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2018年2月 5日 (月)

PROMISES, PROMISES/Original London Cast Recording (1969年)

ミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 のオリジナル・ロンドン・キャスト・アルバムです。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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A1. OVERTURE  ~ Orchestra ~
A2. HALF AS BIG AS LIFE  ~ Anthony Roberts
A3. UPSTAIRS  ~ Anthony Roberts
A4. YOU'LL THINK OF SOMEONE  ~ Betty Buckley, Anthony Roberts
A5. OUR LITTLE SECRET  ~ Anthony Roberts, James Congdon
A6. SHE LIKES BASKETBALL  ~ Anthony Roberts
A7. KNOWING WHEN TO LEAVE  ~ Betty Buckley
A8. WANTING THINGS  ~ James Congdon
A9. TURKEY LURKEY TIME  ~ Donna McKechnie, Miranda Willis, Susi Pink
B1. A FACT CAN BE A BEAUTIFUL THING  ~ Anthony Roberts, Kelly Britt
B2. GRAPES OF ROTH  ~ Orchestra ~
B3. WHOEVER YOU ARE, I LOVE YOU  ~ Betty Buckley
B4. WHERE CAN YOU TAKE A GIRL?  ~ Ronn Carroll, Jay Denyer, Ivor Dean, Don Fellows
B5. CHRISTMAS DAY  ~ Toni Eden, Eula Parker, Jackie Lee, Barbara Moore
B6. A YOUNG PRETTY GIRL LIKE YOU  ~ Anthony Roberts, Jack Kruschen
B7. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  ~ Betty Buckley, Anthony Roberts
B8. PROMISES, PROMISES  ~ Anthony Roberts

所要時間約44分


ミュージカル 『 プロミセス・プロミセス 』 のオリジナル・ロンドン・キャスト・アルバムです。

本家ブロードウェイ版 『 プロミセス・プロミセス 』 の好評を受け、ロンドンのウエスト・エンドで1969年10月にオープン。560回上演してこちらも好評だったそうです。ジャケットにクレジットされていた主なスタッフ及び主要キャストは以下表のとおり。ブロードウェイ版も併記しました。
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照明と演出を除いてブロードウェイ版(以降、BW版)のスタッフが名を連ねています。Original production directed by とわざわざBW版の演出家までクレジットされていますし、アルバムのジャケットもそっくり。BW版と同じクオリティを目指したものと推察します。

チャック役のトニー・ロバーツについては 『 バカラック自伝 』 にエピソードが載っています。BW版のリハーサル中のこと。脚本のニール・サイモンがチャック役のジェリー・オーバックを嫌ってトニー・ロバーツの起用をプロデューサーに進言。香港からトニー・ロバーツをニューヨークに呼び戻したのですが、急にニール・サイモンがジェリー・オーバックを代えないと言い出して結局この話はおじゃんに。ウエスト・エンド版(以降、WE版)のチャック役は彼以外あり得なかったのかも…。トニー・ロバーツはその後、ブロードウェイで2代目チャックとなったそうです。良かったね、トニー。

フラン役のベティ・バックリーは1947年生まれで1969年当時22歳。出身地のテキサス州で一度は会社勤めをしたものの同年ニューヨークにやってきてブロードウェイ・デビューしたばかりでした。BW版のフラン役ジル・オハラがその後鳴かず飛ばずだったのに対して、ベティ・バックリーは映画/TV/ミュージカルなど幅広く活躍。ミュージカル 『 キャッツ 』 のブロードウェイ初演でグリザベラ役を演じて1983年トニー賞助演女優賞を受賞しています。尚、Wikiによればブロードウェイ何度目かの米国内ツアーの時にもフラン役を演じたそうです。

BW版が上演中ですから当然別の役者がキャスティングされているのですが、唯一の例外はミス・デラ=ホヤ役のドナ・マッケニー。のちにミュージカル 『 コーラスライン 』 で1976年のトニー賞主演女優賞を獲得しています。ブロードウェイは代役に交代したのかな。

表の主要キャストのうち英国の役者はカークビー役とアイケルバーガー役の2人のみ。ただ、役名は載ってないけれどB5. 「 クリスマス・デイ 」 を歌う女性4人組のうちアイルランド生まれの歌手Jackie Lee(ジャッキー・リー)と英国生まれでスキャットの女王として知られるBarbara Moore(バーバラ・ムーア)はWE版ならでは…なんだそう(某サイトの受け売りです^^;)。

