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2023年1月 1日 (日)

ODDS & ENDS SCEPTER RECORDS RARITIES/Dionne Warwick(2018年)

ディオンヌ・ワーウィックの黄金期、セプター時代のレア音源を集めたコンピ集! バカラック作品を15曲(バージョン)収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全26トラック中、バカラック作品は15トラック

1. I SAY A LITTLE PRAYER (Alternate version) *
2. MONDAY, MONDAY

3. A HOUSE IS NOT A HOME (Italian version - Apro gli occhi per non vederti)
4. HE'S MOVING ON (Theme from The Love Machine)
5. AMANDA

6. WALK ON BY (German version - Geh' vorbei)

7. DON'T MAKE ME OVER (Alternate version) *

8. REACH OUT FOR ME (French version - Amour sublime) *
9. THE GOOD LIFE (Studio mix) *

10. LONELINESS REMEMBERS (WHAT HAPPINESS FORGETS)
(Alternate version)

11. WALK LITTLE DOLLY (Italian version - Ogni donna che amerai)
12. IF YOU LET ME MAKE LOVE TO YOU, THEN WHY CAN'T I TOUCH YOU?
13. LA VIE EN ROSE (English version - studio mix)

14. YOU'LL NEVER GET TO HEAVEN (IF YOU BREAK MY HEART) (German version - Ich warte jeden Tag)

15. AS LONG AS THERE'S AN APPLE TREE (Extended version) *
16. OUR AGES OR OUR HEARTS

17. HOW MANY DAYS OF SANDNESS (French version - Combien de jours malheureux) *
18. I LOVE PARIS (Studio mix) *
19. SILENT VOICES (Stereo version)

20. THE WINDOWS OF THE WORLD (Italian version - La vita come va)
21. C'EST SI BON (Studio mix) *

22. ODDS AND ENDS (Alternate version) *

23. A HOUSE IS NOT A HOME (French version - Un toit ne suffit pas)

24. WALK ON BY (Italian version - Non mi pentiro)

25. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE (Alternate version) *
26. PROMOTIONAL COMMERCIAKS & PUBLIC SERVICE ANNOUNCEMENTS (Various radio spots)

* 印:previously unreleased

収録時間約79分


ディオンヌ・ワーウィックの黄金期、セプター時代のレア音源を集めたコンピ集です!


2018年にReal Gone Music/Rhinoからリリースされました。ラジオのコメント(T-26.)を除く25トラックのうち "previously unreleased" が10トラックもあります。そのうちバカラック作品は15トラック("previously unreleased" は7トラック)を占めているのですが、2013年に同じくReal Gone Music/Rhinoよりリリースされたワーナー時代の未発表曲集『 WE NEED TO GO BACK 』とは異なり、未発表のバカラック作品は含まれていません。収録されていたのは既発表曲のバージョン違い 〜 別バージョン(Alternate version)、拡張バージョン(Extended version)、或いは英語以外の言語(イタリア語🇮🇹、フランス語🇫🇷、ドイツ語🇩🇪)で歌ったバージョン 〜 の数々でございます。

以下、バカラック作品15トラックについて簡単に説明してまいります。

◯ 別バージョン:5トラック(T-1,7,10,22,25.)
T-1.「 小さな願い 」:アレンジの骨格こそオリジナルと変わらないものの、トランペットが吹く “ パッパパッパパッ ” というフレーズが “ パーパパーパパー ” とのっぺりした表現だったり、曲中のピアノやストリングスのメロディが所々違っていたり、アウトロでのディオンヌのフェイクが異なっていたり、アレンジ&プロデュースの面で明らかに別物です。Original version from Scepter single SCE-12203 (1967), album『 THE WINDOWS OF THE WORLD 』(1967)
T-7.「 ドント・メイク・ミー・オーヴァー 」:イントロでストリングスのメロディがごく一部異なり歌い出し前にストリングスを1小節追加してる他はオリジナルと目立った違いは無さそう。Original version from Scepter single 1239 (1962), album『 PRESENTING DIONNE WARWICK 』(1962)
T-10.「 ロンリネス・ハッピネス 」:アウトロが明確にオリジナルと違います。オリジナルでは静かにロングトーンで終わるのにリズム伴奏のままフェードアウトするんです。逆にアウトロ以外は同じですかね。なお、1980年に英国リーダースダイジェストから出たコンピ集に収録されたことがあるため "previously unreleased" じゃないんだそう。Original version from Scepter single SCE-12276 (1970), album『 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 』(1970)
T-22.「 オッズ・アンド・エンズ 」:同じテイクのミックス違いと思われます。Original version from Scepter single SCE-12256 (1969)
T-25.「 サン・ホセへの道 」:バックトラックは同じみたいですがディオンヌのヴォーカルが違います。オリジナルと較べて軽やかさが不足してるのと微妙にテンポに乗り切れてないんですね。こうして聴くとやっぱりオリジナルの方がいいなと思います。Original version from Scepter single SCE-12226 (1968), album『 DIONNE WARWICK in Valley of the Dolls 』(1970)

