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2020年5月

2020年5月31日 (日)

The Vi Velasco Album/Vi Velasco (1965年)

米女性シンガー、ヴァイ・ヴェラスコが1965年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを2曲収録!

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全12トラック中、バカラック作品は2トラック

B5. THAT'S NOT THE ANSWER (2:15)
B6. REACH OUT FOR ME (2:59)


米女性シンガー、ヴァイ・ヴェラスコが1965年にリリースしたアルバムです。

─ フィリピン人の親を持つ彼女は、カリフォルニア州サンディエゴ生まれ。ロサンゼルスのシティカレッジ在学中に地元テレビ番組のタレントコンテストで優勝して歌手/女優の道に進むことを決意しました。ミュージカル『 Flower Drum Song 』(1958年)、『 Kicks And Co. 』(1961年) で経験を積み、ブロードウェイの『 No Strings 』(1962年) でトップの役を掴みます(あるでお注:主役の代替要員だったみたいですが)。その後、ラスベガスのフラミンゴに出演するとともにVee-Jayと専属契約しました。 ─ (ライナーノーツ後半部分を要約&補足、私の超意訳で)

ヴァイをフィリピン生まれと表記するサイト等もありますが、ライナーノーツの ─ Vi was born in San Diego of Philippine parentage. ─ に基づいて上記の訳としました。

彼女は1962年にColpixから1stアルバム『 Cantando Bossa Nova 』をリリースしています。ズート・シムズのバンドと共にボサノヴァを歌った名盤だそうで、CD化/MP3化されています。で、1965年にVee-Jayからリリースした2ndアルバムが本作でございます。(こちらは未だCD化されてません)
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米ビルボード誌1965年4月10日号の30ページ ALBUM REVIEWS に取り上げられていました。折角なので紹介します。 ─ ヴァイの才能はまだ全国的に伝わっていません。アルバムから抜粋された彼女のニューシングル「 ユー・アー・マイ・サンシャイン 」は、ラジオ局のプログラマーや業界から熱狂的な反響を受けています。彼女の絹のようでよくコントロールされた声は、大きくてブルースがかったアレンジメントと、柔らかくてロマンチックなバラードとともに浮かんでいます。 ─ (機械翻訳のまま)

ライナーノーツによれば、Vee-Jayからの初シングル「 I DON'T WANT TO GO ON 」c/w「 YOU ARE MY SUNSHINE 」(VJ-655) の評判の高さを受け、その2曲のアレンジャーであるチャーリー・カレロを迎えて本アルバム用にセッションした…とのこと。

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ガールポップ風から今でいうソフトロック風までポップにバランス良くまとめたアルバムです。中でも収録曲のうち他と一線を画す出来なのがジャズバラードアレンジのA6.「 ユー・アー・マイ・サンシャイン 」。♩≒72のゆったりしたテンポで、ピアノだけから徐々に伴奏の楽器が増えていきます。ヴァイは過度な演出は避けつつも感情表現豊かに歌い上げていて素晴らしいです。

さて、2曲あるバカラック・カヴァーのうち注目はなんと言ってもB5.「 ザット・ノット・ジ・アンサー 」。ディオンヌの4thアルバム『 THE SENSITIVE SOUND OF DIONNE WARWICK 』(1965年2月リリース) に収録されてるのがオリジナルで、カヴァーは本作のヴァイ・ヴェラスコ版だけという超レア曲なんですねー。ズンチャチャ・リズムの曲で、♩≒127のディオンヌ版に対しキーは半音低いものの心持ち速い♩≒134のテンポで軽快な印象。ディオンヌ版にはないストリングスが加わりゴージャスさもあります。張りのある歌声のディオンヌに対しヴァイは若干鼻にかかってハスキーですが歌いっぷりは互角でしょうか。ヴァイ版で最も特徴的なのはイントロや間奏部分で独自のフレーズを可愛らしく元気に歌う女性コーラス。これがウキウキしていいんです。私はヴァイ版に軍配をあげますね。

