« 2018年3月 | トップページ | 2018年5月 »

2018年4月

2018年4月29日 (日)

SONGS FROM "LOST HORIZON" AND THEME FROM OTHER MOVIES/Ed Ames(1972年)

米国の男性シンガー、エド・エームスが1972年にリリースした映画音楽集です。収録曲の半分は映画『 LOST HORIZON(失われた地平線) 』からのチョイス!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
Fullsizeoutput_137 Fullsizeoutput_13d

A1. BUTTERFLIES ARE FREE (from "Butterflies Are Free")
A2. MICOL'S THEME (from "The Garden of the Finzi-Continis")
A3. THE SUMMER KNOWS (Theme from "Summer of '42")
A4. SPEAK SOFTLY LOVE (Love Theme from "The Godfather")
A5. WHERE DO I BEGIN (from "Love Story")

B1. THE WORLD IS A CIRCLE (3:25)
B2. LIVING TOGETHER, GROWING TOGETHER (3:00)
B3. QUESTION ME AN ANSWER (2:55)
B4. REFLECTIONS (3:21)
B5. LOST HORIZON (3:30)

収録時間約33分


米国の男性シンガー、エド・エームスが1972年にリリースした映画音楽集です。

本作は前回記事で取り上げた 『 Sings the Songs of Bacharach and David 』をDiscogsで探している時に見つけました。へぇ〜、こんなアルバムあったんだ、ということで併せて購入したものです。なお、エド・エームスについては前回記事を参照ください。

タイトルにもあるように、収録曲の半分 〜 LPのB面全て 〜 はバカラック&デイヴィッドが音楽を担当した1973年の映画 『 LOST HORIZON(失われた地平線) 』 からのチョイス。A面では1曲目から『 バタフライはフリー 』('72)、『 悲しみの青春 』('70)、『 思い出の夏 』('71)、『 ゴッドファーザー 』('72)、『 ある愛の詩 』('70) のテーマ曲や愛のテーマをカヴァーしています。

ここで1つ疑問が。『 失われた地平線 』 の全米公開は1973年2月で、サントラ盤のリリースは一ヶ月前の1973年1月(1972年12月という説もあり)です。対して、本作は1972年にリリースされてるっぽいのです。レーベル面の(P)1972、ジャケット裏の(C)1972という刻印から判断するに、少なくとも1972年制作なのは間違いないところ…。映画公開や本家サントラ盤リリースよりも前に制作してるって、どーゆーこと

R360544013946523923520jpeg

 

 

─  アメリカでは、《 BELL RECORDS 》から発売される1年前に、配給会社の《 COLUMBIA PICTURES 》がデモンストレーション用の非売品アナログLPをプレスしているんです。それも、珍しいブルーのクリア・ヴィニール・レコード。 ─  (映画サントラ盤リイシューCDの日本盤ライナーノーツより、坂口修氏の発言)

そのデモ用LP、Discogsで調べたら見つかりました(ジャケット画像はDiscogsより拝借)。デモ用LPの収録曲は正規サントラ盤と全く同じようです。RCA Victor は映画がヒットするだろうと踏んで、このデモ用LPを元にして早々に本作を制作・リリース → 漁夫の利を得ようとしたのではないか? まぁ、あくまで私の想像に過ぎませんが…。

Fullsizeoutput_140_3Fullsizeoutput_144_3

 

 

 

バックの演奏は、ドラムス、ベース、ギター、キーボード(オルガン系と思われる)にフル・オーケストラが加わるという、本家サントラ盤に勝るとも劣らない豪華なもの。低く朗々としていて若干ビブラートがかかるエド・エームスの歌声は、ハツラツとはしていませんがこういったミュージカルっぽい曲との相性は悪くないんじゃないかと思います。

