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2018年3月11日 (日)

THE ROYAL MARINES Play BURT BACHARACH/Band of H.M. Royal Marines (Royal Marines School of Music) (1974年)

英国王立海兵隊音楽学校軍楽隊が1974年にリリースしたバカラック作品集です。

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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A1. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD / MAGIC MOMENTS
A2. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
A3. WHAT'S NEW PUSSYCAT?
A4. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
A5. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
A6. TO WAIT FOR LOVE / (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
B1. THE WORLD IS A CIRCLE
B2. ALFIE
B3. WIVES AND LOVERS
B4. TRAINS AND BOATS AND PLANES / I SAY A LITTLE PRAYER
B5. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
B6. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE

収録時間約41分


英国王立海兵隊音楽学校軍楽隊によるバカラック作品集です。1974年にEMIからリリースされました。

軍楽隊の前身となるドラム隊が創設されたのは1664年のこと。350年以上も前ですょ、スゲェ! 現在、英国海兵隊軍楽隊部門には基地/部隊付きの5バンドと音楽学校1バンドの計6バンドが所属。各軍楽隊はそれぞれ多数のLP/CDをリリースしているみたいです。なお、H.M.は Her (His) Majesty の略で 陛下 という意味。 the Royal Marines は 英国海兵隊 のこと。 ⇒ H.M. Royal Marins を 英国王立海兵隊 と訳すんだそうです。

Photo

本アルバムはこのうち 音楽学校軍楽隊 によるもの。1966年公開の劇場版 『 THUNDERBIRDS ARE GO (邦題:サンダーバード) 』 に出演したのはあまりにも有名ですネ。映画のエンド・クレジットに同期して、当時のヴィヴィアン・ダン中佐指揮のもと当時ケント州ディ-ルにあった海兵隊音楽学校構内広場で 「 サンダーバードのテーマ 」 を演奏・行進した模様がフィルムに収められています。演奏自体はスタジオ録音したものみたいですが、素晴らしいです。 → 演奏はこちら

この音楽学校には悲しい歴史が…。1989年9月22日、IRAがディールの音楽学校を爆破して11人が死亡し22人が負傷するという痛ましい事件が起きました。その後1996年に音楽学校は現在のハンプシャー州ポーツマスに移り、ディールは閉校に…。跡地には記念の庭が作られ、毎年7月には軍楽隊が野外コンサートを開いてるそうです。

ちょっと横道にそれました。本題に移ります。本アルバムは吹奏楽編成38名による演奏で、指揮者はポール・ネヴィル中佐 (1970年にヴィヴィアン・ダン中佐から交代)。編成上の特徴はトランペットではなくコルネットを吹いている点。英国の吹奏楽ではトランペットよりも音がまろやかなコルネットを用いるのが伝統なんです。 (トランペット/コルネット/フリューゲルホルン聴き較べ → ヤマハサイト)。

バカラック作品15曲、計12トラックをレコーディング。カヴァー定番曲ばかりかと思ったら、B1. 「 ザ・ワールド・イズ・ア・サークル(地球はまるい) 」 が入っててビックリ! 映画 『 失われた地平線 』 の挿入歌ですが、滅多にカヴァーされないレア曲ですからねー。

とてもやわらかい響きのサウンドは素晴らしいのひとこと。演奏レベルは高いです。音質もクリアで録音技術も優秀なんじゃないでしょうか。基本的にはコンサートマーチ(行進用ではなくステージ演奏用のマーチ)のスタイルにアレンジされていますが、聴く人を楽しませる工夫もあって決して退屈ではありません。編曲したレイ・ウッドフィールドは海兵隊軍楽隊の作曲家/編曲家で、音楽学校で教鞭も取っていたそうです。

では、簡単に1トラックずつコメントしていきます。

Img_0275eee_3 A1. 前半の 「 雨にぬれても 」 、格調高くなったり剽軽になったり目まぐるしく変わるイントロを聴いてるだけでもアレンジャーのサービス精神がわかろうというもの。♩≒120のマーチ・テンポのまま迎えた後半の 「 マジック・モーメンツ 」 は、木管の可愛らしいフレーズや吠えるホルンなど、アレンジも演奏も楽しいです。

