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2020年2月

2020年2月23日 (日)

Only In My Mind/Norma Jean Martine (2016年)

米国の女性シンガーソングライター、ノーマ・ジーン・マーチンのデビュー・アルバムです。バカラックと共作した1曲を収録!

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全12トラック中、バカラック作品は1トラック

12. I'M STILL HERE (2:33)

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米Forbesのサイトにバカラック爺のインタビュー記事が出ています。2月20日付けです。
『 Burt Bacharach, Strong At 92, Still Writing Hit Songs 』

中にはしょーもない質問もあったりしますが(笑)、なかなか良い記事でして。最後、あなたにとって音楽とは?と訊かれた爺は… ─ Music is salvation, particularly at this time in my life, it keeps me grounded.(音楽は救いであり、特に私の人生においては私を根底に保つものなのです。) ─  う〜ん、カッチョいい!

先日拙ブログで紹介したメロディ・フェデラーとのコライト曲「 BRIDGES 」についても触れてます。彼女をとても高く評価していることが窺えます。
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さて、今回ご紹介するのは…米国出身の女性シンガーソングライター、ノーマ・ジーン・マーチンのデビュー・アルバムです。

彼女のことは何も知りません。Wikipedia情報よりかいつまんで紹介します。1991年、NY州ミドルタウン生まれ。現在はロンドンを拠点に活動。英国、イタリア、ドイツのアーティストに曲を提供(共作で)。多くのアーティストのコンサートやライヴにサポートメンバーとして出演すると共に2014年以降自身名義のシングルもリリース。2015年1月にLAでバカラック爺と「 I'M STILL HERE 」を共作。2016年6月にロンドンでバカラック爺と一緒に初披露し、同年10月本アルバムリリースと相成ったわけです。

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これはCDのブックレットに載ってたT-12.「 I'M STILL HERE 」譜面の一部。確かに2人の名前が見えます。

バカラックと共作した経緯はよく分かりません。細かい字で2ページびっしり書かれた "THANK YOUS" には勿論バカラックへの謝意も書かれてますが、一緒に曲をコライトしたきっかけなんぞも振り返って欲しかったですねぇ。

─ Special thanks to Burt Bacharach for allowing me the honour of writing and spending time with such a legend as you. You are an incredible inspiration and I can only hope that I’m still writing songs when I’m 87. ─ (ブックレットの "THANK YOUS" より)

「 I'M STILL HERE 」は♩≒70のスローバラード。ピアノとチェロだけをバックにノーマは淡々と内省的に歌っています。曲の構造はとてもシンプルで、きっちり8小節単位でA-A-B-A'。変拍子も転調もありません。高低音が飛びがちなメロディに若干バカラック臭がする程度。作詞ノーマ/作曲バカラックときっちり分業せず、ノーマも作曲に関与したんじゃないか…そんな気がします。

実は、この曲の存在を知ったのはごく最近なんです。拙ブログを始めた2013年以降バカラック情報にはけっこう網を張ってたつもりなんですが、全く気付きませんでしたねぇ。シングルにもなってないし話題にならなかったのでしょう。

アルバム全体的にはロック寄りの印象。個人的には興味ない分野です〜。


【データ】
『 Only In My Mind 』
Norma Jean Martine

CD:2016年10月14日リリース
レーベル:Vertigo/Capitol (UK)
番号:06025 4782395 3

Produced by Danton Supple (T-1,4-8,12), Dan McDougall (T-2), Joel Laslett Pott (T-3,9-10), Ed Harcourt (T-7,11)
Additional Production by Danton Supple (T-2,9,11), Jonas Westling (T-5), Neil Athale (T-6)
T-12.「 I'M STILL HERE 」
  Written by Norma Jean Martine, Burt Bacharach
  Norma Jean Martine:Vocals
  Audrey Riley:Cello/arranger
  Philop Jewson:Piano
  Recorded by Marta Salogni at Definition Arts, London

