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2016年9月

2016年9月25日 (日)

AUSTIN POWERS /O.S.T. (1997年)

オースティン・パワーズ・シリーズの1作目、米映画 『 オースティン・パワーズ 』 のサントラです。バカラック・カヴァーを2曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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全17トラック中、バカラック作品は2トラック

13. THE LOOK OF LOVE (3:45)  ~ Susanna Hoffs ~
14. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE (3:58)  ~ Burt Bacharach and The Posies ~


1997年の米映画 『 オースティン・パワーズ 』 のサントラです。

オースティン・パワーズ3部作の記念(?)すべき1作目。映画日本公開時の宣伝コピーは、“ バカも休み休みyeah! スウィンギング・ロンドンから 蘇った伝説のスパイ ついに日本上陸! ” でした。

このおバカ映画、主演のマイク・マイヤーズがバカラック作品の 「 THE LOOK OF LOVE (恋のおもかげ) 」 に触発されて誕生した…とゆーのは有名な話。

父親が亡くなった直後のある日、車のラジオから 「 恋のおもかげ 」 が流れてきて、マイヤーズは子供のころ父親に連れられてよく映画を見に行ったことを思い出します。父親はピーター・セラーズの大ファンで、セラーズ出演の 『 ピンク・パンサー 』 や 『 007 カジノ・ロワイヤル 』 などのコメディ映画をよく観たそう。『 007 カジノ・ロワイヤル 』 で、セラーズとウルスラ・アンドレスがウッフンとなるシーンで流れる曲が 「 恋のおもかげ 」 だったんですね。ちなみに、そのシーンに登場する回転ベッドの場面は、 『 オースティン・パワーズ 』 でもちゃっかりパロディにされてます(パワーズ専用ジャンボ機内)。

閑話休題。マイヤーズはそれらの映画で観たモノの数々が自分の笑いのルーツであることに気付き、この映画の脚本を書き上げたというワケです。それもたったの三週間で! 気合入ってますねー。

映画のあらすじ等は割愛します。スコアはジョージ・S・クリントン。ボンド映画の音楽をちょいちょいパロッたりしながらも本家に全く引けを取らない秀逸なスコアと思います。特に、お相手役のヴァネッサ(エリザベス・ハーレイ)とオースティンが絡むシーンで流れるロマンチックな曲は素敵です。T-10. 「 AUSTIN'S THEME 」 のように独立した楽曲として収録するか、5分弱しかないT-17. 「 SCORE MEDLEY 」 でこの曲をもう少し長めに入れるかして欲しかったなぁ。

各シーンで流れる曲の選曲センスも上々。'60年代の曲をそのまま使ったクインシー・ジョーンズのT-8. 「 ソウル・ボサノヴァ 」 やセルジオ・メンデスとブラジル'66のT-5. 「 マシュ・ケ・ナダ 」 。'60年代の曲であるトニー・ハッチのカヴァーT-12. 「 コール・ミー 」 。最近の曲でも、カーディガンズのT-4. 「 カーニヴァル 」 やディヴァイナルズのT-11. 「 アイ・タッチ・マイセルフ 」 など'60年代風ポップスが映画の雰囲気にマッチしてます。リード・ヴォーカルのマイヤーズも含め'60年代風の衣装での演奏シーンがエンド・クレジットで流れるT-2. 「 BBC 」 も楽しそう。

本サントラが嬉しいのは、収録曲が映画のなかで使用されたものばかりなこと。そういう意味では、フェムボットの性能確認時に流れるナンシー・シナトラの 「 にくい貴方 」 がサントラに入ってないのはちょいと不満。この曲の当時のミュージック・ビデオ、大好きなんです(^^♪

Look_of_love さて本題。バカラック・カヴァーのひとつ、T-13. 「 恋のおもかげ 」 はスザンヌ・ホフスによるカヴァー。スザンヌ・ホフスは元バングルスのメンバー(ヴォーカル、ギター)で、映画を監督したジョイ・ローチの奥方(1993年に結婚)。前述した 『 007 カジノ・ロワイヤル 』 のダスティ・スプリングフィールド版へのトリビュート感が半端ない! テンポ(♩≒98)とアレンジはダスティ版と瓜二つで、違いはキーが2度低いくらい(ダスティ版のC♯mに対してこちらはBm)。スザンナ・ホフスのけだるい感じもダスティ・スプリングフィールドの歌い方をよく再現していると思います。
映画の中では、オースティンとDr. イーブルの女秘書がウッフンとなるシーンで流れます。マイヤーズは 『 007 カジノ・ロワイヤル 』 と 「 恋のおもかげ 」 へのオマージュとして、どうしてもこんなシーンを撮りたかったんでしょう。

