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2015年12月16日 (水)

This Girl's In Love With You/Anita Harris (2011年)

英国の女性シンガー/女優、アニタ・ハリスによるバカラック集です。MP3ダウンロードのみのリリースです。

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
This_girls_in_love_with_you

全23トラック中、バカラック作品は18トラック

1. WALK ON BY
2. ANYONE WHO HAD A HEART
3. LONG AFTER TONIGHT IS ALL OVER
4. ALFIE
5. 24 HOURS FROM TULSA
6. LOVING YOU
7. MAKE IT EASY ON YOURSELF
8. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
9. ME, JAPANESE BOY I LOVE YOU
10. RIVER DEEP MOUNTAIN HIGH
11. THIS G'S IN LOVE WITH YOU
12. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
13. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF
14. WHOEVER YOU ARE, I LOVE YOU
15. YOU'VE LOST THAT LOVIN' FEELIN'
16. I SAY A LITTLE PRAYER
17. A HOUSE IS NOT A HOME
18. WISHIN' AND HOPIN'
19. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
20. WIVES AND LOVERS
21. JUST LOVING YOU
22. THE LOOK OF LOVE
23. ANNIVERSARY WALTZ

収録時間約77分


英国の女性シンガー/女優、アニタ・ハリスによるバカラック集です。

アニタ・ハリスは1942年英国イングランド生まれ。Wikiによれば、タレントとしてTVに出演しつつ、レコードも出して1960年代後半には何曲かのヒットを放っています。後年にはミュージカルにも多数出演したそうです。

116448016バカラック作品も歌っていて、1965年にバカラックがリリースした 「 TRAINS AND BOATS AND PLANES 」 を、同年5月にカヴァーしてシングルをリリースしています。この曲、本作には入っていませんが、いくつかのバカラックものコンピCDで聴くことができます。(左の画像はシングルではなく4曲入りEP)

同じく1965年の秋には、なんとバカラックが書き下ろした 「 LONDON LIFE 」 をシングル・リリース! 残念ながらこちらも本作には入っていません。ですが、さすがは先輩同志のまったりさん。2012年にブログ 『 バカラックマジックでまったりと 』 でこの曲を取り上げ、エピソードも交えて動画を紹介しとられます。バカラック節満載の曲ですょ。また、この曲は1965年に創刊された雑誌 “ London Life ” の宣伝ソングだったそうなんです。  センス抜群の素敵なブログ 『 昼下がりのジョージィ2 』 でユキエさんがそのエピソードを書いておられます。それぞれ、以下リンクをクリックしてご覧になって下さいませ。
※ ユキエさんからの追加情報によりますと、最初はルルが歌う事になっていたようですが、予定が合わずアニタになったそうです。<2015/12/17 追記>

『 バカラックマジックでまったりと 』
『 昼下がりのジョージィ2 』

さて本作、全23曲中なんと18曲がバカラック・カヴァー。残り5曲のうち、T-21. 「 JUST LOVING YOU 」 とT-23. 「 ANNIVERSARY WALTZ 」 は1967年のヒット曲で、他の3曲(T-6,10,15.)も1967年及び1969年のシングル或いはアルバム曲です。

R27799851305812069jpeg謎なのが、バカラック・カヴァー群。T-19. 「 恋よさようなら 」 は1969年にシングル・リリース(左)されているのですが、その頃にバカラック集としてこれらの楽曲がアルバムリリースされた記録が見つからなくって。曲目から判断すると録音したのは1968年~1969年あたりだと思うのですが。何か事情があったんでしょう…。2003年にリリースされたアニタのコンピCD 『 The Essential... 』 に3曲(T-11,14,21.)が収められていましたが、2011年にやっと(MP3ダウンロードのみですが)本作がリリースされて日の目を見た! …ということだと思います。どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら情報をお寄せくださいませm(__)m

前置きが長くなりましたね。本作、とても独創的なアレンジで内容の濃いバカラック集でございました!

アニタの声は芯が太くブライトで、細かなビブラートを利かせて歌う感じはミュージカル・シンガーの雰囲気。好き嫌いは分かれるかもしれませんが、堂々とした素晴らしい歌唱です。バックは、フルオーケストラにドラムス、ピアノ、アコースティックギター、E.ベースなどが加わった大がかりなもので、ダイナミック・レンジの広い演奏です。

そして、本作の最大の特徴はそのアレンジにあります。原曲(オリジナルやヒット・バージョン)のコピー的なアレンジは一曲もありません。例えば、イントロからその曲を判断できるのは、T-19. 「 恋よさようなら 」 くらいです。柔軟で自由な楽器の使い方と表情の多彩さ、対旋律やおかずのバリエーションの多さ、独特なバカラック作品のコード進行を更にいじったりする高度なテクニック…。編曲者は相当な技量の持ち主だと思います。ちなみに、先ほどのシングル 「 恋よさようなら 」 のレーベル面を見ると、ANITA HARRIS and the NEW WORLD SYMPHONY ORCHESTRA 名義となっていて、編曲と指揮は David Whitaker / デイビット・ウィッタカー という方。'60年代~'70年代に活躍した英国の作曲家・作詞家・アレンジャーだそうです。たぶん、バカラック・カヴァー群は全て同じ制作陣なんでしょうね。確認する術がないのがクヤシイぃ。

本作の中で、特に印象に残ったアレンジをピックアップしてみます。

T-1. 「 ウォーク・オン・バイ 」 は、いきなり現代音楽っぽい響きのイントロから始まり、曲の中で表情が目まぐるしく変わります。T-2. 「 恋するハート 」 では間奏の40秒間、弦楽器がメロディと全く関係のない現代音楽っぽい演奏をして面食らいます。T-4. 「 アルフィー 」 のイントロは(アルフィーとは全く関係のない)映画音楽のスコアのようです。T-5. 「 タルサからの24時間 」 なんて、よくぞこんなわけわからん怪しい雰囲気の伴奏で歌えるなぁとアニタに同情するくらい。私の文章力では到底表現できません^^; そうかと思えば、T-9. 「 ミー・ジャパニーズ・ボーイ 」 では、琴をハープで、尺八をフルートの低音で、笙をハーモニカで代用して日本的な音世界を構築しています。これには感心しました。T-12. 「 愛の想い出(恋のウェイトリフティング) 」 のイントロでは何故かシタールっぽい音が登場。なんじゃこりゃ。T-13. 「 恋のとまどい 」 になると、室内楽風のイントロにまたもや戸惑います。T-14. 「 あなたはあなた 」 のストリングスのみの流れるような伴奏は感動もの。T-16. 「 小さな願い 」 でのトランペット?とスキャットやホルンが独特なフレーズで掛け合うイントロも印象に残りますねー。

バカラック集オンリーのレコード大賞があるなら、コニー・フランシスや岩井直溥さんとならんで編曲賞部門ノミネート間違いなしでしょう。詳しいクレジットとライナー付きでCD化して欲しいと、心から願います!


【データ】
『 This Girl's In Love With You 』
Anita Harris

MP3:2011年5月31日リリース
レーベル:Vanilla One Media Publishing
番号:?

詳しいクレジットは不明です…
日本のアマゾンではMP3ダウンロードの取り扱いはありません。(英国Amazonでは取り扱ってるのに)
iTunesで視聴&MP3ダウンロードできます。

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