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2016年6月 1日 (水)

SPECIAL THINGS/POINTER SISTERS (1980年)

ポインター・シスターズが1980年にリリースしたアルバムです。バカラックの書き下ろし曲を2曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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Original LP front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏

全10トラック中、バカラック作品は2トラック
※ただし、T-10. はCDリイシュー時のボーナス・トラック

3. THE LOVE TOO GOOD TO LAST (3:33)
7. WHERE DID THE TIME GO (3:06)


ポインター・シスターズが1980年にリリースしたアルバムです。

ルース(Ruth, 1946年生)、アニタ(Anita, 1948年生)、ボニー(Bonnie, 1951年生)、ジューン(June, 1953年生) のポインター四姉妹。1969年にボニーとジューンが “ Pointers, A Pair ” としてクラブで歌い始めたのがキャリアのスタート。アニタが加わり1971年にアトランティックと契約してシングルを2枚出すも不発。1972年にルースが加入して4人組となり、ブルー・サム・レコードに移籍。このころはジャズ系/カントリー系のジャンルで活動していましたが、徐々にR&Bやファンクも守備範囲に。1977年にボニーがソロに転向して、ルース、アニタ、ジューンの3人組となって、プロデューサーのリチャード・ペリーが立ち上げたプラネット・レーベルと1978年に契約。本アルバムはプラネットでの3作目でございます。

ポインター・シスターズといえば、1984年に大ヒットした一連のダンス・チューン ~ 「 Automatic 」 、「 Jump 」 、「 I'm So Excited 」 、「 Neutron Dance 」 ~ が強く印象に残っています。リアルタイムで聴いていましたし、学園祭のディスコなんぞでも掛けた記憶があります。特に 、シンプルなビートでエネルギッシュな 「 I'm So Exited 」 が好きでした。

さて本アルバム、全編リチャード・ペリーによるプロデュースで、ジャンル的にはR&B/ソウル。これまでのバカラックのキャリアとはあまり縁が無さそうなアルバムですが、バカラックはキャロル・ベイヤー・セイガーと共作した2曲を提供! この事実を私はバカラック自伝を読むまで知りませんでした。以下、バカラック自伝からの引用です。

─  いっしょに曲を書きはじめたとき、まずキャロルに言われたのは、もしラジオに復帰したければ、曲をもう少しシンプルにする必要があるということだった。キャロルはとてもビジネスに鼻が利き、わたしが会ったことのない、さまざまな分野の人々を知っていた。わたしが方向転換を遂げるにあたっては、彼女の助けが大きくものを言っている。なぜなら当時のわたしは完全にあさっての方を向いて、とっつきの悪い曲を書いていたからだ。
  最初にレコードになったわたしたちの共作曲は、「消えたあの頃 (WHERE DID THE TIME GO) 」 。リチャード・ペリーのプロデュースで、ポインター・シスターズがレコーディングした。ピアノはわたしが弾き、ストリングス・セクションの指揮も取った。ヒットにはならなかったものの、キャロルとわたしは正しい方向に進んでいると感じることができた。 ─


1977年の映画 『 The Spy Who Loved Me (007 私を愛したスパイ) 』 の主題歌で大ヒットしたカーリー・サイモンの 「 Nobody Does It Better (私を愛したスパイ) 」 は、キャロルとマーヴィン・ハムリッシュの共作曲。プロデューサーはリチャード・ペリーでした。また、キャロルは1977年と1978年にシンガーとしてアルバムを発表しているのですが、作詞家である彼女に歌うことを薦めたのがリチャード・ペリーだったんだとか。※
…てなことから考えると、キャロルの人脈からポインター・シスターズに曲を提供することになったであろうことは想像に難くありません。

前述のT-7. 「 消えたあの頃 」 は、物憂いげなピアノのイントロから始まるバラード曲。本アルバムからのサード・シングルとして1981年1月にリリースされました(P-47925、A面、チャート・アクション無し)。キャロルのアドバイスがあったのでしょう、変拍子は封印しています(変拍子っぽいところはありますが…)。1970年代後半のバカラック作品と比べるとリズムや構成は幾分スマートですが、メロディ・ラインはぎこちなさがあってバラードとしてはイマイチ。