ちなみにこの「 ザット・ノット・ジ・アンサー 」、同年リリースした2枚目シングル(VJ-690)のA面曲。ディオンヌ版はB面も含めてシングル・リリースされてないのに…。タイミング的にディオンヌのアルバムリリース後直ぐにレコーディングしたはずですし、プロデューサーか本人がこの曲をとても気に入ったとしか思えませんね。


もう一つのバカラック・カヴァーはB6.「 リーチ・アウト・フォー・ミー 」。ディオンヌ版と同じキーでアレンジも基本一緒。ディオンヌ版の♩≒113に対し♩≒117とわずかに速いものの感覚的にはテンポもほぼ一緒ですね。最後のサビ以降転調して半音キーを上げてる点が唯一の独自アレンジなんですが、高音域あまり得意じゃないらしく却って逆効果
。こちらはディオンヌ版に軍配を上げましょう。

ピックアップしたナンバーは YouTube にアップされています。気になったら Vi Velasco で検索!


【データ】
『 The Vi Velasco Album 』
Vi Velasco

LP:1965年リリース
レーベル:Vee-Jay Records
番号:VJS-1135(ジャケット表面)/VJLP-1135(ジャケット裏面)/VJLPS 1135(レーベル面)
なんで各々の番号表記が違うの? 当時はこんなもんなの? いい加減だなぁ(笑)
ちなみに記号の意味は、VJ:Vee-Jay、LP:まんま、S:Stereo だそう

Produced by Al Kasha
Arranged & Conducted by Charles Calello

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2020年5月24日 (日)

バカラック・ベスト〜生誕80年記念スペシャル/V.A. (2008年)

4度目の来日公演と80歳を記念して、2008年にユニバーサルからリリースされた日本編集のバカラック・コンピ集です!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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Disc 1
1. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE  〜 Burt Bacharach 〜  
2. WALK ON BY  〜 Burt Bacharach 〜
3. COME TOUCH THE SUN  〜 Burt Bacharach 〜
4. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  〜 Burt Bacharach 〜
5. THE LOOK OF LOVE  〜 Dusty Springfield 〜  F
6. DON'T MAKE ME OVER  〜 Burt Bacharach 〜
7. ANYONE WHO HAD A HEART  〜 Burt Bacharach 〜
8. WHAT'S NEW PUSSYCAT?  〜 Tom Jones 〜  M
9. WIVES AND LOVERS  〜 Jack Jones 〜  M
10. 24 HOURS FROM TULSA  〜 Burt Bacharach 〜
11. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU  〜 Burt Bacharach 〜
12. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  〜 Burt Bacharach 〜  F
13. (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU  〜 Carpenters 〜  F
14. BOND STREET  〜 Burt Bacharach 〜
15. A HOUSE IS NOT A HOME  〜 Brook Benton 〜  M
16. ALFIE  〜 Burt Bacharach 〜
17. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  〜 Burt Bacharach 〜
18. PROMISES, PROMISES  〜 Burt Bacharach 〜
19. MEXICAN DIVORCE  〜 Burt Bacharach 〜  F
20. HASBROOK HEIGHTS  〜 Burt Bacharach 〜  M
21. THE APRIL FOOLS  〜 Burt Bacharach 〜
22. NO ONE REMEMBERS MY NAME  〜 Stephanie Mills 〜  F
23. GOD GIVE ME STRENGTH  〜 Elvis Costello with Burt Bacharach 〜  M
24. COUNT ON ME  〜 Ronald Isley and Burt Bacharach 〜  M

