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2017年11月

2017年11月26日 (日)

LIPPY LIP BACHARACH/V.A. (1998年)

ポリグラム・グループ音源のなかから選曲した日本編集のバカラック物コンピ集です!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. TRAINS AND BOATS AND PLANES ~ Astrud Gilberto ~  F
2. DONNE-MOI MA CHANCE (TOO LATE TO WORRY)  ~ Sophia Loren ~  F
3. QUESTO AMORE E' PER SEMPRE (ANY OLD TIME OF THE DAY)  ~ Dalida ~  F
4. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME  ~ Lou Christie ~  M
5. MAKE IT EASY ON YOURSELF  ~ Connie Francis ~  F
6. ALFIE  ~ Jerry Butler ~  M
7. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU  ~ Marva Whitney ~  F
8. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ Roy Ayers ~
9. MESSAGE TO MICHAEL  ~ James Brown ~
10. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ James Brown ~  M
11. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU  ~ Willie Bobo ~  M
12. ANY DAY NOW  ~ James Brown ~  M
13. DON'T MAKE ME OVER  ~ Lyn Collins ~  F
14. REACH OUT FOR ME  ~ Lyn Collins ~  F
15. THIS EMPTY PLACE  ~ The Fortunes ~  M
16. WIVES AND LOVERS  ~ Wes Montgomery ~
17. IN THE LAND OF MAKE BELIEVE  ~ Dusty Springfield ~  F
18. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ Jimmy Smith ~
19. KEEP ME IN MIND  ~ Patti Page ~  F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約58分


ポリグラム・グループ音源のなかから選曲した日本編集のバカラック物コンピ集です!

日本のバカラック第一人者たる坂口修氏が、マーキュリー、フィリップス、ポリドール、MGMやヴァーヴなどのヴォーカル物を中心にコンパイルしたそうです。(因みに、ポリグラム・グループは1999年にユニヴァーサル・ミュージック・グループに吸収され現在は存在しません)

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─  特に、フランス語やイタリア語で歌われる、一味違った Bacharach カヴァーと、"James Brown"とその仲間によるファンキーなテイク等をお楽しみ頂きたい。 ─ (坂口氏のコメント、ライナーより)

私のレコメンドは、坂口氏のコメントとほぼ同じでございます。

まずはT-2. 「 トゥー・レイト・トゥ・ウォーリー 」 のフランス語版。歌っているのはあのソフィア・ローレン。歌うんだ。陽気でノリが良い金管バリバリのアレンジで、彼女の歌も元気で勢いがあります。この曲のオリジナルはバブス・ティーノ。バカラック研究本の 『 SONG BY SONG 』 にはこの曲のカヴァーとして4バージョンがリストアップされているのですが、全てフランス語バージョン! んで、最初にカヴァーしたのがソフィア・ローレンなんです。

そしてT-3. 「 エニイ・オールド・タイム・オブ・デイ 」 をイタリア語で歌っているのはダリダ。誰だっ?て感じですが、(この際下手なダジャレは置いといて)簡単なプロフィールは上記表の注釈※2をご覧ください。この曲のオリジナルはディオンヌなのですが、ライナーによるとシェイラのフランス語バージョン(先日拙ブログで紹介したヤツ)を基にしてカヴァーしたんだそう。
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これら3作品をリリース順に並べたのがこの表。シェイラ版がディオンヌ版とほぼ同じテンポ&同じキーなのに対して、ダリダ版は速めのテンポでキーもかなり高くなってます。イタリア語特有の巻き舌の発音も加わり、ダリダ版は幾分おてんばな印象を受けます。本来ドリーミーなこの曲に一番マッチしているのはフランス語で歌っているシェイラ版かなぁ。(注:あくまでも、レスリー・アガムズ(こちらで紹介)やスー・レイニー等のとってもドリーミーなバージョンを含めずこの3作品のみで比較した場合の話です)
因みに、ダリダはイタリア語でカヴァーする前の1964年にフランス語でカヴァーしています(注釈※2参照方)。こうなると、そのフランス語バージョンもちょっと聴いてみたいですねー。

