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2014年12月

2014年12月29日 (月)

今年わたしとバカラック <2014年編>

今年も残すところあと3日。拙ブログの1年を簡単に振り返ります。


ビッグイベント 三連発

今年は、なんといっても2月~3カ月連続のビッグイベントが印象に残っています。改めて記事を読み返してみましたが、気持ちが高ぶって書いてるのがわかりますねー。文章がいつもに増して独りよがりで読みにくいですし^^;。

 対談 小西康陽×奥田祐士 ~バート・バカラック自伝刊行記念~ (2月9日)
 Yammy sings Burt Bacharach (3月8日)
 バート・バカラック コンサート2014 (4月10日)

小西さんと奥田さんの対談は貴重な体験でした。2月は、7日と15日が大雪だったんですが、7日の雪はすぐ溶けて8日は交通機関大丈夫だったのに対し、15日の大雪は交通機関マヒしてました。もし雪の降り方が逆だったら行くのあきらめたと思います。ラッキーでした。

Yammyさんはとにかく“元気オーラ”が半端なく出ている方で、聴いてる人を元気にするパワーはもの凄いです。「 4月のバカラックのコンサートを聴いて新しいネタを仕入れてくるので、次回楽しみにしていてください。 」 と仰っていたのですが、その次回 (12月14日、大阪ロイヤルホース) は聴きに行けず、残念でした(>_<)。
バカラックとは関係ないのでブログにはアップしませんでしたが、10月4日に福島県郡山市の仁井田本家さんという酒蔵でYammyさんも出演されたライヴ 『 ASIAN HITS in JAZZ 』 を聴きに行きました。このライヴも良かったです!

そして、4月にはバカラック爺が来日! 日本のバカラックファン皆さんが思ったことでしょうけど、元気な姿を見ることが出来て本当に感激しました。
帰宅してからなんとかその日のうちにセットリストだけでもブログにアップしようと頑張ったんですが、24時を5分過ぎてしまいました。どんな曲を演奏したのか、知りたい方がたくさんいらっしゃったんでしょうね。普段は日当り30件程度のアクセス(PV数)しかないのですが、翌4月11日は422件ものアクセスがありました。この記録はもう破られないでしょうねー。


アップした記事は 95件

【カテゴリー別の記事件数】
 バカラックの曲がちょっと入ったアルバム ─ 58件
 カヴァーアルバム ─ 23件
 バート・バカラックのアルバム ─ 2件
 新作主体のアルバム ─ 1件
 バカラック関連ネタ ─ 11件(本記事含む)

昨年(2013年)の1月に拙ブログをスタートして、丸2年になります。今年(2014年)アップした記事は上記のとおり95件でした。昨年アップした記事は96件でしたから、ほぼ同じペースということになります。

“バカラックの曲がちょっと入ったアルバム”は、CDとして所有しているアルバムが残りわずかとなりました。MP3データではまだまだ沢山所有しているのですが、CDの様にライナーノーツの情報が無いと記事にならないんですよねー。てなわけで、来年(2015年)は、“カヴァーアルバム”と、これまで殆ど取り上げてこなかった“コンピレーションアルバム”を中心に、ご紹介することになると思います。

それなりに記事も増えてきて、過去記事を探すのがいささか大変になってきました。なもんで、インデックス・ページを設置しようかなと思っています。どうやったらいいか、ちょっと考えてみます。


その他 トピックス

記事を書くためアルバム(こちら)を聴いていて発見した空耳、某TV番組では結局採用されなかったみたいです。けっこう自信あったんですけどね…。オマケとして、その番組の空耳アワー係宛てに送ったハガキ2通の内容を載せておきます。下ネタですので、お気に召さない方はスルー下さいm(__)m。

拙ブログの記事に対して、私の師匠であるまったりさんをはじめ、多くの皆様からコメントをいただきました。バカラックファンの皆様と熱い思いを共有することができて、とても嬉しかったです。

アルバム紹介のほうは、しばらく冬休みをいただきます。
それでは、良いお年を!


