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2016年11月 9日 (水)

POP Deluxe/Mari Wilson (2016年)

英女性ポップ・シンガー、マリ・ウィルソンが2016年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを5曲も収録!

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全13トラック中、バカラック作品は5トラック

2. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME (3:52)
4. THE LOOK OF LOVE (4:46)
7. 24 HOURS FROM TULSA (7:06)
10. ANYONE WHO HAD A HEART (3:38)
12. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF (4:53)


英女性ポップ・シンガー、マリ・ウィルソンが2016年にリリースした通算6作目のアルバムです。

750e92_bfcb01fc73ab41369d29cab0d9_2750e92_04b4a9aae664490393c6cb3d5d7e マリ・ウィルソンは、1954年ロンドン生まれ。1982年の 「 JUST WHAT I ALWAYS WANTED (邦題:マリのピンクのラブソング) 」 が全英8位になるなど、1980年代前半にニューウェイヴ系ポップソングを歌って人気があったそうです。当時は大きなハチの巣状の髪が特徴でした。(写真左)

表が右目で裏が左目という本アルバムのジャケット、素敵だと思うのですが残念ながら彼女の髪型はわかりません。ですので、最近のお姿を載せておきます。今はショートにしてるんですね~。(写真右)

彼女は、前作アルバム 『 COVER STORIES 』 を2012年春にリリースしているのですが、これは文字通りカヴァー・アルバムでした。その後、2014年1月に “ Am I The Same Girl - Mari Sings Dusty ” というダスティ・スプリングフィールドをトリビュートしたコンサートを行い、同年6月にはBBCコンサート・オーケストラをバックにダスティとシラ・ブラックの曲を取り上げました。そして、翌2015年は “ Ready Steady Girls - the songs of Dusty, Cilla, Petula and more ” と銘打ち、ダスティ/シラ/ペトゥラ・クラーク他の曲を歌う英国ツアーを敢行!

そういった流れのなかで2016年5月にリリースされたのが本アルバムでございます。今回彼女は1960年代に英国でヒット※した曲ばかり12曲をカヴァー。ヒットさせたアーティストで括ると、ダスティ・スプリングフィールドが5曲(T-4,7,8,11,12.)、ペトゥラ・クラークが2曲(T-3,5.)、シラ・ブラックが2曲(T-6,10.)、サンディ・ショウが1曲(T-2.)、ジャッキー・リーが1曲(T-9.)、ザ・スプリングフィールズが1曲(T-13.)といった具合。なお、アルバム冒頭のT-1. はT-13. のイントロなので曲数にカウントしていません。  ※ダスティのT-8. 「 IN PRIVATE 」 だけは1989年のヒット曲。

プロデューサー/キーボード奏者のアラステア・ギャヴィンとマリ・ウィルソンによる共同プロデュースで、アラステア・ギャヴィンはアレンジも担当しています。聴いてみますと、プロデュース・ワーク&アレンジは素晴らしいの一言。ニューウェイヴ風ポップスを軸に、アンビエント風、ロック調、普通のポップス風など曲によって仕立てを変えているのですが、アルバムとしての統一感があります。ポップで、暖かく、深みが感じられるんですね。派手さはないものの丁寧で色彩感のあるマリ・ウィルソンの歌唱が、その印象を更に確かなものにしています。

んで、バカラック作品のカヴァーは5曲。

T-2. 「 愛の想い出 (恋のウェイト・リフティング) 」 はサンディ・ショウ版を土台にニューウェイヴ風の味付けを施したポップなカヴァー。ノリが良く、(実質的な)アルバムの冒頭に相応しいです。T-4. 「 恋の面影 」 はゆったりアンビエントな雰囲気のカヴァー。感情を込めつつも過剰演出になっていない彼女の歌声に魅了されます。

T-10. 「 恋するハート 」 はブルース・ロック調の仕立て。終わるかな?と見せかけ、更に曲が続いたあとにスパッと終わる構成が新鮮です。T-12. 「 恋のとまどい 」 は、ヒップホップとアンビエントとブルースが混ざった感じと言ったらいいんでしょうか、曲の持ち味をこういう形で引き出したセンスが素晴らしいです。曲の後半になるにつれて少しずつ感情を高めてメロディをフェイクしていく彼女の歌唱にも引き込まれます。