でも、私が本作で一番評価しているのはアレンジです。例えば、イントロ。5曲全て本家とは違うイントロなんですねー。B1. 「 ザ・ワールド・イズ・ア・サークル(世界はまるい) 」 とB2. 「 リヴィング・トゥゲザー、グロウイング・トゥゲザー 」 はどちらも原曲にイントロは無いのですが、ストリングスと木琴が三連符を右肩上がりで刻む 「 世界はまるい 」のイントロ、クラシカルなストリングスが独自のメロディを奏でる 「 リヴィング… 」 のイントロ、共に独創的且つ曲にマッチしていると思います。アコギの刻みが印象的なB3. 「 クエスチョン・ミー・アン・アンサー 」 のイントロ、何やら昭和歌謡曲の雰囲気があるB4. 「 リフレクションズ 」 のイントロもどちらもオリジナリティがあって私は本家よりエド版の方が好みだったりします。B5. 「 ロスト・ホライズン 」 も原曲はイントロなしですが、サビのメロディをイントロに持ってきています。

原曲と幾分テイストが違う 「 ロスト・ホライズン 」 を除いて全体的なテイストは本家から大きく外れていません。プロデューサーは最初からそういう縛りを課したのかもしれません。その中で、アレンジャーはイントロをはじめとして新鮮なオブリガートやイントロをうまく再利用した間奏など色々工夫を施しています。アレンジャーは2人とも力量ある方なんだと思います。

んで 「 ロスト・ホライズン 」 ですが、原曲(♩≒124)よりもかなり遅いテンポ(♩≒88)で重厚感あるシンフォニックなアレンジが施されています。ショーン・フィリップスが歌った原曲はあまりスケール感を感じないものでしたが、エドの豊かな声量もあって雄大な景色と地平線をイメージする曲になっています。

本作単独でCDリイシューするのは難しそうですが、『 Sings the Songs of Bacharach and David 』 とセットでの 2 on 1 CD化をなんとか実現して欲しいですね〜。『 失われた地平線 』 のサントラを(5曲だけではあっても)カヴァーしようなんて酔狂なアルバム、滅多にありませんから。


【データ】
『 SONGS FROM "LOST HORIZON" AND THEME FROM OTHER MOVIES 』
Ed Ames

LP:1972年リリース(?)
レーベル:RCA Victor (US)
番号:LSP-4808

Produced by Joe Reisman
Arranged and Conducted by Perry Botkin, Jr.  (A1,A3,B2,B4.)
Arranged and Conducted by Bill Reddie  (A2,A4,A5,B1,B3,B5.)
With the Jimmy Joyce Children's Chorus  (B1,B3.)

(C) 1972 RCA Records
(P) 1972 RCA Records

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2018年4月22日 (日)

Sings the Songs of Bacharach and David/Ed Ames (1971年)

米国の男性シンガー、エド・エームスが1971年にリリースしたバカラック集です!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
Img_0278 Img_0280

A1. MAKE IT EASY ON YOURSELF
A2. NIKKI

A3. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU

A4. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE

A5. THE LOOK OF LOVE

A6. WIVES AND LOVERS

B1. ALFIE

B2. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE

B3. HOW DOES A MAN BECOME A PUPPET

B4. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD

B5. I SAY A LITTLE PRAYER

収録時間約32分


米国の男性ポピュラー・シンガー、エド・エームスが1971年にリリースしたバカラック集です!

1927年マサチューセッツ州の生まれ。1928年生まれのバカラックより1年先輩です。50年代は4人組男性ボーカル・グループ、エームス・ブラザースの末弟として活動。エームス・ブラザーズが1963年に活動停止してからはソロ・シンガー&俳優として活躍したお方だそうです。

本作はエドの20作目のアルバムにあたるそうなのですが、Discogsで各アルバムをチェックしたところエドはこれ以前にも時折バカラック&デイヴィッド作品をカヴァーしていました。時間やアレンジャーを照らし合わせると、本作全11曲のうち3曲は過去のカヴァー曲と思われ、残り8曲は新たにレコーディングしたもののようです。
Ed_ames_2

カタログを持っているソニーさん(RCA→BMG→SONY)がいつかCD化してくれるだろうと待っていたのですが、もう無理かな…と断念してつい最近中古LPをDiscogsで購入しちゃいました。演奏はバンド+フルオケ。収録元アルバムが違っていても、プロデューサーが同じだからか1つのアルバムとして聴いても統一感があります。

