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2017年12月

2017年12月31日 (日)

Milo Pavlović Berlin Big Band/Milo Pavlović & Berlin Big Band (1984年)

ドイツのビッグバンドによる1984年のアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全11トラック中、バカラック作品は1トラック

B3. THE BELL THAT COULDN'T JINGLE (2:07)


トランペッターのミロ・パブロビッチとベルリン・ビッグバンドによる1984年のアルバムです。

収録されてるバカラック・カヴァーはクリスマス・ソングの 「 ザ・ベル・ザット・クドゥント・ジングル 」 。本来であれば12月24日にアップした前回記事(この曲のオリジナル・バージョン&所有する全カヴァーをご紹介)よりも前に取り上げたかったのですが…。LPがオランダのお店から送られてきたのはクリスマスの後でした(>_<) まぁ、クリスマスが過ぎるとスパッと正月準備モードに切り替わる日本と違って欧米では年明けくらいまでクリスマスの余韻が残ってるみたいですからね。あまり気にせず紹介しちゃいますぅ。

ミロ・パブロビッチは、1930年ユーゴスラビア(現:セルビア)ベオグラード生まれのトランペット奏者。まずラジオ・ベオグラードのオーケストラで頭角を現します。1957年から西独ケルンWDR(*1)のクルト・エーデルハーゲン・オールスター・バンド、1968年からはベルリンのSFB(*2)ビッグ・バンドで活躍。1982年に自身のバンド “ ベルリン・ビッグバンド ” を立ち上げて、以降バンド・リーダー及びソリストとして活動したお方だそうです。 (裏ジャケのライナーを参考にしました)

(*1) WDR = Westdeutscher Rundfunk Köln = West German Broadcasting Cologn : 西ドイツ放送協会
(*2) SFB = Sender Freies Berlin = Radio Free Berlin : 自由ベルリン放送協会

Imgp5298www LPジャケットの中には二つ折りになったピンナップが入ってました(画像参照、サイズはH300mm x W600mm)。裏ジャケの写真から察するに、真ん中左に仁王立ちしてるのがミロ・パブロビッチさんでしょうね。
それにしても、コレを部屋に飾る人いる? 飾るんだったら演奏してる場面の方がいいなぁ~。

アルバムA面5曲はスタンダード曲中心、B面6曲はクリスマス向けという選曲。ホリデーシーズンにリリースされたのでしょう。バカラック・カヴァーの 「 ザ・ベル・ザット・クドゥント・ジングル 」 はB面の3曲目に収録されています。イントロはAメロ~A'メロ間のつなぎ部分のコード進行を流用したもの(*3)で、他のカヴァーではみられないアレンジです。本編のメロディは一部を除いてトランペットが演奏しているのですが、ワウワウミュートを用いたと思われる音色はなかなかユニーク(好き嫌いはあるでしょうけど)。リズム&テンポともに軽快で金管やサックスの音にもキレがあり、この曲本来の良さを損なわないアレンジ&演奏だと思います。

(*3) 曲のキーがCメジャー(ハ長調)の場合で、C - Am - CM7 - Am

それにしても、1969年のアニタ・カー・シンガーズ以降カヴァーがなかったこの曲をミロ・パブロビッチはよく発掘したなと。同じトランペット奏者であるハーブ・アルパートの 『 Christmas Album 』 を聴いてどうしても演奏したかったのか? 2年後の1986年にオランダのリタ・ライスがこの曲をカヴァーしたのは本作がきっかけだったのか? …などなど、とても興味深いです。

Imgp5315ccc アルバム全体の印象は、派手さはないけどアレンジも含めてマナーの良いビッグ・バンドだなぁ…というもの。BGMとして安心して聴けます。レコメンドはB4. 「 ETUDE OPUS NR. 10/3 ("E"-Dur) 」 。あのショパンのエチュード第3番作品10-3 「 別れの曲 」 を♩≒92の16ビートにアレンジ。シブくてカッコイイです(メロディを吹くトランペットがイマイチでそれがチト残念…)。