アルバムの中盤は “ JBまつり ” 状態です。脇を固めるのはJBファミリーの二人の歌姫。マーヴァ・ホイットニーがT-7. 「 ディス・ガール 」 をファンキーに歌い、リン・コリンズがT-13. 「 ドント・メイク・ミー・オーヴァー 」 をソウルフルに、T-14. 「 リーチ・アウト 」 をメロウに歌っています。御大ジェームス・ブラウンは3曲披露! まずT-9. 「 マイケルへのメッセージ 」 ですが、JBは歌わずオルガンを弾くまくります。腕前は素人に毛が生えた程度でちょっと笑っちゃうんですが、ソウルフルなグルーヴ感は流石です。続くT-10. 「 世界は愛を求めてる 」 は疾走感のあるディスコ調のカヴァー。1976年リリースなのでもうディスコの時代なんですね。T-12. 「 エニィ・デイ・ナウ 」 は原曲のR&Bフィーリングを生かしたソウル・バージョン。サビの部分でのカッチョいいブラスとJBのシャウトがたまりません。

他に、クールでまったりした歌声が心にしみるアストラッド・ジルベルトのT-1. 「 汽車と船と飛行機と 」 、ラウンジ風なオルガン・プレイが個人的に好きなジミー・スミスのT-18. 「 遥かなる影 」 あたりも個人的にはレコメンドです。

JBファミリーのバカラック・カヴァーは他のバカラック物コンピ集では見かけません。そういう意味で貴重なコンピ集ではないでしょうか?


【データ】
『 LIPPY LIP BACHARACH 』
V.A.

CD:1998年7月15日リリース (ライナーは坂口修氏)
レーベル:POLYDOR K.K.
番号:POCP-1667

THIS COMPILATION Ⓟ1996 POLYDOR K.K.
DISTRIBUTED BY PolyGram K.K.
↓左は所有CD、 右は2007年のリイシュー盤(ユニバーサルからリリース)

 

2017年11月22日 (水)

AND TO ALL A GOOD NIGHT/Greta Matassa & Clipper Anderson (2010年)

米女性ジャズ・シンガーのグレータ・マタッサと米男性ベーシストのクリッパー・アンダーソンによるクリスマス・ソング集です。バカラック・カヴァーを2曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全12トラック中、バカラック作品は2トラック

2. THE BELL THAT COULDN'T JINGLE (2:58)
12. CHRISTMAS DAY (3:26)


米女性ジャズ・シンガーのグレータ・マタッサと米男性ベーシストのクリッパー・アンダーソン、二人のデュオ名義で2010年にリリースされたクリスマス・ソング集です。

Img026ccc二人ともシアトルを拠点とするジャズ・レーベル … オリジン・レコードに在籍。これまで何度も一緒にレコーディングしてるみたいで、ジャケットの裏表紙には二人の仲睦まじい写真が…。思わず夫婦かと思っちゃいました。

写真下のグレータ・マタッサはシアトルをベースに海外でも活躍するジャズ・シンガー。 “ 米北西部のヴォーカリスト・オブ・ジ・イヤー ” に7度も選ばれたそう。生年不詳ですが、経歴から察するに1965年前後の生まれのようで現在50代前半と思われます。

一方、クリッパー・アンダーソンはモンタナ州生まれで米北西部の実力派ベーシスト。1973年にモンタナ州立大に入学したそうなので1955年頃生まれの60代前半といったところでしょうか? 本アルバムのプロデュースも担当し、渋いボーカルも4曲で聴くことが出来ます。

本アルバムについてクリッパーはライナーでこう語っています。私の超意訳でどうぞ。

─  皆さんにまず知っていただきたいのは、私が音楽録音の記録係みたいなものだということです。私は子供時代から特にクリスマス音楽が大好きでした。私の家族、特に私の母親にとってクリスマスのしきたりは重要でした。生まれてから2007年まで私達はクリスマスをモンタナの両親の家で一緒に過ごしたのですが、いつの頃からか私はクリスマスの日に音楽を選びプレゼントを扱う役になりました。 私が長年に渡りクリスマスの集まりの思い出を込めて収集した音楽は、私のクリスマスの精神を具現化しています。 結果、私は家族から “ ミスター・クリスマス ” と呼ばれています。 今回のセレクションは私達にとってスタンダードなものばかり。有名な曲は余りありませんが、皆さんに喜んでいただけるものと確信しています。 ─

確かに、有名な(というか俗っぽい)クリスマス・ソングは皆無。でも、聴いてみると本当に素敵な曲ばかり。オールドファッションなジャズやスウィング、ジャズ・ボッサ、ポップ、しっとりしたバラード調など、曲によって味付けを変えているのですが、全体的には暖かく軽やかなトーンで統一されています。クリッパーのプロデュース力は半端なくスゴいと思います。

