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2016年10月

2016年10月30日 (日)

DIONNE SINGS DIONNE Ⅱ/Dionne Warwick (2000年)

ディオンヌ・ワーウィックのリメイク・アルバム第2弾です。バカラック&デイヴィッド作品を9曲収録!

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全11トラック中、バカラック作品は9トラック

1. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
2. ANYONE WHO HAD A HEART
3. WHAT A FOOL BELIEVES
4. IN BETWEEN THE HEARTACHES
5. THE LOOK OF LOVE
6. I SAY A LITTLE PRAYER
7. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
8. DON'T MAKE ME OVER
9. THEN CAME YOU
10. MESSAGE TO MICHAEL
11. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)

収録時間約43分


Img303cc_2 1998年リリースの 『 DIONNE SINGS DIONNE 』 に続く、ディオンヌ・ワーウィックのリメイク・アルバム第2弾です。

ライナーによると、米国ではインターネットを通じてのリリースのみ。日本では公式にショップリリースされる許可が出たとかで、CDの帯にも “ 日本独占発売 ” の文字が…。実際、Discogs で調べても本作は日本盤しか見当たりません。世界で日本だけOKだったのはナゼなんでしょうねー。

『 DIONNE SONGS DIONNE 』 (以後DSDと略します) と違い、9曲あるバカラック&デイヴィッド作品は全てリメイクです。『 DSD 』 では思い切ったヒップポップ系のアレンジが特徴でしたが、本作は元のディオンヌ版をベースにコンテンポラリーな味付けの曲が多いです。

そんな本作で一番の力作は、ジョージ・デュークがプロデュースしたT-4. 「 イン・ビトウィーン・ザ・ハートエイクス 」 。フュージョン・タッチの渋いアレンジにエモーショナルなディオンヌの歌が見事にハマっています。ヒップポップ色が強いT-8. 「 ドント・メイク・ミー・オーヴァー 」 は 『 DSD 』 のテイストに近いでしょうか。異色なのはT-7. 「 遥かなる影 」 で、6/8のR&B調アレンジが意外とイケます。

『 DSD 』 と本作の両方で取り上げられた唯一の曲がT-6. 「 小さな願い 」 。この曲の特徴である変拍子をキチンとやってくれてるのはいいのですが、シンセで代用したトランペットの音色がチープで残念。本作全般で言えることなのですが、ストリングスやオケをシンセで代用しているんですね。お金をかけれないという事情があるんでしょうが、どうしても元曲と比べてしまう訳で…。

ディオンヌの声の劣化も気になります。ディオンヌはところどころメロディをフェイクして歌っているのですが、その方が効果的だから…ではなく、高い音域で声が苦しいのがバレないように…というのがミエミエなんです。ちなみに、代表的な4曲のキーはすべて元曲より二度半↓。
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キーを元曲より下げて歌っていてコレですから…。ライヴでならともかく、プロとしてこれは如何なものかと…(エラそうにスミマセンcoldsweats01)。

バカラック作品以外についても簡単に触れておきましょう。T-3. 「 ホワット・ア・フール・ビリーブス 」 はドゥービー・ブラザーズのカヴァー。涼しげなボッサ・アレンジが新鮮です。T-9. 「 ゼン・ケイム・ユー 」 はスピナーズとのデュエットで1974年に全米1位になった曲のリメイク。元曲のテイストを再現しています。


【データ】
『 DIONNE SINGS DIONNE Ⅱ 』 (日本語ライナーノーツ:村岡裕司氏)
Dionne Warwick

CD:2000年4月21日リリース
レーベル:ビクター エンタテインメント
番号:VICP-61016

Produced by Michael Lloyd (T-1,5,6,11.)
Produced by Steve Tyrell. Arranged by Guy Moon and Steve Tyrell (T-2.)
Produced by Zane Giles and Kevin Dorsey (T-3.)
Produced by George Duke (T-4.)
Produced by Damon Elliott (T-7.)
Produced by Tim Miner (T-8,9,10.)

2016年10月26日 (水)

ISN'T SHE GREAT/O.S.T. (2000年)

映画 『 イズント・シー・グレート 』 のサントラです。バカラックが全編音楽を担当!

(画像はクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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1. ON MY WAY ~ Dionne Warwick ~  F
2. LOVE THEME (THE FALLING IN LOVE)
3. LUNCH AT LINDY'S
4. GUY'S THEME (WORDLESS)
5. MASS LOVE
6. SEXUAL ME, SEXUAL YOU
7. YES, THEY SAID YES!
8. THE BIG PITCH
9. ARE YOU MY FRIEND?
10. HELLO CONNECTICUT
11. FOR MIMSY
12. HEARTACHE REVISITED
13. THE BOOK TOUR (ON MY WAY - Reprised) ~ Dionne Warwick ~  F
14. ABOUT EXPECTATIONS
15. THE LATE LUNCH
16. VICTORY AT A PRICE
17. OPEN YOUR HEART ~ Vanessa Williams ~  F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Famale-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約39分


2000年の映画 『 イズント・シー・グレート 』 のサントラです。

映画は、米国の女性作家 Jacqueline Susann (ジャクリーン・スーザン)の物語。米英独日の共同製作で2000年1月28日に米国公開されました。日本では劇場未公開でしたが、ヴィデオ(VHS)は発売され私もレンタルして観ました。その後、DVDも発売されているようです。