Img_0282Img_0283

 

 

 

全11曲のうち4曲は所有するコンピCD 『 MAGIC MOMENTS the classic songs of Burt Bacharach 』 に入っていたもの。俗っぽいアレンジには少し工夫が見られるものの心持ち鼻にかかった甘い歌声は大根歌手の趣きでそれほど印象に残らない…。コンピCDの紹介記事に書いたその4曲の評価は今回聴いてもそのままですが(大根歌手はちょっと言い過ぎかな) 、他の7曲の中にはレコメンドな曲がありました。

まずは、アルバムの中で(エドにとっても)唯一のバカラック書き下ろしのB3. 「 HOW DOES A MAN BECOME A PUPPET 」 。コレが聴きたくてこのLPを購入したようなものです。でも、聴いてみてあれっ? となりました。カヴァー・バージョンも含めて初めて聴く曲のはずなのに、この3拍子の曲はどこか聴き覚えがあるぞ…と。バカラックA&M2枚目のアルバム 『 MAKE IT EASY ON YOURSELF 』 に収録されていたインスト・ナンバー 「 SHE'S GONE AWAY(シーズ・ゴーン・アウェイ) 」 のAメロと一緒なんですょ。調べたところ、この曲は 「 シーズ・ゴーン・アウェイ 」 をベースとしてBメロ(サビ?)のメロディとコード進行を変えたものにハル・デイヴィッドが詞を付けた曲だと判明。納得しました。曲のタイトルは、直訳すると 「 どうしたら男は人形になるのか… 」 てな意味でしょうか。意味深ですねー。ダイナミックなエドの歌唱は却って男の悲哀(たぶん…)を感じさせます。

そしてレア曲のA2. 「 ニッキ 」 。バカラックが1966年にシングル・リリースしたのがオリジナル。1971年のバカラックA&M3枚目のアルバム 『 BURT BACHARACH 』 にはリメイク版が収録されています。エドは1967年のアルバムで取り上げていますから、すぐにカヴァーしたワケですね。アレンジはバカラック版とほぼ同じですが、エド版の最大の特徴は、バカラック版や他のカヴァーがインスト曲なのに対してハル・デイヴィッドの歌詞が付いたヴォーカル・バージョンであること。貴重なバージョンです。
曲名の " Nikki " とはバカラックの娘さんの名前。エドのウォームな歌声はこの曲と相性が良く、バカラックの我が娘に対する思いを代弁しているかのようです。

A5. 「 恋のおもかげ 」 も好カヴァーです。気怠いムードを醸し出すブラスの音色とベースの派手な動きがこのアルバムの中ではちょっと異色で、ジャズ寄りのテイスト。エドのヴォーカルは相変わらず大根チックなのですが。

低音楽器がクラシカルなメロディをユニゾンで奏でるB5. 「 小さな願い 」 のイントロ部や、目立たないものの各曲のあちこちで見られる独自のオブリガートなど、アレンジャーがしっかり仕事しているのがわかります。さすがはRCA。「 HOW DOES A MAN BECOME A PUPPET 」 に「 ニッキ 」 と2曲も目玉があるこのアルバム、裏ジャケではエドの両側にバカラックとデイヴィッドが仲良く並んで写ってますし、CDリイシューしたらバカラック・ファンは喜ぶと思うんですけどねー。


【データ】
『 Sings the Songs of Bacharach and David 』
Ed Ames

LP:1971年2月リリース
レーベル:RCA Victor (US)
番号:LSP-4453

Produced by Jim Foglesong
Arranged and Conducted by Jimmie Haskeil (A1,A4,A6,B1,B3,B5.)
Arranged and Conducted by Perry Botkin, Jr. (A2,A5,B4.)
Arranged and Conducted by Larry Muhoberac (A3,B2.)
Recorded in RCA's Music Center of the World, Hollywood, California

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し


2018年4月15日 (日)

ライブの感想 CLOSE TO YOU 〜Burt Bacharach Song Book〜 Apr. 15, 2018

『バカラックの作品を愛してやまない音楽家たちによるスペシャルライブ』を聴いてきました!

