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2015年6月

2015年6月24日 (水)

PETER NERO PLAYS LOVE IS BLUE/Peter Nero (1968年)

米国のイージーリスニング系ピアニスト、ピーター・ネロが1968年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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Original LP front cover

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所有CD(2 in 1)のジャケットの表/ケースの裏

全11トラック中、バカラック作品は1トラック

2. I SAY A LITTLE PRAYER (2:54)


米国のイージーリスニング系ピアニスト、ピーター・ネロが1968年1月にリリースしたアルバムです。

ピーターさんについては、前回ご紹介したバカラック・カヴァー・アルバム 『 IMPRESSIONS 』 の記事をご覧ください。あまり詳しい情報はありませんけど^^; → こちら

その 『 IMPRESSIONS 』 の前作に当たるアルバムが本作です。アルバムタイトルは、正確には 『 ピーター・ネロが弾く “ 恋はみずいろ ” と偉大な10曲 』 。「 恋はみずいろ 」 といえば私的にはポール・モーリアのバージョンが真っ先に思い浮かぶのですが、もともとはルクセンブルクのヴィッキーという女性歌手がユーロ・ヴィジョン・コンテスト1967で歌ったのがオリジナルなんですね。てっきりポール・モーリアがオリジナルだと思ってました^^;。

ま、それはともかく、バカラック・カヴァーはT-2. 「 小さな願い 」 。オリジナルはディオンヌ・ワーウィックで、1967年8月31日リリースのアルバム 『 The Windows of the World 』 に収録され、10月にシングル・カットされて12月に全米4位を記録するヒットとなりました。本作は1968年1月1日のリリースですから、オリジナルがヒットするかしないかのタイミングでピーターさんはレコーディングしたってことですよね~。素早いっ! アレサ・フランクリンがカヴァーしてシングル・リリースするのは1968年7月ですから、当然それより前ですし。

ストリングスやチェンバロがメロディの最初のフレーズを重ねて25秒間も変奏していく、なんともバロック風のイントロがとても印象的です。曲全体のアレンジもバロック風。1コーラス目はピーターさんのピアノが主旋律を弾き、2コーラス目の途中からピーターさんはアドリヴに移り他の楽器が主旋律を奏でます。ちゃんと変拍子もオリジナル通りやってくれますし、サビの後のピアノのリフレインもオリジナリティがあります。私はけっこう好きなカヴァーです。

ここからはオマケです。ピーターさんは、 『 IMPRESSIONS 』 や本作以外のアルバムでもちょくちょくバカラック作品を取り上げてレコーディングしています。MP3データも持ってないので聴けてないのですが、備忘録を兼ねて以下に記します。尚、ベスト盤やコンピ盤は省きます。
『 Reflectons 』 (1964)  RCA Victor
  ・WIVES AND LOVERS
『 The Screen Scene 』 (1966)  RCA Victor
  ・WHAT'S NEW PUSSYCAT?    *1
『 Nero-Ing In On The Hits 』 (1967)  RCA Victor
  ・ALFIE
  ・CASINO ROYALE
『 PETER NERO PLAYS LOVE IS BLUE 』 (1968)  RCA <本アルバム:曲名は省略>
『 IMPRESSIONS 』 (1968)  RCA Victor <紹介済み:曲名は省略>
『 Midnight Cowboy 』 (1969)  Columbia
  ・THE APRIL FOOLS
『 I'll Never Fall In Love Again 』 (1970)  Columbia
  ・RAINDROPS KEEP FALLIN' ON MY HEAD
  ・I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
『 Peter Nero Plays Music From Great Motion Pictures 』 (1972)  RCA
  ・WHAT'S NEW PUSSYCAT?    *1と同じバージョン
『 Summer Of '42 』 (1972)  CBS
  ・(THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU


【データ】
『 PETER NERO PLAYS LOVE IS BLUE and ten other great songs 』
Peter Nero

LP:1968年1月1日リリース (所有CDは、 『 IMPRESSIONS 』 との2 in 1、2013年リリース)
レーベル:RCA (所有CDは、英国VOCALION)
番号:LSP 3936 (所有CDは、CDLK 4484)

