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2016年5月

2016年5月29日 (日)

WOMAN/Burt Bacharach (1979年)

バート・バカラック、A&Mでの6作目となるアルバムです。

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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Original LP front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏

1. SUMMER OF '77
2. WOMAN
3. RIVERBOAT  F
4. MAGDALENA
5. NEW YORK LADY
6. THERE IS TIME  F
7. THE DANCING FOOL
8. I LIVE IN THE WOODS  F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Famale-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約43分


バート・バカラックがA&Mとアーティスト契約して自身名義でリリースした6作目のスタジオ録音アルバムです。1979年6月リリース。

これまではジャケットでダンディなお姿を惜しげもなく披露していたバカラック御大、本アルバムではジャケット裏に小さく写ってるのみです。一体どうしちゃったんでしょうか? 前作 『 FUTURES 』 で私がジャケット写真にいちゃもんを付けたからイジケたのかしらん(笑)。

鏡に映ったちょっとミステリアスな雰囲気の女性。大きな “ WOMAN ” とは対照的に目立たなく記された “ BURT BACHARACH AND THE HOUSTON SYMPHONY ” の文字。映画のサントラかイージーリスニングのアルバム然としたこのジャケット、どーみてもバート・バカラックのアルバムとは思えません。ジャケットだけではなく、残念ながら中身もそういう代物でございました。

R643089114190508106656jpegR643089114190508622877jpeg_2ヒューストン交響楽団の本拠地、テキサス州ヒューストンのジョーンズ・ホールのステージでのライヴ録音。クレジットにもあるように、ヒューストン交響楽団にバンド、バックコーラスを加えた編成。レコーディング時間はたったの4時間だったそう。LPのインナー・スリーヴの表裏にはそのレコーディング風景の写真がたくさんちりばめられていました(左画像2枚)。これらは、所有CDでもジャケットを開いた内側に再現されています。

収録されている8曲はすべて未発表曲。つまり、他アーティストへ提供した曲のセルフ・カヴァーはゼロ。メイン・ボーカル入りの曲が3曲あり、それぞれのボーカリストとの共作となっています。T-3. 「 リヴァーボート 」 (B. Bacharach - L. Titus) のメイン・ボーカルは、リビー・タイタス。弱々しいメロディは、リビー・タイタスの歌唱とともに全く印象に残りません。T-6. 「 ゼア・イズ・タイム 」 (B. Bacharach - S. Stevens) は、前半は映画音楽のようなインストもので、後半はピアノ伴奏でサリー・スティーヴンスが歌います。これも印象に残りません。T-8. 「 アイ・リヴ・イン・ザ・ウッズ 」 (B. Bacharach - C. Simon - L. Titus) は、あのカーリー・サイモンがメイン・ボーカルを担当。これまた変なメロディ。これら3曲、メロディに全く魅力が感じられません。

残りの5曲はインスト物。映画の中のなくてもいいようなBGMと言ってもいいし、クラシックの組曲崩れと言ってもいいし、出来の悪いフュージョンと言ってもいいし、そんな印象を受けます。バカラックらしく変拍子は随所にでてくるのですが、とってつけたような無理やり感がありあり。曲を魅力的にするスパイスにはとても成り得ていません。

なお、インスト物5曲のうち、T-7. 「 ダンシング・フール 」 だけは、Anthony Newley(アンソニー・ニューリー)との共作曲。バカラック自伝で知ったのですが、当時、バカラックはニューリーと一緒にジョイント・ツアーをやっていたそう。ニューリーは、レスリー・ブリカッセとのコンビでミュージカル曲を多く手掛けた方で、映画 『 007/ゴールドフィンガー 』 でシャーリー・バッシーが歌った主題歌の作詞者として知られています。でも、この 「 ダンシング・フール 」 は駄作だと思います…。

自伝では、本アルバムに触れている箇所もあります。アルバムの簡単な紹介に続けて、バカラックはこう語っています。 ─  あのレコードを作ってから2か月というもの、わたしは毎晩、おなじ夢を見つづけた。曲が完成しないまま、時間が刻々とすぎていく夢で、わたしは何度もパニック状態で目を覚ました。肝心のアルバムは、非常に高くついた失敗作に終わった。 ─

2か月も悪夢が続いたなんて…。もうどん底ですねー。このまま引退してしまってもおかしくなかったバカラックは、1980年代に入り復調していきます。それはまた次回以降のお話ということで。


データ】
『 WOMAN 』 (邦題:ウーマン)
Burt Bacharach and The Houston Symphony

LP:1979年6月リリース (所有CDは、1996年7月10日リイシューの日本盤。解説は渚十吾氏)
レーベル:A&M (所有CDは、ポリドール)
番号:SP 3709 (所有CDは、POCM-2056)

Music Composed, Arranged and Conducted by Burt Bacharach
Produced by Michael Woodcock and Armin Steiner
Musicians:
  The Houston Symphony Orchestra
  Concertmaster - Ronald Patterson
Guest Instrumentalists:
  Mayuto Correa - Percussion
  Robben Ford - Guitar
  Arthur Munson - Guitar
  Richard Greene - Electric Violin
  Erno Neufeld - Solo Violin (T-6.)
  Milcho Levien - Keyboards
  Burt Bacharach - Keyboards
  Warren Luening - First Solo Trumpet
  Bobby Shew - Second Solo Trumpet
  David Parlato - Fender Bass
  John Phillips - Alto Saxophone, Tenor Saxophone, Flute and Oboe
  Grady Rate - Drums
Guest Vocal Soloist:
  Carly Simon (T-8.)
  Libby Titus (T-3.)
Background Vocalists:
  Sally Stevens (and Solo Vocal on T-6.)
  Marti McCall
  Ann White

Recorded live in one four-hour session November 2, 1978 at Jones Hall, Houston, Texas.

 

 

2016年5月25日 (水)

TOGETHER?/O.S.T. (1979年)

バカラックが音楽を担当した1979年の映画 『 TOGETHER? 』 のサントラ盤です。

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1. I DON'T NEED YOU ANYMORE  featuring Jackie De Shannon  F
2. I THINK I'M GONNA FALL IN LOVE
3. IN TUNE  featuring Libby Titus  F
4. IF WE EVER GET OUT OF HERE
5. ON THE BEACH
6. I'VE GOT MY MIND MADE UP  featuring Michael McDonald  M
   / Reprise : I DON'T NEED YOU ANYMORE  featuring Jackie De Shannon  F
7. FIND LOVE  featuring Jackie De Shannon  F
8. LUISA
9. I'VE GOT MY MIND MADE UP

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Famale-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約36分


Img190ccバカラックが音楽を担当した1979年の映画 『 TOGETHER? 』 のサントラ盤です。

…と書きましたが、詳しく説明すると以下のようになります。

1979年公開のイタリア映画で、原題は 『 AMO NON AMO 』 。英語に訳すと ‟ I Love You, I Love You Not ” になるんだそう。出演はジャクリーン・ビセット、マキシミリアン・シェル、テレンス・スタンプ等で、内容は男女の愛憎劇。撮影は英語でおこなわれ、イタリア語に吹き替えてイタリア公開。音楽は、Goblin (ゴブリン) というイタリアのプロウレッシヴ・ロック・バンドが担当しました。

米国公開に際し 『 TOGETHER? 』 というタイトルに差し替えられ、サウンドトラックの音楽も差し替えられました。日本では劇場公開されませんでしたが、ヴィデオはその米国公開版が出たらしいです。タイトルは 『 ジャクリーン・ビセット/抱いて… 』 。残念ながら私は未見でございます^^;。

作曲、編曲、指揮をバート・バカラック、作詞をポール・アンカ、リビー・タイタス(T-3.のみ)が担当。ゲスト・ヴォーカリストとして、ジャッキー・デシャノン、リビー・タイタス、マイケル・マクドナルドをフィーチャーしています。

ジャッキー・デシャノンが歌ったT-1. 「 アイ・ドント・ユー・エニモア 」 は、ミディアム・テンポのしっとりした曲。1970年代中盤以降の曲に見受けられる難しすぎるメロディではなく、時折挟む変拍子とクセはあるけど美しいメロディ・ライン。本アルバムの中ではバカラックの良さが最も感じられる曲だと思います。アルバムと同じ1979年1月にシングル・リリースされ、全米86位という記録が残っています(RCA 11902、A面)。

同じくジャッキーが歌ったT-7. 「 ファインド・ラヴ 」 は、ワルツで速いテンポの緊張感あるナンバー。T-1. 「 アイ・ドント・ユー・エニモア 」 のカップリングとしてシングル・リリースされました(RCA 11902、B面)。