バカラック・カヴァーは2曲あって、まずはT-2. 「 ザ・ベル・ザット・クドゥント・ジングル 」 。野宮真貴さんがカヴァーしたばかりの、今ホットな曲です。 ─  この曲、私はティファナ・ブラスのクリスマス・アルバムを聴いて育ちました。いつかこの曲をレコーディングしたかったんです。ヴォーカル参加に加え、ショーティ・ロジャースの編曲法を取り入れてコーラス・アレンジしてくれたジェニファーに感謝です。 ─ (ライナーより、クリッパーのコメント)

この曲が絶品なんです イントロ冒頭にある約30秒間のアカペラに見られるように、アレンジのベースはハーブ・アルパート&ティファナ・ブラスのバージョン。このアカペラを始め、バック・コーラスはティファナ・ブラス版よりも透明感があります。グレータとクリッパーの息の合ったツイン・ヴォーカルも肩の力が抜けてていい感じ。ティファナ・ブラス版でのギターやトランペットに代わって、刻み系の音はチェレスタ/ヴィブラフォン/グロッケン/トイ・アコーディオンなどが奏でているのですが、これがまた見事にホリディ感を醸し出してます。子供のころからず~っとアイディアを温めてきたんでしょう。いやもう脱帽です。私はティファナ・ブラス版よりもこちらに軍配を上げます

ちなみに、同好の士であるまったりさんが “ この曲を男女3人で歌ってる動画 ” をブログで紹介しておられます。振付がユーモラスな楽しい動画なのですが、彼らが歌ってるわけじゃなくて流れている音楽は本アルバムの曲なんですねー(ただし冒頭のアカペラはカットされてます)。最近ようやく気が付きました

さて、もう1曲はT-12. 「 クリスマス・デイ 」 。 ─  本アルバムのラストを飾るのはバカラックのミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 からの曲。ハル・デイヴィッドの歌詞が持つメッセージは、クリスマスが私たち家族にとって何なのかを表してるんです。 ─ (先程と同様、クリッパーのコメント)

デモ版リヴァイヴァル版を除くと、ジョニー・マティスがカヴァーして以来のカヴァーじゃないでしょうか 。それくらいの超レア曲です。ヴォーカルはグレータ。バックはピアノ・トリオ+ヴィブラフォン/グロッケンで、ジャズ・バラード風のアレンジ。ダブル・ベースがところどころ弓を弾くのですが、これがいい雰囲気を醸し出していてまったりした気分になります。アルバムを締めくくるのにピッタリの選曲とアレンジではないかと。

世の中にやたらと陽気なクリスマス・ソングがあふれるなか、本アルバムはそれらとは一線を画す ” 寒い日にほんわかリラックスできる上質な大人のクリスマス・ソング集 ” です。ジャズがお好きな方、ポップスがお好きな方、どちらにも強くオススメ致します。尚、2015年にジャケットと曲順を変えた日本盤がリリースされています。日本盤は緑色や赤が目立ついかにもクリスマスといった暖色系のアートワーク。曲自体は全く同じなので、どちらにするかはお好みでどうぞ。

※ 2018/2/4 訂正


【データ】
『 AND TO ALL A GOOD NIGHT 』
Greta Matassa & Clipper Anderson

CD:2010年11月16日リリース
レーベル:Origin Records
番号:ORIGIN 82578

Produced by Clipper Anderson
Recorded & mixed by David Lange at David Lange Studio, Edgewood, WA in January, 2009
T-2. 「 THE BELL THAT COULDN'T JINGLE 」
  Greta Matassa - vocals
  Darin Clendenin - piano
  Clipper Anderson - vocals, bass, celeste
  Mark Ivester - drums, jingle bells
  Susan Pascal - vibes, glock
  David Lange - toy accordian
  Jennifer Ivester - vocals, choral arr.
T-12. 「 CHRISTMAS DAY 」
  Greta Matassa - vocals
  Darin Clendenin - piano
  Clipper Anderson - bass
  Mark Ivester - drums
  Susan Pascal - vibes, glock

↓左はオリジナル盤(試聴できます)。右が日本盤です。

 

2017年11月19日 (日)

A BRAND NEW ME/Aretha Franklin with The Royal Philharmonic Orchestra (2017年)

