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2018年11月

2018年11月11日 (日)

国立国会図書館での録音資料閲覧体験

国立国会図書館でバカラック物のLPレコードを聴いてきました!

(画像は全てクリックすると別ウィンドウで大きくなります)
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左:東京本館の本館、 右:東京本館の新館

前々回の記事『 バック・トゥ・バカラック 』で触れた『 国立国会図書館での録音資料閲覧体験 』をご紹介します。

─  国立国会図書館法によって、日本国内で発行された全ての出版物(マイクロフィルム、CD、DVD、地図などを含む)を国立国会図書館に納入することが、出版者に義務付けられています。この制度(納本制度)により、国内の出版物を広く収集しています。 ─  国立国会図書館公式HPより

書籍・雑誌や新聞などが網羅的に所蔵されてることは知っていましたが、CDやDVDまで同様に収集してるとは思っていませんでした。2ヶ月前にそのこと知って聴きに行ったワケです。

国立国会図書館は3館(東京本館、関西館、国際こども図書館)ありますが、行ってきたのは東京本館。住所は永田町で、道の反対側は国会議事堂。日本の政治の中心だ〜。

東京本館には本館と新館があります。新館入口から入り、まず利用者登録を行って “ 登録利用者カード ” をゲット。手荷物をロッカーに置き筆記用具などを備え付けの透明袋に入れて入館します(鉄道の改札のような入館ゲートにカードをかざす)。
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左:フロア全体図、 右:1階フロア図

音楽資料や映像資料は、新館1階の音楽・映像資料室で閲覧することができます。
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録音・映像資料の利用には、閲覧許可申請が必要となります。備え付けの “ 閲覧許可申請書 ”(以降、申請書)を書こうとして記入サンプルを見た時、衝撃が走りました。

「 調査・研究結果を論文として発表すること。趣味での閲覧は認めません。

正確には覚えていませんが、大凡こんなことが書かれてたんです。思いっきり趣味なんですけどー 。申請書の目的欄にも(調査事項または研究主題をできるだけ詳しく記入してください)の一文が。
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左:閲覧許可申請書(A4サイズ)、 右:資料請求票(ほぼスマホサイズ)

ここまできて諦めるわけにもいかず、目的欄に「 米国の作曲家、バート・バカラックの曲を調査している。国会図書館に所蔵されている入手困難な過去のレコードを聴いてどのように編曲・演奏されているかを調べたい。」とかなんとか書きました。あと、備え付けのパソコンで聴きたいレコードを検索して “ 資料請求票 ” (以降、請求票)に1タイトルにつき1枚ずつ記入。不安な気持ちで音楽・映像資料室のカウンターに持って行きました。

あるでお:この目的では許可してもらえないでしょうか? 趣味なんですけれど…
スタッフ:この内容では難しいですねぇ…。論文として投稿・発表しないんですか?
あるでお:いいえ、そのような予定はありません
スタッフ:論文じゃなくても、ブログへ発表することはありませんか?
あるでお:バート・バカラックに関するブログは書いているのですが…
スタッフ:それなら、調査・研究結果をブログに発表すると記入くださればOKです
あるでお:具体的なブログ名を記入すれば良いのでしょうか?
スタッフ:そこまでの必要はありません

「 ブログに発表する予定 」と書き添えて、申請書は無事受理されました。請求票も目的に沿った資料かどうかをチェックされ、こちらもOKに。良かった〜〜

番号札を渡され「 ボードにその番号が表示されたらカウンターに来てください 」と言われました。待つこと15分。準備ができたとのことでカウンターに行くと、LPレコードのジャケットと解説一式を手渡され、番号札と同じデスクに座りました。

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デスクには液晶パネル(スマホの液晶画面と同等サイズ)が埋め込まれ、密閉型のヘッドホンが備え付けられていました。液晶パネルでは、再生・前後曲の頭出し・ボリューム・A面⇄B面切替・レコード盤チェンジ などの操作ができるんです。なんじゃこれはっ!?

カウンター内のでっかいラックに設置されていたのは、アナログプレーヤーではなくてレーザーターンテーブル(画像)。これが計4台ラックに収まってました。レーザーターンテーブルは、針ではなくレーザー/光でレコードを再生するプレーヤー。だから前後曲の頭出しが遠隔操作できるんだー、納得。ただし、A面⇄B面切替・レコード盤チェンジについては自動ではなく、液晶パネル操作 → カウンターに通知 → スタッフが手で操作していました。ちなみにこのプレーヤー、『 タモリ倶楽部 』2018年3月17日放送の「 アナログオーディオ出張販売シリーズ①  激レア ターンテーブル大試聴会! 」に登場しました。スタンダード型で75万6千円、マスター型で172万8千円するとのこと。さすがは国立、金かけてます。

貸し出し、音源の複製は不可。付属するジャケット、解説、歌詞等の複写については即日のみ可能なのですが、原則として、著作権者または著作権管理団体の許諾書が必要とのこと。面倒臭いので複写せず解説の大事なところを手書きでノートに写しました。

