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2018年2月18日 (日)

BACHARACH BRAVO!/Chris Hinze (1971年)

オランダの男性ジャズ・フルート奏者、クリス・ヒンゼが1971年にリリースしたバカラック・カヴァー集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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A1. THE APRIL FOOLS
A2. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
A3. THE LOOK OF LOVE
A4. TRAINS AND BOATS AND PLANES
B1. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
B2. LET ME GO TO HIM
B3. PAPER MACHE
B4. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU

収録時間約36分


クリス・ヒンゼは1938年オランダ生まれのジャズ・フルート奏者。ハーグ王立音楽院で学び、1969年にバークリー音楽院に留学。1970年には自らのカルテットでモントルー・ジャズ祭に参加してソリスト賞を受賞しました。ジャズからバロック、1974年には尺八の山本邦山など邦楽器奏者とのセッション3部作を録音したり、後年はニューエイジに傾倒するなど幅広いジャンルで活躍した方のようです。

1969年に初リーダー作を録音。カルテットで2枚、クリス・ヒンゼ・コンビネーション名義で1枚のアルバムをリリース(ジャケ裏の3枚のLPジャケットがそれです)したあと、1971年にリリースした4枚目が本作です。

基本はフルート、ピアノ、ギター、ベース、ドラムスのクインテットで、更に一部の曲でフルート4人が参加。あまり馴染みのない編成なので新鮮ではあります。ちょっと残念なのはメンバーの写真がないこと。ジャケットにワケわからん写真使うくらいなら小さくてもいいから載せて欲しかったです…。

Imgp5321ccc_2Imgp5322ccc_2 収録された8曲は全てバカラック&デイヴィッド作品。

そのうちB2.. 「 レット・ミー・ゴー・トゥー・ヒム(恋に生きて) 」 とB3. 「 ペイパー・マシェ 」 はディオンヌがオリジナル。1970年のアルバム 『 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 』 収録曲で、どちらもシングルA面曲になったのですが、あまりカヴァーされていない曲です。超レアな 「 レット・ミー・ゴー・トゥー・ヒム 」 は私にとって初めて聴くカヴァー・バージョンとなりました。

全体にゆったりめで落ち着いたアレンジが多いです。各曲のテンポをその曲のオリジナル・バージョンと比較してみました。レーダーチャートをご覧ください。オリジナルより遅い曲が殆どです。特にA4. 「 汽車と船と飛行機と 」(♩≒72) とB3. 「 ペイパー・マシェ 」(♩≒70) はオリジナルよりグッと遅くて、受ける印象がかなり変わるのが面白い!
尚、B4. 「 遥かなる影 」 のオリジナルはリチャード・チェンバレンですが、ここではカーペンターズと比較しました。
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A面最初のA1. 「 エイプリス・フール 」 やB面最初のB1. 「 ディス・ガイ 」 は、他のどのカヴァーとも違うシンプル且つ幻想的なイントロから始まり、コイツは只者ではないな…と思わせます。全編を通して、クリスはフラッター・タングング(巻き舌)や尺八のような奏法など、派手ではないけれど様々な技を駆使してメロディを奏でています。このアルバムはイージー・リスニングなんかじゃなくてやっぱりジャズなんですね。

落ち着いたアレンジが多いと書きましたが、A2. 「 世界は愛を求めている 」 やA3. 「 恋のおもかげ 」 はクリスやピアノのアドリヴがけっこう多くてハードな仕上がり。特に 「 恋のおもかげ 」 はアヴァンギャルドなアドリヴで、 『 ルパン三世 』 TV第1シリーズの世界観と近しい印象を持ちました(あくまで個人的な感想ですが)。本アルバム中、私のイチオシです。

アドリヴもなく単調なB4. 「 遥かなる影 」 のようにちょっと残念な曲もありますが、どうしてこれまでCD化されてなかったんだろう?と訝しく思ってしまう、掘り出し物のアルバムでございました。地味ですけどねcoldsweats01

R105858615133448519141pngSankyoalto ちなみに、ワケわからんジャケ写は1973年の再発時にクリスの写真に差し替えられ、アルバム名もわかりやすく 『 Hinze Plays Bacharach 』 に変更されました。(画像左です)

再発時のジャケ写でクリスが吹いてるフルート、よく見ると管が平行に2本あります。クリスは曲によって普通のフルートとアルトフルートを吹き分けていますが、どうもU字管のアルトフルートみたいですね。アルトフルートは普通のフルートの1.5倍くらいの長さがあり手が届きにくくなることから、ストレートと一回曲げたU字管の2種類の形状(画像右参照)があるんですって。今回初めて知りましたflair

そのアルトフルートがそうなのかはわかりませんが、クレジットによればクリスのフルートはムラマツ製。日本製フルートが欧米で高い評価を得た最初の製品がムラマツフルートだった…と何かの本で読んだことがありますが、1970年頃すでにそうだっんだっ!?と認識しました。


【データ】
『 BACHARACH BRAVO! 』
Chris Hinze

LP:1971年リリース
レーベル:CBS (Netherlands)
番号:S 64312

Produced by Ruud Jacobs
Arranged by Chris Hinze
Personnel
  Chris Hinze - flute & alto flute
  Henk Alkema - piano & organ
  Wim Overgaauw - guitar
  Roger Cook - bass
  Frank Bennett - drums
  David Porcelijn - flute (A2,B2,B4)
  Rien de Reede - alto flute (〃)
  Govert Jurriaanse - flute (〃)
  Margriet De Wijs - flute (〃)

Chris Hinze plays a silver Muramatsu flute

※ 日本の Amazon での取り扱いはなし

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