Producers: Jim Foglesong
Arranger & Conductor: Frank Hunter
Recorded in New York

2015年6月21日 (日)

IMPRESSIONS/Peter Nero (1968年)

米国のイージーリスニング系ピアニスト、ピーター・ネロが1968年にリリースしたバカラック集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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Original LP front cover/back cover

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所有CD (2 in 1) のジャケットの表/ケースの裏

1. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
2. WALK ON BY
3. WHO IS GONNA LOVE ME
4. WIVES AND LOVERS
5. A HOUSE IS NOT A HOME
6. TRAINS AND BOATS AND PLANES
7. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
8. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
9. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
10. ALFIE
11. THE LOOK OF LOVE

収録時間約32分


米国のイージーリスニング系ピアニスト、ピーター・ネロが1968年にリリースしたバカラック集です。

ピーター・ネロは1934年生まれ。バカラックより6歳年下ということになりますネ。当初はバーニー・ニーロウという名前でジャズ・クラブ回りをしていましたが、改名後1961年にアルバム 『 Piano Forte 』 でレコード・デビュー。同年、グラミー賞の"Best New Artist"を獲得。以降、ポップ/クラシック/スウィング/バップをハイブリッドした彼の音楽は1960年代に人気を博したそうです。

所有CDに、LP発売当時のライナー・ノーツが載っていました。音楽評論家とおぼしき方(Harold Stern)の文章です。超意訳してみますと…。

─ ピーター・ネロ、バート・バカラック、ハル・デイヴィッドは、ポップミュージックの若者革命の巨人のうちの3人です。ビートルズのように、国際的に知られ、称賛され、今日の音楽シーンに影響力を持つ存在なのです。ユニークなピアノ・スタイルを持つネロ…、現代的なリズムとメロディアスなバラードのバカラック…、まさに“今”の歌詞を書くデイヴィッド…。バカラックとデイヴィッドは全く驚くべきチームです。本アルバムに収録されてる曲を見て下さい。軽快さが忘れられない 「 愛を求めて 」 (T-9.) 、アレサ・フランクリンの心躍るバージョンの 「 ウォーク・オン・バイ 」 (T-2.)に、ハーブ・アルパートのロング・ヒット 「 ディス・ガイ 」 (T-1.)。加えて、映画に書いた曲 「 恋のおもかげ 」 (T-11.)と 「 アルフィー 」 (T-10.)は、それ自体が大ヒットしました。この途方もないチームは、すらすらと信じられないペースでヒットを飛ばしています。噂では、彼らは休もうとしないんだとか。バカラックとデイヴィッドは、若者にアピールし、現代の音楽シーンを攻略する公式を見つけたんです。彼らの良く知られたヒット曲にこのアルバム全部を捧げることは、ピーター・ネロにとって適切なことだと思われます。ピーター・ネロは、バカラックとデイヴィッドの作品に自分の印象を与えています。彼の解釈は誰にでも、そう、全ての世代にアピールするでしょう。 (略) ─

バカラックとデイヴィッドの曲を称賛している事は読みとれますが、ネロのことについては何が言いたいんだかイマイチわかりませんねー。まぁ、私の訳の拙さもあるんでしょうけど…^^;。

収録曲は1968年時点のバカラック&デイヴィッド・ソングブックといったラインナップですが、1曲だけ “ 何やコレ?” な曲がT-3. 「 フー・イズ・ゴナ・ラヴ・ミー 」 。ディオンヌ・ワーウィックが1968年8月にリリースしたシングルのA面曲で、同年11月にリリースしたアルバム 『 Promises, Promises  』 に収められています。 全米33位とそこそこヒットしてるようなんですが、私はピーター・ネロ以外のカヴァーを知りません。なかなかイイ曲なんですけどねー。

