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2016年3月 2日 (水)

CASINO ROYALE/O.S.T. (1967年)

引退した元007がカムバックするパロディ映画 『 007 カジノ・ロワイヤル 』 のサウンド・トラックです。バカラックが全編書き下ろし!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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Original LP front cover/back cover

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所有CD① ジャケット表/ケース裏

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所有CD② ジャケット表/ケース裏

1. CASINO ROYALE THEME (Main Title) ~ Herb Alpert & The Tijuana Brass ~
2. THE LOOK OF LOVE (Vocal) ~ Dusty Springfield ~
3. MONEY PENNY GOES FOR BROKE
   (Money Penny's Bedroom)
4. LE CHIFFRE'S TORTURE OF THE MIND
   (Peter's Torture Sequence)
5. HOME JAMES, DON'T SPARE THE HORSES
   (Berlin House Fight)
6. SIR JAMES' TRIP TO FIND MATA
   (Grouse Hunt into Temple)
7. THE LOOK OF LOVE (Instrumental)
   (Ursula Entrace into Buckingham Club)
8. HI THERE MISS GOODTHIGHS
9. LITTLE FRENCH BOY
10. FLYING SAUCER-FIRST STOP BERLIN
11. THE VENERABLE SIR JAMES BOND
    (Converging Cars)
12. DREAM ON JAMES, YOU'RE WINNING
    (Peter's Dream Sequence)
13. THE BIG COWBOYS AND INDIANS FIGHT AT CASINO ROYALE / CASINO ROYALE THEME ~ Herb Alpert & The Tijuana Brass ~

収録時間約34分


引退した元007がカムバックするパロディ映画 『 007 カジノ・ロワイヤル 』 (1967年4月公開、英国) のサウンド・トラックです。

─ ジェイムズ・ボンド・シリーズのうち、長編第一作の映画化権だけはチャーリー・フェルドマンが所有していたが、それ以外のボンド映画を作っていたプロデューサーたちと話がまとまらなかったため、彼は 『 カジノ・ロワイヤル 』 をパロディ的なコメディにしてしまうことにした。わたしは彼に映画のスコアを受け持ち、ハルと新曲を何曲か書いてほしいと頼まれた。 ─ (バカラック自伝より)

バカラックは1967年1月15日にロンドンへ飛び、編集が終わったフィルムを観ながら作業開始。しかし、映画の監督たちは5人全員すでに現場を後にしていて、どこに音楽を入れたらいいか指示してくれる人なんて居ません。バカラックはこの映画が何を言いたいかさっぱりわからず作業は難航。昼と夜もわからなくなり大量の睡眠薬のお世話になりつつなんとかスコアを書き上げレコーディングしたんだそうです。

でも、このサントラを聴いてもそんな苦労したなんて微塵も感じられません。プロですねぇ、さすがです。

T-1. 「 メインタイトル 」 は、本家の007シリーズでは有名な 「 ジェームズ・ボンドのテーマ 」 に相当する訳ですが、それとは対極にあるオトボケでコミカルな曲。この映画のトーンを見事に表現していると思います。自伝によると、ハル・デイヴィッドとバカラックはこの曲を当初 Johnny Rivers(ジョニー・リヴァース)に歌って欲しかったそうです。しかし、ジョニーはこの曲を気に入らず白紙に。そこに現れたのがハーブ・アルパート。バカラックがジョニー用につくったオケに、ハーブは自分のトランペットとティファナ・ブラスの演奏を乗せてレコーディング。そんな裏話があったとは!? 怪我の功名の良い例ですね~。

T-2. 「 恋のおもかげ 」 は、ダスティ・スプリングフィールドのちょっとハスキーで脱力した感じの歌声が印象的な、この映画の愛のテーマ。映画では、ウルスラ・アンドレスが登場するシーンで流れます。自伝によれば、もともとバカラックはこの曲をインストゥルメンタルのつもりで書いたそう。ハルがそのメロディに歌詞をつけたので、ダスティ・スプリングフィールドをスタジオに呼んでレコーディングしたんだとか。

2016年2月7日のサンデー・ソングブックで、007の主題歌で好きな曲があればお願いします…というリクエストに山下達郎さんはこう答えておられます。 ─ 007の主題歌はいいものが沢山ありますが、一番いいのはやっぱり 『 カジノ・ロワイヤル 』 の 「 THE LOOK OF LOVE 」 です。が、それじゃ面白くないんで、今日は、『 二度死ぬ 』 の NANCY SINATRA 「 YOU ONLY LIVE TWICE 」。 ─  達郎さん素直じゃないなぁ(笑)。いずれにせよ、ハルが歌詞を書かなかったら達郎さんのこんなコメントも無かったワケですね。

T-7. 「 恋のおもかげ 」 はインスト版。キーはCmで、サックスがメロディを奏でます。アウトロに入るところで転調してキーは半音UPのC#mになるのですが、このC#mはT-2. のダスティ版と同じキーなんですね。ダスティ版はアウトロで転調せず最後までC#mのまま。こうやってインスト版とダスティ版を聴き比べてましたら、妙なことに気が付きました。ダスティ版は、アウトロに入るとそれまで左で聴こえてたギロが中央から聴こえるんです(ベースやドラムスも同様)。また、ギロの刻み方も、アウトロに入る前と後で違っています。なぁんか不自然じゃありませんか? 確認した内容をまとめたのが以下の表です。
Photo_5 Photo_6
何回も繰り返し聴いて、「 ダスティ版のアウトロはインスト版のアウトロと全く同一の演奏である 」 との結論に達しました。インスト版ではアウトロに入る前後での不自然さはありませんから、インスト版のアウトロをダスティ版にひっつけたのではないかと。ファンの方はとっくの昔に気づいておられて、私が気付くのが遅すぎたのでしょうけれど…^^;。