2018年4月15日(日)
 11:30 Open
 12:00〜12:50 1st Show
 13:15〜14:15 2nd Show
 @渋谷 Live & Pub gee-ge.
出演:
① 梶山敏弘 - Vo (M)
② nica - Vo (F)
③ 徳田真由美 - Pf, Key
④ 岸淑香 - Pf, Key, 鍵盤ハーモニカ, シャカシャカ
⑤ 菊田茂伸 - Bs
⑥ 須之内丈典 - E.Gt, A.Gt
⑦ 迫優大 - Ds

ライブの場所は渋谷公園通りをちょっとあがったところにあるライブハウス gee-ge.(ジージ)。まったりさんのブログで知り合ったずずさんと10時に待ち合わせて “ 初めまして ” のご挨拶。近くのカフェでバカラック談義に花を咲かせて脳内を十分活性化させたあと、雑居ビル4階にあるジージへ向かいました。

(画像は全てクリックすると大きくなります)

1 2

前の方にずずさんと並んで座り、気が付いたら40〜50程度あった座席は一杯に。12時を少し回った頃、ライブがスタートしました。

セットリスト(詳しい曲解説付きのセットリストが配られました)

<1st Show>
1. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE(サン・ホセへの道) ⑤
2. I SAY A LITTLE PRAYER(小さな願い) ⑥
3. WIVES AND LOVERS(素晴らしき恋人たち) ② F
4. IT WAS YOU   ② F
5. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME(愛の思い出) ⑤
6. WALK ON BY(ウォーク・オン・バイ) ① M
7. ANY DAY NOW(エニィ・デイ・ナウ) ① M
8. A HOUSE IS NOT A HOME(ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム) ④ FM

<2nd Show>
1. CASINO ROYALE(カジノ・ロワイヤル) ③
2. RAINDROPS KEEP FALLIN' ON MY HEAD(雨にぬれても) ⑦
3. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE(世界は愛を求めている) ① M
4. THE LOOK OF LOVE(恋のおもかげ) ① M
5. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN(恋よさようなら) ⑥
6. ONE LESS BELL TO ANSWER(悲しみは鐘の音とともに) ⑦ F
7. ALFIE(アルフィー) ② F
8. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU(遙かなる影) ① FM

※ ヴォーカル入りの曲は、F(Female - nicaさん)、M(Male - 梶山さん)と表記
* また、アレンジした方を出演者の○数字で示しました。
3 4
5 6

全16曲、すべてバカラック縛りのライブ。ピアノ、キーボード、ギター、ベース、ドラムスのクインテット編成+男女ヴォーカルの計7名。ポップ、ジャズ、ボサノヴァ、サンバ、レゲエ、カリビアン、R&B/ソウルなどの様々なスタイルでアレンジされた演奏はバラエティに富んでいてとても楽しめました。声に張りがあってパワフルなnicaさん、シブい低音且つソウルフルな歌声の梶山さん、ヴォーカルのお二人も素晴らしいパフォーマンスでした。1-3. 「 素晴らしき恋人たち 」 でピアノの徳田さんが同じジャズ・ワルツである 「 私のお気に入り 」 のメロディを挿入したのをはじめ、バックの皆さんも遊び心たっぷりの演奏でした。

特に印象に残った曲をいくつか。バカラック・カヴァー定番曲がほとんどのなか、椎名林檎がオリジナルのバラード 1-4. 「 IT WAS YOU 」 は2017年5月リリースのデモ音源集を除けば初めて耳にするカヴァー。チャレンジングな選曲だったと思いますが、オリジナルよりエモーショナルなnicaさんの歌には心を奪われました。

1-6. 「 ウォーク・オン・バイ 」 での ” あっちへ行って! ” という手の振りや、一瞬ジェイコブ・コリアーがアレンジしたのか?と錯覚したR&B色の濃い 2-4. 「 恋のおもかげ 」 など、多彩なアレンジも含め梶山さんのパフォーマンスはカッコよかったです。

中盤アップテンポのルンバ調になるアレンジが新鮮な 1-8. 「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」、サンバのリズムでノリノリの 2-8. 「 遙かなる影 」、デュエットのこの2曲は圧巻でしたね。ラストの曲「 遙かなる影 」 でエンディングのパートを会場みんなで三重唱したのも盛り上がりました。

このライブは、徳田さんが昨夏Twitterでバカラック演りたいと呟いたのがきっかけで実現したライブなんだとか。ずずさんと私は、その徳田さんがTwitterで「 カジノ・ロワイヤル 」 のアレンジについて呟いてるのを見つけてこのライブのことを知りました。というワケで、Twitterに感謝!