(画像はクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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2014年12月24日 (水)

Bacharach Jazz/New Roman Trio (2008年)

ピアノ・トリオ、ニュー・ロマン・トリオによるジャズ・バカラック・カヴァー集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外ではうまくいきませんが^^;)
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1. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
2. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)
3. ALFIE
4. THE LOOK OF LOVE
5. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR
6. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
7. I SAY A LITTLE PRAYER
8. WALK ON BY
9. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
10. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE

収録時間約57分


Img800今日はクリスマス・イヴ。クリスマス関連では過去、ハーブ・アルパート&ティファナ・ブラスの 『 Christmas Album 』プラシド・ドミンゴ&ディオンヌ・ワーウィックの 『 Christmas in Wienna Ⅱ 』 (邦題:クリスマス・イン・ウィーンⅡ 「 ラヴ・フォーエヴァー 」 ) をご紹介しました。でも、もう持ちネタがありません(>_<)。苦肉の策で、今回こちらのアルバムをご紹介します。

ピアノ・トリオ、ニュー・ロマン・トリオによるジャズ・バカラック・カヴァー集です。

リーダーの松本茜は、1987年生まれの女性ジャズ・ピアニスト。2008年5月、アルバム 『 フィニアスに恋して 』 でCDデビューしたばかりの彼女が、ベース山下弘治、ドラム松尾明のおじさま二人と結成したのが New Roman Trio 。このトリオ、バカラックとバッハに挑戦して2枚のアルバムを2008年12月に同時発売しました。そのうちの1枚です。

本アルバム発売時点の彼女の年齢は21歳。現役女子大生(日本大学芸術学部)でございました。でも、裏ジャケの写真を見てもわかるように、落ち着いた感じのとっても大人な女性です。

ということで、選曲されたのは10曲のバカラック・ナンバー。セレクトされたのは、ポピュラーなカヴァー定番曲ばかりです。

基本的に、最初はメロディを奏で2コーラス目以降はアドリブを展開していく、ハード・バップ系のスタイルです。彼女のピアノはタッチが軽く音色が明るいのが特徴。アドリブも硬軟織り混ぜて弾いていますが、難解で独りよがりなものではなく楽しんで聴ける類いのものです。ドラムスとベースのお二人も、彼女の世界観に合わせてサポートに徹しているように思います。

T-1. 「 雨にぬれても 」 はなんと三拍子にアレンジ。でもこれが実にスウィングしていてGood。T-2. 「 ニューヨーク・シティ・セレナーデ 」 は最初はリリカルに、途中からスウィングにギア・チェンジしてまた最後はリリカルに。T-3. 「 アルフィー 」 もアップ・テンポでご機嫌な演奏が新鮮です。T-10. 「 世界は愛を求めている 」 もアップ・テンポにしていますが、5拍子と3拍子にアレンジして聴く人の高揚感を誘っています。

一方、スローな曲もなかなか。T-4. 「 恋のおもかげ 」 はゆったりとした三拍子で揺れる気持ちを表現。T-9. 「 遥かなる影 」 は超スローなテンポで1コーラス目のメロディはベースが奏で、それからピアノがアドリブで、今度はベースがアドリブを引き継ぎます。透明感にあふれてるけども暖かい、そんな演奏です。

このように、バラエティに富んだ内容になっています。そして、気軽に聴けるところがこのアルバムの良さだと思います。外は寒いですが、暖かい部屋でこのアルバムをBGMにして寛ぐのもいいかも。

えっ、どうして本アルバムがクリスマス関連なのかって? 実は、6年前(2008年)の今日(クリスマス・イヴ)リリースされたからなんですねー。…単にそれだけ(~_~;)。苦肉の策とはいえ、こんなオチでスミマセンでしたm(__)m。

Photoここからはオマケです。
MP3でしか所有していないバカラック・カヴァーをご紹介。
iTunesだけの販売みたいなのですが、2010年に松本茜名義で 『 iJazz ピアノジャズスタンダード100 Vol.10 』 というアルバムをリリースしていて、 「 アルフィー 」 (5:01) が入っています。彼女によるピアノ・ソロで、原曲の雰囲気を壊さず美しくリリカルに演奏しています。この曲にしたら、わりとオーソドックスな解釈だと思います。でも、アルバムのコンセプトがそういうことだったのでしょう。
あと、ジャケット写真の茜さん、鍵盤柄のマフラーがよくお似合いです


