Plays The 3B's/The Carmen Cavallaro Camp (1970年)
米国のピアニスト、カーメン・キャバレロが The Carmen Cavallaro Camp 名義で1970年にリリースした3Bカヴァー集。バカラック・カヴァーを4曲収録!
(画像は全てクリックすると大きくなります)

全10トラック中、バカラック作品は4トラック
A1. ELEANOR RIGBY (3:37)
A2. I'LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN (2:58)
A3. LET ME GO TO HIM (2:34)
A4. PAPER MACHE (3:25)
A5. YESTERDAY (4:29)
B1. HERE, THERE AND EVERYWHERE (3:17)
B2. GAVOTTE (2:59)
B3. RAINDROPS KEEP FALLING ON MY HEAD (2:08)
B4. AIR ON A G STRING (3:22)
B5. LET IT BE (3:11)
収録時間約33分
米国のピアニスト、カーメン・キャバレロが The Carmen Cavallaro Camp 名義で1970年にリリースした3Bカヴァー集です。
The 3B's とはその下に小さく括弧書きされてる通り The Beatles, Bacharach & Bach のこと。ジャケットにも左からビートルズ4人→バカラック→バッハが描かれてます。バカラックの顔は全然似とらんけど😆。
カーメン・キャバレロは、1913年NYC生まれ(1989年没、享年76歳)の🇮🇹系米国人ピアニスト。 ─ クラシックの演奏家を目指したが、ある時点から非常にポピュラー音楽に興味を持ち、転向した経緯があり、演奏基礎はクラシックにあった。クラシックからポピュラー・ミュージックまで幅広くこなした。ピアノ・タッチは豪快で、処狭しと細かい装飾音もまじえたもので、「キャバレロ・タッチ」と称される。和音と装飾音のリズムは目の前が開けるように華麗な演奏で、「煌びやかなホテルのロビーにいるよう」とも評された。 ─ (Wikipediaより)
この画像はDiscogsからパクりました。いつの写真かわかりませんが若い頃の写真でしょう。そのDiscogsによればキャバレロのレコードデビューは1939年(勿論SP盤の時代)。キャバレロ名義だけでも1940年代に12枚、50年代に19枚、60年代に25枚、70年代に12枚、80年代に3枚のアルバムが載っています。人気あったみたいですねー。
さて本アルバム。↑ はダブルジャケットを開いて90°回して縦向きにしたところ。3Bについて何て書いてんだろ?と期待して英文読んだんですが、その中身はキャバレロの宣伝文句のみ。イラストのモノクロ版なんか載せるヒマがあったら何かしら3Bの解説しろやっ! と、思わずツッコミを入れてしまいました😤。

全10曲の内訳はビートルズ4曲(A1,A5,B1,B5)、バカラック4曲(A2〜A4,B3)、バッハ2曲(B2,B4)。バッハのB2.「 GAVOTTE 」の元曲は「 French Suite No.5 」で、B4.「 AIR ON A G STRING 」はご存じ「 G線上のアリア 」です。
キャバレロの華麗で豪快で煌びやかなピアノが主役。ピアノのタッチはクラシック系統のソレ。ピアノを生かしつつ更に自らも活躍しているオケのアレンジがこれまた秀逸でして。オリジナリティのあるオカズやオブリガートをふんだんに盛り込み、管楽器・弦楽器・パーカッションがメリハリの効いた演奏でそれに応えています。加えて、曲により加わる男女コーラスも美味(A4.と B1.では一部歌詞も歌ってます)。アレンジャーのJim Tylerはブロードウェイ・ミュージカルの編曲家で、ヴィック・ダモンやトニー・ベネットのショーでも活躍した方だそう。Good jobです。
バカラック4曲について感想を。A2.「 恋よ、さようなら 」は可愛らしい小洒落たアレンジ。A3.「 レット・ミー・ゴー・トゥー・ヒム(恋に生きて)」はディオンヌがオリジナルでカヴァーが片手くらいしかない超レア曲。オリジナルのゆったりワルツに対しキャバレロ版はテンポの早い跳ねるジャズワルツ調が新鮮。A4.「 ペイパー・マシェ 」はディオンヌのオリジナルから遠く離れないドリーミーなアレンジ。2コーラス目だけ男女コーラスが歌詞をハモって歌います。B3.「 雨にぬれても 」は♩≒180超のむっちゃ速いテンポにのけぞります。ブラスとピアノの派手な掛け合いが聴きどころで、2分少々と尺は短いですが印象に残ります。そーですねぇ、A3.とB3.をレコメンドにしときましょうか。
因みに、A2.〜A4.の3曲はディオンヌが1970年4月にリリースしたアルバム『 I'll Never Fall In Love Again 』の収録曲で、3連続シングルA面曲でもあります(「 恋よ、さようなら 」1969年12月リリース【US#6】、「 レット・ミー・ゴー・トゥー・ヒム 」1970年3月リリース【US#32】、「 ペイパー・マシェ 」1970年7月リリース【US#43】)。B3.「 雨にぬれても 」は言わずと知れた'70年代最初の全米1位曲。「 恋よ、さようなら 」は1968年のミュージカル『 Promises, Promises 』の挿入歌ですが米国でヒットしたのはディオンヌのカヴァーでしたので、旬の曲ばかりをチョイスした感じでしょうか…。
アルバム中の白眉はA5.「 イエスタデイ 」。ピアノ協奏曲のようなイントロで始まります。1コーラス目はわりと普通にイエスタデイしてるんですが、2コーラス目のサビからからいきなり高速ラテンモードに突入! …と思ったら劇的なクライマックスを迎え、その後はしっとり陰影あるエンディング。まるで一遍のロマンス映画(ひょんなことから知り合い障害を乗り越え結ばれたが引き裂かれてしまう悲恋物語)を観たような壮大なアレンジに唸りました。
このアルバムは掘り出し物ですねー。YouTubeにフルアルバムがUPされてますが、是非CDリイシューして欲しいものです。
ここからはオマケ。キャバレロのバカラック・カヴァーを更にご紹介(MP3すら所有しておらずあくまでYouTubeを聴いての感想です😅)。
キャバレロは1965年リリースのアルバム『 The Magic Music Of Hollywood 』で「 WIVES AND LOVERS 」(2:06)をカヴァー。キャバレロのピアノ+ドラムス+ギターという変則ピアノトリオ編成。ドラムスは単調に刻むだけだしギターもバッキングだけなので注目はピアノなんですが、多少アドリヴはあるものの単調な演奏でう〜んという感じ、残念!
また、1968年リリースのアルバム『 Carmen Cavallaro Plays The Hits 』では「 ALFIE 」(2:53)をピアノトリオ編成でカヴァー。ドラムスとベースはサポートに徹しています。キャバレロは華麗なアドリヴを交えて情感込めてピアノを弾いてますが、まぁ無難な演奏といったところかと。
【データ】
『 Plays The 3B's (The Beatles, Bacharach & Bach) 』
The Carmen Cavallaro Camp
LP:1970年リリース
レーベル:GWP Records (US)
番号:ST 2011
Produced by Andy Wiswell
Arranged by Jim Tyler
Recorded at Pye Studios, London, England
※ 日本のAmazonでの取り扱いは無し
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