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2016年6月19日 (日)

ARTHUR/O.S.T. (1981年)

バカラックが音楽を担当した米映画 『 ミスター・アーサー 』 のサントラです。

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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Original LP front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏

1. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO) ~ Christopher Cross ~  M
2. FOOL ME AGAIN ~ Nicolette Larson ~  F
3. POOR RICH BOY ~ Ambrosia ~  M
4. IT'S ONLY LOVE ~ Stephen Bishop ~  M
5. TOUCH
6. IT'S ONLY LOVE
7. MONEY
8. MOVING PICTURES
9. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Famale-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約30分


バカラックが音楽を担当した米映画『 ミスター・アーサー 』のサントラです。

このコメディ映画は1981年の夏にアメリカで封切られました。その年の興行収入第4位になったそうです。ヒットした映画だったんですねー。CDのライナーによれば、日本では同年12月12日から日比谷みゆき座他でお正月映画として5週間ロードショー公開されたそうです。

映画自体はVHSの時代に一度レンタルして観ました。ほとんど忘れてしまいましたが^^;。ですから、映画の中で曲がどう使われたか等には一切触れません、あしからず。(※)

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収録曲の邦題、作者、プロデュース、アレンジ等は上表のとおり。LPのA面4曲が歌物で、B面5曲はインスト物です。CDの解説によれば、映画に使われたのは4曲だけ。歌物のうち主題歌(T-1.)を除く3曲(T-2~4.)は、バカラックが映画用に作ったメロディに詞をつけて “ 映画に共感した歌手 ” が歌った作品。LPのジャケット裏にこう書いてあります。 ─  It contains vocal performances inspired Burt's themes in the motion picture - songs performed and/or co-written by Ambrosia, Stephen Bishop, Christpher Cross, Nicolette Larson and Carole Bayer Sager. ─ 

なんといっても有名なのはクリストファー・クロスが歌う主題歌T-1.「 ニューヨーク・シティ・セレナーデ 」。クリストファー・クロスは前年1980年のファースト・アルバム『 CHRISTPHER CROSS (南から来た男)』で新人ながらグラミー賞で主要部門を総なめにしたばかり(クリストファー・クロスについては以前ベスト・アルバム『 THE DEFINITIVE CHRISTOPHER CROSS 』で紹介しています)。バカラック自伝によると、バカラックとキャロルの家(すでに同居していた)にクリストファー・クロスが来て、一晩で作ったそうです。 ─  たぶん、最初は曲の方向性がおぼろげに決まっているだけだったと思う。だが一度いっしょに作業をはじめると、曲は急速に展開していった。ひとつの部屋に3人が集まるというのは、曲を書く方法としては申し分なく、夜が明けるころにはほぼできあがっていた。とりあえずの完成形をテープに録ると、わたしは翌朝、それを聞き直し、より完璧なかたちに近づけるために、気になるところを手直しした。 ─

本アルバム中、一番バカラックっぽくないのがこの曲。作曲家バカラックの特徴といえば、①変なメロディ/②ひねくれたコード進行/③変拍子/④不規則な小節数/⑤これでもかの転調などですが、流れるようなメロディに素直なコード進行で変拍子も使わず、小節数も8小節単位と至ってオーソドックスでサビでの転調(イ短調→イ長調)もシンプル…ということで、①~⑤のどれも当てはまりません。クリストファー・クロスの影響でしょうね。クリストファー・クロスのアルバムを手掛けたマイケル・オマーティアンのプロデュースもあって、見事にAORの曲に仕上がっています。バカラックにとって「 雨にぬれても 」以来久しぶりの全米1位も獲得し、表舞台に返り咲くことができました。パチパチ。

クリストファー・クロスを含めて、歌物4曲は全て当時のワーナー・レーベル在籍のアーティストによるもの。T-2.「 フール・ミー・アゲイン 」はニコレット・ラーソンが歌っています。アンドリュー・ゴールドがプロデュース(彼は翌年彼女のアルバムをプロデュースします)し、カントリー風の曲に仕上がっています。ちなみに、ニコレット・ラーソンは1978年のデビュー・アルバム『 Nicolette (愛しのニコレット)』でバカラックの「 MEXICAN  DIVORCE (恋するメキシカン)」をカヴァーしています。

T-3.「 プア・リッチ・ボーイ 」はアンブロージアというLAのバンドが歌っています。インスト曲のT-7.「 マネー 」にバンドの二人のヴォーカル(デイヴィッド・パックとジョー・プエルタ)が詞を付けたもので、元曲のT-7. とは違ってロック調の仕上がりです。