◯ 拡張バージョン:1トラック(T-15.)
T-15.「 アズ・ロング・アズ・ゼアズ・アン・アップル・ツリー(リンゴの木がある限り)」:オリジナル(2分5秒)と較べて尺が長い(2分49秒)ことが拡張バージョンと表記される理由です。曲の構造を簡単に表現すると、拡張バージョンが A-B-A-B-A(唄なし)-B-A-転調A…F.O. となってるのに対し、オリジナルは A-B-A-B-A(唄なし)-転調A…F.O. で赤字部分がカットされてるんですね。拡張バージョンのまま世に出して欲しかった…。Original version from Scepter album『 DIONNE WARWICK in Valley of the Dolls 』(1970)

◯ イタリア語🇮🇹バージョン:4トラック(T-3,11,20,24.)
T-3.「 ア・ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」、T-24.「 ウォーク・オン・バイ 」:バックトラックはオリジナルと同じ。ヴォーカル(T-24.はバックコーラスも)がイタリア語。From Scepter single SC 713 (1967) Italy, Original version from Scepter album『 MAKE WAY FOR DIONNE WARWICK 』(1964)
T-11.「 ウォーク・リトル・ドゥリー 」、T-20.「 世界の窓と窓(世界の窓に光を)」:バックトラックはオリジナルと同じ。ヴォーカルがイタリア語ですが、T-11.はオリジナルにあるバックコーラスが省略されています。From Scepter single SC 715 (1967) Italy, Original version from Scepter album『 THE WINDOWS OF THE WORLD 』(1967)
…これらイタリアでの2枚のシングルは、1967年にイタリアのサンレモ音楽祭にディオンヌが出演するにあたってリリースされたんだそう。

◯ フランス語🇫🇷バージョン:3トラック(T-8,17,23.)
T-8.「 リーチ・アウト 」:バックトラックはオリジナルと同じ。ヴォーカルとバックコーラスがフランス語。Original version from Scepter album『 MAKE WAY FOR DIONNE WARWICK 』(1964)
T-17.「 悲しみの日々 」:バックトラックはオリジナルと同じ。ヴォーカルとバックコーラスがフランス語。Original version from Scepter album『 THE SENSITIVE SOUND OF DIONNE WARWICK 』(1965)
T-23.「 ア・ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」:バックトラックはオリジナルと同じ。From Vogue EPL. 8313 (1964) France, Original version from Scepter album『 MAKE WAY FOR DIONNE WARWICK 』(1964)
…フランスでは1964年にT-23.のシングルをリリース。その後もT-8.やT-17.をフランス語でもレコーディングしてたようです。1966年初頭、ディオンヌはフランスのサッシャ・ディステルの共演者としてパリのオランピア劇場に5週間出演するのですが、その際「 ア・ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム 」をフランス語で歌っています。そのライヴ盤『 Dionne Warwick in Paris 』(1966) に収録されているバージョンはスタジオ録音のT-23.に拍手をかぶせた疑いが濃厚ですが…。

◯ ドイツ語🇩🇪バージョン:2トラック(T-6,14.)
T-6.「 ウォーク・オン・バイ 」、T-14.「 ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・ヘヴン 」:バックトラックはオリジナルと同じ。ヴォーカルとバックコーラスがドイツ語。T-14.はオリジナルよりもバックコーラスが厚いです。From Vogue Schallplatten single DV 14298 (1964) Germany, Original version from Scepter album『 MAKE WAY FOR DIONNE WARWICK 』(1964)

個人的なレコメンドはT-1.とT-15.ですね。他もレアなことはレアなんでしょうけど…。


【データ】
『 ODDS & ENDS SCEPTER RECORDS RARITIES OVER TWO-DOZEN LOST RECORDINGS SPANNING 1962-1971 
Dionne Warwick

CD:2018年リリース
レーベル:Real Gone Music / Rhino
番号:OPCD-9003

Original recordings produced by Burt Bacharach & Hal David
Compilation Producer:Jim Pierson
Executive Producer:Gordon Anderson
Associate Producer:Pail Howes
©️2018 Rhino Entertainment Campany, a Warner Music Company.
©️2018 Real Gone Music, L.L.C. Manufactured for Rhino Custom Products, a Division of Rhino Entertainment Company, All Rights Reserved.