【データ】
『 Bacharach Jazz 』 バカラック・ジャズ (Amazonでは“ジャズで聴くバカラック”とも)
New Roman Trio

CD:2008年12月24日リリース
レーベル:Jroom/コロムビアミュージックエンタテインメント
番号:COCB-53783

Produced by Ken Komoguchi/菰口賢一
All arranged by Akane Matsumoto and New Roman Trio
New Roman Trio:
  松本茜 (p)
  山下弘治 (b)
  松尾明 (ds)

 

 

2014年12月21日 (日)

BROADWAY FIRST TAKE, Vol.2/V. A. (2000年)

ブロードウェイ・ミュージカルのデモ録音集です。バカラックのミュージカル 『 プロミセス、プロミセス 』 から10曲を収録!

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全22トラック中、バカラック作品は10トラック

1. PROMISES, PROMISES (1:46)  ~ Rose Marie Jun, Kenny Karen
2. WHAT AM I DOING HERE? (3:50)  ~ Rose Marie Jun
3. UPSTAIRS (2:28)  ~ Kenny Karen
4. YOU'LL THINK OF SOMEONE (2:47)  ~ Rose Marie Jun, Bernie Knee
5. SHE LIKES BASKETBALL (2:38)  ~ Kenny Karen ~
6. LET'S PRETEND WE'RE GROWN UP (2:53)  ~ Rose Marie Jun, Leslie Miller
7. WANTING THINGS (2:17)  ~ Kenny Karen ~
8. TICK TOCK GOES THE CLOCK (3:09)  ~ Burt Bacharach, Rose Marie Jun, Leslie Miller
9. WHOEVER YOU ARE, I LOVE YOU (3:08)  ~ Rose Marie Jun
10. CHRISTMAS DAY (2:23)  ~ Ensemble ~

<歌手名:2018/1/21追記>



ブロードウェイ・ミュージカルのデモ録音集です。本アルバムはVol.1に続くシリーズ第二弾とのことです。

2000年にCDリリースされているようなのですが、私はMP3のみ所有。2012年5月にiTunesで見つけた時、速攻ダウンロードしちゃったんですね^^;。念のためAmazonで調べればよかったなぁ…。後の祭りです。

対象のミュージカルは三種類。
 『 プロミセス、プロミセス 』 バカラックの唯一のブロードウェイ・ミュージカル (T-1.~10.)
 『 フラワー・ドラム・ソング 』 (T-11.~18)
 『 ラ・カージュ・オ・フォール 』 (T-19.~22)
“ファースト・テイク”と謳っているように、デモ録音はそれぞれミュージカルのオープニング前にされたもののようです。

んで、 『 プロミセス、プロミセス 』 の10曲は、勿論全てハル・デイヴィッド&バート・バカラックによって書かれた曲。しかも、これまで目に(耳に)したことのない曲が3曲も含まれています! 上のトラックリストに邦題を併記していない曲がそうです。

T-2. 「 WHAT AM I DOING HERE? 」 女性一人で歌うスロー・バラード
T-6. 「 LET'S PRETEND WE'RE GROWN UP 」 女性二人がユニゾンで歌う、軽快な曲
T-8. 「 TICK TOCK GOES THE CLOCK 」 男性がパパパ…と歌い、女性二人が掛け合いながら歌う楽しい曲。尚、男性の声はバカラックご本人とのことです。

1968年オリジナル版のサントラ、2010年リバイバル版のサントラ、どちらにも入っていませんし、2012年12月に観に行った日本版公演でも当然歌われず。本アルバムのことをブログ書いている方がいらして(英語で~_~;)、それによると本番では使われなかったんだそう。このデモ録音しか残ってないのかしらん。

15_rosemariejun_2さて、10曲ですが、1台のピアノをバックに、女性/男性シンガーがミュージカルの場面に合わせ分担して歌っています。録音は1968年6月に行われました。歌手の皆さんはブロードウェイのセッション・シンガーということで、歌とても上手でいらっしゃいます。このうち、女性シンガーのおひとりは Rose Marie Jun (左の写真の方) とおっしゃるそう。この10曲のマスターテープは残ってないようで、この方が所有していたアセテート盤が音源とのことです。