ちなみに、Berlin Big Band でネット検索すると同名バンドのサイトが出てきます。ちゃんと活動してるようなのですが、本作と同じバンドなのかは判断付かず…。どなたかご存知の方いらっしゃいましたらコメントお願いいたしますぅ。

それでは、良いお年を~paper


【データ】
『 Milo Pavlović Berlin Big Band 』
Milo Pavlović & Berlin Big Band

LP:1984年リリース
レーベル:Hoechst (West Germany)
番号:B-1581

詳細クレジットは不明
Arranged by Alyn Ainsworth (A1,B1,B3,B5.), Werner Windler (A2.), Robert Pronk (A3,A5,B4.), Francy Boland (A4.), Jerry van Rooyen (B2,B6.)

* Amazonでは取り扱い無し (私はDiscogsで購入しました)

2017年12月24日 (日)

THE BELL THAT COULDN'T JINGLE/Paul Evans (1962年)

米男性シンガーソングライターのポール・エヴァンスが1962年にリリースしたシングル。バカラックのクリスマス・ソングで、これがオリジナルです。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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所有シングルはラジオ局用プロモ仕様

A. GILDING THE LILY
B. THE BELL THAT COULDN'T JUNGLE (2:28)


米男性シンガーソングライターのポール・エヴァンスが1962年の12月にリリースしたシングルです。

所有シングルはラジオ局用プロモ仕様で、レコード番号は本来のK-499ではなくてK-499X。これってA/B両面とも 「 THE BELL THAT COULDN'T JUNGLE 」 となってまして。バカラック研究本 『 SONG BY SONG 』 を読んでこの曲はA面だとばかり思っていたのですが、ポール・エヴァンスの公式サイトによるとこの曲はB面でA面は 「 GILDING THE LILY 」 という曲みたい(勿論バカラック作品ではありません)…。本記事ではポール・エヴァンスの説を採用してB面だったということにしています。

ポール・エヴァンスは1938年生まれ。歌手として1950年代後半から1960年代にかけて何曲かヒットを放ちました。一方ソングライターとしてはエルヴィス・プレスリーやパット・ブーンらに曲を提供。最大のヒットは1962年のボビー・ヴィントン 「 Roses Are Red (My Love) 」 で全米1位となりました。

今回取り上げる 「 ザ・ベル・ザット・クドゥント・ジングル 」 はバカラックの数少ないクリスマス・ソングのひとつ。このポール・エヴァンスのバージョンがオリジナルです。作詞はラリー・キュジックで、のちに 『 ゴッド・ファーザー 』 の愛のテーマや 『 ロミオとジュリエット 』 の愛のテーマなどの作詞を担当したお方。バカラックと共作したのはこの曲だけのようです。

クリスマスのベルが泣いている ジングルが鳴らないよ~って
サンタはすぐにその理由がわかった 鈴が入ってないからさ

「 わたしがクリスマスの贈り物をあげよう イヴには鳴るようになる 」 とサンタは言った
そうしたら霜の妖精が涙を凍らせ 鈴に変わったんだ
壊れたベルは直り ジングルはいつまでも鳴り続けた


歌詞の大意はこんな感じ。壊れたベルがサンタのおかげでジングルを鳴らせるようになった…というなんとも心温まるお話なんですねー。詞先 or 曲先、どちらなのかわかりませんが、変拍子や凝った転調もなく曲は割とシンプル。とはいっても、メロディが高低飛んだりしてバカラックらしさは感じられます。途中で 「 ジングル・ベル 」 の歌詞とメロディを引用してるのが面白いし楽しいですね。

アレンジ&指揮はバカラック自身が担当。2拍目と3拍目のコードを鳴らすチェンバロ、キラキラしたグロッケンの音色、“ パンパパン、パパン ” と歌う女性バックコーラスなど特徴的なアレンジも楽しい雰囲気を作っています。ポール・エヴァンスの歌声は特徴なく印象に残りませんが…。

