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2016年11月 2日 (水)

AUSTIN POWERS IN GOLDMEMBER/O.S.T. (2002年)

オースティン・パワーズ3部作の3作目、米映画『 オースティン・パワーズ ゴールドメンバー 』のサントラです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全12トラック中、バカラック作品は1トラック

12. ALFIE (what's it all about, Austin?) (2:45)  ~ Susanna Hoffs ~


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オースティン・パワーズ3部作の3作目、米映画『 オースティン・パワーズ ゴールドメンバー 』のサントラです。

『 オースティン・パワーズ 』『 オースティン・パワーズ:デラックス 』の続編で、日本公開時のコピーは “ おバカもいいかげんにしなサイケデリック!! ” でした。過去2作と比べるとセンスいまいちだな、このコピー^^;。

バカラック作品は、T-12.「 アルフィー(ホワッツ・イット・オール・アバウト、オースティン?)」。「 アルフィー 」のカヴァーなのですが、歌詞の ‟ アルフィー ” を全て “ オースティン ” に替えてスザンナ・ホフスが歌っています。

─  最後は「 アルフィー 」の替え歌  僕の妻が歌っている  完ぺきな組み合わせだね  ミング・ティーのスザンナと  パパ役のマイケル・ケイン  シリーズの生みの親のバカラック  すべてこのシリーズの素だ  ─

この「 アルフィー 」は本映画のエンド・タイトルの一番最後に流れます。DVDのコメンタリーでジェイ・ローチ監督が語ったコメントを引用しました。※ 後述しますが、スザンナ・ホフス自身も思い入れを持って歌ったようです。

オースティンのパパ役を演じたマイケル・ケインは、1966年の英映画『 アルフィー 』で主演してた俳優さん。DVD特典映像の未公開シーンに、出演者がリレーしながら「 アルフィー 」を歌うシーンがありました。このシーンのラスト辺り、街に佇むマイケル・ケインの背後で映画『 アルフィー 』の映像が流れ、若き日のマイケル・ケインが映し出されるんです。コメンタリーでジェイ・ローチ監督自身が ─  自分には珍しく芸術的なシーンが撮れた  ─ と振り返ったこのシーン。もしカットされなかったらサントラにはこのバージョンが入っていたかもしれません。とっても残念です…。

あと、映画本編の終了間際に「 WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE(世界は愛を求めている)」が流れます。そして、エンド・タイトルではバカラック本人がピアノ弾き語りでこの曲を歌っています。曲の長さは約1分と短いですが、このシーンの重要性はマイク・マイヤーズとジェイ・ローチ監督のコメントを聞けば十分理解できます。

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─  <マ> 最後に取っておきの映像  この偉大な人物に対する感謝と尊敬の気持ちを表した  バカラック氏がいなければ  このシリーズは生まれなかった  カーラジオで「 恋の面影 」を聴き僕はふと思った  スウィンガーはどこへ行った?  そして僕の父が愛した数々の映画  1作目にも使われたこの曲は『 007 』の主題歌にもなった  バートは偉大な作曲家であり好人物で  出てもらえて本当にうれしい  <ジェ> この曲を歌うバートの歌声のすばらしさ  今回の録音では最高のヴォーカルを聴かせてくれた  ─  (DVDのコメンタリーより)

話しぶりから、ヨイショでもなんでもなく心からの言葉だということが伝わってきます。目頭がちょっと熱くなりましたょ。私も加齢が進み涙もろくなったのかもしれません…。

今回じっくり聴いて気が付いたのですが、“ What the world needs now is love, sweet love ~ ” の箇所で sweet の歌い出しがなぜか半拍早いんです。1作目でのバカラック自身の歌唱も含めて、同様の例は記憶にありません。バカラックの優しい歌声とともに、そんな些細なことも印象に残った「 世界は愛を求めている 」でした。サントラに収録されなかったのが本当に残念でなりません。

※ 2022年9月25日追記:スザンナ・ホフスは2022年5月、spin.com上で “これなしでは生きられない5枚のアルバム” を発表。そのうちの1枚『 Dionne Warwick’s Golden Hits Part 2 』について以下のように語っています。 ─ 母が繰り返し聴かせたこのアルバムは、私の子供時代のサウンドトラックとなった。「 I Say a Little Prayer 」「 What the World Needs Now is Love 」「 Are You There with Another Girl 」。バート・バカラックとハル・デイヴィッドの名曲は、深く親しみやすい感情を表現し、素晴らしい物語を語ってくれる。そしてディオンヌ・ワーウィックの声、彼女の見事なフレージング、表現力、音色...私はそれを研究しました。それから何年かして、『 オースティン・パワーズ 』のために「 The Look of Love 」と「 Alfie 」を録音しました。バートとハルは実際に映画のために “Alfie” を “Austin” に変える許可をくれたのですが、それは私の人生の真のハイライトでした。  ─


【データ】
『 AUSTIN POWERS IN GOLDMEMBER 』 (邦題:オースティン・パワーズ ゴールドメンバー)
Music from & inspired by the motion picture

CD:2002年7月リリース (所有CDは、2002年8月7日リリースの日本盤。ライナーは馬場敏裕氏)
レーベル:Marverick Recording(US) (所有CDは、ワーナーミュージック・ジャパン)
番号:9 48349-2 (所有CDは、WPCR-11234)

soundtrack produced by Danny Bramson and John Houlihan
soundtrack executive producers: Mike Myers, Guy Oseary and Jay Roach
music supervisor: John Houlihan
T-12.「 ALFIE (what's it all about, Austin?) 」
  Produced by Brad Wood and Susanna Hoffs
  Additional Production by Greg Hilfman
  Lyric changed from "Alfie" to "Austin" by permission

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