ピーター・ネロのピアノ+オケという編成。あくまでも主役はネロ。イントロでは一切ピアノ弾いてませんし、メロディは基本的にネロがピアノで弾いています。とはいえ、元々ジャズ出身のネロはアドリブもけっこう多くて、その時は流石にオケがメロディを演奏していますが。

ネロのピアノはとても賑やかで騒がしく、イージーリスニングとしては異色かもしれません。オケも、原曲のコピー的なアレンジではなく、あちこちで印象的な伴奏のフレーズを耳にします。特に、T-4. 「 素晴らしき恋人たち 」 で原曲の3拍子を4拍子にしてしかもオケが変わった伴奏形を奏でていていたり、T-6. 「 汽車と船と飛行機 」 でストリングスの低い音から高い音へのグリサンドを多用するところなど、一風変わったアレンジで面白いです。

てな具合に、ネロのピアノよりもオケの伴奏の方に気が向いてしまったあるでおでした。

R514586413884417047447jpegここからはオマケです。
クレジットによると、T-10. 「 アルフィー 」 だけはプロデュースが別の人。あれっ?と思って調べてみたら、この曲だけは1967年にリリースしたアルバム 『 Nero-ing In On The Hits 』(左) に収録した 「 アルフィー 」 を再び収めたものと判明しました。確かにこの曲は他の曲と違ってオケもネロのピアノも流麗であまり騒がしくありません(笑)。
しかも、 『 Nero-ing In On The Hits 』 にはバカラック作品がもう一曲ありまして。 「 カジノロワイヤル 」 なんですが、海外のALLMUSICというサイトで視聴してみましたら、ピアノもオケもシンプルな演奏でした。私は所有していませんが、このアルバムも2013年に2 in 1でCD化されているようです。iTunesで売ってたら 「 カジノロワイヤル 」 だけ購入するところなんですが、CDでは購入ためらっちゃいます^^;。


【データ】
『 IMPRESSIONS  THE GREAT SONGS OF BURT BACHARACH & HAL DAVID
Peter Nero

LP:1968年リリース (所有CDは、 『 PETER NERO PLAYS LOVE IS BLUE 』 との2 in 1、2013年リリース)
レーベル:RCA Victor (所有CDは、英国VOCALION)
番号:LSP 4072 (所有CDは、CDLK 4484)

Producers: Jim Foglesong (T-1-9,11.), Joe Rene (only T-10.)
Arrangers: Peter Nero & Frank Hunter
Conductor: Nick Perito
Recorded in RCA's Studio B, New York City

2015年6月17日 (水)

Vividly/三善香里 (2015年)

ジャズ・シンガーの三善香里が2015年にリリースしたミニアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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全9トラック中、バカラック作品は1トラック

2. RAINDROPS KEEP FALLIN' ON MY HEAD (2:47)


ジャズ・シンガーの三善香里が2015年6月10日にリリースしたミニアルバムです。Amazonで予約注文していたのですが、14日にようやく届きました。

香里さんは都内のライブハウスを中心に活躍中のジャズ・シンガー。プロフィール他については、2010年にリリースしたファースト・ミニアルバム 『 Alfie 』 の記事を参照ください。

2年後の2012年に初のフルアルバム 『 Blackbird 』 をリリース。んで、本作は通算3枚目のリリースとなるセカンド・ミニアルバムでございます。香里さんは、自身のブログで本作のことを次のように説明しておられます。

─ 予定より半年遅れの発売となってしまいました。 ─
─ ジャズボーカルの枠にとらわれないカラフルなサウンドやボーカルで、スタンダードや映画音楽などを収録しました。ライブ音源2曲を含む9曲入りのミニアルバムです。 ─
─ ライブ録音で一枚アルバムをリリースしようと思っていた時期があったのですが、なかなか実現できず、今回、New Album 『 Vividly 』 にそのライブ録音から2曲収録しています。 ─

新録は6曲。カルテット編成1曲、ギター・トリオ編成1曲、ギターのみ2曲、ピアノのみ2曲と曲によってバックが違います。ライヴは2013年5月の音源を2曲(T-4,8.)。どちらもバックはピアノのみ。そしてT-9.はボーナス・トラックで、 『 Blackbird 』 のアウトテイク。バックはギター・トリオ。全9曲、スローな曲からアップテンポの曲まで、ヴァラエティに富んでいます。

