THIS GIRL'S IN LOVE/Rumer (2016年)
たおやかな音楽がここに在る ─ 英国女性シンガーソングライター、ルーマーによるバカラック&デイヴィッドのカヴァー集です。
(画像は全てクリックすると大きくなります)

1. THE LOOK OF LOVE
2. THE BALANCE OF NATURE
3. ONE LESS BELL TO ANSWER
4. ARE YOU THERE (WITH ANOTHER GIRL)
5. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
6. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
7. IN THE LAND OF MAKE BELIEVE
8. A HOUSE IS NOT A HOME
9. WALK ON BY
10. THE LAST ONE TO BE LOVED
11. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU
12. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
収録時間約46分
─ ルーマーは、私たちの曲に新しい生命(いのち)を吹き込んでくれた…。ゴールデン・ヴォイスの持ち主なんだ。 ─ CDケースに貼られたシールに載っていたバカラック爺のコメント(画像参照。なんちゃって意訳です、悪しからず^^;)
楽しみにしていたアルバムが、予定より約1か月遅れて11月25日に世界同時リリースされました。英国女性シンガーソングライター、ルーマーによるバカラック&デイヴィッド作品のカヴァー集です。ネット上ではすでに至る処で絶賛されている本作、期待を超えたアルバムでございました。
ルーマーは、1979年生まれで2010年にメジャー・デビューした遅咲きのシンガーソングライター。彼女のプロフィールやこれまでのバカラック・カヴァーについては、過去の拙記事を参照くださいませ。(萩原建太氏がライナーを執筆されたという日本盤をお持ちの方はその必要ないと思いますが…)
『 SEASONS OF MY SOUL 』 (2010年)
『 B Sides & Rarities 』 (2015年)
、
プロデューサーで編曲もこなしているロブ・シラクバリは、別名 Rob Shrock (ロブ・シュロック) 。そうです、バカラック・バンドでキーボード/シンセを弾いてきたあの方なんです。Wikiで調べたら、ロブは1963年11月生まれ。わたくし “ あるでお ” と同世代だったんですねー。
ルーマーとロブは2015年に結婚したばかりの新婚さん。CDケースの内側にルーマーと見つめ合ってる写真が載ってます。ふたりの年齢差は16歳もあるのですが、とってもいい雰囲気。なぁんか、キャロル・ベイヤー・セイガーのアルバム 『 SOMETIMES LATE AT NIGHT 』 の裏ジャケを彷彿とさせますねー。セイガーが19歳年上のバカラックと写ってるアレです。結婚したのはそのアルバムをリリースした後でしたけれど。
ロブのアレンジ&プロデュースは、アルバム全体を落ち着いたトーンでまとめています。ルーマーのようにそれほど抑揚のある歌い方をしないシンガーの場合、同じトーンの曲ばかりだとマンネリに陥るリスクも孕んでいると思うのですが、そんなことは全く感じられません。バンドを基本としてストリングスやホーンが絡むバックは、曲に合わせてきめ細かく楽器や編成を使い分けて微妙なニュアンスの違いを生み出しています。加えて、バカラックのアレンジをリスペクトとしながらも、オリジナリティのあるオブリガートやイントロ/間奏でのフレーズたち…。聴く人を飽きさせません。
ルーマーの柔らかい、それでいて芯がある真っすぐ揺るぎない声。それをしっかり支えるだけでなく、更なる高みに引き上げているプロデュース・ワーク。素晴らしいポップスのアルバムだと思います。
収録された12曲は、前述したとおり全てバート・バカラックとハル・デイヴィッドのペンによるもの。よくカヴァーされる曲に混ざって、なかには超レア曲もチョイスされています。
T-2. 「 ザ・バランス・オブ・ネイチャー 」 はディオンヌがオリジナルで、1972年のアルバム 『 DIONNE 』 に収録。カヴァーはバカラック自身と永山マキさんのものくらいしかないはず。それともう1曲、T-10. 「 ザ・ラスト・ワン・トゥ・ビー・ラヴド 」 。こちらもディオンヌがオリジナルで、1964年のアルバム 『 MAKE WAY FOR DIONNE WARWICK 』 に収録。バカラック自身、ビリー・デイヴィス、ルー・ジョンソンあたりが1964年~1965年にカヴァーしてるだけのこんな埋もれた曲を、よくぞ引っ張り出してくれました。この 「 ザ・ラスト~ 」 のカヴァーは個人的にむっちゃ嬉しいです。
T-11. 「 ディス・ガール 」 のイントロでバカラック爺のピアノとヴォーカルが聴けるのも嬉しいです。今年8月に腕を骨折したあとの経過がどうなのか、気になるところですが…。
なお、日本盤には 「 ANYONE WHO HAD A HEART (恋するハート) 」 がボーナス・トラックとして追加されています。UK盤のCDを購入した私は、この曲だけダウンロードしました。
ずずさんより数日前に頂いた ─ この寒い冬にほっこりできる ─ というコメントをはじめ、ツィッターなどでも ─ 季節柄染みる/冬の夜にほっこりする/寒い季節にぴったり ─ などの書き込みが目立ちます。全く同感です。さらに言えば、季節によらず聴く人の心に寄り添ってくれるアルバムではないかと。春に聴けば爽やかな気分になり、夏に聴いたら清涼感を感じ、秋に聴いても寂寥感を和らげてくれる…。“ たおやかな音楽 ” とはこんな音楽なんだろうと。
おススメです(^^♪
【データ】
『 THIS GIRL'S IN LOVE a Bacharach & David Songbook 』 (邦題:ディス・ガール ~バカラック&デヴィッド・ソングブック)
Rumer
CD:2016年11月25日リリース
レーベル:East Weat Records (UK)
番号:0825646482313
Produced, Arranged & Conducted by Rob Shirakbari
Word & Music by Burt F Bacharach & Hal David