T-3. 「 イン・チューン 」 は、のちにドナルド・フェイゲンと結婚するリビー・タイタスが歌っています。リビー・タイタスは作詞も担当。メロディラインがぶつ切りのこの曲、私はあまり魅力を感じません。

T-6. 「 アイヴ・ゴット・マイ・マインド・メイド・アップ 」 は、マイケル・マクドナルドが歌っています。サポート・ヴォーカルとしてクレジットされている女性シンガーは、モートネット・ジェンキンスという方。スロー・ミディアムのバラードっぽい曲。メロディは平板的で記憶に残りません。サビで盛り上げるアレンジもいたって凡庸。本アルバムのなかでは力を入れた曲だと思うのですが、ソングライティング力は落ちているなぁ…と感じざるを得ません。マイケル・マクドナルドの歌唱もそれほど印象に残らず。2010年にカリマがカヴァーしています。

T-2. 「 アイ・シンク・アイム・ゴナ・フォール・イン・ラヴ 」 、T-4. 「 イフ・ウィ・エヴァー・ゲット・アウト・オブ・ヒア 」 、T-5. 「 オン・ザ・ビーチ 」 、T-8. 「 ルイーザ 」 はインスト曲。これらは1970年代中盤以降のバカラック作品らしいフュージョン・タッチの曲。あと、T-9. もインスト曲(T-6. のインスト版)です。

─  わたしはポール・アンカと組み、ジャクリーン・ビセットが主演した 『 抱いて… 』 というだれも見なかった映画のサウンドトラックを手がけた。この時期、わたしのキャリアはすっかり干上がり、あまりにも長くヒットから遠ざかっていたせいで、ラジオ局はわたしの音楽をすっかりBGMあつかいしていた。わたしの書く曲はいっさいオンエアされず、おのずと活動はステージが中心になった。 ─

↑バカラック自伝の一節です。なんて自虐的なコメント!(笑)。でも、これじゃBGM扱いされても仕方ないっすね…。


【データ】
『 TOGETHER? 』 (邦題:トゥギャザー?)
O.S.T.

LP:1979年1月リリース (所有CDは、2012年12月26日リイシューの日本盤。世界初CD化。ライナーは長門芳郎氏)
レーベル:RCA (所有CDは、SONY MUSIC ENTERTAINMENT)
番号:ABL1-3541 (所有CDは、SICP-30011)

Produced by Burt Bacharach and Paul Anka for Lefco Productions
Orchestrations by Burt Bacharach and Jeremy Lubbock
Original music composed and conducted by Burt Bacharach
Songs by Paul Anka and Burt Bacharach (T-1,2,6,7,9.)、Libby Titus and Burt Bacharach (T-3.)、Burt Bacharach (T-4,5,8.)
With special guest artists - Michael McDonald, Jackie De Shannon and Libby Titus
Background vocals - Venetta Fields, Maxine Willard andJulia Tillman
Additional background vocals - Jackie De Shannon and Paul Anka
Supporting vocal on T-6. - Mortonette Jenkins

Recording at Capital Records, Hollywood

 

 

2016年5月22日 (日)

A MAN AND A WOMAN/Isaac Hayes & Dionne Warwick (1977年)

アイザック・ヘイズとディオンヌ・ワーウィックによるライヴ盤です。バカラック・カヴァーを3曲収録!

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Original LP front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏

全12トラック中、バカラック作品は2トラック(3曲)

2. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF / WALK ON BY (7:40)
5. BY THE TIME I GET TO PHOENIX / I SAY A LITTLE PRAYER (4:38)


アイザック・ヘイズとディオンヌ・ワーウィックの二人は、1976年に “ A MAN AND A WOMAN ” と銘打ったジョイント・ツアーを行いました。そのライヴ録音盤です。

このツアーは、アイザック・ヘイズのマネージャーがディオンヌのマネージャーにアプローチして実現しました。ライナーによれば、ディオンヌはアイザック・ヘイズの長年のアイドルだったそうです。その証拠にといいますか、彼はディオンヌの(バカラック&デイヴィッドの)曲を私が知ってるだけで5曲もカヴァーしています。アイザック・ヘイズのプロフィールとそれらカヴァーについては、アルバム 『 GREATEST HIT SINGLES 』 の記事を参照ください。

米ジョージア州アトランタの The Fabulous Fox Theatre (現在の名称は The Fox Theatre ) で行われた、このジョイント・ツアーの最後の夜をレコーディング。12トラックをセレクト→2枚組LPとして1977年にリリースされたのが本アルバムです。リズム・セクションとバック・コーラスは、それぞれ自身のツアー・バンドのメンバーが参加。贅沢ですねー。

バカラック&デイヴィッドのプロデュースによる1972年のワーナー移籍第一作 『 DIONNE 』 を除くと、ディオンヌはワーナー時代にバカラック作品をスタジオ録音アルバムでは取り上げていません。このライヴ盤ではバカラック作品を取り上げており、貴重なものです。(実は、ワーナー時代の1974年にバカラックの書き下ろし曲を3曲レコーディングしたのですが、リリースされませんでした。これら3曲は2013年にCD化され陽の目を見ました。いずれ拙ブログでも取り上げる予定です。)

本アルバムのバカラック・カヴァーは3曲。いずれもメドレーです。

T-2. は 「 恋のとまどい 」 と 「 ウォーク・オン・バイ 」 のメドレー。「 恋のとまどい 」 はディオンヌが1966年にカヴァーして全米26位(アルバム 『 HERE WHERE THERE IS LOVE 』 収録)。アイザック・ヘイズも1970年にアルバムでカヴァーしている曲です。「 ウォーク・オン・バイ 」 はディオンヌがオリジナルで、1964年にシングルが全米6位(アルバム 『 MAKE WAY FOR DIONNE WARWICK 』 収録)。アイザック・ヘイズによる1969年のカヴァーもシングル・リリースされて全米30位になっています。このメドレーのアレンジは両曲ともアイザック・ヘイズ版をベースとしたもの。まずアイザック・ヘイズが 「 恋のとまどい 」 を約2分歌い、続けてディオンヌが 「 ウォーク・オン・バイ 」 を約2分20秒歌います。ディオンヌはアレンジに合わせて頑張ってソウルフルに歌っているのですが、アレサのような押しの強さがないためちょっとアレンジに負けてる感じを受けます。このあと、再びアイザック・ヘイズが 「 恋のとまどい 」 を歌います。そして最後の2分間、アイザック・ヘイズが「 恋のとまどい 」 を、ディオンヌが 「 ウォーク・オン・バイ 」 をそれぞれ2拍ずつ交互に掛け合いながら延々歌い続けます。ライヴならではのグルーヴ感があって、この掛け合い部分は素晴らしいです。

そして、T-5. は ジム・ウェッブ作 「 恋はフェニックス 」 と 「 小さな願い 」 のメドレー。「 小さな願い 」 は1967年に全米4位となったディオンヌの代表曲のひとつ(アルバム 『 THE WINDOWS OF THE WORLD 』 収録)。ですが、ここで聴けるパフォーマンスは、1971年にアン・マレー&グレン・キャンベルが歌った傑作メドレーをカヴァーしたもの。本家と同じく、女性のディオンヌが 「 小さな願い 」 を、男性のアイザック・ヘイズが 「 恋はフェニックス 」 を担当。男女が並行して歌う構成・アレンジは本家をほぼ踏襲しつつ、キーを半音下げてテンポも本家(♩≒88)よりかなり遅く(♩≒62)していて、しっとり落ち着いた大人のヴォーカルを聴くことができます。本家の持つ明るさや愛らしさは薄まりましたが、むしろこの方が二人には合ってますね~。貴重な音源だと思います。

本アルバム中のほかの曲では、ディオンヌが歌ったT-10. 「 キャント・ハイド・ラヴ 」 が印象に残りました。アース・ウインド&ファイアーの1975年のアルバム 『 Gratitude(灼熱の狂宴) 』 収録曲で、翌1976年にシングル・カットされた曲(全米39位)。こんな旬な曲もライヴで歌ってたんだ~ってね。

このジョイントが縁になったのか、のちにアイザック・ヘイズはディオンヌに曲を提供します。アリスタ移籍第1作 『 DIONNE 』 (1979年リリース) に収録されている 「 Déjà Vu (デジャ・ヴ) 」 がそれで、シングル・カットもされました(全米15位)。とてもエレガントで、ディオンヌが歌ったバカラック以外の曲の中ではマイ・フェイヴァリットのひとつです。