アレサ・フランクリンが今年(2017年)リリースしたアルバムです。バカラック作品を1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全14トラック中、バカラック作品は1トラック

3. I SAY A LITTLE PRAYER (4:18)


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クイーン・オブ・ソウルことアレサ・フランクリンがコロンビアからアトランティックに移籍したのが1967年。今年(2017年)、その50周年を記念してリリースされたアルバムです。ちなみに、私がアレサのアルバムを購入するのは 『 WHAT YOU SEE IS WHAT YOU SWEAT 』 (1991年リリース) に続いてこれが2枚目でございます。

ここで聴けるアレサの歌声は、アトランティック時代にレコーディングしていた当時のトラック。そこにロンドンのアビーロード・スタジオで新たにレコーディングされたロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラの音源を加えたものです。

チョイスされたのは有名曲ばかり14曲。ソウルの世界に疎い私でも数曲は知ってます。どれも曲自体が素晴らしいですね~。

アレサはアトランティック時代にバカラック作品を5曲レコーディング( 『 アトランティック・バカラック・コレクション 』 参照方) していますが、本アルバムで取り上げられたバカラック作品は皆さんご存知の T-3. 「 小さな願い 」 。重くてもの悲しいストリングスにはちょっと違和感を覚えますが、30秒もするとあの聴きなれたイントロが聴こえてきてホッとします。当時のトラックにオケを重ねただけかと思ったですが、そうではなくてドラムス・ベース・ピアノ・ギター・バックコーラスも新しくレコーディングされたもの ~ つまり歌声以外全て新録音なんですね。以下クレジットを参照ください。なお、赤字は女性、青字は男性を示しています。
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「 小さな願い 」 はディオンヌがオリジナルで1966年にヒット(全米4位)させますが、翌年アレサがカヴァーしたバージョン(全米10位)の方が一般的に評価が高いのは周知のとおり。でも私はディオンヌ版の方が好きでして。これまでも何度か拙ブログで書いたように、アレサ版は表現が大げさでとても “ 小さな ” 願いに聴こえず、お願いの “ 押し売り ” のように感じてしまうんです。ところが、本アルバムのバージョンはそこまでではありません。オケのゴージャスさが全体をマイルドにしているのかなぁ。

アレサは1942年生まれなので今年(2017年)でちょうど75歳。今年2月には、年内に引退するというニュースも耳にしました。 ─ ソウルの女王、アレサ・フランクリンが、引退を計画していることを明かした。年内、レコーディングするアルバムを最後とし、その後は孫とゆっくり過ごしたいそうだ。 ─ (ニュース記事より)

まさか本作がそのアルバムじゃないですよね~。だってアレサは歌ってないじゃんか~。ディオンヌ(1940年生まれ)より2歳も若いんだし、まだまだ頑張って歌ってほしいです。

残念ながらアレサはこの記事から9ヶ月後の2018年8月に永眠。訃報を聞き『 追悼 アレサ・フランクリン 〜 バカラック作品を振り返って 〜 』という記事を記しております。よろしければ参照ください。(2018年8月追記)


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ここからはオマケです。MP3データしか所有していないバカラック作品をご紹介。

アレサは、コロンビア時代の1964年にリリースしたアルバム 『 Runnin' Out Of Fools 』 で 「 ウォーク・オン・バイ 」 (2:51) をカヴァーしています。バックの演奏は殆どディオンヌ版と同じアレンジ。薄いトランペットなんかもうモロにバカラック。ディオンヌの曲の中では元々R&B色の強い曲ですしアレサはディオンヌよりはソウルフルに歌ってるのですが、思いっきりシャウトするわけでもなく消化不良な印象。ホントはもっとソウルフルに歌いたかったんでしょうけれど、コロンビアというレーベルのカラーがそこまで許してくれなかったか…。


【データ】
『 A BRAND NEW ME 』
Aretha Franklin with The Royal Philharmonic Orchestra

CD: 2017年11月9日リリース
レーベル: Rhino Atlantic
番号: R2-557606

Produced by Nick Patrick and Don Reedman
Orchestra performed by The Royal Philharmonic Orchestra
Conducted by StevevSidwell and Robin Smith

2017年11月12日 (日)

Écoute Ce Disque/Sheila (1964年)

