This Is Time 5/タイムファイブ (1970年)
男性5人組コーラス・グループ、タイムファイブのデビュー・アルバムです。バカラック・カヴァーを3曲収録!
(画像は全てクリックすると大きくなります)
Original LP front cover/back cover
所有リイシューCDのジャケット表/ケース裏
全12トラック中、バカラック作品は3トラック
3. THE LOOK OF LOVE (3:17)
5. THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU (4:04)
9. THE WINDOWS OF THE WORLD (4:00)
男性5人組コーラス・グループ、タイムファイブが1970年にリリースしたデビュー・アルバムです。
タイムファイブは、─ 同志社大学軽音楽部出身の男性5人(田井康夫、野口鎮雄、勅使河原貞昭、吉村晴哉、杉江浩平)で1968年に結成されたグループ。当時、ハワイでヒットしていたコーラスグループ「INVITATIONS」の曲「ナニワイメア」を歌って大学対抗バンド合戦で優勝。結成50年を超えてメンバーは一度も変わったことがない。大学対抗バンド合戦に優勝後上京、プロとして活動を開始以来、楽器を演奏しながらコーラスするというスタイルと、テンションを駆使した高度なハーモニーをグループのカラーとして、コンサート・ライブ、テレビ、ラジオに出演。1000本以上に及ぶコマーシャル音楽の制作に携わる。 ─ (Wikipediaより)
詳細な経歴は公式サイトの「 タイムファイブとは 」を参照されたし。(こちら)
これまで私はタイムファイブを単なるコーラス・グループだと思ってました。最近たまたまYouTubeで「 WALK ON BY(ウォーク・オン・バイ)」の動画を見つけて、“ えっ⁉️ 楽器演奏しながら歌うの❓ カッケ〜😳 ” となった次第。今頃気が付くなんて…何ともお恥ずかしい😅。尚、この動画は概要欄に “ Walk On By -TIME FIVE ('75) ” と書かれており画面右上にtbsロゴがあることから当時彼らがレギュラー出演していたTBS『 サウンド・イン“S” 』のものと思われます。
本アルバムについてはCD帯の紹介文をご覧ください(私から付け加えることは何もございません😓)。─ 同志社大学のコーラス・グループとして学生時代から評判を呼んでいた5人組のデビュー作。<日本のフォー・フレッシュメン>の鳴り物入りで発表されたこの作品は、噂にたがわず素晴らしいハーモニーと、自分たちで全ての楽器も手がける、まさに日本のフォー・フレッシュメン(こちらは5人組だが)ぶりが大きな話題を呼んだ。スマートなコーラスと洒落たセンスの演奏。日本ではこれ以前にほとんどなかったこのスタイル。以後も成功した例がないことから、彼らの存在は貴重といえる。スタンダードとポップスから選ばれた曲も趣味がいい。 ─ (小川隆夫氏、リイシューCDの帯より)
本作では3曲のバカラック・カヴァーを取り上げています。
T-3.「 THE LOOK OF LOVE(恋のおもかげ)」は♩≒116のライトなボサノヴァ・アレンジ。トランペットのオブリガートや2コーラス目のサビのコーラス・ワークにはアニタ・カー・シンガーズ版(1969年)との近似性を感じます。あのオブリガートは元々ディオンヌ・ワーウィック版(1969年)でストリングスが奏でていたものですけれど。一方、ラストのコーラス&トランペットは彼ら独自のものかと。演奏している楽器はドラムス、トランペット、ベース、オルガン、ヴィブラフォン。シンプルで気持ちいいカヴァーですね。
T-5.「 THIS GUY'S IN LOVE WITH YOU(ディス・ガイ)」は♩≒84のシャッフルでオリジナルと同等。Aメロは楽器演奏のみでメロディはトランペット。Bメロ前半4小節はフルートのメロディ+コーラスでハミング。Bメロ後半4小節〜サビはコーラスが主旋律をハモって歌います。2コーラス目はフルートがAメロを吹き、Bメロ〜サビはコーラスが主旋律をハモリます。楽器はドラムス、トランペット、ベース、ピアノ、フルート/ヴィブラフォン。「 恋のおもかげ 」よりも更にシンプルなアレンジかな…と思います。