↓カーテンコールにて、出演者全員集合!(左から④⑤③①②⑥⑦)
8

2018年4月 8日 (日)

The Happy Hammond Plays The Hits Of Burt Bacharach/Ena Baga (1972年)

英国の女性オルガニスト、イーナ・バガのハモンドオルガンによるバカラック・カヴァー集です!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
Img_0235aaa Img_0237bbb

A1. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
A2. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
A3. ANYONE WHO HAD A HEART
A4. WIVES AND LOVERS
A5. THE LOOK OF LOVE
A6. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
B1. I SAY A LITTLE PRAYER
B2. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
B3. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
B4. TRAINS AND BOATS AND PLANES
B5. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
B6. I'M A BETTER MAN (FOR HAVING LOVED YOU)

収録時間約33分


英国の女性オルガニスト、イーナ・バガが1972年にリリースしたハモンドオルガンによるバカラック・カヴァー集です!

Enabagahammond_3イーナ・バガは1906年ロンドン生まれ。12歳のとき教会のオルガン奏者としてのキャリアをスタートさせ、14歳でプロに。1920年代~1930年代は映画館で無声映画のオルガン奏者をしていたそう。第二次世界大戦後はハモンドオルガンを弾くようになり、1960年代後半~1970年代に本作やレノン=マッカートニー集など10枚以上のアルバムをリリース。本作リリース時は66歳でした。晩年は後進の指導にあたり、2004年に98年の生涯を閉じました。

本作のジャケ写はお肌を露出した若い女性で如何にもイージーリスニングといった趣き。モノクロの裏ジャケにイーナ・バガのお写真載ってはいますが小さ過ぎてイマイチ。つーことで彼女の写真を載せておきます。1968年のアルバムのジャケ写真をトリミングしたもので、62歳のイーナ・バガ。貫録のあるおばさま…という雰囲気ですね。

Ttr4_600pxHammond_t100_series_organ_st_mart_2裏ジャケのライナーによれば、彼女が本作で弾いてるハモンドオルガンはTTRというモデル。でも、Wikiでハモンドオルガンのリストを見ても載っていません。

色々調べたところ、1968年~1975年に生産されたT-100シリーズの英国生産版と判明。画像を比較しても見た目はほぼ同じ。ハモンドオルガンを代表する機種のコンソール型B-3と較べるとドローバーの数や上鍵盤/下鍵盤/足鍵盤の鍵盤数は少なく、一般的にスピネット型と呼ばれる家庭向けの機種のようです。

Img_0238fff Img_0241ggg

 

 

 

 

収録全12曲がバカラック作品。カヴァー定番曲が並んでいますが、1曲だけB6.「 ベター・マン 」はレア度けっこう高いです。

演奏スタイルは、主役のハモンドオルガンTTRにドラムスとパーカッションを加えたもの。全体的な印象はハモンドオルガンによるイージーリスニングです。

オルガンは、上鍵盤(右手)でメロディを、下鍵盤(左手)でコードを、足鍵盤(左足)でベースを弾くというのが基本的な演奏方法。メロディは時折フェイクしたりブロック奏をして、ベースもけっこう足が動いてそれなりに工夫が見られます。が、コードは殆どが和音をベタ弾きか刻んでるだけの実に単純なアレンジで、もう少しオブリガートを入れる等して欲しかったなぁ。

