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2020年5月31日 (日)

The Vi Velasco Album/Vi Velasco (1965年)

米女性シンガー、ヴァイ・ヴェラスコが1965年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを2曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全12トラック中、バカラック作品は2トラック

B5. THAT'S NOT THE ANSWER (2:15)
B6. REACH OUT FOR ME (2:59)


米女性シンガー、ヴァイ・ヴェラスコが1965年にリリースしたアルバムです。

─ フィリピン人の親を持つ彼女は、カリフォルニア州サンディエゴ生まれ。ロサンゼルスのシティカレッジ在学中に地元テレビ番組のタレントコンテストで優勝して歌手/女優の道に進むことを決意しました。ミュージカル『 Flower Drum Song 』(1958年)、『 Kicks And Co. 』(1961年) で経験を積み、ブロードウェイの『 No Strings 』(1962年) でトップの役を掴みます(あるでお注:主役の代替要員だったみたいですが)。その後、ラスベガスのフラミンゴに出演するとともにVee-Jayと専属契約しました。 ─ (ライナーノーツ後半部分を要約&補足、私の超意訳で)

ヴァイをフィリピン生まれと表記するサイト等もありますが、ライナーノーツの ─ Vi was born in San Diego of Philippine parentage. ─ に基づいて上記の訳としました。

彼女は1962年にColpixから1stアルバム『 Cantando Bossa Nova 』をリリースしています。ズート・シムズのバンドと共にボサノヴァを歌った名盤だそうで、CD化/MP3化されています。で、1965年にVee-Jayからリリースした2ndアルバムが本作でございます。(こちらは未だCD化されてません)
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米ビルボード誌1965年4月10日号の30ページ ALBUM REVIEWS に取り上げられていました。折角なので紹介します。 ─ ヴァイの才能はまだ全国的に伝わっていません。アルバムから抜粋された彼女のニューシングル「 ユー・アー・マイ・サンシャイン 」は、ラジオ局のプログラマーや業界から熱狂的な反響を受けています。彼女の絹のようでよくコントロールされた声は、大きくてブルースがかったアレンジメントと、柔らかくてロマンチックなバラードとともに浮かんでいます。 ─ (機械翻訳のまま)

ライナーノーツによれば、Vee-Jayからの初シングル「 I DON'T WANT TO GO ON 」c/w「 YOU ARE MY SUNSHINE 」(VJ-655) の評判の高さを受け、その2曲のアレンジャーであるチャーリー・カレロを迎えて本アルバム用にセッションした…とのこと。

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ガールポップ風から今でいうソフトロック風までポップにバランス良くまとめたアルバムです。中でも収録曲のうち他と一線を画す出来なのがジャズバラードアレンジのA6.「 ユー・アー・マイ・サンシャイン 」。♩≒72のゆったりしたテンポで、ピアノだけから徐々に伴奏の楽器が増えていきます。ヴァイは過度な演出は避けつつも感情表現豊かに歌い上げていて素晴らしいです。

さて、2曲あるバカラック・カヴァーのうち注目はなんと言ってもB5.「 ザット・ノット・ジ・アンサー 」。ディオンヌの4thアルバム『 THE SENSITIVE SOUND OF DIONNE WARWICK 』(1965年2月リリース) に収録されてるのがオリジナルで、カヴァーは本作のヴァイ・ヴェラスコ版だけという超レア曲なんですねー。ズンチャチャ・リズムの曲で、♩≒127のディオンヌ版に対しキーは半音低いものの心持ち速い♩≒134のテンポで軽快な印象。ディオンヌ版にはないストリングスが加わりゴージャスさもあります。張りのある歌声のディオンヌに対しヴァイは若干鼻にかかってハスキーですが歌いっぷりは互角でしょうか。ヴァイ版で最も特徴的なのはイントロや間奏部分で独自のフレーズを可愛らしく元気に歌う女性コーラス。これがウキウキしていいんです。私はヴァイ版に軍配をあげますね。

ちなみにこの「 ザット・ノット・ジ・アンサー 」、同年リリースした2枚目シングル(VJ-690)のA面曲。ディオンヌ版はB面も含めてシングル・リリースされてないのに…。タイミング的にディオンヌのアルバムリリース後直ぐにレコーディングしたはずですし、プロデューサーか本人がこの曲をとても気に入ったとしか思えませんね。


もう一つのバカラック・カヴァーはB6.「 リーチ・アウト・フォー・ミー 」。ディオンヌ版と同じキーでアレンジも基本一緒。ディオンヌ版の♩≒113に対し♩≒117とわずかに速いものの感覚的にはテンポもほぼ一緒ですね。最後のサビ以降転調して半音キーを上げてる点が唯一の独自アレンジなんですが、高音域あまり得意じゃないらしく却って逆効果
。こちらはディオンヌ版に軍配を上げましょう。

ピックアップしたナンバーは YouTube にアップされています。気になったら Vi Velasco で検索!


【データ】
『 The Vi Velasco Album 』
Vi Velasco

LP:1965年リリース
レーベル:Vee-Jay Records
番号:VJS-1135(ジャケット表面)/VJLP-1135(ジャケット裏面)/VJLPS 1135(レーベル面)
なんで各々の番号表記が違うの? 当時はこんなもんなの? いい加減だなぁ(笑)
ちなみに記号の意味は、VJ:Vee-Jay、LP:まんま、S:Stereo だそう

Produced by Al Kasha
Arranged & Conducted by Charles Calello

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

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