…ということで音質は決して良くはありません。ですが、リハーサル或いは練習風景を覗いてるような感じがして、なかなか新鮮に感じました。

ミュージカル 『 プロミセス、プロミセス 』 は、ちょうど今頃~のお話。変拍子の嵐なのにいつ聴いてもウキウキするT-1. 「 プロミセス、プロミセス 」 、しっとりロマンチックなT-7. 「 欠けているもの 」 、自分の気持ちが叶わないことを切なく歌うT-9. 「 あなたはあなた 」 、美しいメロディーのデュエット曲T-10. 「 クリスマス・デイ 」 。他にも素敵な曲がいっぱいのこのミュージカル、また観てみたいものです。

このデモ録音、1968年に DEMONSTRATION RECORD としてLPが作られたという情報を入手しました。そのLPジャケットと曲目リストがこちら↓。Cast Albums というサイトの情報なのですが、それによれば収録曲は本CDよりも2曲(太字表記)多い12曲とのこと。真偽のほどはわかりませんが、一応情報として載せておきます。

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A1. HALF AS BIG AS LIFE
A2. YOU'LL THINK OF SOMEONE
A3. UPSTAIRS
A4. WHAT AM I DOING HERE?
A5. SHE LIKES BASKETBALL
A6. LET'S PRETEND WE'RE GROWN UP
B1. WHOEVER YOU ARE, I LOVE YOU
B2. A YOUNG PRETTY GIRL LIKE YOU
B3. TICK TOCK GOES THE CLOCK
B4. CHRISTMAS DAY
B5. PROMISES, PROMISES
B6. WANTING THINGS

<青字:2018/1/21追記>


◆◆ Promises, Promises アルバム一覧 ◆◆  <2019/6/23追記>
1968 デモ録音集 ← 本作
1968 Original Broadway Cast Recording
1969 Original London Cast Recording
1969 Aimi Macdonald and Ronnie Carroll (London Studio Cast)
1970 SPAAK - DORELLI (Italian Stage Cast)
2002 Italian Stage Cast
2010 New Broadway Cast Recording


【データ】
『 BROADWAY FIRST TAKE, Vol.2 』
V. A.

CD:2000年9月26日リリース
レーベル:Slider Music
番号: 703

Performer:Burt Bacharach, Rose Marie Jun, Kenny Karen, Bernie Knee, Leslie Miller
Recorded June 7th & 28th 1968 at Associated Recording, NYC.

<青
字:2018/1/21追記>

↓MP3版をリンクしておきます。視聴できます(^^)。

 

 

2014年12月14日 (日)

FOR THE FIRST TIME/Stephanie Mills (1975年)

米女性R&Bシンガーのステファニー・ミルズが1975年にリリースした、全篇バカラック&デイヴィッド作品のアルバムです!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外ではうまくいきませんが^^;)
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1. TOOK MY STRENGTH FROM YOU
2. LIVING ON PLASTIC
3. NO ONE REMEMBERS MY NAME
4. IF YOU CAN LEARN HOW TO CRY
5. LONELINESS REMEMBERS WHAT HAPPINESS FORGETS
6. THIS EMPTY PLACE
7. THE WAY I FEEL ABOUT YOU
8. I SEE YOU FOR THE FIRST TIME
9. ALL THE WAY TO PARADISE
10. PLEASE LET GO

収録時間約33分


米女性シンガーのステファニー・ミルズが1975年にリリースした、全篇バート・バカラック&ハル・デイヴィッド作品のアルバムです。

ステファニー・ミルズは、1957年ブルックリン生まれ。1975年にブロードウェイのミュージカル 『 The Wiz(ウィズ) 』 のドロシー役に抜擢され、トニー賞も獲得。1979年以降80年代は20世紀FOX他でソウル/R&B歌手としてヒットを飛ばします。