無機質でリズム感があまり感じられないドラムスも残念ポイントの一つ。イージーリスニングのキモはアレンジなのですが、オルガン以外のアレンジは物足りないですねー。A4.「 素晴らしき恋人たち 」でのメロディの変奏やA6.「 サン・ホセへの道 」での軽快なウォーキングベースなど、聴き所と言えるポイントもあるんですが。やっつけ仕事なんだろうなぁ。


【データ】
The Happy Hammond Plays The Hits Of Burt Bacharach
Ena Baga

LP1972年リリース
レーベル:HALLMARK RECORDS (UK)
番号:SHM 767

クレジットなし

日本のAmazonでの取り扱いは無し

 

2018年4月 1日 (日)

Kiss Me/Moon (2018年)

韓国の女性ジャズ・シンガー、Moon のソロ・デビュー・アルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
Img051aaa_3 Img051bbb_3

全10トラック中、バカラック作品は1トラック

1. THE APRIL FOOLS (5:11)


今日は4月1日、エイプリルフール(英語: April Fools' Day)ですね。

英語の April Fool は直訳すると4月ばかですが、エイプリルフールのいたずらにかつがれる人を指すんだそう。今回辞書を引くまで知らなかったです。カトリーヌ・ドヌーブとジャック・レモンが共演した映画 『 The April Fools 』 は複数形だから4月ばか達…ということになりますか。映画の主題歌である 「 THE APRIL FOOLS (エイプリル・フール) 」 の歌詞にもこんなくだりがあります。

─ 私たち二人はまわりの障害に気付かない4月ばかね かつがれていたとしてもかまわないわ 二人の愛は本物なんだから ─ (歌詞の一節を要約)

この映画の邦題 『 幸せはパリで 』 は含蓄ある素敵なタイトルですが、4月ばかの二人というニュアンスまでは表現できてないですからねー。原題タイトルの意味にやっと気付いたあるでおです

Img051sssImg051ddd

 

 

 

 

 

さて、今回紹介するアルバムは、「 エイプリル・フール 」 のカヴァーが収録されているアルバム。韓国のジャジー・ポップ・ユニット、WINTERPLAYの元ヴォーカリストで現在はソロとして活動するヘウォンが Moon 名義で今年2月にリリースしたソロ・デビュー・アルバムです。

1984年、韓国の全州市生まれ。中学生の頃シンガーを目指すようになり、大学でジャズに目覚めて2007年にWINTERPLAYの前身となるバンドに参加。韓国はもとよりアジア各国で人気となるも2016年末に脱退して2017年よりソロ・シンガーとして始動。かねてから日本での活動を希望しており、原田知世のプロデュース・ワークで知られるギタリスト/作曲家の伊藤ゴロー氏をプロデュース&アレンジに迎えて制作したのが本作というわけです。

CDパッケージに貼られていた宣伝ステッカーにも原田知世の推薦コメントが…。そういえば、以前ご紹介した原田知世のアルバム 『 恋愛小説 』 も伊藤ゴロープロデュースでした。

ライナーは英語によるクレジット&歌詞のみ。日本語ライナーノーツを期待してD/LではなくCDを購入したのですが、その点はガッカリ。音質にこだわりなければD/Lでもよろしいかと…。プロフィールその他は ユニバーサル・ミュージックのアルバム紹介 および CDジャーナルのインタビュー記事 を参考にしました。詳しい情報はリンク先を参照ください。

ピアノトリオ+ギターのカルテットを基本として曲によりゲスト・ミュージシャンが加わります。収録されているのは10曲。基本的に歌ってみたかった曲を集めたそう。ジャズ・スタンダードは2曲のみ(T-6,7.)で、あとはロック/ポップスをカヴァーしています。

まずはバカラック・カヴァーから。T-1. 「 4月ばかの二人 」 …じゃなくて 「 エイプリル・フール 」 はアコースティックな肌触りでジャズとアダルト・コンテンポラリーの融合といった仕立て。アグレッシヴなイントロでつかみはOK。オリジナルのディオンヌとは違うことヤルよ!っていう意気込みが伝わってきます。声量はありませんが透明感のあるMoonの歌声はクールな伴奏ともうまく溶け合い、愛し合ってるけれどちょっと不安…というこの曲の微妙なニュアンスもちゃんと伝わってきます。

