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2018年8月

2018年8月26日 (日)

CLOSE TO YOU/Jonathan Butler (2018年)

南アの男性シンガー&ギタリスト、ジョナサン・バトラーのバカラック・カヴァー集です!

(画像は全てクリックすると別ウィンドウで大きくなります)
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1. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE
2. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
3. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU
4. ALFIE
5. I SAY A LITTLE PRAYER
6. WALK ON BY
7. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
8. THE LOOK OF LOVE
9. CAPE TOWN
10. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE
11. A HOUSE IS NOT A HOME

収録時間約44分


南アの男性シンガー&ギタリスト、ジョナサン・バトラーのバカラック・カヴァー集です!

ジョナサン・バトラーは1961年生まれ。アパルトヘイト下にあった南アフリカのケープタウンで育ちました。7歳で歌い始め、1973年に最初のアルバムを発表。翌年には12歳で南アフリカ・ベスト・ニュー・アーティスト・グラミー賞を受賞しています。

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そして1975年、13歳の時にリリースした最初のシングル「 PLEASE STAY(プリーズ・ステイ)」(3:40) が南アチャートで2位となりました。この曲はドリフターズのカヴァーで、もちろんバカラック作品。バトラーとバカラックは縁があったんですねー。
バトラーのこの「 プリーズ・ステイ 」はMP3データで所有しています。アレンジは実にオーソドックスで特記するようなことはないのですが、バトラーはまだ子供の声。ジャクソン5時代のマイケル・ジャクソンに近いと言ったらいいでしょうか。カワイイ感じです。

バトラーはそれから約10年後に英国に渡ってメジャー・デビュー。R&B/ソウル、ゴスペル、スムース・ジャズと言った領域で活躍しておられます。

─  このレコードは、婚約者のナディラ・キンバリーからインスパイアされたものなんだ。ある晩、自宅でバカラックのアメイジングな「 CLOSE TO YOU(遥かなる影)」を聴いていて、2人で一緒に演奏し歌ったんだ。このことが僕にこのアメイジングな音楽をやるっていう扉を開いてくれた。1975年、最初のシングルを出したのは13歳の時だったんだけど、それは「 プリーズ・ステイ 」って曲で他でもないバカラックの曲さ。繋がって1つの輪になったって感じかな。 ─  (CDライナーより、私の超意訳で)

全11曲中、自作曲(T-9.)を除いた10曲は全てバカラック&デヴィッドのカヴァー定番曲ばかり。「 プリーズ・ステイ 」をリメイクしてたら面白かったのになぁ。T-1.「 サン・ホセへの道 」とT-5.「 小さな願い 」のみインスト曲で、他ではバトラーの渋い歌声が聴けます。ギター、ベース、シンセ・ベース、ドラム・プログラミングはバトラー自身が担当。トランペット、サックス、ドラムスなどが加わり、婚約者もバイオリンやストリングスで参加しています。

全体的な雰囲気はウォームでスタイリッシュなブラコン。バトラーはスムース・ソウルって紹介されてる例が多いようですが、私のようなおじさんにはピンとこないんですよね。コンテンポラリーなR&B系の凝ったリズムアレンジがとにかくカッコイイです。特に、原曲の4/4拍子を6/8拍子にしたT-4.「 アルフィー 」や原曲の1小節分を2小節分に引き伸ばしたT-10.「 世界は愛を求めてる 」は見事にR&B曲に変身していて感心しました。

アルバムのラスト、T-11.「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」だけはR&B色を消してギターとダブル・ベースをバックにしっとり歌うアコースティック・バージョン。実はこの曲がアルバムで一番のレコメンドだったりします。なんかホッとするんですよね。

R&B系のバカラック・カヴァー集は少ないですから、貴重な存在かと。


【データ】
『 CLOSE TO YOU 』
Jonathan Butler

CD:2018年8月24日リリース
レーベル:Artistry Music (US)
番号:ART7058

Producer:Jonathan Butler
Executive Producers:Gretchen Valade & Denny Stilwell
Jonathan Butler:guitars, bass, percussion, synth bass, drum programming, background vocals, vocal arrangement
Donald Hayes:saxophones, flutes, horn and string arrangement, additional programming
Ramon Islas:drums, percussion
Cameron Johnson:trumpet
Nadira Kimberly:violin, strings
Jodie Butler:background vocals (T-2,4,6,8.)
Antonio Sol:background vocals, co-vocal arrangement (T-2,3,4,6,7,8,10.)
Dan Lutz:upright bass (T-11.)

