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2016年10月26日 (水)

ISN'T SHE GREAT/O.S.T. (2000年)

映画 『 イズント・シー・グレート 』 のサントラです。バカラックが全編音楽を担当!

(画像はクリックすると大きくなります。PC以外では上手くいかないかも^^;)
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1. ON MY WAY ~ Dionne Warwick ~  F
2. LOVE THEME (THE FALLING IN LOVE)
3. LUNCH AT LINDY'S
4. GUY'S THEME (WORDLESS)
5. MASS LOVE
6. SEXUAL ME, SEXUAL YOU
7. YES, THEY SAID YES!
8. THE BIG PITCH
9. ARE YOU MY FRIEND?
10. HELLO CONNECTICUT
11. FOR MIMSY
12. HEARTACHE REVISITED
13. THE BOOK TOUR (ON MY WAY - Reprised) ~ Dionne Warwick ~  F
14. ABOUT EXPECTATIONS
15. THE LATE LUNCH
16. VICTORY AT A PRICE
17. OPEN YOUR HEART ~ Vanessa Williams ~  F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Famale-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約39分


2000年の映画 『 イズント・シー・グレート 』 のサントラです。

映画は、米国の女性作家 Jacqueline Susann (ジャクリーン・スーザン)の物語。米英独日の共同製作で2000年1月28日に米国公開されました。日本では劇場未公開でしたが、ヴィデオ(VHS)は発売され私もレンタルして観ました。その後、DVDも発売されているようです。

─  いつの時代でもバート・バカラックの音楽は新鮮なものとして(懐メロとしてではなくという意味)受け入れられ続けるだろう、と以前から思っていた筆者にとって、これはわが意を得たり! のサントラ盤だ。ベット・ミドラー主演の映画は未見だが、それが鑑賞上の妨げになることはない。このサントラ盤の楽しみ方は無限にあるのだから。ヴァネッサ・ウィリアムスが初めてバカラックの新曲を、しかもハル・デイヴィッドの作詞! で歌うというのが最大の “ 売り ” だろうが、その外にも隠し味があちこちに……。大満足のアルバムである。 ■宮本 啓  ─ (2000年7月リリースの日本盤について、雑誌 “ FM fan ” のアルバム・レビューより)

音楽が映画の中でどう使われてたか?サッパリ記憶にないのですが、宮本啓さんのアルバム・レビューにあるとおりサントラ鑑賞の支障にはなりません。覚えてない言い訳ととられても仕方ないですが、これホントです(全く説得力無し^^;)。

アルバムのプロデュース、作曲、指揮をバカラックが担当。ヴォーカルが入った曲は、ディオンヌ・ワーウィックが歌うT-1. 「 ON MY WAY 」 及びそのリプライズT-13. 「 THE BOOK TOUR 」 と、ヴァネッサ・ウィリアムスが歌うT-17. 「 OPEN YOUR HEART 」 の3曲。他の14曲はインスト曲です。

ヴォーカル入りの曲はいずれもハル・デイヴィッドが作詞を担当。バカラック&デイヴィッドの二人による共作は、1993年ディオンヌ・ワーウィックの 「 SUNNY WEATHER LOVER 」 ( 『 FRIENDS CAN BE LOVERS 』 収録) 以来7年ぶりです 。

T-1. 「 ON MY WAY 」 は♩≒85の16ビート・バラード曲。音符が高低飛び跳ねるAメロ、ところどころに挿入される変拍子(2拍の小節)、Aメロ(G)~Bメロ(Gm)~サビ(Gm→G)の転調、曲途中での半音キーが上がる転調(G→G♯)、テンション・コードの多用等々、バカラック節が随所にみられる曲です。加えて、流麗なストリングスのオブリガートや間奏でのトランペットなど、バカラックっぽいアレンジも嬉しいところ。高音が苦しくなってきているディオンヌですが、高音域は鼻に抜けるような歌い方でクリアして破綻なく歌い切っています。ただ、全体的な雰囲気はひと昔前(1980年代)のテイスト。この辺りはプロデュース/アレンジの領域でしょうが、人により評価が分かれるところかも…。

T-17. 「 OPEN YOUR HEART 」 は♩≒75のバラード曲。高低差のある独特なメロディ・ライン、変拍子(2拍の小節)の存在、一般的な8小節単位ではなく9小節/7小節/10小節といった楽曲構成など、この曲にもバカラックらしさは見られます。が、しっとりとしていながら艶やかなヴァネッサ・ウィリアムスのヴォーカルと、センスの良いシンセ・ベース、ゴージャスなオーケストレーションにより、コンテンポラリーなテイストに仕上がっています。バカラックと共にプロデュースにクレジットされているキース・トーマスやストリングス・アレンジを担当したロン・ハフ達のおかげでしょう。