─  いつの時代でもバート・バカラックの音楽は新鮮なものとして(懐メロとしてではなくという意味)受け入れられ続けるだろう、と以前から思っていた筆者にとって、これはわが意を得たり! のサントラ盤だ。ベット・ミドラー主演の映画は未見だが、それが鑑賞上の妨げになることはない。このサントラ盤の楽しみ方は無限にあるのだから。ヴァネッサ・ウィリアムスが初めてバカラックの新曲を、しかもハル・デイヴィッドの作詞! で歌うというのが最大の “ 売り ” だろうが、その外にも隠し味があちこちに……。大満足のアルバムである。 ■宮本 啓  ─ (2000年7月リリースの日本盤について、雑誌 “ FM fan ” のアルバム・レビューより)

音楽が映画の中でどう使われてたか?サッパリ記憶にないのですが、宮本啓さんのアルバム・レビューにあるとおりサントラ鑑賞の支障にはなりません。覚えてない言い訳ととられても仕方ないですが、これホントです(全く説得力無し^^;)。

アルバムのプロデュース、作曲、指揮をバカラックが担当。ヴォーカルが入った曲は、ディオンヌ・ワーウィックが歌うT-1. 「 ON MY WAY 」 及びそのリプライズT-13. 「 THE BOOK TOUR 」 と、ヴァネッサ・ウィリアムスが歌うT-17. 「 OPEN YOUR HEART 」 の3曲。他の14曲はインスト曲です。

ヴォーカル入りの曲はいずれもハル・デイヴィッドが作詞を担当。バカラック&デイヴィッドの二人による共作は、1993年ディオンヌ・ワーウィックの 「 SUNNY WEATHER LOVER 」 ( 『 FRIENDS CAN BE LOVERS 』 収録) 以来7年ぶりです 。

T-1. 「 ON MY WAY 」 は♩≒85の16ビート・バラード曲。音符が高低飛び跳ねるAメロ、ところどころに挿入される変拍子(2拍の小節)、Aメロ(G)~Bメロ(Gm)~サビ(Gm→G)の転調、曲途中での半音キーが上がる転調(G→G♯)、テンション・コードの多用等々、バカラック節が随所にみられる曲です。加えて、流麗なストリングスのオブリガートや間奏でのトランペットなど、バカラックっぽいアレンジも嬉しいところ。高音が苦しくなってきているディオンヌですが、高音域は鼻に抜けるような歌い方でクリアして破綻なく歌い切っています。ただ、全体的な雰囲気はひと昔前(1980年代)のテイスト。この辺りはプロデュース/アレンジの領域でしょうが、人により評価が分かれるところかも…。

T-17. 「 OPEN YOUR HEART 」 は♩≒75のバラード曲。高低差のある独特なメロディ・ライン、変拍子(2拍の小節)の存在、一般的な8小節単位ではなく9小節/7小節/10小節といった楽曲構成など、この曲にもバカラックらしさは見られます。が、しっとりとしていながら艶やかなヴァネッサ・ウィリアムスのヴォーカルと、センスの良いシンセ・ベース、ゴージャスなオーケストレーションにより、コンテンポラリーなテイストに仕上がっています。バカラックと共にプロデュースにクレジットされているキース・トーマスやストリングス・アレンジを担当したロン・ハフ達のおかげでしょう。

インスト曲はスコアとして使われたものと思われます。収録曲で最も多いインスト曲は 「 OPEN YOUR HEART 」 の別アレンジ版。T-2. 「 LOVE THEME (THE FALLING IN LOVE) 」 、T-7. 「 YES, THEY SAID YES! 」 、T-9. 「 ARE YOU MY FRIEND? 」 、T-14. 「 ABOUT EXPECTATIONS 」 などがそうです。

'60年代のバカラック作品を思わせる曲もあります。T-6. 「 SEXUAL ME, SEXUAL YOU 」 冒頭のメロディやギロが刻むリズムは、明らかに 「 恋の面影 」 をパロッたもの。T-11. 「 FOR MIMSY 」 はその別アレンジ版です。ジャズ・ワルツのT-8. 「 THE BIG PITCH 」 は、「 ワイヴズ・アンド・ラヴァーズ 」 に似たフィーリングの曲。T-13. 「 THE BOOK TOUR 」 の前半1分くらいの賑やかなパートに出てくる ‟ タタタタタタ│タンタン ” という3拍子+2拍子のフレーズなんかは、 「 プロミセス・プロミセス 」 のイントロとモロ同じ音型ですし! ワザとやってますね、バカラックは(^^)。宮本啓さんの言う ─ 隠し味があちこちに ─ はこのあたりのことを指しているのでしょう。

他にも、口笛による明るいメロディのT-3. 「 LUNCH AT LINDY'S 」 とT-15. 「 THE LATE LUNCH 」 、フルート/アルトフルート/オーボエが吹く切ないメロディが特徴のT-4. 「 GUY'S THEME (WORDLESS) 」 とT-12. 「 HEARTACHE REVISITED 」 、フュージョン・タッチのT-5. 「 MASS LOVE 」 とT-10. 「 HELLO CONNECTICUT 」 など、それぞれキャラが立った曲ばかりで、バカラックの力の入れようが窺えます。テイストはひと昔前って感じですけどね…^^;

ちなみに、本作 『 イズント・シー・グレート 』 でジャクリーン・スーザンを演じた大御所女優ベット・ミドラーはシンガーでもありまして、バカラック作品もカヴァーしておいでです。詳しくは こちら をご覧くださいませ。

ちなみにその2、ジャクリーン・スーザンの小説 『 Valley of the Dolls 』 が映画化された際、主題歌 「 (THEME FROM) VALLEY OF THE DOLLS (哀愁の花びらのテーマ) 」 を歌ったのはディオンヌ・ワーウィックでした※。でも、その曲を含めて映画の音楽を担当したのはアンドレ・プレヴィン。それだったら、本作 『 イズント・シー・グレート 』 の音楽もプレヴィンにオファーを出すのが順当なところですよね。どうしてバカラックにオファーが来たんだろう…。ご存知の方、教えてくださいませm(__)m

※ ここら辺の事情はディオンヌのアルバム 『 DIONNE WARWICK in Valley of the Dolls 』 の記事を参照ください。


【データ】
『 ISN'T SHE GREAT 』 (邦題:イズント・シー・グレート)
O.S.T.