バカラック・カヴァーはT-2. 「 雨にぬれても 」 。バックはギターのみ。だったらイントロはてっきりお決まりの<Ⅰ - Ⅴ - Ⅳ - Ⅰ>コード進行かと思ったら、メロディ繋ぎ部分のコード進行<Ⅴ7sus4 - Ⅴ7>を用いたモチーフで、いい意味で期待を裏切られました。シンプルなギターのバッキングに乗っかる香里さんの歌唱はあざとさのないナチュラルなもの。聴いていて気持ち良いです。2コーラス目が終わり、これからアウトロかと思ったら(実際ギターがそれらしい動きをチラッと見せるのですが)、ストンッと曲が終わります。この潔さが、却って後を引くんですよね~(笑)。

他には、不思議な浮遊感が感じられるT-7. 「 ムーン・リヴァー 」 、リリカルでカラフルなライヴ音源のT-8. 「 ブラックバード 」 が印象に残りました。やっぱりライヴを聴きに行かなくてはっ!


【データ】
『 Vividly 』
三善香里

CD:2015年6月10日リリース
レーベル:Presious Recoeds
番号:KMYS-2015

Produced by seiji morita (T-1,2,5,6,7.), 三善香里 (T-3,9.)
  All voices by 三善香里
  Piano & E. Piano: Sota Seta (T-1,4,6,7,8.)
  Guitars: Nobuhiro Denda (T-1,5.), Yudo Matsuo (T-2,3.), Takayoshi Baba (T-9.)
  Acoustic Bass: Yousuke Terao (T-1.), Yuta Omino (T-5.)
  Fretless Bass: Ryoji Orihara (T-9.)
  Drums: Akira Kawamura (T-1,5.), Akihito Yoshikawa (T-9.)
Recorded @ vanilla house sound lab (T-1,2,3,5,6,7.)
T-4,8. Live recording 2013. May live in Tokyo
T-9. from the album "Blackbird" sessions. Recorded @ Studio DeDe.

 

 

2015年6月14日 (日)

CLOSE TO YOU KARIMA SINGS BACHARACH/Karima (2015年)

イタリアの女性シンガー、カリマが2015年にリリースしたバカラック・カヴァー集です!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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1. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU / A HOUSE IS NOT A HOME
2. WAITING FOR CHARLIE (TO COME HOME)
3. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
4. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
5. WALK ON BY
6. ONE LESS BELL TO ANSWER
7. JUST WALK AWAY
8. THE LOOK OF LOVE
9. WIVES AND LOVERS
10. I SAY A LITTLE PRAYER
11. ALFIE
12. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
13. GOD GIVE ME STRENGTH

収録時間約63分


イタリアの女性シンガー、カリマが2015年3月にリリースしたバカラック・カヴァー集です!

カリマさんのプロフィール等は、デビュー・アルバム 『 KARIMA 』 の記事に書いておりますので参照ください。 → こちら

バカラック作品が4曲もありしかもその全てがバカラック爺のプロデュースという、なんとも贅沢なデビュー・アルバムを2009年にリリースしたカリマさん。続くセカンド・アルバムが本作なのですが、なんとそれがいきなりバカラック・カヴァー集とはっ!!!

Img960a_2届いたCDはダブルジャケット仕様の紙ジャケ。ジャケットを開けると左側にカリマさんのコメントが書いてありました。伊太利亜語なんて読めませんから、Google翻訳で日本語に変換しました。更にそれを意訳・簡素化したのがこちらです。

─ 私は15歳の時に、それまで知らなかった偉大な芸術家の素晴らしい世界を発見しました。私の人生を変えたレコード ~ Era Dionne Warwick Sings The Bacharach & David Songbook ~ それは啓示でした。私の魂の奥深くにロマンチックなタッチで届いたのです。10年後、私はマエストロと共演する絶好の機会を得ました。ロサンゼルスの彼の家に行き、その後スタジオで彼のプロデュースでレコーディングしたのです(※デビュー作のこと)。このプロジェクト(※本作のこと)は、美しい音楽と夢を全世界で与えている素晴らしい芸術家のため、私の愛と情熱から生み出されたものです。 ─