A2. 「 ディス・ガイ 」 : トランペット・ソロがフィーチャーされた曲で、アレンジは大人しめ。ソロ吹いてる方、ホント上手です。

A3. 「 何かいいことないか子猫チャン 」 : 最初は子猫チャンと遊んでたけど、途中でボス猫が出てきて怒鳴られシュンとなり…。そんな情景が浮かんでくるとってもユニークなアレンジ。本アルバムで1,2を争う楽しさです。

A4. 「 恋よさようなら 」 : イントロ冒頭とエンディングはスローですが、真ん中は♩≒120のマーチ・アレンジ。イントロと間奏で聴こえるピッコロ・フルートによる可愛らしいオブリガートは私のお気に入りとなりました。

A5. 「 サン・ホセへの道 」 : イントロは金管によるファンファーレ風。本編は軽快なマーチです。

A6. 前半の 「 トゥ・ウェイト・フォー・ラヴ(愛のおとずれ) 」 、後半の 「 愛の思い出(恋のウェイト・リフティング) 」 ともにわりと素直なアレンジです。

Img_0274fff_2 B1. 「 ザ・ワールド・イズ・ア・サークル(地球はまるい) 」 : ティンパニ、スネア・ドラム、テューバ、サックス/トロンボーン、コルネットと少しずつ楽器が音を積み重ねていくイントロはまるで映画のオープニングのよう。本編からのシンフォニックでいて軽快なサウンドはミュージカルの雰囲気。素敵なアレンジと演奏で、この曲を聴けただけでも本アルバムを入手した甲斐がありました。

B2. 「 アルフィー 」 : トロンボーン・ソロをフィーチャーした、リズム無しのスローな演奏。トロンボーンの裏でフルートやクラリネットが吹くオブリガートの細やかさにうっとりします。

B3. 「 素晴らしき恋人たち 」 : ちゃんとジャズ・ワルツの雰囲気になってます。Aメロでメロディを吹くコルネットに相槌を入れるフルートとシロフォンのオカズが個人的にはレコメンド。残り40秒となったところでスローダウンするのですが、そこでのクラリネット・ソロも素敵です。

B4. 「 汽車と船と飛行機と 」 と 「 小さな願い 」 を♩≒116の8ビート風マーチのリズムでメドレー。「 汽車と船と飛行機と 」 のAメロと 「 小さな願い 」 のAメロがマッシュ・アップできることに初めて気づきました。

B5. 「 遥かなる影 」 : シャッフルのリズムですから一応カーペンターズ版を下敷きにしてるのですが、サビの後も例の5連符は使ってないし多種多様なオブリガートも独自のものばかり。テンポも速くなったり遅くなったりします。ここまでシンフォニックな 「 遥かなる影 」 はなかなかありません。

B6. 「 世界は愛を求めてる 」 : スローで徐々にクレシェンドしていく45秒間のイントロ。4分の3拍子と8分の6拍子を重ねて演奏するユニークなAメロ。普通のジャズ・ワルツのBメロ。なんともユニークなアレンジです。

吹奏楽によるバカラック集といえば、1972年の航空自衛隊航空音楽隊 『 ダイナミック・マーチ・イン・バカラック 』 があります。本アルバムとはかなり趣が異なりますが、どちらも内容の濃いバカラック集だと思います。


【データ】
『 THE ROYAL MARINES Play BURT BACHARACH 』
Band of H.M.Royal Marines (Royal Marines School of Music)

LP:1974年リリース
レーベル:EMI (UK)
番号:TWOX 1013

Produced by Bob Barratt
Arranged by Ray Woodfield
Conductor:Lieutenant-Colonel Paul Neville, MVO, FRAM, RM.
(Principal Director of Music, Royal Marines)

The instrumentation of the Band for this album comprised
  3 flutes
  1 oboe
  8 clarinets
  1 bass clarinet
  1 bassoon
  2 alto saxophones
  1 tenor saxophone
  4 French horns
  6 cornets
  3 trombones
  1 euphonium
  3 tubas
  1 double bass
  3 percussion
a total of 38 first-class musicians.

Trumpet solo : Band Corporal Jonathan Yates (A2.)
Trombone solo : Musician Michael Eastbrook (B2.)

Recorded at EMI's Abbey Road, London, Studios
Ⓟ 1974 EMI Records Ltd

※ 日本の Amazon での取り扱いはなし

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