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2015年12月

2015年12月29日 (火)

ライブの感想 Yammy sings Burt Bacharach  December 20, 2015

年末恒例のライブ! 『 Yammy sings Burt Bacharach 』

12月の日曜日、『 Yammy sings Burt Bacharach 』(以下YsBBと略します) を聴きに大阪は梅田にあるロイヤルホースへやって参りました。ここに来るのは2年ぶり。…とその前に、関西に在住している同郷(S県H市)の友人2人と新世界で串揚げに舌鼓を打ち、通天閣の展望台から阿倍野ハルカスを眺めたりしてたら時間ギリギリに(+o+)。慌てて御堂筋線に乗り19時を少し回ったぐらいになんとか到着!

(画像はすべてクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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2015年12月20日(日) 17:00開場 19:00開演
Restaurant Bar & New York Sound Live  ROYAL HORSE
Yammy (Vo)、Sasapong (P)、堂地誠人 (Soprano Sax)

Yammyさんは、京都在住で関西を中心に活躍しておられる “ オーガニックシンガー ”。2010年からバカラック・オンリーのワンマンライブ 『 YsBB 』 を始めたとのこと。当初はどうなるかと思ったそうですが、定着してきた証でしょう、今回ロイヤルホースは満員!

昼間から付き合ってくれた友人のうち1人が、「 自分も聴きたい 」 と急遽参戦! 予約は自分だけだったので大丈夫かなーと思ったのですが、暫く待って席に案内されました。でも、Yammyさんの伴侶でプロデューサーの廣瀬紳一さんが 「 そこは柱が邪魔で見づらいでしょうから… 」 と別の空いている席を勧めてくださいました。お言葉に甘えて席を移りましたが、移った先は6人ぶんまるまる空いていて出演者若しくは関係者の席らしい設え。あっ、そういうことだったんだと申し訳ないやらなんとやら。この場を借りて御礼申し上げますm(__)m。

Yammyさん、実はライブの前日Facebookに凹んでると投稿しとられまして。ちょっと心配していたんですが、カオリンさん(Yammyさんのマネージャーでシンガー)にそのことを尋ねると 「 大丈夫ですよ(^^) 」 とのお返事。ホッとしました~。…そうこうしているうちに19:20となり、ライブがスタート。ピアノとサックスがプレリュード的に演奏するなか、Yammyさんが白いドレス姿で登場! セットリストは以下の通りです。

<1st stage> 19:20~20:15
1. The look of love 恋のおもかげ
2. One less bell to answer 悲しみは鐘の音とともに
3. Raindrops keep falling on my head 雨にぬれても
4. A house is not a home ア・ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム
5. Walk on by ウォーク・オン・バイ
6. Arthur's theme (Best that you can do) ニューヨーク・シティ・セレナーデ
7. Don't make me over ドント・メイク・ミー・オーバー
8. This house is empty now ディス・ハウス・イズ・エンプティ・ナウ

<2nd stage> 20:50~21:37
1. I say a little prayer 小さな願い
2. I'll never fall in love again 恋よさようなら
3. Alfie アルフィー
4. I still have that other girl アイ・スティル・ハヴ・ザット・アザー・ガール
5. What the world needs now is love 世界は愛を求めている(愛をもとめて)
6. Count on me カウント・オン・ミー
7. (They long to be) close to you 遥かなる影
8. Wives and lovers 素晴らしき恋人たち

<Encore> 21:45~21:55
1. ひこうき雲 …ユーミンのカヴァー
2. 君のもとへ …Yammyさんのオリジナル曲


リリカルなピアノとふんわりしたソプラノ・サックスをバックに 「 恋のおもかげ 」 を歌ったあと、メンバーを紹介。 ─ この人のピアノで歌いたい、Sanapong (ササポン)。広島から来てくれました! / いつも寄り添うように吹いてくれるんです。ソプラノ・サックス、堂地誠人(どうち まこと)! ─ Yammyさんがこの2人をとっても信頼していることが伝わってきます。「 悲しみは鐘の音とともに 」 はフィフス・ディメンション等と同じく軽いシャッフルのリズムでシンプルに。続く 「 雨にぬれても 」 は楽しそうに歌い、お客さんも手拍子。間奏のアドリブでは、熱くスウィングするピアノが良かった~。

─ この5年間、年末にYsBBをやるのが習わしになりましたが、今年は今日のYsBBが歌い納めなんです! ─ とのMCに会場から拍手。そして、 ─ 新しい1曲です。家に思いを込めて歌います。 ─ と、歌い始めたのは 「 ア・ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 。伴奏はピアノのみ。最初はしっとりと、後半は盛り上がって心に響きました。ジャズ系のミュージシャンに取り上げられることが多い曲ですが、見事なジャズ・ヴォーカルでした。

─ なんとなくいつも一緒になってしまうので、今回は面白い方法でセットリストを決めました。曲名書いた紙を裏返しにして並べて、それを反転して決めたんです。 ─ なんかとっても楽しそう。できれば参加してみたい! どうせなら、同じ曲名を2枚ずつ用意して神経衰弱っぽくやったらどうでしょう?(笑)

ピアノとサックスによるインター・プレイが約2分間…。いったい何の曲だろう?と思ったぐらい素敵なイントロのあとにYammyさんが歌い始めたのは 「 ウォーク・オン・バイ 」 。2コーラス目でテンポアップしますが、少しずつスローダウンしてエンディング。これもまた素晴らしい! 「 ニューヨーク・シティ・セレナーデ 」 も1コーラス目はスローで2コーラス目はテンポアップ。Yammyさん弾けてましたね~。有名曲ということもあってか拍手も一段と大きい!
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「 ニューヨーク・シティ・セレナーデ 」

広島にいるSasapongさんとはインターネットを使ってリハーサルしたそう。そういうソフトがあるんですって。テンポがゆっくりだとタイムラグが出るんだと仰ってましたが、そんなことが出来る時代なんですね~。「 ドント・メイク・ミー・オーバー 」 はオリジナルに近い雰囲気。