変な日本語ですが、要はバカラックの音楽で人生が変わったと、そしてバカラックへの愛と情熱から本作を作ったと。こういうコトみたいですね。凄いなぁ~、カリマさん。

聴いてまた唸りました。全篇ジャズなんです、ジャズ! デビュー・アルバムはポップス・アルバムだったのに。バックはサックス+ピアノトリオというワンホーン・カルテット。全曲アレンジはピアノのピエロ・フラッシ。伊太利亜の気鋭ジャズ・ピアニストだそうで、ハーモニーの美しさはビル・エバンスに、歯切れ良いタッチはハービー・ハンコックと比較され、エレクトリック・キーボードのうまさにも定評ある方なんだとか。

収録曲は13トラック、14曲。最初のT-1. が 「 シズ・ガイ 」 と 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 のメドレー。ほぼフルサイズの2曲をメドレーしていて、尺も7分を超えてます。アルバムの初っ端から気合が入ってます。往年のバカラック作品が主体ですが、T-13. 「 ゴッド・ギヴ・ミー・ストレングス 」 もありますし、最近のミュージカル 『 SOME LOVERS 』 からの楽曲、T-7. 「 JUST WALK AWAY 」 もあります。

バックの演奏は、ジャズはジャズでもコンテンポラリーなアレンジで新鮮。演奏も硬軟織り交ぜていていい感じです。デビュー・アルバムに入ってるT-7. とT-2. 「 WAITING FOR CHARLIE (TO COME HOME) 」 の2曲だけは、セルフカヴァーということもあってかデビュー・アルバムのテイストを再現したポップス寄りのアレンジですが。

カリマさんの歌唱は、曲の出だしでは抑え気味でも山場ではシャウトしたりして、パワフルで表現力が豊か。シャウトする場面では、ジャズというよりソウルシンガーのそれっぽいです。

ベースだけをバックにソウルフルに歌うT-5. 「 ウォーク・オン・バイ 」 、ローズ・ピアノとエレキ・ベースがクール&ハードでカリマさんの歌唱もパワフルなT-9. 「 小さな願い 」 にも強い印象を受けましたが、本アルバムの白眉はやっぱり最後のバラード3曲でしょう。T-11. 「 アルフィー 」 はピアノだけをバックに歌います。ピアノの間奏がリリカルで美しいです。T-12. 「 世界は愛を求めている 」 のバックはピアノとベースのみ。この曲はバックもカリマさんの歌唱もとても抑制が効いていて、心に染みました~。私のイチオシです。T-13. 「 ゴッド・ギヴ・ミー・ストレングス 」 はローズ・ピアノの音色がなんともいえずいい雰囲気を醸し出しています。カリマさんの歌唱もコステロに勝るとも劣りません。

41xplfosf3l41dmmaqmqlここからはオマケです。MP3データしか所有していないカヴァーをご紹介。
と言っても、カリマさんではありません。ピアノを弾いていたピエロ・フラッシです。ピエロは、2008年に PIERO FRASSI TRIO 名義でリリースしたアルバム 『 Everything We Love 』 (左) で 「 素晴らしき恋人たち 」 (7:55) を取り上げています。かなりアヴァンギャルドでハードな演奏です。
更に、2010年にリリースしたアルバム 『 SERENITY 』 (右) でも 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 (7:13) を取り上げています。こちらは一転、叙情派の美しい演奏です。
どちらも、ピエロがバリバリのジャズ・ピアニストだということがわかります。カリマさん、ジャズ・シンガーに転身するんでしょうか!?


