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2016年3月13日 (日)

THE WINDOWS OF THE WORLD/Dionne Warwick (1967年)

ディオンヌ・ワーウィックの8作目のスタジオ録音アルバムです。バカラック作品を6曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいきませんが^^;)
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Original LP front cover/back cover

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所有CD① ジャケット表/ケース裏

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所有CD② ジャケット表/ジャケット裏

全10トラック中、バカラック作品は6トラック

1. I SAY A LITTLE PRAYER
2. WALK LITTLE DOLLY
3. THE BEGINNING OF LONELINESS
4. ANOTHER NIGHT
5. THE WINDOWS OF THE WORLD
6. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
7. SOMEWHERE
8. YOU'RE GONNA HEAR FROM ME
9. L.O.V.E (LOVE)
10. WHAT'S GOOD ABOUT GOODBYE

所要時間約33分


ディオンヌ・ワーウィックの8作目のスタジオ録音アルバムです。1967年8月リリース。全米22位と、そこそこヒットしたようです。

本作に先立ち、1967年5月に7作目 『 ON STAGE AND IN THE MOVIES 』 をリリース。バカラック&ハル・デイヴィッドによるプロデュースで、アレンジもバカラックが手がけているのですが、バカラック作品は未収録ですので拙ブログではスルーしました。

さて本作。鮮やかな衣装を身に纏ったディオンヌが印象的なジャケットは、これまでの彼女のアルバムにはないセンスを感じます。ってゆーか、写真がいいですよね。Discogs というレコード検索サイトで本作を調べたら、Photography By Stan Papich と載っていました。ディオンヌの他のアルバムを調べてもジャケット写真を誰が撮ったかなんて載ってないのに…。有名な写真家なのかしらん?

バカラック作品は6曲。カヴァーは1曲だけで、5曲がディオンヌへの書き下ろし曲でございます。6作目とは逆ですね。

T-1. 「 小さな願い(あなたに祈りをこめて) 」 : ディオンヌがオリジナル。本アルバムが世に出た後の1967年10月にシングルリリースされました(SCE 12203、A面)。この曲は全米4位になるのですが、シングルB面の 「 (THEME FROM) THE VALLEY OF THE DOLLS (哀愁の花びらのテーマ) 」 がチャート上では上回って全米2位となりました。いわゆる両面ヒットってヤツです。ディオンヌやセプターレコードは喜んだでしょうが、哀愁の~は自分の作曲じゃないので(プロデュースはハルとともに担当)バカラックは複雑な気分だったのではないかと推察します。
この曲のイントロ、♩≒146というアップテンポのズンチャチャリズムに乗って明るい女性コーラスと軽い音色のトランペットが聴こえてくると、いつも私はウキウキした気分になります。日常のいろんな場面でささやかに祈るの…という歌詞のAメロでは感情を内に秘め、いつまでもあなたを愛しているの…と歌うサビでは聴く人の心に訴えかけてきます。Aメロにせよサビにせよ、変拍子を入れているにもかかわらずそれとあまり感じさせない巧みなメロディ。ハル・デイヴィッドの歌詞、バカラックの高度な曲作り&アレンジ、ディオンヌの起伏に富んだ歌唱が見事に融合していて、実に素晴らしいっ! 「 小さな願い 」 はバカラック作品のなかで個人的に一番好きな曲なのですが、あまたあるこの曲のバージョンのなかでもディオンヌ版は私的ベスト3に入ります。
─  「 小さな願い 」 を録り終えたときも、わたしはやはりテンポを速くしすぎたせいでこの曲を台無しにしたと思いこみ、全力でシングル化を阻止しようとした。だがレコード・ビジネスの素晴らしさは、わたしの判断がまるでまちがっていたりすることだ。国中のDJがかけはじめたおかげで、この曲はチャートの4位まで上昇し、最終的にはハルとわたしがディオンヌのために書いた曲の中で、最大のヒットを記録した。 ─  (バカラック自伝より)
─  僕は出したくなかったんだ。アレンジも僕が手掛けたんだけど、まだリリースする段階じゃないと思っていた。テンポも速すぎたしね。でもレコード会社が出しちゃった。それがヒットしたんだ。それをアレサがカヴァーした。アレサ・フランクリンのはすごくよかった。僕のよりずっとね。今や僕のお気に入りのひとつだ。 ─  (2015年ロンドンでのライブで)
同じ趣旨のことをバカラックはこれまで幾度となくコメントしています。調べてみますと、レコーディング日は1966年4月9日。てことは、1年4か月はリリースを阻止出来ていたんですね。もともと、ハルの歌詞はヴェトナム戦争に赴いた彼のことを想う女性の心情を描いたもの。いくぶん政治的な匂いも感じます。バカラックは、ヴェトナム戦争に対する合衆国内の雰囲気を考慮して、まだ時期じゃない…テンポが速すぎた…などと思ったのでしょうか。
確かにリズムはもう少し落としてもいいと思います。でも、全然 “ 小さな ” 願いに聴こえないアレサ版よりも、私はディオンヌ版に軍配を上げますねー。