数日前のフジテレビ 『 おじゃMAP!! 』 でこの曲がBGMで流れました(ただし、バート・バカラックのバージョン)。いきなりでビックリしたのですが、同時に嬉しくもありました。今年秋には野宮真貴さんもカヴァーしましたし、このシーズンに少しずつこの曲が認知されていくとよいなと思う今日この頃です。


ここからはオマケです。MP3データしか持ってない 「 ザ・ベル・ザット・クドゥント・ジングル 」 のカヴァーをご紹介。

次の表はこの曲のカヴァーをリリース順に並べたものです(リリース月は不明のものが多いため同年の曲は前後するかもしれません)。前述したとおり、オリジナルは①ポール・エヴァンスです。
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そして、これらのカヴァーの元曲は何か?という観点でグルーピングしたところ、大きく4種類にグルーピングできました(グループA~D)。なお、グルーピングにそぐわないバージョンもありました(グループZ)。
Tbtcj_2

各グループの中で、レコメンドのバージョンのみ簡単にご紹介。グループAは割愛しますが、 ③ボビー・ヘルムス版については以前バカラック物コンピ盤で取り上げました

Mc_4グループBの3曲は全てレコメンド。ですが、⑤ハーブ・アルパート&ティファナ・ブラス⑫グレータ・マタッサ&クリッパー・アンダーソンは既に収録アルバムを紹介済みなので、⑱ステファノ・シグノリーニ & The MC のみ言及します。
ステファノ・シグノリーニ(読み方は自信ありません^^;)はイタリアの男性シンガーソングライターだそう。つい最近リリースしたクリスマス・アルバム 『 Christmas 』 でこの曲を取り上げています。とにかくイントロのアカペラが最高です。3曲のうちでもアカペラの透明感とハーモニーの美しさは一番でしょう。彼の歌唱も含めて曲全体は軽やかなフィーリングなのですが、唯一残念なのが本編に入ってからのギターのがさつな音色。ホントに惜しいです。

R4345641298576415jpegWtsグループCでは、まず⑥バート・バカラックのセルフ・カヴァーを紹介しないわけにはいかんでしょう。A&Mレーベルのアーティストによるクリスマス・アルバム 『 Something Festive! 』 (画像左)に収録されたのですが、バカラック名義でシングルもリリースしたようです。イントロ用にあらたにメロディを付けるなど単に①ポール・エヴァンス版をなぞるだけじゃないぞという気概を感じます。なお、メイン・ヴォーカルは女性コーラスです。
レコメンドがもうひとつ。⑯ウィー・スリー・シングスで、女性1人、男性2人の3人組アカペラ・グループです。ちなみに男性の1人、Trist Curliss は2014年よりマンハッタン・トランスファーに加入してるお方。口によるパーカッションも駆使して全編3人のアカペラのみでこの曲を歌っています。素晴らしいです。米映画 『 ピッチ・パーフェクト 』 を思い出しちゃいました。4曲入りEP 『 We Three Sings! 』 に収録されています。

R272672214918336597868png_2グループDは3曲。全てレコメンドですが、⑩ヨンジン⑰野宮真貴さんのアルバムは紹介済み。ということで、その2曲の元になった⑦アニタ・カー・シンガーズのバージョンをご紹介します。
1969年リリースのクリスマス・アルバム 『 Spend This Holiday With Me 』 に収録。途中で聴こえる子供の歌声、「 ジングル・ベル 」 を引用する手前で叫ぶ “ Listen ! ”、アウトロでの茶目っ気のある “ ジングル ” の輪唱、いずれもアニタ・カーらしいアレンジだと思います。



最後にグループZ。レコメンドは⑨リタ・ライスで、既にアルバムを紹介済みでございます。また、唯一のインスト物である⑧ミロ・パブロビッチ & ベルリン・ビッグバンドもレコメンドです。(*)