Recorded at JB Lab Studio - Calabasas, CA and Ocean Studios - Burbank, CA
(P)©️ 2018 Mack Avenue Records ll, LLC. Marketed and distributed worldwide by Artistry Music.

 

2018年8月19日 (日)

The Rare Bacharach 1/V.A. (2003年)

レアな曲・レアなバージョンを53曲集めたオーストラリア編集のバカラック物コンピ集です。

(画像は全てクリックすると別ウィンドウで大きくなります)
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Disc1
1. I CRY MORE  〜 Alan Dale 〜
  M
2. SITTIN' IN THE TREE HOUSE  〜 Marty Robbins 〜
  M

3. LOVE IN A GOLDFISH BOWL  〜 Tommy Sands 〜
  M

4. FROM ROCKING HORSE TO ROCKING CHAIR  〜 Pail Anka 〜
  M

5. BE TRUE TO YOURSELF  〜 Bobby Vee 〜
  M

6. THAT'S THE WAY I'LL COME TO YOU  〜 Bobby Vee 〜
  M

7. WHO'S BEEN SLEEPING IN MY BED  〜 Linda Scott 〜  F
8. TRY TO SEE IT MY WAY  〜 Peggy March 〜  F
9. FORGIVE ME  〜 Noeleen Batley 〜  F
10. WARM & TENDER  〜 Johnny Mathis 〜
  M
11. YOU'RE FOLLOWING ME  〜 Perry Como 〜
  M
12. ROME WILL NEVER LEAVE YOU  〜 Richard Chamberlain 〜
  M
13. FOREVER YOURS I REMAIN  〜 Bobby Vinton 〜
  M
14. WANTING THINGS  〜 Connie Francis 〜  F
15. THE LOVE OF A BOY  〜 Julie Rogers 〜  F
16. ANONYMOUS PHONE CALL  〜 Frank Ifield 〜  M
17. A GIRL LIKE YOU  〜 Adam Faith 〜  M
18. COUNTRY MUSIC HOLIDAY  〜 Adam Faith 〜  M
19. I WAKE UP CRYING  〜 Cliff Richard 〜  M
20. (IT'S) WONDERFUL TO BE YOUNG  〜 Cliff Richard 〜  M
21. THE ANSWER TO EVERYTHING  〜 Del Shannon 〜  M
22. FOOL KILLER  〜 Gene Pitney 〜  M
23. LITTLE BETTY FALLING STAR  〜 Gene Pitney 〜  M
24. THERE GOES THE FORGOTTEN MAN  〜 Gene McDaniels 〜  M
25. LONG AFTER TONIGHT IS ALL OVER  〜 Jimmy Radcliffe 〜  M
26. IT'S LOVE THAT REALLY COUNTS (IN THE LONG RUN)  〜 The Exciters 〜  F
27. LONG DAY, SHORT NIGHT  〜 The Shirelles 〜  F
28. SINNER'S DEVOTION  〜 Tammi Terrell 〜  F
29. I CRY ALONE  〜 Maxine Brown 〜  F
30. WAITING FOR CHARLIE (TO COME HOME)  〜 Etta James 〜  F