CD:2000年1月25日リリース
レーベル:DECCA Records / Universal Classics
番号:289 466 981-2

Album Produced by Burt Bacharach
Executive Soundtrack Producer: Gary Jones, Mike Lobell and Andrew Bergman
Associate Album Producer: Todd Kasow
Music Composed and Conducted by Burt Bacharach
Lyrics by Hal David
Credits for Score and 「 ON MY WAY 」
  Orchestrations: Burt Bacharach and Rick Giovinazzo
  Orchestra Contractor: Sandy De Crescent
  Harmonica: Tommy Morgan
  Whistler: Rick Riccio
  Sax: Tom Scott, Dan Higgins
  Fender Bass: Neil Stubenhaus
  Drums: Vinnie Colaiuta
  Guitars: Dean Parks, George Doering
  Alto Flute: Gary Foster
  Flute: Jimmy Walker
  Keyboard: Burt Bacharach, Greg Phillinganes, Randy Kerber
  Flugel Horn and Solo Trumpet: Gary Grant
Credits for 「 OPEN YOUR HEART 」
  Produced and Arranged by Keith Thomas and Burt Bacharach
  Keyboard and Additional Bass Programming: Keith Thomas
  Drum Programming: Mark Hammond
  Bass: Michael Rhodes
  Electric Guitars: Jerry McPherson
  Strings: The Nashville String Machine
  Strings Arranged and Conducted by Ronn Huff
  Strings Contracted by Carl Gorodetsky

↓左はオリジナル盤で、右は日本盤

2016年10月23日 (日)

AUSTIN POWERS THE SPY WHO SHAGGED ME/O.S.T. (1999年)

オースティン・パワーズ3部作の2作目、米映画 『 オースティン・パワーズ:デラックス 』 のサントラです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

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全12トラック中、バカラック作品は1トラック

11. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN (3:20) ~ Burt Bacharach & Elvis Costello ~


オースティン・パワーズ3部作の2作目、米映画 『 オースティン・パワーズ:デラックス 』 のサントラです。

『 オースティン・パワーズ 』 の続編で、映画日本公開時のコピーは “ 20世紀最後のおバカ映画だイエーイ!! ” でした。そんな映画ですので、映画のあらすじは割愛します。オープニングの場面、ホテルにあるカジノの名称が “ Casino Royale ” だったことだけ報告しておきます(笑)。

映画の中で使われる音楽は、1作目ほど'60年代は感じません。このサントラ盤もそうです。その代わり、マドンナをはじめザ・フー(過去のライヴ音源)やR.E.M.やレニー・クラヴィッツなど、参加アーティストの大物感は少なく見積もってもふた回りは大きいです。それに、田中知之(F.P.M.: ファンタスティック・プラスチック・マシーン)の参加も話題になりました(本サントラには未収録)。

Ap2c さて、バカラック・カヴァーはT-11. 「 恋よさようなら 」 。

劇中、1969年のロンドンの街角でオースティンと相手役のフェリシティが踊り出すシーンで流れるのですが、街角でこの曲を演奏してるのがバカラック本人とエルヴィス・コステロ! 1作目と同様、オースティンは二人を紹介! ピアノを弾くバカラックも、ギターを携えて歌うコステロも楽しそう。

本シリーズの音楽監修ジョン・フーリアンが、このシーンについてこう述懐しています。 ─  あの、オースティンとフェリシティが踊っていて、バートとエルヴィス(・コステロ)が1969年のカーナビー・ストリートで演奏しているシーンは僕が今まで手がけた中で一番の傑作。楽曲もぴったりで、演奏者もぴったりで……撮影現場にいたスタッフ全員が “ この日が永遠に続けばいいのに ” と思えたんだよ。僕はこの仕事を誇りに思っているよ。 ─ (引用元: エスクァイア日本版1999年10月号臨時増刊 それゆけ!オースティン・パワーズ やっぱりボクらはおバカ好き!)

なぁんかいいですよね。うるうる。

61rxsetc5l_sl1000_51f4vkjwql映画とサントラの一体感という点で、本サントラは1作目のサントラに遠く及びません。聴きたい曲が入ってないクセに映画未使用曲が入ってたり(T-8~10.)、スコアが未収録だったり…。私には不満な点が多いんです。でも、調べてみたらこんなアルバムが出ていました。
『 AUSTIN POWERS THE SPY WHO SHAGGED ME more music from the motion picture 』 (左)は、言わばサントラvol.2。こちらにはF.P.M.の曲も収録されているようです。もう1枚は 『 AUSTIN POWERS International Man of Mystery & The Spy Who Shagged Me original motion picture scores 』 (右)。こちらは1作目&2作目のスコア集。
2枚ともバカラック作品未収録なので購入してませんが、スコア集は聴いてみたいなぁ。


【データ】
『 AUSTIN POWERS THE SPY WHO SHAGGED ME music from the motion picture 』 (邦題:オースティン・パワーズ:デラックス)
O.S.T.