(*) 2017/12/31 追記


【データ】
「 THE BELL THAT COULDN'T JINGLE 」
Paul Evans

7"Single:1962年12月リリース
レーベル:Kapp (US)
番号:K-499  (所有シングルはK-499X: ラジオ局用プロモ仕様)

Produced by Allen Stanton
Orchestra arranged and conducted by Burt Bacharach
Written by Burt Bacharach and Larry Kusik

*入手可能な収録アルバムはありません。
  また、7"シングルもAmazonでは取り扱っていません。(私はDiscogsで購入しました)

2017年12月17日 (日)

SPREAD YOUR WINGS AND FLY/Laura Nyro (2004年)

1971年5月30日、ニューヨークのフィルモア・イーストで行われたローラ・ニーロのライヴを収録したもの。バカラック・カヴァーを1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全12トラック中、バカラック作品は1トラック

5. Medley: WALK ON BY / DANCING IN THE STREET (4:58)


Img037ggg1971年5月30日、ニューヨークのフィルモア・イーストで行われたローラ・ニーロのライヴ録音アルバムです。彼女の死後7年経った2004年にリリースされました。

先日(12月10日)の “ 山下達郎のサンデー・ソングブック ” でローラ・ニーロが歌う 「 ウォーク・オン・バイ 」 が流れました。以前ご紹介したアルバム 『 ANGEL IN THE DARK 』 (2001年リリース)の 「 ウォーク・オン・バイ 」 ではなく、1994年2月の来日公演を収めたライヴ盤  『 An Evening With Laura Nyro 』 (2003年リリース) からの1曲。私の知らないバージョンです。これはっ!と思いAmazonでポチッとしかけたのですが、5ケタのお値段に目がテンwobbly。いやいや、お小遣いの少ないオジサンにはちょっとキツイな~。

ポチッ を断念して他のストアを探している時、今回ご紹介するアルバムにもライヴ・バージョンの 「 ウォーク・オン・バイ 」 が入ってることを知りました。プライスも手が届くゾ。…てなワケで本作をゲットした次第。

1947年生まれのローラはこのライヴの時点ではまだ23歳。でもでも、ピアノ弾き語りで歌うローラのストレートで骨太なパフォーマンスはキャリアを十分積んだベテラン・シンガーのよう。アルバム終盤ではローラの歌声もちょっとかすれ気味だったりしますが、ただただ歌の力に引き込まれます。

収録曲は12トラック全17曲。ライヴということもあってかメドレーが多いです。17曲の内訳は、7曲がソウル・ナンバーのカヴァーで残り10曲がローラのオリジナル。カヴァーのうちの1曲がバカラック・ナンバーのT-5. 「 ウォーク・オン・バイ 」 で、マーサ・リーヴス&ザ・ヴァンデラスの 「 ダンシング・イン・ザ・ダーク 」 とのメドレーとなっています。

「 ウォーク・オン・バイ 」 は、ゆたりとしたR&Bフィーリング溢れるカヴァー。

Photo_6 『 An Evening With Laura Nyro 』 と 『 ANGEL IN THE DARK 』 は、ライヴ/スタジオの違いはあっても1994年のほぼ同じ時期の録音ということもあって似ています。それらと較べると、同じピアノ弾き語りでテンポも同等なのに本作は微妙に雰囲気が違うんですよねー。私なりに出した答えがピアノ左手で弾く “ ベース・ライン ” の違い。表にまとめましたが、本作は1拍目/2拍目の裏/4拍目に音の頭が来るパターンで一貫しているのに対し、1994年はフィーリングが異なる複数のパターンが登場します。だからかなと。

ヴォーカルの表現力はメロディをフェイクしたりする1994年の方が明らかに上。でも、私にとってシンプルに心に響くのは本作の 「 ウォーク・オン・バイ 」 。このあたりは個人的な好みの範疇になるんでしょうけどねー。