Disc2
1. LOOK IN MY EYES, MARIA  〜 Jay and the Americans 〜  M
2. ARE YOU THERE (WITH ANOTHER GIRL)  〜 The Buckinghams 〜  M
3. ANOTHER TEAR FALLS  〜 The Walker Brothers 〜  M
4. THE BREAKING POINT  〜 Normie Rowe 〜  M
5. THE STORY OF MY LIFE  〜 Herman's Hermits 〜  M
6. I FELL IN LOVE WITH YOUR PICTURE  〜 Freddie & the Dreamers 〜  M
7. AFTER THE FOX  〜 Peter Sellers and The Hollies 〜  M
8. KEEP AWAY FROM OTHER GIRLS  〜 Helen Shapiro 〜  F
9. IF I NEVER GET TO LOVE YOU  〜 Marianne Faithfull 〜  F
10. WINDOWS AND DOORS  〜 Jackie DeShannon 〜  F
11. LONG AGO TOMORROW  〜 B. J. Thomas 〜  M
12. SEND MY PICTURE TO SCRANTON, PA  〜 B. J. Thomas 〜  M
13. SOMETHING BIG  〜 Mark Lindsay 〜  M
14. THREE WHEELS ON MY WAGON  〜 The New Christy Minstrels 〜  M
15. LET ME BE LONELY  〜 The 5th Dimension 〜  FM
16. I'M A BETTER MAN (FOR HAVING LOVED YOU)  〜 Engelbert Humperdinck 〜  M
17. DON'T YOU BELIEVE IT  〜 Andy Williams 〜  M
18. TEN TIMES FOREVER MORE  〜 Johnny Mathis 〜  M
19. THE YOUNG GROW YOUNGER EVERY DAY  〜 Peter Yarrow with Burt Bacharach 〜  M
20. MEXICAN DIVORCE  〜 Dan Johnson 〜  M
21. ALL KINDS OF PEOPLE  〜 Jerry Butler 〜  M
22. A HOUSE IS NOT A HOME  〜 Mavis Staples 〜  F
23. I TOOK MY STRENGTH FROM YOU (I HAD NONE)  〜 Sylvester 〜  M

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F(Female-女性)、または M(Male-男性)と表記

収録時間 Disc1 約74分/Disc2 約71分


レアな曲・レアなバージョンを53曲集めたオーストラリア編集のCD2枚組バカラック物コンピ集です。

オーストラリアの再発専門レーベル、Raven Records が2003年にリリース。アルバムのサブ・タイトルは 53 Elusive Songs & Versions, 1956-1978。" elusive " という単語は手持ちの辞書によれば " 理解しにくい、捕えにくい " という意味ですが、ここでは " 手に入れにくい " ということが言いたいんだと思います。

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いつもコンピ集の時に纏めるこのリスト、今回は調べるのにちょっと時間がかかりました。

53曲中、有名曲( = カヴァー定番曲)と言えるのはDisc2-22.「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」のみ。あと、Disc2-2.「 アー・ユー・ゼア 」とDisc2-5.「 ストーリー・オブ・マイ・ライフ 」がそこそこ知られてる曲でしょうか。残り50曲はマニアックな曲目ばかりですからねー。

Disc1は50年代〜60年代半ばまで、Diac2は60年代中心に70年代まで。インスト曲は皆無だし、重複する曲目もありません。その上、オリジナル・バージョンが29曲も入ってます。さらに加えて、他のバカラック物コンピ集では見かけず本コンピ集にしか入ってないバージョンがオリジナル/カヴァー合わせて17曲もあり、17/53 ≒ 0.32 という高打率を誇ります。編者のこだわりはスゴい!

リスト作成に精力を使い果たしてしまいました。個々のバージョンについての特記事項はリストの脚注をご覧ください。以降、個人的なレコメンドや気になった曲を箇条書きで紹介することとします。簡単ですがご勘弁を

