2023年5月6日 NHK FM『 ジャズ・トゥナイト 』バカラック・ジャズ
2023年5月6日(土)夜、NHK FM『 ジャズ・トゥナイト 』という番組でバカラックさんが取り上げられました。文字起こししたので、ラジオ放送やらじるらじるの聴き逃し配信を聴き逃した方は(聴かれた方も)興味ありましたらご覧ください。
(画像は全てクリックすると大きくなります)
全10曲中、バカラック作品は9曲(番組前半のバカラックさん特集のみ対象)
M1. WIVES AND LOVERS 〜 Burt Bacharach 〜
M2. WINDOWS OF THE WORLD 〜 Stan Getz 〜
M3. I SAY A LITTLE PRAYER 〜 Roland Kirk 〜
M4. WALK ON BY 〜 岡崎広志とスターゲイザース 〜
M5. ALFIE 〜 Bill Evans 〜
M6. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE 〜 George Shearing 〜
M7. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 〜 Grant Green 〜
M8. RAINDROPS KEEP FALLIN' ON MY HEAD 〜 Roy Ayers 〜
M9. BACHARACH 〜 John Zorn - MASADA 〜
M10. CLOSE TO YOU 〜 大友良英 〜
【番組タイトル】
『 ジャズ・トゥナイト 』
バカラック・ジャズ
【放送日時・放送局】
2023年 5月 6日(土) 23:00~25:00 NHK FM
【この番組について】
─ 音楽家の大友良英さんの案内で、世界各国の最先端のジャズからクラシック・ジャズまでを幅広く紹介します。番組の前半では、毎回さまざまなテーマを設定した特集をお届けし、番組後半では、内外の新譜を中心に紹介しています。 ─ (番組HPより)
番組パーソナリティーは大友良英さん。その大友良英さんのバカラック愛がびんびん伝わってきました。
以下、放送時間のうち前半部分のバカラックさん特集のみ文字起こししました。各曲目の【 】は番組公式サイトに載っていたレコード番号です。( )内の"こちら"は拙ブログの過去記事にリンクしています、ご参考まで。尚、この放送で流れた曲は、ちたりたさんのブログ『 Silmaril Necktie 』で聴く事ができます(M10.を除いて)。ちたりたさんに感謝!
***** 文字起こし開始
皆さんこんばんは、大友良英です。今日前半の特集は今年2月8日に94歳で亡くなりましたポピュラー音楽界の大巨人と言ってもいいと思います、もう個人的には最高の作曲家と思っています、バート・バカラックの特集をしたいと思っています。作曲だけでなくピアニストやそれからなかなか味わいのある歌も歌いますプロデューサーとしても活躍しましたバート・バカラックですけども、ジャズミュージシャン達もバカラックの曲をたくさんカヴァーしています。なので今日はそんなバカラックのカヴァーを前半聴いていきたいと思います。
カヴァーを聴く前にまずは本人の演奏から聴きましょう。バート・バカラック自身は実はジャズの影響も随分受けていて、今日前半最初にかける曲はそんなジャズの影響が窺えるバカラックの曲を聴きたいと思います。「 WIVES AND LOVERS 」という曲がありますけども、これ元々映画のために書いた曲ですけどその映画には使われず、'63年にジャック・ジョーンズのカヴァーでこれもなかなかジャズっぽくて素晴らしいヴァージョンなんですけどヒットしましたが、今日聴いてもらうのは1971年録音のセルフ・タイトルの『 Burt Bacharach 』(こちら)というアルバムがあるんですけれどその中に入っている「 WIVES AND LOVERS 」を聴きたいと思います。かっこいい演奏ですよ。
M1. WIVES AND LOVERS 〜 Burt Bacharach 〜 (6'20") ♪ 【A&M POCM-2013】
今聴いてもホントによく出来たアレンジメント、いい演奏だと思います。バート・バカラック1971年録音の「 WIVES AND LOVERS 」聴いてもらいました。ピアノを弾いてるのと、あと最後に味わい深い歌を歌ったのはバート・バカラック自身です。
