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2017年1月

2017年1月29日 (日)

LOOK OF LOVE/b.kruman (2004年)

米国の男性プロデューサー/シンガーソングライターの b.kruman が2004年にリリースしたバカラック集です。

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1. THE LOOK OF LOVE
2. I SAY A LITTLE PRAYER
3. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
4. DON'T MAKE ME OVER
5. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
6. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
7. ONE LESS BELL TO ANSWER
8. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
9. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
10. PROMISES, PROMISES
11. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
12. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
13. PAPER MACHE
14. WALK ON BY
15. TRAINS AND BOATS AND PLANES

収録時間約64分


米国の男性プロデューサー/シンガーソングライターの b.kruman という人が2004年にリリースしたバカラック集です。

b.kruman は、ペンシルベニア州ピッツバーグを拠点に活動する独立系のプロデューサー/シンガーソングライター。…と、ネットで調べて分かったのはこの程度。

Img334cc CD紙ジャケの表面は真っ赤な下地にソングライターとプロデューサー/アレンジャーの表記のみで、ジャケット裏面は曲名と B.Kruman とやらのHPアドレスがあるのみ。CDはスリーブ無しで裸のまま紙ジャケに入ってました。ライナーノーツもありません。最も情報量が多いのがCDのレーベル面(画像~クリックすると大きくなります)ですからねー。なんとまぁお金のかかってないパッケージだこと。

アマゾンから届いたコイツを見て 「 あちゃ?、とんでもない自主製作盤を掴まされたかぁぁぁ・・・ 」 と思っちゃいました、私。

でもですね、CDを聴いてビックリしました。この人スゴイです。バカラック以上の変拍子。元々変拍子だらけのT-10. 「 プロミセス・プロミセス 」 でさえ更にいじっちゃってます。メロディも時間軸方向にフェイクしまくってます。

収録された15曲はすべてバカラック&デイヴィッドの名曲なのですが、イントロだけ聴いたらなんの曲だか全くわかりません。全体的にはロックなんですけど、ところどころバロック風味になったりケルト風味になったりします。こういうのを何ロックって言うんでしょう。

演奏から歌まで、すべて B.Kruman という男性がパフォーマンスしていると思われます。とはいえ、彼の歌唱は歌っているというよりはしゃべってる感じ。バカラック原曲の持つ洒落たロマンチックな味わいも残っていません。バカラックファン初心者には厳しいかもしれませんね~。

でも、音質も悪くないし、こわいもの見たさで中堅以上のバカラックファンであれば是非!!


【データ】
『 LOOK OF LOVE 』
b.kruman

CD:2004年12月7日リリース
レーベル:extant music (US)
番号:BK4792 (ジャケット表裏及びCDレーベル面には記載なし)

Produced & arranged by b.kruman
クレジットなく不明ですが、たぶん b.kruman による一人多重録音であろうと思われます。

2017年1月25日 (水)

PLAY BACHARACH/The Feather Tunes (1971年)

電子オルガンによるバカラック・カヴァー集です。1971年の作品です。(CD無し/デジタル配信のみ)

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1. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
2. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
3. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
4. I SAY A LITTLE PRAYER
5. PACIFIC COAST HIGHWAY
6. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
7. THE LOOK OF LOVE
8. PROMISES, PROMISES
9. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
10. ALFIE
11. SOUTH AMERICAN GETAWAY
12. THE APRIL FOOLS
13. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
14. THE WINDOWS OF THE WORLD

収録時間約43分


ある音源をアーティスト名を変えてリリースする…。イージーリスニングの世界ではよくある話です。今回ご紹介するアルバムも正にそのケースで、The Feather Tunes は実態のない架空のグループ名。アルバム・アートワークで体育座りしてる女性も単なるイメージ。

じゃあ、いったい何なのか? このアルバムの中身は、電子オルガン奏者の斎藤英美が1971年にリリースしたLP 『 プレイ・バカラック 』 そのもの。収録曲数・曲順も全く同じです。そのLPジャケットがこちら↓
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LPのA面7曲 : T-1~7.
LPのB面7曲 : T-8~14.

…ということで、ここからは 斎藤英美の 『 プレイ・バカラック 』 として記事を書きすすめます。

斎藤英美(さいとう ひでみ、生年不明、2008年没)は、日本を代表する電子オルガン奏者のひとり。女性じゃなくて男性です。このLPの少し前にリリースされた 『 インクレディブル・サウンド 』 というLPのジャケットにはそのお姿が(↓画像左)。真面目そうな紳士といった感じですね。ところが、1980年前後になると髪を伸ばしてイメージが変わります(↓画像右)。私の記憶にある彼の姿はこの長髪のほうです。何が彼を変えたのか!? (ま、どーでもいいことですがcoldsweats01
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斎藤英美が本アルバムで弾いている電子オルガンは、ヤマハのエレクトーン(エレクトーンはヤマハ製電子オルガンの商品名)。日本で初めての電子オルガンは日本ビクターが1958年に発売したEO-4420で、ヤマハ初のエレクトーンD-1は翌1959年に誕生しました。1960年代から1970年代にかけて普及したエレクトーンは、レコードの世界でも活躍します。斎藤英美をはじめ、道志郎、沖浩一、桐野義文ほか多くのエレクトーン奏者のレコードがリリースされ、喫茶店のBGMなど巷に流れました。その後、エレクトーンが日本の電子オルガンの代名詞になったのは皆さんご存知のとおり。かくいう私も小学生の頃にエレクトーンを習ってまして、斎藤英美編曲のエレクトーン曲集も1冊購入したことがあります。私には難しすぎてサッパリ弾けませんでしたが(>_<)。

収録曲は全14曲。今でもよくカヴァーされる有名曲以外に、バカラック1969年のアルバム 『 MAKE IT EASY ON YOURSELF 』 収録のインスト曲T-5. 「 パシフィック・コースト・ハイウェイ 」 や、映画 『 明日に向って撃て! 』 のスキャット曲T-11. 「 自由への道 」 のようなマニアックな曲もチョイスされてます。そんな地味な曲が入ってても大丈夫なくらい、当時日本でバカラックがよく聴かれてたってことですね。