─ 詩を書いてみました。この曲はこんな感じなのかなー。「 この家は空っぽ。この家は空っぽになってしまった。あなたはここには居ない… (略) あなたの笑い声に包まれ… (略) 」 ─ そんなMCのあとにYammyさんが歌ったのは 「 ディス・ハウス・イズ・エンプティ・ナウ 」 。オリジナルのエルヴィス・コステロの歌はサビの部分ちょっと大げさすぎる感があるのですが、Yammyさんは抑制を効かせつつも内に秘めた思いが滲み出るような歌唱で、その表現力に唸りました。

               ──── *** ────

<1st stage> の後、Yammyさんが我々の隣の席の男性を紹介してくださいました。バンドでギター(ベース?)を弾いてらっしゃるとか。酔いも手伝って、知り合ったばかりなのに会話が弾みます。失礼な発言をしなかったか、ちょっと不安(^^;)

               ──── *** ────

<2nd stage> は 「 小さな願い 」 からスタート。続く 「 恋よさようなら 」 はこの曲には珍しいスウィングのアレンジで、ちょっと意表を突かれます。「 アルフィー 」 の伴奏はピアノのみ。以前YsBBで聴いたよりも、ジャジーさが増したように感じます。「 アイ・スティル・ハヴ・ザット・アザー・ガール 」 は、今回2曲目となるコステロとの共作曲。カヴァーが極めて少ないレア曲ですが、隠れた名曲です。

─ 登場した瞬間に泣いたのは、2人だけ。バカラックとダライ・ラマです。 ─ というMCの後に歌い始めたのは、「 世界は愛を求めてる 」 。シンプルだけど、この曲のメッセージは普遍的なものですね。以前YsBBで聴いた時は 「 世界の窓と窓 」 とのメドレー(ルーサー・ヴァンドロスがライブで歌ったメドレーを下敷きにしたもの)でした。しかし、今回はメドレーではなく単品で、しかもゆったりとした独自のアレンジでした。

「 カウント・オン・ミー 」 に続いて 「 遥かなる影 」 。カーペンターズもどきのカヴァーが多いこの曲ですが、最後はアップ・テンポになって工夫がみられました。そしてラストは 「 素晴らしき恋人たち 」 。てっきり派手に締めくくるのかと思ったのですが予想は外れ、ジャズ・ワルツのこの曲をチョイス。しかも、盛り上げてバァーンという終わり方ではなく静かに緊張感を持ったエンディング。いやぁ~、これは素敵すぎます!

アンコールは、定番の 「 ひこうき雲 」 とYammyさんオリジナル曲 「 君のもとへ 」 。「 君のもとへ 」 は、ホントいい曲ですねー。ライブ、お疲れさまでした~。
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左:「 世界は愛を求めてる 」 、右:「 君のもとへ 」

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一緒に聴いた友人は、「 素晴らしい! 良かった! 」 を連発。アンコールのあと、友人は勢いで Yammyさんに 「 写真撮ってください! 」 とお願い。Yammyさんは気安く応じてくださり、YsBBの皆さん3名 & 近くの女性4人組 & 我々2人で記念撮影した次第。一緒に写ったこの貴重な写真、大事にしようっと。(近くの女性4人組とは面識ありませんので、一応覆面で…)
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今回のYsBB、有名ではないけれどYammyさん自身が歌いたい曲(或いはメンバーがやりたい曲)をこれまでより少し多めにチョイスしたように感じました。バカラック縛りとわかってお客さんはいらっしゃる訳だし、ことYsBBに限ってはその方向性でいいんじゃないかと思います。また、誰かのバージョンを雛型にするのではなく、オリジナリティのあるアレンジがより多くかったようにも思いました。

成長し続けるYsBB、来年が楽しみです!

               ~~~~ *** ~~~~

【 プチ楽曲解説 】

<1st stage>
1. The look of love 恋のおもかげ
   作詞:ハル・デイヴィッド
   オリジナルはダスティ・スプリングフィールド(1967年、映画 『 カジノロワイヤル 』 挿入歌)
   1968年にセルジオ・メンデス&ブラジル'66のカヴァーが全米4位
   映画 『 オースティン・パワーズ 』 はこの曲へのオマージュである

2. One less bell to answer 悲しみは鐘の音とともに
   作詞:ハル・デイヴィッド
   オリジナルは Keely Smith(1967年)
   1970年にフィフス・ディメンションがカヴァーして全米2位

3. Raindrops keep falling on my head 雨にぬれても
   作詞:ハル・デイヴィッド
   オリジナルはB・J・トーマス(1969年、映画 『 明日に向って撃て 』 主題歌、全米1位)

4. A house is not a home ア・ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム
   作詞:ハル・デイヴィッド
   オリジナルはブルック・ベントン(1964年、同名映画の主題歌)
   1981年にルーサー・ヴァンドロスがアルバム 『 Never too much 』 でカヴァー、代表曲のひとつに

5. Walk on by ウォーク・オン・バイ
   作詞:ハル・デイヴィッド
   オリジナルはディオンヌ・ワーウィック(1964年、全米6位)

6. Arthur's theme (Best that you can do) ニューヨーク・シティ・セレナーデ
   作詞:キャロル・ベイヤ・セイガー、他にピーター・アレン、クリストファー・クロスも
   オリジナルはクリストファー・クロス(1981年、映画 『 ミスター・アーサー 』 主題歌、全米1位)

7. Don't make me over ドント・メイク・ミー・オーバー
   作詞:ハル・デイヴィッド
   オリジナルはディオンヌ・ワーウィック(1962年、全米21位)、彼女のデビュー曲

8. This house is empty now ディス・ハウス・イズ・エンプティ・ナウ
   作詞:エルヴィス・コステロ
   1998年のエルヴィス・コステロとの共作アルバム 『 Painted From Memory 』 に収録
   2001年にメゾ・ソプラノ歌手アンネ=ゾフィー・フォン・オッターがコステロとコラボしてカヴァー