Disc 2
1. ALFIE  〜 Vanessa Williams 〜  F
2. PLEASE STAY  〜 Aaron Neville 〜  M
3. WISHIN' AND HOPIN'  〜 Rita Coolidge 〜  F
4. WANTING THINGS  〜 The Pointer Sisters 〜  F
5. THE THINGS I WILL NOT MISS  〜 Diana Ross & Marvin Gaye 〜  FM
6. ALL KINDS OF PEOPLE  〜 Jerry Butler 〜  M
7. ANYONE WHO HAD A HEART  〜 Martha Reeves & The Vandellas 〜  F
8. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN  〜 Pisano & Ruff 〜
9. ONE LESS BELL TO ANSWER  〜 Gladys Knight & The Pips 〜  F
10. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD  〜 Four Tops 〜  M
11. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE  〜 Sergio Mendes & Brasil '66 〜  F
12. I'M A BETTER MAN (FOR HAVING LOVED YOU)  〜 Engelbert Humperdinck 〜  M
13. THIS GIRL'S IN LOVE WITH YOU  〜 Brenda Lee 〜  F
14. REACH OUT FOR ME  〜 Walter Wanderley 〜
15. PROMISES, PROMISES  〜 Connie Francis 〜  F
16. A HOUSE IS NOT A HOME  〜 Eivets Rednow 〜
17. WIVES AND LOVERS  〜 Stan Getz 〜
18. THEY LONG TO BE CLOSE TO YOU  〜 Dusty Springfield 〜  F
19. MESSAGE TO MICHAEL  〜 The Marvelettes 〜  F
20. I JUST DON'T KNOW WHAT TO DO WITH MYSELF  〜 Smokey Robinson & The Miracles 〜  M
21. DON'T GO BREAKING MY HEART  〜 Astrud Gilberto 〜  F
22. MAKE IT EASY ON YOURSELF  〜 Sarah Vaughan 〜  F
23. WHAT'S NEW PUSSYCAT?  〜 Quincy Jones 〜  M
24. IF I NEVER GET TO LOVE YOU  〜 Marianne Faithfull 〜  F
25. TO WAIT FOR LOVE  〜 Tom Jones 〜  M
26. WAITING FOR CHARLIE (TO COME HOME)  〜 Etta James 〜  F

※ メイン・ボーカル入りの曲は、F(Female-女性)、または M(Male-男性)と表記

収録時間(Disc 1/2) 約78分/約78分


久し振りにバカラック物コンピ集をご紹介。前回が2019年11月でしたから約半年ぶりっすね。

─ 80歳を迎える2008年、念願のフル・オーケストラで4度目の来日公演を果たすバート・バカラック。彼のソロ・アルバムから選ばれたスーパー・ベストと、ユニバーサル ミュージックの豊富なカタログから厳選されたゴージャスなカヴァー集の究極の2枚組アルバム! ─ (CDの帯より)

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選曲・監修・ライナーノーツ執筆は日本におけるバカラック研究の第一人者、坂口 修氏。こだわりのある選曲、1曲毎の丁寧な解説、全曲歌詞&対訳付き、もう至れり尽くせりです。2008年の来日公演(2/16〜22)直前の2/13にリリース。コンサート会場で「 記念にどうぞ〜 」と売り捌いてたように記憶しています。私は後日購入したクチですが。

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─ 彼のソロ・アルバムとオリジナル・アーティストによるヒット曲を1971年初来日公演時の曲順で並べたDisc 1 ─ (ライナーノーツより)

1971年初来日時の曲順ってゆーのはT-1〜18まで。T-19〜24は ─ ボーナス・トラックのつもりでお聴きください ─ (同)だそう。T-19以降の選曲基準はイマイチよく分かりません^^;。前述の通り、24トラックのうち2/3の16トラックがバカラックのソロアルバムから。必然的にインスト・ナンバーが多くなってます。なお、リストに注記している通り、ダスティ・スプリングフィールドのT-5.「 恋のおもかげ 」は映画『 カジノ・ロワイヤル 』サントラ版ではなくシングル用に再レコーディングされたストリングス入りのものでございます(サントラ版とシングル版の違いはこちらをご覧ください)。

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─ ユニバーサル ミュージックの豊富なカタログから厳選された、誰でも知ってる有名アーティストによるゴージャスなカヴァー・ヴァージョンのDisc 2 ─ (ライナーノーツより)