LPのA面に相当するT-1~7. はエレクトーンにギターとドラムスが加わった編成による演奏。各曲ともイントロは工夫していて面白いのですが、メロディが始まるとまぁ想定内というかちょっとチープなイージーリスニングってな感じ。そんななか、T-5. 「 パシフィック・コースト・ハイウェイ 」 は、原曲を再現しつつもアドリブで独自性を付与しようという明確な意図を感じました。ただ、残念ながらこの曲だけ音飛びがひどくてcrying。(本アルバムのMP3データはマスターテープからではなくLPから起こしてデジジタル化した海賊盤のようです)

一方、LPのB面に相当するT-8~14. はエレクトーンだけの演奏。エレクトーン経験者の私としては、こちらのほうを興味深く聴きました。シンセのような音源やサンプリング音源を持ちリズムも打ち込みできる現代のエレクトーンと較べると、当時のエレクトーンは音色や効果のバリエーションが少なくリズムも付いていませんでした。特にポップス曲を演奏する場合には、下鍵盤(左手で弾く)や足鍵盤(左足で弾く)で伴奏しつつリズムを刻まなければなりません。編曲も演奏も大変だったと思います。テンポが速く和音でリズムを刻み続けるT-8. 「 プロミセス・プロミセス 」 の演奏はその最たるもの。サスティンやマンドリンなどの効果を駆使してドリーミーな世界を表現したT-12. 「 エイプリル・フール 」 も印象的です。エレクトーンによる忠実な原曲の再現に挑戦したT-11. 「 自由への道 」 は、本アルバム最大の力作! 熱の入った演奏で、その意気込みは十分伝わってきました。

ギターとドラムスと一緒に演奏した前半7曲ではそうでもないのですが、エレクトーンだけの後半7曲は全体的にミスタッチ(鍵盤の押し間違い)が目立ちます。他の楽器にマスキングされないぶん、どうしてもアラが見えるんですねー。事情を知らない一般リスナーの中には不満に思う人がいてもおかしくありません。LPの帯に書かれた “ 楽譜付き!” が示すように、本アルバムは一般向けというよりはエレクトーン愛好家向けに制作されたのかも。

※エレクトーンにオートリズム(リズムボックスのこと)が備わるようになったのは1972年から。ただし、1970年発売のステージモデルEX-42(当時280万円!)にはオートリズム機能がありました。


【データ】
─ MP3 ─
『 PLAY BACHARACH GREATEST HITS
The Feather Tunes

─ オリジナル盤(LP) ─
『 プレイ・バカラック 』
斎藤英美

LP:1971年5月20日リリース (所有MP3は、℗2009年)
レーベル:キング・レコード (所有MP3は、Tam-Tam Media)
番号:SKK-679 (所有MP3は、不明)

クレジットなく詳細は不明

★ Amazonでの取り扱いは無し。iTunesで購入。

2017年1月22日 (日)

Music of Burt Bacharach/Warren Wills (2010年)

オーストラリア出身の作曲家/ピアニスト、ウォーレン・ウィルスのバカラック・カヴァー集です。(CD無し/デジタル配信のみ)

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1. THE LOOK OF LOVE
2. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
3. ON MY OWN
4. MAKE IT EASY ON YOURSELF
5. THAT'S WHAT FRIENDS ARE FOR
6. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
7. ARTHUR'S THEME (BEST THAT YOU CAN DO)
8. I SAY A LITTLE PRAYER
9. ALFIE
10. WALK ON BY
11. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
12. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
13. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
14. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
15. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME

収録時間約56分


オーストラリア出身の作曲家/ピアニスト、ウォーレン・ウィルスがピアノやエレピで奏でるバカラック・カヴァー集です。

Facebookに載ってるプロフィールによれば、2008年12月時点で47歳。計算すると1961年生まれですね。オーストラリアのメルボルンに生まれ、4歳からピアノ、10歳から作曲、12歳からはジャズへとその才能を広げていきました。20歳からはヨーロッパに渡り現在はロンドンとスペインを拠点に活動しているそうです。これまでに8つのオリジナルオペラ、10のミュージカル、13の子供のミュージカル、8つのアルバム、5つのオーケストラ作品などを手掛けたんだとか。(あくまでも2008年時点の情報です)

彼の風貌をネットからいくつか拾いました。ほー、なかなか渋いっすね。
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Amazonで検索しても彼名義のCDは2作しか見当たりません。しかし、デジタル配信ではビートルズ集、セリーンヌ・ディオン集、ラヴソング集、クラシック集など多くのアルバムがリリースされています。いかにも廉価盤然としていてチープなイージーリスニングと見られても仕方ないようなアルバム・アートワークばかりですが^^;。

本作も見た目はそんなアルバム。ところが、聴いてみるとなかなかどうして独特の魅力があるバカラック集だったんですょ、これが!

基本は、ピアノあるいはエレピのソロ。シンセ(シンセ・ストリングス又はシンセ・クワイヤ)が加わった曲も4曲あります。1曲だけ、エレピ+アコギ+打ち込みリズムという曲もありますが、アルバムのなかでは浮いちゃってます。デジタル配信なのでクレジットを確認できないのですが、ウォーレン・ウィルスによる一人多重録音じゃないかと思われます(T-10.を除いて)。

Piano (solo) : T-2,6,7,9,11,12,14,15.
Electoric piano (solo) : T-5,13.
Piano, Synth strings : T-3.
Piano, Synth choir : T-4.
Electoric piano, Synth strings : T-1.
Electoric piano, Synth choir : T-8.
Electoric piano, Acoustic guiatr, Programming : T-10.

収録されている15曲は所謂バカラック・カヴァーの定番曲ばかり。このあたりはイージーリスニング的かもしれません。でも、そのサウンドは、ジャズ、クラシック、環境系イージーリスニング(?)がうまくブレンドされたもの。決してチープなイージーリスニングではありませんでした。

ピアノソロの曲はどの曲も素敵です。キース・ジャレットの 『 The Köln Concert 』 を彷彿とさせる…なぁんて言ったら言い過ぎかもしれませんが、ところどころマジでそう思いました。T-2. 「 雨にぬれても 」 は、イントロや最初の部分はシンプルなのですが、原曲とは異なるコードに変えたり、意表を突く転調をしたり、メロディが次々変奏していったり、その美しく且つメリハリの効いたアレンジは素晴らしい。T-6. 「 ディス・ガイ 」 やT-9. 「 遥かなる影 」 、T-15. 「 愛の想い出 」 なんかもいいですねぇ~。

シンセが加わった4曲は、どの曲も最初の1分程度はシンセのみの演奏で荘厳な雰囲気を醸し出しています。特に、ピアノ+シンセ・ストリングスのT-3. 「 オン・マイ・オウン 」 は原曲とは違う繊細な雰囲気に仕上がっていて気に入りました。

いろんなシチュエーションでのBGMに好適だと思います。試聴してみることをお勧めします。


【データ】
『 Maestro Series - Music of Burt Bacharach 』
Warren Wills

MP3:2010年11月2日リリース
レーベル:Prestige Elite Records
番号:?