Rumer - Vocals, Backing Vocals
Rob Shirakbari - Piano, Bass, Percussion, Textures, Nylon Guitar, Vibs, Rhodes, Arp Solina, Coral Sitar, Backing Vocals
Jay Bellerose - Drums, Percussion
Larry Ciancia - Drums, Percussion
Grecco Buratto - Nylon Guitar, 6-String Acoustic
Julie Wolf - Accordion
Ash Soan - Drums
Dean Parks - Nylon Guitar, Acoustic Guitar, High-String Guitar, 12-String Guitar
Kevin Afflack - Ukelele, Electric Guitar
Tollak Olstesd - Harmonica
Stephanie Bennett - Harp
Tom Boyd - Oboe
Susan Harriott - Backing Vocals
Troy Dexter - Guitar
Diego Rodriguez - Bass
Matt Backer - Electric Guitar
Josh Lopez - Electric Guitar
Shawn Pelton - Drums
Arturo Solar - Flugelhorn, Trumpet
Renato Brasa - Percussion
Greg Leisz - Electric Guitar, Pedal Steel
Ian Thomas - Drums
Scrote - Ukelele
String Quartet / String Octet / 22-Piece String Section
6-Piece Horns / 7-Piece Horns
Burt Bacharach - Intro Piano & Volcal (T-11.)
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コメント
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初めまして!いぬと申します^^
このアルバム、素晴らしいですよね。
初めて聞いたときは、アレンジがサラっとし過ぎかな?なんて生意気に思っちゃったりしました。
それが、数回聴いているうちに「これ以外はあり得ない!」と思うようになりました。個人的には、バカラックのオーケストラよりも好きだったり^^;
バカラックのように自然に聴けて、なおかつヘビーローテーションにも耐えうる音楽って素晴らしいですね。ルーマーのような、愛のある(選曲、超すばらしいですよね!)バカラックのカバーが今後も発売されていく事を期待しています。
おそまつさまでしたm(_ _)m ブログ、応援しています!
投稿: いぬ | 2017年1月17日 (火) 05時02分
いぬさん
こちらこそ初めまして! あるでおです。
お越しくださりありがとうございます!
そして、コメント書き込みありがとうございました!
“ 愛のある ” カヴァー ・・・
そうそう! 私がブログで言いたかったことはそれなんです。
私の駄文よりもこのアルバムの良さを上手に表現していると思います。
拙ブログは(サボる時も多いですが)基本的に日曜と水曜に記事をアップしています。
気が向きましたらまたお立ち寄りください(^^)
投稿: あるでお | 2017年1月17日 (火) 21時23分
ボーカルの良さを最大限引きだすシンプルで洗練されてるなアレンジ、
絶妙な選曲。
この冬は心地よくて何回もルーマーのCDを聴いてました。
ところであるでおさんに質問。
いつも薄っすら疑問に思ってました。
もしお分かりになったら教えてください。
このルーマーの新作でも歌われている楽曲のタイトルは
なぜカッコがあるのでしょうか。
他のCDではカッコがあったり省かれていたり。
なんとなくでしょうか。それとも意図的なものでしょうか。
ARE YOU THERE (WITH ANOTHER GIRL)
(THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
投稿: ずず | 2017年3月30日 (木) 21時29分
ずずさん、こんばんは!
あるでおです。
ご質問の件、残念ながら私は詳しくありません。
まったりさんをはじめ、諸先輩方にお訊きしたいところです。
私が知っている範囲でのお答えとなること、ご容赦くださいm(__)m
(THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
カーペンターズがこの曲をシングルとして出すことにした際、曲名が長いので短くしようと THEY LONG TO BE の部分を( )付きにした…というのを何かで読んだ記憶があります。カーペンターズ関連の本だったか、どれかのCDのライナーだったか、覚えていないのですが…。事実、カーペンターズより前にリリースされた3ヴァージョン ~ リチャード・チェンバレンのオリジナル(1963年)、ディオンヌの最初のカヴァー(1964年)、ダスティ・スプリングフィールドのカヴァー(1967年) ~ では、いずれもレコードのジャケット/レーベル面には( )なしの THEY LONG TO BE CLOSE TO YOU という曲名でクレジットされています。バカラック自身が1971年にセルフ・カヴァーした際は( )が付いてますから、カーペンターズ以降は( )付きが正式曲名ということでしょう。CLOSE TO YOU だけの表記は省略形だと思うのですが、由来からするとまぁ許される範囲ってことになりますかねー。
ARE YOU THERE (WITH ANOTHER GIRL)
YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
どちらもオリジナルはディオンヌ。シングル・リリース(前者は1965年A面、後者は1964年A面)した時から曲名は( )付きです。…これ以上のことはわかりません。( )が省略されている場合も特に意図はないのではないでしょうか?
投稿: あるでお | 2017年4月 1日 (土) 22時29分