T-12,26.の2曲はカヴァーじゃなくてオリジナル・ヴァージョンなんですけど。それはともかく、有名曲にせよ有名じゃない曲にせよレアなバージョンが多くってマニアックな選曲。歌物が多いのが嬉しいですし、コピーしたかのようなカヴァーは一切なくって独自性のあるアレンジ&パフォーマンスばかり。さすがは坂口さん、クォリティが高い! 個人的なレコメンドはポインターシスターズのT-4.「 ウォンティング・シングス 」。本コンピ集で初めて知ったのですが、しっとりしたジューン・ポインターの歌唱とアウトロのリフレインがもう堪りません。リスト作成で疲れてしまったので、その他は割愛します。手抜きでスミマセンです。

あと、坂口さんワークスならでは!なのが、収録元アルバム/シングルのジャケット写真がカラーで掲載されていること。これは嬉しいっすねー!
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バカラック初心者にとってはちょっと敷居が高い感じもしますが、持っておいて損はしない…そんなコンピ集だと思います〜。


【データ】
『 バカラック・ベスト〜生誕80年記念スペシャル 』(英題:The Universal Sound Of Burt Bacharach 〜 80th Birthday Anniversary)
V.A.

CD:2008年2月13日リリース
レーベル:ユニバーサル
番号:UICY-4472/3

This compilation (P)&(C) 2008 Universal International, a division of UNIVERSAL MUSIC K.K.
Supervised & Compiled by 坂口 修(O.S.T. INC.)
ライナーノーツ:坂口 修 Thanks to 山下 達郎、長崎 栄、PROMAX

2020年5月17日 (日)

FOUNTAINS FREE/Taja Sevelle (1991年)

米国の女性R&Bシンガーソングライター、タジャ・シヴィルが1991年にリリースした2ndアルバムです。1曲をバカラックと共作!

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全12トラック中、バカラック作品は1トラック

6. THE POWER OF YOUR LOVE (YOU AND I) (4:29)

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遅ればせながら💦…    バカラック爺 92歳❗

ここ数年はお祝い記事をちゃんと当日UPしてきたのに…。

爺の誕生日(5月12日)前後は公私ともペースが乱れに乱れまして。14日頃になってようやくネット上の “バカラック祭り” を追体験するのがやっと。おうち時間がたっぷりあったGWの頃からお祝い記事を書いとけばよかったのに…と、多分そうお思いで。わかっちゃいるんですが、“今日できることは明日に延ばしちゃえ” てな性分なもんで😵。

それはともかく。
Billboard Live JAPAN 経由で届いたバカラック爺のビデオメッセージ。お元気そうで本当に良かった。メッセージのラストは " Please remember me " 。忘れるわきゃないでしょうが! きっとまた爺に会える日が来ると信じています。

エルヴィス・コステロが公式サイトに載せたメッセージは爺への感謝と愛情が溢れていました。デズモンド・チャイルドも爺と共作した頃一緒に写った写真を添えて、人生を変えるようなコラボだった/バカラックは my songwriting hero だとツイート。他にポール・アンカやヴァン・ダイク・パークスもツイートしてましたね。

パフォーマンスでは、マイケル・マクドナルドが「 世界は愛を求めている 」のライヴ音源をリリースするとともにYouTubeにもMVをUP。ダイアナ・キングはTwitterで「 小さな願い 」のAメロを歌った後 " Happy 92nd birthday, B.B.! " と。歌ってる時の愛嬌ある表情が面白かったなぁ(笑)。

印象に残った海外アーティストのみ取り上げました。以上!
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今回ご紹介するのは、米国の女性R&Bシンガーソングライター、タジャ・シヴィルが1991年にリリースした2ndアルバムです。

タジャは1962年、ミネアポリス生まれ。プリンスの Paisley Park レーベルと契約し、1987年に1stアルバムをリリース。チャートインした「 LOVE IS CONTAGIOUS 」などシングルも4枚リリース。しかしプリンスとの関わりは(シーラ・E等と比べ)希薄だったようで、Reprise レーベル移籍後の1991年10月に本作をリリースしました。

