LOOK NOW/Elvis Costello & The Imposters (2018年)
エルヴィス・コステロが10年振りにザ・インポスターズと組んだ、2018年10月リリースのロック・アルバム。バカラックと共作した新曲を3曲収録!
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全16トラック中、バカラック作品は3トラック
尚、T-13〜16.は海外では2枚組デラックス・エディションのディスク2に収録されていた曲で、日本盤ではボーナス・トラックとして1CDに収録。
2. DON'T LOOK NOW (2:28)
8. PHOTOGRAPHS CAN LIE (3:38)
12. HE'S GIVEN ME THINGS (4:11)
エルヴィス・コステロが10年振りにザ・インポスターズと組んだ、2018年10月12日リリースのロック・アルバムです。リリースから1週間余り。ネット上では絶賛されていますね。
─ まず何と言っても収録曲が多彩だ。前々から再共作が噂されていた巨星バート・バカラックとの新曲もあれば、ライヴでは披露されていたキャロル・キングとの幻のナンバー、純粋な新曲たち、そして存在は知られていても正式なレコーディングがなされてこなかった曲など、どれも曰く因縁があり、コステロ自身の気合が伝わるアルバムになっている。 ─ (大鷹俊一氏、ラーナーノーツより)
バカラックとの共作アルバム『 PAINTED FROM MEMORY 』から20年。その間、バカラックとコステロは共作曲を生み出していました。バカラックとの共作&本アルバムについて、コステロがインタビューで詳しく語ってくれてます(BARKS、インタビュアーは大鷹俊一氏!)。
【インタビュー】エルヴィス・コステロが戻ってきた
『 PAINTED FROM MEMORY 』をもとにしたミュージカル用と、それとは別のミュージカル用に、合わせて25曲以上も共作していたとは!! そして、本アルバムに収めたのは前者のうちの3曲だとも!!
でも実はわたくし、数年前に以下リンク先のブログを拝見して前者が少なくとも10曲あることを知っておりました。
Connor Ratliff さんのブログ(2014年2月3日付け記事)
コステロとバカラックは、『 PAINTED FROM MEMORY 』をもとにしたミュージカル用に共作した10曲をASCAPに登録した…という内容です。曲名リストの1,3,7曲めが本アルバム収録曲と一致します。これでウラが取れました![]()
それにしても、別のミュージカルというのがオースティン・パワーズだなんて!? ちょっと笑っちゃいますねー。
コステロとバカラックが共作した3曲のうち、装飾音が特徴的なバカラック本人のピアノも含めて最もバカラックの香りを感じるのはT-8.「 フォトグラフズ・キャン・ライ 」。ミディアム・テンポのこの曲、変則的な小節数とひねりの効いたコード進行はまさしくバカラック。コステロの泣き節をうまく引き出すサビのメロディにはバカラックとコステロの相性の良さを強く感じます。
2分半しかないスロー・バラードのT-2.「 ドント・ルック・ナウ 」は変拍子こそあるもののシンプルな美しい曲。アウトロがないところも含めて、映像作品の挿入歌みたいな雰囲気ですね。
これら2曲が Music - B. bacharach とクレジットされているのに対し、ミディアム・テンポの3拍子曲T-12.「 ヒーズ・ギヴン・ミー・シングス 」は Music - E. Costello & B. Bacharach 。バカラック風味が薄いなぁと思ったら、別のインタビュー記事(ローリングストーン誌)でコステロはこの曲にバカラックからアドバイスしてもらうことができた…と語ってました。基本はコステロ作曲なんだと思います。
どの楽曲・演奏もクォリティ高いですが、バカラックとの共作曲以外では力強いロック・ナンバーのT-1.「 アンダー・ライム 」が出色です。また、T-5.「 アンウォンテッド・ナンバー 」は映画『 GRACE OF MY HEART 』の挿入歌として提供した曲のセルフ・カヴァー。サントラ日本盤では「 悲しきラヴ・チャイルド 」という邦題がつけられていました。
本アルバム、普段ロックを聴かない私が繰り返しリピートしても聴き飽きることがありません。ジャンルなど関係なく、ただただいい音楽がここにあります。
ここからはオマケとして、MP3で所有しているバカラック作品をちょろっとご紹介します。
『 LOOK NOW 』の後、コステロ&インポスターズは未発表曲を収めた4曲入りEP『 Purse 』を2019年4月13日に限定リリース。
4曲のうち1曲が、バカラックとの共作曲「 EVERYONE'S PLAYING HOUSE 」(3:05) でした。この曲は、前述した "『 PAINTED FROM MEMORY 』をもとにしたミュージカル用に共作した10曲 ” のうちの1曲。Aメロの最初4小節、旋律が高低行ったり来たりするのはまさしくバカラック節。その後のメロディはコステロ風味の方が強い気がします。変拍子もないし、バカラック度は中位でしょうか。
アマゾンで予約していたのですが全然届かず、8月になって入手困難ということでキャンセルされちゃいました(涙)。その間、5月にはデジタル配信でもリリースされてて、結局EPの注文をキャンセルした後にダウンロードした次第。やれやれ。
2019年9月16日オマケ追記。
【データ】
『 LOOK NOW 』
Elvis Costello & The Imposters
CD:2018年10月12日リリース (所有CDは、同日リリースの日本盤)
レーベル:Concord Records (所有CDは、ユニバーサル ミュージック)
番号:CRE00750 / CRE00791 (所有CDは、UCCO-1197)
Produced by Sebastian Krys & Elvis Costello
T-2.「 DON'T LOOK NOW 」
Music - Burt Bacharach, Words - Elvis Costello
Burt Bacharach - Piano
Elvis Costello - Vocal & Electric Guitar
Steve Nieve - Unichord
Davey Faragher - Bass
Pete Thomas - Drums
T-8. 「 PHOTOGRAPHS CAN LIE 」
Music - Burt Bacharach, Words - Elvis Costello
Burt Bacharach - Piano
Elvis Costello - Vocal & Electric Guitar
Steve Nieve - Electric Keyboard
Davey Faragher - Bass
Pete Thomas - Drums
Sebastian Krys - Percussion
T-12.「 HE'S GIVEN ME THINGS 」
Music - Elvis Costello & Burt Bacharach, Words - Elvis Costello
Elvis Costello - Vocal, Electric Guitar & Celesta
Steve Nieve - Wurlitzer Electric Piano, Grand Piano & Electric Keyboard
Davey Faragher - Bass
Pete Thomas - Drums
Strings Orchestra Written & Conducted by Elvis Costello
Violins (5), Viola (3), Violincello (1)
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