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2016年9月25日 (日)

AUSTIN POWERS /O.S.T. (1997年)

オースティン・パワーズ・シリーズの1作目、米映画 『 オースティン・パワーズ 』 のサントラです。バカラック・カヴァーを2曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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全17トラック中、バカラック作品は2トラック

13. THE LOOK OF LOVE (3:45)  ~ Susanna Hoffs ~
14. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE (3:58)  ~ Burt Bacharach and The Posies ~


1997年の米映画 『 オースティン・パワーズ 』 のサントラです。

オースティン・パワーズ3部作の記念(?)すべき1作目。映画日本公開時の宣伝コピーは、“ バカも休み休みyeah! スウィンギング・ロンドンから 蘇った伝説のスパイ ついに日本上陸! ” でした。

このおバカ映画、主演のマイク・マイヤーズがバカラック作品の 「 THE LOOK OF LOVE (恋のおもかげ) 」 に触発されて誕生した…とゆーのは有名な話。

父親が亡くなった直後のある日、車のラジオから 「 恋のおもかげ 」 が流れてきて、マイヤーズは子供のころ父親に連れられてよく映画を見に行ったことを思い出します。父親はピーター・セラーズの大ファンで、セラーズ出演の 『 ピンク・パンサー 』 や 『 007 カジノ・ロワイヤル 』 などのコメディ映画をよく観たそう。『 007 カジノ・ロワイヤル 』 で、セラーズとウルスラ・アンドレスがウッフンとなるシーンで流れる曲が 「 恋のおもかげ 」 だったんですね。ちなみに、そのシーンに登場する回転ベッドの場面は、 『 オースティン・パワーズ 』 でもちゃっかりパロディにされてます(パワーズ専用ジャンボ機内)。

閑話休題。マイヤーズはそれらの映画で観たモノの数々が自分の笑いのルーツであることに気付き、この映画の脚本を書き上げたというワケです。それもたったの三週間で! 気合入ってますねー。

映画のあらすじ等は割愛します。スコアはジョージ・S・クリントン。ボンド映画の音楽をちょいちょいパロッたりしながらも本家に全く引けを取らない秀逸なスコアと思います。特に、お相手役のヴァネッサ(エリザベス・ハーレイ)とオースティンが絡むシーンで流れるロマンチックな曲は素敵です。T-10. 「 AUSTIN'S THEME 」 のように独立した楽曲として収録するか、5分弱しかないT-17. 「 SCORE MEDLEY 」 でこの曲をもう少し長めに入れるかして欲しかったなぁ。

各シーンで流れる曲の選曲センスも上々。'60年代の曲をそのまま使ったクインシー・ジョーンズのT-8. 「 ソウル・ボサノヴァ 」 やセルジオ・メンデスとブラジル'66のT-5. 「 マシュ・ケ・ナダ 」 。'60年代の曲であるトニー・ハッチのカヴァーT-12. 「 コール・ミー 」 。最近の曲でも、カーディガンズのT-4. 「 カーニヴァル 」 やディヴァイナルズのT-11. 「 アイ・タッチ・マイセルフ 」 など'60年代風ポップスが映画の雰囲気にマッチしてます。リード・ヴォーカルのマイヤーズも含め'60年代風の衣装での演奏シーンがエンド・クレジットで流れるT-2. 「 BBC 」 も楽しそう。

本サントラが嬉しいのは、収録曲が映画のなかで使用されたものばかりなこと。そういう意味では、フェムボットの性能確認時に流れるナンシー・シナトラの 「 にくい貴方 」 がサントラに入ってないのはちょいと不満。この曲の当時のミュージック・ビデオ、大好きなんです(^^♪