2 バカラック・カヴァーのもうひとつが、T-14. 「 世界は愛を求めている 」 。なんとバカラックがピアノ弾き語りで歌っているセルフ・カヴァー! 米ロック・バンドのザ・ポウジーズ版と編集して合体したものがサントラに収録されています。そのうち、バカラック版は冒頭の38秒間と終わりの18秒間のみ。ちょっとさびしい。
オープン・バスをチャーターして、オースティンとヴァネッサだけの豪華なラスヴェガス・デート。2人のために 「 世界は愛を求めている 」 がBGMで流れ出すと、突然オースティンがスクリーンの中から嬉しそうに紹介します。“ 観客の皆さん、Mr. バート・バカラックの登場です! ” 。カメラが切り替わるとそこにはピアノを弾きながら歌うバカラック爺が! 2人がシャンパンで乾杯し、ダンスを踊る間もバカラックは弾き語りを続ける…(ダンスの場面から音はザ・ポウジーズ版に切り替わりますけれど^^;)。バカラック自伝によれば、あらかじめ録ってあったピアノのオケに合わせて爺はこの曲を生で歌ったそう。

映画では他のシーン…オースティンが'67年~'97年の30年間のブランクを埋めようとするシーンと、“ 自由は健在さ! ” とオースティンがDr. イーブルに'60年代の精神は今も変わらない事を訴えるシーンでも、「 世界は愛を求めている 」 (ピアノ・インスト版)が流れます。おバカ映画の体をとりつつも、裏テーマとしてマイヤーズが映画で伝えたかったメッセージがこの曲に込められているのではないでしょうか。世界で一番大切なのは今も昔も愛なんだ…と。私にはそう思えてなりません。昨年(2015年)リリースしたアルバムで野宮真貴さんがアルバム・タイトル曲として取り上げ、今年(2016年)発生した米銃乱射事件の被害者や遺族のためにハリウッド・スター達が歌う…。この曲に何か大きな力を感じる今日この頃です。

「 世界は愛を求めている 」 をバカラックがピアノ弾き語りで歌ったものは、バカラックのスタジオ録音盤やライヴ盤には見当たりません(ショウ等では歌っていますが)。その意味でも貴重な音源です。映画の中ではともかく、サントラではバカラック版のフル・バージョンを聴きたかったなぁ。

なお、この映画にはバカラックのLPも登場するのですが、それについては 『 HIT MAKER!  』 の記事を参照ください。


【データ】
『 AUSTIN POWERS 』 ※ (邦題:オースティン・パワーズ)
O.S.T.

※ 映画の正式タイトルは 『 AUSTIN POWERS: INTERNATIONAL MAN OF MYSTERY 』

CD:1997年4月リリース (所有CDは、1997年リリースのEU盤)
レーベル:Hollywood Records (所有CDも同じ)
番号:HR-62112-2 (所有CDは、162 112-2)

Executive Soundtrack Album Producers: Mitchell Leib, Mike Myers, Demi Moore, Suzanne Todd, Jennifer Todd and Jey Roach
Soundtrack Album Consultant: Karen Glauber
Music Supervisor: John Houlihan
Soundtrack Executive for New Line Cinema: Jonathan McHugh

2016年9月21日 (水)

ONE DAY/Klymaxx (1994年)

米国の女性バンド、クライマックスが1994年にリリースしたアルバムです。バカラックの書き下ろし曲を2曲収録!

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全15トラック中、バカラック作品は2トラック

7. THIS DOESN'T FEEL LIKE LOVE ANYMORE (4:51)
15. ONCE BEFORE YOU GO (6:01)


米国の女性バンド、クライマックスが1994年にリリースしたアルバムです。

…と書いたものの、こんなバンド見たことも聞いたこともないので、Wikiやバンド公式サイトを見てお勉強。クライマックスは、1981年にデビューした女性ポップ/R&Bバンド。デビュー当時は6人組でした。「 The Men All Pause 」 ('84/11 R&B5位)、「 Meeting In the Ladies Room 」 ('85/3 R&B4位)、「 I Miss You 」 ('85/7 全米5位、'86年の年間3位)、「 Good Love 」 ('90/4 R&B4位) などのヒット曲があるようです。

1987年以降、リーダーだったバーナデット・クーパーやジョイス・アービーなど一部メンバーのソロ活動が忙しくなり、1989年からは3人でバンド活動を継続。1994年になって、ジョイス・アービーの復帰とテリ・リン・キャリントンの新加入により5人で本アルバムをレコーディングしました。

