Plays ポップス3大B/東京メトロポリタン・ブラス・クインテット (2014年)
ビートルズ、ビー・ジーズ、バカラックの名曲を金管五重奏で演奏したアルバムです。バカラック・カヴァーを5曲収録!
(画像は全てクリックすると別ウィンドウで大きくなります)
全16トラック中、バカラック作品は5トラック
12. RAINDROP KEEP FALLING ON MY HEAD (3:16)
13. WHAT'S NEW PUSSYCAT? (3:14)
14. ARE YOU THERE (WITH ANOTHER GIRL) (3:21)
15. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU (4:59)
16. BOND STREET (3:03)
東京メトロポリタン・ブラス・クインテットが、ポップス3大B(ビートルズ、ビー・ジーズ、バカラック)の名曲を演奏したアルバムです。
─ 演奏する東京メトロポリタン・ブラス・クインテットは日本を代表する最高の金管楽器奏者5人で構成されています。普段は、みなさん東京都交響楽団でクラシック音楽を演奏しています。高度な音楽性、音色、技術すべてにおいて素晴らしいのは勿論のことポピュラー音楽に対する素敵なフィーリングを併せ持っているのが特筆に値することでしょう。僕自身この演奏を収めたテスト盤を何回も聴き惚れてしまい、この原稿を書くという仕事を忘れそうになった程です。 ─ (ライナーノーツより、すぎやまこういち氏)
金管五重奏はトランペット2人、ホルン1人、トロンボーン1人、テューバ1人によるアンサンブル。私も高校時代に演奏した経験があります(トロンボーンで)。少人数なので音を合わせやすく、軽快な曲から重厚な曲、煌びやかな曲から厳かな曲まで幅広い表現力を備えてるのが魅力です。何より吹いてて楽しかったですもん。
本作は、すぎやまこういち氏が過去に編曲したバージョンをさらにクインテットのメンバーが金管五重奏へとリアレンジして演奏した、とてもユニークなアルバムとなっております。
すぎやまこういち氏は、歌謡曲/アニメソング/ゲーム音楽/CM音楽の作曲家として有名なお方。ザ・タイガースやザ・ピーナッツへの楽曲提供、ゲーム『 ドラゴンクエスト 』の音楽の作曲などで広く知られています。本アルバムの元ネタとなるアルバムは以下の3タイトルで、勿論いずれもすぎやま氏によるアレンジです。
『 バック・イン・ザ・ビートルズ 』
『 トウキョウ・オクテット・プレイズ・ビージーズ 』
『 バック・トゥ・バカラック 』
前回記事でご紹介した『 バック・トゥ・バカラック 』も含めて、各アルバムの概要・曲目リスト・リアレンジ曲を表にまとめました。画像として置いておきますので、クリックして拡大してご覧くださいませ。
ただし、ビートルズ・ナンバーのT-3.「 ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード 」は『 バック・イン・ザ・ビートルズ 』には入ってません(再発盤を含めても)。レコーディングしたのに収録されなかったか、編曲はしたけれどレコーディングされなかったか、そのどちらかなのでしょう。
すぎやま氏はライナーノーツでポップス3大Bについてコメントしています。バカラックについてどう言及しているのでしょうか。
─ バート・バカラックはソングライターとしては、やや異色な存在ではないでしょうか。メロディだけでなくハーモニー進行からバスの動きまで構造的にガッチリした音楽を創り出した功績はポピュラー音楽の歴史に刻まれるでしょう。ダリウス・ミヨーに師事し、クラシック音楽から出発したと言う特徴がそのあたりに現れています。 ─
構造的にガッチリした音楽?? バカラックの曲について、これまで私はそんな風に捉えたことはありませんでした。ダリウス・ミヨーの音楽を聴いたら理解できるのかしらん?(笑)
バカラック・カヴァーの5曲は、元ネタのアレンジ・構成を踏襲した上で金管五重奏用にうまくリアレンジされています。T-12.「 雨にぬれても 」は途中でテンポアップしてからの8分音符の刻みが楽しいです。T-13.「 何かいいことないか子猫チャン 」は元々コミカルなこの曲を遊びゴゴロたっぷり剽軽に演奏しています。T-14.「 アー・ユー・ゼア 」は華やかでいてバロック的な香りも感じられるアレンジと演奏がGood。T-15.「 ディス・ガイ 」は、ビートルズの「 ガール 」を引用したイントロが元ネタから省かれ、その代わりと言う訳じゃないんでしょうが「 雨にぬれても 」の有名なアウトロのメロディを2箇所も挿入しています。T-16.「 ボンド・ストリート 」で見られる派手でノリの良い演奏は演奏会で盛り上がるでしょうね。コレは自分でも吹いてみたいなぁ。
残りのBについて一言ずつ。ビートルズはクラシカルな雰囲気の曲ばかりをチョイスしていて、アレンジを含めて金管五重奏との相性はバッチリ。ビー・ジーズは個人的にはイマイチでした。
【データ】
『 Plays ポップス3大B 』
東京メトロポリタン・ブラス・クインテット
CD:2014年7月23日リリース
レーベル:SUGIYAMA KOBO / キングレコード
番号:KICC 6355
プロデューサー:椙山之子(スギヤマ工房)、竹中義郎(キングレコード)
元編曲:すぎやまこういち
編曲:高橋敦(T-1,3,4,8,10,11,12,14)、小田桐寛之(T-2,5,6,7,9,13,15,16)
東京メトロポリタン・ブラス・クインテット
高橋敦 - トランペット
中山隆崇 - トランペット
西條貴人 - ホルン
小田桐寛之 - トロンボーン
佐藤潔 - テューバ
録音日・場所:2009年2月20日、2010年2月11,12日 第一生命ホール
リンク先消滅したためリンク貼り直し(2024/1/20)
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