申請書の目的が認められてその目的に沿った資料であれば、無料でじっくり聴くことができます。何より所蔵されているレコードの数がハンパないっすから。ちなみに、国立国会図書館オンラインで詳細検索ON→その他→録音資料を指定し、タイトルに “ バカラック ” を入力して検索すると173件がヒットします。そのうち1970年前後のバカラック作品集らしきLPをピックアップしたのが以下の18タイトル。アーティスト名は表示されないのですが、分かる範囲で追記しました。単品若しくはコンピの中に全曲がCD化されているアルバムはレコード番号の後に “ CD ” と表記。拙ブログで紹介済みのアルバムはその記事にリンクしています。

<バカラック作品集>
プレイ・バカラック/斎藤英美(LP、キング SKK-679)
ロック=イン・バカラック/ニュー・ハード+3L(LP、CBSソニー SOND-66053)
バート・バカラック・イン・マーチ/?(LP、東芝 TP-8152)
ザ・ベスト・オブ・バート・バカラック/ユニオン・オールスターズ(LP、テイチク CJP-1026)
ダイナミック・マーチ・イン・バカラック/航空自衛隊音楽隊(LP、東芝 TP-9519-Z)CD
ダイナミック・ビッグ・バンド・プレイズ・バカラック/カウント・バッファロー・ビッグ・バンド(LP、東芝 TP-9502-Z)CD
布施明がバカラックに会った時/布施明(LP、キング SKD-91)CD
バート・バカラックの魅力;エレクトーン・ファンタスティック/沖浩一トリオ(LP、CBSソニー SOND-66041)
電子オルガンによるバート・バカラックのすべて/小島秀子(LP、テイチク ULP-1014)
バック・トウ・バカラック/ロック・アカデミー弦楽四重奏団(LP、フォノグラム FX-8504)
イージー・リスニング・ジャズ★★バート・バカラックの素晴らしき世界/前田憲男とケニー・スミス・オーケストラ★スリー・シンガーズ(LP、グラモフォン MR-3093)CD
田畑貞一ドラムの世界Vol.3/バート・バカラックに挑戦/田畑貞一(LP、ビクター JRS-7054)← 図書館所蔵タイトル:Stylish drum sounds of Tabata,Vol.3
ファンタスティック・コーラス/デューク・エイセスのすべて/デューク・エイセス(LP、東芝TP-92011Z)


<バカラック作品以外も含む>
バート・バカラック&フランシス・レイ/リビエラ・ストリングス(LP、ミノルフォンYC-6018)← 図書館所蔵タイトル:Burt Bacharack&Francis Lai.;Riviera Strings
華麗なる幻想の世界~レイ、バカラック作品集/グランド・ファンタスティックス・ストリングス(LP、ビクターJRS-7055)←図書館所蔵タイトル:Fantastic strings mood.;Grand Fantastic Strings
レイ・バカラック&サイモン/コースト・シンフォニック・オーケストラ(LP、東芝 TP-7550)
レッツ・ダンス・ウィズ・バカラック&レイ/猪俣猛とサウンド・リミテッド(LPx2、キング SKM-1169〜70)
フランシス・レイ&バート・バカラック;グレイテス・ヒットベスト28/?(LPx2、テイチク CJP-1040〜1)
サウンド・クリエーター大全集 バカラック・レイ・ビートルズS&G/?(LPx2、東芝 CJP-1016〜7)
風間文彦のアコーディオンによるフランシス・レイとバート・バカラック/風間文彦(LP、テイチク SL-1350)
ムード音楽ワイド・スペシャル〈フランシス・レイ&バカラック・ベスト 20〉/?(LP、CBSソニー SOLH-25)
トム・ジョーンズ&バート・バカラックを歌う/キム・サン・ヒー(LP、キャニオンCAL-5003)← 図書館所蔵タイトル:Sang Hee Kim sings Tom Johns&Burt Bachrach


イージーリスニング物が多いですね。また、バカラック作品以外も含むヤツの8タイトルは全てフランシス・レイとセットになっています。奇しくも、フランシス・レイは数日前に訃報を聞いたばかり。ネットでは、映画音楽がチャート上位に食い込んでたあの頃フランシス・レイとバート・バカラックが双璧だったよね…的な反応が大方でしたが、そのことが実によく分かるリストだと思います。

時間があったらまた国立国会図書館に行って未聴のアルバムを聴きたいなぁ。掘り出し物があればまた拙ブログでご紹介したいと思います。

(注)橙字箇所 2019年5月3日 追記&訂正 

 

 

2018年11月 4日 (日)

Plays ポップス3大B/東京メトロポリタン・ブラス・クインテット (2014年)

ビートルズ、ビー・ジーズ、バカラックの名曲を金管五重奏で演奏したアルバムです。バカラック・カヴァーを5曲収録!