バート・バカラック、1928年の5月生まれ、日本で言うと昭和3年生まれなので私の父と同い年(※①)ですね、お父さん聴いてるかな? で、元々生まれはカンザスシティなんですけど育ったのはニューヨークのクイーンズです。ジューイッシュ系、ユダヤ系の血を引いています。そいで、彼の自伝読むと出てくるんですけども10代の中頃にニューヨークだったので、マンハッタンの52番街とかに行ってガレスピーのバンドとかカウント・ベイシーのバンドなんかを聴いたのが凄い強い影響になってると本人は言ってます。他にもクラシックの勉強もしていて、なんと驚くべきことにですねぇダリウス・ミヨーとかヘンリー・カウエルなんかに習ってたりしてるので、ヘンリー・カウエルはジョン・ケージの先生ですよね、彼の中にはそういうクラシカルなものの影響とそれからジャズやポップスなんかの影響がもう見事にこの中で融合して、で50年代終わりくらいからかなぁ素晴らしいアレンジの数々それから作曲の数々を残しています。もう個人的にはエンニオ・モリコーネとバート・バカラックが20世紀の二大最大作曲家、ジョン・ケージも加えてもいいかな?くらいなくらい好き、です。
と言うことで、ここからはジャズ・ミュージシャンによるバカラックのカヴァーを聴いていきましょう。まずはスタン・ゲッツによるバカラックのカヴァー集で『 Plays Bacharach and David 』(こちら)と言うアルバムがあります。このデイヴィッドというのはハル・デイヴィッド、バカラックと組んでいっぱい作詞をしている人ですね、この2人の作った曲をカヴァーしているアルバムがあってこれ全曲聴いても素晴らしくいいアルバムなんですけども、今日はその中から「 WINDOWS OF THE WORLD 」を聴きたいと思います。この曲自体はディオンヌ・ワーウィックの歌で1967年にヒットして、スタン・ゲッツ自身はこの年にすぐに録音しています。ワーウィックのシングルが7月にリリースされて8月31日にスタン・ゲッツが吹き込んでいるので、もう速攻吹き込んだってことなんですかねぇ。当時ジャズ・ミュージシャンっていうのは後々スタンダード・ナンバーになるような曲、つまり当時のヒット曲をすぐに取り込んだりしているのでそういう流れだったのかもしれません。メンバーはスタン・ゲッツのテナー・サックス、若き日のチック・コリアがピアノで参加してます、フィル・アップチャーチのギター、ウォルター・ブッカーのベース、ロイ・ヘインズのドラムスに、リチャード・エヴァンスのアレンジと指揮という編成です。聴いてみましょう。
M2. WINDOWS OF THE WORLD 〜 Stan Getz 〜 (2'40") ♪ 【Verve UCCU-9757】
スタン・ゲッツ、バカラックの曲をカヴァーした『 Plays Bacharach And David 』から1967年録音の「 WINDOWS OF THE WORLD 」を聴いてもらいました。もう…すごく洗練されたカヴァーというか、わずか発売してすぐにこんな形で洗練されたアレンジメントを施して、もうスタン・ゲッツの見事としか言いようのないメロディラインとアドリヴでカヴァーしてるってのが、当時の20世紀の音楽界のジャズとかポピュラー・ミュージックとか様々な関係のダイナミズムを語るのにすごくいい例なんじゃないかと思います。
続いてはですねぇ、今洗練したって言いましたけど洗練と真逆のカヴァーです。個人的にはバカラックのカヴァーとしては最高じゃないかと思っているローランド・カークの「 I SAY A LITTLE PRAYER(小さな願い)」を聴きましょう。以前にもローランド・カークで一度かけたんですけど、今日はもう追悼なのでぜひもう一度聴きたいと思います。この曲は1967年にディオンヌ・ワーウィックが、そして翌年にはアレサ・フランクリンが歌ってヒットしました。もういろんな人が歌ってます。そして1969年の7月に録音されたのが今から聴くローランド・カークによる結構強烈なカヴァー・ヴァージョンです。アルバムは『 Volunteered Slavery 』(こちらのオマケ参照)に収められています。これもローランド・カークの最高の1枚だと思ってます。メンバーは、ローランド・カークがテナー・サックス/フルート/ホイッスル/それから冒頭に出てくるちょっと謎な電子楽器みたいなもの等々いろんな楽器を演奏していて、他にチャールズ・マギーのトランペット、ディック・グリフィンのトロンボーン、ロン・バートンのピアノ、バーノン・マーティンのベース、ソニー・ブラウンのドラムスという編成です。聴いてみましょう。
M3. I SAY A LITTLE PRAYER 〜 Roland Kirk 〜 (7'58") ♪ 【Atlantic AMCY-1192】