Img292eメンバーは、写真の左から、Joyce Irby (ジョイス・アービー)、Robbin Grider (ロビン・グライダー)、Lorena Hardimon (ロレーナ・ハーディモン)/別名 Lorena Shelby (ロレーナ・シェルビー)、Terri Lyne Carrington (テリ・リン・キャリントン)、Cheryl Cooley (シェリル・クーリー)。

収録曲はR&B/ヒップポップが主体。私はR&B/ヒップポップ系は苦手なもんですから、曲の出来はわかりません^^;。一方、4曲あるバラード曲のなかでは、ベイビーフェイス作のT-3. 「 ALL I THINK ABOUT IS YOU 」 が頭一つ抜きん出てます。流れるようなメロディはサスガです。

バカラックが提供した2曲はどちらもバラード。
T-7. 「 THIS DOESN'T FEEL LIKE LOVE ANYMORE 」 はバカラック&セイガーとジョイス・アービーの3人による共作曲で、この3人がプロデュースも務めています。♩=84~88というミディアム~スローなテンポ。どこかで盛り上がることもなく淡々とした地味な曲です。でも、ちょっと取っつきにくいけれどどこか心に引っかかるメロディ、意表を突くコード進行、Aメロは8小節だけどBメロは5小節でサビは7小節といった具合に変則的な小節数、それに複雑な構成…、バカラックらしさは十分感じられます。

T-15. 「 ONCE BEFORE YOU GO 」 もバカラック&セイガーとジョイス・アービーの3人による共作曲。ただし、こちらはジョイス・アービーひとりによるプロデュース。ピアノだけの1分を超えるイントロにまず惹かれます。弱起でメロディが始まるところは 「 愛のハーモニー 」 を思わせますが、そこはご愛敬。ピアノを中心にアコギ・エレピ・シンセストリングスが控えめに鳴るなか、マイケル・ジャクソンの声を思わせる女性ヴォーカルがしっとりした歌唱を聴かせます。バカラックのプロデュースだったらこんなブルージーな感じにはならないでしょうね。もう少しゴージャスなアレンジで誰かカヴァーしないかなぁ。

疑問がひとつ…。バカラックとセイガーのコンビは1991年に解消しています。これら2曲は、それまでに作り貯めたストックの中から選んだのかしらん? そうだとしたら、T-7. のプロデュースにセイガーのクレジットがあるのは何故?? 本当にバカラックとセイガーが一緒に仕事したのか?? 気になる~(>_<)

ともあれ、2曲とも掘り出し物でした。ジャケ写もショボいし、正直アマゾンでポチッとするのためらったんです^^;。iTunesでは見当たらないし思い切ってポチッとしたのですが、CDを購入して本当に良かったと思っています(^^)。 ※ T-7. はYouTubeで視聴可能

Klymaxx_1_3Klymaxx_3_2ここからは余談です。
公式サイトによるとクライマックスは現在でも活動してる模様。メンバーは6人で、オリジナル・メンバーはシェリル・クーリーだけ(左の写真:左から3人目)。

右の写真は、2015年10月のライヴ演奏シーン。サイトのフォトギャラリーからパクりました。迫力ありますなー。

公式サイトを見ててオヤッと思ったのが、ディスコグラフィーに本アルバムが載っていなかったこと。本アルバムは、クライマックスが在籍していたMCAからではなく、ジョイス・アービーが当時ソロ活動をしていたレーベル 863 EP Wrekudz からリリースされました。ソングライティングやプロデュースもジョイス・アービー主導ですし、シェリル・クーリーはクライマックスのアルバムだとは認めてないのかもしれません…。


【データ】
『 ONE DAY 』
Klymaxx

CD:1994年5月リリース
レーベル:863 EP Wrekudz/Diva One Entertainment
番号:DV 9402-2

Produced by Joyce Irby (All Tracks), Chris Berry (T-2,9.), William Burke (T-2,5,6,9.), Israel Embry (T-4.), David Lindsay (T-6.), Burt Bacharach (T-7.), Carole Bayer Sager (T-7.), Dallas Austin (T-8.10.), Kenneth Wright (T-9,13.), Debra Killings (T-9.)
Executive Producer: Indiana Joan
Members of Klymaxx:
  Joyce Irby - Bass, Lead Vocals
  Robbin Grider - Keyboards, Vocals
  Lorena Hardimon/別名 Lorena Shelby - Lead Vocals
  Terri Lyne Carrington - Drums, Vocals
  Cheryl Cooley - Guitar, Vocals
T-7. 「 THIS DOESN'T FEEL LIKE LOVE ANYMORE 」
  Written by Burt Bacharach, Carole Bayer Sager and Joyce Irby
T-15. 「 ONCE BEFORE YOU GO 」
  Written by Burt Bacharach, Carole Bayer Sager and Joyce Irby

2016年9月18日 (日)

I'm Ready/Tevin Campbell (1993年)

米国の男性R&Bシンガー、テヴィン・キャンベルのセカンド・アルバムです。バカラックの書き下ろし曲を1曲収録!

