LIVING TOGETHER/Burt Bacharach (1973年)
バート・バカラック、A&Mで4作目となるアルバムです。
祝・米寿! 1928年5月12日生まれのバカラック爺、まだまだ現役!
(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
Original LP front cover/back cover
所有CDのジャケット表/ケース裏
1. SOMETHING BIG M (ボーカルはバカラック自身)
2. MONTEREY PENINSULA
3. I COME TO YOU FM
4. WALK THE WAY YOU TALK
5. THE BALANCE OF NATURE M (ボーカルはバカラック自身)
6. LIVING TOGETHER, GROWING TOGETHER FM
7. REFLECTIONS F
8. LOST HORIZON FM (男性ボーカルはバカラック自身)
9. LONG AGO TOMORROW
10. I MIGHT FRIGHTEN HER AWAY FM (男性ボーカルはバカラック自身)
※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Famale-女性)、または M (Male-男性) と表記
収録時間約37分
バート・バカラックがA&Mに移籍して4作目となるスタジオ録音アルバム。KAPP時代を含めるとバカラック名義としては通算5作目にあたります。
前作 『 BURT BACHARACH 』 から約2年半が経った1973年12月のリリース。2年半の間に何があったか…。ハル・デイヴィッドと音楽を担当した映画 『 失われた地平線 』(1973年2月公開) が失敗作の烙印を押され、報酬の取り分を巡ってハル・デイヴィッドと仲違い。結果、ワーナーと結んでいた契約(ディオンヌ・ワーウィックのニュー・アルバム用にハル・デイヴィッドと曲を書きプロデュースすること)も反故せざるを得ず、ディオンヌとも仲違いしてしまいました。
本作の全10曲のうち、その 『 失われた地平線 』 から5曲をセルフ・カヴァー。T-3. 「 アイ・カム・トゥ・ユー 」 、T-6. 「 リヴィング・トゥゲザー、グロウイング・トゥゲザー 」 、T-7. 「 リフレクションズ 」 、T-8. 「 失われた地平線(ロスト・ホライズン) 」 、T-10. 「 アイ・マイト・フライトゥン・ハー・アウェイ 」 の5曲で、全てヴォーカル入りです。
映画ということもあって時間の制約があったサントラ盤と異なり、歌詞を繰り返したりあらたに間奏を加えるなどして、一曲あたり3分以上になっています。なかでも、T-8. 「 失われた地平線(ロスト・ホライズン) 」 では、オカリナ、女性ボーカル、ピアノ、オケ、バカラックのヴォーカル、トランペットなどが旋律を奏で、ところどころに新たなモチーフによる間奏が流れたりテンポを遅くしたりと、凝ったアレンジを展開されます。サントラ盤では2分少々だったこの曲が5分にも及ぶ大作に! ─ 今も 『 失われた地平線 』 のために書いた音楽は、悪くなかったと思っている。 ─ 自伝でバカラック爺はこう書いています。本アルバムのこれらの曲には、バカラックのそんな自負心というか意地を感じます。
その他、1970年以降に各アーティストへ提供した曲から4曲をカヴァー。オリジナルのアーティストは、マーク・リンゼイ(T-1. 「 サムシング・ビッグ 」 )、ディオンヌ・ワーウィック(T-4. 「 ウォーク・ザ・ウェイ・ユー・トーク 」 、T-5. 「 ザ・バランス・オブ・ネイチャー 」 )、B.J.トーマス(T-9. 「 ロング・アゴー・トゥモロウ 」 )。
T-1. 「 サムシング・ビッグ 」 はバカラックのボーカルですが、実に堂に入ったもの。本アルバムから唯一シングル・カットされました(A&M 1489-S、カップリングは 「 リヴィング・トゥゲザー、グロウイング・トゥゲザー 」 )。
残る1曲が新曲のT-2. 「 モンタレー・ペニンシュラ 」 です。疾走感あるインスト曲で、もはやこれはフュージョンですね。曲名は、米カリフォルニア州の中央に位置するモントレー半島(ペニンシュラ=半島)のこと。この頃、『 失われた地平線 』 で傷心のバカラックはカリフォルニア州のデルマーというところに潜んでいたそうですが、デルマーはカリフォルニア州の最南部付近ですから直接の関係はなさそうですね^^;。ちなみに(やはりと言うか)この曲のカヴァーは見当たりません。
同じバカラック名義のアルバムでも、1967年の 『 REACH OUT 』 や1969年の 『 MAKE IT EASY ON YOURSELF 』 などのようにヒット曲のセルフ・カヴァーがあるわけでもなく、なんとも地味なアルバムです。今聴くと、あぁ こういう時期もあったんだねぇ と思えますが、当時リアルタイムに本アルバムを聴いたらどう感じたんでしょうか…。