2020年2月16日 (日)

"Close To You" and nine other hits by BACHARACH and DAVID/The Longines Symphonette (1972年)

米国のイージーリスニング・オケ、ロンジン・シンフォネットが1972年にリリースしたバカラック集です。

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A1. WINDOWS AND DOORS
A2. MY LITTLE RED BOOK
A3. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
A4. I CRY ALONE
A5. WHOEVER YOU ARE, I LOVE YOU
B1. PROMISES, PROMISES
B2. I WAKE UP CRYING
B3. A HOUSE IS NOT A HOME
B4. THE WINDOWS OF THE WORLD
B5. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME

収録時間約30分


米国のLongines Symphonette Societyという直販レーベルから1972年にリリースされたイージーリスニング・オケ、ロンジン・シンフォネットのバカラック集です。

1970年前後には全世界でイージーリスニング物のバカラック集がたくさんリリースされました。Discogs(音楽データベースとマーケットプレイスのサイト)で検索するとその手の中古LPがたくさん網に掛かります。聞いたこと無い名前のオケ/グループが大半なのですが、数ドル(或いは数ユーロ)から売ってるので送料(米国で$20〜25、欧州で€8〜15)込みでも¥2,000〜3,000くらい払えば手に入ります。ジャケットで判断して少しずつ買ったものの、ハズレが多くって…。

そんなこんなで最近このジャンルは敬遠してたのですが、数週間前に届いたハイファイ・レコード・ストアさんのメールマガジンに今回ご紹介するアルバムが載ってました。

─ 渋い選曲も魅力のバカラック・カヴァー集。安易な企画もののようでいて実は手の込んでアレンジ。タイトルからお察しの通り、全曲バカラック作品。ロンジン社のオーケストラ専門レコーディングスタジオの設備と録音の良さをアピールするためのシリーズです。「Close To You」「A House Is Not A Home」にはコーラスも登場。「I Wake Up Crying」など渋い選曲もあって大満足です。¥2,750+送料 ─ (ハイファイ・レコード・ストアさんのレコード評)

実はこのアルバム、以前Discogsを漁ってたときに購入を見送ったヤツなんですょ。改めてDiscogsを覗いたら値段は$2少々〜。ハズレの疑いもありましたが思い切ってハイファイさんで購入! レコード評通り魅力的なアルバムでございました^^。ハイファイさんを信じてヨカッタ。(過去にハイファイさんには一杯食わされたことがあったので^^;)

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魅力その1:レア曲の多さ

全10曲中3割がレア曲。なかなかイージーリスニング物では見られない選曲です。A1.「 ウィンドウズ・アンド・ドアーズ 」、A4.「 I CRY ALONE(ひとり泣く) 」、B2.「 アイ・ウェイク・アップ・クライング 」の3曲がそれ。なかでも、「 ウィンドウズ・アンド・ドアーズ 」はオリジナルのジャッキー・デシャノン版(1966年)布施明版(1971年)しか聴いたことない超レア曲。デシャノン版はシングルが全米108位にはなってますが、それにしても…ねぇ。

魅力その2:様々なスタイルのアレンジ

これがロンジン・シンフォネットだと言えるようなはっきりした特徴はありません。でも、曲ごとに様々なスタイル且つ上質で楽しいアレンジが施されてます。ハープや打楽器も含めフルオーケストラ+バンドという編成。金管とストリングスによるスウィング調のA2.「 マイ・リトル・レッド・ブック 」、コーラングレがソロを吹くゆったりバラードのA4.「 ひとり泣く 」、豊穣なストリングス+フリューゲルホルン・ソロのA5.「 あなたはあなた 」、'70年代歌謡曲っぽいサウンドのB2.「 アイ・ウェイク・アップ・クライング 」、木管アンサンブル+テナーサックスやトロンボーンのソロが光るB4.「 世界の窓と窓 」。A3.「 遥かなる影 」とB3.「 ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」では男女コーラス隊がメロディを歌います。ハイ一丁!的に作られたハズレ物とは一線を画した出来です。

