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2016年6月

2016年6月26日 (日)

THE BEST OF ME/David Foster (1983年)

デイヴィッド・フォスターが自身名義でリリースしたファースト・アルバムです。バカラックとフォスターの共作曲を1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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Original LP front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏

全10トラック中、バカラック作品は1トラック

4. HEART STRINGS (5:16)


デイヴィッド・フォスターが自身名義で1983年にリリースしたファースト・アルバムです。

デイヴィッド・フォスターといえばAOR界のカリスマといっていいプロデューサー/作編曲家/キーボード奏者。1980年代~1990年代にかけての活躍ぶりは私ごときが語らなくとも皆さんご存知でしょうから、説明は省きます。

そのデイヴィッド・フォスターが、リリースの1年前に共同プロヂューサーの南里高氏から 「 君のソロ・アルバムを作ってみないか? 」 と誘われてレコーディングしたのが本アルバムです。このアルバムのために自宅に作った録音スタジオでレコーディングし、日本のレコード会社からリリースされました。ほとんどがインスト・ナンバーなのですが、全体的にメロディがあまり前面に出ずなんだかカラオケの伴奏といった印象は否めません。そこがちょっと残念なところ。

実は私、本アルバムのCDを所有するのは2回目。最初に購入したCDは、引っ越しの際に荷物を減らすため処分したんです。バカラック作品が収録されているとわかっていたら手放したりしませんょ。本アルバムにはどこを探したってバカラックの “ B ” の字もないんですから…(>_<)。

そのバカラック作品というのが、T-4. 「 ハート・ストリングス 」 で、バカラックとフォスターの共作となるインスト・ナンバーです。

3年前、まったりさんがこの曲をブログ 『 バカラックマジックでまったりと 』 で取り上げられました。その記事に私は以下のようなコメントを書き込みました。

─  「 Heart Strings 」 を再生始めて0:27になったとき、聴いたことあるメロディが飛び込んできました。そして、みるみるうちに私の心の中に ” 後悔 ” という文字が怒涛のように浮かんできたのです…。何を隠そうわたくし、デヴィッド・フォスターさんのデビューアルバム 『 The Best of Me 』 を以前持っていたのです。そして、10年前に引っ越す際、「 邪魔やんこれ 」 と思って処分してしまっていたのでした~~!! バカラックさんの曲が入っていたなんて~~~。ショック!!!! 悔しいけれど、ついさきほどiTunesでダウンロードしました~~。まったりさん、教えてくれてありがとうございました!!!!!
それにしても、この曲に詞をつけた 「 Love Will Show Us How 」 を見つけるまったりさんはやっぱりもの凄いです!! 当然のことながら全く知りませんでした~。iTunesで検索したところ、Glenn Jonesさんのヴァージョンは見つからなかったのですが、なんとこの曲をカヴァーした女性シンガーがいらっしゃいました。Alice Konecna さんという方で、2004年リリースのアルバム 『 Girl 』 に収録されています。さっそくこの方のヴァージョンをダウンロードしました!!! これもまったりさんのおかげです~~~~。感謝!!! ─


その後、本アルバム(CD)を再度購入した次第です。

さて、曲自体はスローなバラード。ちょっと変拍子っぽいところはありますがバカラック色はあまり感じられません。共作とはいえ、デイヴィッド・フォスターの比重が高かったのでしょう。演奏は、ドラムスを除く全ての楽器をデイヴィッド・フォスターが担当。ベースもエレピもストリングスもシンセを使ってるようです。

まったりさんのブログ記事には、この曲にまつわる背景や事後談など興味深い内容が詰まっています。「 ハート・ストリングス 」 の動画は再生できなくなっていますが、 「 Love Will Show Us How 」 の方は再生可能です。是非ご覧になってください。 → こちら

本アルバムには、アル・ジャロウが歌った名曲 「 MORNIN'(モーニン) 」 のセルフ・カヴァーや、のちにチャカ・カーンが歌ってヒットすることになる 「 CHAKA(スルー・ザ・ファイヤー) 」 が収録されています。なお、所有CDは1985年にリリースされたリミックス盤で、ジャケットが全く違います。このリミックス盤にはオリジナル盤に含まれていなかったシカゴの 「 HARD TO SAY I'M SORRY(素直になれなくて) 」 のセルフ・カヴァーも収録されています。

知ってる曲はそれくらい。どうせだったら、もっとヒット曲のセルフ・カヴァーを多くした方が聴く方は嬉しいんですけどねー。


データ】
『 THE BEST OF ME 』 (邦題:ザ・ベスト・オブ・ミー)
David Foster

LP/CD:1983年5月リリース (所有CDは、1985年9月にリリースされたリミックス盤)
レーベル:サウンド・デザイン・レコード (所有CDも同じ)
番号:1342-9 (28SD)/SDCH-1023 (所有CDは、P33S20015)

Produced by David Foster and Taka Nanri for Sound Design. Inc.
Arranged by David Foster and Jeremy Lubbock
Mixed by Bill Schnee except on T-10. 「 THE BEST OF ME 」
All instruments played by David Foster except John Keane:Drums
曲によりゲスト・ミュージシャンがクレジットされていますが、割愛します。
T-4. 「 HEART STRINGS 」 はゲスト・ミュージシャンのクレジット無し。

左:オリジナル盤、右:リミックス盤

2016年6月22日 (水)