フランスの女性シンガー、シェイラのセカンド・アルバムです。バカラック・カヴァーを2曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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Original LP front cover/back cover

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所有CDのジャケット表/ケース裏

全12トラック中、バカラック作品は2トラック

3. CHAQUE INSTANT DE CHAQUE JOUR (ANY OLD TIME OF THE DAY)  (2:37)
10. OUI, IL FAUT CROIRE (I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF)  (3:04)


Img020ggg_2フランスの女性シンガー、シェイラのセカンド・アルバムです。1964年にフランスとカナダでリリースされました。

─  シェイラは1945年パリ郊外クレテイユ生まれ。16歳の時、2人のプロデューサー(ジャック・プレ と クロード・カレール)に見出されイェ・イェ時代を代表する女性歌手のひとりに成長した。 ─ (日本語ライナーノーツより抜粋)

ライナーでは更にイェ・イェの説明が続きます。 ─  母国では伝統的な歌謡曲を 「 シャンソン 」 、英米の影響を受けたものを 「 ヴァリエテ・フランセーズ 」 と呼び 「 イェ・イェ 」 はザ・ビートルズがその地位を確立する前後の欧米のポップ・ソングの影響を受けた、アイドル・シンガーによるティーン向けの軽快なロックンロールやおセンチなバラードだ。英米のヒット曲のカヴァーも多い。ボスキャラはご存知セルジュ・ゲンスブールで、本人歌唱のほかフランス・ギャルやフランソワーズ・アルディに多くの作品を提供した。 ─

ふむふむそーゆーことなんだ。私は1964年生まれで、「 イェ・イェ 」 と言われてもピンとこない世代。連想して頭に浮かぶのはレナウンのCMだけです。なのでライナーの説明は勉強になりました。

8曲ある英米ヒットのカヴァーも含めて全12曲フランス語で歌っています。バカラック・カヴァーはT-3. 「 エニイ・オールド・タイム・オブ・デイ 」 とT-10. 「 恋のとまどい 」 。

「 エニイ・オールド・タイム・オブ・デイ 」 はディオンヌがオリジナルで1964年2月リリースのセカンド・アルバム 『 ANYONE WHO HAD A HEART 』 に収録。同年4月リリースのシングル 「 ウォーク・オン・バイ 」 のカップリング曲にもなりました。シェイラ版はこの曲の最初のカヴァーになるみたいですね。バックの演奏はディオンヌ版とほぼ同じアレンジ&テンポで特に芸はありません。しかも2コーラスめを省略して尺短いし^^;。でも、曲の最終盤に2回登場する “ ジュテーム(大好き) ” の4連発はオリジナルには見られないもので、歌詞については一工夫加えてるようです。元々ドリーミーな曲調ですが、この “ ジュテーム ” も含めてフランス語との相性は良く、好カヴァーと思います。

「 恋のとまどい 」 のオリジナルはトミー・ハント(1962年)ですが、シェイラ版の元ネタはダスティ・スプリングフィールド版(1964年)と思われます。パワフルでスケールの大きいダスティの歌唱と較べるとシェイラの歌いっぷりは一回りスケール小さい感は否めません。まぁ、アイドル・シンガーですから比較するのは酷ですねー^^;。ただ、さきほどの曲と違ってフランス語との相性はイマイチかな?

アルバム全体的には明るく元気な曲が多いです。アルバムの目玉は、アルバムの邦題にもなってるようにレノン=マッカートニー作のT-6. 「 ハロー・リトル・ガール 」 らしいです。個人的なレコメンドは断然 「 エニイ・オールド・タイム・オブ・デイ 」 ですけれど。

因みに、本アルバムは1964年にリリースされた3枚の4曲入りEPから構成されたものだそう。Discogsで調べてそのEP3枚を見つけました。左から表裏ペアで、『 SHEILA 5e disque 』 、『 SHEILA 6e disque 』 、『 SHEILA 7e disque 』 。タイトルの意味は 『 シェイラ 〇枚目のレコード 』 。なんてストレートな表現。ライナーによれば、当時はEPが主流だったためLPはさほど流通していないんだとか。
あと、これはどーでもいいコトですが、真ん中6e disqueのジャケ写はかわいくて好きです
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【データ】
『 Écoute Ce Disque 』 (邦題:ハロー・リトル・ガール)
Sheila