レコメンドは3曲

まずA2.「 マイ・リトル・レッド・ブック 」。他では聴いたこともない唯一無二のスウィング調アレンジ。♩≒114という(この曲にしては)ゆったりしたテンポで、流麗なストリングスとトランペット/トロンボーン/サックスの厚みあるビッグバンドが融合したサウンドはもう堪りません。それからA4.「 ひとり泣く 」。オリジナルはディオンヌ・ワーウィックで、1stアルバム『 PRESENTING DIONNE WARWICK 』に収録された6/8拍子のバラード曲。それをゆったりした8ビートバラードにアレンジ。フルートとストリングスとヴィブラフォンの牧歌的なイントロに続いてコーラングレがメロディを奏でます。時折聴こえるフルートのオブリガートは小鳥の囀りのよう。もひとつB4.「 世界の窓と窓 」。イントロと間奏部におけるクラシカルな木管アンサンブルがまず印象的です。そのメロディが本編のメロディには全く無いフレーズなんですよ。これら木管楽器は本編でも素敵なオブリガートを吹いてくれます。後編でのトロンボーン・ソロとオーケストラの盛り上がりも素晴らしい。いやもうアレンジャーのセンス、凄すぎ。

逆にツマンナイのがA3.「 遥かなる影 」。男女コーラスがメロディを歌ってることもあり凝ったアレンジは避けたみたいですね。本アルバムのタイトルにして、更にジャケットでは「 遥かなる影 」の歌詞(なぜかしら/急に小鳥たちが姿を見せるわ…)を表現したのに、ねぇ^^;。


【データ】
『 "Close To You" and nine other hits by BACHARACH and DAVID 』
The Longines Symphonette

LP:1972年リリース
レーベル:Longines Symphonette Society (US)
番号:LS-216-C(SYS 5428/LWS 740/LS216U)

Performed by The Longines Symphonette and The Symphonette Choraliers
その他クレジットは一切なし

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2020年2月 9日 (日)

MORE SWITCHED ON BACHARACH/Sir Christopher Scott (1970年)

モーグ・シンセサイザーにより奏でられる、脱力系バカラック・カヴァー集の第2弾!

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A1. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD
A2. WISHIN' AND HOPIN’
A3. (THERE'S) ALWAYS SOMETHING THERE TO REMIND ME
A4. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU
A5. EVERYBODY'S OUT OF TOWN
B1. PAPER MACHE
B2. MESSAGE TO MICHAEL
B3. I’LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN
B4. REACH OUT FOR ME
B5. PROMISES, PROMISES
B6. TRAINS AND BOATS AND PLANES

収録時間約33分

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公開中の映画『 9人の翻訳家 囚われたベストセラー 』。バカラックの「 世界は愛を求めている 」が使われてると聞き、観てきました。みんなで歌う場面が2回と劇伴のピアノソロが1回だったかな。クリスマス時期、曲の持つメッセージ性…ナルホドでした。映画の舞台はフランス、仏語の小説を訳すために選ばれた🇷🇺🇬🇧🇪🇸🇩🇰🇮🇹🇩🇪🇨🇳🇵🇹🇬🇷の翻訳家たち…。そんなシチュエーションでこの曲を英語詞のまま(歌詞カードも見ずに)翻訳家たちみんなが歌って…欧米ではこの曲スタンダードなんですねー。あっ、映画そのものも良作でした。

ネタをもう一つ。昨年7月、ロンドンでのバカラック爺コンサートのライヴ録音を🇬🇧BBCのサイトで聞くことができます(ただし、2月末までの期間限定)。約1時間55分。映像はないですが、アンコールの「 雨にぬれても 」までフルで聴けます。ゲストシンガーはジョス・ストーン。興味ある方はお早めに…。
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さて、今回ご紹介するのは…前年(1969年)リリースの『 SWITCHED-ON BACHARACH 』に続く、モーグ・シンセサイザーによる脱力系バカラック・カヴァー集の第2弾です。

