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2017年11月22日 (水)

AND TO ALL A GOOD NIGHT/Greta Matassa & Clipper Anderson (2010年)

米女性ジャズ・シンガーのグレータ・マタッサと米男性ベーシストのクリッパー・アンダーソンによるクリスマス・ソング集です。バカラック・カヴァーを2曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全12トラック中、バカラック作品は2トラック

2. THE BELL THAT COULDN'T JINGLE (2:58)
12. CHRISTMAS DAY (3:26)


米女性ジャズ・シンガーのグレータ・マタッサと米男性ベーシストのクリッパー・アンダーソン、二人のデュオ名義で2010年にリリースされたクリスマス・ソング集です。

Img026ccc二人ともシアトルを拠点とするジャズ・レーベル … オリジン・レコードに在籍。これまで何度も一緒にレコーディングしてるみたいで、ジャケットの裏表紙には二人の仲睦まじい写真が…。思わず夫婦かと思っちゃいました。

写真下のグレータ・マタッサはシアトルをベースに海外でも活躍するジャズ・シンガー。 “ 米北西部のヴォーカリスト・オブ・ジ・イヤー ” に7度も選ばれたそう。生年不詳ですが、経歴から察するに1965年前後の生まれのようで現在50代前半と思われます。

一方、クリッパー・アンダーソンはモンタナ州生まれで米北西部の実力派ベーシスト。1973年にモンタナ州立大に入学したそうなので1955年頃生まれの60代前半といったところでしょうか? 本アルバムのプロデュースも担当し、渋いボーカルも4曲で聴くことが出来ます。

本アルバムについてクリッパーはライナーでこう語っています。私の超意訳でどうぞ。

─  皆さんにまず知っていただきたいのは、私が音楽録音の記録係みたいなものだということです。私は子供時代から特にクリスマス音楽が大好きでした。私の家族、特に私の母親にとってクリスマスのしきたりは重要でした。生まれてから2007年まで私達はクリスマスをモンタナの両親の家で一緒に過ごしたのですが、いつの頃からか私はクリスマスの日に音楽を選びプレゼントを扱う役になりました。 私が長年に渡りクリスマスの集まりの思い出を込めて収集した音楽は、私のクリスマスの精神を具現化しています。 結果、私は家族から “ ミスター・クリスマス ” と呼ばれています。 今回のセレクションは私達にとってスタンダードなものばかり。有名な曲は余りありませんが、皆さんに喜んでいただけるものと確信しています。 ─

確かに、有名な(というか俗っぽい)クリスマス・ソングは皆無。でも、聴いてみると本当に素敵な曲ばかり。オールドファッションなジャズやスウィング、ジャズ・ボッサ、ポップ、しっとりしたバラード調など、曲によって味付けを変えているのですが、全体的には暖かく軽やかなトーンで統一されています。クリッパーのプロデュース力は半端なくスゴいと思います。

バカラック・カヴァーは2曲あって、まずはT-2. 「 ザ・ベル・ザット・クドゥント・ジングル 」 。野宮真貴さんがカヴァーしたばかりの、今ホットな曲です。 ─  この曲、私はティファナ・ブラスのクリスマス・アルバムを聴いて育ちました。いつかこの曲をレコーディングしたかったんです。ヴォーカル参加に加え、ショーティ・ロジャースの編曲法を取り入れてコーラス・アレンジしてくれたジェニファーに感謝です。 ─ (ライナーより、クリッパーのコメント)

この曲が絶品なんですsign01 イントロ冒頭にある約30秒間のアカペラに見られるように、アレンジのベースはハーブ・アルパート&ティファナ・ブラスのバージョン。このアカペラを始め、バック・コーラスはティファナ・ブラス版よりも透明感があります。グレータとクリッパーの息の合ったツイン・ヴォーカルも肩の力が抜けてていい感じ。ティファナ・ブラス版でのギターやトランペットに代わって、刻み系の音はチェレスタ/ヴィブラフォン/グロッケン/トイ・アコーディオンなどが奏でているのですが、これがまた見事にホリディ感を醸し出してます。子供のころからず~っとアイディアを温めてきたんでしょう。いやもう脱帽です。私はティファナ・ブラス版よりもこちらに軍配を上げますpaper

ちなみに、同好の士であるまったりさんが “ この曲を男女3人で歌ってる動画 ” をブログで紹介しておられます。振付がユーモラスな楽しい動画なのですが、彼らが歌ってるわけじゃなくて流れている音楽は本アルバムの曲なんですねー(ただし冒頭のアカペラはカットされてます)。最近ようやく気が付きましたcoldsweats01

さて、もう1曲はT-12. 「 クリスマス・デイ 」 。 ─  本アルバムのラストを飾るのはバカラックのミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 からの曲。ハル・デイヴィッドの歌詞が持つメッセージは、クリスマスが私たち家族にとって何なのかを表してるんです。 ─ (先程と同様、クリッパーのコメント)

デモ版リヴァイヴァル版を除くと、ジョニー・マティスがカヴァーして以来のカヴァーじゃないでしょうか 。それくらいの超レア曲です。ヴォーカルはグレータ。バックはピアノ・トリオ+ヴィブラフォン/グロッケンで、ジャズ・バラード風のアレンジ。ダブル・ベースがところどころ弓を弾くのですが、これがいい雰囲気を醸し出していてまったりした気分になります。アルバムを締めくくるのにピッタリの選曲とアレンジではないかと。

世の中にやたらと陽気なクリスマス・ソングがあふれるなか、本アルバムはそれらとは一線を画す ” 寒い日にほんわかリラックスできる上質な大人のクリスマス・ソング集 ” です。ジャズがお好きな方、ポップスがお好きな方、どちらにも強くオススメ致します。尚、2015年にジャケットと曲順を変えた日本盤がリリースされています。日本盤は緑色や赤が目立ついかにもクリスマスといった暖色系のアートワーク。曲自体は全く同じなので、どちらにするかはお好みでどうぞ。

※ 2018/2/4 訂正


【データ】
『 AND TO ALL A GOOD NIGHT 』
Greta Matassa & Clipper Anderson

CD:2010年11月16日リリース
レーベル:Origin Records
番号:ORIGIN 82578

Produced by Clipper Anderson
Recorded & mixed by David Lange at David Lange Studio, Edgewood, WA in January, 2009
T-2. 「 THE BELL THAT COULDN'T JINGLE 」
  Greta Matassa - vocals
  Darin Clendenin - piano
  Clipper Anderson - vocals, bass, celeste
  Mark Ivester - drums, jingle bells
  Susan Pascal - vibes, glock
  David Lange - toy accordian
  Jennifer Ivester - vocals, choral arr.
T-12. 「 CHRISTMAS DAY 」
  Greta Matassa - vocals
  Darin Clendenin - piano
  Clipper Anderson - bass
  Mark Ivester - drums
  Susan Pascal - vibes, glock

↓左はオリジナル盤(試聴できます)。右が日本盤です。

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