1969年ローランド・カークがカヴァーしましたバート・バカラックの名曲「 I SAY A LITTLE PRAYER 」聴いてもらいました。大混乱してるでしょ。もう…左チャンネルから聴こえてくるコントラバスとか、大丈夫かっていうくらいの混乱ぶりですし録音状態も決して良くはないですし、それからあのメンバーの中にはクレジットされてないですけどタンバリンの人がいてずーっと叩いてますよね。あの、映像とか観るとこのタンバリンの人が映ってたりするので、あぁこの人が叩いてんだなってわかりますけども、そんな大混乱ですけどこれもうまるで音楽のごった煮みたいで、あのバート・バカラックがごった煮っていうよりは非常に洗練された形で様々な音楽を作曲しアレンジしてたのに較べて、ローランド・カークは非常にあらゆる種類の音楽をもうごった煮でローランド・カークのある種カオスのような頭脳と身体を通して捻り出したようなカヴァーで、そういう意味で対照的なんですけどもすごく根本が僕は何か繋がるものがあるんじゃないかと思ってます。個人的なことを言っちゃうとこのローランド・カークのものを聴いたのは僕'70年代後半なんですけど、10代の頃バート・バカラックとか、ちっちゃい頃聴いてたのにね、なんかあんなのポップスだからって聴かなくなってた時期があったんですけども、ローランド・カークのこのヴァージョンを聴いてあれって思っても一回聴き直して、やっぱ凄いなぁバート・バカラックって、てゆーのを目覚めさせる切っ掛けを作ってくれたのがこのローランド・カークのカオス・ヴァージョンです。
続いても、ちょっとユニークなカヴァーです。日本でもバート・バカラックのカヴァーをしてる人達はジャズに限らず様々なジャンルでいっぱいいます。'70年代の歌謡曲なんか特にバカラックのアレンジのパクリ?と言ってもいいものがいっぱいありますけど、今日はジャズのカヴァーの中でヴォーカリストでアルト・サックス奏者でもあります岡崎広志が結成したグループ、岡崎広志とスターゲイザース(※②)の演奏で1969年リリースのバート・バカラックのカヴァー集『 スターゲイザース、バカラックを歌う 』(こちら)から「 WALK ON BY 」を聴きたいと思います。この岡崎広志さん、この番組でも一度かけたことがあるんですよ。11PMのシャバダバシャダバダってあの曲が岡崎広志さんが歌ってますね、伊集加代なんかと一緒にね。この録音、メンバーは岡崎広志のアルト・サックス/フルート/ヴォーカル、そして…ごめんなさい正確な読み方が分かりませんけど大久保計利(かずとし)さんって読むんでしょうかね、えっと計算の"計"に利益の"利"と書きます、その大久保さんがトランペット/フリューゲルホーン/ヴォーカル、それから根本博史(ひろし)さん、或いは(ひろふみ)さんと読むかもしれません、のフルート/バリトン・サックス/ヴォーカル、そして金井陽一さんのフルート/テナー・サックス、佐野博美(ひろみ)さんであってると思います、のクラリネット/アルト・サックス/フルート/ヴォーカル、藤井貞泰さんのピアノ、柴田恒雄さんのベース、間違ってたらごめんなさい西川欣司(きんじ)さんのドラムスで、編曲は前田憲男さんが担当しています。岡崎広志とスターゲイザースで「 WALK ON BY 」。
M4. WALK ON BY 〜 岡崎広志とスターゲイザース 〜 (2'34") ♪ 【日本コロムビア COCP-50222】
う〜んこれもいい演奏ですね。岡崎広志とスターゲイザース1969年リリースのアルバム、バカラック・カヴァー集の『 スターゲイザース、バカラックを歌う 』から「 WALK ON BY 」聴いてもらいました。なんかこれを聴くとバカラックのことを想うってよりは'70年前後の、昭和でいうと40年代なのかな、の日本の景色がふわ〜って浮かんでくる独特の日本観みたいなのがあって面白いなぁって思いながら聴きました。
続いては、もう名カヴァー中の名カヴァーです。ビル・エヴァンスのカヴァーで「 ALFIE 」を聴きましょう。ジャズで「 ALFIE 」っていうとソニー・ロリンズが演ってる「 ALFIE 」を思い出す人もいますけども、これ同じ映画の曲ですけどもロリンズが作ったのとは違うヴァージョンでバカラックが作ったものがあります。ビル・エヴァンスは「 ALFIE 」を何度も録音してますけど、今日は1967年8月にニューヨークのヴィレッジ・ヴァンガードで行ったセッション(こちら)から、フィリー・ジョー・ジョーンズのドラムスとエディ・ゴメスのベースによるトリオの演奏で聴きたいと思います。聴いてみましょう。
M5. ALFIE 〜 Bill Evans 〜 (5'05") ♪ 【Verve V2E-2545】
ビル・エヴァンス・トリオ、1967年8月ヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴから「 ALFIE 」聴いてもらいました。これホントに素晴らしい曲で、ビル・エヴァンスの演奏も勿論素晴らしいんですけども、興味ある人は是非バート・バカラックのオリジナル・ヴァージョン、って言っても幾つもあるんですけどもバカラックが演ってるものがね色んな人が歌っているのであるんですけども、動画サイトをチェックするとジョージ・マーティンのプロデュースでシラ・ブラックが歌ったヴァージョン、ってこれ最初期のヴァージョンだと思いますけど、これが観れるので興味ある人は是非観て下さい。もうホントに凄いです。バカラック自身がピアノ演奏し生でオーケストラが演奏して生で歌ってます。当時のポップスってこうやって録ったんだっていう、今と全然違う状況がみて取れますので、是非興味ある人は!