CD:1999年6月1日リリース
レーベル:Maverick (US)
番号:9 47348-2

soundtrack produced by Danny Bramson & Guy Oseary
soundtrack execytiveproducer: Mike Myers
music supervisor: John Houlihan
T-11. 「 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 」
  produced by Burt Bacharach and Elvis Costello

2016年10月19日 (水)

DIONNE SINGS DIONNE/Dionne Warwick (1998年)

ディオンヌ・ワーウィックが1998年にリリースした、リメイク物主体のアルバムです。バカラック・カヴァーを8曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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Original CD front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏 (曲順は Original CD と異なる)

全14トラック中、バカラック作品は8トラック
(以下、曲順は Original CD のもの)

1. WALK ON BY
2. I SAY A LITTLE PRAYER
3. REACH OUT FOR ME  ~ with El Debarge, Debarge & The Emotions ~
4. HIGH UPON THIS LOVE
5. LOVE BEGINS WITH YOU

6. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME  ~ with Jonathan Butler ~
7. IF I WANT TO
8. I PROMISE YOU
9. HUMBLY I PRAY

10. ALL KINDS OF PEOPLE
11. BE MY NEIGHBOUR  ~ Duet with Tyrese ~
12. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ with The Hip-Hop Nation United ~
13. AQUARELA DO BRAZIL
14. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  ~ with Celia Cruz & Pete Escovedo Orchestra ~

収録時間約61分


ディオンヌ・ワーウィックが1998年にリリースした、リメイク物主体のアルバムです。(リメイク: 過去の自身の曲のカヴァー)

1994年リリースの前作 『 AQUARELA DO BRASIL 』 を最後に、ディオンヌは15年間在籍したAristaを離れます。それ以後、ディオンヌは大手レーベルとは契約しておらず、本アルバムはインディ・レーベルからリリースされました。

本アルバムは、若い世代のプロデューサーと多彩なゲストの参加が特徴です。ディオンヌの次男であるデーモン・エリオットや Zane Giles が多くの曲をプロデュース。加えて、R&Bグループのデバージやエモーションズ、男性シンガーのジョナサン・バトラーやタイリース、ベテラン女性サルサ・シンガーのセリア・クルースなど、実に多彩なアーティストが参加。ヒップ・ホップ系の曲が目立ち、これまでにないディオンヌを聴くことができます。

全14曲のうちバカラック作品は8曲。7曲がリメイクで、1曲はカヴァーです。

先ずはリメイクものからご紹介。T-1. 「 ウォーク・オン・バイ 」 はスティーヴ・タイレルによるプロデュースで、オリジナルをちょっと今風に味付けした程度のアレンジも彼によるもの。彼はその昔、セプターレコードのA&Rマンとしてディオンヌのヒット曲作りに関わった御仁ですからね。特別出演みたいな感覚でしょうか。スティーヴ・タイレルについては、彼のアルバム 『 BACK TO BACHARACH 』 の記事を参考ください。

T-2. 「 小さな願い 」 、T-6. 「 愛の想い出(愛のウェイト・リフティング) 」 、T-12. 「 世界は愛を求めている 」 はヒップポップ系のアレンジ。ディオンヌにとってこのジャンルはあまり経験ないと思うのですが、頑張って歌っています。「 小さな願い 」 の変拍子は全て4拍子になってて、ちょっと残念。「 愛の想い出(愛のウェイト・リフティング) 」 はクールな仕上がりで、ジョナサン・バトラーも掛け合いでちょいと参加。「 世界は愛を求めている 」 では共演したヒップポップ・ネイション・ユナイテッドによるラップを全面的フィーチャー。おぉっ、ここまでやるかって感じ。

T-3. 「 リーチ・アウト 」 はR&B/ソウル系のアレンジ。エル・デバージ、デバージ、エモーションズも参加して、ダンサブルな仕上がり。この曲がこんな風に変わるなんて、なかなか新鮮です。そして、T-14. 「 サン・ホセへの道 」 はサルサ仕立て。賑やかでとにかく楽しい。セリア・クルースの貫禄もスゴイ。この曲、ホントはディオンヌもこんな感じで歌いたかったんじゃ…とすら思える出来です。

ディオンヌはレアな曲も1曲リメイクしています。T-10. 「 オール・カインズ・オブ・ピープル 」 はバカラックがオリジナルで、1971年のアルバム 『 BURT BACHARACH 』 に入ってる曲。ディオンヌもセプター時代にアシュフォード&シンプソンの 「 REACH OUT AND TOUCH SOMEBODY'S HAND 」 とメドレーで録音。ワーナー移籍後の1973年にセプターからリリースされたアルバム 『 FROM WITHIN 』 に収録されていました。まさかこの曲をリメイクするとは!

唯一のカヴァー曲は超レア曲と言ってもいいT-7. 「 IF I WANT TO 」 。この曲は米国クリスチャン音楽の女性シンガー、サンディ・パティがオリジナル。1994年のアルバム 『 FIND IT ON THE WINGS 』 に入ってる地味な曲で、これをカヴァーしたのは私の知る限りディオンヌだけだと思います。「 オール・カインズ・オブ・ピープル 」とこの曲は奇を衒ったところのないアレンジで、ディオンヌはオリジナルをトリビュートしてるんだなぁと感じられます。どうしても歌いたかったんでしょうね。

バカラック作品以外の6曲は、前作アルバム 『 AQUARELA DO BRASIL 』 のタイトル曲をカヴァーしたのを除いてどうやら新曲みたいです。ヒップポップ系の曲があるのかと思いきや、至って普通のポップスばかり。変なアルバムです^^;

※ 2016/12/28 訂正 T-10. 「 オール・カインズ・オブ・ピープル 」 はカヴァーではなくリメイクでしたので、該当箇所を訂正しました。


【データ】
『 DIONNE SINGS DIONNE 』
Dionne Warwick

CD:1998年リリース (所有CDは1998年リリースの欧州向け盤)
レーベル:Empire Music Group (所有CDは、River North Records)
番号:R 377645 (所有CDは、51416 1431 2)