全12曲。1曲ごとにプロデューサーが異なり、R&B/ダンス系:バラード系 = 2:1 くらいのバランス。バラード系の中の1曲がバカラック&キャロル・ベイヤー・セイガーと共作したT-6.「 THE POWER OF YOUR LOVE (YOU AND I) 」でございます。勿論書き下ろしの新曲です。ゆったりした♩≒57の16ビートバラード。Aメロには4拍子/2拍子/3拍子の変拍子が見られます(Bメロやサビには無し)。Aメロ→Bメロ、Bメロ→サビ、その他転調も頻繁にしてるようですし、メロディ展開は小刻みで高低差もありクセが強い感じです。とはいえ、サビで盛り上がるかというとそんな感じでもないし。この時期のバカラックっぽい曲だと思います。

タジャの歌唱は、クールでブライトだけど高音域は若干ファニー。歌い上げる感じではなく割と淡々と歌っています。まぁ、R&B/ダンス系の曲はそれなりに気張って歌っておいでですが。ヴォーカリストとしてのウリがちょっと見えない感じがしますね。全12曲のうち1曲を除いて彼女はソングライティングしてますし、シンガーよりもソングライター寄りなのかもしれません。

なお、「 THE POWER OF YOUR LOVE (YOU AND I) 」のソングライティング自体は1990年。バカラックは1991年にキャロル・ベイヤー・セイガーと離婚してソングライターチームも解消しますが、味をしめた?
バカラックはタジャとこの後も2曲共作しています(いずれもデニス・リッチを加えた3人での共作)。デンマークの女性シンガー、シュス・フェンガーに提供した「 I ET KORT SEKUND 」の原曲「 STROKE OF LUCK 」。それと、米女性シンガー、マリリン・スコットに提供した「 LET ME BE THE ONE 」。それぞれ過去記事にリンクしてます。ご参考まで。

タジャは現在でも音楽活動をしているようです。人道主義者としての活動も活発みたいですが。公式サイトはこちら



【データ】
『 FOUNTAINS FREE 』
Taja Sevelle

CD:1991年10月リリース
レーベル:Reprise Records
番号:9 26724-2

Executive Producers:Benny Medina, Michael Ostin
Producers:Chico Bennett (T-4,5,10,11), Ian Prince (T-1,9,12), Robert D. Palmer (T-2), David Pack (T-3), Burt Bacharach & Carole Bayer Sager (T-6), Thom Bell (T-7,8)
T-6.「 THE POWER OF YOUR LOVE (YOU AND I) 」
  Written By Burt Bacharach, Carole Bayer Sager, Ms. Taja Sevelle
  Arranged By Randy Waldman and Burt Bacharach
  Synthesizers:Randy Waldman
  Guitar:Dean Parks
  Background Vocals:Portia Griffin, Jessica Williams

2020年5月10日 (日)

Your Eyes/Nancy Wilson (1983年)

ナンシー・ウィルソンが1983年に日本限定でリリースしたミニアルバムです。バカラック作品を1曲を収録!

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全4トラック中、バカラック作品は1トラック

A1. YOUR EYES (3:51)
A2. OUR LOVELY DAYS (5:12)
  F. Audat - B. Bacharach  New Hidden Valley Music
B1. CLOUDY WINDOWS (4:01)
B2. EVERYTHING MUST CHANGE (5:47)


ナンシー・ウィルソンが1983年に日本限定でリリースしたミニアルバムです。

ナンシー・ウィルソンは1937年米オハイオ州生まれの米国女性ジャズ/ソウル・シンガー。1960年レコードデビュー以降'70年代前半にかけて多くのアルバムをリリース。TV番組にも多く出演し、'60年代後半にはTVショーの番組も持っていたとか。'70年代中盤以降もコンスタントにアルバムを発表していましたが、1982年を最後に米国でのレコーディング活動を停止しました(5年後の1987年に米国レコーディング再開)。