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全14トラック中、バカラック作品は1トラック

2. DON'T SAY GOODBYE GIRL (4:30)


米国の男性R&Bシンガー、テヴィン・キャンベルが1993年にリリースしたセカンド・アルバムです。

テヴィンは、1976年11月テキサス生まれ。クインシー・ジョーンズの秘蔵っ子としてクインシーのレーベル(クエスト)から1991年にアルバム・デビュー。そして2年後に本アルバムをリリース。リリース時(1993年10月)はまだ16歳。若いですね~。

ベイビーフェイスがプロデュースしたT-1. 「 CAN WE TALK 」 は、全米9位(R&Bでは1位)の大ヒット。この曲はテヴィンの代表曲になってるみたいです。いずれもベイビーフェイスのプロデュースによるT-5. 「 I'M READY 」 とT-10. 「 ALWAYS IN MY HEART 」 も、それぞれ全米9位(R&B 2位)、全米20位(R&B 6位)とヒット。アルバム自体も全米アルバムチャートで18位(R&B 3位)を記録し、テヴィン最大のヒット作となりました。

んで、バカラックの書き下ろし曲はT-2. 「 DON'T SAY GOODBYE GIRL (さよならは言わないで) 」 。ナラダ・マイケル・ウォルデン、バカラック、サリー・ジョー・ダコタ の3人による共作。この曲もシングル・リリースされましたが、全米71位(R&B 28位)とチャート的にはイマイチだったようです。

♩≒82のミディアム・スローなR&B曲ですが、幾分ライトな印象。プロデュースがナラダ・マイケル・ウォルデンだからでしょうか。バカラックの香りは希薄で、それらしいナと感じるのはAメロの5~7小節目のコード進行とサビが7小節ということぐらい。共作者のサリー・ジョー・ダコタはナラダ・マイケル・ウォルデンとよくコラボレーションしている方のようで、バカラックはちょっとお手伝いした程度なのではないでしょうか? 冒頭で “ バカラックの書き下ろし曲 ” と紹介しましたが、ちょっと語弊があるかもしれません。“ バカラックがちょっと手伝った曲 ” に訂正します(苦笑)

1991年にキャロル・ベイヤー・セイガーとのコンビを解消したバカラックは、1993年以降、パートナーをいろいろ変えながら、多くはありませんが様々なアーティストに楽曲を提供していきます。1993年は、テヴィンの他に、ディオンヌ・ワーウィック(過去記事) 、アース・ウィンド&ファイアー(過去記事)、ジェームス・イングラムに曲を提供しています。

R753210314434280311478jpegここからはオマケです。MP3でしか所有していないそのジェームス・イングラムの楽曲をご紹介。

米男性R&B/ソウルシンガーのジェームス・イングラムは、クインシー・ジョーンズに見い出されてクエストから1983年にソロ・デビュー。1993年3月25日リリースの4枚目のアルバム 『 ALWAYS YOU 』 に、バカラックは2曲提供しています。「 THIS IS THE NIGHT 」 (5:06) と 「 SING FOR THE CHILDREN 」 (5:08) で、いずれもバカラック、ジェームス・イングラム、ジョン・ベティスの3人による共作曲。2曲ともプロデュースはジェームス自身&トム・ベル。
「 THIS IS THE NIGHT 」 はミディアム~スローテンポの曲。R&B色は薄くAORに近いかな。上下を繰り返す変なAメロ、ところどころに見られる変拍子(2拍子の小節を挿入)、短調から長調への転調など、いかにもバカラック。でも、取っつきにくくヒット性はなさそう。
「 SING FOR THE CHILDREN 」 はミディアム・テンポのポップな曲で、こちらは取っつきやすいです(笑)。特徴的な刻みのリズムと薄めのトランペットが特徴的なイントロ、メロディが美しいAメロ&サビ、転調を繰り返して少しずつ高くなっていくコード進行など、印象に残る佳曲だと思います。


【データ】
『 I'm Ready 』 (邦題:アイム・レディ)
Tevin Campbell

CD:1993年10月26日リリース (所有CDは、1993年リリースの欧州盤)
レーベル:Quest / Warner Bros. (所有CDも同じ)
番号:9 45388-2 (所有CDは、9362-45388-2)