<2nd stage>
1. I say a little prayer 小さな願い
   作詞:ハル・デイヴィッド
   オリジナルはディオンヌ・ワーウィック(1967年、全米4位)
   1968年にアレサ・フランクリンのカヴァーが全米10位

2. I'll never fall in love again 恋よさようなら
   作詞:ハル・デイヴィッド
   1968年のブロードウェイ・ミュージカル 『 プロミセス、プロミセス 』 の中の楽曲
   1970年にディオンヌ・ワーウィックのカヴァーが全米6位

3. Alfie アルフィー
   作詞:ハル・デイヴィッド
   オリジナルはシラ・ブラック(1966年、同名映画の主題歌、全英9位)
   なお、米国公開版は同曲をシェールが歌って全米32位

4. I still have that other girl アイ・スティル・ハヴ・ザット・アザー・ガール
   作詞:エルヴィス・コステロ
   1998年のエルヴィス・コステロとの共作アルバム 『 Painted From Memory 』 に収録
   カヴァーは1999年のビル・フリーゼル、2005年のMaurice Clarkeくらいしか知らない

5. What the world needs now is love 世界は愛を求めている(愛をもとめて)
   作詞:ハル・デイヴィッド
   オリジナルはジャッキー・デシャノン(1965年、全米7位)
   最近のバカラックのコンサートでは必ず最初に演奏される

6. Count on me カウント・オン・ミー
   作詞:トニオ・K
   オリジナルはロナルド・アイズレー(2003年)
   アルバム 『 HERE I AM  Isley Meets Bacharach 』 に書き下ろした2曲のうちの1曲

7. (They long to be) close to you 遥かなる影
   作詞:ハル・デイヴィッド
   オリジナルはリチャード・チェンバレン(1963年)
   1970年にカーペンターズが2枚目のシングルとしてカヴァーして全米1位

8. Wives and lovers 素晴らしき恋人たち
   作詞:ハル・デイヴィッド
   オリジナルはジャック・ジョーンズ(1963年、同名映画の主題歌、全米14位)

※ この記事は“バカラック関連ネタ”カテゴリーに分類致します

2015年12月20日 (日)

B Sides & Rarities/Rumer (2015年)

英女性シンガーソングライター、ルーマーが2015年にリリースした自身のコンピレーション・アルバムです。バカラック作品を3曲収録!

(画像はすべてクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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全17トラック中、バカラック作品は3トラック

1. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO) (3:57)
4. HASBROOK HEIGHTS ~ with Dionne Warwick ~  (3:24)
10. ALFIE (2:53)


英女性シンガーソングライター、ルーマーが2015年にリリースした自身のコンピレーション・アルバムです。

ルーマーについては、2010年のデビュー・アルバム 『 SEASONS OF MY SOUL 』 の記事で簡単に紹介していますのでそちらを参照ください。本作は、これまでリリースしたオリジナル・アルバム3枚のボーナス・トラックやアウトテイク、シングルのC/W、シングル曲の別バージョン、企画ものアルバムへの提供曲、ライブ音源などを集めたアルバムです。

R25971191292368619jpegデビュー・アルバムの記事でも触れましたが、ルーマーの評判を聞きつけたバカラック爺が 『 Sings Bacharach At Christmas 』 という企画で彼女にチャンスを与え、「 SOME LOVERS 」 という歌を提供。2010年12月13日に欧州でシングルをリリースしました。(左)
この 「 SOME LOVERS 」  のC/Wが 「 アルフィー 」 だったんですねー。その後、「 アルフィー 」 は、デビュー・アルバムのUS盤/日本盤向けのボーナス・トラックとして収録。拙ブログでも紹介させていただきました。
そして、本作にも収録(T-10.)されたという訳でございます。

51blhiehhlルーマー3枚目のオリジナル・アルバム 『 INTO COLOUR 』 (左)。2014年11月リリース。日本盤のみ、バカラック・カヴァーの 「 ハスブルック・ハイツ 」 とクリストファー・クロスのカヴァー 「 セイリング 」 の2曲をボーナス・トラックとして収録しています。
「 ハスブルック・ハイツ 」 は、バカラックが1971年にリリースしたアルバム 『 Burt Bacharach 』 での自身が歌うヴァージョンがオリジナル。翌1972年に、ディオンヌとIreen Sheerという方がカヴァー。他のカヴァーは私知りません。なので、極めてレアなカヴァーだと思います。そして本作のカヴァーではディオンヌとのコラボが実現! ルーマー版のアレンジはバカラック版のほぼコピー。メインで歌うのはルーマーですが、所々でディオンヌとユニゾンしたり、掛け合い風に歌ったり、ハモったりします。ふたりの歌はとてもバランスが取れていて、気持ちいいです。
そして、本作に 「 セイリング 」(T-3.) とともに収録(T-4.)されています。

71sgex5lapl_sl1500_ルーマーは、2014年11月にリリースされた企画物のアルバム 『 BBC Radio 2 Sounds of the 80s 』(左) 用に 「 ニューヨーク・シティ・セレナーデ」 を提供しました。このアルバムは、旬のアーティストたちが1980年代のお気に入り楽曲をピック・アップして新たにレコーディングしたものなんだそうです。全曲新録ですからねー、興味をそそられます。
ルーマーの 「 ニューヨーク・シティ・セレナーデ 」 は、オリジナルをベースにしつつもストリングスや木管楽器を生かしたアコースティックなアレンジ。ルーマーのソフトで薄いヴェールがかかった独特の歌声によくマッチしていると思います。聴いていてとっても気持ちよくなります。
本作では、トップバッター(T-1.)となりました。