インスト曲はスコアとして使われたものと思われます。収録曲で最も多いインスト曲は 「 OPEN YOUR HEART 」 の別アレンジ版。T-2. 「 LOVE THEME (THE FALLING IN LOVE) 」 、T-7. 「 YES, THEY SAID YES! 」 、T-9. 「 ARE YOU MY FRIEND? 」 、T-14. 「 ABOUT EXPECTATIONS 」 などがそうです。

'60年代のバカラック作品を思わせる曲もあります。T-6. 「 SEXUAL ME, SEXUAL YOU 」 冒頭のメロディやギロが刻むリズムは、明らかに 「 恋の面影 」 をパロッたもの。T-11. 「 FOR MIMSY 」 はその別アレンジ版です。ジャズ・ワルツのT-8. 「 THE BIG PITCH 」 は、「 ワイヴズ・アンド・ラヴァーズ 」 に似たフィーリングの曲。T-13. 「 THE BOOK TOUR 」 の前半1分くらいの賑やかなパートに出てくる ‟ タタタタタタ│タンタン ” という3拍子+2拍子のフレーズなんかは、 「 プロミセス・プロミセス 」 のイントロとモロ同じ音型ですし! ワザとやってますね、バカラックは(^^)。宮本啓さんの言う ─ 隠し味があちこちに ─ はこのあたりのことを指しているのでしょう。

他にも、口笛による明るいメロディのT-3. 「 LUNCH AT LINDY'S 」 とT-15. 「 THE LATE LUNCH 」 、フルート/アルトフルート/オーボエが吹く切ないメロディが特徴のT-4. 「 GUY'S THEME (WORDLESS) 」 とT-12. 「 HEARTACHE REVISITED 」 、フュージョン・タッチのT-5. 「 MASS LOVE 」 とT-10. 「 HELLO CONNECTICUT 」 など、それぞれキャラが立った曲ばかりで、バカラックの力の入れようが窺えます。テイストはひと昔前って感じですけどね…^^;

ちなみに、本作 『 イズント・シー・グレート 』 でジャクリーン・スーザンを演じた大御所女優ベット・ミドラーはシンガーでもありまして、バカラック作品もカヴァーしておいでです。詳しくは こちら をご覧くださいませ。

ちなみにその2、ジャクリーン・スーザンの小説 『 Valley of the Dolls 』 が映画化された際、主題歌 「 (THEME FROM) VALLEY OF THE DOLLS (哀愁の花びらのテーマ) 」 を歌ったのはディオンヌ・ワーウィックでした※。でも、その曲を含めて映画の音楽を担当したのはアンドレ・プレヴィン。それだったら、本作 『 イズント・シー・グレート 』 の音楽もプレヴィンにオファーを出すのが順当なところですよね。どうしてバカラックにオファーが来たんだろう…。ご存知の方、教えてくださいませm(__)m

※ ここら辺の事情はディオンヌのアルバム 『 DIONNE WARWICK in Valley of the Dolls 』 の記事を参照ください。


【データ】
『 ISN'T SHE GREAT 』 (邦題:イズント・シー・グレート)
O.S.T.

CD:2000年1月25日リリース
レーベル:DECCA Records / Universal Classics
番号:289 466 981-2

Album Produced by Burt Bacharach
Executive Soundtrack Producer: Gary Jones, Mike Lobell and Andrew Bergman
Associate Album Producer: Todd Kasow
Music Composed and Conducted by Burt Bacharach
Lyrics by Hal David
Credits for Score and 「 ON MY WAY 」
  Orchestrations: Burt Bacharach and Rick Giovinazzo
  Orchestra Contractor: Sandy De Crescent
  Harmonica: Tommy Morgan
  Whistler: Rick Riccio
  Sax: Tom Scott, Dan Higgins
  Fender Bass: Neil Stubenhaus
  Drums: Vinnie Colaiuta
  Guitars: Dean Parks, George Doering
  Alto Flute: Gary Foster
  Flute: Jimmy Walker
  Keyboard: Burt Bacharach, Greg Phillinganes, Randy Kerber
  Flugel Horn and Solo Trumpet: Gary Grant
Credits for 「 OPEN YOUR HEART 」
  Produced and Arranged by Keith Thomas and Burt Bacharach
  Keyboard and Additional Bass Programming: Keith Thomas
  Drum Programming: Mark Hammond
  Bass: Michael Rhodes
  Electric Guitars: Jerry McPherson
  Strings: The Nashville String Machine
  Strings Arranged and Conducted by Ronn Huff
  Strings Contracted by Carl Gorodetsky

↓左はオリジナル盤で、右は日本盤

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