🔸ペギー・マーチのDisc1-8.「 恋のアドヴァイス 」:『 ON THE FLIP SIDE 』でジョニー・ソマーズが歌ったのがオリジナル。張りがありちょっと甘えた感じのジョニー・ソマーズに対し、7つ年下のペギー・マーチの方が大人っぽいのが興味深い
🔸コニー・フランシスのDisc1-14.「 欠けているもの(ウォンティング・シングス) 」:レコメンド。どのカヴァーも素晴らしいバカラック集『 Connie Francis sings Bacharach and David 』より
🔸フィフス・ディメンションのDisc2-15.「 レット・ミー・ビー・ロンリー 」:彼ららしいハーモニーが素晴らしいカヴァー
🔸ジョニー・マティスのDisc2-18.「 テン・タイムス・フォーエヴァー・モア 」:1971年の曲なのに、10年前の曲じゃないかと思えるような古風な3拍子の曲
🔸ジェリー・バトラーのDisc2-21.「 オール・カインズ・オブ・ピープル 」:ゴスペルタッチのゆったりしたアレンジにジェリー・バトラーの渋い歌声。心に沁みるカヴァー
🔸メイヴィス・ステイプルズのDisc2-22.「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」:女性R&B/ゴスペル歌手によるこれまた渋い味わいのあるカヴァー
🔸シルヴェスターのDisc2-23.「 アイ・トゥック・マイ・ストレングス・フロム・ユー 」:男性R&B/ソウル歌手による7分近い大作。ファルセットの歌声とストリングスやフルートを多用したアレンジ。ステファニー・ミルズのオリジナル(『 FOR THE FIRST TIME 』収録)よりも個人的には好み
🔸オーストラリアのアーティスト(Disc1-9.のノエリーン・バットレイ、Disc2-4.のノルミー・ロウ、Disc2-20.のダン・ジョンソン)が入ってるのはオーストラリア編集ならでは。オーストラリアでもバカラックは人気だったんだなと。

アルバム・タイトルに " 1 " がついてるのでいずれ続編が出るものと思っていたのですが、残念ながら Raven Records はクローズしてしまった様子(Discogsによれば " Ceased operations in April 2017. ")。" 1 " のマニアックぶりに期待していたんですけどねー。


【データ】
『 The Rare Bacharach 1 53 Elusive Songs & Versions, 1956-1978
V.A.

CD:2003年7月21日リリース
レーベル:Raven Records (Australia)
番号:RVCD-150

This compilation (P)&©️ 2003, Raven Records Australia All Rights Reserved.
Album conceived and compiled by Glenn A. Baker.
Issued by arrangement with EMI Music Australia, Sony Music Australia, Universal Music Australia, BMG Music Australia, Festival Mushroom Group, Nestshare Ltd. and Dan Johnson.

 

2018年8月17日 (金)

追悼 アレサ・フランクリン 〜 バカラック作品を振り返って 〜

いつもあなたとバカラック的 “ 追悼 アレサ・フランクリン ”

Aretha Louise Franklin (March 25, 1942 – August 16, 2018)

昨夜、床についてさぁ寝ようとしていた時、スマホのネットニュースでアレサの訃報を知りました。

今朝ウォーキング中に聴いたiPodのプレイリストは、アレサが昨年リリースした『 A BRAND NEW ME 』。新たに録音したバック・トラックにアトランティック時代のヴォーカル・トラックを乗せたアルバムです。「 リスペクト 」「 シンク 」「 レット・イット・ビー 」「 ナチュラル・ウーマン 」そして「 小さな願い 」。いい曲ばかりですが、それ以上にアレサの歌声が心に響きました。

“ もはや1つのジャンルである ” 的な言い方をよくされるバカラックですが、どんな曲も自分の色に変えてしまうアレサの歌を聴きながら、" アレサも1つのジャンル ” なんだなぁ…と感じ入った次第。

アレサが歌ったバカラック作品で有名なのは「 小さな願い」。USチャートはオリジナルであるディオンヌ(4位)に届きませんでした(10位)が、人気はアレサ版の方が上。映画『 The April Fools(幸せはパリで) 』のパーティ、TVドラマ『 Glee(グリー)』シーズン1のオーディション、映画『 Mr. Wonderful(最高の恋人) 』のパーティでのデュエット、それぞれのシーンで歌われたのは全てアレサ版の「 小さな願い 」ですもんねー。映画『 ベスト・フレンズ・ウェディング 』の海鮮レストランで「 小さな願い 」を大合唱する大好きなシーン、ディオンヌの話題を前振りにして歌い始めたあの場面でさえディオンヌ版とアレサ版の折衷バージョンでしたから…。