【データ】
『 SPREAD YOUR WINGS AND FLY : LIVE AT THE FILLMORE May 30, 1971 』 (邦題:飛翔~ライヴ・アット・フィルモア・イースト)
Laura Nyro

CD:2004年3月9日リリース (所有CDは、2004年7月22日リリースの日本盤。ライナーは渡辺亨氏)
レーベル:Columbia / Legacy (所有CDは、Sony Music Direct (Japan))
番号:CK 92493 (所有CDは、MHCP 244)

Produced for compact disc by Al Quaglieri
Recorded debut / Recorded 5/30/71

2017年12月10日 (日)

Have yourself a merry little Christmas/Rita Reys (1986年)

オランダのジャズ・シンガー、リタ・ライスが1986年にリリースしたクリスマス・アルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全12トラック中、バカラック作品は1トラック

6. THE BELL THAT COULDN'T JINGLE (2:13)


オランダのジャズ・シンガー、リタ・ライスが1986年にリリースしたクリスマス・アルバムです。

リタ・ライスは1924年生まれ(2013年没、享年88)。リリース当時62歳ということになりますが、“ Europe's First lady of Jazz ” として知られるリタにとって本作は初めての(そして唯一の)クリスマス・アルバムなんだとか。

バックの演奏は、リタの御主人でもあるピム・ヤコブスのピアノ・トリオとメトロポール・オーケストラ。オーケストラの指揮とアレンジはロジャー・ヴァン・オッテーロー。リタは1971年にバカラック・カヴァー集 『 Rita Reys sings Burt Bacharach 』 をリリースしているのですが、その時も彼はオケのアレンジと編曲をしていました。

─  The subtle swing of the trio, combined with the genuine warmth of strings, adds a fresher and brighter quality to these familiar songs. トリオの巧みなスイングとストリングスの本物の暖かさとの組み合わせは、これらおなじみの曲をより生き生きと明るく描き出します。 ─ (ライナーより、超意訳 by あるでお^^;)

私も同感です。T-1. 「 HAVE YOURSELF A MERRY LITTLE CHRISTMAS (あなたに楽しいクリスマスを) 」 、T-2. 「 WINTER WONDERLAND 」 、T-9. 「 THE CHRISTMAS SONG 」 、T-12. 「 WHITE CHRISTMAS 」 の定番曲もいいですし、アニタ・カー作のT-3. 「 IT'S CHRISTMAS TIME 」 やクリスマス・キャロルのT-7. 「 THE STAR CAROL 」 あたりの暖かみあるサウンドを聴いてると体の芯まで温まってきます。

─  One of the most original songs in the world of jingle bells and silver bells is undoubtedly Burt Bacharach's "The bell that couldn't jingle." ジングル・ベルや銀の鈴の歌の世界で最も独創的な曲のひとつがバート・バカラックの 「 ザ・ベル・ザット・クドント・ジングル 」 であることは間違いありません。 ─ (同)

よく発掘したな~と思ったのが、バカラックが作曲した数少ないクリスマス・ソングのT-6. 「 ザ・ベル・ザット・クドゥント・ジングル 」 。1970年代以降は全くカヴァーされてませんでしたからねー。ライナーを書いた方の評価が高いのにもビックリ。

んで、リタ版はとっても素敵なカヴァーとなりました。ストリングスと木管楽器がクラシカルな掛け合いを演じるイントロにまず心が弾みます。このイントロのフレーズは過去のどのバージョンにも見られないものです。本編に入ってからはピアノトリオが主体となるのですが、ウキウキ感がある演奏でピアノのちょっとしたアドリブなんかもいいですね~。リタの歌唱は若干高音域が苦しげですが、秀逸なアレンジに大満足。ただ、惜しむらくは曲の尺が短いこと。もっと長く演奏してくれたら良かったのにー。