NIGHT SHIFT/O.S.T. (1982年)

バカラックが音楽を担当した米映画 『 ラブ IN ニューヨーク 』 のサントラ盤です。

※ 2018/1/2追記: 中古LPを入手しましたので、あらためて記事に取り上げました。 → こちら

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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Original LP front cover/back cover

全10トラック中、バカラック作品は6トラック

1. NIGHT SHIFT  ~ Quarterflash ~  F
2. STREET TALK  ~ Burt Bacharach ~
3. GIRLS KNOW HOW  ~ Al Jarreau ~  M
4. THE LOVE TOO GOOD TO LAST  ~ Pointer Sisters ~  F
5. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR  ~ Rod Stewart ~  M
6. SOMEDAY, SOMEWAY  ~ Marshall Crenshaw ~
7. PENTHOUSE AND PAVEMENT  ~ Heaven 17 ~
8. TALK TALK  ~ Talk Talk ~
9. EVERLASTING LOVE  ~ Rufus & Chaka Khan ~

10. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR  ~ Burt Bacharach ~

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Famale-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約37分


バカラックが音楽を担当した米映画 『 ラブ IN ニューヨーク 』 のサントラ盤です。

1981年の映画 『 ミスター・アーサー 』 から1年後、バート・バカラック&キャロル・ベイヤー・セイガーのチーム(1982年3月に二人は結婚しました)はまたもや映画の音楽を担当します。今度の映画もコメディで…

…などと、映画/アルバム/収録曲/アーティストなどについて説明していきたいところですが、それだけのネタがありません。CD化されてない為CD持ってないし、MP3データでの入手も不可なのです(その昔、海賊盤CDが出たとゆーウワサもありますが)。

中古アナログ盤を購入しようかとも思ったりするのですが、アマゾンのマーケットプレイス(勿論Import)での取り扱いは無し。米アマゾンではマーケットプレイスで売られてるんですけどね。日本の中古レコード屋さんで売ってたら買うのになぁ。あっ、レコード・プレーヤーも買わなきゃ! って、そんなカネがどこにあるっ(T_T)

いつになるかわかりませんが、中古アナログ盤を入手したらあらためて取り上げます。


ここからはオマケ。
拙ブログにお越しの方ならすでにご存じかとは思いますが、本アルバム全10曲を聴けるサイトがあります。
リンクは → こちら

少しだけコメントを…。
T-4. 「 THE LOVE TOO GOOD TO LAST 」 は書下ろしではなく、ポインター・シスターズの1980年のアルバム 『 SPECIAL THINGS 』 に収録されている曲そのものです。アル・ジャロウが歌うT-3. 「 GIRLS KNOW HOW 」 はバカラック夫妻とデイヴィッド・フォスターによる共作。この曲が一番ポップですね。そして、ロッド・スチュワートが歌うT-5. 「 THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR 」 は、のちにディオンヌ&フレンズが歌い全米1位となった 「 愛のハーモニー 」 のオリジナル。曲名は同じですが、2番の歌詞が幾分異なります。


【データ】
『 NIGHT SHIFT 』 (邦題:ラブ IN ニューヨーク)
O.S.T.

LP:1982年7月リリース (所有CDはありません)
レーベル:Warner Bros. Records
番号:23702

2016年6月19日 (日)

ARTHUR/O.S.T. (1981年)

バカラックが音楽を担当した米映画 『 ミスター・アーサー 』 のサントラです。

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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Original LP front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏

1. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO) ~ Christopher Cross ~  M
2. FOOL ME AGAIN ~ Nicolette Larson ~  F
3. POOR RICH BOY ~ Ambrosia ~  M
4. IT'S ONLY LOVE ~ Stephen Bishop ~  M
5. TOUCH
6. IT'S ONLY LOVE
7. MONEY
8. MOVING PICTURES
9. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Famale-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約30分


バカラックが音楽を担当した米映画 『 ミスター・アーサー 』 のサントラです。

このコメディ映画は1981年の夏にアメリカで封切られました。その年の興行収入第4位になったそうです。ヒットした映画だったんですねー。CDのライナーによれば、日本では同年12月12日から日比谷みゆき座他でお正月映画として5週間ロードショー公開されたそうです。

映画自体はVHSの時代に一度レンタルして観ました。ほとんど忘れてしまいましたが^^;。ですから、映画の中で曲がどう使われたか等には一切触れません、あしからず。

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収録曲の邦題、作者、プロデュース、アレンジ等は上表のとおり。LPのA面4曲が歌物で、B面5曲はインスト物です。CDの解説によれば、映画に使われたのは4曲だけ。歌物のうち主題歌(T-1.)を除く3曲(T-2~4.)は、バカラックが映画用に作ったメロディに詞をつけて “ 映画に共感した歌手 ” が歌った作品。LPのジャケット裏にこう書いてあります。 ─  It contains vocal performances inspired Burt's themes in the motion picture - songs performed and/or co-written by Ambrosia, Stephen Bishop, Christpher Cross, Nicolette Larson and Carole Bayer Sager. ─ 

