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2016年12月

2016年12月28日 (水)

NOW/Dionne Warwick (2012年)

ディオンヌ・ワーウィックがデビュー50周年を記念してリリースしたリメイク集です。バカラック作品を10曲収録!

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全12トラック中、バカラック作品は10トラック

1. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
2. ARE YOU THERE (WITH ANOTHER GIRL)
3. DON'T MAKE ME OVER
4. LOVE'S (STILL) THE ANSWER
5. 99 MILES FROM LA
6. BE AWARE
7. REACH OUT FOR ME
8. IS THERE ANYBODY OUT THERE?
9. I JUST HAVE TO BREATHE
10. IT WAS ALMOST LIKE A SONG
11. MAKE IT EASY ON YOURSELF
12. I SAY A LITTLE PRAYER ~ Duet with David Elliott ~

収録時間約46分


Img321ww_2 ディオンヌ・ワーウィックのデビュー50周年を記念したリメイク集です。ライナーには、50周年記念のロゴ・マーク(画像)もありましたですょ。わざわざデザインしたんですねー。

ディオンヌのリメイク集は、1998年の 『 DIONNE SINGS DIONNE 』 (DSD) 、2000年の 『 DIONNE SINGS DIONNE Ⅱ 』 (DSDⅡ) 、2006年の 『 MY FRIENDS & ME 』 (F&ME) に続いて、本作 『 NOW 』 が4枚目。拙ブログではこれら4作を リメイク集4部作 と呼ぶことにします。

Amazonの “ 内容紹介 ” によれば、本作の収録曲は、親しいミュージシャン、親友、家族、そしてファンなどの意見をもとにセレクトされたものだそう。全12曲のうち、リメイクは8曲で新たなカヴァーが4曲。リメイクの8曲は全てバカラック&デイヴィッド作品で占められています。また、新たなカヴァー4曲のうち2曲はバカラックが作曲。12曲中10曲がバカラック作品ということになりますネ。

リメイク集4部作の収録曲のうち、バカラック作品だけをリスト化したのがこちら↓。“ リメイクした曲 ” と “ 初めてカヴァーした曲 ” の二つのカテゴリーに分けました。

Dionne_remake_list

リメイクしたのは圧倒的にセプター時代の曲が多いことがわかります。なかでも 「 I SAY A LITTLE PRAYER (小さな願い) 」 は4部作全てで取り上げています。他の曲は多くても2回なのに…。「 小さな願い 」 はディオンヌにとって思い入れのある特別な曲なのでしょう。

ワーナー時代は、バカラック作品が少ない上にヒットもない為ディオンヌがリメイクすることは無いと思っていました。事実、3作目までは蚊帳の外だったのですが、本作 『 NOW 』 では2曲取り上げています。T-6. 「 BE AWARE (ビー・アウェアー) 」 とT-9. 「 I JUST HAVE TO BREATHE (アイ・ジャスト・ハフ・トゥ・ブリーズ) 」 で、2曲ともオリジナルは1972年のアルバム 『 DIONNE 』 に収録。どちらも地味ですがメロディが繊細で美しい曲。まさかリメイクされるとは! うれしい誤算でした。

ちょっと腑に落ちないのが、アリスタ時代の全米1位 「 THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR (愛のハーモニー) 」 をリメイクしていないこと。ライヴ(例えば2004年の 『 AN EVENING WITH DIONNE WARWICK 』 )では歌っているんですけどね。

同様に、セプター時代の 「 ALFIE (アルフィー) 」 、「 THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU (ディス・ガール) 」 、「 A HOUSE IS NOT A HOME (ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム) 」 といったバカラックの有名曲も、ライヴでは歌ってるのにリメイクはゼロ。美しい旋律の 「 THE APRIL FOOLS (エイプリル・フールズ/幸せはパリで) 」 や躍動感のある 「 PROMISES, PROMISES (プロミセス・プロミセス) 」 あたりもリメイクして欲しかったです。

一方、リメイク4部作のなかには初めてカヴァーしたバカラック作品も3曲あって、そのうち2曲を本作 『 NOW 』 で取り上げています。T-4. 「 LOVE'S (STILL) THE ANSWER (ラヴ・イズ・スティル・ジ・アンサー) 」 は、イタリアの女性歌手オルネラ・ヴァノーニが2002年にリリースしたバカラック集 『 SOGNI PROIBITI 』 で歌ったのがオリジナル。ロナルド・アイズレーやトレインチャもカヴァーしています。T-8. 「 IS THERE ANYBODY OUT THERE? 」 は、飯島真理が1995年に歌ったのがオリジナル。自身で訳した日本語版も彼女は歌っていて、邦題は 「 愛をさがして 」 でした。私が知る限り、本作のディオンヌ版しかカヴァーはないんじゃないかなぁ…。超レア曲でございます。

