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2016年1月

2016年1月31日 (日)

WHAT'S NEW PUSSYCAT?/O.S.T. (1965年)

バカラックが音楽を担当した1965年の映画 『 何かいいことないか子猫チャン 』 のサウンド・トラックです。

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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Original LP front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏

1. WHAT'S NEW PUSSYCAT? ~ Vocal by Tom Jones ~ M
2. SCHOOL FOR ANATOMY / BOOKWORM  (Medley)
3. HIGH TEMPERATURE, LOW RESISTANCE
4. DOWNHILL AND SHADY
5. STRIPPING REALLY ISN'T SEXY, IS IT?
6. MARRIAGE, FRENCH STYLE / HERE I AM  (Medley)
7. HERE I AM ~ Vocal by Dionne Warwick ~ F
8. MARRIAGE, FRENCH STYLE
9. MY LITTLE RED BOOK ~ Vocal by Manfrd Mann ~ M
10. PUSSY CATS ON PARADE
11. A WALK ON THE WILD WHARF
12. CHATEAU CHANTEL
13. CATCH AS CATCH CAN
14. MY LITTLE RED BOOK (Film Version) M

※ メイン・ヴォーカル入りの曲は、F (Female-女性)、又はM (Male-男性)と表記
※ T-14. はCDリイシュー時のボーナス・トラックです。

収録時間約30分


バカラックが音楽を担当した1965年公開の米コメディ映画 『 何かいいことないか子猫チャン 』 のサウンド・トラックです。

─ <スウィンギング60's>のカラフルでエキサイティングな文化を生き生きと反映していようと、興業売上において圧倒的な成功を納めようと、おそらく 『 何かいいことないか子猫チャン 』 の最も凄い話題は、ウッディー・アレンが俳優として、そしてスクリーンライターとしてデビューしたことであろう。この理由だけで、この1965年の映画は、一般のファンも同様に、映画歴史家たちにとって代表的で重要な映画となったのだ。封切られた当時は、批評家たちが傑作なのか駄作なのか、それともその両方なのかを決められないうちに、コメディー部門の興業売上は最高記録となった。 ─ (所有CDのライナーより引用。David Konjonyan/対訳:小田綾子氏)

あらすじ他は、各種サイトを参照ください。ビデオをレンタルして一度観たことあるのですが、ドタバダ劇としか憶えていませんので…

そういえば、3日前にWOWOWで放送されたエルヴィス・コステロの2014年のライヴを観てましたら、MCでこんなこと言ってました。 ─ 60年代の我が家には少し変化があった。『 何かいいことないか子猫チャン 』 のP・セラーズ風に、父が髪を伸ばし始めた。若者に言うなら 『 オースティン・パワーズ 』 か。服装も、ベルベットの上着にサテンのシャツになった。 ─ どちらの映画もバカラック繋がりですからねー、聴いててニヤリとしちゃいました(^^♪

前回のバカラックのファースト・アルバム 『 HIT MAKER! 』 の記事中、アルバムがイギリスでヒットしたため向こうで有名人となり、その流れでイギリスのグラナダTVがバカラックの特番を作ることになった…と書きました。バカラック自伝から引用したのですが、その自伝によれば、TV特番の撮影のためロンドン滞在中に付き添っていたアンジー・ディキンソン(まだ結婚前)が映画 『 何かいいことないか子猫チャン 』 のプロデューサーとばったり会ったことがきっかけで映画の音楽を引き受けたんだそうです。

劇場公開の締め切りが3週間ほど先まで迫っていたのに、音楽をやるはずだった男が降板し、もうひとりLAから呼んでるけどまだ来ていない…とういう切羽詰まったタイミング。そのままバカラックはロンドンに滞在し、スコアを書きレコーディングまで短期間でやりあげたんですね。パチパチ。それにしても、降板した男がダドリー・ムーア(ピアニストで、のちに映画 『 ミスター・アーサー 』 で主演)、LAから呼ぶ予定だった男がジョン・ウィリアムスだったとは…(゜o゜)

主題歌のT-1. 「 何かいいことないか子猫チャン 」 はトム・ジョーンズが歌ってます。3拍子のアップテンポのこの曲を、チリチリ頭の大男がパワフルで劇画チックに歌う様がなんともコミカル。以前、NHK-BSの 『 笑う洋楽展 』 という番組で、トム・ジョーンズが子猫チャン(ネコの衣装を着た女性)5人に囲まれて歌うモノクロのPVが流れ、トム・ジョーンズの眉毛が 漢字の 「 になってるコトにナビゲーター役のみうらじゅん氏と安齋肇氏が爆笑してました。 ─ 眉毛、の字入ったねー! こんな、見たことないねー。これスゴイよ! ─  でも、このPV映像、YouTubeでは見当たらないんです。探し方が下手なんでしょうか…。
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ディオンヌ・ワーウィックが歌うT-7. 「 ヒア・アイ・アム 」 は、とてもロマンティックなバラード。メロディの動きやコード進行は変わってるし、お約束の変拍子も入っているんですが、そんなこと全然気になりません。カヴァーが少ないのが不思議で仕方がない、本当に素敵な曲です。

T-9. 「 マイ・リトル・レッド・ブック 」 はイギリスのグループ、マンフレッド・マンが歌っています。 ─ それまでに書いた曲とはまったく似たところのない奇妙な曲 ─ とバカラック自身が自伝で語っているこの曲、私の大好きなバカラック・ナンバーのひとつです。 ─ わたしはふたつのヴァージョンを、マンフレッド・マンと彼のグループとともにレコーディングした。どちらもリード・ヴォーカルはのちに俳優に転じ、映画とイギリスのTVで活躍するポール・ジョーンズが取った。 ─ 映画で実際に使われたのは、所有CDにボーナス・トラックとして収録されている T-14. の方なんです。T-9. と比較するとT-14. はちょっと大人しめのアレンジです。

あと、もう1曲どうしても紹介したいのがT-8. 「 マリッジ、フレンチ・スタイル 」 。メロディを男女大勢が陽気にラララ~とうたうこの曲、何故かオランダで 「 Dans je de hele nacht met mij 」 と曲名で大人気に。バカラック・ファンの先輩で同志のまったりさんが、ブログ 『 バカラックマジックでまったりと 』 で動画も交えて詳しく紹介しておられます。是非ご覧になってくださいませ!

他のインスト・ナンバーの中にも印象に残る曲が多いです。ヴァイオリン&トランペット&ファゴットの掛け合いがクラシカル且つひょうきんなT-2. 「 スクール・フォー・アナトミー / ブックワーム 」 (メドレー) の2曲め、ジャズ・ワルツのT-3. 「 ハイ・テンパラチャー、ロウ・レジスタンス 」 やT-5. 「 ストリッピング・リアリー・イズント・セクシー、イズ・イット? 」 、ラグタイムのT-13. 「 キャッチ・アズ・キャッチ・キャン 」 などなど。主題歌の変奏曲のT-10. 「 プッシーキャット・オン・パレード 」 なんかもそうですが、様々な音楽スタイルが見られるところがそこいらの凡庸なサントラと一線を画すところかと。

バカラックにとって最初のサウンドトラックですが、さすがのバカラック流に唸るのでした。

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所有CDの帯/CDのスリーブ開いた表面/スリーブ開いた裏面


【データ】
『 WHAT'S NEW PUSSYCAT? 』
O.S.T.

LP:1965年7月リリース (所有CDは、1998年10月リリース。輸入盤仕様/日本語ライナー対訳&帯付き)
レーベル:United Artists (所有CDは、RYKODISC(米)/ビデオアーツ・ミュージック)
番号:UAS 5128 (所有CDは、RCD 10740/VACK-3021)

Musical Score by Burt Bacharach / Lyrics by Hal David

 

2016年1月27日 (水)

HIT MAKER!/Burt Bacharach (1965年)

バート・バカラックが1965年にKAPPレーベルからリリースしたファースト・アルバムです!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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①1965年5月リリース 『 HIT MAKER! 』

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②1965年7月リリース 『 THE MAN! BURT BACHARACH HIS SONGS 』

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③1967年リリース 『 BURT BCHARACH PLAYS HIS HITS 』

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④1970年リリース 『 SATURDAY SUNSHINE 』

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所有CD: 1997年リイシュー 『 BURT BCHARACH PLAYS HIS HITS 』

< 所有CDのトラック・リスト >

1. TRAINS AND BOATS AND PLANES    F
2. MY LITTLE RED BOOK                        M
3. ANYONE WHO HAD A HEART
4. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
5. 24 HOURS FROM TULSA
6. WALK ON BY
7. WIVES AND LOVERS
8. DON'T MAKE ME OVER
9. BLUE ON BLUE
10. DON'T GO BREAKING MY HEART     F
11. WHAT'S NEW PUSSYCAT?                 M
12. A HOUSE IS NOT A HOME
13. THE LAST ONE TO BE LOVED
14. SATURDAY SUNSHINE                    FM
15. AND SO GOODBYE MY LOVE
16. SAIL ALONG SILV'LY MOON              M

※ メイン・ヴォーカル入りの曲は、F (Female-女性)、又は M (Male-男性) と表記
※ T-15,16. ボーナス・トラック

収録時間約44分


バート・バカラックが1965年に米KAPPレーベルからリリースしたファースト・アルバムです!