【データ】
『 CLOSE TO YOU KARIMA SINGS BACHARACH 』
Karima

CD:2015年3月24日リリース
レーベル:Universal Classics & Jazz, a division of Universal Music Italia
番号:4726421

Produced by Karima Ammar and Nicolas Gilliet
All tracks arranged by Piero Frassi
  Karima - vocals
  Vittorio Alinari - soprano, tenor sax & flute
  Piero Frassi - piano & rhodes
  Francesco Puglisi - upright bass & el-bass
  Fabio Nobile - drums
  Irvin Mayfield - trumpet, specal guest on T-3. 「 CLOSE TO YOU 」
Recorded on 16 & 17 November 2014 at Studio Canss, Losone, Switzerland

 

 

2015年6月10日 (水)

Blackbird/三善香里 (2012年)

ジャズ・シンガーの三善香里が2012年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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全12トラック中、バカラック作品は1トラック

12. ALFIE (4:38)


Img955ジャズ・シンガーの三善香里が2012年にリリースしたアルバムです。

香里さんのプロフィールについては、以前アップしたファースト・ミニアルバム 『 Alfie 』 の記事を参照ください。 → こちら

その記事に、ミニアルバム 『 Alfie 』 に収められている 「 アルフィー 」 と本アルバム 『 Blackbird 』 の 「 アルフィー 」 はたぶん同じテイクだろうから 『 Blackbird 』 を購入していない … と書きました。

そうしましたら、香里さんより “ 別の音源です。ミニアルバムとはまた違った雰囲気ですので、是非聴いてみて下さい ” とコメントをいただいたのです!! 直々に!! 目が点になりました。 まさかご本人さまがコメント下さるなんてっ!! 香里さん、ありがとうございました!! 早速 Amazon で本アルバムをゲットした次第です。

凛としたお姿がとても印象的なジャケット写真、しばらく眺めたのちに開くと、内側には香里さんご自身によるメッセージ & 曲解説が…。メッセージの一部をご紹介します。 ─ 気の置けない仲間達と作った初のフル・アルバム、そして今の私の等身大のソングブックです。暗い夜から今まさに羽ばたこうとしているこのアルバム 『 Blackbird 』 が、一人でも多くの方の愛聴盤となりますように! ─

ジャケ写の黒いお召し物と手にしている羽根は、羽ばたこうとしている黒い鳥 = このアルバムを表現しているのでしょうね。

ジャズ・スタンダードからビートルズ/ジョニ・ミッチェル/ポール・サイモンなどロック/ポップス系までバラエティに富んだ選曲。バックは、ピアノトリオ、ギタートリオ、ギターだけ、ピアノだけ…と、曲によって編成を柔軟に変えています。各曲のアレンジも新鮮で軽やか。香里さんの歌声はとても凛としていて、でも柔らかい。CDが届いた翌朝、このアルバムを聴きながらウォーキングしたのですが、曲ごとに様々な色の鳥が頭の中を飛んでるような錯覚を覚えました。羽ばたいた黒い鳥さん、実は色彩豊かな鳥だったんですね。。

んで、バカラック・カヴァーのT-12. 「 アルフィー 」 。曲解説で、香里さんはこう書いておられます。 ─ この曲だけが2011年8月の録音。韓国での配信用に前作からキーとアレンジを変えて録音、日本では未発表だったので収録しました。独特のカラーを持つ佐藤浩一(Pf)とのDuo。 ─

香里さんが拙ブログにコメント下さったとおり、ミニアルバムのものとは違った雰囲気の 「 アルフィー 」 でした。キーは前作の変ホ長調からホ長調に半音UP。ピアノの音色が暖かく柔らかいです。香里さんの歌も、前作は語りかけるような感じだったのですが、本作では物語を話して聞かせている風に感じました。アウトロでのハミングもグッときます。