ミュージカルと並行して1974年にABCからファースト・アルバム 『 MOVIN' IN THE RIGHT DIRECTION 』 をリリースしますがヒットせず、MOTOWNに移籍してリリースしたセカンド・アルバムが本アルバムでございます。前述したとおり、全10曲バート・バカラック&ハル・デイヴィッド作品です。プロデュースもこのコンビ。しかも、8曲が書き下ろし曲! (残り2曲はディオンヌ・ワーウィックのカヴァー)

一度1991年にMOTOWNからCD化されたようなのですが、とっくに廃盤で中古もみつからず。CD再発されないかとず~っと願ってきましたが、半ば諦めて最近はAmazonチェックもサボってました。ところが、レコード・コレクターズ(2014年12月号)を立ち読みしてたら…、リイシューの海外盤紹介コーナーにこのCDが載ってるじゃないですか。速攻ゲットした次第です。まぁ、私の師匠であるまったりさんは 「 それやったらLPで持ってまっせ 」 と仰りそうですが。

Steven E. Flemming, Jr. という方がライナー・ノーツで全曲にコメントを寄せています(モチロン英語)。分かる範囲で参考にしつつ、簡単ではありますが全曲をご紹介します。編曲は特記ない限りバカラックです。

─ ♪ ─ ♪ ─

T-1. 「 TOOK MY STRENGTH FROM YOU 」  ミディアムスローなテンポで、ソフト・ソウル&ブルースっぽいナンバー。メロディも書き下ろし曲の中では最も取っつき易く、個人的には好きな曲。

T-2. 「 LIVING ON PLASTIC 」  ミディアムテンポで、ポップ/ロック調のナンバー。イントロ/間奏でのブラスやサックスもところどころアクセントになっています。

T-3. 「 NO ONE REMEMBERS MY NAME 」  ちょっとセンチメンタルなスロー・ナンバー。山谷がある展開でミュージカルの趣もありますね。ちょこっと変拍子もあります。バカラック自身、1977年のアルバム 『 FUTURES 』 でセルフ・カヴァーしています。

T-4. 「 IF YOU CAN LEARN HOW TO CRY 」  ミディアムテンポのポップナンバー。意表を突いたメロディとコード進行がいかにもバカラック。転調に変拍子もセットでもれなくついてます。編曲は Bill Eaton 。

T-5. 「 ロンリネス・ハッピネス 」  オリジナルはディオンヌで、1970年のアルバム 『 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 』 に収録。カヴァーしているのは私の知る限りステファニー・ミルズだけ。アップテンポのライトな小品で、アレンジはオリジナルのほぼコピーでキーも同じ(編曲は Dave Mathews )。軽やかに歌うディオンヌに対して、ステファニー・ミルズは若干テンポを落として柔らかにねばっこく歌っています。

T-6. 「 ディス・エンプティ・プレイス 」  こちらもオリジナルはディオンヌ。1963年3月23日に全米83位にランクされた3枚目のシングルで、デビュー・アルバム 『 PRESENTING DIONNE WARWICK 』 に収録されています。ステファニー版のR&B色の強いベースラインは、オリジナルや他のカヴァーでは聴かれない特徴的なアレンジ。この曲の黒い部分をよく引き出してると思います。編曲は Kenny Asher 。本アルバムからの唯一のシングルとして、T-8. 「 I SEE YOU FOR THE FIRST TIME 」 とのカップリングで1975年12月にリリース (M-1382F)。残念ながらチャート・アクションはなし。

T-7. 「 THE WAY I FEEL ABOUT YOU 」 ミディアム・テンポのミュージカルチックな小品。これまたメロディとコード進行が独特なバカラック節。変拍子に加えて転調もあります。

T-8. 「 I SEE YOU FOR THE FIRST TIME 」 バロック的な香りのイントロが印象的な、バウンス・シャッフルのナンバー。リズム隊とブラスの刻みもなかなか特徴的。同じモチーフの繰り返しが多いメロディも独特です。編曲はT-6. と同じ Kenny Asher 。

T-9. 「 ALL THE WAY TO PARADISE 」  R&B調のスロー・バラード。この曲もコード進行とメロディはバカラック節。転調も多く歌いにくいだろうに、彼女は難なく歌っています。