T-2. 「 ウォーク・リトル・ドゥリー 」 : ディオンヌがオリジナル。T-5. 「 世界の窓と窓 」 のカップリング曲でした(SCE 12196、B面)。サビで始まる3拍子の変な曲。サビで始まる…と書きましたが、ホントにそれがサビなのかよくわからないどんどん展開していくメロディ。コード進行も極めてアンユージュアル。間奏にはところどころ4拍子が挟まっているし。ホントに変な曲だこと…。この曲のカヴァー、私は聴いたことありません。

T-3. 「 ザ・ビギニング・オブ・ロンリネス(孤独を知って) 」 : ディオンヌがオリジナル。1967年3月にシングルリリースされ(SCE 12187、A面)、全米79位の小ヒットを記録しました。スローミディアムの4拍子の曲です。音域が広いディオンヌだからあっさりと歌っているように聴こえますが、なかなか高低差のある小難しいメロディ。『 HERE WHERE THERE IS LOVE 』 の記事でも触れたように、シングルB面の 「 アルフィー 」 の方がヒットしました。まぁ、私がDJだったとしてもやっぱりB面を掛けますね~^^; この曲のカヴァーも、私は聴いたことございません。

T-4. 「 アナザー・ナイト 」 : ディオンヌがオリジナル。1966年12月にシングルリリースされ(SCE 12181、A面)、全米49位を記録しました。アップテンポの4拍子で、ラテンなズンチャチャリズムの軽い楽しい曲。なんですが、こんな曲でもチョロッと変拍子(2拍子)を挟んでくるんです、バカラックという人は! カヴァーで聴いたことがあるのはダスティ・スプリングフィールド版だけですが、ディオンヌ版のほぼコピーでした。

T-5. 「 世界の窓と窓(世界の窓に光を) 」 : ディオンヌがオリジナル。1967年7月にシングルリリースされ(SCE 12196、A面)、全米32位の中ヒット?となりました。♩≒94 のミディアムテンポで、変拍子もなくしっとりしたメロディがとても美しい曲です。この曲は詞先で作られたのですが、バカラックは自伝で次のように後悔しておいでです。 ─  この曲はディオンヌがシングル用にレコーディングしたのだが、わたしのせいで台無しになってしまう。ひどいアレンジを書き、テンポも速くしすぎたのだ。せっかくのいい曲をあんなふうにしてしまったことを、わたしは心から悔やんでいる。 ─  えーっ(@_@)、「 小さな願い 」 と同じこと言ってる。私は全然速いと思わないんですけどね。この曲のカヴァーはけっこうあって、しかも個性的な解釈が多いので楽しめます。

T-6. 「 愛の思い出(オールウェイズ・サムシング・ゼア・トゥ・リマインド・ミー) 」 : カヴァーです。オリジナルはルー・ジョンソン(1964年8月にシングルA面でリリース、全米49位)ですが、サンディ・ショウのカヴァー(全英1位)の方が有名です。ディオンヌ版は、1年後の1968年8月に、シングル 「 WHO IS GONNA LOVE ME 」 のカップリング曲となり(SCE12226、B面)、チャートイン(全米65位)しました。ディオンヌ版は、ルー・ジョンソン版やサンディ・ショウ版に似たアレンジ&曲調。この曲もカヴァー多いですねー。

バカラック作品以外では、ピンク・パンサー風アレンジのT-7. 「 サムホエア 」 が面白いです。アレンジはピーター・マッツ。『 ON THE FLIP SIDE 』 でもアレンジを担当してた方です。

好印象のジャケットとともに記憶に残るアルバムです。


【データ】
『 THE WINDOWS OF THE WORLD 』 (邦題:ザ・ウィンドウズ・オブ・ザ・ワールド)
Dionne Warwick

LP:1967年8月31日リリース (所有CD①:1994年リイシューのベネルクス盤、所有CD②:2014年リイシューのEU盤)
レーベル:SCEPTER RECORDS (所有CD①:DISKY、所有CD②:Edsl/Rhino)
番号:SCEPTER 563 (所有CD①:DCD 5400、所有CD②:EDSX 3017)

Produced by Burt Bacharach and Hal David
Arranged by Burt Bacarach (T-1~6.)、Peter Matz (T-7,8,10.)、O.B. Masingill (T-9.)
Art Direction, Design [Cover] : Burt Goldblatt
Photography By : Stan Papich

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