本作、収録曲を眺めてみると自作曲は皆無。ビーチ・ボーイズ(T-9.)、ポール・サイモン(T-11.)、ビートルズ(T-13.)、スティーブン・ビショップ(T-8.)などのカヴァーが多いです。聴いていて心地よくって…。お休みの日のBGMによろしいかと。


【データ】
『 B Sides & Rarities 』
Rumer

CD:2015年9月4日リリース
レーベル:Rhino/Atlantic Records UK/Warner
番号:0825646047697

EXECUTIVE PRODUCTION: Rumer
T-1. 「 ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO) 」
  (BBC Radio 2 Sounds of the 80s) Rhino/Warner 2014
  Produced by Rob Shirakbari

T-4. 「 HASBROOK HEIGHTS 」
  (Japanese version of Into Colour) Atlantic UK/Warner 2014
  Produced by Rob Shirakbari

T-10. 「 ALFIE 」
  (Japanese and US versions of Seasons of My Soul) Warner 2010
  Produced by Steve Brown

2015年12月16日 (水)

This Girl's In Love With You/Anita Harris (2011年)

英国の女性シンガー/女優、アニタ・ハリスによるバカラック集です。MP3ダウンロードのみのリリースです。

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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全23トラック中、バカラック作品は18トラック

1. WALK ON BY
2. ANYONE WHO HAD A HEART
3. LONG AFTER TONIGHT IS ALL OVER
4. ALFIE
5. 24 HOURS FROM TULSA
6. LOVING YOU
7. MAKE IT EASY ON YOURSELF
8. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
9. ME, JAPANESE BOY I LOVE YOU
10. RIVER DEEP MOUNTAIN HIGH
11. THIS G'S IN LOVE WITH YOU
12. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
13. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF
14. WHOEVER YOU ARE, I LOVE YOU
15. YOU'VE LOST THAT LOVIN' FEELIN'
16. I SAY A LITTLE PRAYER
17. A HOUSE IS NOT A HOME
18. WISHIN' AND HOPIN'
19. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
20. WIVES AND LOVERS
21. JUST LOVING YOU
22. THE LOOK OF LOVE
23. ANNIVERSARY WALTZ

収録時間約77分


英国の女性シンガー/女優、アニタ・ハリスによるバカラック集です。

アニタ・ハリスは1942年英国イングランド生まれ。Wikiによれば、タレントとしてTVに出演しつつ、レコードも出して1960年代後半には何曲かのヒットを放っています。後年にはミュージカルにも多数出演したそうです。

116448016バカラック作品も歌っていて、1965年にバカラックがリリースした 「 TRAINS AND BOATS AND PLANES 」 を、同年5月にカヴァーしてシングルをリリースしています。この曲、本作には入っていませんが、いくつかのバカラックものコンピCDで聴くことができます。(左の画像はシングルではなく4曲入りEP)

同じく1965年の秋には、なんとバカラックが書き下ろした 「 LONDON LIFE 」 をシングル・リリース! 残念ながらこちらも本作には入っていません。ですが、さすがは先輩同志のまったりさん。2012年にブログ 『 バカラックマジックでまったりと 』 でこの曲を取り上げ、エピソードも交えて動画を紹介しとられます。バカラック節満載の曲ですょ。また、この曲は1965年に創刊された雑誌 “ London Life ” の宣伝ソングだったそうなんです。  センス抜群の素敵なブログ 『 昼下りのジョージィ2 』 でユキエさんがそのエピソードを書いておられます。それぞれ、以下リンクをクリックしてご覧になって下さいませ。
※ ユキエさんからの追加情報によりますと、最初はルルが歌う事になっていたようですが、予定が合わずアニタになったそうです。<2015/12/17 追記>
※※ 「 LONDON LIFE 」の記事をUPしました〜(こちら) <2020/6/21追記>

『 バカラックマジックでまったりと 』
『 昼下りのジョージィ2 』

さて本作、全23曲中なんと18曲がバカラック・カヴァー。残り5曲のうち、T-21. 「 JUST LOVING YOU 」 とT-23. 「 ANNIVERSARY WALTZ 」 は1967年のヒット曲で、他の3曲(T-6,10,15.)も1967年及び1969年のシングル或いはアルバム曲です。

R27799851305812069jpeg謎なのが、バカラック・カヴァー群。T-19. 「 恋よさようなら 」 は1969年にシングル・リリース(左)されているのですが、その頃にバカラック集としてこれらの楽曲がアルバムリリースされた記録が見つからなくって。曲目から判断すると録音したのは1968年~1969年あたりだと思うのですが。何か事情があったんでしょう…。2003年にリリースされたアニタのコンピCD 『 The Essential... 』 に3曲(T-11,14,21.)が収められていましたが、2011年にやっと(MP3ダウンロードのみですが)本作がリリースされて日の目を見た! …ということだと思います。どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら情報をお寄せくださいませm(__)m

前置きが長くなりましたね。本作、とても独創的なアレンジで内容の濃いバカラック集でございました!

アニタの声は芯が太くブライトで、細かなビブラートを利かせて歌う感じはミュージカル・シンガーの雰囲気。好き嫌いは分かれるかもしれませんが、堂々とした素晴らしい歌唱です。バックは、フルオーケストラにドラムス、ピアノ、アコースティックギター、E.ベースなどが加わった大がかりなもので、ダイナミック・レンジの広い演奏です。

そして、本作の最大の特徴はそのアレンジにあります。原曲(オリジナルやヒット・バージョン)のコピー的なアレンジは一曲もありません。例えば、イントロからその曲を判断できるのは、T-19. 「 恋よさようなら 」 くらいです。柔軟で自由な楽器の使い方と表情の多彩さ、対旋律やおかずのバリエーションの多さ、独特なバカラック作品のコード進行を更にいじったりする高度なテクニック…。編曲者は相当な技量の持ち主だと思います。ちなみに、先ほどのシングル 「 恋よさようなら 」 のレーベル面を見ると、ANITA HARRIS and the NEW WORLD SYMPHONY ORCHESTRA 名義となっていて、編曲と指揮は David Whitaker / デイビット・ウィッタカー という方。'60年代~'70年代に活躍した英国の作曲家・作詞家・アレンジャーだそうです。たぶん、バカラック・カヴァー群は全て同じ制作陣なんでしょうね。確認する術がないのがクヤシイぃ。