クレジットなく詳細不明

★ Amazonでの取り扱いは無し。iTunesで購入。

2017年1月18日 (水)

THE BACHARACH & DAVID SONGBOOK/Sheila Southern (1969年)

英国の女性シンガー、シェイラ・サザーンが1969年にリリースしたバカラック・カヴァー集です。

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Original LP front cover

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所有LPのジャケット表/ジャケット裏

A-1. HERE I AM
A-2. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
A-3. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
A-4. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)
A-5. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF
A-6. WIVES AND LOVERS
B-1. WALK ON BY
B-2. A HOUSE IS NOT A HOME
B-3. ALFIE
B-4. THE LOOK OF LOVE
B-5. TRAINS AND BOATS AND PLANES
B-6. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU

収録時間約35分


英国の女性シンガー、シェイラ・サザーンが1969年にリリースしたバカラック・カヴァー集です。

シェイラ・サザーンは、イングランド最北(スコットランドとの境界)のノーサンバーランド州生まれ。1958年~1975年にかけて英国のTV(音楽番組やコメディ番組)への出演歴があり、1962~1963年には自身名義のシングルを2枚リリース。…ネットで検索してもこの程度の情報しか得られませんでした。所有LPのジャケット裏には、 ─  彼女の録音は地元イングランドでよく売れ、BBCやITAネットワークのエンタメ・ショーのレギュラーでもある ─ とか書かれているのですが^^;。

本アルバムは、1969年に英国 Marble Arch からリリース。Marble Arch は英パイ・レコードの子会社で、廉価盤専門のレーベルだったみたいです。CD化はされておらず、私が所有しているLPは1970年に Ambassador からリリースされた米国盤。先々月(2016年11月)、ハイファイ・レコード・ストアさんで購入したばかりです。

─  最高にスリリングなバカラック・カヴァーが。 / おしとやかそうなジャケからは想像もつかない最高にスリリングなバカラック・カヴァーを隠し持つUKフィメール・ヴォーカルの逸品です! 超高速でブラシが走る 「 DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE 」 か、マイク・サムズ・シンガーズをフィーチャリングしたワルツな 「 WIVES AND LOVERS 」 か…。しっとりとした表現力、英国録音ならではのクリアなアレンジ、ともに◎。 ─

ストアのサイトに載っていたこのLPの紹介文を読んで、ついポチッとしてしまいました。アナログ・レコード・プレイヤーなんて持ってないのにshock。…12月に入ってAmazonで安いプレイヤーを購入。やっと聴くことができましたcoldsweats01

収録曲は、A-1. 「 ヒア・アイ・アム 」 を除いてバカラック&デイヴィッドの定番曲ばかり。まぁ順当な12曲といえます。

シェイラの歌唱自体は正直 “ 可もなく不可もなく ” といった感じなのですが、アレンジがなかなか良くって。全編を通して、オリジナルやヒットした曲のヴァージョンとは一線を画す独自のアレンジが施されているんです。共通するのは、①ふんわりと包み込むドリーミーなストリングス、②随所にみられるオリジナリティあるオブリガート(対旋律)。

なかでも印象に残った曲は…

A-1. 「 ヒア・アイ・アム 」 : ストリングスとハープをバックに、超スロー・テンポで “ Here I am, here I'll stay ” と歌う冒頭の30秒間。この部分を聴いて、私は本アルバムのドリーミーな世界に一気に引き込まれました。

A-3. 「 サン・ホセへの道 」 : サイトの紹介文で言及されている超高速のブラシ・ワークに加えて、8分音符が駆け足で昇降するウッド・ベース、大活躍するホルンとトロンボーンと鐘の音がとってもユニークで新鮮です。

B-6. 「 ディス・ガール 」 : 曲の前半はナント8分の6拍子にアレンジ。これがまたドリーミーで魅力的なんです。中盤からはスウィングのリズムで盛り上がり、最後はまた8分の6拍子になってエンディング。実に新鮮です。

ただ、所有LPはコンディションがイマイチで、ウチのプレイヤーも安物だし音質的には 「 う~ん 」 な感じ。CDリイシューして欲しいところですが、廉価盤レーベルだし無理かもしれませんねー。でもでも、世の中には奇特な人がいらっしゃいまして、本アルバムのうち数曲はYouTubeにアップされています。オススメの3曲は見当たりませんでしたが、興味がありましたら是非 Sheila Southern で検索を!


【データ】
『 SHEILA SOUTHERN SINGS THE BACHARACH & DAVID SONGBOOK 』
Sheila Southern

注)所有LP(US盤)のタイトル
『 THE BURT BACHARACH SONGBOOK SUNG BY SHEILA SOUTHERN This Girl's in Love with You

LP:1969年リリース (所有LPは、1970年リリースのUS盤)
レーベル:Marble Arch Records (UK) (所有LPは、Ambassador (US) )
番号:MALS 1150 (所有LPは、S 98099)

Producers: Derek Boulton & Monty Presky
Arrangements: Derek Cox
Orchestra Conducted by Paul Fenoulhet with The Mike Sammes Singers
Recorded in England at Pye Studios

★ Amazonでの取り扱いは無し。

2017年1月15日 (日)

THE VOICE IN ME/Joana Zimmer (2006年)

ドイツの女性ポップ・シンガー、ジョアナ・ジマーのセカンド・アルバムです。バカラックの書き下ろし曲を1曲収録!