そんな頃、ナンシーは1983年3月27日に日本武道館で開催された第12回東京音楽祭に出場。本ミニアルバム『 Your Eyes 』はその参加曲「 YOUR EYES(ユア・アイズ)」を収録したもので、1982年12月〜1983年1月に東京のスタジオでレコーディング。12インチ45回転、A面2曲+B面2曲の計4曲入り、価格は1,500円でした。
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帯にも書かれている通り、A1.「 ユア・アイズ 」は山下達郎のカヴァー。1982年1月リリースのアルバム『 FOR YOU 』に収録されていたアラン・オデイ作詞による英語詞の曲。ナンシー版は薄くストリングスやホーンも入った大陸的なアレンジ。メロディを若干フェイクしたナンシーの歌唱はジャスっぽさを感じます。ただ、コードを結構変えていてかなり違和感あり。私がオリジナルを聴きすぎたせいかもしれませんが…。東京音楽祭では、最優秀歌唱賞(グランプリではない)、作曲賞(山下達郎)、ベストコスチューム賞を受賞しました。

んで本題。A2.「 アワ・ラヴリー・デイズ 」がバカラック作品でございます。

「 アワ・ラヴリー・デイズ 」は後述する当山ひとみ版しか知らず、ナンシー版は聴いたことありませんでした。拙ブログをご覧になったTさんからこの曲のオリジナルがナンシー・ウィルソンだと最近教わり、速攻で本ミニアルバムを購入した次第(Tさんありがとうございました!)。確かに『 バート・バカラック自伝 』のソングリストはナンシー版が初出となってますし、私が時々お世話になってるバカラック資料本『 SONG BY SONG 』もナンシーがオリジナルと書いてありました。

…ところが、今回記事を書くにあたり確認したところ、当山ひとみのシングルは1982年7月、同曲収録のアルバム『 Next Door 』も1983年2月のリリース。ナンシー版は1983年3月リリースなので、当山ひとみのシングルより半年以上も遅いリリースとなります。帯裏面を眺めると⚫︎絶賛発売中‼︎に当山ひとみのアルバムもありますし…。
この曲のオリジナルは当山ひとみ、ナンシー版はカヴァー、で間違いないかと。
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それでは聴いてみましょう。♩≒106、8ビートのミディアム・コンテンポラリー。A1.「 ユア・アイズ 」と同様、バックは佐藤允彦(key.)、土方隆之(g.)、高水健司(b.)、村上"ポンタ"秀一(dr.)、鳴島英治(per.)のコンボにストリングス、ホーンを加えた編成。1コーラス目はAメロ-Aメロ-サビ-サビ。2コーラス目もAメロ-Aメロ-サビ-サビでその後サビをフェイクしながら繰り返しフェードアウト。13小節という中途半端な小節数とニョロニョロしたメロディラインのAメロにはバカラックらしさを感じますが、サビはオーソドックスに8小節ですしそれなりにキャッチー。全体的にはやっぱり'80年代のバカラックって感じ。ナンシーの歌唱はとても品があります。前半は抑えめで、若干熱を帯びてくる2コーラス目サビ以降が一番の聴きどころでしょうか。35秒余りある長めの間奏はクール且つゴージャスで、ピアノのアドリヴもいい感じです。

この曲、'80年代にもかかわらず作詞はキャロル・ベイヤー・セイガーではありません。クレジットによれば作詞は F. Audat(Discogsは Fatz Audat、『 バート・バカラック自伝 』は Fat Audat と表記)。この方が一体誰なのか検索してもさっぱりわからず。何か理由(権利上の問題?)があって著名な作詞家が別名を使ったのかしらん。…と思って色々調べたら謎が解けました。オマケで種明かしします。