T-10. 「 PLEASE LET GO 」  イントロのチェンバロっぽいキーボードの和音の刻みだけ聴くと、サントラ 『 失われた地平線 』 の 「 THE THINGS I WILL NOT MISS 」 かと思ってしまいます。でも全然違う曲です。ミュージカル調のシンフォニックなナンバーです。

─ ♪ ─ ♪ ─

ステファニー・ミルズの歌は、パワフル且つダイナミックの上に繊細な表現力もあり、上手いです。バックもバンド+オケで、ミュージカル歌手としての彼女を引き立たせたかったんだろうと思いますが、バカラック&デイヴィッドの試みは成功しているとは言えません。歌唱力を前面に出すには曲が凝り過ぎてますし、何よりメロディにあまり魅力がありません。まぁ、バカラック節はたっぷり聴けるので私的には満足ですが。結局このアルバム、ヒットしませんでした。

Img825尚、CDにはボーナス・トラックを7曲収録。これは、1982年にMOTOWNから未発表曲集としてリリースされたアルバム 『 LOVE HAS LIFTED ME 』 から、本アルバムと重複する 「 THIS EMPTY PLACE 」 を除いた全曲でございます。先に紹介したレコード・コレクターズには、こんな風に書かれていました。 ─ このCDの目玉は、未発表曲集の 『 LOVE HAS LIFTED ME 』 と言ってよいであろう ─  可哀想な 『 FOR THE FIRST TIME 』 。でもでも、聴いていて一般受けするなぁと思うのは 『 LOVE HAS LIFTED ME 』 なんですよね。

本アルバムのジャケット裏面を見ると、上の方に SONGS BY BURT BACHARACH and HAL DAVID とあり、下の方は PRODUCED BY HAL DAVID & BURT BACHARACH となっています。二人の名前の順番が逆です。映画 『 失われた地平線 』 で仲違いしたけれど、事情があって二人は本アルバムを手掛けなくてはならなかったのでしょう。お互いのメンツを立てるために名前の順番にもいちいち気を配らなくてはならなかった…。そりゃ、協力していい曲を作ろうっていう雰囲気じゃないよなー。

因みに、単行本 『 バートバカラック自伝 』 に本アルバムのことは一切出てきません(>_<)。


【データ】
『 FOR THE FIRST TIME 』
Stephanie Mills

LP:1975年10月リリース (所有CDは、2014年8月4日リイシューのUK盤)
レーベル:MOTOWN (所有CDは、Big Break Records, UK)
番号:M5-227V1 (所有CDは、CDBBRX0301)

Produced by Hal David & Burt Bacharach
Directed by Phil Ramone
Songs by Burt Bacharach & Hal David
Arranged by Burt Bacharach
except Bill Eaton (T-4.), Dave Mathews (T-5.), Kenny Asher (T-6,8.)

2014年12月10日 (水)

ウィ・アー・オール・アローン/松永ちづる (2000年)

アカペラ・グループ、トライトーンの松永ちづるが2000年にリリースしたソロ・アルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

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全10トラック中、バカラック作品は1トラック

9. RAINDROPS KEEP FALLIN' ON MY HEAD (3:04)


Img796_2アカペラ・グループ、トライトーンの松永ちづるが2000年にリリースしたソロ・アルバムです。

トライトーン(TRY-TONE)は、男性3人、女性2人からなるアカペラ・グループ。CDもけっこうリリースしています。5人のメンバーのなかで top を担当しているのが、松永ちづるさん。トライトーンのリーダー多胡淳との共同プロデュースによる、彼女の一人多重録音でのアカペラ・コーラス集です。

収録された10曲は、全て洋楽のスタンダード・ナンバー。その中に、バカラック・カヴァーのT-9. 「 雨にぬれても 」 が入ってました。和音を伸ばしてアカペラのハーモニーの美しさを際立たせたアレンジが多いなか、「 雨にぬれても 」 はリード以外のパートがリズムを刻んで、この曲らしいウキウキ感のある楽しいアレンジになっています。