本作の中で、特に印象に残ったアレンジをピックアップしてみます。

T-1. 「 ウォーク・オン・バイ 」 は、いきなり現代音楽っぽい響きのイントロから始まり、曲の中で表情が目まぐるしく変わります。T-2. 「 恋するハート 」 では間奏の40秒間、弦楽器がメロディと全く関係のない現代音楽っぽい演奏をして面食らいます。T-4. 「 アルフィー 」 のイントロは(アルフィーとは全く関係のない)映画音楽のスコアのようです。T-5. 「 タルサからの24時間 」 なんて、よくぞこんなわけわからん怪しい雰囲気の伴奏で歌えるなぁとアニタに同情するくらい。私の文章力では到底表現できません^^; そうかと思えば、T-9. 「 ミー・ジャパニーズ・ボーイ 」 では、琴をハープで、尺八をフルートの低音で、笙をハーモニカで代用して日本的な音世界を構築しています。これには感心しました。T-12. 「 愛の想い出(恋のウェイトリフティング) 」 のイントロでは何故かシタールっぽい音が登場。なんじゃこりゃ。T-13. 「 恋のとまどい 」 になると、室内楽風のイントロにまたもや戸惑います。T-14. 「 あなたはあなた 」 のストリングスのみの流れるような伴奏は感動もの。T-16. 「 小さな願い 」 でのトランペット?とスキャットやホルンが独特なフレーズで掛け合うイントロも印象に残りますねー。

バカラック集オンリーのレコード大賞があるなら、コニー・フランシスや岩井直溥さんとならんで編曲賞部門ノミネート間違いなしでしょう。詳しいクレジットとライナー付きでCD化して欲しいと、心から願います!


【データ】
『 This Girl's In Love With You 』
Anita Harris

MP3:2011年5月31日リリース
レーベル:Vanilla One Media Publishing
番号:?

詳しいクレジットは不明です…
日本のアマゾンではMP3ダウンロードの取り扱いはありません。(英国Amazonでは取り扱ってるのに)
iTunesで試聴&MP3ダウンロードできます。

2015年12月13日 (日)

SING SOMETHIN' FOR EVERYONE/THE GALS & PALS (1966年)

スウェーデンのコーラス・グループ、ギャルズ&パルズが1966年にリリースしたバカラック集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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1. MY LITTLE RED BOOK
2. CROSS TOWN BUS
3. CLOSE
4. TRAINS AND BOATS AND PLANES
5. WALK ON BY
6. WISHIN' AND HOPIN'
7. WIVES AND LOVERS
8. BLUE ON BLUE
9. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
10. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
11. ANYONE WHO HAD A HEART
12. MESSAGE TO MICHAEL
13. HERE I AM
14. WHAT'S NEW PUSSYCAT?

収録時間約39分


Img114cc今週はノーベルウィーク。昨年(3人)に続いて今年も日本人として大村さんと梶田さんのおふたりが受賞されるとあって、スウェーデンの首都ストックホルムからの中継映像が連日テレビで流れていました。

そのノーベル賞授賞式(12/10)前日、スウェーデンのコーラス・グループ、ギャルズ&パルズのバカラック集が < 世界初CD化 > という謳い文句付きでリリースされました。

ワーナーミュージック・ジャパンからのリリースで、ライナーの執筆者は皆川勝さんという方。ギャルズ&パルズとバカラック両者のファンとかで、非常に充実した内容のライナーノーツを書いておられます。ギャルズ&パルズに関しては全く無知なあるでおにとって、なんとも頼りになります。

ということで、今回はライナーノーツを最大限引用して記事を構成させていただきます。(別名、手抜きともいう^^;)

─ ギャルズ&パルズの結成は62年。ダブル・シックス・オブ・パリやスウィングル・シンガーズに影響を受けたと思われる男女3人ずつの編成。50年代よりジャズ・ピアニストとして活躍してきたラッセ・バッゲをリーダーとする彼らは3枚のアルバム 『 Sing Gals And Pals' Favorites 』 『 På Nya Äfventyr 』 そして本作 『 Sing Somethin' For Everyone 』 を残し67年に一旦解散。 ─

オリジナル・メンバーには、のちにスウェーデンを代表するジャズ・シンガーとなるスヴァンテ・トゥーレソンもいました。解散後、ラッセはEBBA(ABBAじゃないですよ)というコーラス・グループを結成。さらに82年にはギャルズ&パルズを再結成したりしたそうです。

んで本作に話題は移るのですが、ライナーノーツを読んでビックリいたしました。

─ 何せこの作品、バカラック・ファンが無視できないいわく付きなのだ。星の数ほどあるバカラック作品集の中で、これこそが世界初の 『 バカラックを歌う 』 企画アルバムなのである。66年作。前年、ザ・フォーシーズンズが片面バカラック、片面ボブ・ディランという惜しい企画モノを発表しているが、全編通してというのは本作が最初だ、とバカラック研究本 「 Song By Song 」 にも記載がある。同書によると63年マレーネ・ディートリッヒのピアニストとして随行したストックホルムでラジオから流れるギャルズ&パルズの楽曲を偶然耳にして驚嘆、自分の過去の楽曲で彼らにフィットしそうな曲を見繕って貸し出したらどうか、というアイディアが浮かんだのだそうだ。つまり本人の希望でもあったのだ。それが実現したのがこのアルバムである。そんなバカラック・ファン必携のアイテムが一部の曲を除き入手不可とは言語道断。であるからして今回、新・名盤探検隊による世界初CD化は暴挙であり偉業である。 ─

