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2015年12月 2日 (水)

Are You Ready For This?/Jackie DeShannon (1966年)

米国の女性シンガー・ソングライターのジャッキー・デシャノンが1966年にリリースしたアルバムです。バカラックの書き下ろし作品2曲+カヴァー1曲を収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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全12トラック中、バカラック作品は3トラック

7. WINDOWS AND DOORS (2:48)
9. SO LONG JOHNNY (2:26)
10. TO WAIT FOR LOVE (2:44)

所有CDのボーナストラック 8トラック(T-13~20.)中、バカラック作品は3トラック

13. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE (3:16)
14. A LIFETIME OF LONELINESS (2:36)
15. COME AND GET ME (2:41)


米国の女性シンガー・ソングライターのジャッキー・デシャノンが1966年にリリースしたアルバムです。

1944年ケンタッキー州に生まれの、アメリカを代表するシンガー・ソング・ライター。早熟なジャッキーは、1956年(12歳)には早くもシングルをリリース。1963年にアルバム・デビューを果たすとともに、他人に楽曲を提供するようになります。

バカラック・ファンにとってジャッキーといえば、1965年4月にシングル・リリースされ全米7位となった 「 WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE ( 世界は愛を求めてる )  」 ですね。ディオンヌがこの曲を気に入らずジャッキーが歌うことになった…というのはあまりに有名な話。バカラック爺はそのいきさつを自伝に書いています。そのまま引用するのはアレなんで、要約して~且つ演出を加えて~紹介します。

 ─ この曲をディオンヌに聴かせたらよぉ、「 お気に入りじゃない 」 だとぉ? しょうがねえから引っ込めたけどょ、いい曲じゃねぇのかって凹んだぜ。10か月後に今度はティミ・ユーロに歌わせたら、全然アクセントがなっちゃいねぇ。アクセントの箇所をテーブル叩いて教えたら、アイツ 「 馬鹿にしないでっ 」 とか吐き捨てて出ていきやがった。その頃ジャッキーと何曲かレコーディングしなきゃなんなくてよ、ハルがこの曲を引っ張り出してきて歌わせたらその歌いっぷりにオー・マイ・ガッ。ベル・サウンドでセッションをブッキングしてよぅ、バックグラウンド・ヴォーカルにシシー・ヒューストンを呼んできてレコーディングしたさぁ。そしたら全米7位じゃん。自分がNG出したくせにディオンヌが嫉妬してよぅ。ったく、まいったぜぃ。 ─

バカラック爺の心境を察して、想像を膨らませました。まぁ、こんな言葉遣いは絶対にしないんでしょうが^^;。 この曲に関しては、まったりさんが最近(2015年8月~10月)ブログで特集を組んで様々なカヴァー動画を紹介していらっしゃいます。是非ご覧になってみてください。 → こちら(最初の特集記事)

さて、本題に戻りまして。本作がジャッキーの通算5枚目となるオリジナル・アルバムでございます。ジャッキー自作の4曲(T-4,5,6,12.)や、シレルズの「 ウィル・ユー・ラブ・ミー・トゥモロウ 」(T-3.)、ダスティ・スプリングフィールドの 「 この胸のときめきを 」(T-8.)、ペトゥラ・クラークやクリス・モンテスの 「 コール・ミー 」(T-11.)  といったヒット曲のカヴァーが収録されています。でも、主役はバカラック作品の3曲でしょうかねー、バカラック・ファンにとっては。

T-7. 「 WINDOWS AND DOORS 」 はジャッキーへの書き下ろし曲。変わったメロディ展開の曲で、Aメロが5小節、Bメロが4小節、‟ Windows and Doors ~ ” で始まるサビは10小節(見方によっては11小節)。コード進行もヘンテコで、ころころ印象が変わります。こんな歌いにくい曲をジャッキーはよく歌いますねー。

T-9. 「 SO LONG JOHNNY 」 も書き下ろし曲。この曲がまた 「 WINDOWS AND DOORS 」 に輪をかけてヘンテコリンな曲です。サックス・トロンボーン・マンドリン?がユニゾンで奏でるトボけた旋律のイントロ、サビの部分以外で裏打ちし続けるハンドクラップはまだ序の口。メロディがとにかく独特な動きをします。特に ” so~long~joh~nny ” と歌う部分のメロディは “ ミ - レ - ド# - ド ” で、いかにも音程が取りにくそう。1コーラス目は “ A - B- A - B' - サビ ” という感じの構成になんですが、小節数は “ 7 - 7 - 7 - 6 - 12 ” 。なんじゃコリャ(@_@) サビなんか、メロディが上がったり下がったりする上に転調しまくるという無法状態になってるし。もーやりたい放題。2分半にもならない短い曲なのに、聴いてて疲れる^^; 歌う方はもっと疲れるだろうなと思います。