ここからはオマケ。MP3で所有しているバカラック作品をご紹介。
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こちらは当山ひとみの4thアルバム『 Next Door(ネクスト・ドア) 』。前述の通りオリジナルの「 アワ・ラヴリー・デイズ 」(4:17)を収録しています。ナンシー版がジャズ寄りなのに対し、こちらは良質なシティ・ポップスといった感じ。テンポは♩≒112。彼女の歌声にはハリとソウルフィーリングがあり、バックの演奏もタイトで女性のバックコーラスもそれらしい。ナンシー版よりもこの曲の良さが出ていると思います。
私は全く記憶にないのですが、彼女のこの曲は日立製作所TV-CMイメージソングとして採用され(YouTubeで聴くことができます)、FM番組『 日立ミュージック・イン 』のオープニングでは違うアレンジのインスト版が使われたそう(これもYouTubeで聴けます)。当時にタイムスリップしたいですねー。
そしてお待ちかね、謎の作詞家 F. Audat の正体は?… ─ ── そのあとが『 NEXT DOOR 』(1983年)ですね。 ペニー:これもほんとは『 GIRL NEXT DOOR 』だったの。実は前のアルバムがそんなに話題にならなかったみたいで、やっぱり自分たちの路線に戻しましょってことで。ここから少しずつ話題になっていったの。「 Our Lovely Days 」が大きかったかもしれない。 ──バート・バカラックが書いてる曲ですね。 ペニー:そう。私もよくわからないんだけど、コロンビアから日立のCMが決まったから、曲はまだ決まってないけども、って。英語の曲だからってのもあったみたい。歌詞を書かせてほしいなって思ったんだけど、それは日本に住んでる別の方が書いたみたい。 ─(引用元:BARKS 2019年2月21日記事〜【インタビュー】当山ひとみ、これまでのキャリアを振り返る
なるほど、覆面作詞家かぁ。検索しても出てこないわけだ^^;。
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1993年に当山ひとみはPenny名義でアルバム『 Lovers In New York 』をリリース。その中で「 ニューヨーク・シティ・セレナーデ 」(4:33)と「 愛のハーモニー 」(4:54)をカヴァーしています。「 ニューヨーク… 」はアレンジの構成はオリジナルに近く、バックはピアノ中心にピコピコ打ち込みリズム+シンセストリングス+女性バックコーラス。「愛のハーモニー」もアレンジの基本構成はオリジナルに近いです。バックはピコピコ打ち込みリズムを中心にエレピ+シンセベース+シンセストリングス+女性バックコーラス。両曲とも彼女はハリのある声でしっかり歌っていますが、どこか淡々としていてあまり気持ちが入ってないよう。歌は上手なんですが、イマイチかなと。

もいっちょオマケ。
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ナンシー・ウィルソンは1968年のアルバム『 Easy 』(画像左)で「 恋のおもかげ 」(2:24)をカヴァー。軽いボサノヴァ調のアレンジ。流麗なストリングスやクールなフルートのオブリガートに惹かれます。ナンシーのメリハリのある歌唱もいい感じ。ラストはテンポを落としてアンニュイな雰囲気で終わるのがミソ。
また、1970年のアルバム『 Can't Take My Eyes Off You 』(画像右)では「 雨にぬれても 」(2:58)をカヴァー。この曲としては珍しくスローなジャズ・バラードに料理していてとてもユニーク。アレンジに合わせてナンシーも気怠く歌っています。イントロのリリカルなピアノがレコメンドです。 
なお、ナンシー・ウィルソンは他にも1964年の『 Today, Tomorrow, Forever 』で「 素晴らしき恋人たち」、1965年の『 Today - My Way 』で「 リーチ・アウト・フォー・ミー 」、1967年の『 Just For Now 』で「 アルフィー 」をカヴァーしています。これらは各バカラック物コンピ集で紹介済みですのでここでは割愛します。


【データ】
『 Your Eyes 』(ユア・アイズ)
Nancy Wilson

12" Mini Album:1983年3月リリース
レーベル:Shan-Shan/日本コロムビア Nippon Columbia (JP)
番号:YW-7414

Produced by Kiyoshi Ito
Arranged and Conducted by Masahiko Sato 佐藤允彦
Musicians
  Masahiko Sato 佐藤允彦:Steinway Piano, Rhodes Piano, Mini-Moog
  Takayuki Hijikata 土方隆行:Guitars
  Kenji Takamizu 高水健司:Bass
  Shuichi "Ponta" Murakami 村上"ポンタ"秀一:Drums
  Eiji Narusima 鳴島英治:Congas, Percussion
Strings 〜割愛〜
Horns 〜割愛〜
Recorded and Mixed at Nippon Columbia Studios, Tokyo in December, 1982  and in January, 1983
(P) 1983.3 NIPPON COLUMBIA CO, LTD.