続いてイギリスのピアニスト、ジョージ・シアリングによるカヴァーで「 サン・ホセへの道 」を聴きましょう。この曲ももう大好きな曲です。'68年にディオンヌ・ワーウィックがヒットさせましたけど、こちらのヴァージョンはメンバーがジョージ・シアリングのピアノ、ヘルベルト・サージックのヴァイブラフォン、ジギ・シュワブのギター、アンドリュー・シンプキンスのベース、ラスティ・ジョーンズのドラムス、そしてチノ・ヴァルデス、カルメロ・ガルシアのパーカッションで、非常にラテン・テイストのあるアレンジです。録音は1974年です。
M6. DO YOU KNOW THE WAY TO SAN JOSE 〜 George Shearing 〜 (5'49") ♪ 【MPS POCJ-2549】
ジョージ・シアリング、1974年の録音で「 サン・ホセへの道 」を聴いてもらいました。これオリジナルの曲も僕大好きなんですけども、そのオリジナルが大好きな僕が聴いてもこのカヴァーはいいなって思います。オリジナルの曲はあの確か都会で暮らしてた女の子が故郷のサン・ホセへ帰りたいみたいな、日本でいうと「 北国の春 」みたいな曲なのかな、そんな曲なんですけどすっごいお洒落に聴こえますよね。
次はギターによるカヴァーです。グラント・グリーンのアルバム『 Green Is Beautiful 』(こちらのコンピ集参照)に収められた「 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 」を聴きたいと思います。この曲は1968年に初演されたブロードウェイ・ミュージカル『 Promises, Promises 』(こちら)のタイトル曲(※③)として書かれた曲です。こちらのグラント・グリーンによるカヴァーの方の演奏は、グラント・グリーン自身のギター、エマニュエル・リギンズのオルガン、アイドリス・ムハンマドのドラムス、キャンディードのコンガ、リチャード・ランドラムのボンゴという編成で、録音は1970年です。
M7. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 〜 Grant Green 〜 (6'44") ♪ 【Blue Note TOCJ-4342】
グラント・グリーン、1970年の録音で「 I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN 」聴いてもらいました。これもいい曲ですよね〜ホントに。もう…ごめんなさい、言葉を失うぐらい大好きな曲なんですけども、このグラント・グリーンの録音聴いてると落ち着くなぁと思うと、この間特集しましたルディ・ヴァン・ゲルダー・スタジオの録音で、やっぱりこの種の歪んでないというかジャズのグラント・グリーン・タイプのギターの録音をさせたら天下一品だなぁって思いながら聴いてました。ものすごくヘッドフォンでよーくよーく聴くと、最初の方にオルガンからなのかギターからなのか真空管アンプのノイズがジィーって微かに聴こえるんですけど、すいませんもぅどーでもいい話ですけどそーゆーのだけでも、うわぁ嬉しい、ノイズが聴こえるって思っちゃうのはちょっとオカシイかな、すいません。
続いてはヴァイブラフォンのロイ・エアーズによるカヴァーで「 RAINDROPS KEEP FALLIN' ON MY HEAD(雨にぬれても)」ですねえ。もう多分バカラックの最大のヒット曲なんじゃないかな。映画『 明日に向って撃て! 』(こちら)の中の挿入曲ですけど、1969年にB.J.トーマスが歌った大ヒット中の大ヒット曲です。今日聴くのは、ロイ・エアーズのヴァイブラフォン、ハリー・ウィテカーのエレクトリック・ピアノ、エドウィン・バードソングのオルガン、ジョン・ウィリアムスのベース、アルフォンス・ムゾーンのドラムスに、ジュマ・サントスのコンガという編成です。これもかっこいい演奏です。聴いてみましょう。
M8. RAINDROPS KEEP FALLIN' ON MY HEAD 〜 Roy Ayers 〜 (4'48") ♪ 【Polydor UCCU-90066】