こうしてみると、本作 『 NOW 』 はかなり意欲的な選曲をしています。プロデューサーは大御所フィル・ラーモン。ディオンヌとは旧知の仲で、セプター時代のレコーディングにはエンジニアとして参加していたそうです。元のディオンヌ版(或いはオリジナル版)をベースとしたアレンジで、コンセプトとしては 『 DSDⅡ 』 に近いもの。ですが、出来は遥かに本作のほうが上。バックはシンプルだけど密度の濃い演奏で、ちゃんと生のストリングスも入れてます。ディオンヌの歌声はところどころ音程が落ち気味になるものの、気合を入れて歌っている様子は伝わります。

が、幾分物足りない感じがするのも事実。リメイクは何かしらスパイスをきかせないとね。…という私の声が聴こえたのか(笑)、ラストのT-12. 「 小さな願い 」 はちょっと凝ったアレンジ。ヒップポップとゆーのは 『 DSD 』 と同じなのですが、よりクールなリズムに乗ってディオンヌもエモーショナルにカッコ良く歌っています。息子のデヴィッド・エリオットとのデュエットは息もぴったり。アルバムにとって、プチ・スパイスになってると思います(^^♪

ディオンヌは1940年生まれ。ですから、本作リリースした2012年時点では72歳。それを考えると、よく頑張りました! 60周年アルバムもあるかも!?


【データ】
『 NOW ~ A Celebratory 50th Anniversary Album ~  』
Dionne Warwick

CD:2012年10月22日リリース
レーベル:Blue Horizon / H&I Music (US)
番号:BHV-16789-2

Produced by Phil Ramone
Executve Producers: Hermione Ross and Jon Baker
Arranged and conducted by Rob Mounsey
Written by Burt Bacharach & Hal David (T-1,2,3,6,7,9,11,12.)
Written by Burt Bacharach & Tonio K (T-4.)
Written by Burt Bacharach, John Bettis, James Ingram & Puff Johnson (T-8.)
Written by Hal David & Albert Hammond (T-5.)
Written by Hal David & Archie Jordan (T-10.)

Musicians
  Rob Mounsey - Piano
  Henry Hey - Keyboards
  David Finck - Bass
  Ben Butler - Guitar
  Mark McLean - Drums
  Trumpets & Flugelhorns: Kadleck and Jeff Kievit (T-1.)
  Flugelhorn solo: Jeff Kievit (T-6.), Tony Kadleck (T-8.)
  Violins: Concert Master: Elena Barere, Hae-Young Ham, Ann Lehmann and Sarah Crocker (T-5,6,8,9,11.)
  Celli: Jeanne LeBlanc and Ellen Westermann (T-5,6,8,9,11.)
  Background Vocals: Vaneese Thomas, Fonzi Thornton, Catherine Russell and Jill Dell'Abate (T-1,3,7,8,11.)

2016年12月11日 (日)

THIS GIRL'S IN LOVE/Rumer (2016年)

たおやかな音楽がここに在る ─ 英国女性シンガーソングライター、ルーマーによるバカラック&デイヴィッドのカヴァー集です。

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1. THE LOOK OF LOVE
2. THE BALANCE OF NATURE
3. ONE LESS BELL TO ANSWER
4. ARE YOU THERE (WITH ANOTHER GIRL)
5. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
6. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
7. IN THE LAND OF MAKE BELIEVE
8. A HOUSE IS NOT A HOME
9. WALK ON BY
10. THE LAST ONE TO BE LOVED
11. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU
12. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE

収録時間約46分


Img318vv─  ルーマーは、私たちの曲に新しい生命(いのち)を吹き込んでくれた…。ゴールデン・ヴォイスの持ち主なんだ。 ─  CDケースに貼られたシールに載っていたバカラック爺のコメント(画像参照。なんちゃって意訳です、悪しからず^^;)

楽しみにしていたアルバムが、予定より約1か月遅れて11月25日に世界同時リリースされました。英国女性シンガーソングライター、ルーマーによるバカラック&デイヴィッド作品のカヴァー集です。ネット上ではすでに至る処で絶賛されている本作、期待を超えたアルバムでございました。

ルーマーは、1979年生まれで2010年にメジャー・デビューした遅咲きのシンガーソングライター。彼女のプロフィールやこれまでのバカラック・カヴァーについては、過去の拙記事を参照くださいませ。(萩原建太氏がライナーを執筆されたという日本盤をお持ちの方はその必要ないと思いますが…)
『 SEASONS OF MY SOUL 』 (2010年)
『 B Sides & Rarities 』 (2015年)

Img319ww プロデューサーで編曲もこなしているロブ・シラクバリは、別名 Rob Shrock (ロブ・シュロック) 。そうです、バカラック・バンドでキーボード/シンセを弾いてきたあの方なんです。Wikiで調べたら、ロブは1963年11月生まれ。わたくし “ あるでお ” と同世代だったんですねー。