LP:1964年リリース (所有CDは、2016年12月14日リイシューの日本盤。歌詞&訳詞付き、ライナーは皆川勝氏)
レーベル:Philips (所有CDは、WEA / ワーナーミュージック・ジャパン)
番号:B 77.896 L (所有CDは、WPCR-17566)

Producer: Claude Carrère, Jacques Plait
Arranged by Sam Clayton

2017年11月 5日 (日)

the burt bacharach songbook/V.A. (1998年)

1998年にリリースされた米国編集のバカラック&デイヴィッド作品コンピ集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ Jackie DeShannon ~  F
2. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ Andy Williams ~  M
3. A HOUSE IS NOT A HOME  ~ Della Reese ~  F
4. THE LOOK OF LOVE  ~ Roger Williams ~
5. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ Anne Murray ~  F
6. WIVES AND LOVERS  ~ Jack Jones ~  M
7. ONE LESS BELL TO ANSWER  ~ The 5th Dimension ~  F
8. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF  ~ Dusty Springfield ~  F
9. MAKE IT EASY ON YOURSELF  ~ Jerry Butler ~  M
10. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME  ~ Sandie Shaw ~  F
11. ONLY LOVE CAN BREAK A HEART  ~ Gene Pitney ~  M
12. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART)  ~ The Stylistics ~  M
13. ANYONE WHO HAD A HEART  ~ Maureen McGovern ~  F
14. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  ~ Ramsey Lewis ~
15. ALFIE  ~ Dee Dee Warwick ~  F
16. DON'T MAKE ME OVER  ~ Petula Clark ~  F
17. MESSAGE TO MICHAEL  ~ Lena Horne & Gabor Szabo ~  F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約54分


1998年に米Varèse Sarabande Records(ヴァレーズ・サラバンド・レコーズ) の Varèse Vintage(ヴァレーズ・ヴィンテージ) レーベルからリリースされた米国編集のバカラック&デイヴィッド作品コンピ集です。

編者のひとりであるJim Pierson氏が本コンピ集をライナーでこう紹介しています。私の超意訳でどうそ。 ─ このコレクションは、バカラックが作詞家ハル・デイヴィッドと組んでいた1960~1970年代全盛期に焦点を当てています。二人のパートナー・シップは数多くのヒット曲を生み出し、その多くはディオンウ・ワーウィックによってレコーディングされました。それらのバージョンはディオンヌの多数のリリースや他のバカラック・アンソロジーで既に皆の知られるところとなっているので、我々はヒットはしてないけれど価値あるカヴァーを集めました。いくつかのヒット曲も含んでいますが。 ─

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レーベルの縛りなく集められた全18曲はバカラック&デイヴィッドの代表曲ばかり。ただし、ディオンヌのバージョンやバカラックのセルフ・カヴァー物は一切ありません。そこは徹底していますね~。T-1. とアルバム中程の7曲(T-6~12.)はオリジナルかカヴァーかを問わず有名なバージョンですが、それ以外は結構レアなバージョンを集めています。

本コンピ集で個人的に最もレコメンドなのは、モーリン・マクガバンのT-13. 「 恋するハート 」 。このバージョンが入っていた他のコンピ集でも同様にレコメンドでした。理由については そのコンピ集の記事 を、モーリン・マクガバンについては彼女のアルバム 『 Baby I'm Yours 』 の記事 を参照ください。

本コンピ集以外では見かけないくらいの超レア物に加えて内容的にもレコメンドなのが、流麗なストリングス/ちょっとファンキーなピアノ/パワフルな歌唱が印象に残るデラ・リースのT-3. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 、カントリー風味なアン・マレーのT-5. 「 恋よさようなら 」 、意外と歌声がチャーミングなペトゥラ・クラークのT-16. 「 ドント・メイク・ミー・オーバー 」 の3曲です。

ディオンヌ・ワーウィックの妹であるディー・ディー・ワーウィックが歌うT-15. 「 アルフィー 」 もオケのアレンジが新鮮でレコメンド。一方、彼女の歌は上手いけれど特徴がなくてレコメンドではありません(^^;。

なお、実際のディスクはT-3. とT-5. が入れ替わって収録されています。編集時のミスと思われますが、拙記事ではCDジャケットの曲順通りに紹介しました。あしからず。


【データ】
『 the burt bacharach songbook 』
V.A.