T-4.「 貴方とともに 」はシンガー・ソングライターのスティーヴン・ビショップが歌っています。インストの同名曲T-6. にキャロルとスティーヴン・ビショップが詞をつけたもの。美しいメロディの佳曲で、元曲T-6. と同じ味付けのアレンジです。

T-2~4.は、作曲に関してはバカラックひとりによるもの。これら各曲では変拍子(4拍子の中に2拍子の小節が入るパターン)がみられます。小節数に関しても、T-2.は基本5小節単位で構成されていますし、T-3.でもAメロは5小節単位だったりします。さきほど提示した “ バカラック作曲面の5つの特徴 ” のうち、③変拍子/④不規則な小節数 の二つだけは譲れないところなのでしょう。

T-5~9.(LPのB面)はバカラック名義のインスト曲で、全体的にフュージョン・タッチの曲調(T-6. はポップス調ですが)。こちらはバカラック自身のプロデュース/アレンジですからねっ。ただ、T-5.「 タッチ 」やT-8.「 映画 」みたいに映画に使われない曲をわざわざレコーディングするくらいなら、映画用に作曲したスコアをアルバムに入れてもよかったんじゃないかと思うんですけど。

ちなみに、この映画の主人公アーサーを演じたダドリー・ムーアはジャズ・ピアニストでもありまして、1972年にリリースしたアルバム『 Today 』でバカラック作品を1曲演奏しています。(2019年3月4日 追記)

(※)2020/5/2追記:コロナ禍のおうち時間で『 ミスター・アーサー 』観ました。Amazonプライムでレンタルして。主題歌のT-1.はオープニング(中断挟んで3分ちょっと)とエンディングだけ。インスト版のT-9.もアーサーが父親の会社に向かう約20秒だけ。意外と使われてないんですね。劇中で最も流れるのはT-6.で、リンダの家、ホプソンの部屋、リンダとアーサーが馬房で語り合う場面、ホプソンの看病中など、アーサーが大切な人と会話するシーンで多く使われてます。T-6.はこの映画の“愛のテーマ”なんですねー。T-7.はフィアンセの家に向かう場面と結婚式をぶち壊して教会から出てきた場面で流れてました。以上!

ついでに、オマケ。クリストファー・クロスがダドリー・ムーアのピアノで「 ニューヨーク・シティ・セレナーデ 」を歌う映像がYouTubeには複数アップされています。そのうち、クリストファー・クロス公式サイトがアップした映像がこちら。ダドリー・ムーア・ショーに出演したときの映像だそう。ダドリー・ムーアがそんなショーを持っていたとは…。


【データ】
『 ARTHUR, THE ALBUM 』 (邦題:ミスター・アーサー)
O.S.T.

LP:1981年8月リリース (所有CDは、1990年9月リイシューの日本盤。解説は宮内鎮雄氏)
レーベル:Warner Bros. Records (所有CDは、WEA)
番号:BSK 3582 (所有CDは、WPCR-2633)

Executive Producer: Stephen Paley
Drums: Jeff Pocaro(T-1,4~9.), Rick Schlosser(T-2.), Burleigh Drummond(T-3.), Mike Baird(T-4.)
Bass: David Hungate(T-1,4~9.), Bob Glaub(T-2.), Joe Puerta(T-3.)
Keyboards: Michael Omartian(T-1.), Christopher North and David Lewis(T-3.), Burt Bacharach and Mike Lang(T-4~9.)
Synthesizer: Michael Omartian(T-1.), Michael Boddicker(T-5~9.)
Piano: Tom Salisbury(T-2.)
Electric Piano: Andrew Gold(T-2.)
Synthesizer Programming: Michael Boddicker(T-1.)
Guitas: Steve Lukather(T-1), Marty Walsh(T-1.), Chris Cross(T-1.), Andrew Gold(T-2,4~9.), David Pack(T-3.), Lee Ritenour(T-4~9.)
Percussion: Paulinho da Costa(T-1,5~9.), Andrew Gold(T-2.), Royce Jones(T-3.)
Sax: Ernest J. Watts(T-1.), Jim Horn(T-2.)
Sax, flute, oboe: John Phillips(T-5~9.)
Sax and flute: Larry Williams(T-5~9.)
Baritone and soptrano sax, flute: Kim Hutchcroft(T-5~9.)
Tuba: Tommy Johnson(T-5~9.)
Trumpets: Chuck Findley, Warren Luening(T-5~9.)
Harmonica: Tommy Morgan(T-5~9.)
Background vocals: David Pack(T-3.), Royce Jones(T-3.), Richard Page and Steve George(T-5~9.)

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