1965年5月のリリース後、1970年までの間にタイトルや曲順・曲目を少しずつ変えただけのとてもよく似た内容のアルバムが4種類もリリースされています。一方、ジャケット写真は各々全く違うテイスト。↑にそれぞれ画像を貼り付けておきましたが、よくもまぁここまで変えるもんですね(笑)。

①1965年5月リリース 『 HIT MAKER! 』 (KL-1428)
②1965年7月リリース 『 THE MAN! BURT BACHARACH HIS SONGS 』 (KS-3447)
③1967年リリース 『 BURT BCHARACH PLAYS HIS HITS 』 (KS-3577)
④1970年リリース 『 SATURDAY SUNSHINE 』 (KAPP-34907)

それぞれの曲順・曲目を整理してみました。以下の表を参照ください。すべてバート・バカラック&ハル・デイヴィッドのチームによって作られた楽曲達です。なお、曲を説明する際のトラック・ナンバーは、所有CDのもので統一させていただきます。

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①のアルバム制作の経緯について、バカラック爺は自伝で次のように述べています。そっくり引用するのはアレですので、要約して紹介します。

─ カップ・レコードから、アルバムの制作依頼があった。ヒット曲のインストゥルメンタル・ヴァージョンを集めたものだ。タイトルは 『 ヒット・メイカー! 』 。ジーン・ピットニーのために書いたがお蔵入りになった 「 汽車と船と飛行機と 」 という曲も合わせてレコーディングすることにした。ロンドンでアルバムをつくったのは、米国よりずっと安くレコーディングできるし、イギリスのミュージシャンは最高だと聞いていたからだ。レコーディングはできるだけ早く終わらせた。私は歌わず、ヴォーカルはすべて、ブレイカウェイズという3人組の女性グループに一任した。私はピアノを弾いただけで、それもほかの誰かがやってくれたときもあった。セッションにはのちにレッド・ツェッペリンを結成するジミー・ペイジとジョン・ポール・ジョーンズ、ビッグ・ジャム・サリヴァン、そしてテッド・ヒース・バンドの約半分といった、すばらしいミュージシャンたちが参加してくれた。 ─

所有CDのライナー (執筆者は日本のバカラック研究第一人者の坂口修氏です) によると、レコーディングが行われたのは1965年2月8日。前々回の記事でディオンヌ・ワーウィックのアルバム 『 THE SENSITIVE SOUND OF DIONE WARWICK 』 を取り上げた際、一部の曲をロンドン/Pyeレコードのスタジオでレコーディングしたと書きました。時期は1964年の終わりころ。その時のバックコーラスも Breakaways(ブレイカウェイズ)でした。そんな経験があって、バカラックは英国に飛んだのでしょうね。

全12曲のうち、9曲はそれまでにバカラック&デイヴィッドが各アーティストに提供したもの。オリジナルはそれぞれ、ディオンヌ・ワーウィック (T-3. 「 恋するハート 」 、T-6. 「 ウォーク・オン・バイ 」 、T-8. 「 ドント・メイク・ミー・オーヴァー 」 、T-13. 「 ザ・ラスト・ワン・トゥ・ビー・ラヴド 」)、ルー・ジョンソン (T-4. 「 愛の思い出(愛のウェイト・リフティング) 」)、ジーン・ピットニー (T-5. 「 タルサから24時間 」)、ジャック・ジョーンズ (T-7. 「 素晴らしき恋人たち 」)、ボビー・ヴィントン (T-9. 「 ブルー・オン・ブルー 」)、ブルック・ベントン (T-12. 「 ア・ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」)が歌っています。イントロのフレーズが違ったりする曲もありますが、オリジナルとほぼ同じテイストのアレンジです。

残り3曲のオリジナル・アーティストは、バカラック自身。T-10. 「 私を悲しませないで 」 c/w T-1. 「 汽車と船と飛行機と 」 の2曲は、本アルバムの先行シングルとして1965年3月にリリースされました(KAPP-657)。ちなみに、他の曲ではバック・コーラス的な使われ方をしているブレイカウェイズ、この2曲だけはメイン・ヴォーカルの任を果たしています(クレジットはありませんが、私がそう判断しました)。もう1曲は1963年7月にリリース(KAPP-532)されたバカラック名義のファースト・シングルT-14. 「 サタデイ・サンシャイン 」 。男の子と男女コーラスが協力して歌っている可愛らしい曲です。

②は、映画  『 WHAT'S NEW PUSSYCAT? (何かいいことないか子猫チャン) 』 の公開に合わせて1965年5月にレコーディングして7月にリリースしたT-11. 「 何かいいことないか子猫チャン 」 c/w T-2. 「 マイ・リトル・レッド・ブック 」 のセルフ・カヴァー・シングル(K-685)をフィーチャーして、①から2曲外したもの。追加の2曲はいずれもよく知らない男性がメイン・ヴォーカルを担当しています。面白いのが、①のA面6曲が曲順はそのまま②ではB面に追いやられてるトコロ。①のプレス型を流用してコストセーブしつつ、反対側に持っていくことで違うアルバムに仕立てかったのかしらん。

③は、②から1曲抜いて曲順入れ替えたもの。所有CDは、ジャケット写真も含めてこの③を元に作られています(曲順表を見ていただければ一目瞭然ですね)。映画 『 オースティン・パワーズ 』 (1作目)に登場するLPはこの盤。

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④は、1970年にヒットした2曲、「 雨にぬれても 」 と 「 悲しみは鐘の音とともに 」 を赤の他人がカヴァーしたバージョンが入って全10曲に設えたものです。

そして、所有CDは、①~④の14曲+アルバム未収録曲と未発表曲の全16曲を収録。アルバム未収録曲は、ファースト・シングルT-14. 「 サタデイ・サンシャイン 」 のB面だったT-15. 「 アンド・ソー・グッドバイ・マイ・ラヴ 」 。未発表曲は、坂口修さんがMCAのカタログから発掘した T-16. 「 セイル・アロング・シルヴァリー・ムーン 」 。坂口さんの執念はスゴイ!

─ 本アルバム①はアメリカでは5,000枚しか売れなかった一方、イギリスではトップ10入りし、シングルの  「 汽車と船と飛行機と 」 も全英4位に。当時のイギリスではBBCでレコードがかかると、国中の人々が耳にしていたので、わたしはアメリカでそうなるずっと前に向こうで有名人となり、その流れでグラナダTVがわたしの特番を作ることになった。 ─ 
(バカラック自伝より)

のちのA&M時代のアルバムと比較すると、バカラックのアレンジも凝ったところがないですし、音質もイマイチ。あまり聴いていてウキウキする感じはありません。ではありますが、バカラックが一般のリスナーに認知されるきっかけとなった重要なアルバムなのでした。


【データ】
『 HIT MAKER! 』
Burt Bacharach

LP:1965年5月リリース (所有CDは、1997年5月21日リイシューの日本盤)
レーベル:KAPP (所有CDは、MCAビクター)
番号:KL-1428 (所有CDは、MVCE-22001)

Orchestra and chorus directed by Burt Bacharach
Vocal: Breakaways (T-1,10.)、Tony Middleton (T-2.)、Joel Grey (T-11.)
録音:1965年2月8日、ロンドン
↓左は所有CD、右は再発CD(①を元にした曲順/ジャケット写真になっているようです)

 

2016年1月23日 (土)

耳寄りな情報 バカラック最新ライブ 2月にWOWOWで放送予定!