データ】
『 A MAN AND A WOMAN 』
Isaac Hayes & Dionne Warwick

LP:1977年リリース (所有CDは、2012年リイシューのUK盤)
レーベル:Hot Buttered Soul/ABC Records (所有CDは、SoulMusic Records)
番号:AB 996/2 (所有CDは、SMCR 5055)

Executive Producers - Dionne Warwick, Isaac Hayes
Production assistant - Esmond Edwards
Arrangers/Conductors - Lester Snell (For Isaac Hayes), Joseph Mele (For Dionne Warwick)
- Musicians -
Hot Buttered Soul Unlimited :
  Vocals - Barbara McCoy, Diane Davis, Pat Lewis, Rose Williams
Isaac Hayes Movement :
  Lead Guitar - Charles "Skip" Pitts
  Guitar - Kim Palumu
  Bass - Derek Galbrieth
  Drums - Willie Hall
  Congas - Jimmy "Congalu" Thompson
  Keyboards - Sidney Kirk
  First Trumpet - Ben Cauley
  Alto Saxophone and Flute - Darnell Smith
  Percussion - Glenn Quick
The Warwick Singers :
  Vocals - Darlene Love, Dee Dee Warwick, Eunice Peterson
Dionne Warwick Rhythm Section :
  Guitar - Lee Ballantine
  Bass - Ralf Rost
  Drums - Michael Keller
  Piano - Bill Purse
Featuring the Atlanta International Orchestra

Recorded Live at The Fabulous Fox, Atlanta, Georgia

 

 

2016年5月18日 (水)

FUTURES/Burt Bacharach (1977年)

バート・バカラック、A&Mでの5作目となるアルバムです。

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Original LP front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏

1. I TOOK MY STRENGTH FROM YOU (I HAD NONE)  F
2. FUTURES
3. US  F
4. WHERE ARE YOU  F
5. WE SHOULD HAVE MET SOONER  M
6. NO ONE REMEMBERS MY NAME  F
7. THE YOUNG GROW YOUNGER EVERY DAY  M
8. ANOTHER SPRING WILL RISE
9. SECONDS  F
10. WHEN YOU BRING YOUR SWEET LOVE TO ME  M
11. TIME AND TENDERNESS

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Famale-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約42分


バート・バカラックがA&Mとアーティスト契約して自身名義でリリースした5作目のスタジオ録音アルバムです。KAPP時代を含めると通算6作目にあたります。

1977年のリリース。バカラック自伝を読んでも、本アルバムに関する記述は見当たりません。一応バカラック・ファンの端くれを自認してる私でさえ、曲名からパッとメロディが思い浮かぶのは1曲だけ。今回ブログ記事を書くにあたり、久し振りに本アルバムを聴いた次第です。CD購入時以来かも。アルバムのジャケット、全く思い出せなかったですし^^;。

でもこのジャケット写真、なんとも意味不明です。ロープウェイのゴンドラに乗り、黄色いスポーツタオルを首に巻いて、黄緑色のジャージ姿で笑うバカラック。いったいこのシチュエーションは何なんだ(@_@)。バカラックもよくOK出しましたよね。

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↑ 収録されている11曲のうち、他アーティストへ提供した曲のセルフ・カヴァーが4曲、書き下ろし作品が7曲という構成。これまでのアルバムはセルフ・カヴァーが大半を占めていましたから、えらい変わりようです。それにバカラック御大、本作では全く歌っていません。前作 『 LIVING TOGETHER 』 では4曲も歌っていたのに!

前作がリリースされた1973年12月以降、本作リリースまでの約3年半の間に他アーティストへ提供して世に出た楽曲は、ステファニー・ミルズのアルバム用に8曲、グラディス・ナイト&ザ・ピップスに1曲、トム・ジョーンズに1曲、ボビー・ヴィントンに1曲、合わせてたったの11曲。本業(職業作曲家)の仕事が低調だったことがうかがえますね^^;。

T-1. 「 アイ・トゥック・マイ・ストレングス・フロム・ユー 」 と T-6. 「 ノー・ワン・リメンバーズ・マイ・ネーム 」 の2曲は、前述したステファニー・ミルズのアルバム 『 FOR THE FIRST TIME 』 がオリジナル。2曲とも、オリジナルと同じテイストでカヴァーしています。まぁ、オリジナルのアレンジもバカラックですからね。T-9. 「 セコンズ 」 はグラディス・ナイト&ザ・ピップスのアルバム 『 I FEEL A SONG 』 に収められたものがオリジナル。作詞はニール・サイモンです。曲名からメロディが浮かんだ唯一の曲がコレです。概ねオリジナルのアレンジをベースにしたもの。調べたらオリジナルもバカラックがプロデュースしてました。T-3. 「 アス 」 はトム・ジョーンズのアルバム 『 Memories Don't Leave Like People Do 』 に入ってるのがオリジナル。物憂げなストリングスのイントロに始まり、女性ボーカルがドラマチックに歌います。間奏での薄いトランペットがバカラックしてますねー。オリジナルはもっと壮大なアレンジなのですが、そのアレンジはバカラックではありませんでした。

書き下ろし作品のうち3曲はインスト曲。T-2. 「 フューチャーズ 」 はフュージョン風の疾走感ある曲。途中、デイヴィッド・サンボーンのサックスによるアドリヴ・ソロがまさしくフュージョンしてます。T-8..「 アナザー・スプリング・ウィル・ライズ 」 も最初はボブ・ジェームスか?と思わせるフュージョン・タッチの曲。6分近くの長い曲で、中間部でのピアノ・アドリヴはジャズっぽかったり、シンフォニックなオケも活躍したり。ヤケクソになってアレンジしたようにも感じます。T-11. 「 タイム・アンド・テンダーネス 」 はしっとりした軽めのフュージョンっぽいバラード曲。しっかり変拍子は入ってますが。ここでもサンボーンの泣き節が聴けます。

書き下ろし作品の残り4曲はボーカル入り。とはいっても、T-4. 「 ホエア・アー・ユー 」 は殆どインスト曲ですが。T-5. 「 ウィ・シュッド・ハヴ・メット・スーナー 」 は、短調の曲ながらもところどころ長調になって明るい雰囲気になるちょっとホッとする曲。T-7. 「 ザ・ヤング・グロウ・ヤンガー・エヴリ・デイ 」 は、バカラックには珍しいフォーク調のポップス曲。歌ってる男性シンガーのピーター・ヤーロウは、ピーター・ポール&マリーのメンバーです。バカラックっぽさは薄いですが、本作中もっとも心安らぐ曲ではあります。T-10. 「 ユア・スウィート・ラヴ・トゥ・ミー 」 はロック調の曲。これら書き下ろしのボーカル曲は、本作用に作曲したのではなく、たぶんオファーがあった時用にいろんな作詞家と作ってきていたものなんでしょうね。

あまりにも以前のアルバムとテイストが違う本アルバム、バカラック・ファン以外にはちょっとお薦めできません。はぁ…


【データ】
『 FUTURES 』 (邦題:フューチャーズ)
Burt Bacharach

LP:1977年4月リリース (所有CDは、1996年7月10日リイシューの日本盤。ライナーは坂口修氏)
レーベル:A&M (所有CDは、ポリドール)
番号:SP 4622 (所有CDは、POCM-2055)

Produced by Phil Ramone and Burt Bacharach
Arranged by Burt Bacharach
Vocals - Jamie Anders (T-5,10.)、Peter Yarrow (T-7.)、Joshie Armstead (T-1,3,4,9.)、Melissa Mackay, Sally Stevens and Marti McCall (T-6.)
Featured Solists - Warren Luening, Trumpet、Marvin Stamm, Trumpet、 George Young, Sax、David Sanborn, Sax
Background Vocals - Patti Austin, Lani Groves, Raymond Simpson, Vivian Cherry, Zachary Sanders, Frank Floyd
Keyboards - Burt Bacharach, Richard Tee, Leon Pendarvis, Paul Schaeffer
Guitars - Joe Back, Jay Berliner, Charles Chiarenza, David Spinozza, Hiram Bullock, William Pitman, Stuart Scharf, Eric Weissberg
Bass - Tony Levin, Donald Bar\gley, Herb Bushler, William Lee
Percussions - Ralph MacDonald
Drums - Grady Tate, Clyde Duell
Philadelphia Strings

Recorded at A&R Recording Studios, New York

 

 

2016年5月15日 (日)

LIVING TOGETHER/Burt Bacharach (1973年)

バート・バカラック、A&Mで4作目となるアルバムです。

祝・米寿! 1928年5月12日生まれのバカラック爺、まだまだ現役!