Produced by Babyface and Darly Simmons (T-1,5,10.)
Produced by Narada Michael Walden (T-2,6,13,14.)
Produced by Paisley Park (T-3,7,9,12.)
T-3,8,11. は、クレジット記載なし(INTERLUDE だからでしょうか)
Executive Producers: Quincy Jones and Benny Medina
  T-2. 「 DON'T SAY GOODBYE GIRL 」
  Written by Narada Michael Walden, Burt Bacharach and Sally Jo Dakota
  Arranged by Narada Michael Walden
  Rhythm & Vocal Arrangements: Narada Michael Walden
  Keyboards, Programming & Synth Arrangements: Louis "Kingpin" Biancaniello

2016年9月14日 (水)

AQUARELA DO BRASIL/Dionne Warwick (1994年)

ディオンヌ・ワーウィックがブラジル音楽に挑戦した1994年のアルバムです。バカラックも書き下ろしで1曲提供!

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全12トラック中、バカラック作品は1トラック

5. CAPTIVES OF THE HEART (4:48)


Img279cc_2 日本盤CDの帯に書かれたキャッチフレーズは “ ディオンヌ、ブラジルを歌う ”

前作 『 FRIENDS CAN BE LOVERS 』 がポップス路線だったので、なんでまたブラジルなの?と思ったのですが…。

─ このアルバムは、私が長年持ち続けてきた、ブラジルと、この国の人々と、そしてとりわけ音楽に対するラヴ・アフェアの感情の果実です。私は初めてブラジルを訪れた60年代末以来、ずっとブラジル音楽のアルバムを作りたいと願い続けてきました。 ─ (本アルバムのインナー・スリーヴに書かれたディオンヌのコメント。ライナー執筆者 中原仁氏による意訳)

先月はオリンピックが、そして今まさにパラリンピックが行われているブラジルのリオデジャネイロ。本アルバムのリズム・トラックは全てリオのスタジオでレコーディングされました。…ということからも窺えるように、ディオンヌ・ワーウィックが気合を入れてブラジル音楽に挑戦した1994年のアルバムです。

プロデューサーはテオ・リマという方。ブラジルの人気グループ Batacotô (バタコト) のリーダーで、もともと1993年にディオンヌがバタコトのレコーディングにゲスト参加したことが本アルバム制作のキッカケになったんだとか。

T-1. 「 ジョビン・メドレー 」 やT-9. 「 ブラジルの水彩画 」 など、全12トラック中8トラックがブラジルの新旧楽曲。ボサノヴァだけじゃなくサンバもあり、一部の曲ではポルトガル語で歌うなどディオンヌの本気度はホンモノでした。その他4トラック (T-5,8,10,12.) のうちの1トラックがバカラック・ナンバーでございます。

T-5. 「 CAPTIVES OF THE HEART (囚われの心) 」 がそれでして、バカラックとジョン・ベティスによる書き下ろし曲です。♩≒102というゆったりしたテンポに、ボサノヴァ風味の涼しげなリズム。ディオンヌの歌声も暑苦しくなく涼しいもの。メロディにはそれほど印象的なフレーズは無いのですが、Aメロは変拍子(2拍子の小節)挿入&6小節単位といういかにもバカラックらしい構成です。アレンジのおかげでボサノヴァっぽくなりましたが、本アルバムにこの曲が必要か?と問われればネガティヴな返事しかできませんねぇ…。

なお、この曲は本アルバムからの唯一のシングルとしてリリースされました(ASCD-2789)。チャートとは無縁だったようです。

Img282t_3ここからはちょいとオマケを…。

わたくし “ あるでお ” は、一度だけディオンヌのコンサートを聴いたことがあります。1995年12月の来日公演だったのですが、ディオンヌはその時点で最新アルバムだった本アルバムから何曲か歌ったような気がします。20年以上も前の事で記憶は定かではありませんが…。

はっきり覚えているのは、アンコールをやらなかったことと、高音が出にくいのかかなりメロディをフェイクしていたことくらい。バカラックの曲は聴けましたが、パフォーマンス的にもイマイチで期待外れでした~。


【データ】
『 AQUARELA DO BRASIL 』 (邦題:ブラジルの水彩画)
Dionne Warwick

CD:1994年10月25日リリース (所有CDは、1994年12月16日リリースの日本盤。ライナーは中原仁氏)
レーベル:Arista (所有CDは、Arista/BMGビクター)
番号:07822-18777-2 (所有CDは、BVCA-660)

