アトランティック・バカラック・コレクション/V.A. (1996年)
アトランティック・レーベルの音源から選曲された日本編集のバカラック物コンピ集です。
(画像は全てクリックすると大きくなります)
1. ALFIE ~ The Sweet Inspirations ~ F
2. REACH OUT FOR ME ~ The Sweet Inspirations ~ F
3. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME ~ R.B. Greaves ~ M
4. I SAY A LITTLE PRAYER ~ Aretha Franklin ~ F
5. ANY DAY NOW ~ Carla Thomas ~ F
6. THE LOOK OF LOVE ~ Carmen Mcrae ~ F
7. ANY OLD TIME OF THE DAY ~ Leslie Uggams ~ F
8. IN THE LAND OF MAKE BELIEVE ~ The Drifters ~ M
9. MEXICAN DIVORCE ~ The Drifters ~ M
10. PLEASE STAY ~ The Persuaders ~ M
11. THE APRIL FOOLS ~ Aretha Franklin ~ F
12. DON'T GO BREAKING MY HEART ~ Aretha Franklin ~ F
13. DON'T SAY I DIDN'T TELL YOU SO ~ Herbie Mann ~
14. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE ~ Carla Thomas ~ F
15. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU ~ Aretha Franklin ~ F
16. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART) ~ Aretha Franklin ~ F
17. ANY DAY NOW ~ Percy Sledge ~ M
※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記
収録時間約58分
アトランティック・レーベルの音源から選曲された日本編集のバカラック物コンピ集です。
ピチカート・ファイヴの小西康陽さん監修、バカラック・コレクターの坂口修さんによる選曲。このお二人に長門芳郎さんを加えたお三方による対談形式の解説付き。バカラック・ファンの心をくすぐります。
全17曲のうち、オリジナル・バージョンはドリフターズのT-9. 「 メキシコでさようなら(恋するメキシカン) 」 のみ。あとは全てカヴァーです。
CDケースのバックインレイ内側には各曲の収録元アルバムのジャケット写真が載っています。せっかくなのでその画像を置いておきます(クリックすると大きくなります)。皆さん見事に黒いですねー、レーベルの特徴がよくわかります。お姿が写っていないハービー・マン<T-13.>だけはルーマニア&ロシアの家系とのことで違うようですが。なお、パーシー・スレッジのT-17. 「 エニィ・デイ・ナウ 」 はシングルのみリリースのためジャケット写真はありません…。
本コンピ集の目玉はアレサ・フランクリン。アレサがアトランティックに在籍していた1967年~1979年にカヴァーしたバカラック作品5曲すべてをコンパイルしたそうです。容姿もそうですが、聴いてみてまさに “ 泣く子も黙る ” とはアレサのことだなと実感しました^^;。迫力がスゴイですもん。本家ディオンヌ版よりアレサ版のほうが有名になってしまった1968年のT-4. 「 小さな願い 」 なんて大人しいほうです。1970年のT-15. 「 ディス・ガール 」 でのシャウトの迫力はなかなかのものがありますし、1972年のT-11. 「 エイプリル・フール 」 は軽快なテンポのディスコ調なのですが曲が進むにつれてシャウトがヒート・アップします。1974年のT-16. 「 ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・ヘヴン 」 はイントロの “ ラララ… ” のメロディをいきなりシャウトして、しかもエンディングでバックの演奏が消えてからも更に “ ラララ… ” とシャウトするのがもうスゴすぎ。疾走感溢れるディスコ・アレンジのT-12. 「 ドント・ゴー・ブレイキング・マイ・ハート 」 (これも1974年)に至っては、もはや元曲のメロディなんかどこかに飛んでしまって、吠えまくる! アレサ、スゲェ~。
他に印象的なのは、スウィート・インスピレーションズのT-1. 「 アルフィー 」 とT-2. 「 リーチ・アウト 」 。アレンジもオリジナリティあってソウル・フィーリング溢れる歌唱は素晴らしいです。ドリーミーなレズリー・アガムスのT-7. 「 エニィ・オールド・タイム・オブ・デイ 」 はこのレア曲のカヴァーとしてよく出来てます。アトランティックっぽさは殆どみられませんが(>_<)。
T-13. 「 DON'T SAY I DIDN'T TELL YOU SO (それは言わないで) 」 はディオンヌがオリジナルなのですが、この超レア曲をカヴァーしてるのはハービー・マンくらいだと思います。彼はジャズ・フルーティストだそうですが、ラテン・ジャズ仕立てでクールにカヴァーしています。それと、ザ・パースエイダーズのT-10. 「 プリーズ・ステイ 」 がなかなか工夫したアレンジでノリが良く、コーラスのハーモニーもバッチリ。
全体にソウル・フィーリング満載の本コンピ集、レーベルの特徴がよく出ていてオススメです。ただ、現在であれば2013年にリリースされた 『 バート・バカラック・ソングブック - アトランティック・エディション 』 の方がより充実していてよろしいのではないかと。本コンピ集と同じ坂口修さんが編者のようですし、CD2枚組/45曲入り! 私は所有していないので責任は持ちませんが^^;。
ここからは、本コンピ集から離れてアレサに関してちょいとオマケの情報を。
さきほど、─ アレサがアトランティック在籍時にカヴァーしたバカラック作品5曲すべてをコンパイルした ─ てなことを書きました。しかしそれはスタジオ録音の話なんですね。『 Oh Me Oh My: Aretha Live In Philly, 1972 』 というライヴ・アルバムがライノから2007年にリリースされていまして、その中で 「 ディス・ガール 」 、 「 小さな願い 」 、「 エイプリル・フール 」 の3曲をカヴァーしています(小さな願いは他曲とのメドレー)。 基本、スタジオ録音版と同等のアレンジ。ライヴだからといってシャウトがより派手になってるというわけではありませんが(それほどスタジオ録音でのノリがスゴイということか)、ライヴの感覚を味わえて一聴の価値はあるかと。試聴/ダウンロードも出来ますし(^^)。実際私もこの3曲だけダウンロードしたクチです。
1980年にアレサはアトランティックからアリスタに移籍します。アリスタ時代以降現在に至るまでの間に彼女はバカラックの書下ろし曲を歌ったりカヴァーしたりするのですが、それらを以前記事にまとめておりますので興味がありましたらご覧ください。 → こちら
【データ】
『 アトランティック・バカラック・コレクション 』 (英題:ATLANTIC BACHARACH COLLECTION)
V.A.
CD:1996年3月25日リリース、ライナーは長門芳郎氏/小西康陽氏/坂口修氏の3者による対談形式、歌詞付き
レーベル:WEA International / east west Japan (JP)
番号:AMCY-879
supervised by KONISHI, yasuharu for Readymade Inc.
compiled by SAKAGUCHI, osamu
this compilation Ⓟ1996 WEA International Inc.
manufactured by east west Japan inc., Tokyo, Japan. a warner music group company.
↓ 本コンピ集以外に、『 バート・バカラック・ソングブック - アトランティック・エディション 』 もリンクしておきます。
リンク先消滅したためリンク貼り直し(2024/1/21)
Amazonリンク(本CD)(バート・バカラック・ソングブック - アトランティック・エディション)
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