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Original LP front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏

1. SOMETHING BIG  M (ボーカルはバカラック自身)
2. MONTEREY PENINSULA
3. I COME TO YOU  FM
4. WALK THE WAY YOU TALK
5. THE BALANCE OF NATURE  M (ボーカルはバカラック自身)
6. LIVING TOGETHER, GROWING TOGETHER  FM
7. REFLECTIONS  F
8. LOST HORIZON  FM (男性ボーカルはバカラック自身)
9. LONG AGO TOMORROW
10. I MIGHT FRIGHTEN HER AWAY  FM (男性ボーカルはバカラック自身)

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Famale-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約37分


バート・バカラックがA&Mに移籍して4作目となるスタジオ録音アルバム。KAPP時代を含めるとバカラック名義としては通算5作目にあたります。

前作 『 BURT BACHARACH 』 から約2年半が経った1973年12月のリリース。2年半の間に何があったか…。ハル・デイヴィッドと音楽を担当した映画 『 失われた地平線 』(1973年2月公開) が失敗作の烙印を押され、報酬の取り分を巡ってハル・デイヴィッドと仲違い。結果、ワーナーと結んでいた契約(ディオンヌ・ワーウィックのニュー・アルバム用にハル・デイヴィッドと曲を書きプロデュースすること)も反故せざるを得ず、ディオンヌとも仲違いしてしまいました。

本作の全10曲のうち、その 『 失われた地平線 』 から5曲をセルフ・カヴァー。T-3. 「 アイ・カム・トゥ・ユー 」 、T-6. 「 リヴィング・トゥゲザー、グロウイング・トゥゲザー 」 、T-7. 「 リフレクションズ 」 、T-8. 「 失われた地平線(ロスト・ホライズン) 」 、T-10. 「 アイ・マイト・フライトゥン・ハー・アウェイ 」 の5曲で、全てヴォーカル入りです。

映画ということもあって時間の制約があったサントラ盤と異なり、歌詞を繰り返したりあらたに間奏を加えるなどして、一曲あたり3分以上になっています。なかでも、T-8. 「 失われた地平線(ロスト・ホライズン) 」 では、オカリナ、女性ボーカル、ピアノ、オケ、バカラックのヴォーカル、トランペットなどが旋律を奏で、ところどころに新たなモチーフによる間奏が流れたりテンポを遅くしたりと、凝ったアレンジを展開されます。サントラ盤では2分少々だったこの曲が5分にも及ぶ大作に! ─  今も 『 失われた地平線 』 のために書いた音楽は、悪くなかったと思っている。 ─  自伝でバカラック爺はこう書いています。本アルバムのこれらの曲には、バカラックのそんな自負心というか意地を感じます。

その他、1970年以降に各アーティストへ提供した曲から4曲をカヴァー。オリジナルのアーティストは、マーク・リンゼイ(T-1. 「 サムシング・ビッグ 」 )、ディオンヌ・ワーウィック(T-4. 「 ウォーク・ザ・ウェイ・ユー・トーク 」 、T-5. 「 ザ・バランス・オブ・ネイチャー 」 )、B.J.トーマス(T-9. 「 ロング・アゴー・トゥモロウ 」 )。

T-1. 「 サムシング・ビッグ 」 はバカラックのボーカルですが、実に堂に入ったもの。本アルバムから唯一シングル・カットされました(A&M 1489-S、カップリングは 「 リヴィング・トゥゲザー、グロウイング・トゥゲザー 」 )。

残る1曲が新曲のT-2. 「 モンタレー・ペニンシュラ 」 です。疾走感あるインスト曲で、もはやこれはフュージョンですね。曲名は、米カリフォルニア州の中央に位置するモントレー半島(ペニンシュラ=半島)のこと。この頃、『 失われた地平線 』 で傷心のバカラックはカリフォルニア州のデルマーというところに潜んでいたそうですが、デルマーはカリフォルニア州の最南部付近ですから直接の関係はなさそうですね^^;。ちなみに(やはりと言うか)この曲のカヴァーは見当たりません。

同じバカラック名義のアルバムでも、1967年の 『 REACH OUT 』 や1969年の 『 MAKE IT EASY ON YOURSELF 』 などのようにヒット曲のセルフ・カヴァーがあるわけでもなく、なんとも地味なアルバムです。今聴くと、あぁ こういう時期もあったんだねぇ と思えますが、当時リアルタイムに本アルバムを聴いたらどう感じたんでしょうか…。


【データ】
『 LIVING TOGETHER 』 (邦題:リヴィング・トゥゲザー)
Burt Bacharach

LP:1973年12月リリース (所有CDは、1996年7月10日リイシューの日本盤。ライナーは坂口修氏)
レーベル:A&M (所有CDは、ポリドール)
番号:SP 3527 (所有CDは、POCM-2054)

Produced by Burt Bacharach and Phil Ramone
Arranged and Conducted by Burt Bacharach
Burt Bacharach plays piano on all selections
Vocals on T-3. 「 I COME TO YOU 」 - Cissy Houston and Tony Middleton
Recorded at A&R Recording, New York and A&M Studios, Hollywood

 

 

2016年5月11日 (水)

LOST HORIZON/O.S.T. (1973年)

バカラックが音楽を手掛けた米映画 『 失われた地平線 』 のサントラです。

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Original LP front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏

1. INTRODUCTION / LOST HORIZON  ~ Shawn Phillips ~  M
2. SHARE THE JOY  ~ Andrea Willis & chorus ~  F
3. THE WORLD IS A CIRCLE  ~ Diana Lee ,Bobby Van & chorus ~  FM
4. LIVING TOGETHER, GROWING TOGETHER  ~ James Shigeta ,Gene Merlino & chorus ~  FM
5. I MIGHT FRIGHTEN HER AWAY  ~ Diana Lee & Jerry Whitman ~  FM
6. THE THINGS I WILL NOT MISS  ~ Sally Kellerman & Andrea Willis ~  F
7. IF I COULD GO BACK  ~ Jerry Whitman ~  M
8. WHERE KNOWLEDGE ENDS (FAITH BEGINS)  ~ Diana Lee ~  F
9. QUESTION ME AN ANSWER  ~ Bobby Van & chorus ~  M
10. I COME TO YOU  ~ Diana Lee & Jerry Whitman ~  FM
11. REFLECTIONS  ~ Sally Kellerman ~  F
<BONUS TRACK>
12. LOST HORIZON  (single version) ~ Shawn Phillips ~  M

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Famale-女性)、または M (Male-男性) と表記
T-12. はCDリイシュー時のボーナス・トラック。

収録時間約37分(ボーナス・トラック含む)


バカラックが音楽を手掛けた米映画 『 失われた地平線 』 のサントラです。

映画は1973年2月に公開され、日本でも6月下旬ころから公開。同志であり先輩であるまったりさんにとってとても思い出の作品だそうで、ブログ 『 バカラックマジックでまったりと 』 に当時のエピソードを熱く語っておいでです。ぜひクリックしてご覧になってください。
→  失われた地平線 その1  失われた地平線 その2

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まったりさんはロードショーで2回ご覧になったとか。私はYouTubeで断片的に観た程度でしたが、今回記事を書くにあたって調べてみたら、なんと米国でDVDが出ているではありませんか! さっそくアマゾンでポチッ。G.W.にやっと観ることができました。
届いた品物はレーベル面が白いDVD-Rでした。海賊版の類でしょうね。音声は英語オンリーです。日本語字幕がないのは当然としても、少しは理解する助けになるだろうと期待していた英語字幕すらないのには参りました(>_<)。でも、DVDプレイヤーで再生できたからヨシとしましょう。パッケージに書いてあるように(画像の赤い下線部)、「 アイ・カム・トゥ・ユー 」 を歌う場面など上映時にカットされたシーンを復元した完全版とのこと。

Photo_6Lost_horizon_demo_4DVDには、
特典映像としてなんとバカラックが歌うデモも入ってました。ピアノを伴奏に、8曲収録されてます(左の画像)。もしやと思い、バカラック自伝をめくってみました。曲ができた頃、マスコミに曲を披露したいからとプロデューサーから頼まれて、コロンビア映画の防音スタジオでピアノ弾き語りさせられた…と書いてあるではありませんか。このことだったんですねー。
DVD収録のデモ8曲は、1972年にA&Mから出されたプロモ用LPの曲目と完全に一致(右の画像)。曲順も一緒ですから、音源は同一のものと思われます。