ロイ・エアーズ、1970年発売のアルバム『 Ubiquity 』から「 雨にぬれても 」を聴いてもらいました。これもいい演奏ですよね。まだフュージョンとかクロスオーバーというような言葉が言われる前の時代のものですけども、ジャズとファンクが程よく混じり合いながらバカラックのカヴァーしてる感じで、それとちょっと気になったのが左チャンネルから聴こえてくる方のロイ・エアーズのヴァイブラフォンの音が異様に伸びる、ヴァイブラフォンって普通ポーンって減衰してくんですけどポーってなるんですよね。なんでだろう、どういう仕組みかなぁ、録音で上手くやったのかなぁ、ちょっとわかんないですけどそういうのも含めて凄く凄く面白い録音でした。
さて、最後に近づいてきました。ちょっとした変化球というか、むしろストレート直球ど真ん中と言ってもいいようなものなんですけども、1996年にリリースされた、ジョン・ゾーンのグループであるMASADAのシリーズ第7弾『 MASADA SEVEN 』に収められた「 BACHARACH 」という曲があります。これはジョン・ゾーン自身のオリジナル曲なんですけども、聴くとこれはもうバカラック以外の何ものでもないような、バカラックの作曲の特徴を凄くよく捉えてジョン・ゾーンがこの曲を作っています。ジョン・ゾーンは1997年にバカラックに敬意を表して『 Great Jewish Music: Burt Bacharach 』(こちら)というコンピレーション・アルバムもプロデュースしてリリースしてるんですけど、要するにバカラックはユダヤ系ですので、ジョン・ゾーン自身もそうなので、そういう意味で今からかける曲もこのコンピレーション・アルバムもそういうのを作ったんだと思います。メンバーは、ジョン・ゾーンのアルト・サックス、デイヴ・ダグラスのトランペット、グレッグ・コーエンのベース、ジョーイ・バロンのドラムスという編成で、曲は「 BACHARACH 」。
M9. BACHARACH 〜 John Zorn - MASADA 〜 (1'24") ♪ 【DIW DIW-915】
1分24秒の短い曲ですけども、物凄くバカラックの特徴を捉えて曲を作り直してます。ジョン・ゾーンのMASADAで「 BACHARACH 」という曲を聴いてもらいました。バカラックの特徴ってもうホントに色々ハーモニーのセンスとかリズムのセンスとか色々あるんですけども、一つは独特の普通ポップスではあり得ないような変わった拍子が、ポップスって大体4拍子なら4拍子が続いたり3拍子なら3拍子が続くんですけど、バカラックは4拍子の中に突然3拍子的なものが入ったり4拍単位だったのが突然2拍単位のとこが出てきたりとか、3拍子のとこに2拍子が入って5拍子みたいになったりってゆーのをよく使います。「 小さな願い 」とかでも、途中で4拍子の中で2拍子が入るところがバスドラでドンドンってアクセント入れたりするんですけど、そーゆーのうまーく使いながら、ユダヤの音階を使った曲と上手く融合させてもう…バカラック以外の何ものでもないような曲を作ってて、見事だと思います。ホーン・セクションのアクセントの感じとかもね、物凄くバカラックっぽいなぁって思いました。あの、この曲もし面白いと思った人がいたら、是非バート・バカラックがやっているサントラ盤でジェームズ・ボンド・シリーズのパロディで作ったと言ってもいいのかな、ピーター・セラーズが主演の『 Casino Royale 』(こちら)を是非是非チェックして下さい。
お届けして参りました前半のジャズによるバカラックのカヴァー集、如何だったでしょうか。最後は、私自身がカヴァーしました未発表のものです。バカラックが亡くなった時に、自宅でアコースティック・ギターの録音をしてたんですけど、別の仕事でね、でももうどうにも堪らなくて思わず締切間際なのに録音してしまったもので、それをこの番組のために改めてミックスし直して、何処で発表するってのでもなく録音したものです。バート・バカラックの曲でカーペンターズのカヴァーでも有名です、「 CLOSE TO YOU 」を私のギター・ソロで聴いて下さい。後半のホットピックスもお楽しみに。
M10. CLOSE TO YOU 〜 大友良英 〜 (4'34")
***** 文字起こし終了
【注釈】
※① 因みに、私(ブログ主)の亡き父とも同い年になります。
※② 大友さんは「 スターゲイザーズ 」と仰ってましたが、アルバムに表記されている「 スターゲイザース 」に直しました。悪しからず。
※③ タイトル曲ではなく劇中歌なんですけどねぇ。大友さんのうっかりミスと思われます。
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