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2023年5月 4日 (木)

Bottom's Up/The Chi-Lites (1983年)

米国のR&B/ソウルヴォーカル・グループ、シャイ・ライツが1983年にリリースしたアルバムです。バカラック・カヴァーを1曲収録!

(画像は全てクリックすると大きくなります)
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全8トラック中、バカラック作品は1トラック

A4. MAKING LOVE (4:01)


米国のR&B/ソウルヴォーカル・グループ、シャイ・ライツが1983年にリリースしたアルバムです。

シャイ・ライツは1959年に米イリノイ州シカゴで結成。中心人物はユージン・レコードで、Chi-Litesの名前の "Chi" は故郷のシカゴに由来しているんだそう。米R&Bチャートで1位になった「 HAVE YOU SEEN HER 」(1971年) と「 OH GIRL 」(1972年) が彼らの代表曲のようです(後者は全米チャートでも1位に)。1970年代後半に一度は解散しますが1980年に再結成、メンバー入れ替わりながら現在でも活動しているそうです。

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本作は再結成後4枚目のアルバムで、チャート上位まで上昇しました(US R&Bアルバムチャート15位)。また、アルバムタイトル曲のA1.「 BOTTOM'S UP 」もヒットして、1974年以来となるUS R&BチャートTOP10(7位)を記録。当時のメンバーは3名で、ジャケット左からロバート・レスター、マーシャル・トンプソン、ユージン・レコードという面々。みなさん見た目濃いですねー。

本アルバム全8曲のうち、前述のアルバムタイトル曲を含む5曲(A1〜3,B1,B3)は所謂ブラック・コンテンポラリー。時代が時代ですからねぇ。んで、2曲(B2,B4)は昔のシャイ・ライツっぽいソウルバラード。そして残り1曲が他とは毛色の違うバラード曲、バカラック・カヴァーのA4.「 メイキング・ラヴ 」でございます。

この「 メイキング・ラヴ 」、オリジナルはロバータ・フラックで1982年の曲(後述するオマケを参照方)。バカラック自身のものを除けばカヴァーは両手あるかないかの渋い曲ですが、私の知る限りこのシャイ・ライツ版が最初のカヴァーじゃないかと。キーはオリジナルより半音低いだけで、リードヴォーカルのユージン・レコードはさすがのハイトーンを聴かせてくれますし、男声バックコーラスも素敵。オリジナル(♩≒70)よりテンポは少し速め(♩≒76)で、8ビートのリズムやフルートのオブリガートも奏功して若干ソウル色も感じられるアレンジ&仕上がりになってます。女性ヴォーカルのカヴァーが多い曲ですが、このシャイ・ライツのカヴァーは存在感がありますね。個人的にレコメンドです。

実はこの曲、去る2023年3月13日(月)23時〜 NHK FM『 松尾潔のメロウな夜 』"2週連続のバート・バカラック追悼特集「メロウなバカラック」後編" の放送を聴いて初めて知りました。配信は無かったので Discogs で本アルバムをポチッとしてゲットした次第。

ここからはオマケ。所有しているMP3音源から「 MAKING LOVE(メイキング・ラヴ)」のオリジナル版と男性カヴァーをご紹介します。

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前述した通り、「 MAKING LOVE(メイキング・ラヴ)」(3:43) のオリジナルはロバータ・フラック。米映画『 Making Love 』の主題歌で、1982年2月8日にシングルA面でリリース、全米13位を記録しました。また、
1982年5月1日リリースのアルバム『 I'm The One 』にも収録されております。Bruce Roberts, Burt Bacharach, Carole Bayer Sager の3名による共作で、プロデュースは Burt Bacharach, Carole Bayer Sager のおふたり。バックも豪華です。ドラムスは Jim Keltner、ギターは Lee Ritenour、ピアノは Richard Tee 等々。バカラックもシンセを弾いてます。美しいメロディとコード進行が印象に残る曲ですが、4拍子の途中に2拍子をさりげなく挿入するなどバカラックらしさも感じられます。
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そして、シャイ・ライツの他に男性がカヴァーしたのがこちら。True Love Always という米国のポップバンドが、2001年のアルバム『 Spring Collection 』で「 MAKING LOVE(メイキング・ラヴ)」(5:13) をカヴァーしています。なお、アルバムジャケットはCDとLPで異なっており、画像左がCD、画像右がLPのものです。True Love lways は、ネオアコ・ブームの波に乗って高い評価を得たバージニア州、シャーロッツビル出身のラブソングのみを歌うことをモットーに活動するインディロック/ギターポップバンド。演奏はギター、ベース、ドラムスのみとシンプルで瑞々しい。徐々に盛り上がっていく2分半にも及ぶアウトロが素晴らしく、これもレコメンドにしちゃいましょう。


【データ】
『 Bottom's Up 』
The Chi-Lites

LP:1983年リリース
レーベル:LARC Records (US)
番号:LR-8103

Produced by Eugene Record
Arranged by Eugene Record & Sonny Sanders
Recorded at Universal Recording Studios, Chicago
The Chi-Lites are:
  Robert Lester - Background Vocals
  Marshall Thompson - Background Vocals
  Eugene Record - Lead Vocals
Musicians:
  Kevin Bibbs - Electric Bass
  Clifford "Skip" Conley - Electric Guitar
  Dennis Howell - Drums
  Pat Leonard - Synthesizer

  Reggie Perkins - Synthesizer
  Eugene Record - Synthesizer Bass, Electric Bass, Keyboards & Percussion
  Theodis Rodgers - Synthesizer
  Ron Scott - Acoustic Piano & Synthesizer
  Walter Scott - Electric Guitar
  Marshall Thompson - Percussion
  Ken Carney - Flute & Percussion
  Barbara Acklin - Additional Background Vocals

※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し

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