CD:1998年2月24日リリース
レーベル:Varèse Vintage / Varèse Sarabande Records(US)
番号:VSD-5873

Collection Produced by Cary E. Mansfield and Jim Pierson
Sound Produced by Bill Inglot
Note by Jim Pierson

This compilation ⓅⒸ1998 Varèse Sarabande Records, Inc.
Manufactured by Varèse Sarabande Records, Inc.
Distributed by Universal Music and Video Distribution

 

2017年11月 1日 (水)

BACHARACH & DAVID They Write The Songs/V.A. (1997年)

1997年にリリースされた英国編集のバカラック&デイヴィッド作品のコンピ集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  ~ Dionne Warwick ~  F
2. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ B. J. Thomas ~  M
3. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU  ~ Sacha Distel ~  M
4. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ Jackie DeShannon ~  F
5. MESSAGE TO MICHAEL  ~ Deacon Blue ~  M
6. 24 HOURS FROM TULSA  ~ Gene Pitney ~  M
7. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ Bobbie Gentry ~  F
8. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME  ~ Sandie Shaw ~  F
9. A HOUSE IS NOT A HOME  ~ Luther Vandross ~  M
10. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  ~ Isaac Hayes ~  M
10. ALFIE  ~ Matt Monroe ~  M
11. TRAINS AND BOATS AND PLANES  ~ Billy J. Kramer and The Dakotas ~  M
12. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ Booker T & The MG's ~
13. ONLY LOVE CAN BREAK A HEART  ~ Timi Yuro ~  F
14. ANYONE WHO HAD A HEART  ~ Cilla Black ~  F
15. TO WAIT FOR LOVE  ~ Sacha Distel ~  M
16. THE LOOK OF LOVE  ~ Shirley Bassey ~  F
17. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF  ~ Dionne Warwick ~  F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記

収録時間約59分


1997年にリリースされた英国編集のバカラック&デイヴィッド作品のコンピ集です。

恋人同士っぽい演出のジャケットからはチープなイージーリスニングを想像してしまいますが、中身は至ってまとも。レーベル系列を越えたコンピレーションでして、英国編集のものでは1988年リリースのConnoisseur盤と同様のコンセプト。実際、本コンピ集全18曲のうち半数の9曲はConnoisseur盤と重複してます。

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レコメンドはそのConnoisseur盤と重複しない残りの9曲に集中!

まずは、なんといってもルーサー・ヴァンドロスのT-9. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」 。デビュー・アルバムの 『 Never Too Much 』 に収録された7分を超えるこのカヴァーは、シングルになってないにも拘らず彼の代表曲のひとつとされています。全くもって素晴らしい! そしてアイザック・ヘイズのT-10. 「 遥かなる影 」 。彼独特の世界観は他の追随を許しません。惜しむらくは約9分のロング・バージョン(アルバム 『 Black Moses 』 収録)じゃなくて4分ほどのショート・バージョンであること。ルーサーと長尺曲対決して欲しかったなぁ…。

また、ストリングスのアレンジと貫禄のヴォーカルが素晴らしいマット・モンローのT-11. 「 アルフィー 」 、妖しげでカッコいいアレンジとパワフルなシャーリー・バッシーの歌唱が魅力のT-17. 「 恋のおもかげ 」 もレコメンドですねー。

アイザック・ヘイズの 「 遥かなる影 」 とシャーリー・バッシーの 「 恋のおもかげ 」 は過去記事でちょろっと言及しています。よろしかったらそれぞれリンクをクリック下さいませ。

一方、レアなカヴァーも2曲。デーコン・ブルーのT-5. 「 マイケルへのメッセージ 」 は1990年にリリースしたバカラック&デイヴィッド作品4曲入りEPからの1曲。なかなかお目にかかれない代物です。それとブッカー・T&ジ・MG'sのT-13. 「 小さな願い 」 。1992年リリースのStax未発表曲集に収められていたもので、こちらも本コンピ集以外では見たことありません。貴重な音源かと…。

尚、1990年に同名タイトルのコンピ集がUKでリリースされてるようですが、ジャケット・収録曲とも全く異なる別物です。お間違えなきよう。


【データ】
『 BACHARACH & DAVID They Write The Songs 』
V.A.

CD:1997年リリース
レーベル:NECTAR(UK)
番号:NTRCD073

This compilation Ⓟ1997 NECTAR Ⓒ1997 NECTAR
NECTAR is a devision of QUALITY SPECIAL PRODUCTS
Made in the UK.

 

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