Imgp5329cccImgp5332ccc 曲目はBW版と同じなのですが、構成面では細かいところでいくつか違いがあります。A3. 「 二階の僕の部屋 」 はBW版が2コーラス歌うのに対して1コーラスのみ、A9. 「 ターキー・ラーキー・タイム 」 では中盤にある間奏部に1小節挿入してドラムスのアドリブを強調、B3. 「 あなたはあなた 」 は終止形で終わるBW版に対しフェードアウトで終わる、B5. 「 クリスマス・デイ 」 の冒頭にフルートのソロを4小節追加する代わりにBW版にあるアウトロを省略、B8. 「 プロミセス・プロミセス 」 でBW版はフェードアウトですが終止形で終わっている、といったところです。

アレンジは基本同じなのですが、オケのメンバーや指揮者は現地調達でしょうから表現上の違いがみられます。例えばA1. 「 序曲 」 の前半、「 去りし時を知って(もうさようならの時) 」 のサビをトランペットが吹くところ。2小節だけ音型を比較してみたのがコレ。
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1969年のアルバム 『 MAKE IT EASY ON YOURSELF 』 でバカラックがセルフ・カヴァーした 「 去りし時を知って 」 のサビの音型はBW版と瓜二つ。─  わたしの書いたパートを、わたしが希望する通りのかたちでプレイさせることに強くこだわっていた ─ とBW版リハーサルの模様をバカラックが自伝で触れていますが、ナルホド納得です。片やWE版にバカラックが関与することはなかったのでしょう。自伝にもそんな記述ありませんし。
それと、B6. 「 可愛い女の子(若くてかわいい女の子) 」 だけキーが2度高いです。ドレイファス医師役の声域に合わせて移調したのでしょう。

トニー・ロバーツはジェリー・オーバックより4歳若いのですが、このアルバムを聴く限り逆なんじゃ?と思えます。声質は似ていますが声量が少し負けてるのかなと。A3. 「 二階の僕の部屋 」 やA4. 「 誰かいるさ 」 のようなアップテンポの曲では所々リズムに乗れない部分もあったりして。私はジェリー・オーバックに軍配を上げます。

ベティ・バックリーとジル・オハラは同い年。お互いブライトな声質で声量もあり甲乙つけがたいです。幾分ネコ声気味のベティ・バックリーの方が茶目っ気ある印象を受けますが、フラン役をどう演じるかに関わる話でありどちらがいいとは言えません。軍配は引き分けです。個人的な好みを言うとベティ・バックリーかな。

このミュージカルで最もお客さんに受ける場面でチャック役とB1. 「 事実は美しいはずなのに 」 を歌うマージ役。これはWE版のケリー・ブリットがもう抜群です。酔ってチャックをおちょくる女性を表情豊かに演じていて、チャック役のトニー・ロバーツをうまくリードしています。フラン役との絡みがイマイチなトニー・ロバーツもこの曲では生き生きとして息の合った絡みをみせます。

BW版とWE版を比較して雰囲気がちょっと違うと思ったのはコーラス形式で歌うB5. 「 クリスマス・デイ 」 。テンポが速めでゴージャスなBW版に対し、WE版はゆったりしたテンポで情感豊か。雰囲気が好きなのはWE版の方です。

このWE版の中古LPを私はDiscogsのマーケットプレイスでゲットしたのですが、2010年に米国 Kritzerland レーベルから1,000枚限定でCD化されていることをごく最近知りました。日本のAmazonでは扱ってませんが、UKとドイツの Amazon では扱ってるようです。とはいっても新品は売り切れてて中古だけ、しかもお値段かなりするようですが。内容的にはBW版と大きな違いはありませんから、興味ある方は中古LPをリーズナブルな価格で購入するのがよろしいかと。


【データ】
『 PROMISES, PROMISES 』
Original London Cast Recording

LP:1969年リリース
レーベル:United Artists (UK)
番号:UAS 29075

クレジットは前述の表を参照ください。

※ 日本の Amazon での取り扱いは無し

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