ルーマーとロブは2015年に結婚したばかりの新婚さん。CDケースの内側にルーマーと見つめ合ってる写真が載ってます。ふたりの年齢差は16歳もあるのですが、とってもいい雰囲気。なぁんか、キャロル・ベイヤー・セイガーのアルバム 『 SOMETIMES LATE AT NIGHT 』 の裏ジャケを彷彿とさせますねー。セイガーが19歳年上のバカラックと写ってるアレです。結婚したのはそのアルバムをリリースした後でしたけれど。

ロブのアレンジ&プロデュースは、アルバム全体を落ち着いたトーンでまとめています。ルーマーのようにそれほど抑揚のある歌い方をしないシンガーの場合、同じトーンの曲ばかりだとマンネリに陥るリスクも孕んでいると思うのですが、そんなことは全く感じられません。バンドを基本としてストリングスやホーンが絡むバックは、曲に合わせてきめ細かく楽器や編成を使い分けて微妙なニュアンスの違いを生み出しています。加えて、バカラックのアレンジをリスペクトとしながらも、オリジナリティのあるオブリガートやイントロ/間奏でのフレーズたち…。聴く人を飽きさせません。

ルーマーの柔らかい、それでいて芯がある真っすぐ揺るぎない声。それをしっかり支えるだけでなく、更なる高みに引き上げているプロデュース・ワーク。素晴らしいポップスのアルバムだと思います。

収録された12曲は、前述したとおり全てバート・バカラックとハル・デイヴィッドのペンによるもの。よくカヴァーされる曲に混ざって、なかには超レア曲もチョイスされています。

T-2. 「 ザ・バランス・オブ・ネイチャー 」 はディオンヌがオリジナルで、1972年のアルバム 『 DIONNE 』 に収録。カヴァーはバカラック自身永山マキさんのものくらいしかないはず。それともう1曲、T-10. 「 ザ・ラスト・ワン・トゥ・ビー・ラヴド 」 。こちらもディオンヌがオリジナルで、1964年のアルバム 『 MAKE WAY FOR DIONNE WARWICK 』 に収録。バカラック自身、ビリー・デイヴィス、ルー・ジョンソンあたりが1964年~1965年にカヴァーしてるだけのこんな埋もれた曲を、よくぞ引っ張り出してくれました。この 「 ザ・ラスト~ 」 のカヴァーは個人的にむっちゃ嬉しいです。

T-11. 「 ディス・ガール 」 のイントロでバカラック爺のピアノとヴォーカルが聴けるのも嬉しいです。今年8月に腕を骨折したあとの経過がどうなのか、気になるところですが…。

なお、日本盤には 「 ANYONE WHO HAD A HEART (恋するハート) 」 がボーナス・トラックとして追加されています。UK盤のCDを購入した私は、この曲だけダウンロードしました。

ずずさんより数日前に頂いた ─ この寒い冬にほっこりできる ─ というコメントをはじめ、ツィッターなどでも ─ 季節柄染みる/冬の夜にほっこりする/寒い季節にぴったり ─ などの書き込みが目立ちます。全く同感です。さらに言えば、季節によらず聴く人の心に寄り添ってくれるアルバムではないかと。春に聴けば爽やかな気分になり、夏に聴いたら清涼感を感じ、秋に聴いても寂寥感を和らげてくれる…。“ たおやかな音楽 ” とはこんな音楽なんだろうと。

おススメです(^^♪


【データ】
『 THIS GIRL'S IN LOVE  a Bacharach & David Songbook 』 (邦題:ディス・ガール ~バカラック&デヴィッド・ソングブック
Rumer

CD:2016年11月25日リリース
レーベル:East Weat Records (UK)
番号:0825646482313

Produced, Arranged & Conducted by Rob Shirakbari
Word & Music by Burt F Bacharach & Hal David
  Rumer - Vocals, Backing Vocals
  Rob Shirakbari - Piano, Bass, Percussion, Textures, Nylon Guitar, Vibs, Rhodes, Arp Solina, Coral Sitar, Backing Vocals
  Jay Bellerose - Drums, Percussion
  Larry Ciancia - Drums, Percussion
  Grecco Buratto - Nylon Guitar, 6-String Acoustic
  Julie Wolf - Accordion
  Ash Soan - Drums
  Dean Parks - Nylon Guitar, Acoustic Guitar, High-String Guitar, 12-String Guitar
  Kevin Afflack - Ukelele, Electric Guitar
  Tollak Olstesd - Harmonica
  Stephanie Bennett - Harp
  Tom Boyd - Oboe
  Susan Harriott - Backing Vocals
  Troy Dexter - Guitar
  Diego Rodriguez - Bass
  Matt Backer - Electric Guitar
  Josh Lopez - Electric Guitar
  Shawn Pelton - Drums
  Arturo Solar - Flugelhorn, Trumpet
  Renato Brasa - Percussion
  Greg Leisz - Electric Guitar, Pedal Steel
  Ian Thomas - Drums
  Scrote - Ukelele
  String Quartet / String Octet / 22-Piece String Section
  6-Piece Horns / 7-Piece Horns

  Burt Bacharach - Intro Piano & Volcal (T-11.)

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