なんといっても有名なのはクリストファー・クロスが歌う主題歌T-1. 「 ニューヨーク・シティ・セレナーデ 」 。クリストファー・クロスは前年1980年のファースト・アルバム 『 CHRISTPHER CROSS (南から来た男) 』 で新人ながらグラミー賞で主要部門を総なめにしたばかり(クリストファー・クロスについては以前ベスト・アルバム 『 THE DEFINITIVE CHRISTOPHER CROSS 』 を紹介しています)。バカラック自伝によると、バカラックとキャロルの家(すでに同居していた)にクリストファー・クロスが来て、一晩で作ったそうです。 ─  たぶん、最初は曲の方向性がおぼろげに決まっているだけだったと思う。だが一度いっしょに作業をはじめると、曲は急速に展開していった。ひとつの部屋に3人が集まるというのは、曲を書く方法としては申し分なく、夜が明けるころにはほぼできあがっていた。とりあえずの完成形をテープに録ると、わたしは翌朝、それを聞き直し、より完璧なかたちに近づけるために、気になるところを手直しした。 ─

本アルバム中、一番バカラックっぽくないのがこの曲。作曲家バカラックの特徴といえば、①変なメロディ/②ひねくれたコード進行/③変拍子/④不規則な小節数/⑤これでもかの転調などですが、流れるようなメロディに素直なコード進行で変拍子も使わず、小節数も8小節単位と至ってオーソドックスでサビでの転調(イ短調→イ長調)もシンプル…ということで、①~⑤のどれも当てはまりません。クリストファー・クロスの影響でしょうね。クリストファー・クロスのアルバムを手掛けたマイケル・オマーティアンのプロデュースもあって、見事にAORの曲に仕上がっています。バカラックにとって 「 雨にぬれても 」 以来久しぶりの全米1位も獲得し、表舞台に返り咲くことができました。パチパチ。

クリストファー・クロスを含めて、歌物4曲は全て当時のワーナー・レーベル在籍のアーティストによるもの。T-2. 「 フール・ミー・アゲイン 」 はニコレット・ラーソンが歌っています。アンドリュー・ゴールドがプロデュース(彼は翌年彼女のアルバムをプロデュースします)し、カントリー風の曲に仕上がっています。ちなみに、ニコレット・ラーソンは1978年のデビュー・アルバム 『 Nicolette (愛しのニコレット) 』 でバカラックの 「 MEXICAN  DIVORCE (恋するメキシカン) 」 をカヴァーしています。

T-3. 「 プア・リッチ・ボーイ 」 はアンブロージアというLAのバンドが歌っています。インスト曲のT-7. 「 マネー 」 にバンドの二人のヴォーカル(デイヴィッド・パックとジョー・プエルタ)が詞を付けたもので、元曲のT-7. とは違ってロック調の仕上がりです。

T-4. 「 貴方とともに 」 はシンガー・ソングライターのスティーヴン・ビショップが歌っています。インストの同名曲T-6. にキャロルとスティーヴン・ビショップが詞をつけたもの。美しいメロディの佳曲で、元曲T-6.  と同じ味付けのアレンジです。

T-2~4. は、作曲に関してはバカラックひとりによるもの。これら各曲では変拍子(4拍子の中に2拍子の小節が入るパターン)がみられます。小節数に関しても、T-2. は基本5小節単位で構成されていますし、T-3. でもAメロは5小節単位だったりします。さきほど提示した “ バカラック作曲面の5つの特徴 ” のうち、③変拍子/④不規則な小節数 の二つだけは譲れないところなのでしょう。

T-5~9. (LPのB面)はバカラック名義のインスト曲で、全体的にフュージョン・タッチの曲調(T-6. はポップス調ですが)。こちらはバカラック自身のプロデュース/アレンジですからねっ。ただ、T-5. 「 タッチ 」 やT-8. 「 映画 」 みたいに映画に使われない曲をわざわざレコーディングするくらいなら、映画用に作曲したスコアをアルバムに入れてもよかったんじゃないかと思うんですけど。


ここからはオマケです。「 ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO) 」 のエレクトーン版を埋め込んでおきます。私の演奏です。ミスタッチ(鍵盤の弾き間違い)多いですが、下手の横好きってことでご勘弁を。好きな曲なので弾きたかったんです^^;。
2011年5月の録音。キーはクリストファー・クロス版と同じ。アレンジもそのクリストファー・クロス版に準拠したもの。リズムはすべて打ち込みです。



【データ】
『 ARTHUR, THE ALBUM 』 (邦題:ミスター・アーサー)
O.S.T.

LP:1981年8月リリース (所有CDは、1990年9月リイシューの日本盤。解説は宮内鎮雄氏)
レーベル:Warner Bros. Records (所有CDは、WEA)
番号:BSK 3582 (所有CDは、WPCR-2633)