アルバム紹介は今回お休みして、TV放送のご案内です。

※ WOWOW 再放送あります!  2016年3月19日(土) 13:00~14:30
※ 視聴した感想は
こちら なお、2016年2月26日発売のブルーレイと内容は同じでした!


既にご存知の方も多いとは思いますが、昨年ロンドンで行われたライブの模様を2月にWOWOWで放送するようです。

チャンネル・放送日時
 BS9ch  WOWOWライブ(BS192)
 2016年 2月 13日(土) 19:15 ~ 20:45 (90分)

収録日・場所
 2015年 6月 26日
 イギリス・ロンドン ロイヤル・フェスティバル・ホール

詳細は以下WOWOWのサイトをご覧ください。
『 バート・バカラック ライブ・イン・ロンドン 2015 』


※ 追加情報
  放送から約2週間後の2月26日
  バカラック・ライブのブルーレイ/DVDがリリースされるようです
  タイトルは 『 Life in Song 』


  どうもコレ、
WOWOWで放送するライブと同じなんじゃないかと…
  あ~ぁ、WOWOW契約してしまったではないか
  もっと早く気づけばよかった(T_T)

  でも、『 Life in Song 』 は輸入盤だから日本語字幕ないよね、たぶん
  WOWOWは日本語字幕付きで放送してくれることを願っております

  でも、
ブルーレイも買っちゃいますょ
  今年の5月で
バカラック爺も 「 米寿 」 ですからね、そのお祝いに(^^)

  < 青字 : 2016/1/27追記 >

 < 紫字 : 2016/3/  6追記 >

     ────────────  ***  ───────────

さっそくWOWOW契約しました。

翌月末まで1,800円(税抜、加入料・初期費用はかからず)。CD或いはDVD/BDを1枚買うと思えば安いもんです。

1/17にWOWOW公式サイトから10~15分で手続き完了。その後、BS9chにチャンネルを合わせて約10分、観れるようになりました。2000年頃にも一時期WOWOW契約していたことありますが、その時と比べると手続きがスマートになりましたね。そういや、当時もバカラックのトリビュート・ライブを観たくて契約したのでした。

そして今日(1/23)、家でぼけぇ~っとしてましたら、さきほど 「 1月のプログラムガイド 」 と 「 ファーストガイド 」 が届きました。ふむふむ、今月はテニスの全豪オープンかぁ。2月にはグラミー賞授賞式やアカデミー賞授賞式などの生放送もあるぜょ。せっかくなのでついでに楽しもうと思います。
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2016年1月20日 (水)

THE SENSITIVE SOUND OF DIONNE WARWICK/Dionne Warwick (1965年)

ディオンヌ・ワーウィックの4作目のアルバムです。バカラック作品を7曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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Original LP front cover/back cover

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所有CD (2 in 1)のジャケットの表/ライナーの裏表紙

全11トラック中、バカラック作品は7トラック

1. UNCHAINED MELODY (Unedited)
2. WHO CAN I TURN TO

3. HOW MANY DAYS OF SANDNESS
4. IS THERE ANOTHER WAY TO LOVE YOU
5. WHERE CAN I GO WITHOUT YOU
6. YOU CAN HAVE HIM

7. WIVES AND LOVERS
8. DON'T SAY I DIDN'T TELL YOU SO
9. ONLY THE STRONG, ONLY THE BRAVE
10. FOREVER MY LOVE
11. THAT'S NOT THE ANWSER

所要時間約33分


ディオンヌ・ワーウィックの4作目のアルバムです。1965年2月リリース。

収録全11曲のなかで、バカラック作品は7曲。勿論、すべてバカラック&デイヴィッドのコンビによるものです。セカンド・アルバムサード・アルバムのように、既発売アルバムからの再収録曲は皆無です。パチパチ。やっと普通になっただけですが^^;。

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所有CDは輸入盤なので日本語ライナーなんてありません。何か面白いこと書いてないかなぁ…と英語のライナーを眺めていましたら、リリース当時のビルボード誌のレビューが載ってました(左)。どんなことが書いてあるんでしょうか。

─ 情緒豊かなワーウィックのスタイルにフィットするスタンダード曲をうまくまとめあげた作品。 「 アンチェインド・メロディ 」 は、彼女の歌詞に対する感覚が最もわかる1曲。“ ボレロ ” スタイルのアレンジが全面的にそれを支えている。 「 フー・キャン・アイ・ターン・トゥ 」 は、歌詞の暖かさ、優しさが堪らない。バカラックのアレンジは格別だ。 ─

意訳の細かいところは脇に置いといて、私が気になったのは取り上げられた2曲。T-1. とT-2.なんですが、どちらもバカラック作品ではありません。バカラック作品には注目すべき曲が無いってことですょ、これは。バカラックのアレンジについては言及あるんですけどねー。

ちなみにこの2曲はカヴァー。T-1. 「 アンチェインド・メロディ 」 は1955年の曲。ライチャス・ブラザーズ版が有名ですが、ライチャスが録音したのは1965年6月だそうですから、ディオンヌ版はそれよりも前。確かにボレロのリズムを取り入れたバカラックのアレンジはユニークです。それと、T-2.「 フー・キャン・アイ・ターン・トゥ 」 は、1964年のミュージカル 『 The Roar Of The Greasepaint, The Smell Of The Crowd 』 (邦題:ドーランの叫び、観客の匂い) の曲で、それをカヴァーしたものだそう。

…てなことを頭に入れながら、バカラック作品の7曲を紹介してまいります。

T-3. 「 悲しみの日々 」 : ディオンヌがオリジナル。1964年10月にリリースしたシングル 「 リーチ・アウト 」 のカップリング曲でした (SCEPTER 1285、B面)。4拍子のミディアム・テンポの曲。美しいけれど高低差の激しいメロディで、ディオンヌもサビの高音域をシャウト気味に歌っています。この曲のカヴァーは聴いたことがありません。非常にレアな曲です。

T-4. 「 イズ・ゼア・アナザー・ウェイ・トゥ・ラヴ・ユー 」 : これもディオンヌがオリジナル。1965年3月にリリースしたシングルT-6. 「 ユー・キャン・ハヴ・ヒム 」 のカップリング曲となります(SR 1294、B面)。4拍子のミディアム・テンポの曲ですが、Aメロは3連符の4拍子、Bメロは8ビート、サビは不思議なコード展開と音程の取りにくそうなメロディ。かなり難解な曲です。この曲も、ディオンヌ版以外聴いたことありません。これまた非常にレアな曲です。
ちなみに、T-6. 「 ユー・キャン・ハヴ・ヒム 」 はロイ・ハミルトンの1961年のヒット曲のカヴァー(バカラック作品ではありません)。所有CDのライナーによると、ディオンヌが1964年の終わりころツアー&TV出演のため英国を訪れた際、ロンドンにあるPyeレコードのスタジオでバカラックと録音したうちの1曲なんだとか。女性バック・コーラスは、シラ・ブラックのレコーディングでも常連だったBreakaways。ナルホド、このことがバカラック自身のレコーディングに繋がるんですね!

T-7. 「 素晴らしき恋人たち 」 : カヴァーです。オリジナルはジャック・ジョーンズ (1963年10月にシングルA面でリリース、全米14位)。自伝では ─ わたしの思い描くアレンジとはちがっていたので、ジャックのバージョンは決して気に入っていない ─ と書いてるバカラック御大。曲調は同じですが、イントロのメロディ、ウッド・ベースの動き、金管の合いの手、ストリングスのオブリガート、間奏に入る金管のオカズなど、隅々まで細かな工夫が散りばめられていて、ジャズ・ワルツのこの曲をよりジャズっぽくアレンジしています。ディオンヌの歌いっぷりはポップス寄りですが。
本アルバムのバカラック作品の中では唯一といえるカヴァー定番曲。やはりジャズ・シンガーをはじめジャズ系のカヴァーが多いです。

T-8. 「 それは言わないで 」 : ディオンヌがオリジナル。前述したT-2. 「 フー・キャン・アイ・ターン・トゥ 」 は1965年2月にシングル・リリースされるのですが、そのカップリング曲でした (SR 1298、B面)。ゆったりしたミディアム・テンポの4拍子の曲です。イントロからテンション・コードを弾くピアノやベースの動きがクールで渋い! メロディもとても変わってます。変拍子も入ってるし。決して盛り上がらないサビでのピアノとスネアの爪弾きもや、2コーラスめのAメロで一部ディオンヌの代わりにメロディを奏でるミュート・トランペット&バック・コーラスのスキャットなど、印象に残るアレンジ。ジャズ・フルート奏者のハービー・マン(1966年)のカヴァーしか聴いたことないレア曲ですが、他にもっとカヴァー聴いてみたいですね。