T-10. 「 TO WAIT FOR LOVE 」 は書き下ろしではなくカヴァー。オリジナルはJay and The Americansです。前述の2曲はバカラック&デイヴィッドがプロデュースし、バカラックがアレンジ&指揮をしているのに対し、この曲は他の人によるプロデュース/アレンジでガール・ポップに近いテイストの仕上がり。イントロの金管のノリからして違います。所有しているリイシューCDのライナーにも、以下のような記述がありました。私による意訳です。

 ─ 「 WINDOWS AND DOORS 」 は強いメロディー、アレンジ、ボーカルを誇っています。「 SO LONG JOHNNY 」 は軽快なホーン・アレンジに支配されるほろ苦い曲です。しかし、このアルバムのバカラック&デイヴィッド・チーム作品で最高の曲は 「 TO WAIT FOR LOVE 」 で、くつろいだ雰囲気のバラードです。 ─ (Paul Grein, September 2005)

まぁ、一般的な感覚ではそうでしょうねー。本アルバムからのシングル第二弾は、A面 「 WINDOWS AND DOORS 」/B面 「 SO LONG JOHNNY 」 の組み合わせでリリースされました。およそシングル向きじゃない曲なのに(>_<)。Imperialが、バカラック&デイヴィッドとシングルを出すような契約を結んでいたとしか思えません。

自作の4曲はどれもノリの良いガール・ポップだし、ジャケット写真からもそんな雰囲気を感じます。カヴァー曲など含め、本アルバム中10曲のプロデュースを担当したCalvin Carterはその路線を狙ってんじゃないかなぁ。それに対して、自身がプロデュース&アレンジしたバカラック書下ろしの2曲はまったく違う “ ヘンテコリン ” 路線。アルバムの中でクッキリ浮いてるこの2曲を愛おしく感じる方は、まさしくバカラック・ファンの鑑かも(^^)。

R29074681306694424jpegR15735651229872634jpegさて、所有CDは2005年にリイシューされたもので、ボーナス・トラックが8曲も加えられています。そのうち3曲がバカラック作品で、オマケとして簡単にご紹介します。
前述したT-13. 「 世界は愛を求めてる 」 と、それに続けてシングル・リリースされたバカラック・カヴァーT-14. 「 A LIFETIME OF LONELINESS 」 は、1965年リリースのアルバム 『 This Is Jackie DeShannon 』 (左) に収められています。通算3作目のオリジナル・アルバムです。
また、T-15. 「 COME AND GET ME 」 は、 「 A LIFETIME OF LONELINESS 」 の次のシングルで、1966年4月にリリースされました(右)。書き下ろし曲で、アルバムには未収録です。バラード曲ですが、メロディ・ラインが難しくてしかも低音から高音まで音域が広いので、歌手泣かせの曲だと思います。

ジャッキーのためにバカラックが書き下ろした曲は、どれもことごとく難しいものばかり。それを歌いこなすジャッキーは、本当にスゴイと思います。

619t0g0257l余計な情報をひとつ…

私は所有していないのですが、1968年リリースのアルバム 『 What The World Needs Now Is Love 』 (左)にも、今回紹介したバカラック作品のうち 「 COME AND GET ME 」 を除く5曲が収められています。

編集盤っぽいですが、こちらは日本盤のリイシューCD(邦題:世界は愛を求めている)が出ています。6曲揃っていたらこちらをゲットしたかったんですけどねー、日本語ライナーが付いてるでしょうから^^;


【データ】
『 Are You Ready For This? 』
Jackie DeShannon

LP:1966年リリース (所有CDは、2005年リリースのリイシュー盤)
レーベル:Imperial (所有CDは、RPM (UK))
番号:LP-12328 (所有CDは、RPM 303)

Produced by Calvin Carter (T-1~6,8,10~12.)、Burt Bacharach & Hal David (T-7,9.)
Arranged by Arthur Wright (T-1~3,5,8,10~11.)、Mike Rubini (T-4,6,12.)
Arranged and conducted by Burt Bacharach (T-7,9.)

- Bonus track (T-13~15.) -
Produced by Burt Bacharach & Hal David
Arranged and conducted by Burt Bacharach

詳細クレジットは以下を参照ください。
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バカラックの曲がちょっと入ったアルバム」カテゴリの記事

コメント

こんにちわっ

 あるでおさん、だんだん真骨頂を発揮なさってこられましたね。

あるでおさんの「バカラックさん自伝本の要約を演出」なさっている箇所は 思わず私はこの本の中で見落としてしまったかと思うくらい リアルで面白かったです。(こういうセンスが私に少しでもあれば いいんですけど)・・・・。いずれパクッて我が記事に取り入れようと考えているまったりです。

 あっ、それから私のブログの宣伝をありがとうございました。

まったりさん、おはようございます。
コメントありがとうございます~

いかんせん、まったりさんほど経験・知識・文章力・バカラック愛のないあるでおは、内容のショボさをああいった演出(ネタ)で補うしかないんです(>_<)。でも、いつもなかなかアイディアが出なくて…。

「 世界は愛を求めてる 」 が世に出て50年。私的には 「 ブログはネタを求めてる 」 でしょうか。
あぁぁぁ、なんて下賤な…。

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