映画は、シャングリラ(理想郷)のお話をミュージカル仕立てで描いたもの。主な出演者は、ピーター・フィンチ、リヴ・ウルマン、サリー・ケラーマン、ジョージ・ケネディ、マイケル・ヨーク、オリビア・ハッセー、ボビー・ヴァン、ジェームス繁田、シャルル・ボワイエ、ジョン・ギールグッド。あらすじは、後述するオマケを参照ください。まったりさんは、映画そのものは “ 駄作 ” だとおっしゃってました。英語なので何言ってんだか殆どわかりませんでしたが、DVDを観終っての率直な感想は、少なくともミュージカルにする話じゃないな…ということ。

映画(DVD)に対するコメントはここまでとして、以下、登場順に各曲を紹介していきます。全てバカラック&デイヴィッドによる書下ろし曲です。

T-1. 「 序章 / 失われた地平線(ロスト・ホライズン) 」 : オープニングの映像をバックに流れます。冒頭の30秒間は 「 序章 」 で、これはT-7. 「 イフ・アイ・クッド・ゴー・バック 」 のメロディをオケで壮大に奏でたもの。メドレーで切れ間なく 「 失われた地平線(ロスト・ホライズン) 」 になります。映画の主題歌ということになるんでしょうが、派手でも優雅でもなく、オープニングにしてはアレンジ含めて中途半端な印象。勿体ないです。歌っているのは米国のシンガーソングライター、ショーン・フィリップス。
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サントラから唯一シングル・カットされ、全米63位の記録が残っています(左の画像:A&M 1405、A面)。ショーン・フィリップスって、こんな風貌の方なんですね。そのシングル・バージョンがボーナス・トラック(T-12.)としてリイシューCDに収録されているんですが、ちょいと疑問が…。

T-12. の尺は2分1秒。対して、実際にリリースされたシングルの尺は2分29秒なんです(右の画像:レーベル面に印刷)。う~ん、謎です。
バカラックのセルフ・カヴァーの他、ヨンジンのカヴァーがあります。あと、エド・エームスのカヴァーはなかなか良いです。

T-2. 「 シェア・ザ・ジョイ 」 : オリビア・ハッセーが他の女性2人と一緒に踊る曲。ミディアム・スローの3拍子の曲ですが、ところどころ2拍子が挿入されます。踊りにくかったでしょうに。吹き替えで Andrea Willis という方が歌っています。カヴァーは聴いたことがありません。

T-3. 「 ザ・ワールド・イズ・ア・サークル(世界はまるい) 」 : リヴ・ウルマンが野外の学校で子供たちと歌い踊る、8分の6拍子の明るく楽しい曲。途中でちょっとだけボビー・ヴァンも参加。リヴ・ウルマンのパートは Diana Lee という方が歌っています。カヴァーは片手くらいしかありませんが、バカラックは気に入ってるようで今でも自身のコンサートで演奏しています。

T-4. 「 リヴィング・トゥゲザー、グロウイング・トゥゲザー 」 : シャングリラの一族?が屋外での何やらよくわからない儀式でゆっくり行進しながら歌う曲。ジェームズ繁田他大勢で歌っています。カヴァーはバカラックのセルフ・カヴァーを含めて片手程度しかありませんが、1973年にフィフス・ディメンションがカヴァーして全米32位を記録しています。

T-5. 「 アイ・マイト・フライトゥン・ハー・アウェイ 」 : ピクニックに出かけたピーター・フィンチとリヴ・ウルマンが、野原にシートを広げて食器や果物を並べる場面で流れます。二人は微笑んだり見つめ合ってるだけで歌っていないのですが、いかにも二人がデュエットしてる風な演出です。リヴ・ウルマン役は Diana Lee が、ピーター・フィンチ役は Jerry Whitman が代わりに歌っています。カヴァーはバカラックのセルフ・カヴァー含めて片手もありませんが、1974年にハーブ・アルパートとティファナ・ブラスがカヴァーしています。

T-6. 「 ザ・シングス・アイ・ウィル・ノット・ミス 」 : サリー・ケラーマンとオリビア・ハッセーが図書館の中を縦横無尽に歌い踊るアップテンポでノリの良い曲。基本は4拍子なのですが、変拍子もちょくちょく出てきます。歌いにくいと思うんですけど…。サリー・ケラーマンは自分で歌っていますが、オリビア・ハッセーは Diana Lee が代わりに歌っています。まったりさんが動画付きで紹介されてるとおり、ダイアナ・ロス&マーヴィン・ゲイのカヴァーが有名です。他のカヴァーは聴いたことないです。

T-7. 「 イフ・アイ・クッド・ゴー・バック 」 : 夜中、重大な決断をせまられたピーター・フィンチが歌うドラマチックな曲。歌声が聴こえるのにピーター・フィンチは口を閉じたまま。てっきりBGM的な使い方なのかと思っていたら、途中から突然ピーター・フィンチが歌い始めます。ここがまず不自然。誰もいない静かな夜の中庭で声を張り上げて歌うというシチュエーションもちょっと無理があります。曲自体はバカラックの力作だと思うのですが…。歌の吹き替えは Jerry Whitman がこなしています。カヴァーは片手もありません。2015年、ロンドンでのライブでアルフィー・ボーが歌ったカヴァーは圧巻です。

T-8. 「 ホエア・ノウレッジ・エンズ 」 : 「 イフ・アイ・クッド・ゴー・バック 」 の直後、この歌を聴いたリヴ・ウルマンが現れてピーター・フィンチを見つめながら歌うアンサーソング。静かで繊細なメロディです。Diana Lee が吹き替えで歌っています。この曲のカヴァーは見当たりません。

T-11. 「 リフレクションズ 」 : サリー・ケラーマンが川辺でジョージ・ケネディに向かって歌う曲。相手をからかってるような雰囲気が楽しいです。本人が歌っています。バカラックのセルフ・カヴァーと、ヨンジンのカヴァーがあります。エド・エームスもカヴァーしています。

T-9. 「 クエスチョン・ミー・アン・アンサー 」 : ボビー・ヴァンが得意のタップダンスを披露しつつ子供たちと歌い踊る、いかにもミュージカルらしい楽しい曲です。ボビーは、曲の最後のほうで池に飛び込みます。本人が歌っています。エド・エームスのカヴァーがあります。

T-10. 「 アイ・カム・トゥ・ユー 」 : ピーター・フィンチが愛しいリヴ・ウルマンに ‟ 僕は君の許へ行くよ ” と何度もささやく歌。途中でリヴ・ウルマンも一緒に歌います。この映画の “ 愛のテーマ ” といったところでしょうか。吹き替えで歌っているのはこれまで同様 Diana Lee と Jerry Whitman 。バカラックのセルフ・カヴァーがあります。

映画ではサントラには入ってない背景的な音楽も様々なシーンで流れますが、挿入歌のメロディをモチーフにした音楽もあれば、まったく関係性のない凡庸な音楽もありました。バカラックは、そういった背景的な音楽の一部を下請けに出したと自伝に書いてます。全然バカラックっぽくない音楽があったのはそのせいだったんですねー、納得。

<2018/5/4 追記> エド・エームスのカヴァー


さて、ここからはオマケです。以下は、1973年当時、雑誌 『 月刊エレクトーン 』 に掲載された映画 『 失われた地平線 』 の紹介記事です。試写会を観て書いたものと思われます。人名の表記など一部アレッてところもありますが、修正せずそのまま引用しました、あしからず。

