WHO'LL SPEAK FOR LOVE/TRIJNTJE OOSTERHUIS (TRAINCHA) (2007年)
オランダの歌手、トレインチャのバカラック作品集第2弾! うち1曲はバカラック書き下ろし!
(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外はうまくいきませんが^^;)
1. ANY DAY NOW
2. LOVE'S (STILL) THE ANSWER
3. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
4. ONE LESS BELL TO ANSWER
5. IN BETWEEN THE HEARTACHES
6. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU
7. GOD GIVE ME STRENGTH
8. WHO'LL SPEAK FOR LOVE
9. STRONGER THAN BEFORE
10. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF
11. DON'T GO BREAKING MY HEART
12. DON'T MAKE ME OVER
13. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
14. PAINTED FROM MEMORY
15. ON MY OWN
16. WHO'LL SPEAK FOR LOVE (ACOUSTIC VERSION WITH LEONARDO AMUEDO)
※ T-16. は日本盤ボーナス・トラック
収録時間約66分
オランダの歌手、トレインチャのバカラック作品集第2弾! (トレインチャのことについては、第1弾を紹介した前回記事を参照ください)
SONGBOOK Ⅱ の名の通り、コンセプトは第1弾の延長線上にあり、プロデューサーや編曲、録音エンジニアなどスタッフ陣も同じ。オランダのメトロポール・オーケストラ(ジャズ/ポップ系)をバックにゴージャスなサウンドを展開している点も同じです。冒頭曲がビッグバンド風の金管サウンドでスタートして、最後の15曲目でアコースティック・ギター1本だけをバックに歌うという構成も、そのまんま継承しています。
これまた第一弾と同様に、あまり知られていないバカラック作品もチョイス。T-2.「 ラヴ・イズ・スティル・ジ・アンサー 」は、イタリアの女性歌手オルネラ・ヴァノーニがオリジナル。2002年のバカラック・カヴァー・アルバム『 SOGNI PROIBITI 』にボーナス・トラックとして収録しています(2003年のロナルド・アイズレーとバカラックのコラボアルバム『 HERE I AM 』に収録されたものがオリジナルだと本アルバムの日本語ライナーに書かれていますが、それは誤りです)。トレインチャのカヴァーもいい出来だと思います。T-5.「 イン・ビトウィーン・ザ・ハートエイクス 」はディオンヌ・ワーウィックがオリジナルで、1966年のアルバム『 HERE I AM 』に入っています。ディオンヌ版をベースにしたアレンジで、トレインチャは大人の歌唱を聴かせます。T-9.「 ストロンガー・ザン・ビフォー(愛は果てしなく)」はキャロル・ベイヤー・セイガーがオリジナルで、1981年のアルバム『 SOMETIMES LATE AT NIGHT(真夜中にくちづけ)』収録曲。チャカ・カーンやディオンヌがカヴァーしていますが、トレインチャの歌唱はしっとりしていて感情豊か。やっぱり歌うまいですね~。
エルヴィス・コステロとのコラボ作品も第1弾に引き続き2曲をカヴァー。T-7.「 ゴッド・ギヴ・ミー・ストレングス 」と T-14.「 ペインテッド・フロム・メモリー 」がそうですが、後者のカヴァーは少ないですからね。とにかく選曲にこだわりがあります。
そしてそして。第1弾には無い第2弾の目玉がバカラック書き下ろし曲の T-8.「 フール・スピーク・フォー・ラヴ 」。共作者はティム・ライス。しっとりしたバラード曲ですが、音程は高くなったり低くなったり…。歌いこなすのは難しい曲だと思うのですが、トレインチャはそうと感じさせません。日本盤にはボーナス・トラックとして、ウルグアイ出身のギタリスト、レオナルド・アムエドのアコースティック・ギター1本をバックに歌ったライヴ・ヴァージョンも収められていますが、こちらも素晴らしいです。
アルバム最後の曲(ボーナス・トラックを除く)となるT-15.「 オン・マイ・オウン 」は、前述したとおりアコギ1本をバックに歌っています。オリジナルはデュエット曲ですが、トレインチャはソロで歌っています。でも、もともとソロで歌うことを前提に作られた曲だし、全く違和感ありません。秋の夜長にじっくり聴くには好適のアルバムではないでしょうか。
ライナーに載っていたバカラックとトレインチャのコメントを紹介して、本記事を終えることとします。尚、バカラックのコメントは日本語訳が帯に掲載されていましたのでそちらを拝借しました。トレインチャのコメントはいつもの拙訳ですが、後半ちょっと変な意訳ですみません。
─ 作曲家を幸せにする方法を知っていますか? 彼の作品集第2弾をここまで素晴らしいアルバムとして仕上げ、さらにその中の3曲で自ら演奏する喜びまでも与えてやれば、作曲家はこの上なく幸せになるのです。 ─ バート・バカラック
─ 歌手には素敵な歌が必要よ。バート・バカラックは私にすべてを与えてくれるの! 彼は、永遠の名曲を更に15曲録音してもいいよって言ってくれたのよ! なんといっても、最大の贈り物は、「 フール・スピーク・フォー・ラヴ 」 ね。ティム・ライスとの共作になる彼の最新作だし、私が最初に録音できるなんて。再びバートとレコーディングできたのはとてもいい経験だったし、私の心に深く刻まれたわ。ピアノだったり、選曲やアレンジについての彼の絶対的な献身ぶりには圧倒されたわ。一生の財産よ。第2弾は完成したけど、私たちはまだ始まったばかりなんだわ。 ─ トレインチャ
【データ】
『 WHO'LL SPEAK FOR LOVE BURT BACHARACH SONGBOOK Ⅱ 』
TRIJNTJE OOSTERHUIS (TRAINCHA) METROPOLE ORCHESTRA
CD:2007/11/29リリース (所有CDは、2008/2/14リリースの日本盤)
レーベル:BLUNOTE (所有CDも同じで、BLUENOTE/EMIミュージック・ジャパン)
番号:50999 5152062 5 (所有CDは、TOCP-70479)
Produced by Patric Williams
Conducted by Vince Mendoza
All arrangements by Patric Williams, except T-2,7,9,14.: Vince Mendoza, T-15 : Peter Tiehuis
Recording and mixed by Al Schmitt at MCO Studio, Hilversum
Piano on T-5,8,10. by Burt Bacharach
Recorded at The Village Recorder by Al Schmitt, assisted by Ghian Wright
Programming by Rob Shrock
Harmonica on T-8. performed by Toots Thielemans
Backing Vocals : Lodewijk van Gorp, Jasmin Tusjadia, Dedre Twiss
Guitar : Peter Tiehuis
Drums : Martijn Vink
Bass : Aram Kersbergen
Piano : Hans Vroomans
Flugelhorn by Rund Breuls
Guitar on T-15. by Peter Tiehuis
Harp on T-14. by Joke Schonewille
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