【データ】
『 LIVING TOGETHER 』 (邦題:リヴィング・トゥゲザー)
Burt Bacharach
LP:1973年12月リリース (所有CDは、1996年7月10日リイシューの日本盤。ライナーは坂口修氏)
レーベル:A&M (所有CDは、ポリドール)
番号:SP 3527 (所有CDは、POCM-2054)
Produced by Burt Bacharach and Phil Ramone
Arranged and Conducted by Burt Bacharach
Burt Bacharach plays piano on all selections
Vocals on T-3. 「 I COME TO YOU 」 - Cissy Houston and Tony Middleton
Recorded at A&R Recording, New York and A&M Studios, Hollywood
リンク先消滅したためリンク貼り直し(2024/1/28)
Amazonリンク(リイシューCD)
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コメント
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アルデオさんおはようございます。
もう沢山魅力的な記事がありタイトルから選んで読んでいましたが、それじゃ全部読めないと思い、一つ一つ読んで、ウザい奴だと思われること承知でコメント書こうと思った次第です。しかしアルデオ氏の詳しい楽曲分析は凄い!中学時代の吹奏楽経験とありましたが、第一線で活躍している音楽家ですね。
まず、リアルタイムでこのアルバム聴いた人は?はぁーい!中学3年生の高校受験の前でしたが親に隠れて予約して買いました。失われた地平線の評判が悪い中で、最新作として出たので、かなり期待し何度も聴きました。最初のサムシングビッグは軽快な始まりで印象良かったです。モントレーペニンシュラはクネクネした曲だなぁ、と。←中学3年の感想。アイカムは何でこんな地味な曲を?と思い、次のウォークはオーボエが子供のように泣きそうに訴えているのに、大人がラテンボサノバのリズムで大人になったら、分かるわよ?と誤魔化したら、綺麗なストリングスに、なっていて、最後はトランペットが出て来てパラパラパッ、パラパラパッ!と乱暴に吹いてエッチな曲だなぁと思いながら、これはバカラックだね、とニンマリ。次のバランスは子守り歌のようで、クライマックスはあるものの眠くなり、A面をひっくり返すと、B面はいきなりのボーカルのリビング。これは当然入れるよなぁ、と思いコーラス隊がソウルフル←(当時フィラデルフィアソウル、バリーホワイト、スリーディグリーズなど人気)気持ち良く歌っていて盛り上がった後に、女性ボーカルのソロがハープ?の伴奏とピアノで静かにフェイドアウト。次のリフレクションズは説教臭い歌詞が好きになれなく、何か良いことないか子猫ちゃんみたいな、バカラックがたまにオイタしたみたいな曲調を受け入れられなく、何でこんな曲いれんの?と怒り心頭←中学3年の意見。次の失われた地平線は、オカリナからのスタート、女性コーラス、雪に閉ざされたシャングリラから現れるバカラックのピアノとボーカル。これはやっと出て来た!という嬉しい登場。短い時間にかなりのドラマがあり、ラテン打楽器を使ったジャングル風←中学三年、もあり、やっと長調になってthere’s a Lost Horizon waiting to be found 中略 anymore!!!最後の短調になりながらフェイドアウトしていく、これは聞き応えがありましたね。でも捻くれていた私はバカラックがこれは本当は良い曲なんだぞ!一生懸命頑張って書いたのに!という気持ちが見え隠れしていたように感じて、素直に喜べませんでした。次のロングアゴーは、前々作のパシフィックコーストハイウェイの後のシーズゴーンアウェイみたいな印象でした。最後のアイマイトフライテンも、またこの地味な曲?しかもデュエット?でもエンディングの盛り上がり、そしてトランペットのソロ。これひょっとしたら良い曲かもしれない、と思ったら、終わってしまいました。冬だったので、外も雪が降っていたので、冬という印象が強いアルバムで、前作の方が良かったなぁと思いました。しかしその後のフューチャー、ウーマンが更に、、、。でも、ストレンジデイズでしたっけ?そのバカラック特集を読むと彼のファンの間では、このアルバムが一番評価高いらしいですね。
失われた地平線からは、テーマ曲、世界は丸い、クエスチョンミーアンアンサー、リビングトゥゲザー辺りを取り上げると思っていたので。
投稿: gordontetsuya | 2023年2月25日 (土) 08時56分
gordontetsuya大先輩、こんばんは!