─  雪をいただく世界の屋根ヒマラヤ。壮大な航空ショットをバックに、ショーン・フィリップスがタイトル・ソング 「 失われた地平線 」 を歌う。バート・バカラック作曲、ハル・デービッド作詞による新曲である。原作者は、『 チップス先生さようなら 』 、『 心の旅路 』 のジェームズ・ヒルトン。彼の描きあげた、夢の理想郷シャングリラが、この映画では2時間弱で10曲を含むミュージカルに仕立てあげられていて、前後はダイナミックなドラマ。
 物語はカンボジアとおぼしいアジアの国にはじまる。革命が起きて欧米人はみな殺しにされる恐れがあり、脱出しようとする人たちで空港は騒然。イギリス大使コンウェイ(ピーター・フィンチ)は最後の飛行機に飛び乗る。
 コンウェイら5人を乗せた飛行機はいつの間にか乗っ取られ、ヒマラヤの山奥に不時着。地図にもない奥地なのに、救援隊が防寒着をもって現われ、氷の斜面を越えてつれていく。トンネルをくぐりぬけると、雪と氷の世界から、花咲き乱れる温暖な谷間に一変する。シャングリラだ。
 わけがわからぬまま、5人は大寺院に案内されて歓迎を受ける。かわいい舞姫マリア(オリビア・ハッシー)が 「 喜びを分けあおう 」 を歌い踊る。美しい小学校の女教師キャサリン(リブ・ウルマン)が子供たちと合唱する 「 世界はまるい 」 は、『 サウンド・オブ・ミュージック 』 の 「 ドレミの歌 」 を思わす好ナンバーだ。
 準主役ながら 『 ロミオとジュリエット 』 いらい5年ぶりに姿を見せるハッシーは、少女から女性へ成長、懸命に歌や踊りや演技に取り組む。コンウェイの弟で新聞記者(マイケル・ヨーク)と恋をささやき、この2人はシャングリラから脱出を企てて死んでゆく。
 ハッシーいがい日本ではなじみが薄いが、米英では定評ある実力者を揃えた豪華キャスト。ピーター・フィンチはロンドンの舞台の大物で、映画ではオードリー・ヘップバーンと共演した 『 尼僧物語 』 や 『赤いテント 』 のノビレ隊長が印象深い。コンウェイは300歳近い高齢で世を去っていく高僧(シャルル・ボワイエ)の後継者にえらばれる。5人がシャングリラにつれてこられた事情も、高僧の最後の言葉で明らかになる。ラマ僧院の代表者チャン役ジョン・ギールガッドは、サーの爵位をもつロンドンの老名優。若いラマ僧で一行の接待役ジェームズ・繁田はハワイ生まれの日系二世で歌手。
 女優陣も充実している。リブ・ウルマンはスウェーデンのトップ・スターで、秋には代表作 『 愛の旅路 』 が公開される。“ニューズウィーク”誌の女性カメラマンを演じるサリー・ケラーマンは、人間が殺し合う現実にうんざりしていたが、一行中の債権者に追われるアメリカ人実業家兼エンジニア(ジョージ・ケネディ)と結ばれ、シャングリラに永住する。ケラーマンは 『 幸せはパリで 』 で壁紙ばかり貼りかえていた悪妻を演じていた。もうひとり、アメリカのテレビやナイトクラブで名高いタップ・ダンスの名人ボビー・バンが子供たちを相手に 「 答えをきいてごらん 」 を踊りまくる。
 ジェームズ・ヒルトン原作の話の面白さもさることながら、豪華キャストならではのアンサンブルも見もの。そして出演者も、スタッフも、みんな声を揃えて愛と心の平和を訴えかける。チャールズ・ジャロット監督、2時間24分。
 米・コロムビア映画。スーパーシネラマ方式で6月下旬ころからテアトル東京、大阪OS劇場で公開。サントラ盤LPはCBSソニー・ベル。 ─

(注) 曲名の 「 喜びを分けあおう 」 → T-2. 「 シェア・ザ・ジョイ 」 、「 答えをきいてごらん 」 → T-9. 「 クエスチョン・ミー・アン・アンサー 」 のことです。リヴ・ウルマンは、スウェーデンじゃなくてノルウェー出身です。


【データ】
『 LOST HORIZON 』 (邦題:失われた地平線)
O.S.T.

LP:1973年1月リリース (所有CDは、1998年リイシューの輸入盤仕様日本語ライナー付き。ライナーは坂口修氏)
レーベル:Bell Records (所有CDは、VIVID SOUND(日本)/Razor & Tie(US))
番号:Bell 1300 (所有CDは、VSCD-1443(1)/RE 2152-2)

Produced & Conducted By Burt Bacharach
Music by Burt Bacharach
Lyrics by Hal David
Orchestration by Leo Shuken, Jack Hayes & Burt Bacharach
Recorded at A&M Studios

↓ 左:サントラ、 右:映画のDVD

 

 

2016年5月 8日 (日)

DIONNE/Dionne Warwicke (1972年)

ディオンヌ・ワーウィックのワーナー移籍後初のアルバムです。

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外は上手くいかないかも^^;)
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Original LP front cover/back cover

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所有CD① ジャケット表/ケース裏

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所有CD② ジャケット表/ケース裏

全10トラック中、バカラック作品は7トラック

1. I JUST HAVE TO BREATHE
2. THE BALANCE OF NATURE
3. IF YOU NEVER SAY GOODBYE
4. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
5. MY FIRST NIGHT ALONE WUTHOUT YOU
6. BE AWARE
7. LOVE SONG
8. ONE LESS BELL TO ANSWER
9. IF WE ONLY HAVE LOVE
10. HASBROOK HEIGHTS

収録時間約37分


ディオンヌ・ワーウィックがセプターからワーナーに移籍して初めてのアルバムです。通算では15作目のスタジオ録音アルバムとなります。

ディオンヌにとって、バート・バカラック&ハル・デイヴィッドのプロデュースでレコーディングしたアルバムは、本作が最後となってしまいました。1993年以降に3人のコラボレーションは復活するのですが、それはあくまで曲単位のことですから…。

1971年、ディオンヌは占星術師のアドバイスでアーティスト名を Warwick → Warwicke に変えました。ワーナーというメジャー・レーベルにも移籍しましたし、気持ちも新たに本アルバムのレコーディングに臨んだんでしょうね。Warwicke のアーティスト名は1975年までで、また元に戻りましたが。

全10曲のうち、バカラック&デイヴィッド作品は7曲。書き下ろしが4曲、カヴァーが3曲という構成です。書き下ろし曲はバカラックがアレンジ&指揮していますが、カヴァー曲のアレンジ&指揮はぬぁんとあのボブ・ジェームス! なかなかクールなアレンジを聴かせてくれます。

T-1. 「 アイ・ジャスト・ハフ・トゥ・ブリーズ 」 : ディオンヌがオリジナル。アルバム冒頭のこの曲を聴いてセプター時代のアルバムとは雰囲気が違うなぁ…と感じる人は多いのではないでしょうか。木管アンサンブルのイントロで始まり、ピアノと重心の低いストリングスにディオンヌの繊細な歌声が重なります。スローで、テンポも一定ではありません。静かでひっそりした湖畔に佇み、これまでの人生を振り返って小鳥に語っているかのよう…(あくまで私なりの解釈ですが^^;)。
カヴァーは片手くらいしかありません。2000年のバカラック・トリビュートコンサートでのテーシュ・オデイのカヴァーは、決して歌自体は上手くないのですが胸を打つものがあります。

T-2. 「 ザ・バランス・オブ・ネイチャー 」 : ディオンヌがオリジナル。ミディアム・スローな3拍子の曲。どこか牧歌的な雰囲気もあります。バカラックのセルフ・カヴァーがあります。

T-3. 「 イフ・ユー・ネヴァー・セイ・グッドバイ 」 : ディオンヌがオリジナル。軽快なノリのバカラックらしい洒落た小曲。カヴァーは無いみたいです。

T-4. 「 遥かなる影 」 : ディオンヌは1964年のサード・アルバムで一度この曲をカヴァーしています。そういう意味ではリメイクでもあります。1971年にバカラックがセルフ・カヴァーしたバージョンがベースとなっているのですが、ボブ・ジェームスによる隠し味の効いたアレンジがなかなかいい感じです。

T-6. 「 ビー・アウェアー 」 : ディオンヌがオリジナル。ジャズ・ワルツで始まりサビではスローな4拍子となる、静かで気品のある曲です。曲名を直訳すると “ 気がついて!” 。歌詞は、“ あなたは恵まれているかも知らないけれど、世の中には凍えている人、年取った人、空腹の人、弱い人、話せない人、ホームレスの子供たちがいるのよ。それに気がついて! ” といった内容。ディオンヌの歌唱は、繊細でいて力強いもの。ディオンヌを知り尽くしたバカラックならではの曲とアレンジ。素晴らしいっ! ローラ・ニーロのカヴァーがこれまた素晴らしいです。

T-8. 「 悲しみは鐘の音とともに 」 : オリジナルはKeely Smith(1967年)ですが、フィフス・ディメンションが1970年カヴァーしてヒットさせました。神秘的な雰囲気のイントロは、ボブ・ジェームスのアレンジの真骨頂でしょう。スケールの大きいディオンヌの歌唱が素晴らしいです。

T-10. 「 ハズブルック・ハイツ 」 : 1971年のアルバム 『 BURT BACHARACH 』 でバカラックが歌ったのがオリジナル。アレンジはオリジナルのほぼ完コピ。さすがのボブ・ジェームスもバカラックに遠慮したのか?(笑) この曲の雰囲気に合わせて、ディオンヌは程よくリラックスして歌っています。