Produced by Damon Elliott (T-6,11,12,13.)
Produced by Zane Giles (T-3,4.)
Produced by George Duke (T-7,8.)
Produced by Steve Tyrell (T-1.)
Produced by Damon Elliott and Teddy Harmon (T-2.)
Produced by Zane Giles and Kevin Dorsey (T-5.)
Produced by Tim Miner (T-9.)
Produced by Rob Shrock (T-10.)
Produced by Damon Elliott and Zane Giles (T-14.)
Executive Producer: Steven Devick & Dionne Warwick
T-1,2,3,6,10,12,14.
  Written by Burt Bacharach & Hal David
T-7.
  Written by Burt Bacharach & will Jennings

左:オリジナル、右:日本盤(所有CDと同一曲順、ボーナストラック2曲あり)

2016年10月16日 (日)

Songs of Bacharach and Manzanero/Gabriel Espinosa (2016年)

メキシコの男性ジャズ・ベーシスト、ガブリエル・エスピノサが2016年にリリースしたバカラック&マンサネーロ集です!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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全10トラック中、バカラック作品は5トラック

1. ADORO
2. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
3. COMO YO TE AME
4. THE LOOK OF LOVE
5. ESTA TARDE VI LLOVER
6. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
7. SOMOS NOVIOS
8. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
9. CUANDO ESTOY CONTIGO
10. ALFIE

収録時間約51分


メキシコの男性ジャズ・ベーシスト、ガブリエル・エスピノサが2016年にリリースしたバカラック&マンサネーロ集です! 今月リリースされたばかりの新譜でございます。

ガブリエル・エスピノサは、1952年メキシコ南部ユカタン州の州都メリダ生まれ。6歳でギターを始め、米アイオワ州のセントラル大学やボストンのバークリー音楽院でジャズを学び、現在は米国東海岸のジャズ・フィールドで活躍するベーシストなんだそうです。(彼の公式サイト他より)

わたくし、AmazonでCDジャケットを見た時に “ クラシックの指揮者で、中身はオーケストラ演奏物だろう ” と勝手に思い込んでしまったんですねー。届いたCDケースを裏返したら “ あれっ? ジャズなの? ” …人は見た目で判断しちゃいけませんねぇcoldsweats01

‟ マンサネーロ ” とは、 Armando Manzanero (アルマンド・マンサネーロ) というメキシコの作曲家のこと。マンサネーロは1935年生まれでしかもメリダ出身ということなので、エスピノサにとって同郷の先輩になるワケですね。

─  60年代半ばからバカラックとマンサネーロの音楽を聴いてきたんだ。ちょうどメキシコのユカタン州メリダで兄弟や友人とバンドを始めた頃さ。バンドではボサノヴァの他にビートルズなんかも演奏してたなぁ。
ジャズに目覚めたのもその頃でね。バカラックとマンサネーロの曲を聴いて曲作りのアプローチに魅了されものさ。60年代後半、偉大な二人は有名なだけじゃなく音楽シーンでリスペクトされる存在だったんだ。二人とも洗練されハーモニーを持ちメロディは美しく記憶に残る。バカラックの曲にはハル・デイヴィッドの素晴らしい歌詞もあったしね。90年代半ばにはマンサネーロと仕事をする機会を得て、二枚のアルバムのプロデュースを手伝ったよ。
二人の曲だけを取り上げたヴォーカル入りアルバムを作りたいとずっと思ってきたんだ。多くの作品のなかから各々5曲ずつ選ぶ作業は簡単じゃなかったけどね。ジャズ・シンガーのティアニー・サットンにバカラックの5曲を歌ってもらえたのは嬉しかった。ティアニーはバカラックの曲に素敵な彩りを施してくれた。彼女の美しいメロディーに対するアプローチは素晴らしいょ。
今回のプロジェクトは、二つの文化の統合とコラボレーションでもあるんだ。音楽でアメリカはきっとひとつになれる。曲に対する様々なアプローチに触れることで、二つの文化の類似性も共有できると思うんだ。我々がレコーディングを楽しんだように、皆さんもこのCDを楽しんで欲しいな。  ─
  (CDライナーに書かれていたエスピノサのコメント。私の超意訳で^^;)

本アルバムをエスピノサが作りたかった理由がよくわかります。殊に、二つの文化…のくだりは 「 米国とメキシコの国境に壁を造る 」 とほざく どこぞの大統領候補に聞かせてやりたい!

Ts8_11c_3 アルバム全10曲中、バカラック・カヴァーはちょうど半分の5曲。1963年生まれの女性ジャズ・シンガー、ティアニー・サットン(左)がその5曲全てでヴォーカルを担当しています。

T-2. 「 遥かなる影 」 は、最初はまったりするものの、1分過ぎから♩≒80(実際は倍テンポになります)のモントゥーノのリズムが展開される軽快なナンバー。バックはピアノ、ドラムス、Eベースにフルートが入ったカルテット編成。ティアニーは軽めに歌っていて、これがアレンジにマッチしています。間奏のフルートもいい感じ。終止形でスパッと曲が終わるのも潔く好きです。本アルバムのバカラック・カヴァーのなかで一番のお気に入りです。

T-4. 「 恋のおもかげ 」 は♩≒130のボサノヴァ・アレンジ。バックはフェンダー・ローズ、ドラムス、Eベースにトランペットが加わったカルテット編成。まぁこの曲ではわりとよくあるパターンかも。とりたててどうということないカヴァーです。

T-6. 「 世界は愛を求めている 」 はピアノ・トリオ編成をバックにティアニーがしっとり歌うカヴァー。ティアニーの歌唱は上手いんですが、なんとなく歌ってる感じ。この歌のメッセージが伝わってこないんですね。なぜだろう?