Look_of_love さて本題。バカラック・カヴァーのひとつ、T-13. 「 恋のおもかげ 」 はスザンヌ・ホフスによるカヴァー。スザンヌ・ホフスは元バングルスのメンバー(ヴォーカル、ギター)で、映画を監督したジョイ・ローチの奥方(1993年に結婚)。前述した 『 007 カジノ・ロワイヤル 』 のダスティ・スプリングフィールド版へのトリビュート感が半端ない! テンポ(♩≒98)とアレンジはダスティ版と瓜二つで、違いはキーが2度低いくらい(ダスティ版のC♯mに対してこちらはBm)。スザンナ・ホフスのけだるい感じもダスティ・スプリングフィールドの歌い方をよく再現していると思います。
映画の中では、オースティンとDr. イーブルの女秘書がウッフンとなるシーンで流れます。マイヤーズは 『 007 カジノ・ロワイヤル 』 と 「 恋のおもかげ 」 へのオマージュとして、どうしてもこんなシーンを撮りたかったんでしょう。

2 バカラック・カヴァーのもうひとつが、T-14. 「 世界は愛を求めている 」 。なんとバカラックがピアノ弾き語りで歌っているセルフ・カヴァー! 米ロック・バンドのザ・ポウジーズ版と編集して合体したものがサントラに収録されています。そのうち、バカラック版は冒頭の38秒間と終わりの18秒間のみ。ちょっとさびしい。
オープン・バスをチャーターして、オースティンとヴァネッサだけの豪華なラスヴェガス・デート。2人のために 「 世界は愛を求めている 」 がBGMで流れ出すと、突然オースティンがスクリーンの中から嬉しそうに紹介します。“ 観客の皆さん、Mr. バート・バカラックの登場です! ” 。カメラが切り替わるとそこにはピアノを弾きながら歌うバカラック爺が! 2人がシャンパンで乾杯し、ダンスを踊る間もバカラックは弾き語りを続ける…(ダンスの場面から音はザ・ポウジーズ版に切り替わりますけれど^^;)。バカラック自伝によれば、あらかじめ録ってあったピアノのオケに合わせて爺はこの曲を生で歌ったそう。

映画では他のシーン…オースティンが'67年~'97年の30年間のブランクを埋めようとするシーンと、“ 自由は健在さ! ” とオースティンがDr. イーブルに'60年代の精神は今も変わらない事を訴えるシーンでも、「 世界は愛を求めている 」 (ピアノ・インスト版)が流れます。おバカ映画の体をとりつつも、裏テーマとしてマイヤーズが映画で伝えたかったメッセージがこの曲に込められているのではないでしょうか。世界で一番大切なのは今も昔も愛なんだ…と。私にはそう思えてなりません。昨年(2015年)リリースしたアルバムで野宮真貴さんがアルバム・タイトル曲として取り上げ、今年(2016年)発生した米銃乱射事件の被害者や遺族のためにハリウッド・スター達が歌う…。この曲に何か大きな力を感じる今日この頃です。

「 世界は愛を求めている 」 をバカラックがピアノ弾き語りで歌ったものは、バカラックのスタジオ録音盤やライヴ盤には見当たりません(ショウ等では歌っていますが)。その意味でも貴重な音源です。映画の中ではともかく、サントラではバカラック版のフル・バージョンを聴きたかったなぁ。

なお、この映画にはバカラックのLPも登場するのですが、それについては 『 HIT MAKER!  』 の記事を参照ください。


【データ】
『 AUSTIN POWERS 』 ※ (邦題:オースティン・パワーズ)
O.S.T.

※ 映画の正式タイトルは 『 AUSTIN POWERS: INTERNATIONAL MAN OF MYSTERY 』

CD:1997年4月リリース (所有CDは、1997年リリースのEU盤)
レーベル:Hollywood Records (所有CDも同じ)
番号:HR-62112-2 (所有CDは、162 112-2)

Executive Soundtrack Album Producers: Mitchell Leib, Mike Myers, Demi Moore, Suzanne Todd, Jennifer Todd and Jey Roach
Soundtrack Album Consultant: Karen Glauber
Music Supervisor: John Houlihan
Soundtrack Executive for New Line Cinema: Jonathan McHugh

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