※ ただし、下線部は少々誇張があるようです。
foolishprideさんご指摘のとおり、『 SONG BY SONG 』 には 「ラジオから」 「偶然」 「驚嘆」 「本人の希望」 等の表現はありません。一方、後述するLPジャケ裏のバカラック本人ライナーによると、「ヒット曲だけじゃなく、自分が書いたことも忘れてるような曲が数曲ある」 「3年ほど前、ストックホルムでラジオ聴いて印象に残ったのが最初」 「USに戻って彼らのLPを聴いて…」 だそうですから、LPライナーと 『 SONG BY SONG 』 から皆川さんが想像を膨らませた表現と思われます。
『 SONG BY SONG 』 に書かれている内容は、「(前段で本アルバムの紹介をした後に) バカラックは63年マレーネ・ディートリッヒのツアーでストックホルムにいる時に彼らを初めて聴きました。そして、出版社が彼らに良さげな曲を提供したんだと思い至ります。」 くらいの意味合いでしょうか。そして、「A面に自身が作曲したことも忘れていた2曲が収録されていて…」 という話題に繋がっていってます。
foolishprideさん、貴重なコメントありがとうございました!

バカラック肝入りの、しかもフルヴァージョンとしては世界初のバカラック集だったとは! なお、引用文中にある ‟ 一部の曲 ” とは、2000年にリリースされたギャルズ&パルズのコンピCD 『 Guldkorn 』 に収められた4曲(本作でのT-5,7,8,9.)のことを指していると思われます。

そして、本作は更に贅沢なオマケまで付いてます。

─ 本作は、件のいきさつからか彼自身(あるでお注:バカラック自身)がライナーを書くという大サービス。彼らを知ったきっかけやメンバー構成などを綴っているが、音楽性に関しては 「 delightful to the ear 」 「 highly flattering handling of my music 」 とベタ褒めだ。 ─

音楽性のところは、「 耳に心地よい 」 「 私の音楽をとても引き立たせてくれた 」 てな意味でしょうか。ジャケット裏面の英文がそのライナーです。クリックすると大きくなりますので、是非ご覧になってください。

本作の収録曲は全14曲。ただし、それはスウェーデン盤の場合で、同年リリースされたUS盤はT-7,14.がオミットされた全12曲。本CDのジャケットには12曲しか記載されてないので、US盤のジャケットを復刻したみたいですねー。

…と曲目リストを目を凝らして眺めていると、見慣れない曲名がふたつ(゜o゜)。T-2. 「 クロス・タウン・バス 」 は本作がオリジナル。作詞は勿論ハル・デイヴィッド。 ─ 60年に出版登録されたものの、歌い手が決まらず言わばデッド・ストック状態だった楽曲 ─ なんだって。初めて聴きましたが、‟ ズンチャチャ ” リズムでコミカルな印象の曲。クロス・タウン・バスは路線バスの意味で、‟ 路線バスに乗っていると何が起こっても不思議じゃないよ ” という内容の歌詞でございます。

それと、T-3. 「 クロース 」 。こちらはカヴァーで、60年にキリー・スミスが歌ったのがオリジナル。ギャルズ&パルズのカヴァーはコーラスが美しく、オリジナルよりも良い出来だと思います。ちなみにオリジナルの方は2012年にまったりさんが取り上げてらっしゃって、その中でギャルズ&パルズのカヴァーがある…と言及されておられます。さすが! → こちら

その他はカヴァー定番曲が多く並んでいます。全曲のアレンジは、ラッセ・バッゲとA. アレキサンダーとかいうお方。オリジナルのイメージを大切にしつつ、手慣れた感じのコーラス・アレンジに加えて所々で特徴的なアレンジを施していて、なかなか侮れません。

T-7. 「 素晴らしき恋人たち 」 の最後、コーラスだけになってしっとり終わる美しいエンディング。T-8. 「 ブルー・オン・ブルー 」 のイントロや間奏で聴こえる、怪しげなピチカート・ストリングスによる分散和音。T-10. 「 愛の想い出(恋のウェイトリフティング) 」 では、いきなりサビからスタート。美しくて凝ったコーラス・ワークが聴けるのですが、のちにカヴァーするカーペンターズも参考にしたんじゃないかと思える箇所がチラホラあります。T-13. 「 ヒア・アイ・アム 」 での幻想的なコーラス・ワークもなかなかいいです。最後のT-14. 「 何かいいことないか子猫チャン 」 でのちょっとドッチラケで楽しいコーラスと演奏も聴きものです。

音質的にはいいとはいえませんが、十分に個性的なバカラック集だと思います。 ─ 状況から鑑みて最初で最後のフィジカル・リリースになるであろう。 ─ と皆川さんはライナーで脅しておられます。気になった方は早めにご購入を!

※ 2016/ 1/ 2 追記


【データ】
『 SING SOMETHIN' FOR EVERYONE 』 (邦題:バカラックを歌う)
THE GALS & PALS

LP:1966年6月リリース (所有CDは、2015年12月9日リリースの日本盤。世界初CD化)
レーベル:metrpnome (所有CDは、ワーナーミュージック・ジャパン)
番号:MLP 15246 (所有CDは、WPCR-16997)

Musical director: Lasse Bagge
Arrangements by Lasse Bagge & A. Alexander
Member:
  Lasse Bagge (ラッセ・バッゲ) - M
  Kerstin Bagge (シェシュティン・バッゲ) - F
  Beppo Grasman (ベッポ・グラスマン) - M
  Ulla Hallin (ウッラ・ハリーン) - F
  Pia Lang (ピーア・ローン) - F
  Svante Thuresson (スヴァンテ・トゥーレソン) - M
  Leppe Sundewall (リップ・スンドヴァル) - M ヴォーカル兼トランペット
歌ってる ‟ 男女3人ずつ ” は、リップを除いた6人のようです