前作でも今作でも同じだったのが、原曲には出てこない音階で ” アルフィー ” と歌うところ。分かりやすくするため、キーをハ長調として説明します。「 アルフィー 」 の歌い出しは<ソファミファソ~、ファド~> ですよね。つまり、最初に ” アルフィー ” と歌う箇所は<ファ ↗ ド>です。同様に、” アルフィー ” と歌う箇所を音階で示すと、<ソ → ソ>、<シ → シ>、<レ ↘ ド>、<レ ↗ ミ>、<ラ ↘ ソ> これで全てです。しかし、香里さんはイントロやアウトロで ” アルフィー ” を<レ ↘ ラ>と歌うんです。原曲にはない音階なので、強く印象に残ります。他のカヴァーでは聴いたことないですもん。

他の収録曲のなかでは、高揚感のあるT-8. 「 フライ・ミートゥー・ザ・ムーン 」 と大人なサウンドのT-9. 「 ブレイム・イット・オン・マイ・ユース 」 が特に印象に残りました。

Img_1169ここからは余談なのですが、最近、iPod+イヤホン 或いは iPod+ミニコンポでしか音楽聴かなくなってます。でも、本アルバムは久々に自宅のオーディオを鳴らして聴こうと思い、数ヶ月ぶりでオーディオの電源をON!

自宅オーディオのスピーカーは、8cmフルレンジ2発のバックロードホーン型スピーカー(左の写真)。音像定位が良いことから、ヴォーカルもののアコースティックな音源では特にその威力を発揮します。「アルフィー」では、香里さんの歌声が艶かしく聴こえて “ ゾクゾクッ ” としました。

たまには、ちゃんとしたオーディオで聴かんといけんなぁ…


【データ】
『 Blackbird 』
三善香里

CD:2012年11月21日リリース
レーベル:Precious Records
番号:KMYS-2012

Prodused by 三善香里
アレンジは曲により異なります
三善香里 - All vocals
田中さとこ - Piano (T-1,4,5,7,8.)
佐藤浩一 - Piano (T-12.)
馬場孝喜 - E.Gt & A.Gt (T-2,3,4,9.)
松尾由堂 - E.Gt & A.Gt (T-6,7,11.)
芹澤薫樹 - E.Bass & W.Bass (T-1,4,5,7,8,10.)
織原良次 - Fretless Bass (T-2,3,9.)
吉川昭仁 - Drums & Percussion

Recorded May 21 (w/Guitar Trio), July 12 (w/Piano Trio) 2012 at Studio DeDe, 池袋
Recorded July 20, Aug. 4,12,21,23,24 2012 (Duo w/Guitarist, Additional Guitars & Vocals) at DeDe AIR, 目白
<T-12.> Recorded Aug. 16 2011 at Studio DeDe, 池袋、Arranged by 佐藤浩一 & 三善香里

2015年6月 7日 (日)

WHAT THE WORLD NEEDS NOW... THE MUSIC OF Burt Bacharach/Royal Philharmonic Orchestra (2013年)

英国の代表的なオーケストラのひとつ、ロイヤル・フィルによるバカラック集です。殆どの曲がヴォーカル入り!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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1. OVERTURE
2. MAGIC MOMENTS                                                                                        M
3. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE                                                      F
4. DON'T MAKE ME OVER                                                                              F
5. ANYONE WHO HAD A HEART                                                                     F
6. WIVES AND LOVERS                                                                                    M
7. I SAY A LITTLE PRAYER                                                                            F
8. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME                               F
9. WALK ON BY                                                                                            F
10. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU                                                        F
11. WHAT'S NEW PUSSYCAT?                                                                           M
12. SOUTH AMERICAN GETAWAY / RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD   F M
13. PROMISES, PROMISES                                                                               M
14. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN                                                              F
15. WISHIN' AND HOPIN' / A HOUSE IS NOT A HOME                                       F
16. 24 HOURS FROM TULSA                                                                             M
17. CASINO ROYALE
18. THE LOOK OF LOVE / THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU                              F
19. MAKE IT EASY ON YOURSELF                                                                     M
20. ALFIE                                                                                                     F
21. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR                                                             F M
22. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)                                           F M
23. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE                                                  F M

収録時間約76分


Img952英国の代表的なオーケストラのひとつ、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(Royal Philharmonic Orchestra, 略称RPO)が2013年にリリースしたバカラック集です。