アレサが歌ったバカラック作品をまとめて表にしました。リリース順に並べました。私が認識していない曲・バージョンもあろうかと思いますが、その際はご指摘いただけるとありがたいです。(画像は全てクリックすると別ウィンドウで大きくなります)

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個々の曲に関する私のコメントは拙ブログ過去記事をご覧いただければと思います。
以下のアルバム名をクリックするとリンク先に飛びます。No.は上記リスト左端の各曲番号のことです。

WHAT YOU SEE IS WHAT YOU SWEAT No. 7〜10
A BRAND NEW ME No. 1, 16
アトランティック・バカラック・コレクション No. 2〜6, 12〜14
SO AMAZING AN ALL STAR TRIBUTE TO LUTHER VANDROSS No. 11

R591569414062262619073jpeg拙ブログでNo. 15 は未紹介。今回オマケとして紹介します。
アメリカを代表するアーティストとブラジリアン・サウンドとのコラボレーション企画盤『 The Brazil Connection 』(2014年リリース)。Columbia系の大物アーティスト12組が選ばれ代表曲1曲ずつをピックアップ。アレサは1964年の「 ウォーク・オン・バイ 」(3:20) がチョイスされました。当時のヴォーカル・トラックを取り出してボサノヴァにアレンジされたバックトラックと合体。でもねぇ、何か軽い感じでアレサとの相性はイマイチかなぁ…。

超ソウルフルで超パワフルなアトランティック時代。
バカラック書き下ろし曲のバラードが印象深いアリスタ時代。
それぞれに想いを馳せながら今夜もアレサを聴こうと思います。

合掌

2018年8月12日 (日)

The LOVE MACHINE/O.S.T. (1971年)

米映画『 ラブ・マシーン 』のサントラ盤です。バカラック作品は入ってないのですが……。

(画像は全てクリックすると別ウィンドウで大きくなります)
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全13トラック中、バカラック作品は無し!


バカラック作品は入ってないのですが、前回記事でご紹介したバカラック物コンピ集『 MO'PLEN BACHARACH 』との関連で今回取り上げることとしました。

『 The LOVE MACHINE(ラブ・マシーン) 』は、米女性作家ジャクリーン・スーザンが書いた1969年のベストセラー小説を映画化したもの。翌1972年、日本でも公開されたそうです。

んで、このアルバムがハイファイ・レコード・ストアさんでバカラック関連アルバムとして紹介されていました。私はその紹介文を信じてこのアルバム(LP)を購入。届いたLPに同封されていた薄緑色のカード(画像)に書かれた文章は正に紹介文そのものでございます。
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アルバムのクレジット(画像)を確認してみましょう。スコアを書いたのは Artie Butler(アーティ・バトラー)。そして、ディオンヌの歌う2曲の作者は……。

「 He's Moving On (Theme From The Love Machine) 」… Lyric by Ruth Batchelor, Music by Bryan Wells
「 Amanda 」… Lyric by Mark Lindsay※, Music by Artie Butler
※ Mark Lindsay(マーク・リンゼイ)はバカラック曲「 SOMETHING BIG 」のオリジナル・シンガーでもあります。

あれ? おかしいな…。
バカラックじゃねーぞ?

ヴォーカル曲の2曲はそれぞれ<映画に使われたバージョン>と<映画に使われなかったバージョン>の2種類が収録されています。そのうち後者をプロデュースしたのがバート・バカラックとハル・デイヴィッドなんですねっ。

おいおい、プロデュースだけじゃねぇか
ハイファイ・レコード・ストアさーん、どーしてくれるんだよ〜〜。
…… LPを手にした時のショックは今でも鮮明に覚えています。

ま、レコード蒐集には時々あることではあります。冒頭で触れたアルバム『 MO'PLEN BACHARACH 』はもっとヒドくて、スコアの曲であるB-2.「 House Party, Part II  」をバカラック作品と決めつけてそのカヴァー曲を載せていました。拙ブログをご覧の皆さん、同じ過ちを犯しませんように!

