ALL ABOUT LOVE/Johnny Mathis (1996年)
米国の男性ポピュラー・シンガー、ジョニー・マティスが1996年にリリースしたアルバムです。バカラックの書下ろし曲とカヴァーを1曲ずつ収録!
(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
全10トラック中、バカラック作品は2トラック
5. LIKE NO ONE IN THE WORLD (4:31)
7. LET ME BE THE ONE (5:00)
米国の男性ポピュラー・シンガー、ジョニー・マティスが1996年にリリースしたアルバムです。
ジョニー・マティスは1935年テキサス州生まれ。バカラックより7歳下ってことになりますね。1956年にデビュー・アルバムをリリース。以後、ポピュラー、ジャズ、ブラジル音楽、スペイン音楽、ソウル/R&B、ソフトロックなど、ジャンルを超えて活躍している米国を代表する男性シンガーの一人です。(Wiki他より)
これだけの長いキャリアがありますんで、バカラック作品も歌っています。1957年 「 WARM AND TENDER 」 、1959年 「 HEAVENLY 」 「 FAITHFULLY 」 、1971年 「 TEN TIMES FOREVER MORE 」 はいずれもバカラックの書き下ろし曲。また、今回調べてみて初めて知ったのですが、1966年~1972年にかけて自身のアルバムでバカラックの曲をちょいちょい取り上げ計14曲もカヴァー! 1970年にはそれらバカラック作品の一部をコンパイルしたアルバム 『 Johnny Mathis Sings The Music Of Bacharach & Kaempfert 』 (LP2枚組、1枚はバカラック、1枚はベルト・ケンプフェルトのカヴァー) もリリースしています。
ジョニー・マティスが61歳の時にリリースした本作、全てミディアム~スローの落ち着いた曲ばかりで構成されたMOR路線のアルバムです。歌はやっぱり上手いですね~。バラード曲も悪くないですが、ミディアム・テンポの曲 ~ T-2. 「 I WILL WALK AWAY 」 や AORっぽいT-3. 「 EVERY BEAT OF MY HEART 」 ~ が印象に残りました。
バカラック作品は2曲。1曲がオリジナルで、残る1曲はカヴァーです。
T-5. 「 LIKE NO ONE IN THE WORLD 」 : ジョニー・マティスがオリジナルです。共作者はジョン・ベティス。♩≒65のスロー・バラードなのですが、Aメロの2小節目がいきなり変拍子、それも5拍子(或いは3拍子+2拍子)ですよ@_@。そのあとも、Bメロのサビ前で2拍子の小節が入りサビでは3拍子が2小節入るという具合に、バカラックの変拍子病が炸裂! 不自然で無理やりって感じなんですよね~。フィル・ラーモンは頑張ってプロデュースしてるんですけど、メロディ自体の魅力が乏しいこともあり、まぁ失敗作でしょう。あくまでも私の主観ですが…。
T-7. 「 LET ME BE THE ONE 」 : カヴァーです。オリジナルは、マリリン・スコット(1996年)。♩≒67ですからこちらもスロー・バラードです。このテンポはオリジナルと全く同じですが、ジョニー・マティス版のほうが若干コンテンポラリーな味付け。この曲も変拍子(2拍子の小節)があるのですが、流れの中であまり違和感はありません。サビのエモーシャルなメロディが気持ちよく、なかなかいい感じです。ここからはオマケです。
まずは、T-7. 「 LET ME BE THE ONE 」 のオリジナルをご紹介。1949年LA生まれの米女性シンガー、Marilyn Scott (マリリン・スコット)が1996年4月にリリースしたアルバム 『 Take Me With You 』 に収録されています。バカラックとデニース・リッチ、タジャ・シヴィルの3人による共作曲でございます。
バックの演奏はジョニー・マティス版よりもソウル&ジャジーな味付けで、彼女の歌いっぷりも特に後半はエモーショナルなもの。なかなかグッときます。プロデュースはジョージ・デューク。う~ん、ナルホドです。私はこの曲だけMP3で所有してるのですが、アルバム全体も聴いてみたいですねー。
さきほどジョニー・マティスが歌ったバカラック作品を調べたと書きましたが、私はジョニー・マティスのアルバムを本アルバムしか所有していません。今後これらの情報を拙ブログで紹介することは無いと思われますので、備忘録を兼ねて記すこととしました。調査対象期間はジョニー・マティスがデビューしてから本アルバムの前までです。ただし、ベスト盤や編集盤の類は対象外です。
<ジョニー・マティスが歌ったバカラック作品リスト(1956年~1995年)>
既録音音源を再収録したものは赤字にしました。
尚、コンピCDで所有している曲に ※ 印を、MP3で所有している曲に * 印を付けています。※ 印の曲はいずれコンピCDを紹介する時に言及するとして、ここでは * 印の曲をご紹介します。1968年11月リリースのアルバム 『 Those Were The Days 』 に収録されていたバカラック・カヴァーが 「 THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU (ディス・ガイ) 」 (4:29)。
アレンジは本家ハーブ・アルパート版から大きく外れていませんが、♩≒70というテンポは本家の♩≒84よりずいぶんと遅いものとなっています。加えてジョニー・マティスの超まったりした歌いっぷり…。ヴォーカルの定位が中間部とエンディングで左右移動して平衡感覚がちょっとおかしくなるのも影響していると思うのですが、聴いててついウトウトしてしまいました。眠れない夜は、このジョニー・マティス版をBGMとして流すことをおススメします(笑)。
【データ】
『 ALL ABOUT LOVE 』
Johnny Mathis
CD:1996年5月3日リリース
レーベル:Columbia
番号:483931 2
Produced by Phil Ramone
Arrangements by Mark Portmann
T-5. 「 LIKE NO ONE IN THE WORLD 」
Written by Burt Bacharach, John Bettis
Keyboards by Mark Portmann
Guitar by Dean Parks
Background vocals by Warren Wiebe, Alexandra Brown, Carmen Twillie, Monalisa Young
T-7. 「 LET ME BE THE ONE 」
Written by Burt Bacharach, Denise Rich, Taja Sevelle
Keyboards by Mark Portmann
Guitar by Michael Thompson
Background vocals by Warren Wiebe, Alexandra Brown, Carmen Twillie, Monalisa Young
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