 

 

2015年12月 6日 (日)

When You Walk In The Room/Jackie DeShannon (2011年)

米国の女性シンガー・ソングライター、ジャッキー・デシャノンが2011年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーでありセルフ・カヴァーの1曲を収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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全11トラック中、バカラック作品は1トラック

9. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE (4:11)


米国の女性シンガー・ソングライター、ジャッキー・デシャノンが2011年にリリースしたセルフ・カヴァー集です。

ジャッキーは、シンガーとしてよりもソングライターとして実績を残した方だそうで、セルフ・カヴァーとして取り上げた10曲(11曲収録されていますがT-11.は新曲なので…)のうち、他の歌手に提供して(又はジャッキーが先に歌いそれがカヴァーされて)ヒットしたものが8曲。残り2曲が、自身の歌でヒットしたものなんだそう。

本作を聴いてみますと、バックはアコースティック・ギターとベースを軸とした(曲によってドラムスやシンセストリングス、エレキ・ギターが加わります)シンプルでフォーキーなもの。ジャッキーの歌がダイレクトに飛び込んできます。バカラック作品を歌っていた頃(1965年~1966年)の歌声はドリーミーな感じだったのが、本作の歌声は芯が太く深みが加わって心に響きます。

自身が歌ってヒットした2曲のうちの1曲が、バカラック作品のT-9. 「 世界は愛を求めてる 」 。原曲は3拍子ですが、それを4拍子にリアレンジ。バックはアコースティック・ギターとベースのみで、ギターのシンプルなリフ(1拍目、2拍目の裏、4拍目)がほぼ全編を貫いて骨太な印象。そしてなんと、キーは46年前のオリジナルと同じ! ジャッキーの歌声にオリジナルにあったピチピチ感や高揚感は無いですが、自分の歌としてしっかり表現しているように感じられました。オリジナルも好きですが、こちらもまた違った味わいで私は好きです。

他の曲については触れませんが、T-8. 「 BREAKAWAY 」 以外は初めて聴く曲でした。にもかかわらず、エヴァー・グリーンな雰囲気に包まれてゆったりと数回リピートして聴きました。休日の昼間のBGMにオススメです。

それにしても、ジャケ写見てもとても60歳台後半には見えません。容姿だけじゃなく、歌だって46年前と同じキーだし…。ジャッキーさんスゴイです!


【データ】
『 When You Walk In The Room 』
Jackie DeShannon

CD:2011年9月27日リリース
レーベル:RockBeat Records, CA, US
番号:ROC-CD-3007

Produced by Jackie DeShannon and Glen Matisoff
Exective Producer: Jim Pierson
Special Thanks: Steve Luxenberg - Acoustic Guitar

2015年12月 2日 (水)

Are You Ready For This?/Jackie DeShannon (1966年)

米国の女性シンガー・ソングライターのジャッキー・デシャノンが1966年にリリースしたアルバムです。バカラックの書き下ろし作品2曲+カヴァー1曲を収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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全12トラック中、バカラック作品は3トラック

7. WINDOWS AND DOORS (2:48)
9. SO LONG JOHNNY (2:26)
10. TO WAIT FOR LOVE (2:44)

所有CDのボーナストラック 8トラック(T-13~20.)中、バカラック作品は3トラック

13. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE (3:16)
14. A LIFETIME OF LONELINESS (2:36)
15. COME AND GET ME (2:41)


米国の女性シンガー・ソングライターのジャッキー・デシャノンが1966年にリリースしたアルバムです。

1944年ケンタッキー州に生まれの、アメリカを代表するシンガー・ソング・ライター。早熟なジャッキーは、1956年(12歳)には早くもシングルをリリース。1963年にアルバム・デビューを果たすとともに、他人に楽曲を提供するようになります。

バカラック・ファンにとってジャッキーといえば、1965年4月にシングル・リリースされ全米7位となった 「 WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE ( 世界は愛を求めてる )  」 ですね。ディオンヌがこの曲を気に入らずジャッキーが歌うことになった…というのはあまりに有名な話。バカラック爺はそのいきさつを自伝に書いています。そのまま引用するのはアレなんで、要約して~且つ演出を加えて~紹介します。

 ─ この曲をディオンヌに聴かせたらよぉ、「 お気に入りじゃない 」 だとぉ? しょうがねえから引っ込めたけどょ、いい曲じゃねぇのかって凹んだぜ。10か月後に今度はティミ・ユーロに歌わせたら、全然アクセントがなっちゃいねぇ。アクセントの箇所をテーブル叩いて教えたら、アイツ 「 馬鹿にしないでっ 」 とか吐き捨てて出ていきやがった。その頃ジャッキーと何曲かレコーディングしなきゃなんなくてよ、ハルがこの曲を引っ張り出してきて歌わせたらその歌いっぷりにオー・マイ・ガッ。ベル・サウンドでセッションをブッキングしてよぅ、バックグラウンド・ヴォーカルにシシー・ヒューストンを呼んできてレコーディングしたさぁ。そしたら全米7位じゃん。自分がNG出したくせにディオンヌが嫉妬してよぅ。ったく、まいったぜぃ。 ─

バカラック爺の心境を察して、想像を膨らませました。まぁ、こんな言葉遣いは絶対にしないんでしょうが^^;。 この曲に関しては、まったりさんが最近(2015年8月~10月)ブログで特集を組んで様々なカヴァー動画を紹介していらっしゃいます。是非ご覧になってみてください。 → こちら(最初の特集記事)

