからあなたの髪にムーンダストを散りばめて」のような箇所である。あまりに甘ったるく、あまりにも古くさいとでも言おうか。自分の声がそれを歌うかと思うと、ただただ堪えがたかった ─ と書かれています。一方、前回記事のバカラック自伝には、アルパートがライナーで書いてることと同じ内容がアルパートの発言として載っていました。事実はどうなんでしょうね。「 ディス・ガイ 」 は1968年の全米1位ですから録音は1968~1970年の間ということになるんですが、そんなわけで2005年になるまで発表されずにいたわけです。

さて、そのT-7. 「 遥かなる影 」 、まずサンバの軽快なリズムに意表を突かれます。アルパートの歌声はちょっと照れくさそう。サビではマリンバやバック・コーラスも加わり、間奏ではトランペットがアドリブっぽいフレージングを奏でます。これまで聴いたことがない、とても新鮮な 「 遥かなる影 」 です。バカラックが入れるよう指定したんでしょうか、サビの最後の5連符はちゃんと入っているのですが、却って違和感を感じるくらいです。

他のバカラック・カヴァーも、オリジナリティに富んでいます。T-8. 「 プロミセス・プロミセス 」 はアルパートのトランペットが旋律をとっていて、軽快でラテンっぽい仕上がり。T-11. 「 アイ・マイト・フライテン・ハー・アウェイ 」 は映画 『 失われた地平線 』 のサウンドトラックがオリジナルなのですが、オリジナル(♩≒124)よりもかなりテンポを落とし(♩≒90)、ふんわりしたトランペットの音色も相まってとてもまったりした好カヴァーとなっています。

T-15. 「 雨にぬれても 」 は逆にオリジナル(♩≒110)よりかなりテンポが早く(♩≒192)、ボサノヴァのリズムに乗って楽しい。しかも、特徴的なアウトロの合いの手”チャンチャン”が違うタイミングで入る遊び心もhappy01。T-20. 「 恋よさようなら 」 はアルパートのボーカルとトランペットが交互に旋律を取っていて聴きごたえがありますし、奥さんのラニ・ホールとデュエットしながら4小節ごとに4回も転調するという凝ったエンディングには思わず唸ってしまいました。

バカラック・カヴァー以外にもまったりできる曲が多く、T-17. 「 ポップコーン 」 やT-19. 「 やさしく歌って 」 なんかは個人的にも好きな演奏です。とてもお買い得感のあるアルバムです~。


【データ】
『LOST TREASURES』 (邦題:ロスト・トレジャーズ)
Herb Alpert & the Tijuana Brass

CD:2005/2/8 (所有CDは、2005/8/17リリースの国内盤)
レーベル:SHOUT! FACTORY (所有CDは、キング・レコード)
番号:? (所有CDは、KICP-3105)

Produced by Herb Alpert and Lani Hall Alpert ※
Arranged and Mixed by Herb Alpert ※
※たぶん、トランペットのパートを録音しなおした曲に関してなんでしょう。

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バカラックの曲がちょっと入ったアルバム」カテゴリの記事

コメント

あるでおさん、こんにちわっ!!

 ご無沙汰しております。私のブログの方はちょいと一休みしてました。昨日やっと書き溜めていた記事をアップさせることができました。

 で、その間何をしてたかと申しますと またYou Tubeの中を徘徊しておりました。珍しいのやら 不思議なのやらを見つけたのですが どう記事としてまとめようかと 五里霧中の中を七転八倒しているところです。

 ハーブ・アルパートさんを知ったのはバカラックさんと出会う前のことでした。曲は「マルタ島の砂」なのでした。もう、それはそれは 私にとって素晴らしい演奏で暇があれば 聴いておりました。音楽の快感を教えてくれた楽曲でもありました。バカラックさんと同じレコード会社ってことも後から知って その因縁(ご縁?)をかんじさせてくれるアーティストさんでありました。毎日毎日 朝から晩までこの曲を聴いていまして、父も母も最初はうるさそうでありましたが ある日、父が会社から帰ってきまして 外でこの曲を聴いたけど 良い曲やなぁと思ったと感想を述べてくれました。それから数か月後 母がラジオのNHKでこの曲が流れてきたとのことで あのNHKが認める曲を私が先に聴いていたってことが 自慢であったらしく 父と同じように ほめてくれたことを思い出します。

 それから笑ってしまったのは 私が不在のとき、父がこのレコードをかけていたらしく、別の部屋にいた母が 私が帰ってきたと思って 私にかける言葉を父にかけていたそうです。「帰ってきたら ちゃんと手を洗いや」と。 家族中で大笑いしたことがございました。

 って 全然あるでおさんの記事とは関係ないコメントでごめんなさい。でも、そんなアルパートさんが後年 バカラックさんの作品を演奏なさるってことは 想像もしていなかったので とてもうれしい思いが この記事でよみがえりました。

 ありがとでした。

まったりさん、こんばんは~!

「 遥かなる影 」 の記事、拝読しましたですよ~。あの合唱指導、言うは易く行うは難し…ですよね~(笑)

ハーブ・アルパートさんの 「 マルタ島の砂 」 のエピソード、微笑ましいですね。音楽で親子が繋がるって、いいですね。実は、我が家では子供たちにバカラックさんの音楽が刷り込まれてまして、TVかなんかでバカラックさんの曲が流れると、「 お父さん、好きな曲が今流れたよ~ 」 って言ってくれます。嬉しいことです。

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