もう1曲はT-3. 「 幸せすぎて 」 。ミディアム・スロー&16ビートのアーバン・ソウル・ナンバー。こちらはバカラック、キャロルの他に、ピーター・アレンも共作者に名を連ねています。CDのライナーにバカラックがコメントを寄せています。 ─  こいつは曲先だったかな。ピーター・アレンが曲と詞の両面でサポートしてくれたんだ。 ─  バカラックにとって初めてのジャンルの曲だと思うのですが、ピーターのお陰かクールでカッコよくまとまっています。サビの途中に入ってる変拍子も、乱用することなく節度ある使い方。いいアクセントになっているポール・ジャクソンJr. のギターは、1年後のキャロルのアルバム 『 SOMETIMES LATE AT NIGHT 』 に通ずるテイスト。私だったら 「 消えたあの頃 」 よりも出来の良いこちらをシングルに推すんですけどねー。
ちなみに、バカラック&キャロルが音楽を担当した1982年の映画 『 NIGHT SHIFT (ラブ IN ニューヨーク) 』 に、この曲がこのまま使われています。ラスト近く、主人公がヒロインを連れ戻しに入った会員制クラブのBGMとして、ちょうどヒロインが登場するあたりから流れます。サントラにも収録されてるようです(サントラは所有していませんがcrying)。

本アルバムの他の曲は、いずれもミディアム~アップテンポのR&B/ダンス・チューン。ファースト・シングルとなったT-2. 「 内気なボーイ 」 は、全米3位となりました。これは私も聴いたことがあります。

1980年代、キャロル・ベイヤー・セイガーと組んだバカラックは、職業作曲家として復活していきます。その端緒となったのは 『 SOMETIMES LATE AT NIGHT 』 だと一般に言われていますが、実は本アルバムだったんですね!

R7070041162707150jpegここからはオマケです。MP3でしか所有していないポインター・シスターズのバカラック・カヴァーをご紹介。
1975年にリリースしたアルバム 『 STEPPIN' 』 で、「 WANTING THINGS 」 (3:11) をカヴァーしています。ドラムレスでフルートやストリングスが美しいしっとりとしたアレンジが素敵です。1975年ですから4人組時代だと思うのですが、誰かがソロで歌っています。アウトロでストリングスが奏でるフレーズも素晴らしい。
この曲のカヴァーの中では3本の指に入るお気に入りです。

※ キャロルのファースト・アルバム 『 Carole Bayer Sager 』 の日本語盤ライナーより <追記:2016/6/5>


【データ】
『 SPECIAL THINGS 』 (邦題:スペシャル・シングス)
POINTER SISTERS

LP:1980年8月リリース (所有CDは、2010年リイシューのUK盤)
レーベル:Planet Records (所有CDは、Big Break Records)
番号:P-9 (所有CDは、CDBBR-0022)

Produced by Richard Perry
Associate Producer - Trevor Lawrence
T-3. 「 THE LOVE TOO GOOD TO LAST 」
  Written by Burt Bacarach, Carole Bayer Sager, Peter Allen
  Drums - Ollie Brown
  Bass - Nate Watts
  Keyboards - Greg Phillinganes
  Guitar - Paul Jackson Jr.
  Synthesizer - Lance Ong
  Percussin - Paulinho da Costa
  Flugelhorns - Chuck Findley, Warren Looney
  Strings & Horns Arranged by Burt Bacharach
  Orchestrated by Trevor Lawrence
  (Concert Master - Sid Sharp)
  Lead Vocals - Anita
T-7. 「 WHERE DID THE TIME GO 」
  Written by Burt Bacarach, Carole Bayer Sager
  Drums - Ricky Lawson
  Bass - James Jamerson Jr.
  Keyboards - Greg Phillinganes, Burt Bacharach
  Guitar - David Williams, Marlo Henderson
  Strings Arranged by Burt Bacharach
  (Concert Master - Sid Sharp)
  Horns orchestrated by Trevor Lawrence
  Lead Vocals - June

Recorded at Studio 55, Los Angels, CA.

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