T-9. 「 強く雄々しく 」 : ディオンヌがオリジナル。1965年10月リリースのシングル 「 LOOKING WITH MY EYES (みつめてごらん私の瞳) 」 のカップリング曲となります(SR 12111、B面)。軽快なミディアム・テンポの基本4拍子の曲ですが、ところどころ3拍子や2拍子が挟まる変な曲です。これまたディオンヌ版以外聴いたことがない超レア曲です。

T-10. 「 フォエヴァー・マイ・ラヴ 」 : カヴァーです。オリジナルはジェーン・モーガン (1962年4月にシングルB面でリリース、KAPP K-450X)。同名映画(パラマウント)の主題歌だそうです。バカラックらしさが感じられない、何の変哲もないバラード曲。いいのか悪いのか(笑)。これも超レアな曲です。

T-11. 「 ザッツ・ノット・ジ・アンサー 」 : ディオンヌがオリジナル。ズンチャチャ・リズムが特徴的なミディアム・テンポの小品。ディオンヌも軽く歌っています。Vi Velascoという女性シンガーが同年カヴァーしていますが、イントロの女性コーラスが可愛らしいVi Velasco版に軍配を上げます。

「 素晴らしき恋人たち 」 を除くバカラック作品6曲は、レア曲ばかり。しかも、これらの曲のディオンヌ版を収録してるコンピCDの類は見当たりません。一般受けはしないでしょうが(そういう意味でビルボード誌のレビューはサスガですね^^:)、バカラック・マニアにとっては必携のアルバムかと。


【データ】
『 THE SENSITIVE SOUND OF DIONNE WARWICK 』 (邦題:ザ・センシティヴ・サウンド・オブ・ディオンヌ・ワーウィック)
Dionne Warwick

LP:1965年2月15日リリース (所有CDは、1995年リイシューの2 in 1)
レーベル:SCEPTER RECORDS (所有CDは、SEQUEL RECORDS (UK))
番号:SCEPTER 528 (所有CDは、NEM CD 761)

Produced by Bacharach & David
Arranged & Conducted by Burt Bachrach

 

2016年1月17日 (日)

MAKE WAY FOR DIONNE WARWICK/Dionne Warwick (1964年)

ディオンヌ・ワーウィックのサード・アルバムです。バカラック作品を9曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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Original LP front cover/back cover

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所有CD (2 in 1) のジャケットの表/ライナーの裏表紙

全12トラック中、バカラック作品は9トラック

1. A HOUSE IS NOT A HOME
2. PEOPLE
3. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
4. THE LAST ONE TO BE LOVED
5. IN THE LAND OF MAKE BELIEVE
6. REACH OUT FOR ME
7. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
8. WALK ON BY
9. WISHIN' AND HOPIN'
10. I SMILED YESTERDAY
11. GET RID OF HIM
12. MAKE THE NIGHT A LITTLE LONGER

収録時間約35分


ディオンヌ・ワーウィックのサード・アルバムです。1964年8月リリース。前作のセカンド・アルバムからちょうど半年後です。

アルバム・タイトルの “ MAKE WAY FOR … ” を辞書で調べると、“ …に道を譲る ” と出ていました。“ そこのけそこのけ、ディオンヌ・ワーウィック様のお通りだぃ! ” ってことですかね。そういえば、ジャケット写真も何か睨まれてるような気が…(笑)。

アルバム中、バカラック作品は9曲。勿論、全てバカラック&デイヴィッドによる楽曲です。うち、T-9. 「 ウィッシン・アンド・ホーピン 」 とT-10.「 昨日のほほえみ 」 の2曲はファースト・アルバムからの再収録曲なので、新録音は7曲のみ。とはいえ、セカンド・アルバムは新録音4曲でしたから、それよりかは気合入ってる様子。

ということで、新録音の7曲についてご紹介してまいります。

T-1. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 : カヴァーです。オリジナルは ブルック・ベントン (1964年7月にシングルA面でリリース)。米の同名映画の主題歌だそうで、4拍子のスローな曲です。ディオンヌ版は、6枚目シングルT-7. 「 ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・ヘヴン 」 のカップリング曲なのですが、ベントン版と同じ1964年7月にリリースされたんですね、コレ( SCEPTER 1282、B面)。ですから、ベントン版とは競作となり、チャート上でも競合。ベントン版の全米75位に対し、ディオンヌ版は全米71位とちょっぴり上回りました。パチパチ。
ベントン版(プロデュース/アレンジはバカラックではありません)と聴き比べると、曲調は基本一緒で、イントロのサックスのフレーズなんて全く同じ。でも、とんかつソースっぽいベントンの歌いっぷりに対して、ディオンヌ版はウスターソースのイメージで洗練されてる印象。演奏もディオンヌ版の方が若干シンプル。軽く8ビートを叩くスネアが1拍目のウラで16分音符の3連符を刻んでるところなんか、繊細で素晴らしい。
カヴァーは沢山あります。特に、ジャズ・ミュージシャンによく取り上げられてるようですね。また、R&B/ソウル系ではルーサー・ヴァンドロス版のトリビュートものが目立ちます。

T-3. 「 遥かなる影 」 : これもカヴァー。オリジナルは、リチャード・チェンバレン (1963年9月にバカラック作のシングル 「 ブルー・ギター 」 のB面でリリース)。ディオンヌ版も、1965年6月にリリースしたシングル 「 ヒア・アイ・アム 」 のカップリング曲となります( SR 12104、B面)。チェンバレン版(バカラックが指揮してます。アレンジは不明ですがバカラックでしょうね)をほぼ踏襲したアレンジ。ピアノとスネアが8ビートを刻みます。シャッフルのリズムでスキップしてるような後のカーペンターズ版とは違って、とぼとぼ歩いてる感じ。でも、細かいヴィブラートが気色悪いチェンバレンの歌声と較べると、ディオンヌのソフトな語り口はなかなか心地よくてそれが救い。サビの合間のオブリガートも、チェンバレン版ではホルンが単調に吹いているのに対してディオンヌ版ではトランペット(フリューゲルホルンかも)が薄く柔らかく吹いて、この辺りバカラックらしいです。まぁ、それでもヒットするような曲には聴こえないんですけどね(>_<)
カヴァーは星の数ほど。それも様々なジャンルで料理されています。

T-4. 「 ザ・ラスト・ワン・トゥ・ビー・ラヴド 」 : ディオンヌがオリジナル。基本は4拍子のスロー・ミディアムの曲。…なんですが、イントロからエンディングまで、至る処で3拍子になったり2拍子になったり。サビなんてさっぱり拍子がわかりません^^;。コード進行も変わってるし、メロディも上がったり下がったり。大サビのところでは伴奏なしでディオンヌだけになったり、抑揚があって1曲のなかでドラマを観ているよう。カヴァーは極めて少ないですが、けっこう私好きです。

T-5. 「 イン・ザ・ランド・オブ・メイク・ビリーヴ 」 : カヴァーです。オリジナルはドリフターズ (1964年の早い時期にシングルB面でリリース)。「 夢の国 」 や 「 偽りの土地 」 という邦題もあるようです。ドリフターズ版よりもテンポを落としてR&B色を薄めたソフトなアレンジ。特に、バカラックの演奏と思われる特徴的な装飾音のピアノが粋な雰囲気を醸し出しています。カヴァーは少ないですが、ドリーミーなスワン・ダイヴ版(1997年)は好きです。

T-6. 「 リーチ・アウト 」 : カヴァーです。オリジナルはルー・ジョンソン (1963年10月にシングルA面でリリース、全米14位)。ディオンヌも、7枚目のシングルとして1964年10月にリリース (SCEPTER 1285、A面)。全米20位のヒットとなりました。カヴァーはそこそこあります。バックの演奏はイマイチですが、その歌声に癒されるオリヴィア・ニュートン・ジョン版(1989年)が印象に残っています。

T-7. 「 ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・ヘヴン 」 : ディオンヌがオリジナル。(前述したとおり) 6枚目のシングルとして、1964年7月にリリース (SCEPTER 1282、A面)。全米34位のスマッシュ・ヒットになりました。アレンジもドリーミーだし、ディオンヌのふわっとした歌い方も曲にマッチしています。この曲のカヴァーではスタイリスティックス版(1974年)が有名ですが、個人的にはあまりピンとくるカヴァーはありません。そんな中で、アコースティック・ギターのみをバックに歌うマイケル・ボール版(2007年)はユニークです。