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全14トラック中、バカラック作品は1トラック

12. HEARTS DON'T LIE (3:42)


ドイツの女性ポップ・シンガー、ジョアナ・ジマーのセカンド・アルバムです。

ジョアナ・ジマーについては、デビュー・アルバム 『 MY INNERMOST 』 の記事で簡単に紹介していますのでそちらをご覧ください。

デビュー・アルバム(前作)からおよそ1年半後にリリースした本アルバムは、前作と同様に曲名・歌詞ともに全て英語。ドイツのアルバム・チャートは最高22位でした。

バカラックは前作に引き続き書下ろし曲を1曲提供しています。T-12. 「 HEARTS DON'T LIE 」 という曲で、バカラック、Andreas Carlsson (アンドレアス・カールソン)、Kristian Lundin (クリスティアン・ルンディン)の3人による共作。アンドレアス・カールソンは前作でも共作してました。クリスティアン・ルンディンは、アンドレアス・カールソンと同じくスウェーデン出身で、そのカールソンと一緒に数々の曲を作ってきた相棒的存在みたいです。

「 HEARTS DON'T LIE 」 は♩≒106のミディアム・バラード曲。前作でのバカラック作品が佳曲だったので期待したのですが、メロディ・ライン、コード進行、リズム他、すべての面でバカラックらしさが感じられない曲でした。いや、アダルト向けポップスとしてよく出来た曲だとは思いますよ。ただ、バカラックのファンとしてはちょっと期待外れかなと。バカラックは名前を貸しただけで実際のソングライティングには関わらなかったんじゃないか…と勘繰っちゃうほどです。真相やいかに!?

R597708814502820321652jpegさて、ここからはオマケです。MP3しか所有していないバカラック・カヴァーをご紹介。

ジョアナ・ジマーは、2008年5月30日にリリースしたサード・アルバム 『 SHOWTIME 』 (画像) でバカラックの代表曲のひとつである 「 THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU 」 (3:17) をカヴァー。♩≒110というテンポはいいのですが、リズムがなぜか安っぽいチンドン屋風のシャッフル。賑やかな雰囲気に、細かいビブラートがかかったジョアナの歌唱はちょっとアンマッチな印象。彼女のせっかくの歌唱力が勿体ないなぁ。というより、選曲ミスかも? 私がプロデューサーだったら、「 恋の面影 」 「 恋するハート 」 「 世界の窓と窓 」 なんかをカヴァーさせたいところです。まぁ、私にはそんな権限はこれっぽっちも無いのですが(当たり前や!)。う~ん、返す返すも残念です。


【データ】
『 THE VOICE IN ME 』
Joana Zimmer

CD:2006年12月29日リリース
レーベル:Polydor / Universal Music (GERMANY)
番号:1706946

Produced & arranged by Nick Nice & Pontus Söderqvist (T-1~8, 10~12.)
Produced by Thorsten Brötzmann (T-9,13,14.)
T-12. 「 HEARTS DON'T LIE 」
  Written by Burt Bacharach, Andreas Carlsson, Kristian Lundin
  Keyboards & programming - Nick Nice & Pontus Söderqvist
  Guitars - Pontus Söderqvist
  Backing vocals - Joana Zimmer, Louise Fält, Anna Sahlin, Johan Wetterberg
  Grand piano - Pontus Söderqvist
  Strings arranged and conducted by Pontus Söderqvist
  Strings performed by Stockhorm Session Strings

2017年1月11日 (水)

MY INNERMOST/Joana Zimmer (2005年)

ドイツの女性ポップ・シンガー、ジョアナ・ジマーのデビュー・アルバムです。バカラックの書き下ろし曲を1曲収録!

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全14トラック中、バカラック作品は1トラック
※ Original CDは全13トラック。所有CDのLimited Editionは1曲(T-5.)追加されてます

11. WHEN YOU LOVE SOMEBODY (4:35)


ドイツの女性ポップ・シンガー、ジョアナ・ジマーのデビュー・アルバムです。

ジョアナは1982年生まれ。生まれつきの盲目で、子供の頃から聖歌隊のコンサートでソロを歌い、有名なジャズクラブに15歳で出演。高校卒業後からプロのシンガーとして活動を始め、ユニヴァーサル(独)と契約。2005年のデビュー・シングル 「 I BELIEVE (GIVE A LITTLE BIT...) 」 が独チャートで2位となり、同年5月に本アルバムをリリースしました。

アルバムの収録曲はスロー・バラードからミディアム・テンポのポップス曲が殆どで、曲名も歌詞も全て英語。ドリー・パートンとケニー・ロジャースがデュエットして1983年にヒットしたT-9. 「 アイランド・イン・ザ・ストリーム 」 のカヴァーもありますが、あとは私の知らない曲ばかり。ジョアナ・ジマーの歌声は、歌い方も含めてセリーヌ・ディオンによく似ているといえばお判りいただけるでしょうか。特に高音域でそう感じます。そんなこんなで、全体的にはドイツの方が歌ってるようには思えないのですが、本作はドイツのアルバム・チャートで最高5位になりました、パチパチ。

そのアルバムにバカラックが1曲書き下ろしました。それがT-11. 「 WHEN YOU LOVE SOMEBODY 」 です。共作者は Andreas Carlsson (アンドレアス・カールソン)というお方。Wikiによれば、スウェーデン出身で、2000年頃からソングライターとしてブリトニー・スピアーズ、バックストリート・ボーイズ、セリーヌ・ディオン、ボン・ジョヴィなどに楽曲を提供してるようです。

曲は、♩≒66の8ビート・バラード。イントロは無く、サビから始まります。メロディ・ラインとコード進行はバカラック色が濃く、音域も広いです。変拍子ではないものの変拍子っぽいリズムで、バカラック初心者にとっては歌いづらいと思います。ただし、メロディの構成はバカラックの曲によくみられる変則的な小節数ではなくきっちり4小節単位ですし、2コーラス目のサビの前のブリッジで盛り上げたり、これはアレンジャーの仕事ですがラストのサビ2回目で転調して盛り上げるなど、ポップス曲らしさもあります。最近のバカラック作品のなかでは、バカラック風味(珍味)とベタなポップス風味が程よくブレンドされた佳曲だと思います。そんな曲を、ジョアナは張りのある声で見事に歌っています。

バカラックがジョアナに書き下ろした理由(あるいは経緯)がサッパリ判らないってのがちょいと癪に障るのですが、まぁ結果オーライってことで…(何が? ^^;)。


【データ】
『 MY INNERMOST 』
Joana Zimmer

CD:2005年5月30日リリース (所有CDは、2005年12月30日リリースのLimited Edition)
レーベル:Polydor / Universal Music (GERMANY) (所有CDも同じ)
番号:9870643 (所有CDは、9876205)

Producer - Pontus Söderqvist, Nick Nice (T-1,2,3,5,7~11,13.)
Producer - Dietmar Kawohl, Hans Singer, Mats Björklund (T-12,14.)
Producer - Peter Ries (T-4,6.)
Arranged By – Nick Nice, Pontus Söderqvist (T-1,2,3,5,7~11,13.)
T-11. 「 WHEN YOU LOVE SOMEBODY 」
  Written by Burt Bacharach & Andreas Carlsson
  Guitar – Pontus Söderqvist
  Keyboards – Nick Nice, Pontus Söderqvist
  Programmed By - Nick Nice, Pontus Söderqvist
  Backing Vocals – Anna Sahlin

2017年1月 8日 (日)

FEELS SO GOOD/Dionne Warwick (2014年)

ディオンヌ・ワーウィックが2014年にリリースしたリメイク中心のデュエット集です。バカラック作品を8曲収録!