T-9.「 THE WINDOWS OF THE WORLD(世界の窓と窓)」はディオンヌの原曲(♩≒92)よりゆったり目な♩≒88のシンプルな8ビート。リードヴォーカルもコーラスのハーモニーも実に美しく、途中の転調(B♭→C)も印象的。楽器はドラムス、トランペット、ベース、ピアノ、フルート。全編にわたってピアノがキラキラしたオカズを弾き、トランペットとフルートがハモってオブリガートを吹くのがエモいです。3曲の中ではこれが最も魅力的かなぁ。
アルバム全体では、T-7.「 CALL ME(コール・ミー)」がライトなサンバ・アレンジにコーラス&楽器演奏とも軽快且つお洒落でレコメンド。
YouTubeには「 ウォーク・オン・バイ 」の他に「 THE LOOK OF LOVE(恋のおもかげ)」の動画も上がっています。メンバーの風貌から近年の演奏と思われますが、ジャズロック風な8ビートでより洗練されたサウンド&コーラスを聴くことが出来ます。ドラムスとベースはサポート・ミュージシャンのようですが、出来としてはこの動画の方が今回紹介したアルバム(1970年版)よりも素敵ですね。
YouTubeにはもう1曲、女性コーラス・グループEVEとの共演で「 SOUTH AMERICAN GETAWAY(サウス・アメリカン・ゲッタウェイ)」の動画もありました。あのダバダバの曲です。メドレーの最初の1分20秒程と最後の1分少々ですが、一度こーゆーの生で聴いてみたいものです。
さて、ここからはオマケ。タイムファイブのメンバーが大好きな米国の男性ヴォーカル・グループThe Four Freshmen(フォー・フレッシュメン)のバカラック・カヴァーをご紹介!
フォー・フレッシュメンは1968年のアルバム『 Today Is Tomorrow! 』で「 WALK ON BY(ウォーク・オン・バイ)」(2:12) をカヴァー。ファンキーなアレンジで、コーラス・ワークも要所でポルタメントを入れてファンキーっぽく。間奏のトランペットのアドリヴもカッコイイし、エンディングのコーラスもエモすぎる〜。フュージョンタッチのタイムファイブ1975版とは全くスタイルが違いますが、甲乙つけ難し…です。
1972年には The Four Freshmen With Stan Kenton And His Orchestra 名義のライヴ録音アルバム『 Live At Butler University 』で再び「 WALK ON BY(ウォーク・オン・バイ)」(2:07) をカヴァー。1968年のスタジオ録音と同じアレンジですが、演奏が荒っぽいけど勢いがあります。でもまぁスタジオ録音の方がいいかな。
【データ】
『 THIS IS TIME 5 』(LP帯:ディス・イズ・タイム・ファイブ)
タイムファイブ (英:TIME FIVE)
LP:1970年リリース (所有CDは、2018年12月5日リリースのリイシュー盤)
レーベル:King Records (JP) (所有CDは、同じくKing Records)
番号:SKK 3002 (所有CDは、KICJ 2625)
プロデュース:不明
編曲:吉村晴哉
タイムファイブ
田井康夫:ドラムス、ウクレレ/リード・ヴォーカル
勅使河原貞昭:トロンボーン、トランペット、フリューゲルホーン/2ndテナー
野口鎮雄:ベース/2ndテナー
吉村晴哉:ピアノ、オルガン/バリトン
杉江浩平:ヴィブラフォン、フルート/バス
Recorded by Fontaine Tokyo, Japan
Amazonリンク(1970年LP)(2007年リイシューCD)(2012年リイシューCD) (2018年リイシューCD)
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