Produced by Teo Lima
Executive Producer: Dionne Warwick
T-5. 「 CAPTIVES OF THE HEART 」
  Written by Burt Bacharach, John Bettis
  Rhythm Arrangements: Lincoln Olivetti
  String & Horn Arrangements: Pat Williams
  Vocal Arrangements: Brenda Russell
  Vocals: Brenda Russell, Siedab Garrett, Maxayne Lewis, Alexandra Brown
  Percussion & Drums: Teo Lima
  Electric Bass: Jamil Joannes
  Keyboards: Lincoln Olivetti
  Tenor Sax Solo: Gary Foster
  Trumpet: Robert Findley
 

2016年9月11日 (日)

FRIENDS CAN BE LOVERS/Dionne Warwick (1993年)

ディオンヌ・ワーウィックが1993年にリリースしたアルバムです。バカラック&デイヴィッドの書き下ろし曲を1曲収録!

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全10トラック中、バカラック作品は1トラック

1. SUNNY WEATHER LOVER (4:09)


ディオンヌ・ワーウィックが1993年にリリースしたアルバムです。

スタジオ録音アルバムとしては 『 DIONNE WARWICK SINGS COLE PORTER 』(1990年) に続くものですが、あれはコール・ポーターをカヴァーした企画盤。純粋なスタジオ録音アルバムということでは、 『 RESERVATIONS FOR TWO 』(1987年) 以来約5年半振りとなります。

ディオンヌは1940年12月生まれ。本アルバムをリリースした1993年を52歳で迎えました。おぉ! 今の私と年齢同じじゃないですか。ディオンヌもこの先の方向性をどうしていくか、いろいろ試行錯誤していただろうと推察します。

出来上がった本アルバムは、ポップ、ブラコン寄りの曲、バラード曲などが入ったものでした。“ 私はポップスの本流を進むのよ!” …ということなんでしょう。ジャケット写真は、これまでのディオンヌのアルバムのちょっとダサい感じとは一線を画すシンプルで飾らないもの。これはイイ感じです。

アルバムの目玉は、ホイットニー・ヒューストンとデュエットしたバラード曲T-5. 「 LOVE WILL FIND A WAY 」 になるのでしょうか。しかし、二人の良さがあまり生きてない曲&プロデュースでなんとも残念。出来が良いのは、アルバム・タイトルにもなっているT-4. 「 FRIENDS CAN BE LOVERS 」 。ミディアム・テンポのブラコン寄りの曲なんですが、自然と体を揺らしたくなるノリの良いナンバーで、アダルト・コンテンポラリーとしても十分。本アルバムからの第3弾シングルとしてリリースされましたが、残念ながらチャートには入らず。ちなみに作者は英国のシンガーソングライター、リサ・スタンスフィールド (プロデューサー2人と合わせた3人による共作)。

前置きが長くなりました^^;。バカラック作品はT-1. 「 SUNNY WEATHER LOVER 」 の1曲。ハル・デイヴィッドと久しぶりにコラボした曲で、本アルバムのディオンヌ版がオリジナルです。♩≒68のゆったりとした8ビート・バラード。メロディは、バカラックにしては幾分メロディの上下動(高低差)がおとなしめな印象。若い頃と較べるとディオンヌも音域狭くなってますからねー。ただ、サビの後半に入る変拍子はバカラックならでは。しかも、挿入される変拍子は、よく見られる “ 2拍子の小節 ” ではなく “ 3拍子の小節 ” なんですねー。以下にサビ(8小節)の構造を示します。ただし、譜割りは私の想像なので正しいかどうかは保証しません^^;。曲線はメロディのフレーズを示しています。
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3拍子の変拍子が挿入された曲といえば、「 I SAY A LITTLE PRAYER (小さな願い) 」 が有名です。世に出たのは1967年ですから、バカラック&デイヴィッドの全盛期です。その頃の感覚が蘇ってきたのかもしれません。この曲は本アルバムからのシングル第2弾としてリリースされましたが(ASCD-2477)、チャート・インならず。

この 「 SUNNY WEATHER LOVER 」 より以前のバカラック&ハル・デイヴィッド作品というと、1975年のステファニー・ミルズのアルバム 『 FOR THE FIRST TIME 』 まで遡らなければいけません。18年ぶりですよー。

─  キャロル(・ベイヤー・セイガー)と別れると別の作詞家とも組みはじめ、なんだかいろいろな相手とデートしているような気がした。わたしは再び冷え切った時期を迎え、2年ほどいっさいヒットを出せずにいたが、とりあえずハル(・デイヴィッド)とはよりを戻すことができた。わたしたちは1993年5月、ASCAPの創立者賞を2人で授与されたのを機に公式に和解した。そのころにはどちらもディオンヌとの関係を修復していたので、わたしたち3人はまた口をきく仲になった。 ─ (バカラック自伝より)