Executive Producer: Stephen Paley
Drums: Jeff Pocaro(T-1,4~9.), Rick Schlosser(T-2.), Burleigh Drummond(T-3.), Mike Baird(T-4.)
Bass: David Hungate(T-1,4~9.), Bob Glaub(T-2.), Joe Puerta(T-3.)
Keyboards: Michael Omartian(T-1.), Christopher North and David Lewis(T-3.), Burt Bacharach and Mike Lang(T-4~9.)
Synthesizer: Michael Omartian(T-1.), Michael Boddicker(T-5~9.)
Piano: Tom Salisbury(T-2.)
Electric Piano: Andrew Gold(T-2.)
Synthesizer Programming: Michael Boddicker(T-1.)
Guitas: Steve Lukather(T-1), Marty Walsh(T-1.), Chris Cross(T-1.), Andrew Gold(T-2,4~9.), David Pack(T-3.), Lee Ritenour(T-4~9.)
Percussion: Paulinho da Costa(T-1,5~9.), Andrew Gold(T-2.), Royce Jones(T-3.)
Sax: Ernest J. Watts(T-1.), Jim Horn(T-2.)
Sax, flute, oboe: John Phillips(T-5~9.)
Sax and flute: Larry Williams(T-5~9.)
Baritone and soptrano sax, flute: Kim Hutchcroft(T-5~9.)
Tuba: Tommy Johnson(T-5~9.)
Trumpets: Chuck Findley, Warren Luening(T-5~9.)
Harmonica: Tommy Morgan(T-5~9.)
Background vocals: David Pack(T-3.), Royce Jones(T-3.), Richard Page and Steve George(T-5~9.)

2016年6月12日 (日)

Hot! Live and Otherwise/Dionne Warwick (1981年)

ディオンヌ・ワーウィックが1981年にリリースしたアリスタ移籍後3作目のアルバムです。メドレーも含めてバカラック作品を15曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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Original LP front cover/back cover
(ダブルジャケットになっていて、広げると外側はディオンヌの立ち姿に)

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所有CDのジャケット表/ケース裏

全15トラック中、バカラック作品は3トラック(15曲)

2. DON'T MAKE ME OVER (3:21)
3. ALFIE (4:00)
5. Hit Records Medley (19:42)
  1) WALK ON BY
  2) ANYONE WHO HAD A HEART
  3) YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
  4) A HOUSE IS NOT A HOME
  5) MESSAGE TO MICHAEL
  6) TRAINS AND BOATS AND PLANES
  7) THE LOOK OF LOVE
  8) (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
  9) DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
  10) (THEME FROM) VALLEY OF THE DOLLS
  11) (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME *
  12) MAKE IT EASY ON YOURSELF
  13) PROMISES, PROMISES *
  14) WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
  15) THEN CAME YOU

* ライナーやジャケットの曲目リストには未記載ですが、これら2曲も入ってます


ディオンヌ・ワーウィックが1981年にリリースしたアリスタ移籍後3作目のアルバムです。

ディオンヌは1972年にセプターからワーナーに移籍。1974年にスピナーズとのデュエット曲 「 Then Came You 」 が彼女初の全米1位に輝いたものの、他には目立ったヒットを出せずワーナーとの5年契約が切れます。アリスタに移って初めてのシングル 「 I'll Never Love This Way Again(涙の別れ道) 」 がいきなりの全米5位。続く 「 Déjà Vu(デジャ・ヴ) 」 も全米15位になり復活! その2曲を収録した 『 Dionne 』 (1979年リリース)、『 No Night So Long 』 (1980年リリース) という2枚のスタジオ録音アルバムに続いてリリースしたのがライヴ録音の本アルバムです。

LP2枚組で、ライヴ録音10トラック(1枚目両面と2枚目のA面)と、スタジオ録音5トラック(2枚目のB面)という構成。収録されているバカラック作品3トラックは、全てライヴ録音でございます。

ライヴ録音部分は、1981年4月にネヴァダ州リノでのショウの模様を収めたもの。バックは、バンドにオーケストラ。クレジットを眺めると、バック・コーラスにダーレン・ラヴの名前が…。バック・シンガーにスポットライトをあてたドキュメンタリー映画 『 バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち 』 でも主要人物のひとりとして登場してましたね。この映画はなかなか良い映画でした。

T-2. 「 ドント・メイク・ミ・オーバー 」 とT-3. 「 アルフィー 」 は、フルサイズで歌っています。キーは2曲とも昔のスタジオ録音版と同じ。クレジットによると「 アルフィー 」 のアレンジはバカラックとなっています。冒頭の伴奏はピアノのみだしレコードとは違うアレンジなんですけどね。セプター時代のライヴ用の楽譜をそのまま使ったのかしらん。「 ドント・メイク・ミ・オーバー 」 はそんなでもないですが、「 アルフィー 」 でのディオンヌはねちっこいです。ステージだとそういう感じで歌いたくなるのかなぁ。個人的にはスタジオ録音版の方がぜんぜん好きです。

そして残り1トラックは、T-5. 「 ヒット・レコード・メドレー 」 。セプター時代の14曲とワーナー時代の1曲を20分弱に及ぶメドレーで歌っています。このうちセプター時代の13曲がバカラック作品。…なんですが、7) 「 恋のおもかげ 」 、8) 「 遥かなる影 」 、14) 「 世界は愛を求めている 」 あたりはシングルを出していませんからね、ディオンヌは。「 ヒット・レコード・メドレー 」 というタイトルにちょいとイチャモンを付けたくなります(笑)。

メドレー中の13曲のうち、5) 「 マイケルへのメッセージ 」 のキーが半音低いだけで、他の曲は昔のスタジオ録音版と同じキー。メドレーの前半~中盤は軽めで、1コーラスも歌わずにサビだけとか、サビで始まってAメロまでとか、そーゆーさわりだけしか歌わない曲もあります。メドレーの山場は、なんと言っても後半12分15秒過ぎからの3曲。11) 「 愛の想い出(愛のウェイ・トリフティング) 」 はムッチャ速いサンバのリズムで約1分半熱唱。歌い切って約20秒間観客も拍手。続くスローな12) 「 涙でさようなら 」 はちょっとしつこく感じるくらいねちっこくシャウト。歌い切って約15秒間拍手。このあとまたムッチャ速いテンポで13) 「 プロミセス・プロミセス 」 のサビの部分を歌い、極めつけはラスト前での約14秒のロングトーン! よく声が続くなー。歌い切ってここでも観客は拍手喝さい。