T-8. 「 ウォーク・オン・バイ 」 : ディオンヌがオリジナル。5枚目のシングルとして、1964年4月にリリース (SCEPTER 1274、A面)。全米6位と大ヒットしました。全編を貫く “ 2拍め、3拍めのウラ、4拍めのウラ ” の刻みが独特のグルーヴ感を醸し出しています。それと、サビでの “1拍め、2拍めのウラ、4拍め ” にアクセントのあるオブリガードとの対比。芸術ですねー、これは。ディオンヌも、全体的にはソフトに抑えつつも大サビではノッて歌っています。いやぁ、この曲のディオンヌ版はいいですねぇ~。
こいつも様々なジャンルで多くのカヴァーがあります。料理のされ方もバラエティに富んでいます。それだけ “ イジリ甲斐 ” のある曲なんだと思います。

ディオンヌも肩の力を抜いて繊細な歌い方を習得した感がありますし、バカラックのアレンジも徐々に本領発揮してきたように感じます。新録音の7曲はすべて4拍子でスロー~ミディアム・テンポの8ビートの曲。変拍子が多い 「 ザ・ラスト・ワン・トゥ・ビー・ラヴド 」 を除けばソフトでとっつきやすい曲ばかり。リスナーに広く聴いてもらいたいという意識があったのかもしれません。やっぱり、“ そこのけそこのけ、ディオンヌ・ワーウィック様のお通りだぃ! ” じゃないんでしょうね、アルバム・タイトルの意味は(笑)。


【データ】
『 MAKE WAY FOR DIONNE WARWICK 』 (邦題:メイク・ウェイ・フォー・ディオンヌ・ワーウィック)
Dionne Warwick

LP:1964年8月31日リリース (所有CDは、1995年リイシューの2 in 1)
レーベル:SCEPTER RECORDS (所有CDは、SEQUEL RECORDS (UK))
番号:SCEPTER 523 (所有CDは、NEM CD 761)

クレジットは詳細不明(T_T)

 

 

2016年1月13日 (水)

ANYONE WHO HAD A HEART/Dionne Warwick (1964年)

ディオンヌ・ワーウィックのセカンド・アルバムです。バカラック作品を7曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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Original LP front cover/back cover

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所有CD (2 in 1) のジャケットの表/ライナーの裏表紙

全12トラック中、バカラック作品は7トラック

1. ANYONE WHO HAD A HEART
2. SHALL I TELL HER
3. DON'T MAKE ME OVER
4. I CRY ALONE
5. GETTING READY FOR THE HEARTBREAK
6. OH LORD WHAT ARE YOU DOING TO ME
7. ANY OLD TIME OF THE DAY
8. MR. HEARTBREAK
9. PUT YOURSELF IN MY PLACE
10. I COULD MAKE YOU MINE
11. THIS EMPTY PLACE
12. PLEASE MAKE HIM LOVE ME

収録時間約33分


ディオンヌ・ワーウィックのセカンド・アルバムです。1964年2月のリリース。ファースト・アルバムからちょうど1年経っています。新人で売り出し中の歌手にしては、ちょっと間隔が空いてるような気がしますが…。

アルバム中、バカラック作品は7曲。全て、バカラック&デイヴィッドのペンによるもの。ただし、そのうち T-3. 「 ドント・メイク・ミー・オーヴァー 」 、T-4. 「 ひとり泣く 」 、T-11. 「 ジス・エンプティ・プレイス 」 の3曲はファースト・アルバムからの再収録曲なので、新録音は4曲のみ。ちょっと寂しい。この時期、バカラック&デイヴィッドは忙しかったんでしょうかねー。

ということで、その4曲について簡単にご紹介します。

T-1. 「 恋するハート 」  : ディオンヌがオリジナル。4枚目のシングルとして、1963年11月にリリース( SCEPTER 1262、A面 )。チャートは全米8位まで上がりました。英国のシラ・ブラックとの確執?はこちらでご紹介したとおりです。この曲、変拍子が特徴で、例えばAメロ冒頭 “ Anyone who ever loved could look at me / And know that I love you ” のフレーズは、│5/4│4/4│となっています。ポップスなのにいきなり5拍子ですよ(@_@)(│9/8│6/8│6/8│6/8│と表記してる楽譜もあります)。サビでは 8分の7拍子 なんて箇所もありますしね。バカラックも自伝で書いています。ディオンヌのステージを観に行ったとき、この曲でバンドの苦闘ぶりがありありと伝わってきたそうで、終演後に楽屋に行くとバンドの一員にこう言われたとか。 ─ なんであんた、あんなにやりにくい曲をつくるんだ? 8分の7拍子の小節なんてものが、この曲に必要か? ─ まぁ、その気持ちよ~くわかります^^;。
たっくさんカヴァーがある曲ですが、渋いルーサー・ヴァンドロス版(1986年)ゴージャスなモーリン・マクガバン版(1992年)あたりがそれぞれ個性が強くて印象に残っています。
そういや3日前(2016/1/10)、FM番組(サンデー・ソングブック)でのこと。「 この曲をお好きな方で 」 というリクエスト葉書を読んだ山下達郎さん、シラ・ブラック版を引き合いに出したうえでチョイスしたのはディオンヌ版でしたネ。 ─ どちらもいいんですが、これに限ってはバカラック自身のアレンジがですね、一日の長があるという感じでございます。ディオンヌ・ワーウィックの歌が素晴らしいんですね、これ。普段はあまりこう…わりと抑制して歌う人なんですが、このコーダのところわりとこうシャウトしているという、珍しいパターンでございます。本当にこのコード進行の巧みさというのは、これはもう舌を巻くというですね。 ─ 他にも、バカラックのなかで一番好きな曲のひとつ…とも仰ってました。貴重なコメントを聞くことができ、嬉しかったです。

T-7. 「 エニイ・オールド・タイム・オブ・デイ 」 : ディオンヌがオリジナル。1964年4月にリリースされた5枚目のシングル 「 ウォーク・オン・バイ 」 のカップリング曲となります( SCEPTER 1274、B面 )。ミディアム・テンポのドリーミーな曲。メロディが上がったり下がったりして歌いにくいと思うのですが、ディオンヌはそんな感じは全くみせずチャーミングに歌っています。カヴァーはそんなに多くはありませんが、軽快なスー・レイニー版(1966年)癒し系のアール・クルー(1989年)は私のお気に入りです。

T-10. 「 アイ・クッド・メイク・ユー・マイン 」 : カヴァーです。オリジナルは the Wanderers (1960年9月にシングルB面でリリース)。3連符の4拍子曲でドゥーワップっぽい曲調。ディオンヌ以外のカヴァーは聴いたことありません。

T-12. 「 プリーズ・メイク・ヒム・ラヴ・ミー 」 : ディオンヌがオリジナル。3枚目のシングルとして、1963年6月にリリース( SCEPTER 1253、A面 )。B面はファースト・アルバムに収録されていた 「 MAKE THE MUSIC PLAY 」 。ゆったりめのミディアム・テンポの曲で、ころころとメロディが展開していきます。ヒットしなかったみたいで、ディオンヌ以外のバージョンは聴いたことがありません。

バカラック作品以外の5曲も含めて、ディオンヌの歌唱には余裕が出てきました。でも、バカラック&デイヴィッドの新たな書下ろし曲は3曲しかないし、ちょっと物足りないアルバムです。ディオンヌの姿が見えないジャケットのアート・ワークは素敵なんですけどねー (どーゆー意味じゃ^^;) 。


【データ】
『 ANYONE WHO HAD A HEART 』 (邦題:エニイワン・フー・ハド・ア・ハート)
Dionne Warwick

LP:1964年2月リリース (所有CDは、1995年リイシューの2 in 1)
レーベル:SCEPTER RECORDS (所有CDは、SEQUEL RECORDS (UK))
番号:SCEPTER 517 (所有CDは、NEM CD 760)

クレジットは、所有CDのライナーに1曲だけ以下記述がありました。
T-1. 「 ANYONE WHO HAD A HEART 」
  bass - Russ Savakus
  guitar - Bill Suyker
  drums - Gary Chester
  keyboards - Paul Griffin, Artie Butler
  piano - Burt Bacharach
が、その他詳細不明です(T_T)