Amazonは在庫切れ。そこでDiscogsサイトのアカウントを取得してオランダの中古屋さんから取り寄せたのですが、購入して正解でしたhappy01。まぁ、今月からAmazon/iTunesでダウンロード出来るようになったんですけどね…crying


【データ】
『 Have yourself a merry little Christmas 』
Rita Reys

CD:1986年リリース  ライナーノーツ: Imme Schade van Westrum
レーベル:Polydor (West Germany)
番号:831 254-2

Musical Advice: John J. Vis/Imme Schade van Westrum
Orchestra arranged and conducted by Rogier van Otterloo
  Pim Jacobs - Keyboards
  Ruud Jacobs - Bass
  Peter Ypma - Drums
  Ack van Rooyen - Trumpet
  Ruud Brink - Tenorsax
  Ary Jongman - Flute
  Martin de Ruiter - Hobo
  Roel Koster - Horn
Recorded at Wisseloord Studios, Hilversum, Holland

Ⓟ 1986 Polydor B.V.
Ⓒ 1986 Polydor B.V.
Marketed by Polydor B.V.
Printed in West Germany

↓ 左:CD、 右:MP3

2017年12月 6日 (水)

バート・バカラック・オン・ジャパニーズ・レア・グルーヴ/V.A. (1998年)

1970年頃にレコーディングされた日本人アーティストによるインストのバカラック物コンピ集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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1. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ 石川晶トリオ ~
2. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ 伊集加代子(スキャット) ~
3. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  ~ 福原彰(トランペット) ~
4. REACH OUT FOR ME  ~ ロック・アカデミー弦楽四重奏団 ~
5. WHAT'S NEW PUSSYCAT?  ~ ロック・アカデミー弦楽四重奏団 ~
6. THIS G'S IN LOVE WITH YOU  ~ 佐藤允彦(ピアノ) ~
7. WALK ON BY  ~ 川原正美(パーカッション) ~
8. PROMISES, PROMISES  ~ ロック・アカデミー弦楽四重奏団 ~
9. ARE YOU THERE (WITH ANOTHER GIRL)  ~ ロック・アカデミー弦楽四重奏団 ~
10. THE LOOK OF LOVE  ~ 宮沢昭、衛藤幸雄(フルート) ~
11. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  ~ 飯吉馨(チェンバロ) ~
12. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ 宮沢昭、衛藤幸雄(フルート) ~
13. ALFIE  ~ ジョー・ヤング(サックス) ~
14. BOND STREET  ~ ロック・アカデミー弦楽四重奏団 ~
15. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  ~ ロック・アカデミー弦楽四重奏団 ~
16. I SAY A LITTLE PRAYER  ~ 松本浩(ヴァイブ) ~
17. THE APRIL FOOLS  ~ 伊集加代子(スキャット) ~

収録時間約50分


Img017ggg 1970年頃にレコーディングされた日本人アーティストによるインストのバカラック物を集めたコンピ集です。

─  録音は 「 小さな願い(石川 晶トリオ) 」 を除き全て1970年に行われたもので、世はまさに万博ムード真っ盛り、進歩と調和を願う人々で溢れ返っていた時代の産物である。これは同時に米ビルボード誌に“イージー・リスニング・チャート”が設けられて約10年(設立は1961年)という第二次イージー・リスニング・ブームの到来を告げる年にあたり、ひいてはポピュラー音楽界における転換の時期でもあった。(中略) さて、こうしたイージー・リスニング・ブームの中で特異な存在として注目を集めていたのが、いま挙げたフランシス・レイと本作の主役バート・バカラックの二人である。各々、絶大なファンを持つ作曲家だが、その個性は実に対照的なものであった。(中略) レイの作品(演奏)は実に新鮮で魅力的なものだった。シンプルで親しみ易いメロディとそのムード、目を閉じればそこに映画のワンシーンが浮かんでくる、といった映像との相乗効果が功を奏して、特に女性ファンが逸早く飛びついたのだ。しかし、レイの人気は数年後には一気に下降線を辿り始め、遂には第一線からの離脱を余儀なくされている。その“雰囲気”にのみ支えられていた彼の人気は聴衆を惹き付けるのも早かったが、同時に飽きられるのも早かったのである。一方、バカラックの人気はどうだったのか。1970年6月22日のニューズウィーク誌では“THE MUSIC MAN 1970”と銘打った彼の特集が組まれ、翌年4月には来日コンサートも開催、大盛況のうちに幕を降ろしている。メロディの美しさやアンバランスな構成に加えて、ブラジル音楽のテンポやR&Bの要素、さらにロックやゴスペルに至るあらゆるジャンルを取り込んだ彼の音楽は、ある人々にとってはビートルズの出現よりも衝撃的なものだったようだ。(後略) ─ (ライナーより)