さて、本題に戻りまして。本作がジャッキーの通算5枚目となるオリジナル・アルバムでございます。ジャッキー自作の4曲(T-4,5,6,12.)や、シレルズの「 ウィル・ユー・ラブ・ミー・トゥモロウ 」(T-3.)、ダスティ・スプリングフィールドの 「 この胸のときめきを 」(T-8.)、ペトゥラ・クラークやクリス・モンテスの 「 コール・ミー 」(T-11.)  といったヒット曲のカヴァーが収録されています。でも、主役はバカラック作品の3曲でしょうかねー、バカラック・ファンにとっては。

T-7. 「 WINDOWS AND DOORS 」 はジャッキーへの書き下ろし曲。変わったメロディ展開の曲で、Aメロが5小節、Bメロが4小節、‟ Windows and Doors ~ ” で始まるサビは10小節(見方によっては11小節)。コード進行もヘンテコで、ころころ印象が変わります。こんな歌いにくい曲をジャッキーはよく歌いますねー。

T-9. 「 SO LONG JOHNNY 」 も書き下ろし曲。この曲がまた 「 WINDOWS AND DOORS 」 に輪をかけてヘンテコリンな曲です。サックス・トロンボーン・マンドリン?がユニゾンで奏でるトボけた旋律のイントロ、サビの部分以外で裏打ちし続けるハンドクラップはまだ序の口。メロディがとにかく独特な動きをします。特に ” so~long~joh~nny ” と歌う部分のメロディは “ ミ - レ - ド# - ド ” で、いかにも音程が取りにくそう。1コーラス目は “ A - B- A - B' - サビ ” という感じの構成になんですが、小節数は “ 7 - 7 - 7 - 6 - 12 ” 。なんじゃコリャ(@_@) サビなんか、メロディが上がったり下がったりする上に転調しまくるという無法状態になってるし。もーやりたい放題。2分半にもならない短い曲なのに、聴いてて疲れる^^; 歌う方はもっと疲れるだろうなと思います。

T-10. 「 TO WAIT FOR LOVE 」 は書き下ろしではなくカヴァー。オリジナルはJay and The Americansです。前述の2曲はバカラック&デイヴィッドがプロデュースし、バカラックがアレンジ&指揮をしているのに対し、この曲は他の人によるプロデュース/アレンジでガール・ポップに近いテイストの仕上がり。イントロの金管のノリからして違います。所有しているリイシューCDのライナーにも、以下のような記述がありました。私による意訳です。

 ─ 「 WINDOWS AND DOORS 」 は強いメロディー、アレンジ、ボーカルを誇っています。「 SO LONG JOHNNY 」 は軽快なホーン・アレンジに支配されるほろ苦い曲です。しかし、このアルバムのバカラック&デイヴィッド・チーム作品で最高の曲は 「 TO WAIT FOR LOVE 」 で、くつろいだ雰囲気のバラードです。 ─ (Paul Grein, September 2005)

まぁ、一般的な感覚ではそうでしょうねー。本アルバムからのシングル第二弾は、A面 「 WINDOWS AND DOORS 」/B面 「 SO LONG JOHNNY 」 の組み合わせでリリースされました。およそシングル向きじゃない曲なのに(>_<)。Imperialが、バカラック&デイヴィッドとシングルを出すような契約を結んでいたとしか思えません。

自作の4曲はどれもノリの良いガール・ポップだし、ジャケット写真からもそんな雰囲気を感じます。カヴァー曲など含め、本アルバム中10曲のプロデュースを担当したCalvin Carterはその路線を狙ってんじゃないかなぁ。それに対して、自身がプロデュース&アレンジしたバカラック書下ろしの2曲はまったく違う “ ヘンテコリン ” 路線。アルバムの中でクッキリ浮いてるこの2曲を愛おしく感じる方は、まさしくバカラック・ファンの鑑かも(^^)。

R29074681306694424jpegR15735651229872634jpegさて、所有CDは2005年にリイシューされたもので、ボーナス・トラックが8曲も加えられています。そのうち3曲がバカラック作品で、オマケとして簡単にご紹介します。
前述したT-13. 「 世界は愛を求めてる 」 と、それに続けてシングル・リリースされたバカラック・カヴァーT-14. 「 A LIFETIME OF LONELINESS 」 は、1965年リリースのアルバム 『 This Is Jackie DeShannon 』 (左) に収められています。通算3作目のオリジナル・アルバムです。
また、T-15. 「 COME AND GET ME 」 は、 「 A LIFETIME OF LONELINESS 」 の次のシングルで、1966年4月にリリースされました(右)。書き下ろし曲で、アルバムには未収録です。バラード曲ですが、メロディ・ラインが難しくてしかも低音から高音まで音域が広いので、歌手泣かせの曲だと思います。

ジャッキーのためにバカラックが書き下ろした曲は、どれもことごとく難しいものばかり。それを歌いこなすジャッキーは、本当にスゴイと思います。

619t0g0257l余計な情報をひとつ…

私は所有していないのですが、1968年リリースのアルバム 『 What The World Needs Now Is Love 』 (左)にも、今回紹介したバカラック作品のうち 「 COME AND GET ME 」 を除く5曲が収められています。

編集盤っぽいですが、こちらは日本盤のリイシューCD(邦題:世界は愛を求めている)が出ています。6曲揃っていたらこちらをゲットしたかったんですけどねー、日本語ライナーが付いてるでしょうから^^;


【データ】
『 Are You Ready For This? 』
Jackie DeShannon

LP:1966年リリース (所有CDは、2005年リリースのリイシュー盤)
レーベル:Imperial (所有CDは、RPM (UK))
番号:LP-12328 (所有CDは、RPM 303)

Produced by Calvin Carter (T-1~6,8,10~12.)、Burt Bacharach & Hal David (T-7,9.)
Arranged by Arthur Wright (T-1~3,5,8,10~11.)、Mike Rubini (T-4,6,12.)
Arranged and conducted by Burt Bacharach (T-7,9.)

- Bonus track (T-13~15.) -
Produced by Burt Bacharach & Hal David
Arranged and conducted by Burt Bacharach

詳細クレジットは以下を参照ください。
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