 

2016年1月10日 (日)

PRESENTING DIONNE WARWICK/Dionne Warwick (1963年)

ディオンヌ・ワーウィックのファースト・アルバムです。バカラック作品を9曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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Original LP front cover/back cover

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所有CD (2 in 1) のジャケットの表/ライナーの裏表紙

全12トラック中、バカラック作品は9トラック

1. THIS EMPTY PLACE
2. WISHIN' AND HOPIN'
3. I CRY ALONE
4. ZIP-A-DEE-DOO-DAH
5. MAKE THE MUSIC PLAY
6. IF YOU SEE BILL
7. DON'T MAKE ME OVER
8. IT'S LOVE THAT REALLY COUNTS (IN THE LONG RUN)
9. UNLUCKY
10. I SMILED YESTERDAY
11. MAKE IT EASY ON YOURSELF
12. THE LOVE OF A BOY
.
収録時間約32分


…年明け、ウェブページの 『 本ブログとバカラックについて 』 の内容を少し書き換えました。その内容のとおり、今年(2016年)は、いよいよディオンヌ・ワーウィックやバート・バカラックのアルバムを取り上げて、アルバムリリースの時系列順に紹介して参ります。

ただし、ディオンヌのアルバムは所有しているCDの殆どが日本盤ではありませんので、日本語ライナーノーツに頼れません^^;。内容がショボいことが多くなるとは思いますが、なにとぞご容赦いただきたく。よろしくお願い致しますm(__)m

という訳で、ディオンヌ・ワーウィックのファースト・アルバムでございます。1963年2月にリリースされました。ちなみに、所有しているCDは2013年にリイシューされた日本盤ではありません(T_T)。その日本盤は日本のバカラック研究第一人者、坂口修氏が監修されてるそうで、いろいろライナーノーツも充実してるんだろうなぁ…。読みたいなぁ…。

本ブログをご覧になってくださる方であれば、ディオンヌ・ワーウィックのことはご存知だと思います。ですので、ディオンヌの紹介は致しません。その代わりに、本作リリース時のLPジャケット裏のライナーを超意訳して引用します。アルバムタイトルの通り、少しはディオンヌを紹介する内容になっておりますので。

─ ほんの数ヶ月前、ディオンヌ・ワーウィックの名前は知られていませんでした。が、「 DON'T MAKE ME OVER 」 によりディオンヌ・ワーウィックは知られる存在となりました。
最初のレコードがヒットするのは、そんなに簡単なことではありません。 ディオンヌは多年にわたり音楽を勉強し、やがて熟達した歌手/ピアニストになりました。毎週日曜日に教会で歌い演奏して、音楽の才能を伸ばしました。次のステップは、NYのレコーディングスタジオ。そこで彼女は、多くのレコーディング・セッションのバック・コーラスで歌いました。そこで彼女は二人のソングライター、バート・バカラックとハル・デイヴィッドの目に留まります。二人はディオンヌをセプター・レコードに連れて来て、「 DON'T MAKE ME OVER 」 を提供したのです。
「 DON'T MAKE ME OVER 」 の強いドラマチックな歌唱は 「 THIS EMPTY PLACE 」 で再び聴くことができます。「 WISHIN' AND HOPIN' 」 でディオンヌは哀愁を秘めた表情を見せます。楽天的な 「 ZIP-A-DEE-DOO-DAH 」 から失恋を歌う 「 I CRY ALONE 」 まで、このアルバムにはディオンヌの多彩な表情が美しく表現されています。
未来はどうなるのでしょう? 専門家を信じるなら、ディオンヌのレコードはヒットを重ねてショービズ界のスターのひとりとなるでしょう。魅力的なひとりの少女にそれが起こらんことを! ─


12曲のうち、バカラック&デイヴィッドのペンによる作品が9曲。うち6曲は、ディオンヌへの書き下ろし曲=オリジナルとなります。

T-1. 「 ジス・エンプティ・プレイス 」 : ディオンヌがオリジナル。1963年3月にシングルリリースされました(SCEPTER 1247、A面)。R&Bっぽい曲調で、サビではディオンヌのパワフルな歌唱が聴けます。

T-2. 「 ウィッシン・アンド・ホーピン 」 : ディオンヌがオリジナル。T-1. のカップリングでシングルリリースされました(SCEPTER 1247、B面)。こちらは若干チャーミング寄り。この曲はダスティ・スプリングフィールドをはじめ、カヴァーも多いです。

T-3. 「 ひとり泣く 」 : ディオンヌがオリジナル。ゆったりした6/8拍子のバラード。ディオンヌも曲調に合わせてしっとり歌っていますが、ちょっと固いかなぁ。

T-5. 「 メイク・ザ・ミュージック・プレイ 」 : ディオンヌがオリジナル。歌詞は “ Let the music play … ” で始まります。この曲、ドリフターズがその 「 LET THE MUSIC PLAY 」 というタイトルでシングル 「 オン・ブロードウェイ 」 のB面としてリリース。所有CDのライナーには、ドリフターズのそれは1963年1月にシングルカットされた…と書いてあります。これまでに他のアーティストに何度かカヴァーされていますが、曲名は全て 「 LET … 」 ですしねー。いったいどっちがオリジナルなんでしょう? なお、ディオンヌはこの曲を1963年6月にシングル 「 PLEASE MAKE HIM LOVE ME 」 のカップリングでリリースしています(SCEPTER 1253、B面)。

T-7. 「 ドント・メイク・ミー・オーヴァー 」 : ディオンヌがオリジナル。デビュー曲です。1962年10月にシングルリリースされました(SCEPTER 1239、B面)。セプターの社長がこの曲を気に入らずシングルB面としてリリースされたって話は、バカラック爺も自伝で書いてますね。ラジオ局のDJがB面をオンエアして全米21位に。パチパチ。あと、シングルのレーベル面にはバカラックの名前が Burt ではなく Bert と誤記されたってオマケも。証拠写真がコレ↓。
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左:シングルA面 「 I SMILED YESTERDAY 」 、右:B面 「 DON'T MAKE ME OVER 」

T-8. 「 恋を知って 」 : カヴァーです。オリジナルはシレルズ(1962年9月にシングルのB面としてリリース)。ゆったりしたバラード曲です。

T-10. 「 昨日のほほえみ 」 : ディオンヌがオリジナル。1962年10月にシングルリリースされました(SCEPTER 1239、A面)。前述したとおり、「 ドント・メイク・ミー・オーバー 」 のA面がこの曲だったんですね。゛ ズンチャチャ ” リズムのアップテンポな曲。変拍子もちょっぴりあってバカラックらしい曲だと思うんですけど、この曲はこれまで誰もカヴァーしてないみたいです。ラジオ局DJの目利き(耳利き?)力はやっぱスゴイんですねっ!

T-11. 「 涙でさようなら 」 : カヴァーです。オリジナルはジェリー・バトラー(1962年7月にシングルA面でリリース)。この曲はたくさんカヴァーされていますが、ディオンヌのカヴァーは至ってオーソドックスです。

T-12. 「 ザ・ラヴ・オブ・ア・ボーイ 」 : カヴァーです。オリジナルはティミ・ユーロ(1962年8月にシングルのA面としてリリース)。ゆったりした6/8拍子のバラードで、2分の小品。う~ん、メロディにバカラックっぽさがないです。

楽曲そのものに変拍子や転調、あっちこっち飛び跳ねるメロディ…といった後年みられるバカラックの特徴はあまり感じられません。また、アレンジ面でも楽器の使い方に特にユニークなところはありませんし。まだ1963年初頭、全体的にバカラック風味は控えめです。ディオンヌの歌唱力は流石ですが、ところどころ硬さが見られます。ここまで歌えれば、新人としては上出来なんでしょうけれど(^^)。


【データ】
『 PRESENTING DIONNE WARWICK 』 (邦題:プレゼンティング・ディオンヌ・ワーウィック)
Dionne Warwick

LP:1963年2月10日リリース (所有CDは、1995年リイシューの2 in 1)
レーベル:SCEPTER RECORDS (所有CDは、SEQUEL RECORDS (UK))
番号:SCEPTER 508 (所有CDは、NEM CD 760)

クレジットは詳細不明(T_T)

 

2016年1月 6日 (水)

biginnings... Greatest Hits and New Songs/Cilla Black (2003年)