T-8. 「 雨にぬれても 」 とT-10. 「 アルフィー 」 は、ゆったりとしたテンポのシンプルな4ビートアレンジ。バックはピアノ・トリオ+ハーモニカ。ティアニーの歌よりもハーモニカのほうが印象に残るカヴァーです、2曲とも。なお、T-8. ではエスピノサがベース演奏しています。

マンサネーロ・カヴァーの5曲は、全てエスピノサ自身がヴォーカルを担当。お世辞にもうまいとは言えないのですが、なんて言うんでしょう、聴いていてとても気持ちが伝わってくるんですね。歌っている喜びというかなんというか。バカラック・カヴァーも、1曲でいいからエスピノサのヴォーカルで聴きたかったです。


【データ】
『 Songs of Bacharach and Manzanero 』
Gabriel Espinosa

CD:2016年10月7日リリース
レーベル:ZOHO Music (US)
番号:ZM201613

Produced and arranged by Gabriel Espinosa
  Gabriel Espinosa - Vocals (T-1,3,5,7,9.)
  Tierney Sutton - vocals (T-2,4,6,8,10.)
  Misha Tsiganov - piano, fender rhodes
  Mauricio Zottarelli - drums, percussion
  Jim Seeley - trumpet, flugelhorn (T-4,7.)
  Hendrik Meurkens - harmonica (T-3,5,8,10.)
  Gustavo Amarante - electric bass (T-2,3,4,7.)
  Joe Martin - acoustic bass (T-5,6,10.)
  Gabriel Espinosa - electric bass (T-1,8,9.)
  Rubens De La Corte - acoustic guitar (T-7,9.)
  Itai Kriss - flute (T-2.)
  Jonathan Gomez - bongos (T-5,9.)
Recorded and mixed at Acoustic Recording, Brooklyn, NY, December 2015, January and March 2016 by Michael Brorby

2016年10月12日 (水)

ALL ABOUT LOVE/Johnny Mathis (1996年)

米国の男性ポピュラー・シンガー、ジョニー・マティスが1996年にリリースしたアルバムです。バカラックの書下ろし曲とカヴァーを1曲ずつ収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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全10トラック中、バカラック作品は2トラック

5. LIKE NO ONE IN THE WORLD (4:31)
7. LET ME BE THE ONE (5:00)

米国の男性ポピュラー・シンガー、ジョニー・マティスが1996年にリリースしたアルバムです。

ジョニー・マティスは1935年テキサス州生まれ。バカラックより7歳下ってことになりますね。1956年にデビュー・アルバムをリリース。以後、ポピュラー、ジャズ、ブラジル音楽、スペイン音楽、ソウル/R&B、ソフトロックなど、ジャンルを超えて活躍している米国を代表する男性シンガーの一人です。(Wiki他より)

これだけの長いキャリアがありますんで、バカラック作品も歌っています。1957年 「 WARM AND TENDER 」 、1959年 「 HEAVENLY 」 「 FAITHFULLY 」 、1971年 「 TEN TIMES FOREVER MORE 」 はいずれもバカラックの書き下ろし曲。また、今回調べてみて初めて知ったのですが、1966年~1972年にかけて自身のアルバムでバカラックの曲をちょいちょい取り上げ計14曲もカヴァー! 1970年にはそれらバカラック作品の一部をコンパイルしたアルバム 『 Johnny Mathis Sings The Music Of Bacharach & Kaempfert 』 (LP2枚組、1枚はバカラック、1枚はベルト・ケンプフェルトのカヴァー) もリリースしています。

ジョニー・マティスが61歳の時にリリースした本作、全てミディアム~スローの落ち着いた曲ばかりで構成されたMOR路線のアルバムです。歌はやっぱり上手いですね~。バラード曲も悪くないですが、ミディアム・テンポの曲 ~ T-2. 「 I WILL WALK AWAY 」 や AORっぽいT-3. 「 EVERY BEAT OF MY HEART 」 ~ が印象に残りました。

バカラック作品は2曲。1曲がオリジナルで、残る1曲はカヴァーです。

T-5. 「 LIKE NO ONE IN THE WORLD 」  : ジョニー・マティスがオリジナルです。共作者はジョン・ベティス。♩≒65のスロー・バラードなのですが、Aメロの2小節目がいきなり変拍子、それも5拍子(或いは3拍子+2拍子)ですよ@_@。そのあとも、Bメロのサビ前で2拍子の小節が入りサビでは3拍子が2小節入るという具合に、バカラックの変拍子病が炸裂! 不自然で無理やりって感じなんですよね~。フィル・ラーモンは頑張ってプロデュースしてるんですけど、メロディ自体の魅力が乏しいこともあり、まぁ失敗作でしょう。あくまでも私の主観ですが…。

T-7. 「 LET ME BE THE ONE 」 : カヴァーです。オリジナルは、マリリン・スコット(1996年)。♩≒67ですからこちらもスロー・バラードです。このテンポはオリジナルと全く同じですが、ジョニー・マティス版のほうが若干コンテンポラリーな味付け。この曲も変拍子(2拍子の小節)があるのですが、流れの中であまり違和感はありません。サビのエモーシャルなメロディが気持ちよく、なかなかいい感じです。


R478525613913295832728jpegここからはオマケです。
まずは、T-7. 「 LET ME BE THE ONE 」 のオリジナルをご紹介。1949年LA生まれの米女性シンガー、Marilyn Scott (マリリン・スコット)が1996年4月にリリースしたアルバム 『 Take Me With You 』 に収録されています。バカラックとデニース・リッチ、タジャ・シヴィルの3人による共作曲でございます。
バックの演奏はジョニー・マティス版よりもソウル&ジャジーな味付けで、彼女の歌いっぷりも特に後半はエモーショナルなもの。なかなかグッときます。プロデュースはジョージ・デューク。う~ん、ナルホドです。私はこの曲だけMP3で所有してるのですが、アルバム全体も聴いてみたいですねー。