(画像は全てクリックすると別ウィンドウで大きくなります)
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全16トラック中、バカラック作品は5トラック

12. RAINDROP KEEP FALLING ON MY HEAD (3:16)
13. WHAT'S NEW PUSSYCAT? (3:14)
14. ARE YOU THERE (WITH ANOTHER GIRL) (3:21)
15. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU (4:59)
16. BOND STREET (3:03)


Fullsizeoutput_44d東京メトロポリタン・ブラス・クインテットが、ポップス3大B(ビートルズ、ビー・ジーズ、バカラック)の名曲を演奏したアルバムです。

─  演奏する東京メトロポリタン・ブラス・クインテットは日本を代表する最高の金管楽器奏者5人で構成されています。普段は、みなさん東京都交響楽団でクラシック音楽を演奏しています。高度な音楽性、音色、技術すべてにおいて素晴らしいのは勿論のことポピュラー音楽に対する素敵なフィーリングを併せ持っているのが特筆に値することでしょう。僕自身この演奏を収めたテスト盤を何回も聴き惚れてしまい、この原稿を書くという仕事を忘れそうになった程です。 ─ (ライナーノーツより、すぎやまこういち氏)

金管五重奏はトランペット2人、ホルン1人、トロンボーン1人、テューバ1人によるアンサンブル。私も高校時代に演奏した経験があります(トロンボーンで)。少人数なので音を合わせやすく、軽快な曲から重厚な曲、煌びやかな曲から厳かな曲まで幅広い表現力を備えてるのが魅力です。何より吹いてて楽しかったですもん。

本作は、すぎやまこういち氏が過去に編曲したバージョンをさらにクインテットのメンバーが金管五重奏へとリアレンジして演奏した、とてもユニークなアルバムとなっております。

すぎやまこういち氏は、歌謡曲/アニメソング/ゲーム音楽/CM音楽の作曲家として有名なお方。ザ・タイガースやザ・ピーナッツへの楽曲提供、ゲーム『 ドラゴンクエスト 』の音楽の作曲などで広く知られています。本アルバムの元ネタとなるアルバムは以下の3タイトルで、勿論いずれもすぎやま氏によるアレンジです。

『 バック・イン・ザ・ビートルズ 』
『 トウキョウ・オクテット・プレイズ・ビージーズ 』
『 バック・トゥ・バカラック 』

前回記事でご紹介した『 バック・トゥ・バカラック 』も含めて、各アルバムの概要・曲目リスト・リアレンジ曲を表にまとめました。画像として置いておきますので、クリックして拡大してご覧くださいませ。
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ただし、ビートルズ・ナンバーのT-3.「 ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード 」は『 バック・イン・ザ・ビートルズ 』には入ってません(再発盤を含めても)。レコーディングしたのに収録されなかったか、編曲はしたけれどレコーディングされなかったか、そのどちらかなのでしょう。

すぎやま氏はライナーノーツでポップス3大Bについてコメントしています。バカラックについてどう言及しているのでしょうか。

─  バート・バカラックはソングライターとしては、やや異色な存在ではないでしょうか。メロディだけでなくハーモニー進行からバスの動きまで構造的にガッチリした音楽を創り出した功績はポピュラー音楽の歴史に刻まれるでしょう。ダリウス・ミヨーに師事し、クラシック音楽から出発したと言う特徴がそのあたりに現れています。 ─

構造的にガッチリした音楽?? バカラックの曲について、これまで私はそんな風に捉えたことはありませんでした。ダリウス・ミヨーの音楽を聴いたら理解できるのかしらん?(笑)

バカラック・カヴァーの5曲は、元ネタのアレンジ・構成を踏襲した上で金管五重奏用にうまくリアレンジされています。T-12.「 雨にぬれても 」は途中でテンポアップしてからの8分音符の刻みが楽しいです。T-13.「 何かいいことないか子猫チャン 」は元々コミカルなこの曲を遊びゴゴロたっぷり剽軽に演奏しています。T-14.「 アー・ユー・ゼア 」は華やかでいてバロック的な香りも感じられるアレンジと演奏がGood。T-15.「 ディス・ガイ 」は、ビートルズの「 ガール 」を引用したイントロが元ネタから省かれ、その代わりと言う訳じゃないんでしょうが「 雨にぬれても 」の有名なアウトロのメロディを2箇所も挿入しています。T-16.「 ボンド・ストリート 」で見られる派手でノリの良い演奏は演奏会で盛り上がるでしょうね。コレは自分でも吹いてみたいなぁ。

残りのBについて一言ずつ。ビートルズはクラシカルな雰囲気の曲ばかりをチョイスしていて、アレンジを含めて金管五重奏との相性はバッチリ。ビー・ジーズは個人的にはイマイチでした。


【データ】
『 Plays ポップス3大B 』
東京メトロポリタン・ブラス・クインテット

CD:2014年7月23日リリース
レーベル:SUGIYAMA KOBO / キングレコード
番号:KICC 6355

プロデューサー:椙山之子(スギヤマ工房)、竹中義郎(キングレコード)
元編曲:すぎやまこういち
編曲:高橋敦(T-1,3,4,8,10,11,12,14)、小田桐寛之(T-2,5,6,7,9,13,15,16)
東京メトロポリタン・ブラス・クインテット
  高橋敦 - トランペット
  中山隆崇 - トランペット
  西條貴人 - ホルン
  小田桐寛之 - トロンボーン
  佐藤潔 - テューバ
録音日・場所:2009年2月20日、2010年2月11,12日 第一生命ホール

 

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