英国の女性シンガー、シラ・ブラックが2003年にリリースしたアルバムです。バカラック書き下ろしの新作1曲とセルフ・カヴァー1曲を含み、計4曲のバカラック作品を収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^)
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全20トラック中、バカラック作品は4トラック

1. ANYONE WHO HAD A HEART (2:52)
5. BEGINNINGS (3:53)
14. ALFIE (2:39)
20. ANYONE WHO HAD A HEART (Late Night Version) (4:17)


英国の女性シンガー、シラ・ブラックが2003年にリリースしたアルバムです。1943年生まれなのでこの年ちょうど60歳。おぉっと、還暦の年ですね。“ Greatest Hits and New Songs ” のサブ・タイトルどおり、過去のヒット曲(9曲)と新たに録音した曲(11曲)、合わせて計20曲を収録しています。

バカラック作品のうち、T-1. 「 恋するハート 」 (1964年リリース)とT-14. 「 アルフィー 」 (1966年リリース)は過去の作品。前回記事で取りあげていますので、今回は割愛します。

T-5. 「 BIGINNINGS 」 は、バート・バカラック&ハル・デイヴィッドによる書き下ろしの新曲。アルバムのタイトルにもなっています。スローなバラード曲で、イントロ出だしは一瞬ジョージ・ベンソンやホイットニー・ヒューストンの 「 GREATEST LOVE OF ALL 」 を思わせます。メロディは2000年代のバカラック作品のいろんなエッセンスが感じられるもの。例えばトレインチャに書き下ろした2007年の 「 WHO'LL SPEAK FOR LOVE 」 によく似てるフレーズがあったりします。構成はけっこう複雑ですし、転調や変拍子ももちろん入ってます。また、サビの部分はオケも派手に鳴ってけっこう盛り上がります。
歌詞カードが付いてないので歌ってる内容はよくわからないのですが、バカラック&デイヴィッドからシラへの激励のように感じます。還暦は生まれた干支に戻る → 第二の人生の “ 始まり ” と日本では言いますが、シラが還暦を迎えたから付けた曲名なのかしらん。んなワケないか…^^;

T-20. 「 恋するハート 」 は、新録音でセルフ・カヴァーということになります。Late Night Version と但し書きが付いているように、テンポをぐっと落としてジャジーなアレンジ。バックはドラムス、ベース、フェンダー・ローズというトリオにバス・フルートが加わった編成。フェンダー・ローズの音色がもう夜の雰囲気です。シラの歌唱は、このアレンジに合ったしっとりとしたもの。若い頃のパワフルなT-1. 「 恋するハート 」 もいいですが、夜聴くならこちらのヴァージョンかなぁ。


【データ】
『 biginnings... Greatest Hits and New Songs 』
Cilla Black

CD:2003年8月12日リリース
レーベル:EMI Records (UK)
番号:7243 5 93182 2 6

Producer: Ted Carfrae
Production co-ordination by Robert Willis and Nick Fiveash
T-5. 「 BIGININGS 」
  Written by Burt Bacharach/Hal David
  Arrangement by David Arch
  Lead Vocal - Cilla Black
  Drums - Ralph Salmins
  Bass - Steve Pearce
  Piano/Keyboards - David Arch
  Rhythm and Acoustic Guitars - Fridrik 'Frizzy' Karlsson
  Rhythm Guitars - Mick Green
  Guitar Solo - Fridrik Karlsson
  Percussion/Vibes - Frank Ricotti
  1st Violins (6), 2nd Violins (4), Violas (4), Celli (2), Horns (3)
  Background Vocals - Mae McKenna, Mary Carewe

T-20. 「 恋するハート 」
  Arrangement by David Arch and Pete Murray
  Lead Vocal - Cilla Black
  Drums - Ralph Salmins
  Bass - Steve Pearce
  Fender Rhodes - Pete Murray
  Bass Flute Solo - Paul Fawcus
  Background Vocals - Mae McKenna, Mary Carewe, Lance Ellington, Ian Roylance

2016年1月 3日 (日)

COMPLETELY CILLA: 1963-1973/Cilla Black (2012年)

英女性ポップ・シンガー、シラ・ブラックの1963年~1973年のコンプリート集です。バカラック作品を9曲収録するとともに、映像でも3曲を収録。

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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CD  5枚全139トラック中、バカラック作品は9トラック
DVD  1枚全25トラック中、バカラック作品は3トラック

CD1-4. ANYONE WHO HAD A HEART (2:47)
CD1-7. THIS EMPTY PLACE (2:42)
CD1-18. BABY IT'S YOU (2:44)
CD2-10. MAKE IT EASY ON YOURSELF (3:04)
CD2-14. ALFIE (2:37)
CD3-1. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE (3:09)
CD3-28. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART) (3:24)
CD4-13. THE APRIL FOOLS (2:42)
CD5-1. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU (3:38)
DVD-7. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART) (3:27)
DVD-10. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU (4:00)
DVD-12. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE (3:10)


英女性ポップ・シンガー、シラ・ブラックの1963年~1973年(デビュー時から在籍したパーロフォン・レーベル時代)のコンプリート集です。6枚組(CD 5枚+DVD 1枚)で、2012年にリリースされました。

Wiki他によると、シラ・ブラックは1943年生まれ。本名をプリシラ・マリア・ベロニカ・ホワイトというそう。かつてビートルズがレギュラーで出演していたリヴァプールのキャヴァーン・クラブのスタッフとして働いていたところ、ビートルズに才能を見出され、ビートルズのマネージャーのブライアン・エプスタインに紹介されました。その後エプスタインのつてでジョージ・マーティンに引き合わされ、ビートルズと同じレーベルのパーロフォンと契約します。

1963年9月にレノン=マッカートニー作の 「 Love of the Loved 」 でデビューを果たし、セカンド・シングルではディオンヌ・ワーウィックの 「 恋するハート 」 をカヴァーするとこれが60年代のイギリスの女性アーティストでは最大のヒットとなり、以後もヒット・シングルを量産しました。その後もテレビのパーソナリティとしても幅広く活躍していましたが、昨年(2015年)8月に他界。享年72歳でした、合掌。

シラのアルバムは一部しかCD化されていません。ですので、ひとつのレーベルだけとはいえ、シングルやオリジナル・アルバムのみならず後に発掘された音源までコンプリートで収録された本作は、実に貴重です。しかもべらぼうに安いし(私は3,829円で新品を購入)。

R86573914156243826819jpegR86573914156243847610jpeg前述したとおり、CD1-4. 「 恋するハート 」 はシラのセカンド・シングル。(R5101 on 31 Jan 1964)
自伝でバカラック爺はこう語っています。 ─ 当時は経緯をまったく知らなかったのだが、ビートルズのマネージャーを務めるブライアン・エプスタインがニューヨーク滞在中にディオンヌの 「 恋するハート 」 を買い、ロンドンに持ち帰った。彼からレコードをもらったジョージ・マーチンは、シャーリー・バッシーにうたわせたらぴったりだと考えたが、けっきょくはシラ・ブラックとアビイ・ロード・スタジオでレコーディングした。そのヴァージョンはイギリスでヒットを記録し、おかげでディオンヌはすっかりつむじを曲げてしまった。 ─
時系列で並べてみると以下のようになります。
  1963年11月  ディオンヌ: シングル 「 恋するハート 」 をリリース
  1964年 1月  ディオンヌ: 「 恋するハート 」 全米8位
  1964年 1月10&15日 シラ: 「 恋するハート 」 をレコーディング
  1964年 1月31日  シラ: シングル 「 恋するハート 」 をリリース
  1964年 2月  ディオンヌ: シングル 「 恋するハート 」 を英国でリリース
シラの曲は全英28位からどんどん上昇。2月29日に1位となり三週間その座をキープします。一方、ディオンヌのシングルは初登場時全英42位だったものの、シラに頭を抑えられた形でそれ以上にはならず…。件の自伝では、エルビス・コステロが当時の事情(アメリカとイギリスでは発売日にタイムラグがあり、アメリカでヒットした曲をピックアップしてイギリスでリリースすることがよくあった)を語り、シラを庇っていますね。
シラのヴァージョンは確かにディオンヌ版をコピーしたアレンジですが、サビでのパワフルな歌唱、ちょっと怪しげな女性バックコーラス、間奏のメロディをサックスではなくオーボエ&ファゴットが吹くそのクラシカルなムード…など、真似しただけとは言わせない仕上がりだと思います。