本アルバムがリリースされた1993年1月は、公式和解の4ヵ月前。しかも、実はこの曲、1989年に作られたんだそう。バカラックとデイヴィッドの仲は少しずつ修復していったんですねー。良かった良かった。

なお、T-10. 「 I SING AT DAWN 」 は岸洋子の 「 夜明けの歌 」 。ディオンヌ自身が訳した英語詞で歌っています。この曲だけ曲調・アレンジとも明らかに日本の歌謡曲調。けっこう違和感あり(笑)。


【データ】
『 FRIENDS CAN BE LOVERS 』 (邦題:フレンズ・キャン・ビー・ラバーズ)
Dionne Warwick

CD:1993年1月20日リリース
レーベル:Arista
番号:07822-18682-2

Produced by Barry J. Eastmond (T-2,3,7,8.)
Produced by Ian Devaney & Andy Morris  (T-4,6.)
Produced by Burt Bacharach & Barry J. Eastmond (T-1.)
Produced by David Elliot (T-5.)
Produced by Harvey Mason & Dionne Warwick (T-9.)
Produced by Masaki Kudo, Associate Producer: Joe Kloess & Rob Shrock (T-10.)
Executive Producer: Clive Davis
T-1. 「 SUNNY WEATHER LOVER 」
  Written by Burt Bacharach & Hal David
  Arranged by Burt Bacharach & Barry J. Eastmond
  Keyboards: Randy Kerber
  Synthesizers: Michael Boddicker, Burt Bacharach, Barry J. Eastmond
  Guitars: Dean Parks
  Bass: Anthony Jackson
  Drum Programming: Sammy Merendino
  Background Vocals: Curtis King Jr., Yolanda Lee, Dolette McDonald, Dionne Warwick

2016年9月 4日 (日)

WHAT YOU SEE IS WHAT YOU SWEAT/Aretha Franklin (1991年)

ソウルの女王、アレサ・フランクリンが1991年にリリースしたアルバムです。バカラック作品を2曲収録!

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全10トラック中、バカラック作品は2トラック

2. EVER CHANGING TIMES (4:56)  ~ featuring Michael McDonald ~
6. SOMEONE ELSE'S EYES (4:58)


泣く子も黙るソウルの女王、アレサ・フランクリンが1991年にリリースしたアルバムです。

アレサはアトランティック在籍時に多くのバカラック作品をカヴァーしています。私はそれらアトランティック時代の曲をコンピCDでしか所有していません。拙ブログではコンピCDを紹介する際に取り上げることとします。あしからず。

1980年にアレサはアトランティックからアリスタへ移籍します。本アルバムは、アリスタでの8枚目のスタジオ・アルバムでございます。

T-10(T-1.のリミックス版)を除くと、全曲プロデューサーが異なります。贅沢ですね。選曲も様々で、カヴァーも何曲かあります。T-1. 「 EVERYDAY PEOPLE (エブリデイ・ピープル) 」 はスライ&ザ・ファミリー・ストーンの曲。T-5. 「 I DREAMED A DREAM (夢やぶれて) 」 はミュージカル 『 レ・ミゼラブル 』 の劇中歌。あのスーザン・ボイルの歌唱は忘れられません。

さて、バカラック作品は2曲。カヴァーと書き下ろし曲です。

T-2. 「 EVER CHANGING TIMES (エバー・チェンジング・タイムズ) 」 はカヴァー。オリジナルは Siedah Garrett (サイーダ・ギャレット) という女性シンガー。スロー・バラード曲で、アレサ版はマイケル・マクドナルドとのデュエットに仕立てています。マイケル・マクドナルドが登場するのは曲の中盤あたりからですけど。プロデュースはバカラック&セイガー。そして、デイヴィッド・フォスターとバカラックがキーボードで参加。これまた贅沢ですねー。

本アルバムからの第4弾シングルとして1992年にリリースされました(ASCD-2394、A面)。全米チャートは圏外も、R&Bチャートでは19位に、そしてAC(アダルト・コンテンポラリー)チャートでも11位にランクインしています。ACチャートに入ったのは相方のおかげでしょうね。