バカラック&デイヴィッド作品以外では、レスリー・ダンカンのカヴァー T-7. 「 ラブ・ソング 」 が印象に残りました。

セプター時代のアルバムよりも暗くて地味なイメージがありますけど、クォリティは十分高いアルバムだと思います。ところが、アルバムからシングルカットされたのは非バカラック&デイヴィッド作品のT-9. 「 IF WE ONLY HAVE LOVE 」 だけでした。バカラック&デイヴィッドの作品がシングルカットされないなんて、これまでに無かったことです。ワーナーは、もっとコマーシャルでヒットを狙える曲を欲しかったのでしょうか。不遇のアルバムと言えますね…。


【データ】
『 DIONNE 』
Dionne Warwick

LP:1972年1月リリース (所有CD①:2005年リイシューのUS盤、所有CD②:2014年リイシューのEU盤)
レーベル:Warner Bros. Records (所有CD①:Spy Records/Rhino、所有CD②:Edsl/Rhino)
番号:BS 2585 (所有CD①:SPY 45007-2、所有CD②:EDSX 7053)

Produced by Burt Bacharach & Hal David
Arranged and Conducted by Burt Bacharach (T-1,2,3,6.)、Bob James (T-4,8,10.)、Don Sebesky (T-5,7,9.)
Recorded August 12, 1971 (T-1,2,3,6,10.)、August 17, 1971 (T-4,8.)、August 23, 1971 (T-5,7,9.)
Recorded at A&R Studios, New York City

 

2016年5月 4日 (水)

BURT BACHARACH/Burt Bacharach (1971年)

バート・バカラックのA&M3作目となるアルバムです。

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)

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Original LP front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏

1. MEXICAN DIVORCE   F
2. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
3. NIKKI
4. WIVES AND LOVERS
5. ALL KINDS OF PEOPLE   FM
6. "AND THE PEOPLE WITH HER" (Suite For Orchestra)
7. THE APRIL FOOLS
8. HASBROOK HEIGHTS   M (ボーカルはバカラック自身)
9. FREEFALL
10. ONE LESS BELL TO ANSWER   F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Famale-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約38分


バート・バカラックがA&Mに移籍して3作目となるスタジオ録音アルバム。KAPP時代を含めるとバカラック名義として通算4作目にあたるアルバムです。

前作 『 MAKE IT EASY ON YOURSELF 』(1969年6月リリース)から2年。その間に、映画 『 明日に向って撃て! 』 の音楽でアカデミー賞とグラミー賞を獲得(1970年2~3月)し、カーペンターズがカヴァーした 「 遥かなる影 」 が全米1位(1970年夏)に…。ラスヴェガスでのショウも満員札止めが続いたようで、そんなバカラック絶頂期に本アルバムはリリースされました。

日本でもバカラック・ブームが沸騰していた頃ですね。1971年5月に初来日してコンサートがあったばかりだし。アルバム 『 LIVE IN JAPAN 』 の記事に書き込んでくださった まったりさん、鮒寿司さん、shinlaさん の熱いコメントがその証です。

全10曲の内訳は、新曲が4曲、他アーティストへ提供した作品のセルフ・カヴァーが5曲、リメイクが1曲。

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忙しかったにも関わらず自分のために新曲を4曲も用意するとは! T-5. 「 オール・カインズ・オブ・ピープル 」 は、アルバムに先行して1971年2月6日(1970年12月という説もあり)にシングル・リリースしています(A&M 1241、A面、画像参照)。“ いろんな人がいるから助け合わなくちゃ ” とシシー・ヒューストンとコーラス隊が歌うメッセージ・ソング(なのかしらん?)。変拍子や転調のない至ってシンプルな3拍子の曲です。バカラックっぽくないですねー(笑)。全米チャートは116位でしたが、アダルト・コンテンポラリー部門では18位まで上がりました。

他の新曲では、バカラック自身のボーカルをフィーチャーしたT-8. 「 ハズブルック・ハイツ 」 が印象的です。前々作 『 REACH OUT 』 や前作 『 MAKE IT EASY ON YOURSELF 』 では音程が不安定でお世辞にも上手いとは言えなかったバカラックの歌ですが、ショウで鍛えられたのかこの曲では聴けるレベルに上達しています(上から目線でスミマセン)。曲自体は、この頃の作品によくみられた 「 雨にぬれても 」 の親戚といった感じの曲。もしカラオケに有ったら自分でも歌ってみたいです。T-9. 「 フリーフォール 」 はジャズっぽいフィーリングの入ったインスト曲。「 悲しみは鐘の音とともに 」 のシングル・カップリング曲となりました(A&M 1290、B面)。T-6. 「 アンド・ザ・ピープル・ワー・ウィズ・ハー 」 はオケによる約6分のインスト曲。う~ん、映画かTVのサントラならいいんでしょうけどねー。

セルフ・カヴァー5曲を簡単にご紹介。T-1. 「 メキシカン・ディヴォース 」 のオリジナルはザ・ドリフターズ(1962年のヒット)。今回はバカラック・シンガーズが歌っています。T-2. 「 遥かなる影 」 は、カーペンターズのシャッフルではなくて8ビートのリズムで自己主張。アウトロのピアノ・ソロは素敵だと思いますけれど。バカラックはコンサートでもこのアレンジでずっと演奏しています。もう意地でしょう(笑)。T-4. 「 素晴らしき恋人たち 」 のオリジナルはジャック・ジョーンズ(1963年のヒット)。KAPPから出したアルバム 『 HIT MAKER! 』 で一度カヴァーしてますので二度目のカヴァーになります。ジャズ・フィーリング溢れたアレンジで、コンサートでの演奏はいつもこのバージョンですよね。T-7. 「 幸せはパリで(エイプリル・フール) 」 はピアノが美しいアレンジです。音質から判断するに、ちょっと前の録音のように聴こえます。T-10. 「 悲しみは鐘の音とともに 」 はフィフス・ディメンションのヒット(1970年10月にシングル・リリース。全米2位)が有名です。バカラックのセルフ・カヴァーは、割とオーソドックスなアレンジ。ボーカルはシシー・ヒューストン。1971年8月にこのバージョンをシングルで出したという記録が残っていますが、チャートアクションは未確認です(A&M 1290、A面)。

リメイクの1曲はT-3. 「 ニッキ 」 。オリジナルは、バカラック自身が1966年12月にリリースしたシングル(Liberty 55934、A面)。“ Nikki (ニッキー) ” とは、当時の妻アンジー・ディキンソンとの間に生まれた娘さんの名前。3拍子の曲ですが、Bメロの途中から4拍子になります。自分の娘の名前を付けた曲でも変拍子とは、バカラック御大は一筋縄でいかないお方ですね^^;。この曲、一聴すると1966年版と同じに聴こえます。アレンジはよく似ていますから、楽譜自体はそのまま使ったと思われます。しかし、全体的に音がクリアな上に、ところどころメロディのフレージングが違うんですね。例えば、Aメロの5~6小節目でフリューゲルホルンが奏でるメロディ。1966年版は “ タ・タ・タ・タ・タ・タ│ターラー ” と5小節目を区切って吹いていますが、本アルバムでは “ タラ・タラ・タラ│ターラー ”  とスラーでつないで吹いています。プロデュース・ワークが明らかに違うことから、1966年版の別テイクといったものではなく、あとでレコーディングしたものだと考えられます。

バカラックのセルフ・カヴァーやリメイクを楽しもう! …というのが、バカラック名義のアルバムのそもそものコンセプトだったはず。前々作(1曲)や前作(2曲)と比べて新曲が4曲もある本作はリスナーの目にどう映ったか(いや、耳にどう届いたか)。自身の名を冠したアルバムですし、バカラック本人は自信を持ってリリースしたのでしょうけれど…。


【データ】
『 BURT BACHARACH 』 (邦題:バート・バカラック)
Burt Bacharach

LP:1971年6月リリース (所有CDは、1995年5月25日リイシューの日本盤。ライナーは坂口修氏)
レーベル:A&M (所有CDは、ポリドール)
番号:SP 3501 (所有CDは、POCM-2013)

Produced by Burt Bacharach and Phil Ramone
Arranged & Conducted by Burt Bacharach
Burt Bacharach plays piano on all selections
Vocal - Cissy Houston (T-5,10.)
Recorded at A&R Studios, New York

 

 

2016年5月 1日 (日)

VERY DIONNE/Dionne Warwick (1970年)

ディオンヌ・ワーウィックの14作目となるスタジオ録音アルバムです。バカラック作品を5曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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Original LP front cover/back cover