1970年当時、私は小学1年生。盛り上がったというイージー・リスニング・ブーム(バカラック人気も含めて)を実感してない世代です。このライナーは以前ご紹介した辛口の文章と較べるといささかバカラックを持ち上げ過ぎのような気もしますが、私同様当時を知らない方には参考になると思い長々と引用した次第です。

ライナーには収録元アルバムの情報他が詳しく載っていました。それらをまとめたのが以下の表です。左側に収録元アルバムをリリース順で並べ、右側に対応する曲を記しています。(ジョー・ヤングのT-13 . 「 アルフィー 」 だけは収録元アルバム不明)
Photo

『 バック・トゥ・バカラック 』 というバカラック作品集からセレクトされた6曲はどれもレコメンドです。弦楽クァルテット+αの編成で、αの部分は曲によってピアノトリオや木管楽器などがサポートで加わっているのですが、クラシックと多様なポップスをうまく融合させたアレンジがとっても独創的なんです。クァルテットのみの演奏で中間部に現代音楽っぽい変奏がみられるT-9. 「 アー・ユー・ゼア 」 、疾走感とキレのある演奏が魅力のT-14. 「 ボンド・ストリート 」 は現代でも全く古臭くないです。そして極めつけはT-15. 「 世界は愛を求めてる (愛を求めて) 」 。重厚でクラシカルな前半はまぁ想定の範囲内なのですが、後半の4拍子+3拍子のアヴァンギャルドなリズムは想像を超えています。素晴らしい!

フィリップス・ゴールデン・インストルメンタル・シリーズからの各曲はステレオタイプなイージー・リスニング。ただし、『 フルート・デラックス 』 からの2曲は他とは少し違う肌触りで、特にT-10. 「 恋のおもかげ 」 は美しくハモる2本のフルートとともに数々の独創的なオブリガートが強く印象に残ります。編曲はあの筒美京平さん。やっつけ仕事をしないところは流石です。

T-1. 「 小さな願い 」 のアーティスト名は石川晶トリオとなっていますが、演奏自体はストリングスが加わったイージー・リスニング物です。因みに石川晶さんはジャズ・ドラマーで、1972年にビッグ・バンド編成のバカラック作品集をリリースしています。(こちらを参考下さい)

スキャットの女王、伊集加代子さんも2曲入ってるのですが、彼女のスキャットの素晴らしさが私にはあまり感じられません。アレンジの問題だと思うのですが…。

やはりイージー・リスニングの肝はアレンジですね。改めてそれを感じたアルバムでした。

尚、本アルバムのライナーの最終頁に “ 日本人演奏者による 「 バート・バカラック作品集 」 主要アルバム・リスト ” なるものがありまして。大変貴重な資料だと思いますので、情報の共有化ということで拝借して載せることとします。
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【データ】
『 バート・バカラック・オン・ジャパニーズ・レア・グルーヴ 』 (Burt Bacharach on Japanese Rere Groove)
V.A.