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全14トラック中、バカラック作品は8トラック

1. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU ~ featuring Mya ~
2. A HOUSE IS NOT A HOME ~ featuring Ne-Yo ~
3. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD ~ featuring Ziggy Marley ~
4. MESSAGE TO MICHAEL ~ featuring Cyndi Lauper ~
5. EVERY ONCE IN A WHILE  ~ featuring Eric Paslay ~
6. DEJA VU (5:07)  ~ featuring Jamie Foxx ~
7. FEELS SO GOOD  ~ featuring Ceelo Green ~
8. I KNOW I'LL NEVER LOVE THIS WAY AGAIN  ~ featuring Gladys Knight ~

9. THIS GUY/THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU ~ featuring Phil Driscoll ~
10. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART) ~ featuring Ruben Studdard ~
11. LET THERE BE LOVE  ~ featuring Cheyenne Elliott ~
12. HOPE IS JUST AHEAD  ~ featuring Billy Ray Cyrus ~

13. THE WINDOWS OF THE WORLD ~ featuring David Elliott ~
14. A HOUSE IS NOT A HOME (EXTENDED VERSION) ~ featuring Ne-Yo ~

収録時間約56分


ディオンヌ・ワーウィックが2014年にリリースしたリメイクを中心としたデュエット集です。

1998年から2012年までの間に、ディオンヌはリメイク集(リメイクを中心としたアルバム)を4枚リリースしています。え~っ、またリメイク集sign02…と思いましたが、本アルバムはデュエット曲ばかりというのが一番の売りらしいので、拙ブログではデュエット集とさせていただきます。

お相手をチェックすると、メイヤ、ニーヨ、シンディ・ローパー、ジェイミー・フォックス、グラディス・ナイトなどのビッグネームがクレジットされています。ジェイミー・フォックスは俳優だけじゃなくアルバムを数枚リリースしてるミュージシャンでもあったんですね。知りませんでした。

上述のビッグネーム以外はよく知らないので検索しました。Ziggy Marley(ジギー・マーリー)は1968年生まれのレゲエ・アーティスト。あのボブ・マーリーの息子のひとりです。Eric Paslay(エリック・パスレイ)は1983年生まれの米男性カントリー歌手。Ceelo Green(シーロー・グリーン)は1974年生まれの米男性ヒップポップ/R&Bシンガー。Phil Driscoll(フィル・ドリスコル)は1947年生まれの米男性トランペット奏者/ゴスペル・シンガー。Ruben Studdard(ルーベン・スタッダード)は1978年生まれの米男性R&Bシンガー。『 アメリカン・アイドル 』 シーズン2の優勝者です。Billy Ray Cyrus(ビリー・レイ・サイラス)は1961年生まれの米男性カントリー・シンガー。米女性シンガー、マイリー・サイラスの実父です。せっかくなので左から紹介順に写真を載せておきます。オトコばかり6人も並んで絵柄的に微妙ですが(笑)
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ディオンヌの長男デヴィッド・エリオットや孫娘のシャイアン・エリオットともデュエットしています。アルバムのメイン・プロデューサーも次男のデイモン・エリオットですし、ファミリーが登場するのはお約束のようです(^^;

全14曲中バカラック作品は8曲あり、すべてリメイク。ただし、メイヤとデュエットしたT-1. 「 遥かなる影 」 およびシンディ・ローパーとデュエットしたT-4. 「 マイケルへのメッセージ 」 の2曲は、2006年リリースの 『 MY FRIENDS & ME 』 の収録曲と同一ヴァージョン。従って、あらたに録音したバカラック作品のリメイクは6曲ということになります。

ニーヨとデュエットしたT-2. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 は、ルーサー・ヴァンドロス版をベースとしたアレンジ。ニーヨはルーサーをトリビュートしつつも真似はせず自分なりの解釈で歌っていて流石です。ちなみに、4:23のT-2.よりも2分以上長くてネチっこいT-14.の方がこの曲らしいです。ジギー・マーリーとデュエットしたレゲエ調のT-2. 「 雨にぬれても 」 は、ちょっと安直かなー。T-9. 「 ディス・ガイ / ディス・ガール 」 はフィル・ドリスコルとのデュエット。フィル・ドリスコルの歌声が、彼のへなちょこなトランペットの音色からは想像できないくらいハスキーでシブいのが意外でした。ルーベン・スタッダードとデュエットしたT-10. 「 ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・ヘヴン 」 は軽めのR&B風アレンジ。T-13. 「 世界の窓と窓 」 は長男とのデュエット。クールなボサノヴァ・アレンジでなかなか雰囲気良いです。

「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 と 「 ディス・ガール 」 は、4枚目のリメイク集 『 NOW 』 を紹介した際に “ ライヴでは歌ってるのにリメイクしてない曲 ” だとして槍玉(?)にあげた数曲のうちの2曲。前言撤回しないといけませんねーcoldsweats01

フィル・ラーモンがプロデュースした2年前の 『 NOW 』 と較べて、本アルバムでのディオンヌのパフォーマンスはちょっとユルい感じ。身内がプロデュースしてるから緊張感に欠けるのかしらん。でもまぁ固いこと言わずに、リラックスして歌えたってことにしましょう(笑)


【データ】
『 FEELS SO GOOD 』
Dionne Warwick

CD:2014年リリース
レーベル:Bright Music Records (US)
番号:1790020389

Produced by Damon Elliott (T-1,3-6,8-10,13.), Jesse "Corporal" Wilson (T-2,14.), Jack Splash (T-7.), Narada Michael Walden (T-11.), Brandon Friesen (T-12.)
Executive Producer: Damon Elliott/Anthony Melikhov
Co-Executive Producer: Duquan Brown

2017年1月 4日 (水)

WE NEED TO GO BACK/Dionne Warwick (2013年)

ディオンヌ・ワーウィックのワーナー時代の未発表曲を集めたアルバムです。バカラック作品を3曲収録!