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所有CDのケース表/ケース裏

全10トラック中、バカラック作品は5トラック

1. CHECK OUT TIME
2. YESTERDAY
3. WE'VE ONLY JUST BEGUN
4. HERE'S THAT RAINY DAY

5. THE GREEN GRASS STARTS TO GROW
6. THEY DON'T GIVE MEDALS (TO YESTERDAY'S HEROES)
7. WALK THE WAY YOU TALK
8. MAKE IT EASY ON YOURSELF  <Live Version>
9. GOING OUT OF MY HEAD
10. I GOT LOVE

<BOUNUS TRACKS>
11. WHO GETS THE GUY
12. AMANDA
13. HE'S MOVING ON

14. CALIFORNIA
15. THEY STAY IT'S WONDERFUL
16. IF I RULED THE WORLD
17. LET IT BE ME (JE T' APPARTIENS)

18. ONLY LOVE CAN BREAK A HEART
19. MAKE IT EASY ON YOURSELF  <Duet With B.J. Thomas>
20. THEY DON'T GIVE MEDALS (TO YESTERDAY'S HEROES)  <Duet With B.J. Thomas>
※T-11~20.はCDリイシュー時のボーナス・トラック

収録時間約31分 (ボーナストラック含まず)


ディオンヌ・ワーウィックの14作目となるスタジオ録音アルバムです。1970年12月のリリースで、ディオンヌにとってセプター・レーベル最後のスタジオ録音アルバムとなりました。

全10曲中、バカラック&デイヴィッド作品は5曲。そのうち3曲が書き下ろしです。

T-1. 「 チェック・アウト・タイム 」 : ディオンヌがオリジナル。ミディアム・スロー&4拍子のこの曲、アルバムのなかで私が一番好きな曲です。ピアノによる2小節の力強いイントロに続いて、メジャー・ナインス(C#M9)という分厚いコードのストリングスに乗っかってディオンヌが歌い始めます。アルバムの冒頭からいきなりどこか知らない世界へ連れていかれたよう。なんなんですかね、このバカラックのアレンジは。曲の構成は、イントロ - A - A - B - A - アウトロ。Aは、繰り返しのないドラマチックなメロディ、重心の低い8ビート、不思議なコード進行が特徴の16小節(途中一か所だけ2拍子になる1小節と間奏を含めて)。Bも16小節ですが、リズムが細かく軽くなり2分音符を4つ繋げたシンプルなメロディが3回続いた後、ドラムスとディオンヌが掛け合いをする緊張感あるサビを展開します。もう一度Aを繰り返したあと、Bに似た感じのアウトロでフェードアウト。曲の構成やコードがどうなってるのか、何度も聴きました。でもわかんない(>_<)。この曲の楽譜が欲しいっ!
この曲のカヴァーは聴いたことがありません。誰かカヴァーしてほしいなぁ。大変そうだけど。

T-5. 「 ほほえみのグリーン・グラス 」 : ディオンヌがオリジナル。1970年11月にシングル・リリースされました(SCE-12300、A面)。全米43位。イントロでチューバとギターが掛け合う、明るく軽快でどこか牧歌的な印象の曲です。カヴァーは数例しかありません。これまで紹介してきたなかでは、フランク・チャックスフィールドがカヴァーしています。

T-6. 「 悲しきイエスタデイズ・ヒーロー 」 : カヴァーです。TVミュージカル 『 オン・ザ・フリップ・サイド 』 で主役のリック・ネルソンが歌ったヴァージョンがオリジナル。シングル 「 ほほえみのグリーン・グラス 」 のカップリング曲となりました(SCE-12300、B面)。ディオンヌ版はオリジナルのコピーといってもいいでしょう。それにしても、なぜこの曲を…。

T-7. 「 ウォーク・ザ・ウェイ・ユー・トーク 」 : ディオンヌがオリジナル。シングル 「 フー・ゲッツ・ザ・ガイ 」 のカップリング曲となりました(SCE-12309、B面)。ミディアム・テンポで、ジャズっぽいフィーリングが印象的なスタイリッシュな曲です。カヴァーは、バカラックのセルフ・カヴァーくらいしか私は知りません。セルジオ・メンデスもカヴァーしているようですが、私は未聴でございます(2020/4/19追記 聴きました → こちら

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T-8. 「 涙でさようなら 」 : カヴァーです。オリジナルはジェリー・バトラー(1962年)。ディオンヌは1963年のファースト・アルバムでカヴァーしていました。本アルバムに収録されているのはライブ音源で、1970年9月にシングル・リリースされたものです(SCE-12294、A面)。このシングル、ナント全米37位を記録しています。
所有CDには、何故かこの曲だけ収録されていません(T_T)。仕方なく、単体でCD化されたもの(この曲に加えて、ボーナス・トラックとして他のライブ音源も充実しています)からダウンロードして聴きました。ファースト・アルバムのヴァージョンはちょっと跳ねるようなリズムでしたが、こちらはもっとゆったりした8ビートでディオンヌの歌唱をより引き立てているように感じます。
LPジャケットのクレジット(画像参照)をみてみますと、この曲は、A Blue Jac Production / Production Supervisor : Stan Green / Recording at The Garden State Arts Center と書かれています。ブルー・ジャック・プロダクションとは、バカラック・デイヴィッド・ディオンヌの3者で1962年に設立したプロダクション。アレンジは Larry Wilcox なるお方。1970年の夏、ニュージャージー州ホルムデルのThe Garden State Arts Center (現在は PNC Bank Arts Center という名称になってるそうです) で行われたコンサートでのライブ録音だそうです。

他には、ビートルズのT-2. 「 イエスタデイ 」 やカーペンターズでヒットしたT-3. 「 愛のプレリュード 」 をカヴァー。これらの曲のアレンジはバカラックではありません。至ってノーマルなカヴァーです。


さて、ここからは所有CDに入っているボーナス・トラックに含まれるバカラック&デイヴィッド作品5曲をご紹介。

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T-11. 「 フー・ゲッツ・ザ・ガイ 」 : ディオンヌがオリジナル。1971年3月にシングル・リリースされ、全米57位となりました(SCE-12309、A面)。ウクレレと口笛が印象的なイントロで始まる曲で、曲調は 「 雨にぬれても 」 を彷彿とさせますね~。
この曲、シングルのクレジット(画像参照)を見るとバカラックがアレンジしたことになっていますが、所有CDのライナーによると Marty Paich がアレンジしたんだとか。アルバム 『 VERY DIONNE 』 のレコーディングが始まる前にバカラックは西海岸に移っていましたからね。ホントかどうかはわかりませんけれど…。ちなみに、Marty Paich は David Paich(TOTOのメンバー)のお父様でございます。

T-14. 「 カリフォルニア 」 : ディオンヌがオリジナルのようです。ズンチャチャリズムの賑やかな曲。このテイストは60年代前半頃に作曲したもののように感じるのですが、確認する術がありません…。

T-18. 「 オンリー・ラヴ・キャン・ブレイク・ア・ハート 」 : カヴァーです。オリジナルはジーン・ピットニー。どれかのアルバムのアウトテイクなのでしょうか…。

T-19. 「 涙でさようなら 」 : これはB.J.トーマスとのデュエット版。B.J.トーマスはディオンヌと同じセプター所属でしたから、こんなレコーディングもしていたんですね。未発表だったのですが、2004年に米国でCDリイシューされる時にボーナス・トラックとして初めて世に出たんだそうです。トランペットがA&Mしてます。

T-20. 「 悲しきイエスタデイズ・ヒーロー 」 : これもB.J.トーマスとのデュエット版。バックの演奏は、アルバム 『 VERY DIONNE 』 の 「 悲しきイエスタデイズ・ヒーロー 」 と同じですから、やはりこの頃のレコーディングってことですね。曲調含めてB.J.トーマスの歌はこの曲によくマッチしてるなと感じます。


ライブ音源の出目は? 「 カリフォルニア 」 はいったいどういう曲なの? B.J.トーマスとのデュエット曲の詳しいクレジットは?  …などなど、わからないことがたっくさん。本アルバムに限っては、安価な輸入盤の “ 4 ALBUM on 2CD ” じゃなくて、坂口修氏のライナーが充実しているであろう日本盤を購入すべきだったと、深く後悔するのでした。


【データ】
『 VERY DIONNE 』 (邦題:ヴェリー・ディオンヌ)
Dionne Warwick

LP:1970年12月リリース (所有CDは、2014年リリースのEU盤)
レーベル:SCEPTER RECORDS (所有CDは、Edsl/Rhino)
番号:SP 587 (所有CDは、EDSK 7053)

Produceed by Burt Bacharach and Hal David
Arranged by, Conductor - Burt Bacharach (T-1,5,6,7.)、Marty Paich (T-2,3,10.)、L. Wilcox (T-4,9.)
Arranged by Larry Wilcox (T-8.)

 

 

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