CDジャーナルのインタビューでは曲ごとにMoonがコメントしてるのですが、残念ながら 「 エイプリル・フール 」 は取り上げられていません。この曲をチョイスしたのはMoon/プロデューサーどちらなのか? Moonのチョイスだとしたら曲に対する想いを知りたかったんですけどねー、残念。

それにしても、ロック/ポップスのカヴァーはなかなかユニークな曲が揃っています。

T-5. 「 キス・ミー 」 はシックスペンス・ノン・ザ・リッチャーの曲。軽いシャッフルのアレンジが新鮮。意外やこの曲では声質がシックスペンス~のヴォーカル、リー・ナッシュに似てるんすょ。Moon、ポップ路線もイケますね。ホール&オーツがオリジナルのT-9. 「 プライベート・アイズ 」 はボサノヴァ風アレンジに乗せたクールなエレピ&ギターが心地良い。Moonのヴォーカルもノリが良くこちらも好カヴァーです。T-8. 「 恋のひとこと 」 はオリジナルのシナトラ父娘版と同じテイストのカヴァー。デュエットしてるTOKUとの相性も良さげです。

他のカヴァーも、T-2. 「 ブラザシア 」 (Yutaka~ブラジル)、T-3. 「 キス・オブ・ライフ 」 (シャーデー)、T-4. 「 クァンド、クァンド、クァンド 」 (トニー・レニス~イタリア)、T-10. 「 絆 」 (橋幸夫!) とバラエティ豊か。因みに、「 絆 」 だけ韓国語で歌っているのですが、全く韓国語に聴こえないのが不思議。

ジャズ・アルバムという触れ込みですが、どちらかといえばアダルト・コンテンポラリーのアルバムと捉えたほうがイメージ合ってるかも。

実は最初 「 エイプリル・フール 」 だけダウンロードしたのですが、なかなか良かったので他の曲も試聴したところ興味が膨らんでアルバムを購入した次第。聴く度にじわっと味が染み出るアルバムだと思います。


【データ】
『 Kiss Me 』
Moon

CD:2018年2月7日リリース
レーベル:Verve / Universal Music LLC (Japan)
番号:UCCJ-2151

Produced by 伊藤ゴロー
Arranged by 伊藤ゴロー (T-1~5,7~9.), 小沼ようすけ (T-6.), ハクエイ・キム (T-10.)
Recorded at STUDIO Dede, Universal Music Studio Tokyo, Ninho do Barata

<参加ミュージシャン>
  Moon - vocals
  伊藤ゴロー - classical, acoustic & electric guitars
  佐藤浩一 - acoustic piano, Fender Rhodes (T-1,2,4,5,7,8.)
  坪口昌恭 - acoustic piano, Fender Rhodes (T-3,9.)
  鳥越啓介 - acoustic bass (T-1,3,4,8.)
  Jrge Helder (ジョルジ・エルデル) - acoustic & electric bass (T-2,7,9.)
  みどりん (SOIL&"PIMP"SESSIONS) - drums (T-1,3,4,8.)
  Rafael Barata (ハファエル・バラータ) - drums, percussion (T-2,7,9.)
Guests:
  太田 剣 – alto saxophone (T-1,2.)
  小沼ようすけ - classical guitar (T-6.)
  TOKU – vocal, flugelhorn (T-8.)
  ハクエイ・キム – acoustic piano (T-10.)

« 2018年3月 | トップページ | 2018年5月 »

★ リンク ★

  • くう・ねる・時々・じゃず
    とても凛としていて、でも柔らかい歌声が魅力のジャズ・シンガー、三善香里さんの公式ブログです。
  • My Willful Diary
    shoppgirlさんが、「心に留めておきたい音楽とあれこれ」をたおやかな言葉で綴っていらっしゃる、素敵なブログです
  • バカラックマジックでまったりと
    バカラックさんをこよなく愛するまったりさんのブログです。バカラックファンとして大先輩でブログの師匠さんでもあります。
2020年9月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
無料ブログはココログ

最近のトラックバック