当時リアルタイムに本アルバムを聴かれたんですね。期待してレコード盤に針を落とす中学生のgordontetsuyaさんの情景が浮かんできました(あくまで想像ですが)。そして、拙ブログ記事よりもはるかに熱量のある語り口&実直な心情描写に引き込まれました。gordontetsuyaさんご自身でブログを書かれたらいいのに…と思います。
『 ストレンジ・デイズ 』2006年4月号を読み返しました。バカラック特集のオリジナル・アルバム・ガイドで、本アルバムを ─ 事実上の最高傑作として推すファンは多い ─ と評価してますね(TEXTは松永良平氏)。読んだはずなのに記憶に残ってませんでした^^;。
投稿: あるでお | 2023年2月25日 (土) 22時37分
アルデオさんおはようございます。お返事ありがとうございます。子供の感想文みたいな何の根拠もない文章を褒めてくださり、アルデオさんの懐の深い優しさを感じます。中学の頃から現在まで周りにバカラックファンはいなかったので誰にも感想を話した事なく、また初めて当時の感想を思い出して書くことができて嬉しいです。でもバカラック氏に会った時に他の曲の感想話せましたかね。
ところでキャロルベイヤーセイガーの自叙伝読み進んでいますが、人間としてのバカラック氏は正直過ぎる人だと思いました。氏がキャロルに取った態度、投げつけた言葉、それによって彼女が受けた哀しみ、辛さ、絶望感他、バカラック作品を知らずに読んだら、単純に酷い人だと思うと思います。でも我々はバカラックの作品を聴いてファンになっているのですからね。バカラックの自叙伝の日本語版、私も読みました。ニッキーからの最後の手紙を読まなかった事、キャロルに対する思い。この二冊だけで外野の人間が二人の関係を言う事はできませんが、バカラックは四人目のジェーン、そしてキャロルはロバート氏と再婚して、幸せになったので、、。
投稿: gordontetsuya | 2023年2月26日 (日) 12時05分
gordontetsuya大先輩、こんばんは
コメントありがとうございます!
周りにバカラックのファンがいない…、拙ブログにコメント書かれる方のほとんどが同じような境遇?だったみたいです。まぁ、仕方ないのかなぁと。
キャロル・ベイヤー・セイガーの自伝、バカラックは酷い、ですか。そういえば、バカラック自伝を翻訳された奥田さんも、訳していてバカラックは冷たい男だなぁと感じた…とおっしゃってました。拙ブログの記事『 対談の感想 小西康陽×奥田祐士 ~バート・バカラック自伝刊行記念~ Feb. 9, 2014 』を参考ください。
http://ardeo1964.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/feb-9-2014-577c.html
gordontetsuyaさんのコメントに私も同感です、プライベートと仕事は全く別だと思いますので。
投稿: あるでお | 2023年2月26日 (日) 17時59分