LIPPY LIP BACHARACH/V.A. (1998年)
ポリグラム・グループ音源のなかから選曲した日本編集のバカラック物コンピ集です!
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1. TRAINS AND BOATS AND PLANES ~ Astrud Gilberto ~ F
2. DONNE-MOI MA CHANCE (TOO LATE TO WORRY) ~ Sophia Loren ~ F
3. QUESTO AMORE E' PER SEMPRE (ANY OLD TIME OF THE DAY) ~ Dalida ~ F
4. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME ~ Lou Christie ~ M
5. MAKE IT EASY ON YOURSELF ~ Connie Francis ~ F
6. ALFIE ~ Jerry Butler ~ M
7. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU ~ Marva Whitney ~ F
8. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD ~ Roy Ayers ~
9. MESSAGE TO MICHAEL ~ James Brown ~
10. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE ~ James Brown ~ M
11. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU ~ Willie Bobo ~ M
12. ANY DAY NOW ~ James Brown ~ M
13. DON'T MAKE ME OVER ~ Lyn Collins ~ F
14. REACH OUT FOR ME ~ Lyn Collins ~ F
15. THIS EMPTY PLACE ~ The Fortunes ~ M
16. WIVES AND LOVERS ~ Wes Montgomery ~
17. IN THE LAND OF MAKE BELIEVE ~ Dusty Springfield ~ F
18. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU ~ Jimmy Smith ~
19. KEEP ME IN MIND ~ Patti Page ~ F
※ メイン・ボーカル入りの曲は、F (Female-女性)、または M (Male-男性) と表記
収録時間約58分
ポリグラム・グループ音源のなかから選曲した日本編集のバカラック物コンピ集です!
日本のバカラック第一人者たる坂口修氏が、マーキュリー、フィリップス、ポリドール、MGMやヴァーヴなどのヴォーカル物を中心にコンパイルしたそうです。(因みに、ポリグラム・グループは1999年にユニヴァーサル・ミュージック・グループに吸収され現在は存在しません)
─ 特に、フランス語やイタリア語で歌われる、一味違った Bacharach カヴァーと、"James Brown"とその仲間によるファンキーなテイク等をお楽しみ頂きたい。 ─ (坂口氏のコメント、ライナーより)
私のレコメンドは、坂口氏のコメントとほぼ同じでございます。
まずはT-2. 「 トゥー・レイト・トゥ・ウォーリー 」 のフランス語版。歌っているのはあのソフィア・ローレン。歌うんだ。陽気でノリが良い金管バリバリのアレンジで、彼女の歌も元気で勢いがあります。この曲のオリジナルはバブス・ティーノ。バカラック研究本の 『 SONG BY SONG 』 にはこの曲のカヴァーとして4バージョンがリストアップされているのですが、全てフランス語バージョン! んで、最初にカヴァーしたのがソフィア・ローレンなんです。
そしてT-3. 「 エニイ・オールド・タイム・オブ・デイ 」 をイタリア語で歌っているのはダリダ。誰だっ?て感じですが、(この際下手なダジャレは置いといて)簡単なプロフィールは上記表の注釈※2をご覧ください。この曲のオリジナルはディオンヌなのですが、ライナーによるとシェイラのフランス語バージョン(先日拙ブログで紹介したヤツ)を基にしてカヴァーしたんだそう。
これら3作品をリリース順に並べたのがこの表。シェイラ版がディオンヌ版とほぼ同じテンポ&同じキーなのに対して、ダリダ版は速めのテンポでキーもかなり高くなってます。イタリア語特有の巻き舌の発音も加わり、ダリダ版は幾分おてんばな印象を受けます。本来ドリーミーなこの曲に一番マッチしているのはフランス語で歌っているシェイラ版かなぁ。(注:あくまでも、レスリー・アガムズ(こちらで紹介)やスー・レイニー等のとってもドリーミーなバージョンを含めずこの3作品のみで比較した場合の話です)
因みに、ダリダはイタリア語でカヴァーする前の1964年にフランス語でカヴァーしています(注釈※2参照方)。こうなると、そのフランス語バージョンもちょっと聴いてみたいですねー。
アルバムの中盤は “ JBまつり ” 状態です。脇を固めるのはJBファミリーの二人の歌姫。マーヴァ・ホイットニーがT-7. 「 ディス・ガール 」 をファンキーに歌い、リン・コリンズがT-13. 「 ドント・メイク・ミー・オーヴァー 」 をソウルフルに、T-14. 「 リーチ・アウト 」 をメロウに歌っています。御大ジェームス・ブラウンは3曲披露! まずT-9. 「 マイケルへのメッセージ 」 ですが、JBは歌わずオルガンを弾くまくります。腕前は素人に毛が生えた程度でちょっと笑っちゃうんですが、ソウルフルなグルーヴ感は流石です。続くT-10. 「 世界は愛を求めてる 」 は疾走感のあるディスコ調のカヴァー。1976年リリースなのでもうディスコの時代なんですね。T-12. 「 エニィ・デイ・ナウ 」 は原曲のR&Bフィーリングを生かしたソウル・バージョン。サビの部分でのカッチョいいブラスとJBのシャウトがたまりません。
他に、クールでまったりした歌声が心にしみるアストラッド・ジルベルトのT-1. 「 汽車と船と飛行機と 」 、ラウンジ風なオルガン・プレイが個人的に好きなジミー・スミスのT-18. 「 遥かなる影 」 あたりも個人的にはレコメンドです。
JBファミリーのバカラック・カヴァーは他のバカラック物コンピ集では見かけません。そういう意味で貴重なコンピ集ではないでしょうか?
【データ】
『 LIPPY LIP BACHARACH 』
V.A.
CD:1998年7月15日リリース (ライナーは坂口修氏)
レーベル:POLYDOR K.K.
番号:POCP-1667
THIS COMPILATION Ⓟ1996 POLYDOR K.K.
DISTRIBUTED BY PolyGram K.K.
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