このオケ、クラシック音楽以外にも映画音楽やロック/ポップスもののアルバムを多く録音しているんですね。オケの公式サイトを覗くと直近リリースしたアルバムが紹介されてまして。映画音楽ではジョン・バリー集、ジョン・ウィリアムス集、ボンド音楽集などが、ロック/ポップスではコールドプレイ集、その他ローリングストーンズ/オアシス/EL&Pなどのコンピ集が載ってましたょ。本アルバムももちろん紹介されていました。

本アルバム、オーケストラ名義ではありますが、ウェスト・エンド(ブロードウェイみたいなところ)で活躍するミュージカル歌手4人(女性3人・男性1人)が23トラック中21トラックで歌っています。

プロデュース/アレンジ/指揮のリチャード・バルコンブが、“ Creating the CD ” と題してライナーにアレンジの事を書いています。うまく訳せているかどうか分かりませんが、その一部をご紹介します。

─ このアルバムの編曲する際して、私はオリジナルの録音に誠実であろうとしました。 決して新しく何か違ったものを作らないようにしよう、というのが私の考えでした。オリジナルはいかなる変更も必要としないんですから! 皆さんならバカラックの曲の印象的な部分をご存知でしょう。 例えば、「 遥かなる影 」 でのピアノが奏でる下降形、「 ニューヨーク・シティ・セレナーデ 」 でのサックス・ソロ、「 恋のおもかげ 」 でのギロ、「 マジック・モーメンツ 」 でのバスーン。元々、これらの曲は、リズムセクション(ピアノ、ギター、ベース、ドラムス)に、ちょっとしたパーカッション、小編成のストリングス、いくつかのソロ楽器(サックス、トランペット、トロンボーンなど様々な組み合わせで)を加えた編成で録音されたものです。我々はフルオーケストラでこれらの独創的な部分を補強して、願わくばより充実したサウンドでロマンチックな音楽にしようと取り組んだのです。特に 「 自由への道 (SOUTH AMERICAN GETAWAY)  」 と 「 素晴らしき恋人たち (WIVES AND LOVERS) 」 の2曲は忠実に再現できたのではと思っています。 ─

実際に本アルバムを聴いてみますと、確かにバルコンブさんがおっしゃる通りのアレンジです。ですから、聴いていて安心感はありますが、単なる歌伴と言えなくもないです^^;。歌手の皆さんも頑張ってはいますが、それほど印象には残りません。でも、4人が揃って歌う T-21. 「 愛のハーモニー 」 、T-22. 「 ニューヨーク・シティ・セレナーデ 」 、T-23. 「 世界は愛を求めている 」 は盛り上がってなかなか良いです。

なお、T-1. 「 OVERTURE 」 は、バカラック作品の各曲からイイとこ取りした、ホントに本アルバムのまさしく“序曲”です。「 世界は愛を求めている 」 ~ 「 タルサからの24時間 」 ~ 「 プロミセス・プロミセスより 」 ~ 「 ニューヨーク・シティ・セレナーデ 」 ~ 「 自由への道 」 ~ 「 世界は愛を求めている 」 と繋いでいます。

せっかくなので、指揮者と歌手4人のお顔をご紹介。ついでに、どの曲で誰が歌っているかもライナーをコピーして載せておきます。
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【データ】
『 WHAT THE WORLD NEEDS NOW... THE MUSIC OF Burt Bacharach 』
Royal Philharmonic Orchestra  ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

CD:2013年6月4日リリース
レーベル:Royal Philharmonic Orchestra (UK)
番号:RPO SP 040

Produced by Richard Balcombe
All arrangements and orchestrations by Richard Balcombe
Conductor: Richard Balcombe  リチャード・バルコンブ
Royal Philharmonic Orchestra
Vocalists:
  Graham Bickley  グラハム・ビックリー
  Mary Carewe  メアリー・カレウェ
  Alison Jiear  アリソン・ジーアル
  Sarah Lark  サラ・ラーク
Recorded at Angel Studios on 9th-10th July, 3rd-5th September and 16th October 2012

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