彼女の声は透き通っていて、聴いていて心地よいです。凝ったコーラス・ワークに唸るT-1. 「 ウィ・アー・オール・アローン 」 、厳かな気分になるT-2. 「 フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン 」 など、アレンジに工夫とこだわりがあります。私が一番心揺さぶられたのはT-10. 「 ア・ソング・フォー・ユー 」 。この曲のアカペラ・コーラスの美しさは絶品です。

2012年の東京ジャズフェスでのTAKE6くらいしか生でアカペラ・コーラスを聴いたことないですが、美しいアカペラをまた聴きたいと思ったあるでおでした。


【データ】
『 ウィ・アー・オール・アローン 』
松永ちづる

CD:2000/5/24リリース
レーベル:Next Records Aichi Japan
番号:NXCD-0008

Produced by Chizuru Matsunaga(松永ちづる) & Atsushi Tago(多胡淳)
Arranged by Cathy Morris except "London by night" arranged by Gene Puerling
Reaaranged for female voices by Cathy Morris
All songs sung by Chizuru Matsunaga

2014年12月 7日 (日)

ESTONIAN WIND/Tonu Naissoo Trio (2007年)

エストニアのジャズ・ピアニスト、トヌー・ナイソーが2007年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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全9トラック中、バカラック作品は1トラック

1. I SAY A LITTLE PRAYER (9:20)


Tonunaisoエストニアのジャズ・ピアニスト、トヌー・ナイソーが自身のトリオで2007年にリリースしたアルバムです。写真の真ん中がトヌー・ナイソーさんです。

エストニアって確かバルト三国のひとつだよなぁ…と地図を見てみました。記憶が間違ってなくて、ほっ。でも、位置関係とか国の形とか全くわかりません。ついでにウィキってみました。面積約45,200km2、人口約1,340万人 ~ どちらも九州とほぼ同じです。ふぅ~ん。首都は“タリン”。知らん^^;。公用語はエストニア語。知らん知らん^^;。

日本語ライナーノーツにちょうど的確なレビューが載っていましたので、引用します。横着してスミマセン。 ─ (略) 中でも、エストニアという辺境から登場したナイソー、一作目からそのスウィング感はずば抜けていたが、前作で一気に認知されるところとなった。(略) 満を持しての新作。これは凄い!  もあれ一曲目だ。バカラック・ナンバーでも屈指の人気曲 「 小さな願い 」 だが、軽快なビートを刻むドラムスに導かれての演奏は、彼独特の息の長いラインを描くソロも素晴らしく、本当に快感だ。ずばり、ピアノ・トリオ・ヴァージョンの代表的演奏になるだろう。DJ諸氏もチェックされたし。もうこれだけで 「 買い 」 に決まり! もちろんそれだけではない。続く二曲目はF・ハバードのオリジナルとして有名なワルツだが、何ともチャーミングに仕上げてある。そのあともボサありバラードありスウィンガーあり…捨て曲なし。ありがとう、トヌー。文句なしの傑作誕生だ。 ─

ということで、バカラック・カヴァーはT-1. 「 小さな願い 」 。オリジナルのディオンヌ版より3~4割増しの早いテンポ。トヌーのアドリブは最初クールでだんだん熱を帯びてきます。ベースやドラムスが刻むリズムは細かく複雑で、ピアノに負けず熱い! でも、全体的に知的な香りも漂っています。この曲の特徴である変拍子は、Aメロの2拍子部分はオリジナル通り、サビの3拍子部分は4拍子にアレンジ、という折衷型。私は変拍子をちゃんと演って欲しい派なのですが、全然違和感なく聴けます。この曲のジャズ版カヴァーではベスト5に入ります。

アルバム全体としても、バラエティに富んだ粋な演奏が多く飽きません。トヌーのバカラック・カヴァー集を期待してしまう、あるでおでした~。


【データ】
『 ESTONIAN WIND 』
Tonu Naissoo Trio

CD:2007年12月21日リリース
レーベル:ATELIER SAWANO/澤野工房
番号:AS 072

Produced by Tonu Naissoo
Tonu Naissoo Trio:
  Tonu Naissoo - piano
  Taavo Remmel - double bass
  Ahto Abner - drums
Recorded September 10-11, 2007 at Estonian Radio, Studio 2, Tallinn

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