バカラック作品以外では、ボビー・コールドウェルの 「 WHAT YOU WON'T DO FOR LOVE(風のシルエット) 」 とEW&Fの 「 IN THE STONE 」 をカヴァーしてメドレーで歌ったT-1. がイイですねー。ディオンヌの歌もノリがよくって、ナイス選曲だと思います。尚、リイシューCDはオリジナルLPから2曲カットされています(バカラック作品ではありません)。代わりに、LP未収録の2曲がボーナス・トラックとして追加されています(これもバカラック作品ではありません)。

ディオンヌは1940年12月生まれですから、この時まだ40歳。高い音域もなんとか歌えていた頃の貴重なライヴ音源かなぁと思います。


【データ】
『 Hot! Live and Otherwise 』
Dionne Warwick

LP:1981年5月20日リリース (所有CDは、2008年2月1日リイシューのUK盤)
レーベル:Arista Records (所有CDは、Soulmusic.com/Passion Music (UK))
番号:A2L 8605 (所有CDは、SMDC 01 CD)

Produced by Steve Buckingham except: T-10,11,13 Produced by Michael Masser
Musicians on the live songs:
  Mel Lee: drums
  Ralph Rost: bass
  Harold Alexander: percussion
  Lee Valentine: guitar
  Stuart Levin: keyboards
  Joe Kloess: keyboards and conductor
  Eunice Peterson, Darlene Love: background vocals
  The John Carlton Orchestra
  Produced by Steve Buckingham
T-2,5. arranged by Larry Wilcox
T-3. arranged by Burt Bacharach
Live tracks recorded at Harrah's, Reno, Nevada

2016年6月 8日 (水)

SOMETIMES LATE AT NIGHT/Carole Bayer Sager (1981年)

キャロル・ベイヤー・セイガーが1981年にリリースしたサード・アルバムです。キャロル&バカラックの共作曲を9曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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Original LP front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏

全13トラック中、バカラック作品は10トラック(9曲)

1. Prologue
2. I WON'T BREAK
3. JUST FRIENDS
4. TELL HER
5. SOMEBODY'S BEEN LYING
6. ON THE WAY TO THE SKY

7. YOU AND ME (WE WANTED IT ALL)
8. SOMETIMES LATE AT NIGHT
9. WILD AGAIN
10. EASY TO LOVE AGAIN
11. STRONGER THAN BEFORE
12. YOU DON'T KNOW ME
13. Reprise

収録時間約43分


キャロル・ベイヤー・セイガーが1981年にリリースしたサード・アルバムです。邦題は、真夜中にくちづけ。

キャロルは1947年生まれでニューヨーク出身。ハイスクール・オブ・ミュージック&アートに在籍中だった15歳の時にドン・カーシュナーの音楽出版社 “ スクリーン・ゲイムス ” と契約を交わし、作詞家としてのキャリアを踏み出します。「 A Groovy Kind Of Love(恋はごきげん) 」 (1966年:マインドベンダーズ/1988年:フィル・コリンズがリヴァイヴァル) を手がけ、ニール・セダカと共作したり、ブロードウェイのミュージカルを手がけたのちに退社。その後、ベット・ミドラーのバック・コーラスを務めていたメリサ・マンチェスターのデビュー・アルバム 『 Home To Myself 』(1973年) に作品を提供して注目を集め、1975年に 「 Midnight Blue 」 の大ヒットが生まれました。それからは、アルバート・ハモンドと共作したレオ・セイヤーの全米1位ヒット 「 When I Need You(はるかなる想い) 」 、マーヴィン・ハムリッシュと共作したアレサ・フランクリンの 「 Break It To Me Gently(やさしくうちあけて) 」 など、多くの歌手が彼女の曲を取り上げるようになります。

Img217aaImg216aaキャロル自身もエレクトラから歌手としてデビュー。
1977年に 『 Carole Bayer Sager(私自身) 』(画像左) 、1978年に 『 TOO 』(画像右) と2枚のアルバムをリリース。この2枚は私も所有(1990年CDリイシュー盤)していますが、主な共作者はメリサ・マンチェスター、マーヴィン・ハムリッシュ、デイヴィッド・フォスター、ピーター・アレン、ブルース・ロバーツ、ベット・ミドラーなど錚々たる面々。参加ミュージシャン&ヴォーカリストも、ジェフ・ポーカロ、ジム・ケルトナー、リー・スクラー、デイヴィッド・ハンゲイト、リー・リトナー、スティーヴ・ルカサー、ジェイ・グレイドン、デイヴィッド・フォスター、スティーヴ・ポーカロ、ブルース・ロバーツ、マーヴィン・ハムリッシュ、メリサ・マンチェスター、ベット・ミドラー、ピーター・アレン、ビル・チャンプリン、マイケル・マクドナルドなどなど。とても豪華です。2枚ともプロデューサーはブルックス・アーサー。キャロルの歌は素朴でざっくりした肌触り。アレンジもさっぱりしています。2枚ともAORと言うよりはMOR/ポップスといった感じ。地味ながらも佳曲が揃っていて、聴いていて気持ちが温かくなるアルバムです。