アーティスト名義は第1弾の Christopher Scott から Sir Christopher Scott に進化。クリストファー・スコットになったのか? 胡散臭いと思って調べたところ、どうやらクリストファー・スコットは編曲&指揮でクレジットされているDave Mullaney(デイヴ・ミュレイニー)の別名らしい。それがわかった時の脱力感といったら…(苦笑)

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全11曲中、約半分が第1弾以降のヒット曲。B.J.トーマスのA1.「 雨にぬれても 」とA5.「 アウト・オブ・タウン 」、カーペンターズのA4.「 遥かなる影 」、ミュージカル『 プロミセス・プロミセス 』のB3.「 恋よさようなら 」とB5.「 プロミセス・プロミセス 」の5曲がそれ。世のバカラック人気に乗っかって売ってやろうという魂胆でしょう。

第1弾と同様、モーグはメロディ(及びオブリガート)のみで、他はリアル楽器(ギター、ベース、ドラムス等)による演奏。加えて、今回は男女コーラスまで参加しています。歌詞は歌わず“ウゥ〜”とか“ワァ〜”と唸ってるだけですが、曲中の一部でメロディや和音を担当(A2,3,4.)するのみならず、A1.「 雨にぬれても 」とB3.「 恋よさようなら 」では全編に渡りメロディを担当。その分、第1弾よりもイージーリスニングに寄ってる感じ。第1弾のリスナーから苦情でもあったんでしょうか、“ピコピコが耳障りだっ、もっと聴きやすくしろっ”とか(笑)。

メロディのとぼけた音色と強めのポルタメントが曲のイメージに合ってるA5.「 アウト・オブ・タウン 」はモーグで演奏する意味を感じるけど、他の曲はねぇ…。CDリイシューされた第1弾以上に脱力感を感じる本作、リイシューされない理由がなんとなくわかりました^^;


【データ】
『 MORE SWITCHED ON BACHARACH 』
Sir Christopher Scott

LP:1970年リリース
レーベル:Decca
番号:DL 75243

Arranged and Conducted by Dave Mullaney
Production Co-ordinator: Harry Meyerson
Performed on the Moog Synthesizer by Sir Christopher Scott

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し


 

2020年2月 2日 (日)

Try To See It My Way/Leslie Uggams (1972年)

米国の女優で歌手、レスリー・アガムスが1972年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

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全10トラック中、バカラック作品は1トラック

A2. TRY TO SEE IT MY WAY (3:04)

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映画『 My Best Friend's Wedding(ベスト・フレンズ・ウェディング)』がミュージカルに! 公式サイトはこちら

映画で使われた「 I SAY A LITTLE PRAYER(小さな願い)」「 I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF(恋のとまどい)」、サントラ収録の「 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN(恋よさようなら)」、その他「 WALK ON BY(ウォーク・オン・バイ)」「 WHAT'S NEW PUSSYCAT?(何かいいことないか子猫チャン)」など沢山バカラックナンバーがフィーチャーされるみたいです。

今年(2020年)9月〜、英国とアイルランドでツアーとのこと。観たいなぁ〜。英国は昨日(2/1)EU離脱して先行き不透明な状況ですが、ことバカラック関連ではイベント多くて(バカラックのトリビュートコンサート/ライヴは多いし、バカラック爺も毎年と言っていいほど公演してるし)羨ましい〜。
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さて今回は… 米国の女優で歌手、レスリー・アガムスが1972年にリリースしたアルバムです。