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全19トラック中、バカラック作品は3トラック

8. AND THEN YOU KNOW WHAT HE DID (4:07)
9. PLASTIC CITY (3:44)
10. AND THEN HE WALKED RIGHT THROUGH THE DOOR (3:18)


ディオンヌ・ワーウィックがワーナーに在籍していたのは1972年~1978年。そのワーナー時代の未発表曲を集めたアルバムです。2013年にリリースされました。

ワーナーでの1枚目のアルバム 『 DIONNE 』 (1972年1月リリース) を最後に、アリスタ6作目の 『 FINDER OF LOST LOVES 』 (1985年1月リリース) でバカラックとのコンビが復活するまでディオンヌはバカラックの新曲をレコーディングしていない。…というのが世の中の常識でしたが、本アルバムによりその常識は覆ることとなりました。

CDのライナーにその辺りの経緯が書いてありました。該当する部分を引用して紹介します。私の意訳はかなり怪しい(特に後半)ですが、大目に見てくださいませ。

─  1974年のディオンヌとバート・バカラックのリユニオンに関しては、曖昧さが残っている。ディオンヌ自身、ワーナー時代の録音については確信が持てていない。彼女は言う。「 30年以上前のレコーディングを思い出せだなんて、至難の業よ 」。 当時ふたりは訴訟中だった。にもかかわらず短時間のリユニオンが実現した。結果、フィル・ラーモンが録音エンジニアを務めるハリウッドのA&Mスタジオで、6月7-8日の2日間だけという制約のなか3曲がレコーディングされた。その頃バカラックはボビー・ラッセル(「 LITTLE GREEN APPLES 」 の作者)とのコラボで8曲を共作していた。そのうち、ボビー・ヴィントンの 「 CHARLIE 」 と、バカラックもセルフ・カヴァーしているトム・ジョーンズの 「 US 」 の2曲は既に録音&リリースされていた。今回のコンピレーションでは、さらに2曲のバカラック - ラッセル作品 「 AND THEN YOU KNOW WHAT HE DID 」 「 PLASTIC CITY 」 が日の目を見るわけである。3つめのバカラック - ワーウィックのリユニオン曲 「 AND THEN HE WALKED RIGHT THROUGH THE DOOR 」 は、脚本家で作詞家であるニール・サイモンとのコラボ曲。バカラックとデイヴィッドがスコアを書いたミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 の未公開フィルム・ヴァージョンのために書かれたものだった。これら3曲はバカラックらしく複雑で創意に富む曲である。しかし聴いているとほろ苦い気分になる。永く続いていたバカラック - デイヴィッド - ワーウィックの協力関係がもう終わっていたという喪失感に包まれるのである。 Paul Howes - June, 2013  ─

バカラックの自伝のなかに、1974年にディオンヌと3曲レコーディングした…なんて話は出てきません。ディオンヌのコメントも、思い出せないというよりは、何か話したくない事があるのかな? という風に感じられます…。

ともあれ、貴重な音源が発掘されたことに変わりはありません。

T-8. 「 AND THEN YOU KNOW WHAT HE DID 」 : ドラムレスでアコギだけをバックに歌う導入部だけはゆったりしたテンポ。すぐ♩≒138の軽快な8ビートになりますが、そのあともリズムや表情が何度も変わるドラマチックな曲。バカラック得意の変拍子こそありませんが、メロディラインや曲の構造も本当に複雑。それを難なく歌うディオンヌはやっぱりすごいです。

T-9. 「 PLASTIC CITY 」 : ♩≒128の8ビートの曲。バカラックにしては珍しくコードがあまり動きません。独特な動きをするメロディはバカラックらしいですが、同じモチーフを繰り返す点はそれほどバカラックらしくありません。微妙に変拍子もあるし、変な曲には違いないのですが(笑)。

T-10. 「 AND THEN HE WALKED RIGHT THROUGH THE DOOR 」 : ♩≒124の8ビート曲。ミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 のような元気で明るい感じではなく、優しいけれど物悲しい雰囲気。どちらかというと映画 『 失われた地平線 』 あたりの曲調・曲想に近いです。CDライナーに書かれていた 『 プロミセス・プロミセス 』 の未公開フィルム・ヴァージョンって、いったい何でしょうね。 映画化とかの話が 『 失われた地平線 』 の頃にあったのかもしれません。とっても気になります。


【データ】
『 WE NEED TO GO BACK: THE UNISSUED WARNER BROS. MASTERS
Dionne Warwick

CD:2013年7月30日リリース
レーベル:Warner Bros.  Real Gone Music/Rhino (US)
番号:RGM-0170/OPCD-8778

Original recordings produced by Holland-Dozier-Holland (T-1,2.), Ashford & Simpson (T-3,4.), Randy Edelman (T-5~7.), Burt Bacharach (T-8~10.), Jerry Ragovoy (T-11.), Thom Bell (T-12,13.), Joe Porter (T-14~18.), Steve Barri & Michael Omartian (T-19.)
Compilation Producer: Jim Pierson
Executive Producer: Gordon Anderson
All masters ℗2013 Warner Bros. Records Inc.

Written by Burt Bacharach & Bobby Russell (T-8,9.)
Written by Burt Bacharach & Neil Simon (T-10.)

2017年1月 1日 (日)

PROMISES, PROMISES/The New Broadway Cast Recording (2010年)

ブロードウェイ・ミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 2010年再演版のキャスト・レコーディング・アルバムです!