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

2020年5月 3日 (日)

MOTHER POPCORN/Vicki Anderson (2004年)

米女性R&Bシンガー、ヴィッキー・アンダーソンのアンソロジーです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

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全17トラック中、バカラック作品は1トラック

17. WHAT THE WORLD NEEDS NOW IS LOVE (3:12)


米女性R&Bシンガー、ヴィッキー・アンダーソンのアンソロジーです。

1939年テキサス生まれ。ソロシンガーとしては、Vicki Anderson 名義で1964~1972年と1981年、本名の Myra Barnes 名義で1970年、Momie-O 名義で1975年に各々シングルをリリース。一方で、1965〜1967年及び1969〜1972年にかけてキング・オブ・ソウルこと御大ジェームス・ブラウン(JB)のバックヴォーカルとしても活動し、JBとの名義でも何枚かシングルをリリース。そのうち1967年のT-8.「 Think 」が全米100位を記録し、彼女唯一のチャートヒットとなりました。

私はJBのことはほぼ無知です(ゲロッパなど歌ってる映像などはモチロン観た事ありますが)。JBファミリーの歌姫は彼女の他にリン・コリンズ、マーヴァ・ホイットニー、アナ・キング等いたそうですが、そのうちヴィッキーだけアルバムリリースがなかったんだとか。可哀想なヴィッキー…。

本作はそんな彼女のアンソロジー。英国編集で、1966〜1975年及び1996年リリース(T-9.)のシングルから計17曲をコンパイルしたものです。約3分の2はファンク調、ずっと聴いてると踊り疲れた感覚になります(踊らないけど^^;)。なので、スローな6/8拍子のソウルバラード(T-14.「 YOU SEND ME 」やT-15.「 I'LL WORK IT OUT 」あたり)が聴こえてくるとホッとしますね。

本題のバカラック・カヴァーはT-17.「 世界は愛を求めている 」。1968年リリースのシングル(T-16.「 YOU'VE GOT THE POWER 」with JB)のカップリング曲でした(KING K6152、B面)。アンソロジーの中では唯一の3/4拍子(ワルツ)で、シンプルなワルツのリズムにバックもソフトなブラス&ストリングス。ファンク曲とのギャップが激しいっすね〜。でも、ヴィッキーの歌唱はダイナミック。それでも最初は抑え気味。徐々に熱を帯びてきます。ハイライトはエンディング。サビをリピートしながらフェードアウトするのですが、ヴィッキーのシャウトのまぁパワフルなこと。JBファミリーの面目躍如って感じです。

実はJBも1976年に「 世界は愛を求めている 」をカヴァーしています(こちらのコンピ集を参照方。各種JBファミリーのカヴァーも盛り沢山)。JBは4/4拍子のディスコ調にアレンジ。時代なんでしょう、全体的に軽め。シャウトの迫力はヴィッキーの完勝ですね。

また、リン・コリンズも1974年シングルのカップリングで「 世界は愛を求めている 」をカヴァー。音源(シングル盤/MP3)未所有ですが、YouTubeで聴きました。ヴィッキー版と同じく3/4拍子のワルツ・アレンジ。しかしギターやフルートそれにストリングスやブラスのオブリガートが小粋でおしゃれ。リン・コリンズもシャウトを封印して軽く歌っていてこれはこれで好カヴァー。シングル安かったら買うのになぁ。


【データ】
『 MOTHER POPCORN  VICKI ANDERSON ANTHOLOGY
Vicki Anderson

CD:2004年12月27日リリース
レーベル:Soul Brother Records (UK)
番号:CD SBPJ 24

(C) 2004 Passion Music Ltd.
Made in England

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