さきほどジョニー・マティスが歌ったバカラック作品を調べたと書きましたが、私はジョニー・マティスのアルバムを本アルバムしか所有していません。今後これらの情報を拙ブログで紹介することは無いと思われますので、備忘録を兼ねて記すこととしました。調査対象期間はジョニー・マティスがデビューしてから本アルバムの前までです。ただし、ベスト盤や編集盤の類は対象外です。

<ジョニー・マティスが歌ったバカラック作品リスト(1956年~1995年)>
Johnny_mathis_song_list

既録音音源を再収録したものは赤字にしました。
尚、コンピCDで所有している曲に ※ 印を、MP3で所有している曲に * 印を付けています。※ 印の曲はいずれコンピCDを紹介する時に言及するとして、ここでは * 印の曲をご紹介します。

R360574613371905168662jpeg1968年11月リリースのアルバム 『 Those Were The Days 』 に収録されていたバカラック・カヴァーが 「 THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU (ディス・ガイ) 」 (4:29)。
アレンジは本家ハーブ・アルパート版から大きく外れていませんが、♩≒70というテンポは本家の♩≒84よりずいぶんと遅いものとなっています。加えてジョニー・マティスの超まったりした歌いっぷり…。ヴォーカルの定位が中間部とエンディングで左右移動して平衡感覚がちょっとおかしくなるのも影響していると思うのですが、聴いててついウトウトしてしまいました。眠れない夜は、このジョニー・マティス版をBGMとして流すことをおススメします(笑)。


【データ】
『 ALL ABOUT LOVE 』
Johnny Mathis

CD:1996年5月3日リリース
レーベル:Columbia
番号:483931 2

Produced by Phil Ramone
Arrangements by Mark Portmann
T-5. 「 LIKE NO ONE IN THE WORLD 」
  Written by Burt Bacharach, John Bettis
  Keyboards by Mark Portmann
  Guitar by Dean Parks
  Background vocals by Warren Wiebe, Alexandra Brown, Carmen Twillie, Monalisa Young
T-7. 「 LET ME BE THE ONE 」
  Written by Burt Bacharach, Denise Rich, Taja Sevelle
  Keyboards by Mark Portmann
  Guitar by Michael Thompson
  Background vocals by Warren Wiebe, Alexandra Brown, Carmen Twillie, Monalisa Young

2016年10月 9日 (日)

FIND IT ON THE WINGS/Sandi Patty (1994年)

米国クリスチャン音楽の女性シンガー、サンディ・パティが1994年にリリースしたアルバムです。バカラックの書き下ろし曲を1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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全11トラック中、バカラック作品は1トラック

7. IF I WANT TO (4:10)


米国クリスチャン音楽の女性シンガー、サンディ・パティが1994年にリリースしたアルバムです。

サンディ・パティは1956年オクラホマ州オクラホマ・シティ生まれ。バック・コーラスを経て1979年にプロとして活動開始。以後、ダヴ賞 (GMA Dove Awards - クリスチャン音楽界におけるグラミー賞の類い。GMAは Gospel Music Association の略) の Female Vocalist of the Year に1982年~1992年まで11年連続で選ばれています。

ちなみに、2011年のダヴ賞にノミネートされた女性シンガー達がサンディをトリビュートして歌った動画がこちら。サンディは冒頭でレジェンドと紹介され、最後は観客席からステージに上がって貫禄ある歌いっぷりを披露しています。

本アルバムはバラード曲やポップな曲ばかり。男女大人数のコーラスが聴こえる部分ではゴスペルっぽい印象を受けますが、それ以外は普通のポップスと変わりません。歌のテーマがキリスト教や信仰 ⇒ クリスチャン音楽なのかしらん。

サンディは声域が広く、その歌声はセリーヌ・ディオンのようです。本アルバムのT-3. 「 MAKE IT 'TIL TOMORROW 」 で聴けるピーボ・ブライソン(セリーヌ・ディオンとデュエットした 「 美女と野獣 」 は超有名) とのデュエットも堂に入ってます(^^)。

バカラックの書き下ろし曲はT-7. 「 IF I WANT TO 」 で、ウィル・ジェニングスとの共作。ウィル・ジェニングスは1944年生まれの男性作詞家で、代表作は 『 愛と青春の旅だち 』 の主題歌や 『 タイタニック 』 の主題歌 「 マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン 」 など。バカラックとジェニングスの共作はこれが初めてで、今のところこの曲だけみたいです。

ゆったりしたバラード曲で、テンポは♩≒67あたりを微妙に揺れ動きます。変拍子(2拍の小節)が入るところや巧妙な転調にはバカラックらしさを感じます。一方、メロディ・ラインはバカラック節は抑えめ。ゴージャスなサンディの歌声のおかげもあって後半はそれなりに盛り上がります。プロデュースはフィル・ラーモンで(本アルバムではこの曲だけ)、アレンジはロブ・マウンジー。バカラックがプロデュースしたらこんなに盛り上がらないような気がします^^;。

Img296eeCDパッケージの表面には左のようなシールが貼ってありました。この 「 IF I WANT TO 」 もヒットしたってことでしょうか?