彼女のアルバムは過去に『 What's An Uggams? 』(1968年)を紹介しています。略歴等はそちらをご覧ください。

本作はSonday Recordsというレーベルからリリース。聞いたこと無いレーベルですがそれもそのはず、1970年〜1972年にアルバム1枚(本作)とシングル9枚出しただけの超マイナーレーベル。…なんですが、レーベル設立者はなんとびっくりディオンヌ・ワーウィック! セプターのサブレーベルで、セプターがディオンヌのために作ったみたいです。

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レーベル面に写っている赤ん坊、気になったので調べたところディオンヌの長男 David Elliott と判明。ディオンヌは1966年にWilliam David Elliott と結婚('67年5月に離婚して3ヶ月後また2人は再婚)。んで、1969年1月に Davidを出産するのですが、Sonday の Son は息子 … つまりこのレーベルはディオンヌが長男を想って命名したんですねー(sonday という単語は辞書に載ってないので造語みたい)。なんて子煩悩なディオンヌなんでしょう!

Columbia との契約が切れたレスリー・アガムスはディオンヌに誘われて Sonday と契約。シングル2枚と本アルバム1枚をリリースしました(以下表を参照)。
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このアルバム、ダブルジャケットになっていてトラックリストとクレジットは内側に。なんとディオンヌ直々のプロデュースですよ!
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Billboard誌 1971年3月13日号の33ページに関連記事が載ってました。↓ ディオンヌとレスリーがラジオ局のスタッフと一緒に写ってます。ディオンヌ自らレスリーのプロモーション活動をしていたようですね。プロデュースにプロモーション…ディオンヌの本気度が窺えます。
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長い前置きになってしまいました^^;。バカラック・カヴァーはA2.「 涙のアドヴァイス 」。1966年のTVミュージカル『 オン・ザ・フリップ・サイド 』用にバカラック&デイヴィッドが提供した曲の一つで、サントラではジョニー・ソマーズのソロ版とリック・ネルソンとのデュエット版の2バージョンがありました。カヴァーは片手もありません。超レア曲と言っていいでしょう。聴くまではジョニー・ソマーズ版のコピー物かと思ったのですが、曲の持ち味を活かしたドリーミーなアレンジは私の予想をいい意味で裏切るものでした。イントロでのオーボエとホルンが織りなす美メロの掛け合い、本編に入っての女性バックコーラスやストリングス等の美しいオブリガート。極め付けは、時折聴こえるディオンヌによる輪唱やハモリ。Aメロでは2拍遅れ、アウトロでは1小節遅れでメロディを歌う輪唱は、新鮮だし聴いててホッコリします。

ディオンヌ自身は「 涙のアドヴァイス 」を歌ってないですし、何故この曲をレスリーに歌わせたのかはわかりません。しかし、シングルA面に加えてアルバムタイトルにしちゃうほどですから、ディオンヌも曲の仕上がりには自信があったんでしょう。1968年のペギー・マーチ版(コンピ盤『 The Rare Bacharach 1 』で紹介)や2006年のヨンジン版(『 me and my Burt 』)も好カヴァーですが、この曲の私的ベストはレスリー版です。

アルバム全体も好印象。ソウルからポップまでバラエティに富んでいます。特にA面は素晴らしく、モータウン風でノリの良いA1.「 LOVE IS A GOOD FOUNDATION 」から始まりドリーミーなA2.を経てジム・ウェッブ的なA5.「 BRIGHTEN HILL 」まで捨て曲なし。どうしてこんな好盤がCD化されないのか不思議でなりません、いやホント、マジで。


【データ】
『 Try To See It My Way 』
Leslie Uggams

LP:1972年リリース
レーベル:Sonday Records
番号:SL 8000

Produced by Dionne Warwicke (注)1972年はディオンヌが改名していた時期で、Warwickeとなっています。
A Dionne Warwicke Production
Arranged by Richard Rome & Don Sebesky
Recorded at A & R Recording Studio, New York, N.Y.
Engineer:Phil Ramone

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

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