T-6. 「 SOMEONE ELSE'S EYES (サムワン・エルスズ・アイズ) 」 は書き下ろし曲。バカラック&セイガーにブルース・ロバーツを加えた3人による共作曲で、プロデュースもこの3人が共同で担当しています。♩≒67とスローな16ビートのバラード曲。変拍子(2拍子の小節)がイントロやAメロなどのあちこちに挿入されるところにはバカラックらしさを感じる一方、サビは変拍子もなくアレサの歌唱力を味わえるメロディだと思います。本アルバムからの第2弾シングルとなり、1991年にリリース(ASCD-2350、A面)。全米チャートは圏外。R&Bチャートでも53位にとどまりました。

R441526913642699485221jpeg_2ここからはオマケです。MP3しか所有していない音源をご紹介。

←は前述した Siedah Garrett (サイーダ・ギャレット) の 「 EVER CHANGING TIMES 」 です。 1987年の映画 『 Baby Boom 』 のテーマ曲で、1987年10月にシングルリリースされました(Qwest 7-28163、A面)。聴いてみると、テンポやアレンジはアレサ版とほぼ同じ。勿論サイーダ版の方が先ですけれど。調べてみたら、サイーダ版のプロデューサーはバカラック&セイガーに加えてデイヴィッド・フォスターがクレジットされていました。キラキラしたシンセの音色はデイヴィッド・フォスターかぁ。アレサ版に彼がミュージシャンとして参加してたワケもなんとなくわかりました。サイーダ版は全米チャートは圏外だったものの、R&Bチャートで44位に、ACチャートでは30位になっています。

R858111314644677461867jpeg_2R723035914366965449051jpeg_3本アルバムの 「 SOMEONE ELSE'S EYES 」 の他にも、バカラックはアリスタ時代のアレサに2曲書き下ろしています。

まずは 1981年リリースのアルバム 『 LOVE ALL THE HURT AWAY 』 <左> 収録の 「 TRUTH AND HONESTY 」 (4:16)。バカラック&セイガーにピーター・アレンを加えた3人による共作曲です。ミディアム~アップ・テンポのポップ/ダンス調の曲で、メロディもほとんどバカラックの匂いがしません。アルバムのプロデューサーはアリフ・マーディンですが、この曲ではアレサと共同プロデュースすると共に、アレンジも彼とアレサの2人によるものです。

もう1曲は 2003年リリースのアルバム 『 SO DAMN HAPPY 』 <右> 収録の 「 FALLING OUT OF LOVE 」 (4:32)。バカラックと Jed Leiber, Jerry Leiber の3人による共作。バカラック自身がプロデュースとアレンジを担当しています。♩≒67のスロー・バラードで、バカラックらしいコード進行にしっとりしたメロディが乗っかる佳曲です。2006年にトレインチャがアルバム 『 THE LOOK OF LOVE 』 でカヴァーしています。


【データ】
『 WHAT YOU SEE IS WHAT YOU SWEAT 』 (邦題:ホワット・ユー・スウェット)
Aretha Franklin

CD:1991年7月リリース
レーベル:Arista
番号:ARCD-8628

Produced by Narada Michael Walden (T-1.)
Produced by Burt Bacharach and Carole Bayer Sager (T-2.)
Produced by David "Pic" Conley and David Townsend (T-3.)
Produced by Elliot Wolff and Oliver Leiber (T-4.)
Produced by David "Pic" Conley (T-5.)
Produced by Burt Bacharach, Carole Bayer Sager and Bruce Roberts (T-6.)
Produced by Luther Vandross (T-7.)
Produced by ArethaFranklin (T-8.)
Produced by Michael Legrand (T-9.)
Mixed by Shep Pettibone (T-10.)
Executive Producer: Clive Davis
T-2. 「 EVER CHANGING TIMES 」
  Written by Burt Bacharach, Carole Bayer Sager and Bill Conti
  Michael Boddicker: Keyboards / Programming
  Dean Parks: Guitar
  Larry Williams: Programming
  David Foster: Keyboards
  Burt Bacharach: Keyboards
T-6. 「 SOMEONE ELSE'S EYES 」
  Written by Burt Bacharach, Carole Bayer Sager and Bruce Roberts
  Associate Producer: David "Pic" Conley
  Michael Boddicker: Keyboards / Programming
  Dean Parks: Guitar
  David Boruff: Sax
  Rudolph Stanfield: Piano
  Randy Waldman: Keyboards
  Burt Bacharach: Keyboards
  Additional Recording by:
  Guy Vaughn: Drum Programming
  Marcus Miller: Bass Guitar
  Joshua Thompson: Guitar
  Bobby Wooten: Electric Piano
  Background Vocals: Margaret Branch, Brenda Corbett, Sandra Dance-Feva, Portia Griffin, Lynn Davis, Jessie Richardson / Williams
 

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