CD:1998年10月21日リリース (ライナーは濱田高志氏 from 土龍団)
レーベル:テイチク・レコード (JP)
番号:TECN-18435

All tracks recorded in 1970 except track 1 in 1969
This Compilation Ⓟ & Ⓒ 1998 Licensed from Shinko Music Publishing Co., Ltd.
Manufactured & Distributed by TEICHIKU RECORDS CO.,LTD. Japan    

2017年12月 3日 (日)

12月9日の NHK 『 名曲アルバム 』 は 「 雨にぬれても 」!

2017年もあっという間に師走になってしまいました。気ぜわしい時季にちょいと一服しませんか?  とゆーことで、今回はNHKのTV番組 『 名曲アルバム 』 のご案内です。

─  『 名曲アルバム 』 は、誰もが耳にしたことのある世界の名曲を、作品ゆかりの地の美しい映像と共にお送りする番組です。 ─
 (番組サイトより)

この番組はクラシック音楽の番組だと思っていました。実際、番組サイトを開いて “ 名曲アルバム100選 ” をクリックするとクラシックの曲がズラリと並んでいます。でも、クラシック・オンリーってワケじゃなかったんですねー。んで、この度めでたく 「 雨にぬれても 」 が取り上げられることになりました。パチパチ。

Photo_2 歌うのはシンガーソングライターのおおはた雄一さん(写真左)で、バックはウクレレ&ベース+オケといった構成。坂本美雨さん(写真右)もコーラスで参加してるんですが、このお二人はそれぞれのソロ活動とは別に “ おお雨 ” という名前でデュオとしても活動してるんですって。息ピッタリの演奏を期待しましょう!

映像ロケ地は米ワイオミング州。 ─  アカデミー賞主題歌賞を受賞した映画「明日に向かって撃て!」の主題歌。アメリカ西部の山岳地域で映画のモデルとなった実在の盗賊団「ワイルドバンチ」の足跡を訪ねる。 ─ (同)

音楽と映像がどうコラボするのか、楽しみです。

編曲: 丸山  和範
<演奏>
  ヴォーカル - おおはた 雄一
  コーラス - 坂本 美雨
  Eベース - 長尾 雅道
  ウクレレ - 松宮 幹彦
  指揮 - 渡邊 一正
  管弦楽 - 東京フィルハーモニー交響楽団

放送日時・チャンネル
  12月  9日(土) 14:55~15:00    NHK 総合
  12月10日(日)   4:20~  4:25    NHK 総合
  12月13日(水) 10:50~10:55    NHK Eテレ
  12月17日(日)   4:20~  4:25    NHK 総合
  12月18日(月)   5:55~  6:00    NHK BSプレミアム

詳細は番組サイトをご覧ください。


ここからはオマケです。MP3データしか所有していないバカラック・カヴァーをご紹介。

41kn8upeeplおおはた雄一さんはこれまでにもバカラックをカヴァーしとられまして。
まずは2008年のアルバム 『 SMALL TOWN TALK 』 収録の 「 雨にぬれても 」 (2:54) 。ウクレレ&ギターのみをバックにほんわかなタッチで歌っています。ちょっと脱力感のある歌い方は独特です。
また、2009年リリースのバカラック・カヴァー集 『 雪と花の子守唄 ~バカラック・ララバイ集~ 』 に 「 ME, JAPANESE BOY I LOVE YOU (ミー・ジャパニーズ・ボーイ) 」 で参加。ラテンなアレンジで意表を突かれました。これはアルバムを所有しておりまして以前拙ブログでもご紹介しております。


81lqharpysl_sl1500__2 坂本美雨さんのお母様は矢野顕子さん。
その矢野顕子さんが2017年11月(というかほんの数日前)にピアノ弾き語りのアルバム 『 Soft Landing 』 をリリースしたのですが、そのなかで 「 WIVES AND LOVERS (素晴らしき恋人たち) 」 (4:51) をカヴァー。これがトンデモなく素晴らしいカヴァーでございました。美しく、激しく、繊細で、エレガントな…う~ん、言葉では表現しきれません。ライヴでこの曲を聴いてみたいです。

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