1979年~1980年ころ、TV番組 『 マイク・ダグラス・ショウ 』 にふたりが出演したのをきっかけに、キャロルとバカラックは一緒に仕事をするようになります。前回記事で紹介したとおり、最初の共作曲が世に出たのは、ポインタ・シスターズが1980年8月にリリースしたアルバム 『 SPECIAL THINGS 』 でした。 

Img207cc─  それから1年ほどして、わたしたちは男女関係をテーマにした 『 真夜中にくちづけ 』 というコンセプト・アルバムを、キャロルの親友だったニール(・ダイアモンド)とジョイス・ボガートが所有するレーベル、ボードウォーク・レコードからリリースした。 ─ (バカラック自伝より)

本アルバムについて、キャロルはこうコメントしています。

─  『 真夜中のくちづけ 』 はわたしたちの関係をうたっているように聞こえるけど、当時はそれに気づかなかった。あれは全部の曲が継続しているような感じで次の曲に移っていく、愛に関するコンセプトアルバムだったの。ふり返ってみると、自分でも気づいていなかった気持ちを先取りしてるようなところもあったと思うわ。 ─ (バカラック自伝より)

ゴージャスな衣装をまとい悩殺ポーズでキメてるジャケ写は、素っ気なかった過去2枚のアルバムからは想像できない変わりよう。ジャケ裏の写真に至ってはバカラックとイチャついてるし。それなのに気づかなかったって言われても、ねぇ…^^;。

過去2枚を手掛けたブルックス・アーサーとバカラックの共同プロデュース。ただし、T-3. はマイケル・ジャクソン&バカラックがプロデュース。また、T-6. のバック・トラックはニール・ダイアモンドとデニス・St.・ジョンがプロデュース。 T-1. とT-13. を除く11曲のなかで、T-2~5. とT-8~12. の計9曲がキャロルとバカラック の共作(うちT-2. とT-4. の2曲はピーター・アレンも加えた3人、T-11. はブルース・ロバーツを加えた3人による共作)。 うち6曲ではアレンジもバカラックが担当しています。コンボとバック・コーラスは、それまでのキャロルのアルバムに参加していた豪華な面々。それに、ストリングス&ホーンのオケが加わります。作者、アレンジ、ミュージシャン、バック・コーラスの詳細については、後述する【データ】の表を参照ください。

キャロルのコメントにもあったように、LP時代のA面(CDのT-1~7.)とB面(CDのT-8~13.)それぞれの各曲をクロスフェードでつないでいます。この演出のせいだと思うのですが、アルバム全体になんともいえない芳香が漂っています。ちなみに、T-1. 「 プロローグ 」 は、A面最後のT-7.「 あなたと私」 のサビの部分。T-13. 「 リプライズ 」 は、B面最初のアルバム・タイトル曲T-8. 「 真夜中にくちづけ 」 のリプライズ。A面、B面それぞれをひとつの物語にしようという意図がうかがえます。

個々の曲は、ミディアム・テンポの落ち着いたポップス又はスロー・バラードのいずれか。
以下、バカラックが提供した曲達について少し考察してみます。こんなスウィートなアルバムでも、バカラックは変拍子をやめません(笑)。さすがに乱用することはありませんが…。また、普通のポップス曲は一般的に8小節単位で構成されているのですが、そんな普通の曲は1曲もありません。例えばT-2.  「 愛のアレンジメント 」 の場合、1コーラスの構成はA-B-A’という形式なのですが、小節数は各々Aが10小節、Bが9小節、A'が12小節。ポップス向けに作曲しつつも、こういった “ バカラック印 ” ともいえる特徴をねじ込んでくるとは(゜゜)。ここで一句。

 転んでも タダでは起きない バカラック (字余り^^;)

T-3. 「 ジャスト・フレンズ 」 はマイケル・ジャクソンがバック・コーラスで参加し、前述したようにバカラックと共同でプロデュースも手がけました。2枚目のアルバム 『 TOO 』 に入っていたデイヴィッド・フォスターとの共作曲 「 IT'S THE FALLING IN LOVE(恋をしましょう) 」 をマイケルが1979年のアルバム 『 OFF THE WALL 』 でカヴァーしたご縁によるものと思われます。バカラック自伝にこの曲の裏話がありましたので、引用します。 ─  「 ジャスト・フレンズ 」 というデュエット・ナンバーでは、マイケル・ジャクソンがスタジオにやって来て、キャロルといっしょにうたってくれた。アレンジはわたしが書き、ストリング・セクションとリズム・セクションを勢ぞろいさせて待っていると、マイケルが 「 何分かもらえませんか? ちょっと、ためしてみたいことがあるんです 」 と言いだした。彼はその日のギタリストだったポール・ジャクソン・ジュニアを連れてトイレに入り、この曲のために、わたしが考えていたものより5倍はすばらしい、まったく別種の流れとコンセプトを考え出した。あの曲でいっしょにうたうキャロルとマイケルを聞いていると、「 どっちがマイケルで、どっちがキャロルなんだろう? 」 と不思議になってくるはずだ。それくらい、ふたりの声はうまくフィットしていた。 ─ (バカラック自伝より)