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1. OVERTURE  ~ Orchestra ~
2. HALF AS BIG AS LIFE  ~ Sean Hayes
3. GRAPES OF ROTH  ~ Orchestra ~
4. UPSTAIRS  ~ Sean Hayes
5. YOU'LL THINK OF SOMEONE  ~ Kristin Chenoweth, Sean Hayes
6. IT'S OUR LITTLE SECRET  ~ Sean Hayes, Tony Goldwyn
7. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ Kristin Chenoweth
8. SHE LIKES BASKETBALL  ~ Sean Hayes
9. KNOWING WHEN TO LEAVE  ~ Kristin Chenoweth
10. WHERE CAN YOU TAKE A GIRL?  ~ Brooks Ashmanskas, Peter Benson, Seán Martin Hingston, Ken Land
11. WANTING THINGS  ~ Tony Goldwyn
12. TURKEY LURKEY TIME  ~ Megan Sikora, Mayumi Miguel, Cameron Adams, Ensemble
13. A HOUSE IS NOT A HOME  ~ Kristin Chenoweth
14. A FACT CAN BE A BEAUTIFUL THING  ~ Sean Hayes, Katie Finneran
15. WHOEVER YOU ARE, I LOVE YOU  ~ Kristin Chenoweth
16. CHRISTMAS DAY  ~ Orchestra Voices ~
17. A HOUSE IS NOT A HOME (Reprise)  ~ Sean Hayes
18. A YOUNG PRETTY GIRL LIKE YOU  ~ Sean Hayes, Dick Latessa
19. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ Kristin Chenoweth, Sean Hayes
20. PROMISES, PROMISES  ~ Sean Hayes
21. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN (Reprise)  ~ Kristin Chenoweth, Sean Hayes

収録時間約56分


1968年初演のミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 は、40年以上経った2010年にブロードウェイで再演されました。その再演版のキャスト・レコーディング・アルバムです。

主要キャスト(本作で歌声が聴ける面々)は以下の通り。

Chuck Baxter  チャック・バクスター  -  Sean Hayes
Fran Kubelik  フラン・キューブリック  -  Kristin Chenoweth
J.D. Sheldrake  シェルドレイク  -  Tony Goldwyn
上司4人組
  Mr. Dobitch  ドービッチ  -  Brooks Ashmanskas
  Mike Kirkeby  カークビー  -  Peter Benson
  Mr. Eichelberger  アイケルバーガー  -  Seán Martin Hingston
  Jesse Vanderhof  バンダーホフ  -  Ken Land
OL3人組
  Miss Polansky  ミス・ポランスキー  -  Megan Sikora
  Miss Wong  ミス・ウォング  -  Mayumi Miguel
  Miss Della Hoya  ミス・デラ=ホヤ  -  Cameron Adams
Marge MacDougall  マージ  -  Katie Finneran
Dr. Dreyfuss  ドレイファス医師  -  Dick Latessa

Img328_4 2012年12月、この2010年再演版と同じ構成で日本版 『 プロミセス・プロミセス 』 が上演され、私も観に行きました。その日本版のパンフレットに、初演版に加えて2010年再演版についても詳しい説明が載っていました。とても参考になりますので当該部分を引用します。

─  2010年4月、NYのブロードウェイ劇場で、初のリバイバル版が開幕した。フランは 『 ウィキッド 』 のグリンダ役で絶賛を浴びたブロードウェイの歌姫、クリスティン・チェノウェス。TVドラマ 『 ふたりは友達!? ウィル&グレイス 』 で知られる人気俳優ショーン・ヘイズが、チャック役でブロードウェイデビューを果たした。正直、ヘイズがバカラックの曲をどこまで表現できるのか、と思っていたが、蓋を開けてみれば、せりふと歌の上手さ、全身で悲哀とユーモアの両方を感じさせるチャックに圧倒されるばかり。同年のトニー賞主演男優賞にノミネートされる出来ばえだった。対するチェノウェスも独特のハイトーンボイスでフランを体現して魅せた。演出・振付は現在ブロードウェイで上演中の 『 ハゥ・トゥー・サクシード 』 のロブ・アシュフォード。ダンサー出身なだけに、冒頭から保険会社の男女がオフィスで斬新なダンスを繰り広げるなど、カラフルな舞台にぐいぐいと引き込まれた。ちなみに、リバイバル版ではフランのソロが2曲追加されている。1幕目の 「 小さな願い 」 と 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 で、いずれもバカラック&デイヴィッドによる既成のヒット曲。人気スター、チェノウェスのソロを増やしたい製作者側の意向とも読み取れるが、フランの心情をより際立たせたのは間違いない。 ─

なるほど、初演版から2曲追加された理由はそうゆうことだったのか! なお、この公演は同年のトニー賞4部門ノミネートのうち、助演女優賞(Katie Finneran  ケイティ・フィナラン)を獲得し、2011年1月にクローズしました。

追加された2曲を含めて、各曲がどんな場面で使われたのかをご紹介します↓。(日本版上演に先立ち2012年5月9日に行われたコンサート 『 PROMISES,PROMISES in Concert 』 のパンフレットより)

                 --  *  --  *  --  *  --  *  --
ACT Ⅰ
T-1. 「 序曲 」
高らかなトランペットの音から始まる華やかで軽やかなオープニング。バカラックならではの予測のつかないメロディー展開と拍子の変化、きらめくサウンドに冒頭からノックアウトされる。

T-2. 「 僕は半人前 (半人前の僕) 」
保険会社の社員で独身男のチャックが、なかなか出世できずにいる自分への苛立ちと希望を歌うナンバー。「 たくさん夢があったのに 」 と、あれやこれやと考えをめぐらす様子がテンポ良く綴られる。

T-3. 「 グレイプス・オブ・ロス 」
チャックの行きつけのバーの名前。クールなホーンセクションに女性コーラス、軽快なドラムスの音が重なっていくノリのいいナンバー。

T-4. 「 二階の僕の部屋 」
会社での勤務評価を上げてもらうことを交換条件に、上司たちの不倫用に自分のアパートの部屋を貸しているチャックのソロ。ちょっとスリリングな自らの日常をユーモラスに歌いながら紹介していく。

T-5. 「 誰かいるさ 」
チャックは会社のカフェで働くフランに想いを寄せていた。人生のパートナーに出会えない不安を吐露するフランに 「 誰かいるさ 」 とチャック。洒落たデュエットから 「 誰か=僕がいる 」 という彼の恋心が伝わってくる。

T-6. 「 二人の小さな秘密 」
チャックに部屋を借りていた上司の1人シェルドレイクが、独占的に部屋を使用させてくれれば、彼の出世を約束すると申し出る。秘密を共有し、利害が一致したそれぞれの喜びが感じられる陽気なデュエット。

