ALFIE/Bobby Caldwell (1981年)
ボビー・コールドウェルが1981年にリリースしたシングルです。ディスコ・アレンジの「 アルフィー 」にびっくり!
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A. ALFIE (3:00)
B. TAKE ME BACK TO THEN (3:30)
米国男性シンガーのボビー・コールドウェルは、1951年マンハッタンの生まれのマイアミ育ち。1978年、最初のアルバム『 Bobby Caldwell(イブニング・スキャンダル)』から「 WHAT YOU WON'T DO FOR LOVE(風のシルエット)」が大ヒット。このアルバムや1980年リリースのセカンド・アルバム『 Cat In The Hat(ロマンティック・キャット)』は私もLPをレンタルしてよく聴きました。因みに、彼は日本ではAORですが米国他ではR&BやSmooth Jazzに括られているようです。サウンド的には確かにそうですね。
1981年に所属するT.K. recordsが倒産。その後Polydorと契約して1982年にサード・アルバムをリリースするのですが、倒産する前にT.K. 傘下のMarlinからリリースしたシングルがこのバカラック・カヴァーの「 アルフィー 」でした。
ごく最近このドーナツ盤を入手したのですが、針を落として耳に飛び込んできたのはディスコのリズム。♩≒124のミディアム・テンポでブラスとストリングスが安直なリフを聴かせる70年代ディスコっぽいイントロは、セカンド・アルバムまでのアーバンで大人なサウンドとは明らかに別物。何かの間違いなんじゃなかろうか? …でも、8小節のイントロのあと聴こえてきたのは確かにボビー・コールドウェルの歌声。オー・マイ・ガッ!
メロディは原曲の1小節を2小節にストレッチ。ボビー・コールドウェルは頑張って随所にフェイクを入れて歌っています。バックの女性コーラスもばっちりソウル。なんとかR&B/Soulなフィーリングを出そうとしたのかもしれませんが…。「 アルフィー 」のR&Bやソウル・カヴァーはたくさんあれど、ここまでノリの軽い「 アルフィー 」は聴いた事がありません。
それまでの2枚のアルバムで全て自作曲を歌い2枚目ではプロデュースも手がけた彼が他人の曲をカヴァーしてプロデュースもしていない…ということは、レコード会社から無理やり押し付けられた企画だったのでしょう。(因みに、B面曲は1枚目のアルバム収録曲。紛うかたなき彼のサウンドです。)
私の知る限り、数多あるバカラック物コンピ集には収録されていないようです。珍カヴァーには違いないんですけどねー。YouTube にはアップされていますので、興味ある方はどうぞ。
ここからはオマケです。MP3でしか持っていないバカラック・カヴァーをご紹介。
ボビー・コールドウェルは1995年にリリースした8枚目のアルバム『 Soul Survivor(ソウル・サヴァイヴァー)』で「 ウォーク・オン・バイ 」(4:08) をカヴァー。収録曲は半分以上がカヴァーというこのアルバムの冒頭を飾っています。スムース・ジャズのテイストでカッコよくスタイリッシュなカヴァーなんですが、印象にはあまり残りません。それまでのボビー・コールドウェルとのギャップが大きい「 アルフィー 」の方がインパクトありますもん(笑)。
米国サザン・ソウルの女性シンガーでRegina James(レジーナ・ジェームス)という方がいます。1978年にリリースした彼女唯一のアルバム『 Dancin’ In The Flames Of Love 』で「 アルフィー 」(5:06) をカヴァーしているのですが、これがボビー・コールドウェルの「 アルフィー 」にアレンジがそっくりなんです。リズム・テンポ・オブリガートまでクリソツ! 確認してみると、Musical Assistance & Production Assistance として Bobby Caldwell の名前がクレジットされていました。1978年に他人をプロデュースした際のアイディアを3年後に自身の「 アルフィー 」に活かしたってこと? 意外なつながりにびっくりしました〜。
2023/12/3 追記:ボビー・コールドウェルもバカラックさんの後を追うように今年3月にお亡くなりになりましたね。合掌。
【データ】
「 ALFIE 」
Bobby Caldwell
7" Single:1981年リリース
レーベル:Marlin (US) (T.K. Productions のサブ・レーベル)
番号:MARX-3349
Produced by Clarence Reid, Freddy Stonewall
※ 日本の Amazon での取り扱いは無し
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