リンク先消滅したためリンク貼り直し(2024/1/14)
Amazonリンク(CD


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ディオンヌ・ワーウィックのアルバム」カテゴリの記事

コメント

あるでお様

この「Odds & Ends: Scepter Records Rarities」全26曲はyoutubeにあり、
そちらでハイライトだけ聴いてきました。

このアルバムには入っていませんが、半世紀以上前の昔話です。

「雨にぬれても」は題名が難しくて
「れんどっきほーれのーまへっ」と言われていました。

それから、ラジオで替え歌(日本語)を聴いたことがありまして
その出だしを少し思い出しかけました。


♪雨だれ小僧がね
 空から落ちてくるのでーすー
 ひとっつ ふたっつみっつ よーっつ
 雨だれ小僧がおーちてくーるー

(以下忘却)

ちたりたさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!

「 雨にぬれても 」題名難しいですよね。私の子供たちは小さい頃 “ 捻挫したふぉりおまへっ ” と歌ってましたから…。詳しくは、アルバム『 BUTCH CASSIDY AND THE SUNDANCE KID 』の記事を参照ください。
http://ardeo1964.cocolog-nifty.com/blog/2016/04/butch-cassidy-a.html

ラジオで聴いた替え歌は、石毛恭子さんの「 レインドロップス 」では?
https://youtu.be/JjpgqnAGWFU

あるでお様

うわー!
替え歌じゃなくて、本当にカバー曲だったとは!!
ありがとうございます。
50年ぶり位に謎が解けました。

♪あまだれこぞう♪と♪空から落ちて♪と♪ひとっつ・・・♪位しか合ってないので、思わず笑ってしまいました。

wikiによると石毛恭子さんはピンポンパン体操のおねえさんだったんですね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E6%AF%9B%E6%81%AD%E5%AD%90

それにしても、ラジオでちらっと聴いただけですのに、よくもまぁ覚えていたもんです。

ちたりたさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

ラジオで一回聴いただけでそこまで憶えておいでとは…、なんとも凄まじい記憶力! あやかりたいです…。

Wikiみて知りましたが、正しい曲名は「レイン・ドロップス」なんですね。7”シングル盤(日本コロムビア SCS-181)や7”EP盤(日本コロムビア C-116)の画像も検索したら出てきて、1972年にタイムスリップしました…。
そして石毛恭子さんの配偶者が坂田晃一さんということも新たな発見でした。坂田晃一さんといえば私的には1981年の大河ドラマ『 おんな太閤記 』の音楽を担当された方。OPの音楽は高3の時に吹奏楽部の定演で指揮した思い出の曲です(YouTubeに上げちゃうくらい)。BSPでの再放送(日曜朝)も欠かさず観ています。…バカラックさんと関係ない話で失礼しました^^;

あるでお様

「おんな太閤記」youtubeで聴き、当時の大河ドラマをまざまざと思い出しました。
音楽の記憶ってすごい。
これを吹奏楽でなんて、ひょっとして難曲だったのではありませんか?

定演でバカラックの演奏はなさらなかったのですか?

私は高3の文化祭で「恋よさようなら」を演奏しました。
雑誌「スイングジャーナル」の付録だったと思ったのですが
違ったのかしら?

今探してみたらyoutubeにありました。
「吹奏楽 恋よさようなら」で検索したらひっかかりました。

「ニュー・サウンズ・イン・ブラス 第1集」
https://youtu.be/tdbuqi9_mow

オブラディ・オブラダ0:08
イエスタデイ    3:24
ヘイ・ジュード   7:26
ディス・ガイ    11:53
恋よさようなら  16:22
雨にぬれても   20:38
サンホセへの道 23:38
たぶん明日    26:40
明日の世界を美しく 29:39
誓い          32:38


ビートルズが3曲、バカラックが4曲!
思わずサンホセへの道まで歌いまくりました。

ちたりたさん、こんばんは。
いつもコメントありがとうございます。

『 ニュー・サウンズ・イン・ブラス 第1集 』は拙ブログでも取り上げてます。
http://ardeo1964.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/1972-cbbe.html
ちたりたさんは「 恋よさようなら 」を演奏されたんですね! 羨ましい限りです!
このアルバム10曲中、「 イエスタデイ 」は中高時代に何度か演奏したんですけど、バカラック曲を吹く機会はありませんでした…(涙)。

ちなみに、私がバカラックを知ったきっかけは、吹奏楽によるバカラック集だったんです。お暇でしたらウェブページの [ 個人的な思い出 ] をご覧になってください。
http://ardeo1964.cocolog-nifty.com/blog/omoide.html

YouTubeで [ おんな太閤記 ardeo ] と検索→最初にヒットする動画が定演の演奏です。縦の線を合わせるのが難しかったです。自分の指揮が下手くそだったからですが😅

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