T-7. 「 小さな願い 」
フランが職場のガールフレンド達に、秘密の男から花束をもらったことを告げるソロ。若い女性の恋に憧れる想い、ささやかな願いが、情感豊かなバカラックサウンドによって綴られていく。

T-8. 「 バスケットボールがお好き 」
シェルドレイクからバスケットの試合のチケットをもらい、これをきっかけにフランをデートに誘い胸を躍らせるチャック。彼のはやる気持ちがシンプルな歌詞と3拍子で見事に表現されている。

T-9. 「 去りし時を知って (もうさようならの時) 」
実はフランはシェルドレイクの不倫相手だった。別れたいフランを引き止めるシェルドレイク。同じフレーズの繰り返しによって、今の関係を終わりにしたいという、彼女の強い意志が表現されたパワフルなソロ。

T-10. 「 どこに女がいる? (どこに彼女を連れていく?) 」
シェルドレイクからの申し出を受けたチャックは、部屋を二度と貸さないと他の上司たちに宣言。それを聞いた上司たちがうろたえて歌うコミカルな曲。彼らの慌てぶりが軽快なリズムを通して伝わってくるよう。

T-11. 「 ウォンティング・シングス (欠けているもの) 」
シェルドレイクのバラード。フランから別れを切り出されたのをきっかけに、「 なぜ不倫に溺れてしまうのか 」 と自分に問いかける。ロマンチックでしっとりとした曲調が、複雑な彼の心の中を浮かび上がらせていく。

T-12. 「 ターキー・ラーキー・タイム 」
場面は変わり、保険会社のクリスマスパーティーのシーンへ。仕事の憂さを晴らすように、歌って踊って大いに楽しむ社員達。間奏部分ではラテンテイストも感じられる。賑やかでとことん陽気なナンバー。

T-13. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム (一人ぼっちの部屋)」
シェルドレイクの女性秘書に彼の最も新しい不倫相手になったことを告げられたフランが、切なさを胸に歌うソロ。同時に、彼女がシェルドレイクの不倫相手だとチャックが知ったところで1幕は終わる。

ACT Ⅱ
T-14. 「 事実は美しいはずなのに 」
クリスマスイブ。フランとの一件で気落ちしたチャックはバーへ。そこでマージに出会う。淋しい者同士、意気投合する2人。酔っていい気持になっていく様子がバカラック特有の転調で見事に表現されている。

T-15. 「 あなたはあなた (あなたはもういない/永遠の誓い) 」
同じ頃、チャックの部屋にいたフランは、シェルドレイクからクリスマスは家族と過ごすと告げられる。傷ついた彼女は…。極限状態に陥ったフランの気持ちがドラマチックなメロディーに込められていく。

T-16. 「 クリスマス・デイ 」
マージを連れて部屋に戻ったチャックは、睡眠薬を多量に飲んだフランを発見。彼は隣部屋のドレイファス医師を呼び、おかげでフランは一命を取り留めた。クリスマスの日、美しいメロディーが彼らを優しく包み込む。

T-17. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム (一人ぼっちの部屋)」 (リプライズ)

T-18. 「 可愛い女の子 (若くてかわいい女の子) 」
フランの自殺未遂から数週間が経ち、チャックとドレイファス医師が、回復してきた彼女のために歌う。明るく陽気なナンバー。「 笑って欲しい、元気になって欲しい 」 と願う男2人の優しさが伝わってくる。

T-19. 「 恋よさようなら (もう恋なんてしない) 」
命を救ってささえてくれたチャックに、フランが今の気持ちを語り出す。ギターの調べから始まるシンプルなサウンドが嘘のない彼女の気持ちを伝え、やがてチャックが寄り添っていく。2人の心が近づく瞬間をとらえた曲。

T-20. 「 プロミセス・プロミセス 」
フランを大晦日を過ごすため、部屋を貸して欲しいというシェルドレイクを断り、職場を去るチャック。フランはチャックこそが自分のパートナーだと気づくのだった。2人を祝福するかのようにホーンが鳴り始め、一気にバカラックの魅惑のサウンドが炸裂する、最高のラスト。

T-21. 「 恋よさようなら (もう恋なんてしない) 」 (リプライズ)

                 --  *  --  *  --  *  --  *  --

本アルバムは、初演版にあったフレーズの粘っこさ/リズムのねちっこさ/金管のテンションの高さがあまり見られず、全体的にスッキリしています。初演版の時はバカラックが指揮していましたが、本アルバムの場合バカラックは全く関与していませんからねー。指揮の違いは大きいなぁ…と思います。

T-1. 「 序曲 」 のなかに 「 小さな願い 」 が組み込まれたり、T-9. 「 去りし時を知って 」 でサビの繰り返しが多かったり、T-19. 「 恋よさようなら 」 のキーが2度低かったりと、楽曲のアレンジ面でも初演版と細かな違いはありますが全体を通して聴いている分には気になりません。

クリスティン・チェノウェスは米ドラマ 『 グリー 』 のエイプリル役で初めて知り、そのネコのような声が印象に残っていたのですが、フラン役とのマッチングという意味ではイマイチのような気がします。一方、チャック役のショーン・ヘイズは特徴的な細かーいビブラートが意外にチャックの性格に合ってる感じがして、違和感なく聴けました。あくまで個人的な感想ですけれど。

このミュージカルはクリスマスシーズンxmasの物語。本当は12月25日までに本アルバムを取り上げたかったのですが、バタバタしてるうちに年が明けてしまいましたcoldsweats01。 ─ ともあれ、2017年もよろしくお願いいたします。


【データ】
『 PROMISES, PROMISES 』
The New Broadway Cast Recording

CD:2010年6月21日リリース
レーベル:MASTERWORKS BROADWAY (US)
番号:88697 73495 2

Produced for records by David Caddick & David Lai
Recorded and mixed by Todd Whitelock
Recorded at MSR Studios, NYC, May 10, 2010
Conductor: Phil Reno
Associate conductor: Mat Eisenstein
Reeds (4), Trumpets (4), Trombone (1), Drums (1), Bass (1), Guitar (1), Percussion (1), Concertmaster (1), Violin (1), Viola (1), Cello (1), Keyboard (2), Synthesizer programmer (1)

Originally produced for the broadway stage by David Merrick
Book by Neil Simon, Music by Burt Bacharach, Lyricks by Hal David

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