R29588011309180961jpegR29588011309180971jpegCD1-7. 「 ディス・エンプティ・プレイス 」 と、CD1-18. 「 ベイビー・イッツ・ユー 」 は、1965年リリースのアルバム 『 Cilla 』 に収録。(STEREO:PCS 3063/MONO:PMC 1243)
「 ディス・エンプティ・プレイス 」 はディオンヌがオリジナル(1963年2月)。シラのカヴァーは、これこそディオンヌ版の完コピカヴァーといった感じです。「 ベイビー・イッツ・ユー 」 はシレルズがオリジナル(1961年12月)ですが、ギターのリフやベースの動きを聴くとシラのカヴァーはビートルズ版(1963年)の方に近いです。やはり、ビートルズゆかりのアビイ・ロード・スタジオでレコーディングしてるだけのことはありますね(^^)

R200068714349986364444jpegR200068714349986437945jpegCD2-10. 「 メイク・イット・イージー・オン・ユアセルフ 」 は、1966年4月リリースのアルバム 『 Cilla sings a Rainbow 』
に収録。(STEREO:PCS 7004/MONO:PMC 7004)
この曲はジェリー・バトラーがオリジナル(1962年7月)。シラのカヴァーは、伴奏のオブリガートが違っていたりエンディングで更にサビを繰り返すなど独自の工夫を施してはいますが、オリジナルやディオンヌ版と同じリズム/テンポ/雰囲気のアレンジです。


R6328471315244738jpegImg109ddCD2-14. 「 アルフィー 」 は、英映画 『 アルフィー 』 の主題歌(スコアはソニー・ロリンズが担当)。映画では、エンディングで流れます。シングルは1966年3月25日に英国でリリース(R5427)され全英9位を記録。この曲、ベスト盤には入っていても、シラのオリジナル・アルバムには未収録のようですね。なお、シラがこの曲のオリジネーターなんですが、映画の米公開時にはシェールのヴァージョンに差し替えられました。
1966年2月22日、アビイ・ロード・スタジオでのレコーディングはもはや伝説となっていますね。バカラックがピアノを弾きオーケストラを指揮しているレコーディング風景はYouTubeで観ることができますし、バカラック自伝でもバカラックはオファーを受けてからレコーディングの様子までを語っています。
本アルバムのライナーには、レコーディングのリハーサル風景の写真が載っていました。シングル盤の右の写真がそれで、バカラック/プロデューサーのジョージ・マーチン/シラの3人が写ってます。

R166449114388561443720jpegR166449114388561494977jpegCD3-1. 「 世界は愛を求めてる 」 は、1968年リリースのアルバム 『 Sher-oo! 』 に収録。(PCS 7041)
この曲はジャッキー・デシャノンがオリジナル(1965年4月)。シラのカヴァーは、ジャッキー版と同様軽いジャズ・ワルツでテンポも同じ♩≒108なんですが、イントロやエンディングでトランペットが吹く三連符のオブリガートがとても独創的で強く印象に残ります(曲の途中、サビでストリングスも弾いてます)。
編曲は Mike Vickers という方。マンフレッド・マンのギタリスト(フルート、サックス奏者でもある)だった方で、1967年~1971年の間、シラの曲の多くをアレンジしています。彼は本アルバムのライナーにコメントを寄せていまして、この曲についても言及しています。その一部をご紹介します。 ─ シラの 「 世界は愛を求めてる 」 は私のお気に入りのひとつと言っていいでしょう。リファレンスはジャッキーのヴァージョン。形式的には非常に似ていますが、それは曲の構成面でのことで、私はあちこちでフレーズを変えました。少し違った何かをやってみたかったんですね。それはつまりカウンターメロディ(訳者注:対旋律のことでオブリガートと同義)のことで、冒頭いきなり金管楽器により登場します。私が編み出したこの小さなモチーフは、再びストリングスの高音で奏でられます。確かに私はオリジナルのパーツを交換しましたが、この程度のことでオリジナルの存在が揺らぐものではありません。特にバカラックのカヴァーであれば。 ─ 超意訳ですが大意は合ってると思います。アレンジャーにとっても印象に残っている曲なんですねー。
その反面、シラの歌唱は無難な感じでジャッキーほどは琴線に響きません。ジャッキー版に慣れたせいかもしれませんが…。

R236305913634026219673jpegR236305913634026373211jpegCD3-28. 「 ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・ヘヴン 」 は、1969年リリースのアルバム 『 Surround Yourself With Cilla 』 に収録。(STEREO:PCS 7079/MONO:PMC 7079)
この曲はディオンヌがオリジナル(1964年7月)。シラのカヴァーは、ディオンヌ版に似た雰囲気ではあるんですが若干ゆったり目のテンポで意外にもドリーミーな仕上がり。編曲はこれまた Mike Vickers の手によるもので、特に金管のソフトな和音が私的には好みです。また、シラも持ち前のパワフルさを封印してうま~く肩の力を抜いて歌っています。裏声を有効に使うなどドリーミーなシラを聴くことができます。

R29575451309127213jpegR29575451309127222jpegCD4-13. 「 幸せはパリで 」 は、1970年リリースのアルバム 『 Sweet Inspiration 』 に収録。(PCS 7103)
この曲もディオンヌがオリジナル(1969年5月)。シラのカヴァーは、オリジナルと同じリズム/テンポ/雰囲気のアレンジですが、管楽器の活躍が目立ち、サビの部分のオーケストラも分厚い感じです。クレジットを確認しましたら、編曲はなんとプロデューサーのジョージ・マーチン御大ではありませんか。『 Sweet Inspiration 』 の13曲中、御大がアレンジしたのはこの曲だけ。シラの歌唱はディオンヌほどではありませんが、表現力もありこの曲に十分マッチしていると思います。

R20651031285363003jpegCD5-1. 「 遥かなる影 」 は、1971年リリースのアルバム 『 Images 』 に収録。(PCS 7128)
カーペンターズがヒットさせた後ということで、カーペンターズ版をベースとしたカヴァーです。編曲は Mike Vickers。コピーというわけではなく、ギターやキーボードのオブリガートだったり弦(特にコントラバス)の動きなどには独自の色を出していますし、サビの後の特徴的な5連符も外してます。シラも曲の雰囲気に合わせてソフトに落ち着いて(地味に?)歌っています。



DVDの1枚は、“ LIVE AT THE BBC ” というタイトルが付いたもので、1968年~1977年にBBCで放送されたTV番組の中からチョイスした映像が収録されています。リージョン0でNTSC仕様ですから、日本のDVDプレーヤーで問題なく再生できます。バカラック・カヴァー3作品のみ、キャプチャー画像2枚ずつを添えて簡単に紹介します。

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DVD-7. 「 ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・ヘヴン 」 は、『 the BBC TV Show 'Cilla' - Series 2 』 からで、1969年2月19日に放送されたもの。見ての通りモノクロです。バックはアルバムと全く同じアレンジ。てっきり口パクかと思ったら、そうではありませんでした。だってシラ姐さん、イントロで “ラララ… ” と歌ったところまでは良かったんですが、Aメロを1小節早く歌い出してしまったんですもん。でも、何事もなかったように復帰しました。サスガです

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DVD-10. 「 遥かなる影 」 は、『 the BBC TV Show 'Cilla' - Series 5 』 からで、1971年11月20日に放送されたもの。カラー番組にステップアップしています。シラはマイク持ってませんから、口パクです。でも、バックの演奏はアルバムとは微妙に違うので、それ用に録ったんでしょうか。それよりも、赤白のボーダーを着て無言で変な動きをする10人のお姉さん&お兄さん達が気になって仕方ありません(笑)。

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DVD-12. 「 世界は愛を求めてる 」 は、「 遥かなる影 」 と同じく 『 the BBC TV Show 'Cilla' - Series 5 』 からで、1971年11月27日に放送されたもの。これはアルバム音源の口パクと思われます。映像は、スタジオで歌ってる場面と湖畔みたいなところで若者とシラがキャンプしている場面が交互に出てきます。キャンプの映像、要るんでしょーか?

以上3曲の映像は、すべてYouTubeにもアップされていました。興味がお有りの方は検索してご覧になってください。


【データ】
『 COMPLETELY CILLA: 1963-1973 』
Cilla Black

CD:2012年4月22日リリース
レーベル:Parlophone (UK)
番号:50999 6 02832 2 1

Executive Producer: Robert Willis for Cilla Black Ltd

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