このマイケルの例からもわかるように、バカラックのアレンジはイマイチ時代についていってない感じを受けます。はっきり言うと、80年代っぽくないんですね。デイヴィッド・フォスターがアレンジを担当したT-11. 「 愛は果てしなく 」 が、あちこち(特にシンセの音色&フレージングやパーカッションの使い方など)に80年代を感じるのとは対照的です。この 「 愛は果てしなく 」 は、本アルバムからシングル・カットされて全米30位を記録(WS8 02054、A面)。キャロルにとって歌手として唯一のTOP30入りを果たし、バカラックにとっても久々のTOP30入りとなりました。1984年チャカ・カーン、1985年ディオンヌ・ワーウィック2006年Lyrico2007年トレインチャなどのカヴァーがあります。

また、T-5. 「 愛にゆれる 」 は、カーペンターズが同年(1981年)のアルバム 『 Made In America 』 でカヴァーしています。ドリーミーでドラマチックなカーペンターズ版の方が出来としては上だと思います。

─  『 真夜中にくちづけ 』 をつくったあとで、キャロルとわたしはツアーに出た。アルバムの売れ行きは決してよくなかったが、世間の人たちはそう思っていなかった。シングルの 「 愛は果てしなく 」 が、チャートでそこそこ健闘していたからだ。おかげでキャロルとわたしがLAのサンセット・ストリップにあるロキシーでやった5夜の公演は、全回がソールドアウトになった。 ─ (バカラック自伝より)

何はともあれ、バカラックはキャロルのおかげで息を吹き返すことができました。キャロルとバカラックが結婚するのは翌1982年のことです。


【データ】
『 SOMETIMES LATE AT NIGHT 』 (邦題:真夜中のくちづけ)
Carole Bayer Sager

LP:1981年4月リリース (所有CD:2002年5月2日リイシューの日本盤)
レーベル:Boardwalk (所有CD:ビクター・エンタテインメント)
番号:FW 37069 (所有CD:VICP-61840)

Produced by Burt Bacharach and Brooks Arthur
T-3. Produced by Micheal Jackson and Burt Bacharach
T-6. Track Produced by Neil Diamond and Dennis St. John
Photo_4
Recording at Studio 55, Los Angels and Record Plant, Los Angels
Additional Recording at The Hit Factory, New York

2016年6月 1日 (水)

SPECIAL THINGS/POINTER SISTERS (1980年)

ポインター・シスターズが1980年にリリースしたアルバムです。バカラックの書き下ろし曲を2曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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Original LP front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏

全10トラック中、バカラック作品は2トラック
※ただし、T-10. はCDリイシュー時のボーナス・トラック

3. THE LOVE TOO GOOD TO LAST (3:33)
7. WHERE DID THE TIME GO (3:06)


ポインター・シスターズが1980年にリリースしたアルバムです。

ルース(Ruth, 1946年生)、アニタ(Anita, 1948年生)、ボニー(Bonnie, 1951年生)、ジューン(June, 1953年生) のポインター四姉妹。1969年にボニーとジューンが “ Pointers, A Pair ” としてクラブで歌い始めたのがキャリアのスタート。アニタが加わり1971年にアトランティックと契約してシングルを2枚出すも不発。1972年にルースが加入して4人組となり、ブルー・サム・レコードに移籍。このころはジャズ系/カントリー系のジャンルで活動していましたが、徐々にR&Bやファンクも守備範囲に。1977年にボニーがソロに転向して、ルース、アニタ、ジューンの3人組となって、プロデューサーのリチャード・ペリーが立ち上げたプラネット・レーベルと1978年に契約。本アルバムはプラネットでの3作目でございます。

ポインター・シスターズといえば、1984年に大ヒットした一連のダンス・チューン ~ 「 Automatic 」 、「 Jump 」 、「 I'm So Excited 」 、「 Neutron Dance 」 ~ が強く印象に残っています。リアルタイムで聴いていましたし、学園祭のディスコなんぞでも掛けた記憶があります。特に 、シンプルなビートでエネルギッシュな 「 I'm So Exited 」 が好きでした。

さて本アルバム、全編リチャード・ペリーによるプロデュースで、ジャンル的にはR&B/ソウル。これまでのバカラックのキャリアとはあまり縁が無さそうなアルバムですが、バカラックはキャロル・ベイヤー・セイガーと共作した2曲を提供! この事実を私はバカラック自伝を読むまで知りませんでした。以下、バカラック自伝からの引用です。

─  いっしょに曲を書きはじめたとき、まずキャロルに言われたのは、もしラジオに復帰したければ、曲をもう少しシンプルにする必要があるということだった。キャロルはとてもビジネスに鼻が利き、わたしが会ったことのない、さまざまな分野の人々を知っていた。わたしが方向転換を遂げるにあたっては、彼女の助けが大きくものを言っている。なぜなら当時のわたしは完全にあさっての方を向いて、とっつきの悪い曲を書いていたからだ。
  最初にレコードになったわたしたちの共作曲は、「消えたあの頃 (WHERE DID THE TIME GO) 」 。リチャード・ペリーのプロデュースで、ポインター・シスターズがレコーディングした。ピアノはわたしが弾き、ストリングス・セクションの指揮も取った。ヒットにはならなかったものの、キャロルとわたしは正しい方向に進んでいると感じることができた。 ─