その他の曲(いわゆる劇伴曲)も、映画の場面に合わせてクラシカル、マーチ風、バグ・パイプを用いたスコットランド音楽風、インディアン風、スウィンギーなもの…などなど、まるで音楽の見本市のよう。しかもコミカルでとぼけた味わい。聴いてて楽しい! T-5. 「 ジェームズ、我が家へ急げ 」 の途中から流れるアップテンポのズッコケ調メロディは、のちに 「 ボンド・ストリート 」 という名前が付けられてバカラック自身がセルフ・カヴァーするとともに、特に日本のミュージシャンたちにカヴァーされました。

ちなみに、私はこのアルバムのCDを2種類所有しています。
CD①は、初めてCD化されたVARESE SARABANDE盤の日本盤です。日本語ライナーは関光夫さん。
CD②は、2011年にリイシューされた完全盤と称する盤で、Film Presentation 全17曲と、Original LP Presentation 全13曲が1枚に収められています。Film Presentation は、「 AGENT MIMI 」 と 「 THE INDIAN TEMPLE 」 を加え、エンドタイトルを映画(DVD)から収録した歌入りのものに置き換え、リマスタリングしたもの。でも、ノーマルの盤で十分楽しめます。

ついでに、日本公開当時の映画パンフとみられる画像を置いておきます。
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【データ】
『 CASINO ROYALE 』 (邦題:007 カジノ・ロワイヤル)
O.S.T.

LP:1967年4月リリース (所有CD①:1990年10月21日リリースの日本盤、CD②:2011年1月29日リリースのUS盤)
レーベル:Colgems (所有CD①:SLC、CD②:KRITZERLAND)
番号:COSO-5005 (所有CD①:SLCS-7016、CD②:KR 20017-6)

Music composed & conducted by Burt Bacharach
T-2. Lyric: Hal David
Recording Produced by Phil Ramone
Recording Engineer: Jack Clegg
Recording in London, England

↓ 左:所有CD①のUS盤、 右:所有CD②

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コメント

バカラックも好きでしたが007も好きだった私は
深夜テレビでカジノ・ロワイヤルの映画を初めて見た時はショックでしたね
「007の主題歌がこんなマヌケでいいのか?」って・・
ビジュアルもへんてこりんだし
ハーブ・アルパートといえば妻のラニ・ホールは「ネバーセイ・ネバーアゲイン」の主題歌歌ってますが
この曲ハーブは参加してるんでしたっけ?
もし参加してるなら「本家イオンプロ以外の007両方に唯一関わった人」になりますが
本家の「私を愛したスパイ」の「ジェームス・ボンド77」って曲の間奏の
軽快なトランペット・ソロがなんともハーブ・アルパートっぽいんですよね・・
これもハーブなら凄いんですがご存知ですか?

しっぽださん、こんにちは!
コメントありがとうございます。

この映画、私は大人になってからレンタル・ビデオで観たクチです。予備知識ありましたから幸いショックは受けませんでした(笑)。

3枚所有しているラニ・ホールのアルバムの中に 「 ネバー・セイ・ネバー・アゲイン 」 も入ってまして。
CDのライナーにこう書いてあります。

─ オスカー賞も受賞しているミッシェル・ルグランとアラン&マリリン・バーグマンの作になるこの曲は、ボンドの映画から連想されるセクシーな雰囲気をよく伝えている。このシングルによって、ホールはかつてのボス、セルジオ・メンデスと再び一緒に仕事をすることになる訳で、この曲は、アルパートとメンデスの共同プロデュースによるものである。 ─

アルパートが参加してたら間奏でちょろっとでもソロ吹きそうですけど、それらしいトランペットは聴こえませんから吹いてなさそう。
いずれにせよ、アルパートが関わってることは間違いないです!

ラニ・ホールを知ったのは1980年ころ。当時の曲で、FMで流れた 「 I DON'T WANT YOU TO GO(夢は消えても) 」 を聴いて一発で好きになりました。微かにビブラートがかった愁いを帯びた歌声がもう好きで。特に、1972年のソロ・デビュー・アルバム 『 Sundown Lady(サンダウン・レディ) 』 に入ってる 「 VINCENT(ヴィンセント) 」 は素晴らしい!

『 私を愛したスパイ 』 の方は全くわかりません~^^;。

ちなみに「カジノ・ロワイヤル」テーマ曲は筋肉少女帯がカバーしてます。
それもOP版ではなくED版、その前の天国シーンの歌もカバーというか
替え歌にしてメドレーにして歌ってます。「猫のテブクロ」というアルバムです
90年代は渋谷系と筋少ばっか聴いてました・・

しっぽださん、こんばんは!

「 Go! Go! Go! Hiking Bus ~CASINO ROYALE~ 」 ですよね。
そのアルバムからは、この曲だけMP3をダウンロードして持ってます。
でも、今回あらためて聴いてみましたが、けっこう凝ったカヴァーですよね!

そして、「 Picnic at fire mountain ~DREAM ON JAMES, YOU'RE WINNING~ 」 は
全く知りませんでした。ありがとうございました!

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