本アルバムは、1995年のダヴ賞で Inspirational Album に選ばれました。また、1996年のグラミー賞でも Best Pop/Contemporary Gospel Album 部門にノミネートされました。今回の記事は本アルバムを聴きながら書いたのですが、心が落ち着き優しい気持ちになったような気が…。歌詞は全くわからず信仰心もサッパリなのですが…。不思議なものですね。


【データ】
『 FIND IT ON THE WINGS 』
Sandi Patty

CD:1994年10月リリース
レーベル:Word / Epic
番号:EK 66558

Produced by Greg Nelson (except T-7.)
Executive Producer: Matt Baugher (except T-7.)
Produced by Phil Ramone (T-7.)
Executive Producer: Sandi Patty (T-7.)
T-7. 「 IF I WANT TO 」
  Words & Music by Burt Bacharach & Will Jennings
  Arranged by Rob Mounsey
  Keyboard Programming: Rob Mounsey
  Tenor Sax: Andy Snitzer

2016年10月 2日 (日)

ET KYS HERFRA/Søs Fenger (1994年)

デンマークの女性シンガー、シュス・フェンガーが1994年にリリースしたアルバムです。バカラックの新曲を2曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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全11トラック中、バカラック作品は2トラック

7. I ET KORT SEKUND (4:06)
11. OG DU FLYVER DIN VEJ (5:09)


デンマークの女性シンガー、シュス・フェンガーが1994年にリリースしたアルバムです。

ジャケットやライナーはどうやらデンマーク語。読めるワケありません。まず、彼女の名前。ずーと “ 彼女 ” と表記するのもなんだし…。ネットで検索してようやくわかった次第。今回の記事、ちゃんと書けるんやろか^^;。

1961年12月、コペンハーゲン郊外のコンゲンス・リュンビュー生まれ。スティーヴィー・ワンダー等のソウル・ミュージックの影響を受けて育った彼女は、1980年にバンドの一員として音楽活動を開始。1985年頃から注目を浴びるようになり、ソロシンガーとして1989年にファースト・アルバムをリリース。本作は彼女のサード・アルバムでございます。(彼女の公式サイト他より)

基本的にはポップのアルバムですが、ソフトロック、ダンス、ソウル/R&B、ボサノヴァなど様々なジャンルのエッセンスが散りばめられています。シュス・フェンガーはソングライターでもあって、歌詞を5曲、作曲も1曲で手掛けています。彼女の歌声はハリがあってちょっぴりハスキー。愁いも含んでいて表現の幅が広く、好印象です。

バカラックの新曲は2曲。2曲ともシュス・フェンガー自身がデンマーク語の歌詞をつけて歌っています。なので、曲名もデンマーク語。

T-7. 「 I ET KORT SEKUND 」 の原曲は 「 STROKE OF LUCK 」 で、バカラックとデニース・リッチ、タジャ・シヴィルの3人による共作曲。デニース・リッチは1960年代半ばから活動している米国生まれのオーストリア人女性ソングライター。バカラックとのコンビは初めてですね。タジャ・シヴィルは1962年生まれの女性シンガー/ソングライター。♩≒82のゆったりしたソフトロック調のおしゃれな曲。メロディ・ラインにそれらしさが垣間見える程度で、バカラック色はかなり薄いです。だからですかね、聴いていて心地よいです(笑)。シュス・フェンガーの歌唱もこの曲ではふわっとしていて素敵です。

T-11. 「 OG DU FLYVER DIN VEJ 」 の原曲は 「 FOLLOW YOUR HEART 」 で、バカラックとデニース・リッチの共作曲。♩≒98のミディアム・テンポの曲ですが、こちらは一聴してバカラック作品とわかります。変拍子(2小節が入る)や変則的な小節数のフレーズが多く、とっつきにくいメロディ・ラインに独特なコード進行などなど。バカラック作品を聴いたなぁ~という気にさせるのは断然こちらです。あくまで'90年代仕様のバカラックですけどね。

デンマーク語なんて普段お目にかかれません。興味ありましたら是非! → シュス・フェンガーの公式サイト


【データ】
『 ET KYS HERFRA 』
Søs Fenger

CD:1994年4月リリース
レーベル:Genlyd / BMG Denmark
番号:GENCD 193 / 74321206602

Produced & arranged by ULF & Henrik Janson
Co-produced by Søs Fenger
Studios: Atlantis Studio & Polar Studio, Stockholm
T-7. 「 I ET KORT SEKUND 」
  Original "Stroke of Luck" by Burt Bacharach, Denise Rich, Taja Sevelle
  Danish text(デンマーク語歌詞): Søs Fenger
  Trumpet: Randy Brecker
  Drums: Per Lindvall
  Bass: Sven Lindvall
  Rhodes, synth and piano: Pål Svenre
  Guitar: Henrik Janson
  Percussion: Malando Gassama
  Trumpets and flugelhorn: Magnus Johansson & Jocke Agnes
  Tenor sax: Joakim Milder & Johan Alenius
  Trombone: Nils Landgren & Olle Holmqvist
  French horn: Anna Axelsson
  Strings from Radiosymfonikerna and S.N.Y.K.O.
  String and fan arrangement & Programming: Janson & Janson
T-11. 「 OG DU FLYVER DIN VEJ 」
  Original "Follow Your Heart" by Burt Bacharach, Denise Rich
  Danish text:(デンマーク語歌詞): Søs Fenger
  Drums: Per Lindvall
  Bass: Sven Lindvall
  Guitar: Henrik Janson
  Rhodes and piano: Pål Svenre
  Flugelhorn: Magnus Johansson & Jocke Agnes
  Tenor sax: Joakim Milder & Johan Alenius
  Trombone: Nils Landgren & Olle Holmqvist
  French horn: Anna Axelsson & Dick Gustavsson
  Strings from Radiosymfonikerna and S.N.Y.K.O.
  String and fan arrangement: Janson & Janson

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