1977年の映画 『 The Spy Who Loved Me (007 私を愛したスパイ) 』 の主題歌で大ヒットしたカーリー・サイモンの 「 Nobody Does It Better (私を愛したスパイ) 」 は、キャロルとマーヴィン・ハムリッシュの共作曲。プロデューサーはリチャード・ペリーでした。また、キャロルは1977年と1978年にシンガーとしてアルバムを発表しているのですが、作詞家である彼女に歌うことを薦めたのがリチャード・ペリーだったんだとか。※1
…てなことから考えると、キャロルの人脈からポインター・シスターズに曲を提供することになったであろうことは想像に難くありません。

前述のT-7. 「 消えたあの頃 」 は、物憂いげなピアノのイントロから始まるバラード曲。本アルバムからのサード・シングルとして1981年1月にリリースされました(P-47925、A面、チャート・アクション無し)。キャロルのアドバイスがあったのでしょう、変拍子は封印しています(変拍子っぽいところはありますが…)。1970年代後半のバカラック作品と比べるとリズムや構成は幾分スマートですが、メロディ・ラインはぎこちなさがあってバラードとしてはイマイチ。

もう1曲はT-3. 「 幸せすぎて 」 。ミディアム・スロー&16ビートのアーバン・ソウル・ナンバー。こちらはバカラック、キャロルの他に、ピーター・アレンも共作者に名を連ねています。CDのライナーにバカラックがコメントを寄せています。 ─  こいつは曲先だったかな。ピーター・アレンが曲と詞の両面でサポートしてくれたんだ。 ─  バカラックにとって初めてのジャンルの曲だと思うのですが、ピーターのお陰かクールでカッコよくまとまっています。サビの途中に入ってる変拍子も、乱用することなく節度ある使い方。いいアクセントになっているポール・ジャクソンJr. のギターは、1年後のキャロルのアルバム 『 SOMETIMES LATE AT NIGHT 』 に通ずるテイスト。私だったら 「 消えたあの頃 」 よりも出来の良いこちらをシングルに推すんですけどねー。
ちなみに、バカラック&キャロルが音楽を担当した1982年の映画 『 NIGHT SHIFT (ラブ IN ニューヨーク) 』 に、この曲がこのまま使われています。ラスト近く、主人公がヒロインを連れ戻しに入った会員制クラブのBGMとして、ちょうどヒロインが登場するあたりから流れます。サントラにも収録されています※2

本アルバムの他の曲は、いずれもミディアム~アップテンポのR&B/ダンス・チューン。ファースト・シングルとなったT-2. 「 内気なボーイ 」 は、全米3位となりました。これは私も聴いたことがあります。

1980年代、キャロル・ベイヤー・セイガーと組んだバカラックは、職業作曲家として復活していきます。その端緒となったのは 『 SOMETIMES LATE AT NIGHT 』 だと一般に言われていますが、実は本アルバムだったんですね!

R7070041162707150jpegここからはオマケです。MP3でしか所有していないポインター・シスターズのバカラック・カヴァーをご紹介。
1975年にリリースしたアルバム 『 STEPPIN' 』 で、「 WANTING THINGS 」 (3:11) をカヴァーしています。ドラムレスでフルートやストリングスが美しいしっとりとしたアレンジが素敵です。1975年ですから4人組時代だと思うのですが、誰かがソロで歌っています。アウトロでストリングスが奏でるフレーズも素晴らしい。
この曲のカヴァーの中では3本の指に入るお気に入りです。

※1 キャロルのファースト・アルバム 『 Carole Bayer Sager 』 の日本語盤ライナーより <追記:2016/6/5>

※2 映画 『 NIGHT SHIFT(ラブ IN ニューヨーク) 』 のサントラを入手しましたので、リンク先変更&文面修正しました。<2018/1/2>


【データ】
『 SPECIAL THINGS 』 (邦題:スペシャル・シングス)
POINTER SISTERS

LP:1980年8月リリース (所有CDは、2010年リイシューのUK盤)
レーベル:Planet Records (所有CDは、Big Break Records)
番号:P-9 (所有CDは、CDBBR-0022)

Produced by Richard Perry
Associate Producer - Trevor Lawrence
T-3. 「 THE LOVE TOO GOOD TO LAST 」
  Written by Burt Bacarach, Carole Bayer Sager, Peter Allen
  Drums - Ollie Brown
  Bass - Nate Watts
  Keyboards - Greg Phillinganes
  Guitar - Paul Jackson Jr.
  Synthesizer - Lance Ong
  Percussin - Paulinho da Costa
  Flugelhorns - Chuck Findley, Warren Looney
  Strings & Horns Arranged by Burt Bacharach
  Orchestrated by Trevor Lawrence
  (Concert Master - Sid Sharp)
  Lead Vocals - Anita
T-7. 「 WHERE DID THE TIME GO 」
  Written by Burt Bacarach, Carole Bayer Sager
  Drums - Ricky Lawson
  Bass - James Jamerson Jr.
  Keyboards - Greg Phillinganes, Burt Bacharach
  Guitar - David Williams, Marlo Henderson
  Strings Arranged by Burt Bacharach
  (Concert Master - Sid Sharp)
  Horns orchestrated by Trevor Lawrence
  Lead Vocals - June

Recorded at Studio 55, Los Angels, CA.

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