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2017年11月19日 (日)

A BRAND NEW ME/Aretha Franklin with The Royal Philharmonic Orchestra (2017年)

アレサ・フランクリンが今年(2017年)リリースしたアルバムです。バカラック作品を1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全14トラック中、バカラック作品は1トラック

3. I SAY A LITTLE PRAYER (4:18)


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クイーン・オブ・ソウルことアレサ・フランクリンがコロンビアからアトランティックに移籍したのが1967年。今年(2017年)、その50周年を記念してリリースされたアルバムです。ちなみに、私がアレサのアルバムを購入するのは 『 WHAT YOU SEE IS WHAT YOU SWEAT 』 (1991年リリース) に続いてこれが2枚目でございます。

ここで聴けるアレサの歌声は、アトランティック時代にレコーディングしていた当時のトラック。そこにロンドンのアビーロード・スタジオで新たにレコーディングされたロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラの音源を加えたものです。

チョイスされたのは有名曲ばかり14曲。ソウルの世界に疎い私でも数曲は知ってます。どれも曲自体が素晴らしいですね~。

アレサはアトランティック時代にバカラック作品を5曲レコーディング( 『 アトランティック・バカラック・コレクション 』 参照方) していますが、本アルバムで取り上げられたバカラック作品は皆さんご存知の T-3. 「 小さな願い 」 。重くてもの悲しいストリングスにはちょっと違和感を覚えますが、30秒もするとあの聴きなれたイントロが聴こえてきてホッとします。当時のトラックにオケを重ねただけかと思ったですが、そうではなくてドラムス・ベース・ピアノ・ギター・バックコーラスも新しくレコーディングされたもの ~ つまり歌声以外全て新録音なんですね。以下クレジットを参照ください。なお、赤字は女性、青字は男性を示しています。
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「 小さな願い 」 はディオンヌがオリジナルで1966年にヒット(全米4位)させますが、翌年アレサがカヴァーしたバージョン(全米10位)の方が一般的に評価が高いのは周知のとおり。でも私はディオンヌ版の方が好きでして。これまでも何度か拙ブログで書いたように、アレサ版は表現が大げさでとても “ 小さな ” 願いに聴こえず、お願いの “ 押し売り ” のように感じてしまうんです。ところが、本アルバムのバージョンはそこまでではありません。オケのゴージャスさが全体をマイルドにしているのかなぁ。

アレサは1942年生まれなので今年(2017年)でちょうど75歳。今年2月には、年内に引退するというニュースも耳にしました。 ─ ソウルの女王、アレサ・フランクリンが、引退を計画していることを明かした。年内、レコーディングするアルバムを最後とし、その後は孫とゆっくり過ごしたいそうだ。 ─ (ニュース記事より)

まさか本作がそのアルバムじゃないですよね~。だってアレサは歌ってないじゃんか~。ディオンヌ(1940年生まれ)より2歳も若いんだし、まだまだ頑張って歌ってほしいです。

残念ながらアレサはこの記事から9ヶ月後の2018年8月に永眠。訃報を聞き『 追悼 アレサ・フランクリン 〜 バカラック作品を振り返って 〜 』という記事を記しております。よろしければ参照ください。(2018年8月追記)


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ここからはオマケです。MP3データしか所有していないバカラック作品をご紹介。

アレサは、コロンビア時代の1964年にリリースしたアルバム 『 Runnin' Out Of Fools 』 で 「 ウォーク・オン・バイ 」 (2:51) をカヴァーしています。バックの演奏は殆どディオンヌ版と同じアレンジ。薄いトランペットなんかもうモロにバカラック。ディオンヌの曲の中では元々R&B色の強い曲ですしアレサはディオンヌよりはソウルフルに歌ってるのですが、思いっきりシャウトするわけでもなく消化不良な印象。ホントはもっとソウルフルに歌いたかったんでしょうけれど、コロンビアというレーベルのカラーがそこまで許してくれなかったか…。


【データ】
『 A BRAND NEW ME 』
Aretha Franklin with The Royal Philharmonic Orchestra

CD: 2017年11月9日リリース
レーベル: Rhino Atlantic
番号: R2-557606

Produced by Nick Patrick and Don Reedman
Orchestra performed by The Royal Philharmonic Orchestra
Conducted by StevevSidwell and Robin Smith

リンク先消滅したためリンク貼り直し(2024/1/21)
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