Fullsizeoutput_34aFullsizeoutput_34dこの<映画に使われなかったバージョン>、聴いてみると、演奏はもとよりディオンヌのヴォーカルも別録りですね。同じアレンジではあるのですが、バカラック&デイヴィッドがプロデュースしたバージョンの方が音がクリアでよりダイナミクスが大きい印象。

バカラックが全く絡んでいないスコア曲も一部の曲で薄〜い金管が聴けたりして、この件に関してはハイファイさんの紹介文に同意いたしますです。

それにしても、ディオンヌ・ワーウィックのアルバムみたいなジャケットはなんなんでしょ。見開きのジャケット内面左側もディオンヌで、映画のシーンと思しき写真は一切なし。ジャケットの背中部分にはディオンヌのディの字も無いんですが
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ちなみに、1971年にディオンヌは占星術師のアドバイスでアーティスト名を Warwick → Warwicke に変えているのですが、本作でもその綴りになっていますね。

以上、愚痴でした。


【データ】
『 The LOVE MACHINE 』
O.S.T.

LP:1971年リリース
レーベル:Scepter
番号:SPS 595

An Original Score Composed and Conducted by Artie Butler
Album Produced by Neely Plumb IMC Productions, Inc.

※ 日本の Amazon での取り扱いは無し

2018年8月 5日 (日)

MO'PLEN BACHARACH/V.A. (2003年)

イタリア編集のイタリアらしいバカラック物コンピ集です。

(画像はクリックすると別ウィンドウで大きくなります)
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1. Overture da Promesse Promesse (Promises, Promises)  〜 Brunno Canfora 〜

2. I Primi Minuti (I SAY A LITTLE PRAYER)  〜 Marita 〜
  F
3. Gocce Di Pioggia Su di me (RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD)  〜 Renato e i Profeti 〜  M
4. THE PARTY  〜 The Smart Set 〜

5. Non Mi Pentiro (WALK ON BY)  〜 Jenny Luna 〜  F

6. Sola New Sole (I WAKE UP CRYING)  〜 Jenny Luna 〜  F

7. THE LOOK OF LOVE  〜 Santi Latora 〜

8. Quando Tu Vorrai (WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE)  〜 Rita Monico 〜
  F
9. Non Mi Innamoro Piu (I’LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN)  〜 Johnny Dorelli & Catherine Spaak 〜  FM

10. Un Ragazzo Che Ti Ama (THIS GUY’S IN LOVE WITH YOU)  〜 Tony Renis 〜  M

11. Quelli Che Hanno Un Cuore (ANYONE WHO HAD A HEART)  〜 Petula Clark 〜  F

12. Non Dirmi Ninety (DON'T MAKE ME OVER)  〜 Ornella Vanoni 〜  F

13. II Mondo New Tuoi Occhi ((THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME)  〜 Gianni Morandi 〜  M

14. L’ora Dell’addio (KNOWING WHEN TO LEAVE)  〜 Catherine Spaak 〜
  F
15. Non L’ascoltar (DON'T TALK TO HIM)  〜 Gianni Jalenti 〜  M

16. MAGIC MOMENTS  〜 Carla Boni & Gino Latilla 〜  FM

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F(Female-女性)、または M(Male-男性)と表記

収録時間約45分


イタリアの La DOUCE レーベルが2003年にリリースしたイタリア編集のバカラック物コンピ集です。ジャケットのアートワークもなんとなくその時代のラテンの香りがします(嗅いだことないけど)。

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CDケースに小さな文字で書かれたライナーノーツはイタリア語ではなく英語。翻訳ソフトと怪しげな?英語力を駆使して翻訳&要約してみました。バカラックの一般的な説明等は省いてます。