そして、バカラック作品以外の曲も含め本アルバムでも白眉の出来なのが、T-7. 「 タルサからの24時間 」 。バカラック作品の中では “ あか抜けない土着ソング(©あるでお) ” のイメージが強いこの曲が、全く違った印象の曲に変身しています。アンビエントな環境音楽風で、リズムの刻みは一切ありません。シルクのような柔らかい彼女の歌声は聴く人の心をやさしく包み込み、心地よい時間が流れます。7分強もある長い曲ですが、その長さを全く感じさせません。曲自体が持つ “ 物語性 ” をよく理解して歌ってるんだと思います。この曲だけでも本アルバムを購入した甲斐がありました。

AmazonやiTunesでは本アルバムの試聴&ダウンロードが可能です。試聴だけでも是非!


R3786321166543607jpegここからはオマケです。MP3データ等しか持ってないカヴァーをご紹介。
1982年に 「 JUST WHAT I ALWAYS WANTED (邦題:マリのピンクのラブソング) 」 が全英8位になったことは前述しましたが、通常の7''シングル盤を出した後に12''シングル盤も出したんですね。その12''シングルのB面がバカラック・カヴァーの 「 ARE YOU THERE (WITH ANOTHER GIRL) (邦題:アー・ユー・ゼア) 」 (4:41) だったんです。この曲は1983年リリースのデビュー・アルバム 『 SHOWPEOPLE 』 (写真)にも収められています。
以前ご紹介したように、このマリ・ウィルソン版は 原田知世版 「 アー・ユー・ゼア 」 の元ネタ。マリ・ウィルソンの歌唱は平板であまり印象に残らないですが、ニューウェイヴ的打ち込みのリズムに微かにドリーミーな味わいが漂うポップなカヴァーです。

Girl_talkマリ・ウィルソンは、 英ジャズ・シンガーの Claire Martin (クレア・マーティン)、英キャバレー?・シンガーの Barb Jungr (バーブ・ジュンガー)と組んで2006年に 『 Girl Talk 』 (写真)というアルバムをリリースしています。どう見ても Girl じゃないと思うんですが…(笑)。昔のガール・ポップをカヴァーしているようなんですが、バカラックも2曲カヴァーしています。
「 WIVES AND LOVERS 」 (4:05) はピアノのみをバックに歌うジャズ・ヴォーカル仕立て。一部のコーラスを除いて一人で歌っています。3人のうち誰が歌ってるのかは不明ですが、ジャズだからクレア・マーティンかな?
「 WISHIN' AND HOPIN' 」 (1:28) はアカペラで3人ハモって楽しそうに歌っています。約1分半と短く、あっという間に終わっちゃうのがちと残念*_*;

Claire_martinついでにもう一枚アルバムをご紹介。
『 Girl Talk 』 でユニットを組んだ一人、 クレア・マーティンは1967年ウィンブルドン生まれの英ジャズ・シンガー。2004年にリリースした 『 SECRET LOVE 』 (写真) でクレア自身も 「 GOD GIVE ME STRENGTH 」 (6:22) をカヴァーしています。
バックはドラムス、Eベース、Eギター、キーボードのカルテットと思われますが、この演奏が渋くてクール。クレアは若干低めで太い歌声の持ち主のようですが、抑えるべきところは抑え、サビあたりではエネルギッシュに歌っています。メリハリの効いた表現力はサスガです~。


【データ】
『 POP Deluxe 』
Mari Wilson

CD:2016年5月13日リリース
レーベル:WG RECORDS (UK)
番号:WG 001

Produced by Mari Wilson and Alastair Gavin
Executive producer: Corinna McShane
Arrangements by Alastair Gavin
Programming, engineering by Alastair Gavin
  Piano, Keyboards: Alastair Gavin
  Guitars: Paul Dunne
  Bass: Don Richardson
  Drums: Martin 'Frosty' Beedle
  Percussion: Jody Linscott
  Timpani, tambourine (T-12.): Julian Fairbank
  Saxophone: Mornington Lockett
  Clarinet: Nick Dawson
  Backing Vocals: Mari Wilson, Lily May, Alastair Gavin

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