─ バカラックはその紛れもないスタイルで世界中のミュージシャンを魅了し、私たちイタリア人のロマンチックで叙情的な感受性をも魅了しました。バカラック・ベストと言ってもいい16個の宝石を集めたこのコンピ集がその証拠です。素晴らしい Bruno Canfora オーケストラによる『 プロミセス・プロミセス 』の「 序曲 」から Carla Boni と Gino Lattila によるコメディタッチの「 マジック・モーメンツ 」まで、本物のイタリアン・テイストで捉え直したものと言えるでしょう。トラック・リストには、Ennio Morricone と Cantori Moderni di Alessandroni のサポートで「 愛の思い出 」を歌ったGianni Morandi のような有名な名前がある一方、Augusto Martelli アレンジの「 小さな願い 」を歌った Marita のような無名のアーティストもあります。 ─

─ Jenny Luna は中古レコード屋ではよく見る名前で、60年代は非常に人気がありました。「 ウォーク・オン・バイ 」と「 アイ・ウェイク・アップ・クライング 」でクリアで甘美な歌声を聴かせてくれます。インスト曲のトラックのうち、このコンピ集で唯一最近のレコーディングである The Smart Set の「 The Party 」 は、ヴィンテージなサウンドで、バカラックとしては珍しくファンキーな元曲に近い出来です。 ─

─ 編者である Robert Passera と Sir Taylor の2人は、イタリア語で歌われた50年代末から70年代初めにかけてのバカラック作品から数々の素晴らしいカバーを発見しました。Mo’plen の味わいを尊重して魅力的なイタリア語の最も稀で魅力的なレコーディングがコンパイルされているこのコンピ集、世界中のオーディエンスにもお勧めします。 ─
 Lady Vanilla レディ・ヴァニラ(ライター、ジャーナリスト)

なるほど、イタリアでもバカラックの音楽は人気だったのか。でもね、話の骨を折ってレディ・ヴァニラさんには申し訳ないのですが、T-4.「 THE PARTY 」とT-15.「 Non L’ascoltar (DON'T TALK TO HIM) 」はバカラック作品じゃありません。冒頭 “ イタリアらしい ” と書いたワケはこれでして、イタリア人はテキトーだな…と(笑)

間違ってコンパイルされてしまった理由を私なりに推理してみました。以下曲目リストの注釈※2※3をご覧ください。
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英国シンガーのぺトゥラ・クラーク(イタリア語で歌っていますが)を除けばイタリア人アーティストばかり。カトリーヌ・スパークはフランス人ですが幼少期からイタリアでずっと活躍した方なんでイタリア人アーティストみたいなものでしょう。

T-1.「 序曲 」、T-9.「 恋よさようなら 」、T-14.「 去りし時を知って 」の3曲はミュージカル『 プロミセス・プロミセス 』のイタリア・キャストによる1970年のアルバム『 PROMESSE... PROMESSE... 』収録のもの。出来も良く、本コンピ集で一番のレコメンドです。他のどのバカラック物コンピ集にも入ってませんからネ。

あと、イントロのメロディがディオンヌ版とは少し違うT-2. 「 小さな願い 」とキラキラしたピアノのオブリガートが独特なT-3. 「 雨にぬれても 」を除けば、どいつもこいつもアレンジは有名バージョンのほぼコピー。そういう面での面白みは殆どありません。そこがちょっと物足りないところでしょうか。” 世界中のオーディエンスにオススメ ” とは言えないんじゃないかなぁ……。

とはいえ、” バカラックの曲はイタリア語で歌っても全く違和感がない ” ことが分かるコンピ集ではあります。


【データ】
『 MO'PLEN BACHARACH 』
V.A.

CD:2003年6月23日リリース
レーベル:La DOUCE (IT)
番号:DOUCE 511044-2

Selected by Robert Passera and Sir Taylor (the ODOCOUPLE)
Liner notes by Lady Vanilla
La DOUCE is a member label of IRMA Records group.
©️&(P) 2003 IRMA Records.

 

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